JP4711196B2 - 高強度組成物補強用鋼繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度のコンクリートやモルタルなどに混合され、これを補強する鋼繊維に関する。より詳細には、圧縮強度150MPa以上の高強度コンクリートや高強度モルタルを補強する鋼繊維に関するものである。
コンクリートの曲げや引張に対する強度、およびこれらに対する粘り強さを高める目的で、コンクリートに繊維を混入させた繊維補強コンクリートが知られている。この補強用繊維には鋼や合成樹脂あるいはガラスなどの繊維を短く切断したものが一般に用いられている。この場合、コンクリートのひび割れに対する強度を高めるには、補強用繊維のヤング率がコンクリートマトリックスのヤング率よりも大きいものが効果的であるので、補強用繊維としてはヤング率の大きい炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維、などが適する。これらの繊維のうち鋼繊維は比較的安価であり、普通強度のコンクリートの強化用繊維として実用化しつつある。
繊維によるコンクリートの補強効果は、繊維とコンクリートマトリックスの付着強度に大きく影響を受ける。鋼繊維を補強用繊維として用いた場合、繊維の引張強度よりも付着強度が小さいため、付着強度を向上させるべく、繊維断面を一定の間隔で変形させたインデントや、繊維全体あるいは端部を折り曲げた形状にするなどの工夫が従来なされている。
しかし、高強度のコンクリートやモルタル、例えば圧縮強度が150MPa以上のコンクリートやモルタルでは、既存の鋼繊維を使用すると十分な補強効果が得られない問題がある。すなわち、未硬化の高強度組成物マトリックスの流動性が高い場合には、既存の鋼繊維は一般に繊維径が太く、繊維長さも比較的長いので鋼繊維がマトリックス中で沈降しやすい。また、繊維に大きく折り曲げなどの加工が施されているものは混練時に繊維どうしが絡みあうためマトリックス中に均一に分散し難い。さらに、硬化した高強度組成物はマトリックスが密実堅牢なので、従来のインデントや折り曲げ加工が施された鋼繊維は大きな負荷が加わったときに繊維表面とマトリックスとの界面の滑りが抑制されるために鋼繊維が破断してしまうなどの問題がある。このように、既存の鋼繊維を配合した高強度組成物は、繊維の補強効果が十分ではないため、曲げ強度や引張強度は必ずしも飛躍的には向上しない。
なお、コンクリート等の補強材について、下記特許文献1〜5に記載された補強材が知られている。
〔特許文献1〕特公平04−042347号公報
〔特許文献2〕特開平01−122942号公報
〔特許文献3〕特開昭52−033919号公報
〔特許文献4〕特開平07−053247号公報
〔特許文献5〕特開昭63−295459号公報
本発明は、高強度組成物に用いる補強用繊維について、このような従来の問題を解決したものであり、高強度組成物に配合した場合、飛躍的に高い曲げ強度や引張強度を付与することができる鋼繊維を提供するものである。
本発明は、高強度のコンクリートやモルタルに使用される補強用鋼繊維であって、繊維直径が0.05mm〜0.5mm、繊維長さが繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)で30〜150であり、表面に繊維直径の0.1倍を超える突起ないし窪みを有しない螺旋形状であって、螺旋形状の振幅が繊維直径の0.3〜3倍であり、螺旋形状の周期が繊維長さの0.1〜0.5倍であり、ヤング率150GPa以上、引張強度1GPa以上であることを特徴とする高強度組成物補強用鋼繊維である。
本発明の補強用鋼繊維は、高強度コンクリート等の高強度組成物に対して優れた補強効果を発揮するものであり、その組成物の高い圧縮強度に加えて飛躍的に高い曲げ強度や引張強度を付与することができる。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。
コンクリートに短繊維を混入して曲げや引張に対する強度を補強する場合、混入する補強用繊維の形状や混入量、補強用繊維のヤング率や引張強度などの機械的特性、およびマトリックスの機械的特性はもとより、補強用繊維とマトリックスとの付着強度などの界面特性の制御が重要である。
これは、マトリックスに亀裂が生じていない場合でも補強用繊維が荷重を負担し、その負担の割合は、マトリックスと補強用繊維のヤング率の比に支配されるからである。この時、補強用繊維の強度や補強用繊維とマトリックスとの付着強度に関連して補強用繊維の荷重負担の限界が決定される。すなわち、補強用繊維の強度が付着強度に比べて小さいと補強用繊維が破断し、また付着強度が小さいと補強用繊維とマトリックスとの界面が剥離や滑りを生じ、何れの場合も結果的に補強用繊維の荷重負担が減少するからである。
一方、マトリックスに亀裂が生じた場合には、荷重は亀裂部分を橋渡ししている繊維のみが負担することになるため、同様に、繊維強度やマトリックスとの付着強度に関連して補強用繊維の荷重負担の限界が決定される。
従って、コンクリートやモルタルなどの流動性に富む高強度組成物を補強し、その高い圧縮強度に加えて飛躍的に高い曲げ強度や引張強度を得るには、マトリックスの機械的特性とよく合致する機械的特性の補強用繊維を選定すると共にその補強用繊維とマトリックスとの界面特性の最適化を図ることが不可欠である。
このためには、補強用繊維としては炭素鋼製あるいはステンレス鋼製の鋼繊維が適している。鋼繊維のヤング率は150GPa以上のものが望ましい。また鋼繊維の引張強度は1GPa以上のものが望ましく、1.5GPa以上のものがさらに望ましい。鋼繊維のヤング率が150GPa未満ではコンクリートマトリックスのヤング率に近づくため、繊維の荷重分担が減り、高強度組成物のひび割れ荷重を高めることができない。
鋼繊維の直径は0.05mm〜0.5mmが望ましい。この直径が0.05mm未満では混練時に繊維どうしが干渉して塊状になりやすい。また、鋼繊維の直径が0.5mmより大きいと、高強度組成物が硬化するまでの間に繊維が沈降しやすい。このため何れの場合も高強度組成物中に配合した鋼繊維の分散が均一にならないので、十分な補強効果が得られない。
鋼繊維の長さは、そのアスペクト比(繊維長/繊維直径)が30〜200のものが望ましい。なお、アスベクト比が50〜150であれば、混練時の流動性の低下も殆ど無く、繊維混入量を比較的大きくでき、その結果、十分な補強効果が得られるのでさらに望ましい。一方、鋼繊維のアスペクト比が30未満では、亀裂の開口が広がる際に、亀裂箇所を橋渡ししている鋼繊維が引抜けやすく、繊維の補強効果が低下するので望ましくない。また、鋼繊維のアスペクト比が200を越えると混練時に流動性が低下するので、型枠に流し込むなどの作業性が劣るばかりでなく、気泡も抜け難くなる。因みに、繊維混入量を減少すれば流動性の低下は抑えられるが、繊維量が少ないので繊維が負担する荷重が小さくなり、やはり繊維補強した高強度組成物の強度は低下するので望ましくない。
鋼繊維の表面は繊維直径の0.1倍を超える突起や窪みが無く、滑らかであることが望ましい。繊維直径の0.1倍を超える突起や窪みが無ければ、コンクリートの亀裂箇所を橋渡ししている鋼繊維とコンクリートマトリックスとの界面が剥離した後も、鋼繊維とマトリックスとの相対的な移動が拘束されないため鋼繊維が破断し難くなり、高強度組成物を高靭化できる。一方、繊維直径の0.1倍を越える突起や窪みがあると、鋼繊維とマトリックスとの付着強度のピーク値は大きくなるが、鋼繊維とマトリックスとの滑りが抑制されるため、繊維の破断やマトリックスの破壊を生じやすくなり、従って、コンクリートに亀裂が生じると直ちに亀裂箇所を橋渡ししている鋼繊維の付着力が急減する。この結果、高強度組成物の脆性的な破壊を生じるようになる。


本発明の鋼繊維は螺旋形状のものである。螺旋形状のものは、亀裂を橋渡ししている鋼繊維とマトリックスとの界面が剥離した場合にも、鋼繊維とマトリックスとの相対的な移動時に適切な摩擦力を鋼繊維とマトリックスとの界面に生じ、結果として繊維補強した高強度組成物の靱性を高めることができる。
本発明に係る螺旋形状の鋼繊維について、螺旋の振幅は繊維直径の0.3〜3倍であることが望ましい。螺旋の振幅が繊維直径の0.3倍未満では繊維とマトリックスとの相対移動時に発生する摩擦力が小さくなるので好ましくない。一方、この振幅が繊維直径の3倍を越えると高強度組成物の混練時に繊維が絡み合うので、繊維を均一に分散し難い。
また、本発明に係る螺旋形状の鋼繊維について、螺旋の周期は繊維長さの0.1〜0.5倍であることが望ましい。この周期が繊維長さの0.5倍を越えると、繊維とマトリックスとの相対移動時に繊維に十分な抗力が作用せず、繊維とマトリックスとの界面に発生する摩擦力は急減する。また、この周期が繊維長さの0.1倍未満であると摩擦力が大きくなり過ぎて繊維とマトリックスとの相対的な移動を拘束するようになる。これらの結果として、鋼繊維による十分な補強効果が得られず、繊維補強した高強度組成物は脆性的な破壊をするようになるので、何れも望ましくない。なお、螺旋の振幅または周期は繊維中心を基準としたものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。なお、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1〕
マトリックスとなる高強度組成物(高強度コンクリート)の原料として、中庸熱セメント2246g、シリカフューム250g、砂(山形県産の珪砂:4号)1880g、および混和剤(ポリカルボン酸系高性能減水剤62.4gおよび消泡剤0.6g)を含む水450gを秤量した。また、鋼製の繊維を用意した。この鋼繊維は直径0.05mm、アスペクト比120(長さ6mm)、顕微鏡で評価した表面凹凸は0.005mmの螺旋状のものであり、螺旋の形状は振幅0.1mm(繊維直径の2倍)および周期2.4mm(繊維長さの0.4倍)であって、繊維の引張強度およびヤング率はそれぞれ2GPaおよび200GPaである。この繊維316gを秤量した。なお、このコンクリートに対する繊維混入率は2体積%である。
秤量した原料をホバート型ミキサを用いて混練した。水、セメントとシリカフュームを予め混合させたものを混練し、次ぎに砂、繊維を投入して試料を作製した。この試料は、曲げ強度測定用の供試体を作製するため、縦160mm×横40mm×深さ40mmの型枠に流し込んで成型した。また、引張強度測定用の供試体を作製するため、縦300mm×横50mm×深さ10mmの型枠に試料を流し込みんで成型した。この成型24時間後、脱型し、引き続き、80℃、48時間の蒸気養生を行い、供試体を得た。
この供試体について、曲げ強度の測定は、インストロン型試験機を用い、下部支点間距離120mmとして三点曲げ試験を行い、その荷重の最大値から算出した。また引張強度の測定は、供誠体の両端にアルミニウム板(50mm角、1.5mm厚)をエポキシ樹脂で固着した後、インストロン型試験機を用いて一軸引張試験を行い、その荷重の最大値から引張強度を算出した。何れの試験においても、試験速度はクロスヘッド速度0.5mm/minとした。
また、混練直後の試料の流動性を評価するフロー値は、水平な350mm角のガラス板上に置いたJISモルタル用のリングに試料を流し込み、リング上端を擦り切り後、リングを静かに引き上げ、流れ出た試料が静止した時の長径とそれに直交する径を測定し、両者の平均値をフロー値とした。その結果、フロー値は230mmと良好な流動性を示し、また三点曲げ強度は50MPa、一軸引張強度は20MPaと極めて高い値であった。
〔実施例2〕
使用した鋼繊維が直径0.5mm、アスペクト比50(長さ25mm)の螺旋形繊維であり、螺旋の振幅1mm(直径の2倍)、螺旋の周期5mm(長さの0.2倍)、繊維の混合量554g(繊維混入率3.5体積%)、砂の配合量1802gとした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値250mm、三点曲げ強度45MPa、一軸引張強度20MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔参考例1〕
使用した鋼繊維が直径0.1mm、アスペクト比200(長さ20mm)の波形繊維であり、波形の振幅0.2mm(直径の2倍)、波形の周期6mm(長さの0.3倍)、繊維の混合量158g(繊維混入率1体積%)、砂の配合量1935gとした以外は実施例1と同様にしてそのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値240mm、三点曲げ強度45MPa、一軸引張強度20MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔実施例3〕
使用した鋼繊維が直径0.3mm、アスペクト比30(長さ9mm)の螺旋形繊維であり、螺旋の振幅0.6mm(直径の2倍)、螺旋の周期1.8mm(長さの0.2倍)、繊維の混合量1264g(繊維混入率8体積%)、砂の配合量1564gとした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値230mm、三点曲げ強度42MPa、一軸引張強度18MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔参考例2〕
使用した鋼繊維が直径0.4mm、アスペクト比50(長さ20mm)の波形繊維であり、波形の振幅0.4mm(直径の1倍)、波形の周期5mm(長さの0.25倍)、繊維の表面凹凸0.04mm、繊維の混合量790g(繊維混入率5体積%)、砂の配合量1722gとした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値235mm、三点曲げ強度40MPa、一軸引張強度18MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔実施例4〕
使用した鋼繊維が直径0.1mm、アスペクト比150(長さ15mm)の螺旋形繊維であり、螺旋の振幅0.03mm(直径の0.3倍)、螺旋の周期3mm(長さの0.2倍)とした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値230mm、三点曲げ強度45MPa、一軸引張強度17MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔実施例5〕
使用した鋼繊維が直径0.3mm、アスペクト比40(長さ12mm)の螺旋形繊維であり、螺旋の振幅0.9mm(直径の3倍)、螺旋の周期1.8mm(長さの0.15倍)、繊維の混合量790g(繊維混入率5体積%)、砂の配合量1722gとした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値230mm、三点曲げ強度41MPa、一軸引張強度19MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔実施例6〕
使用した鋼繊維が直径0.1mm、アスペクト比80(長さ8mm)の螺旋形繊維であり、螺旋の振幅0.1mm(直径の1倍)、螺旋の周期0.8mm(長さの0.1倍)、繊維の表面凹凸0.01mm、繊維の混合量554g(繊維混入率3.5体積%)、砂の配合量1802gとした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値240mm、三点曲げ強度58MPa、一軸引張強度23MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔実施例7〕
使用した鋼繊維が直径0.2mm、アスペクト比80(長さ16mm)の螺旋形繊維であり、螺旋の振幅0.2mm(直径の1倍)、螺旋の周期8mm(長さの0.5倍)、繊維の表面凹凸0.01mm、繊維の混合量554g(繊維混入率3.5体積%)、砂の配合量1802gとした以外は実施例1と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。これらの結果、フロー値250mm、三点曲げ強度45MPa、一軸引張強度20MPaであり、何れも良好な値を示した。
〔比較例1〕
使用した鋼繊維が直径0.02mmの螺旋形繊維であり、螺旋の振幅0.04mm(直径の2倍)、螺旋の周期0.96mm(長さの0.4倍)、表面の凹凸が0.002mmとした以外は実施例1と同様にしてそのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、繊維が細すぎたので、実施例1と比較すると脆性的な破断を示し、三点曲げ強度は16MPa、一軸引張強度は7.2MPaと劣り、フロー値も180mmと流動性が低くかった。
〔比較例2〕
使用した鋼繊維が直径0.6mmの螺旋形繊維であり、螺旋の振幅1.2mm(直径の2倍)、螺旋の周期6mm(長さの0.2倍)とした以外は実施例2と同様にしてそのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、フロー値は240mmであり、流動性は低下しなかったが、繊維が太すぎたので、実施例2と比較すると脆性的な破断を示し、三点曲げ強度は21MPa、一軸引張強度は8.3MPaと劣った。
〔比較例3〕
使用した繊維をアスペクト比240(長さ24mm)とし、それに伴い波形の周期7.2mm(長さの0.3倍)とした以外は参考例1と同様にしてそのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、繊維が長すぎたためフロー値は170mmとなり流動性が低下し、成型時の作業性にも劣った。また、三点曲げ強度は20MPa、一軸引張強度は9.3MPaであり、実施例3と比較すると劣るものとなった。
〔比較例4〕
使用した繊維をアスペクト比20(長さ6mm)とし、それに伴い螺旋の周期1.2mm(長さの0.2倍)とした以外は、実施例3と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、フロー値は235mmであり、流動性は低下しないが、繊維が短すぎるので供試体が脆性的な破断を示した。この供試体の三点曲げ強度は22MPa、一軸引張強度は8.5MPaであり、実施例4と比較すると劣るものとなった。
〔比較例5〕
使用した繊維が表面凹凸0.1mmのインデント加工したものを用いた以外は参考例2と同様にしてフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、繊維どうしの絡みが顕著であるためフロー値は200mmとなり、流動性が低下した。また強度試験中、繊維が引き抜ける時にマトリクスを破壊する傾向があるため供試体は脆性的な破断を示した。この供試体の三点曲げ強度は22MPa、一軸引張強度は8.8MPaであり、実施例5と比較すると劣るものとなった。
〔比較例6〕
使用した繊維を螺旋や波形のない直線状のものにした以外は実施例4と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、フロー値は220mmとなり、混練後の試料の流動性は低下しなかったが、強度試験においては、繊維の付着強度が不足するためか、三点曲げ強度は21MPa、一軸引張強度は9.1MPaであり、実施例6と比較して低かった。
〔比較例7〕
使用した繊維を螺旋の振幅1.2mm(直径の4倍)とした以外は実施例5と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、繊維どうしの絡みが顕著なためフロー値は170mmとなり、流動性の低下が顕著であった。また強度試験中、繊維が引き抜ける際にマトリクスを破壊する傾向があるため供試体の強度は低く脆性的な破断を示した。強度の測定結果は、三点曲げ強度20MPa、一軸引張強度8.4MPaであり、実施例7と比較すると劣るものとなった。
〔比較例8〕
使用した繊維を螺旋の周期0.64mm(長さの0.08倍)とした以外は実施例6と同様にして、そのフロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、繊維どうしの絡みが顕著なため、混練作業もやや困難であり、フロー値は170mmとなり流動性の低下が顕著であった。また、強度試験では、繊維が引き抜ける際にマトリクスを破壊する傾向があるため供試体の強度は低く、脆性的な破断を示した。強度の測定結果は、三点曲げ強度16MPa、一軸引張強度6.9MPaであり、実施例8と比較すると劣るものとなった。
〔比較例9〕
使用した繊維を螺旋の周期9.6mm(長さの0.6倍)とした以外は実施例7と同様にして、フロー値、三点曲げ強度および一軸引張強度を測定した。この結果、フロー値は250mmであり試料の流動性は低下しないが、強度試験においては、繊維の付着強度が不足するためか、三点曲げ強度21MPa、一軸引張強度8.7MPaであり、実施例9と比較して低かった。
上記実施例1〜7、参考例1、2、および比較例1〜9の結果を表1に示した。
Figure 0004711196

Claims (1)

  1. 高強度のコンクリートやモルタルに使用される補強用鋼繊維であって、繊維直径が0.05mm〜0.5mm、繊維長さが繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)で30〜150であり、表面に繊維直径の0.1倍を超える突起ないし窪みを有しない螺旋形状であって、螺旋形状の振幅が繊維直径の0.3〜3倍であり、螺旋形状の周期が繊維長さの0.1〜0.5倍であり、ヤング率150GPa以上、引張強度1GPa以上であることを特徴とする高強度組成物補強用鋼繊維。
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