JP6176434B2 - 水硬性材料及び水硬性材料硬化体 - Google Patents

水硬性材料及び水硬性材料硬化体 Download PDF

Info

Publication number
JP6176434B2
JP6176434B2 JP2013010497A JP2013010497A JP6176434B2 JP 6176434 B2 JP6176434 B2 JP 6176434B2 JP 2013010497 A JP2013010497 A JP 2013010497A JP 2013010497 A JP2013010497 A JP 2013010497A JP 6176434 B2 JP6176434 B2 JP 6176434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibers
hydraulic material
reinforcing
fiber
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013010497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014141370A (ja
Inventor
正朗 小島
正朗 小島
健郎 三井
健郎 三井
敏男 米澤
敏男 米澤
本間 大輔
大輔 本間
博三 三橋
博三 三橋
智哉 西脇
智哉 西脇
貴恒 菊田
貴恒 菊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Takenaka Corp
Tohoku Institute of Technology
Original Assignee
Tohoku University NUC
Takenaka Corp
Tohoku Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Takenaka Corp, Tohoku Institute of Technology filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2013010497A priority Critical patent/JP6176434B2/ja
Publication of JP2014141370A publication Critical patent/JP2014141370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6176434B2 publication Critical patent/JP6176434B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は、水硬性材料及び該水硬性材料を硬化して得られた水硬性材料硬化体に関する。
土木・建築構造物に適用される水硬性材料、特にセメント、モルタルおよびコンクリート等の水硬性材料は種々の目的に使用され、水硬性材料の硬化体は、高い圧縮強度を有することで建築構造物などに汎用される。しかしながら水硬性材料硬化体は、優れた圧縮強度に対し、引張強度は充分ではなく、鉄筋コンクリート等の構造物では、コンクリートは圧縮力だけを負担し、引張力を負担しない使用態様で設計されていることが一般的であった。
引張強度を向上させる目的で、従来、水硬性材料に補強用の鋼繊維を混合することが行われており、引き抜き力に対する抵抗をより向上させるため、異形の鋼繊維、例えば、両端が変形したフック型鋼繊維と直線状鋼繊維を添加する技術(例えば、特許文献1参照。)、鋼繊維と、ワラストナイトと、を添加する技術(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
近年、コンクリート硬化体に代表される水硬性材料硬化体の圧縮強度向上のための改良が進み、特に、水硬性材料における水と、結合材との比率、即ち、コンクリートを例に挙げれば、水と、セメント、シリカフューム、高炉スラグ、フライアッシュ等のコンクリート中で水和反応する材料との質量比(以下、水/結合材比ということがある。本明細書中における水/結合材比は特にことわらなり限りにおいて、質量基準である)を、小さくして強度を上げる技術が種々提案されている。これは、水/結合材比を小さくすると、粒子間の距離が狭くなり、また、液相部分に水和生成物が析出し充填するため、組織が緻密になり、圧縮強度の高いコンクリートが得られるためと考えられる。
セメント硬化体として高い圧縮強度のものが得られると、構造物の柱断面を小さくしたり、柱の荷重の負担面積を大きくしたりすることができるため、高層の構造物の建設に有用となり、また、建物の柱の間隔を大きくとることができるようになり、建築物の平面計画上の自由度を上げることができ、大きなメリットが生まれる。他方、引張強度も、より高度なものが求められる。
水硬性材料硬化体の圧縮強度が高い場合、例えば、圧縮強度で60N/mm以上の場合には、従来使用される鋼繊維をそのまま利用しても、有効に引張強度が改善されない場合が生じてきた。
特許第3874509号公報 特開平11−246255号公報
通常、鋼繊維などの補強繊維が補強効果を発揮するのは、硬化体に作用している応力が付着力を介して補強繊維に分散されるためと考えられている。
本発明者らが詳細に検討したところ、引張応力が高くなり、硬化体の変形が進むと、硬化体の強度が十分に高くない場合には、補強繊維は硬化体を破壊しながら抜け出てゆく傾向にあるが、水/結合材比が小さく、水硬性材料硬化体の圧縮強度が60N/mm以上となる場合には、硬化体は破壊されず、鋼繊維自体が塑性変形することで抜け出てゆく鋼繊維の割合が高まるために、従来公知の鋼繊維では、異形繊維、直線状繊維などから選択して添加したのみでは、引張応力に対する耐性が充分に得られないことが判明した。さらに、本発明者らの検討によれば、構造物を合理的に設計するためには,少なくともコンクリート硬化体において通常のコンクリートの圧縮強度が20N/mmから30N/mmとすると、この2分の1に相当する程度の引張強度が、設計構造物を合理的に構築するためには必要であること、構造物を脆性的に破壊させないためには,2%の変形時でも所定の耐力を保持できる必要があることを見出した。特許文献2に開示されるセメント質マトリクスに鋼繊維を加え、さらに、ワラストナイトなどの補強材を用いる技術においては、従来品に比較し、靱性の改良が見られる。しかしながら、主に曲げ試験による曲げモーメントを断面係数で除して求めた最外縁応力(破壊係数)での改善は著しいものの、直接的に引っ張る試験方法による引張強度では、引張強度が前記10N/mm以上であるといった高引張強度且つ高靱性を達成するには至らず、予め鋼材で圧縮力を導入するポストテンションを施した場合において12MPa程度であることが本発明者らの検討で明らかとなった。また、高圧縮強度の成形体に特有の耐爆裂性が十分ではないといった問題があり、構造物の構築用材料としてはさらなる改良が求められているのが現状である。
これら従来技術の問題点を考慮した本発明の課題は、水硬性材料において、硬化体の圧縮強度を改良する目的で水/結合材比を小さくした場合であっても、圧縮強度のみならず、引張強度と靱性が向上された水硬性材料硬化体を形成しうる水硬性材料を提供することである。
また、本発明のさらなる課題は、上記本発明の水硬性材料を用いてなる、圧縮強度と引張強度の双方に優れる水硬性材料硬化体を提供することである。
本発明者らは鋭意検討の結果、水硬性材料硬化体の強度が高い場合には、従来の補強用鋼繊維のみの添加では充分な引張強度の改良が得られず、変形された鋼繊維と鋼繊維や有機繊維などの直線状補強材、さらには、化学的な影響を与えうる補強材をそれぞれ加えることで、補強繊維の摩擦抵抗及び塑性変形エネルギー及び硬化体自体の物性改良が相俟って水硬性材料硬化体の圧縮強度、引張強度、及び靭性が改善され、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下の通りである。
<1> 結合材、骨材、直線部と前記直線部の両端部から該直線部と角度を持つように折り曲げられた第1フック部と前記第1フック部の端部を互いに離れる方向へ折曲げて前記直線部と平行とした第2フック部とを有するマクロ補強鋼繊維を0.5容量%〜3.0容量%、有機繊維及び無機繊維から選択される1種以上のメゾ補強繊維を0.5容量%〜3.0容量%、及びワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材を結合材の総含有量に対して1質量%〜20質量%含有する水硬性材料。
ここで、マクロ補強鋼繊維は、両端フック型の鋼繊維であり、マクロ領域の補強に有効な補強繊維である。有機繊維及び無機繊維から選択される1種以上のメゾ補強繊維は、メゾ領域の補強に有効な補強繊維であり、以下、単に、「メゾ補強繊維」と称することがある。本発明におけるメゾ補強繊維は、両端にフック部を有しない形状の繊維から選択される。本発明に用いられるワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材は、ミクロ領域の補強に有効な補強材であり、以下、単に「ミクロ繊維材」と称することがある。
<2> 前記メゾ補強繊維が、直径5μm以上300μm以下であり、長さ1mm以上20mm以下の有機繊維及び無機繊維から選択される1種類以上を含む<1>に記載の水硬性材料。
<3>前記メゾ補強繊維が、無機繊維から選択される1種以上と、有機繊維から選択される1種以上とを含有する<1>又は<2>に記載の水硬性材料。
> 前記メゾ補強繊維が、180℃以上の温度で、溶融するか又は50%以上減容する有機繊維を含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載の水硬性材料
5> 前記マクロ補強鋼繊維を構成する鋼繊維の強度が2000MPa〜5000MPaの範囲である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の水硬性材料。
<6> 前記マクロ補強鋼繊維を構成する鋼繊維の全長が5mm〜50mmであり、該鋼繊維の平均径が50μm〜600μmである<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水硬性材料。
<7> 水/結合材比が0.1以上0.3以下である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の水硬性材料。
<8> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の水硬性材料を硬化して得られた、引張強度の最大値が10N/mm以上であり、引張1%変形時の引張耐力が引張強度の最大値の3分の2以上であり、且つ、引張2%変形時の引張耐力が引張強度の最大値の3分の1以上である水硬性材料硬化体。
なお、本明細書における水硬性材料とは、セメント、モルタルおよびコンクリートを包含する概念であり、代表的には、セメント、骨材、水和性材料及び水を含有し、水/結合材比(質量基準)が0.1以上0.3以下であるコンクリート組成物が挙げられる。
本明細書における水硬性材料硬化体とは、コンクリート組成物やセメント組成物を混合して型枠に投入し、硬化させてなる硬化体を示す。なお、高強度の硬化体を形成する場合、通常の養生に加え、硬化体を、70℃〜100℃の温度範囲で2時間〜72時間蒸気養生する蒸気養生、100℃〜400℃の温度範囲で2時間〜72時間加熱する高温養生、及び、オートクレーブなどによる高温高圧養生などから選ばれる養生を1種以上、適宜組み合わせて実施することも好ましい態様である。
本発明の水硬性材料を用いることで、水/結合材比が0.1以上0.3以下であり、圧縮強度が60N/mm〜400N/mmの範囲にあり、且つ、引張強度と靱性にも優れた水硬性材料硬化体を形成することができる。このような水硬性材料硬化体は、建築物などの構造部材を形成する材料としても有用である。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように考えている。
水硬性材料硬化体が破壊する際には、まずクラックがミクロレベルで発生し、これがメゾレベル、マクロレベルと発展してゆき、やがて破壊に至ると考えられる。
本発明の水硬性材料は、補強材として、目視で確認することができるような巨視的に顕在化したマクロ領域のクラックの補強に効果的な両端フック型のマクロ補強鋼繊維と、直線状の無機繊維及び有機繊維から選択され、マクロとミクロの中間領域のクラックに対して効果的に補強作用を発揮するメゾ補強繊維と、ワラストナイト及びマイカより選ばれるミクロ領域での補強に有効なミクロ補強材の、3種の補強材を含むために、該水硬性材料により形成された硬化体に引張応力が掛った場合、これまでには実現できなかった性能を発揮する。すなわち、セメントマトリクスが弾性的な挙動をしている間は、マトリクスと補強材の付着を介して3種類の補強材が協同して引張に対して抵抗するため、ひび割れが発生するまでの弾性域の引張応力の値が大きくなる。マトリクスの伸び能力を超える領域になると、マトリクスから微細なクラックが生じはじめるが、ワラストナイトなどのミクロ補強材により形成された架橋構造により、まず、硬化体内部におけるナノサイズのクラックの発生が抑制され、架橋により応力伝達される。さらに応力が大きくなりながら変形が進んでいくと中サイズのクラックに進展してゆくが、このサイズのクラックによる応力を、硬化体中に均一分散された柔軟な有機繊維及び無機繊維から選ばれた両端にフック部を有しないメゾ補強繊維が効果的に負担してクラックのさらなる進展が抑制される。さらに、マクロ補強鋼繊維においては塑性変形時の鋼繊維の強度低下が抑制されているために、大きな引き抜き抵抗力が得られ、硬化体に高い引張強度が達成される。さらに、マクロ補強鋼繊維は、両端にフック部を有し、鋼繊維自体が高強度であるために、塑性変形を伴いながら引き抜け時に抵抗するため、靭性の低下が生じ難い。
上記のマクロ、メゾ、ミクロの3つの領域の補強材は、それぞれ単独で、具体的には次のような効果を奏する。すなわち、マクロ補強鋼繊維によれば、幅が0.05mm(50μm)〜2mm程度の巨視的で目視で確認できるようなクラックの補強に有効である。また、ミクロ補強材は、セメント粒子や水和物レベルのサイズで生じた幅数nm〜数μmのクラックの発生の抑制や架橋による補強に有効である。また、メゾ補強繊維は、マクロサイズのクラックに進展する前の、幅1μm〜50μm程度のクラック、あるいは、セメント粒子や水和物レベルのサイズで生じたミクロ領域の幅のクラックが近接して複数本発生しているような領域の補強に有効である。このような3種の補強材が水硬性材料中に、それぞれ均一に分散されて存在し、それらが協同して複合することで、本発明の優れた効果を奏するものである。
なお、本発明の好ましい態様では、メゾ補強繊維として少なくとも1種類の有機繊維、特に加熱により蒸発又は減容する有機繊維を用いることで、高圧縮強度硬化体に特有の問題である高温時の爆裂への抵抗性をも改良することができるため、これにより、水硬性材料自体の流動性を低下させることなく靱性がより改良され、水硬性材料硬化体の圧縮強度、引張強度、靱性のみならず、耐爆裂性も改良されるという利点を有することになる。
なお、本明細書における引張強度とは、応力ひずみ関係でいう最大値のことを指す。
本発明によれば、水硬性材料において、硬化体の圧縮強度を改良する目的で水/結合材比を小さくした場合であっても、圧縮強度のみならず、引張強度と靱性が向上された水硬性材料硬化体を形成しうる水硬性材料を提供することができる。
さらに、本発明によれば、上記本発明の水硬性材料を用いてなる、圧縮強度と引張強度の双方に優れる水硬性材料硬化体が提供される。
本発明に使用される両端フック型鋼繊維の一例を示す概略正面図である。
以下、本発明の水硬性材料及び該水硬性材料により得られる水硬性材料硬化体について詳細に説明する。
〔水硬性材料〕
本発明の水硬性材料は、(A)結合材、(B)骨材、(C−1)直線部と前記直線部の両端部から該直線部と角度を持つように折り曲げられた第1フック部と前記第1フック部の端部を互いに離れる方向へ折曲げて前記直線部と平行とした第2フック部とを有するマクロ補強鋼繊維、(C−2)有機繊維及び無機繊維から選択される1種以上のメゾ補強繊維、及び(C−3)ワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材を含有する水硬性材料の好ましい態様であり、(C−1)直線部と前記直線部の両端部から該直線部と角度を持つように折り曲げられた第1フック部と前記第1フック部の端部を互いに離れる方向へ折曲げて前記直線部と平行とした第2フック部とを有するマクロ補強鋼繊維を0.5容量%〜3.0容量%、(C−2)有機繊維及び無機繊維から選択される1種以上のメゾ補強繊維を0.5容量%〜3.0容量%、及び(C−3)ワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材を結合材の総含有量に対して1質量%〜20質量%含有する。
以下、これら(C−1)マクロ補強鋼繊維、(C−2)メゾ補強繊維、及び(C−3)ミクロ補強材を、「補強材(C)」と総称することがある。
まず、本発明の水硬性材料に含まれる各種補強材(C)について説明する。
(C−1)両端フックのマクロ補強鋼繊維
図1は本発明の水硬性材料に用いうる補強用の両端フック型鋼繊維10の一態様を表す正面図である。
両端フック型鋼繊維10は、鋼繊維であって、直線部12と、その両端において、該直線部12と角度をなすように屈曲した第1フック部14A、14Bと、該第1フック部14A、14Bの端部を互いに離れる方向へ折曲げて前記直線部と平行とした第2フック部16A、16Bとを有する両端フック型鋼繊維であり、両端がフック形状を有する限り、特に形状に制限はない。
両端フック型鋼繊維10を構成する鋼繊維は、全長は5mm〜50mmであり、両端フック型鋼繊維を構成する鋼繊維の平均直径(φ)は50μm〜600μmであることが、加工精度の確保及び必要な補強効果が得られる点から好ましい。
また、該鋼繊維(素線)の引張強度としては、2000MPa以上5000MPa以下であることが好ましい。素線の強度が高いほど補強繊維としては有効であるが、加工性などを考慮して上限値を5000MPaとしたものであり、そのような観点からは、素線の引張強度は3000MPa以上であることがより好ましい。両端フック型鋼繊維を構成する鋼繊維の引張強度は、土木学会「コンクリート用鋼繊維品質規格(案)(JSCE−E101−2007)の付属書(規定)「鋼繊維の引張強度試験方法」に準じて評価している。
載荷試験にはインストロン社製万能試験機モデル55R1125を用い、変位速度をクロスヘッド速度で0.2mm/minで引っ張って試験した。5本の試験結果の平均値を試験値とした。なお、本規格では平板用チャックで固定した。繊維径が0.2mm程度以下の直径の細い鋼繊維は、平板用チャックを用いて試験するとチャック付近で破断してしまうことが多かったため、空気キャプスタン型糸つかみ具(島津製作所製)を用い、引っ張り方向に対して円筒部分を半周回った位置に繊維の固定部を設けて、つかみ部分で破断しないようにして試験した。
このような引張強度を達成するためには、両端フック型鋼繊維を構成する鋼繊維(素線)の素材としては、例えば、JIS G 7305「ばね用鋼線−第2部:冷間引抜炭素鋼線(ISO仕様)」、JIS G 7306「ばね用鋼線−第3部:オイルテンパー線(ISO仕様)」、JIS G 3522「ピアノ線」、JIS G 3521「硬鋼線」等を使用することが好ましい。
ここで両端フック型鋼繊維の全長(la)とは、一方の第2フック部16Aの端部から、他方の第2フック部16Bの端部までの距離を指し、6mm〜50mmであることがより好ましく、15mm〜40mmであることがさらに好ましい。
全長を上記範囲とすることで、引張応力に対する耐性がより向上し、引張応力を受けた場合のクラックの発生などが、より効果的に抑制される。
以下、本発明に使用される両端フック型鋼繊維10の他の好ましい態様を挙げるが、これは一例であり、本発明はこれらの記載に制限されない。
両端フック型鋼繊維10の直線部12と平行な第2フック部16A、16Bの長さ(l)は1mm以上であることが好ましく、直径(φ)が50μm以上の場合には2.5mm以上が好ましい。長さが短すぎると引張応力に対する耐性が低下する。長さの上限には特に制限はないが、水硬性材料に混合する際の作業性の観点からは、5mm以下であることが好ましい。
なお、図1に示すように、第2フック部16A、16Bの長さ(l)とは、第1フック部14A、14Bの折り曲げ位置から第2フック部16A、16Bの端部までの距離を指す。
また、鋼繊維の直径(φ)と第2フック部16A、16Bの長さ(l)の比(l/φ)は5以上25以下であることが好ましく、例えば、直径(φ)が0.30mm以上の場合には6.5以上15以下であることが好ましい。
さらに直線部12と前記第2フック部16A、16Bとの距離である第1フック部14A、14Bの曲げ高さ(h)は0.3mm以上であることが好ましく、鋼繊維の直径(φ)が0.30mm以上の場合には0.8mm以上であることが好ましい。高さ(h)の上限には特に制限はないが、水硬性材料に混合する際の均一混合を容易にするという観点からは、3mm以下であることが好ましい。曲げ高さhは、図1に示すように、第2フック部16A、16Bにおける鋼繊維の中心線と直線部12における鋼繊維の中心線との距離を指す。
ここで、鋼繊維の直径(φ)と第1の屈曲部14A、14Bの曲げ高さ(h)との比(h/φ)が2以上10以下であることが好ましく、3以上6以下であることがより好ましい。
また、他の好ましい態様として、前記第1フック部14A、14Bと前記第2フック部16A、16Bの折曲部の内側面が形成するR部の曲率半径をr1とし、前記直線部12と前記第1フック部14A、14Bの折曲部の内側面が形成するR部の曲率半径をr2とし、鋼繊維の直径をφをとしたとき、r1/φが3以上10以下である態様、或いは、r2/r1は、1.5以上10以下である態様などが挙げられる。
また、両端フック型鋼繊維10の直線部12の長さ(l)と、前記第2フック部16A、16Bの長さ(l)との関係は、以下の式を満たすことが好ましい。
(式) 6×l<l
両者の長さのバランスにおいて、第2フック部16A、16Bの長さ(l)が直線部12の長さ(l)に対して、上記割合の長さを有することで、フックの形状がより効果的に働き、水硬性材料中における引き抜き耐性がより向上し、水硬性材料硬化体の引張応力に対する耐性がより優れたものとなる。
本発明に係る両端フック型鋼繊維の作製において、第1フック部及び第2フック部は、精密バネ加工用のコイリングマシンを調整して上記好ましい形状に成形することができる。大量に生産する場合には、特開平5−337727号公報に示される歯車式の成型装置などで製造してもよい。
両端フック型鋼繊維表面は、後述する水硬性材料との密着性向上などの目的で、プライマー処理、表面粗面化処理などの、化学的、或いは、物理的な表面処理を施してもよい。
水硬性材料に対する両端フック型鋼繊維の含有率は0.5容量%〜3.0容量%の範囲であることが好ましく、1.0容量%〜3.0容量%の範囲であることがより好ましい。含有率が上記範囲において、硬化体の引張強度、靱性がより向上する。
(C−2)有機繊維及び無機繊維から選択される1種以上のメゾ補強繊維
本発明に用いられるメゾ補強繊維としては、前記(C−1)両端フック型鋼繊維よりもサイズが小さく、両端にフック部を有しない繊維が選ばれる。
メゾ補強繊維としては、フレッシュコンクリートなどの未硬化の水硬性材料組成物に添加しても流動性を大きく低下させることがなく、均一分散が可能な、細径で柔軟な繊維を選択することが好ましい。
メゾ補強繊維の種類としては、鋼繊維、炭素繊維などの無機繊維であってもよく、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ乳酸繊維などから選ばれる有機繊維であってもよい。
無機繊維としては、長さが1mm〜20mmの範囲であることが好ましく、3mm〜15mmの範囲であることがより好ましい。繊維の平均径(繊維径φ)は5μm〜300μmの範囲であることが好ましく、5μm〜150μmの範囲であることがより好ましい。
無機繊維のサイズが上記範囲において、水硬性材料の拘束による補強効果が充分に得られ、且つ、硬化前の水硬性材料組成物の流動性を適切に維持し、作業性が良好となるという観点から好ましい。
無機繊維はモノフィラメントでも、収束されたストランド状のものでもよい。
無機繊維の形状は必ずしも円柱形でなくてもよく、長さと最大径が上記好ましい範囲であれば、紡錘状や針状でもよく、異形断面繊維でもよく、アスペクト比が適度で、且つ、表面積の大きい繊維が水硬性材料との密着性の観点から好ましい。
上記の無機繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維などに代表される金属繊維や、炭素繊維、ガラス繊維などが挙げられる。効果や入手容易性の観点からは金属繊維が好ましいが、高温環境下において強度低下の懸念が小さく、マトリクスとの付着性により優れる炭素繊維、バサルト繊維、ガラス繊維などの非金属無機繊維もまた本発明においては、好ましく用いられる。
また、硬化体の使用態様によっては、上記好ましいサイズよりも小さいものの、マトリクスとの付着性に優れるカーボンナノチューブなども本発明におけるメゾ補強繊維として好適に使用しうる。このようにサイズの小さい補強繊維でも、必ずしもサイズが一定ではないため、メゾ補強繊維としての作用効果も発現するが、さらに、より小さいサイズの繊維が混在することで、以下に詳述するミクロ補強材が作用するような、メゾ補強繊維が有効に抑制しうるクラックよりも、より小さなサイズのクラックに対する補強効果も期待される。
有機繊維としては、繊維直径が5μm〜200μmの範囲であることが好ましく、5μm〜50μmの範囲であることがより好ましい。繊維直径が上記範囲において、充分な強度向上効果が得られる。なお、以下に詳述するように、加熱により容積が小さくなる有機繊維を用いることで水硬性材料硬化体に耐爆裂性を持たせることができるが、耐爆裂性確保の観点からも、繊維直径は上記範囲であることが好ましい。
また、有機繊維の長さは、1mm〜20mmの範囲であることが好ましく、2mm〜10mmの範囲であることがより好ましい。この範囲において、水硬性材料への均一分散性がより良好となり、所望により良好な耐爆裂効果を付与しうる。
これらの有機繊維は、コンクリート中で凝集することなく、それぞれが均一に分散が可能であれば、モノフィラメントでもストランド状の繊維でも使用することができる。また、モノフィラメントの場合でも、必ずしも円柱形でなくてもよく、流動性を損なわない限りは、中空繊維や異形断面繊維、表面に細孔や微細な分岐が存在する繊維であってもよい。
有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ乳酸繊維など、有機樹脂からなる繊維が挙げられ、耐久性と強度を考慮して、適宜選択すればよい。
なお、高圧縮強度の水硬性材料硬化体は高温に晒されると爆裂を生じやすい問題があるが、例えば、有機繊維として、180℃以上の温度で、溶融するか又は質量が50%以上減少する有機繊維を用いることで、加熱時に速やかに有機繊維が減容して空隙が形成されるために、硬化体に耐爆裂性を付与することができる。
ここで、有機繊維が、180℃以上に加熱したとき溶融するとは、180℃に加熱したとき、繊維が融点を超え液状化し、気化している状態を指す。また、有機繊維の質量が50%以上減少したことの確認は、窒素ガス環境下で、数mgの試料を5℃/分程度の昇温速度で温度を上昇させながら、秤量した試料の質量を天秤で測定し、180℃以上となった時点で、加熱前の質量と対比することで行うことができる。
耐爆裂性を付与しうる有機繊維としては、具体的には、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリビニリデン繊維、ポリ乳酸繊維などの有機繊維が好ましく挙げられる。これらの有機繊維を用いることで、高温時に有機繊維が溶融又は減容して硬化体内に速やかに有効な空隙が形成され、発生した水蒸気の経路となり、爆裂が効果的に防止される。
このような有機繊維としては、市販品を用いることもでき、例えば、ダイワボウポリテック社製のダイワボウポリプロなどが挙げられる。
本発明の水硬性材料にはメゾ補強繊維を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機繊維から1種以上、有機繊維から1種以上を選択して併用してもよい。
水硬性材料におけるメゾ補強繊維の含有率としては、0.5容量%〜3.0容量%であることが好ましく、1.0容量%〜3.0容量%の範囲であることがより好ましい。
ここで、水硬性材料硬化体に耐爆裂性を付与するために、補強繊維として1種以上の有機線を用いる場合、有機繊維の含有率は、0.1容量%〜1.0容量%の範囲であることが好ましい。
上記含有量において、水硬性材料の流動性を損なうことなく、有効な補強効果が得られ、特に、有機繊維を用いた場合、耐爆裂性に優れた硬化体が得られる。
(C−3)ワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材
本発明の水硬性材料は、ワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材を含有する。
ワラストナイト(CaSiO)は針状結晶鉱物で、長さと小径(短径)との比を表すアスペクト比が3以上程度のものであり、本発明におけるミクロ補強材としては、アスペクト比は5以上であることが好ましい。
また、体積平均径が5μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm〜200μmであることがより好ましい。
ワラストナイトは、市販品としても入手可能であり、例えば、Nyco社製、NYAD G(商品名:平均長さ300μm、直径20μm、アスペクト比:15)、同ワラストナイトNYCO 1250(商品名:平均長さ8μm、アスペクト比:3)等が挙げられる。
ワラストナイトのアスペクト比は、サンプリングしたワラストナイトをプレパラートの上に分散させて、倍率30倍以上の顕微鏡で画像を観察し、長辺方向の長さを短辺方向の長さで除して求める。この方法では測定数に限りがあるため、粒子の大きさはレーザー回折散乱式粒度分布計や沈降法を用いて、体積平均粒子径を求めることが多い。平均長さは、この体積平均粒子径に、画像から得られたアスペクト比を乗じて求められることが多い。本明細書ではこの方法により測定した値を用いている。
また、市販品を用いる場合には、カタログ値が上記範囲にあるものを用いればよい。
ミクロ補強材の別の例としてマイカフレークが挙げられる。マイカは白雲母(マスコバイト)とも称され、アルミニウム及びカリウムから選ばれる水和珪酸塩の状態で存在するものもある。より詳細には最大寸法が0.1mm以上2mm以下のマイカであり、最大寸法は、0.5mm〜2mmであることがより好ましい。
マイカは市販品としても入手可能であり、例えば、ヤマグチマイカ社製の、B−82(32メッシュ、平均粒子径180μm)や、C−93(16メッシュ、最大寸法1mm程度)などが挙げられる。
マイカの最大寸法は、篩のメッシュサイズ(1インチ当たりの網目の数)や、レーザー回折散乱式粒度分布計による体積平均径で測定され、本明細書では前者の方法により測定した値を用いている。
本発明の水硬性材料には、ミクロ補強材としてワラストナイト、マイカのうち1種のみを含んでいてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ワラストナイトとマイカとを併用してもよい。
ミクロ補強材の水硬性材料における含有率は結合材の総含有量に対して1質量%〜20質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。
含有率が上記範囲において、ミクロ補強材を混入することによる流動性の低下を小さく抑えつつ、セメント水和物レベルでの補強効果が得られるため、より好ましい。また、ミクロ補強材を混入した量に応じて、骨材の質量を減じることが、水硬性材料の動性をより良好なレベルにするという観点から好ましい。
〔水硬性材料〕
本発明の水硬性材料は、水硬性の特性を有するものであれば、上記3種の補強材を含有する以外には、特に制限はなく、セメント、モルタルおよびコンクリートなどが代表的なものとして挙げられる。なかでも、高い強度と靱性を必要とするコンクリート組成物に適用した場合に両端フック型のマクロ補強鋼繊維、メゾ補強繊維及びミクロ補強材の添加効果が高い。これは、硬化体の強度が一定以上である場合に、両端フック型鋼繊維の耐引き抜き効果やメゾ補強繊維、ミクロ補強材の、微細なクラック発生防止効果などが、より良好に発現するためであると考えられる。
本発明の水硬性材料は、セメント、骨材、水、及び、前記本発明にかかる3種の補強材(C)を含み、これらの含有率は、既述のように、好ましくは、両端フック型鋼繊維を0.5容量%〜3.0容量%、前記メゾ補強繊維を0.5容量%〜3.0容量%、前記ミクロ補強材を結合材の総含有量に対し1質量%〜20質量%の範囲である。
水硬性材料の中でも水/結合材比が質量比で0.1以上0.3以下ある高強度の硬化体を形成しうる水硬性材料が好ましい。なお、以下、特に断らない限りにおいて、水/結合材比は質量基準で表すものとする。
水硬性材料の一例を挙げれば、セメント、骨材、シリカフューム、水、及び前記本発明に係る3種の補強剤(C)を所定の含有量で含み、水/結合材比が質量比で0.1以上0.3以下であるセメント組成物が好ましく挙げられる。
(水硬性材料の各成分)
以下、本発明の水硬性材料硬化体に用いられる材料について述べる。
(水/結合材比)
本発明のセメント硬化体の製造に使用されるセメント組成物(骨材として、粗骨材をさらに含むコンクリート組成物であってもよい)は、水/結合材比が質量基準で0.5程度の一般的なセメント組成物であってもよいが、高強度の硬化体を形成しうるという観点からは、水/結合材比が0.1以上0.3以下であることが好ましい。
また、少なくとも、水、及びセメントを含む、その他にも、シリカフュームなどのその他の結合材を含有し、目的に応じて、さらに、細骨材、粗骨材などの骨材、及び、減水剤などを含有する。
本発明における結合材とは、セメント硬化体の主成分であるセメント、及び一般にセメントと共に用いられるシリカフューム、スラグ、フライアッシュなどのコンクリート組成物中において水和反応し、セメント硬化体の硬化に関与する微粉末等の固形分材料を包含する意味で用いられる。なお、骨材、流動化向上のために添加される界面活性剤は本発明における結合材には包含されない。
(セメント)
本発明のセメント硬化体の製造に用いられるセメントには特に制限はなく、目的に応じて、各種セメント類の中から、適宜選択することができる。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどの公知のセメントはいずれも好適に使用しうるが、好ましくは、低熱ポルトランドセメントである。
また、予めシリカフュームを含有するポルトランドセメントを用いてもよい。シリカフュームを含有するポルトランドセメントは市販品としても入手可能であり、例えば、宇部三菱セメント社製、商品名:シリカフュームセメントスーパー、シリカフュームセメント、太平洋セメント社製:シリカフュームプレミックスセメント等が挙げられる。
(シリカフューム)
本発明のセメント硬化体の製造に用いられるセメント組成物はシリカフュームを含有してもよい。
好適に用いられるシリカフュームとしては、粉体状または顆粒状のどちらの形態でも用いることができる。シリカフュームとしては、フェロシリコン、電融ジルコニア、金属シリコンの製造時に副成されるシリカフューム(平均粒径:0.1μm〜0.2μm)が好ましい。
なお、本明細書におけるシリカフュームの粒径は、BET法で比表面積を算出し、この比表面積から粒子の密度と粒子が球形であるとして計算により求めた値を用いている。
シリカフュームの含有量としては、セメント組成物における全結合材中、5質量%〜35質量%であることが好ましく、10質量%〜30質量%であることがより好ましい。シリカフュームを全結合材中、5質量%〜35質量%含有させるには、結合材であるセメントのうちの5質量%〜35質量%をシリカフュームで置き換えればよい。シリカフュームの含有量が上記範囲において、流動性向上効果及び強度向上効果が充分に発現される。
(その他の結合材)
本発明のセメント硬化体を製造するに際して、本発明の効果を損なわない限りにおいて、調製されるセメント組成物の用途に応じて、他の結合材を適宜選択して、適切な使用量で使用してもよい。
その他の結合材としては、結晶質のシリカを微粉砕したシリカ微粉末、高炉スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末、フライアッシュなどが挙げられる。
(骨材)
本発明のセメント硬化体を製造するためのセメント組成物には、骨材を含有する。骨材としては、細骨材が好ましく、細骨材と粗骨材とを含むコンクリート組成物としてもよい。
(細骨材)
細骨材は、良質で堅固な天然砂、砕砂、加工砂は使用される。細骨材の種類と含有量は目標とするセメント硬化体の強度に応じて適宜選定すればよいが、砕砂や加工砂を使用する場合には、角を処理したものや、粒度を調整したもの等を使用するのが効果的である。
(粗骨材)
骨材として、細骨材に加えて、さらに粗骨材を使用する場合には、良質で堅固な粗骨材を用いればよい。粗骨材の最大寸法は粒径(最大粒径)が20mm以下であることを要し、好ましくは最大寸法が15mm以下とすることが望ましい。岩種については、硬質砂岩、安山岩、流紋岩などの一般的なものから、目標とする強度に応じて適宜選定すればよい。セメント硬化体を形成するセメント組成物に粗骨材を用いることで、コンクリート組成物となり、得られる硬化体の強度が一層向上する。なお、本明細書における「セメント組成物」の文言は、骨材として粗骨材をさらに含む「コンクリート組成物」をも包含する意味で用いられる。
(その他の成分)
本発明の水硬性材料硬化体に用いられるセメント組成物には、目的に応じて、さらに、減水剤、遅延剤など、コンクリート組成物に通常用いられる他の成分を含むことができる。
本発明のセメント硬化体は、既述のような各成分を適宜含有するセメント組成物を硬化させ、以下に示す特定の養生を行うことで得られる。
〔水硬性材料硬化体〕
本発明の水硬性材料硬化体は、前記本発明に係る(C−1)両端フック型鋼繊維、(C−2)メゾ補強繊維、及び(C−3)ミクロ補強材を含有する水硬性材料を硬化して得られる。
本発明の水硬性材料硬化体は、上記3種の補強材(C)を含有するために、得られた硬化体は圧縮強度が60N/mm以上であり、且つ、引張強度の最大値、すなわち応力ひずみ関係でいう引張応力の最大値が10N/mm以上であるという優れた強度と靱性を有する水硬性材料硬化体となる。なお、硬化体の圧縮強度はより好ましくは、120N/mm以上であり、引張強度は12N/mm以上である。
また、引張強度測定時の引張1%変形時の引張耐力が前記引張強度の最大値の3分の2以上であり、且つ、引張2%変形時の引張耐力が引張強度の最大値の3分の1以上であることが好ましい。
圧縮強度は、水硬性材料の組成物、例えば、水/結合材比を調整する、適切な硬化促進剤や減水剤を使用する等の方法により調整される。引張強度及び引張1%変形時及び引張2%変形時の引張耐力は、前記本発明にかかる3種の補強材(C)のそれぞれの含有率を調整することにより調整される。
具体的には、例えば、水/結合材比が質量比で0.1以上0.3以下の範囲のセメント組成物において、両端フック型鋼繊維を0.5容量%〜3.0容量%、前記メゾ補強繊維を0.5容量%〜3.0容量%、前記ワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材を結合材の総含有量に対して1質量%〜20質量%含有することが好ましい。
(水硬性材料硬化体の製造方法)
本発明の水硬性材料硬化体を製造するには、セメント、骨材、水、(C−3)ミクロ補強材、及び所望により併用される各種添加物を混合して均一にした後、(C−1)両端フック型のマクロ補強鋼繊維及び(C−2)メゾ補強繊維、を添加してさらに混合し、その後、型枠に投入し、硬化させてセメント成形体を形成することにより行えばよい。形成されたセメント成形体は、必要に応じて養生を施され、充分な強度を有する水硬性材料硬化体が得られる。
混合は常法により行うことができ、まず、水硬性材料のスラリーを調製する。即ち、セメント、骨材、水、(C−3)ミクロ補強材を結合材の総含有量の1質量%〜20質量%、さらに、所望により添加されるシリカフュームやその他の添加剤をミキサーに投入して混合することでスラリーを調製する方法である。また、まず、骨材を混合した後、セメント及び添加剤を添加して混合し、その後、水を添加して混合してスラリーを調製してもよく、全結合材中の50質量%〜90質量%と水とを練り混ぜてスラリーを調製し、その後、残余の結合材を投入して混合してスラリーを調製してもよい。
スラリーの調製後、(C−1)両端フック型のマクロ補強鋼繊維を0.5容量%〜3.0容量%、(C−2)メゾ補強繊維を0.5容量%〜3.0容量%の範囲で、それぞれ水硬性材料の目的に応じた量を投入して混合しセメント組成物を得る。
調製されたスラリーは型枠に投入して硬化させ、セメント成形体を形成する。本発明に係る水硬性材料は、上記構成としたために、水/結合材比は質量比で0.1以上0.3以下の高強度硬化体形成用として有用である。スラリー状のセメント組成物を型枠内に投入した後、常法に従い、脱泡などの工程をさらに行ってもよい。
型枠内に投入されたセメント組成物は自己発熱を伴い硬化してセメント成形体が形成される。このようにして得られた硬化したセメント成形体は、養生を行って強度を向上させる。
適用可能な養生方法には特に制限はなく、セメント、コンクリート硬化体を形成する場合に適用される一般的な養生工程を行えばよい。
養生工程としては、特に制限はなく、いずれの養生を行ってもよい、例えば、温度を20±3℃に維持した水中、湿砂中、或いは、飽和蒸気中で行う標準養生、水中で行う水中養生、高温、例えば、セメント成形体を70℃〜100℃の温度範囲で2時間〜72時間蒸気養生する方法、また、100℃〜400℃の加熱温度にて、2時間〜72時間高温養生する方法、密封容器による高温高圧下でのオートクレーブ養生などが挙げられる。
養生工程は、セメント成形体が硬化した後であれば、いずれのタイミングで行ってもよい。例えば、セメント成形体の硬化後に直ちに行ってもよく、セメント成形体が硬化してある程度経時した後に行ってもよい。経時後に養生工程を行う場合、自己発熱した成形体が常温に降温した後に養生工程を行ってもよく、多数の成形体を作製した後、複数の成形体をまとめて養生工程を行ってもよい。
蒸気養生は、常法により行われ、例えば、ボイラーで製造した水蒸気を、養生する槽に導入パイプで導入できるようにしておき、槽内に温度センサーを設置して、槽内の温度が設定した温度履歴となるように水蒸気の供給弁を開閉することで行う蒸気養生が最も一般的であるが、他の蒸気養生の方法として、成型体が極度に乾燥しない手段をとった上で、例えば、通電により発熱する面状発熱体などを成型体の表面に取り付けることで加熱する方法などが挙げられ、このような方法で蒸気養生を行ってもよい。
本発明の3種の補強材(C)を含有する水硬性材料硬化体は、所望により行われる上記養生工程を経て、より安定した実用上充分な強度と靱性を発現し、各種構造材に好適に使用される。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に制限されるものではない。
以下の実施例では、水硬性材料としてセメント組成物を用いた例を挙げる。
(実施例1〜7、比較例1〜6)
〔セメント組成物の配合〕
(使用材料)
セメント:シリカフュームプレミックスセメント(商品名:宇部三菱社製、密度3.01g/cm、略称:SFCS)
水:水道水
細骨材:三河珪砂R6号(粒度D50 212μm、密度2.6g/cm
粗骨材:大月6号砕石(最大粒径13mm、表乾密度2.58g/cm
混和剤:SSP−104:(商品名:竹本油脂社製、固形分30%)
消泡剤:AFK−2(商品名:竹本油脂社製 密度:1g/cm
補強材(C):
(C−1)両端フック型のマクロ補強鋼繊維
両端フック型のマクロ補強鋼繊維については、後述する。

(C−2)メゾ補強繊維
(a)鋼繊維(直径0.16 長さ6mm)(略称:OL6)
(b)鋼繊維(直径0.16 長さ13mm)(略称:OLl3)
(c)ポリプロピレン繊維(ダイワボウ製、2.2dex 長さ4mm:含水率を補正して使用)(略称:PP)

(C−3)ミクロ補強材
(d)マイカ CS−060DC(平均粒子径200μm、嵩比重0.29)
(e)マイカ C−93(最大粒子径:100μm、嵩比重0.22)
(f)ワラストナイト KSP01(平均粒子径:19.8μm、アスペクト比3〜15、嵩比重0.45)
下記表1に、本発明の水硬性材料硬化体の製造に適用されるセメント組成物の配合を示す。
*下記表1において、混和剤に含有される水分は水の一部とし、固形分は単位体積の外割りとした。
*メゾ補強繊維、ならびに両端フック型のマクロ補強鋼繊維の添加率(容量%)は、水硬性材料のマトリクス部分の容量の外割りとした。表3以下の表中に記載のマクロ補強鋼繊維及びメゾ補強繊維の添加量も同様である。
[(C−1)両端フック型マクロ補強鋼繊維の製造]
下記表2に示す形状の鋼繊維を、精密バネ加工用のコイリングマシンを調整して成型した。
〔マクロ補強鋼繊維の形状測定〕
鋼繊維の繊維径(φ)は、それぞれ任意に抜き取った鋼繊維の両端の合計20箇所の形状をマイクロスコープ(キーエンス社製:デジタルHFマイクロスコープVH−8000)で測定した値である。また、全長、第1フック部長さ、曲率半径、曲げ角度、曲げ高さなどの鋼繊維の形状はマイクロスコープの形状測定機能を用い、得られた画像の上に繊維の中心線を描きこれを元に測定した値を用いている。具体的には、鋼繊維の直線部については、直線部の始点と終点近傍で繊維の直径方向の中心点を求め、両点を結び中心線を引き、曲がり部については、直径方向に3点以上の中心点を求め、これを通る円を求めその円の半径を曲率半径とした。なお、lは先端から1つ目の曲がり部の中央までの距離とした。lは、先端から2つ目の曲がり部の中央の点と、反対側の端部の対称の点までの距離とした。表2には、それぞれ10本の測定結果の平均値を示した。
〔マクロ補強鋼繊維を形成する素線の引張強度測定〕
また、両端フック型鋼繊維を形成する素線の引張強度は以下の方法で測定した。
土木学会「コンクリート用鋼繊維品質規格(案)(JSCE−E101−2007)の付属書(規定)「鋼繊維の引張強度試験方法」に準じ、インストロン社製万能試験機モデル55R1125を用い、変位速度をクロスヘッド速度で0.2mm/minで引っ張って試験した。繊維を固定には平板用チャックを用い、繊維の全長30mmのうち、両端それぞれ12.5mmをチャックで掴み、鋼繊維の直線部分lの中央部分5mmに相当する箇所の強度を測定した。つかみ部分にすべりを生じたり、つかみ部分で早期に破断したりしたデータは除外し、新たに1回の試験を追加して、5本の試験結果の平均値を強度とした。平均値はAが2911MPa、Bが3110MPaであった。
(1.水硬性材料の調製)
前記表1に記載のセメント組成物について、まず、セメント、(C−3)ミクロ補強材および細骨材、それぞれの半量及びその他の添加剤をオムニミキサに入れ、空練30秒行い、水と混和剤を添加して60秒間低速(速度:150rpm)練り混ぜ、さらに残量のセメント、細骨材及び(C−3)ミクロ補強材を添加し、240秒間練り混ぜた後、かき落してさらに60秒間更に中速(速度:300rpm)で撹拌、混合した。
その後、(C−1)両端フック型のマクロ補強鋼繊維、(C−2)メゾ補強繊維を添加し、練り上がり量が5Lとなる量を計量し、オムニミキサ(チヨダマシナリー社製 OM−10E 容量10L)を用いてさらに240秒間、速度:300rpmにて練り混ぜた。
このようにして実施例の水硬性材料を調製した。
なお、下記表3中に記載のミクロ補強材の含有量(質量%)は、水硬性材料に含まれる結合材の合計量に対する質量割合を表したものである。ミクロ補強材を混入する場合は、同じ質量の骨材を減じた。また、両端フック型マクロ補強鋼繊維およびメゾ補強繊維の含有量は、これらの繊維の体積は僅かであるため、これを無視したときの水硬性材料に対する硬化体の体積割合(容量%)を表したものである。
(2.水硬性材料硬化体の成形)
前記実施例1の水硬性材料(鋼繊維混入セメント組成物)を、引張試験用のダンベル型の試験体に投入した。圧縮強度用には直径5cm高さ10cmの鋼製モールドに投入した。
引張試験用には、試験体の上下に固定保持部があり、試験体の中央に厚さ3cm幅3cm長さ8cmの引張試験部を有している硬化体を作製した。固定保持部は、厚さ3cmで、幅6cm長さ8.5cmの部分と中央の引張試験部にかけて15/40の勾配でテーパー状になっており、急激な断面変化が無いようにしてあるものを使用した。
これを5〜7日放置して自然硬化させ、型枠から取り出し、昇温速度15℃/時間で昇温し、最高温度90℃を24時間保持し、15℃/時間で降温して成形体を得た。その後、試験材齢まで20℃60RH%の室内にて保管した。
(3.水硬性材料硬化体の圧縮強度試験)
材齢14日に、得られた水硬性材料硬化体(セメント硬化体)の圧縮強度をJIS A 1108(2006年)に準じて測定した。
(4.水硬性材料硬化体の引張強度試験)
材齢14日に、ダンベル型試験体を治具で固定し、高精度万能試験装置(オートグラフAG−250kN:島津製作所製)で引張荷重を測定した。引張荷重を断面積(30mm×30mm)で除して引張応力度を求め、その最大値を引張強度とした。変位計は、試験体の中央部の引張試験部80mmの位置の変位を測ることができるように治具を介して取り付け、試験時の変位を標点間距離80mmで除して引張ひずみを求めた。
表3に記載における評価項目の詳細は以下の通りである。
「引張強度」は、上記引張強度の測定値の最大値(Ft)である。
「引張ひずみ」は、前記引張強度における最大値(Ft)が得られたときの引張ひずみを表す。
「引張り歪み1%時の耐力」は、絶対値ともに、引張強度最大値(Ft)に対する、引張歪み1%時の耐力Ft1%の比率を示す。この値がFtの2/3以上である場合をAランク、2/3未満である場合を実用上問題があるデータとしてBランクとした。

「引張り歪み2%時の耐力」は、絶対値ともに、引張強度最大値(Ft)に対する、引張歪み2%時の耐力Ft2%の比率を示す。この値がFtの1/3以上である場合をAランク、1/3未満である場合を実用上問題があるデータとしてBランクとした。
上記結果より、本発明の水硬性材料は、圧縮強度、曲げ強度、引張強度が高いだけではなく、引張試験において引張歪みが進行する過程での耐力の低下が比較例と比べて極端に小さく、伸び性能に優れた靭性の高い材料であることがわかる。
一方で、力学性能ばかりではなく、実施例6で得られた水硬性材料硬化体を以下の試験により評価した。
(耐火試験)
実施例5と、実施例6に対して、メゾ補強繊維であるポリプロピレン繊維及びミクロ補強材であるマイカを混入していない点だけ異なる比較例6について耐火試験を実施した。
耐火試験は、上記水硬性材料の硬化体として、直径15cm、高さ30cmの円柱供試体として、直径に対して垂直方向中心部に直径13mmの異形鉄筋を配した円柱試験体により行った。試験体は打設後、室内に静置し、所定の材齢(26週)が経過した後、加熱試験を行った。試験時には、JASS 5N T−602に準じた試験方法で乾燥質量を測定し、試験時の含水率を求めた。
試験は、試験体を耐火試験用の加熱炉の中央に設置し、ISO834(旧建設省告示2999号)に定められた標準加熱温度曲線T=345log(8t+1)+20(t:時間(分))に沿って、60分間加熱を継続し、破壊の状況を確認した。
供試体の加熱前の重量および所定時間加熱後の重量を測定し、加熱による重量減少率で爆裂の程度を評価した。即ち、爆裂しやすいコンクリートは、爆裂により供試体の表面からコンクリートが飛散して失われるため、加熱前後の重量減少率が大きいと言える。
重量減少率は下式で表す。
供試体の重量減少率(%)=
[〔加熱前の重量(g)−加熱後の重量(g)〕/加熱前の重量(g)]
下記表4に耐火試験の結果を併記する。1種類につき2本の供試体の試験を行い、2本の供試体の重量減少率の平均値を試験結果とした。なお、加熱時に水分が逸散するため、全く爆裂しない試験体においても、調整した配合によって値は異なるが6質量%〜8質量%程度の重量減少率となる。また、重量減少率と同時に、供試体の中心から45°ごとに、上端から25mmの位置、そこから下方に50mmごとに爆裂深さをノギスで測定した。爆裂すると元の試験体面がわからなくなるため、外径200mmの透明円筒を置いて、これに対して垂直方向の深さを測定することで各位置の爆裂深さを測定し、48点の測定値の平均値を平均爆裂深さとした。外観から爆裂が生じていないものは、爆裂深さは0とした。
その結果、重量減少率ならびに平均爆裂深さは、表4に示す通りであり、実施例5の硬化体は優れた耐爆裂性を有することが確認された。
10 両端フック型鋼繊維
12 直線部
14A、14B 第1フック部
16A、16B 第2フック部

Claims (8)

  1. 結合材、骨材、直線部と前記直線部の両端部から該直線部と角度を持つように折り曲げられた第1フック部と前記第1フック部の端部を互いに離れる方向へ折曲げて前記直線部と平行とした第2フック部とを有するマクロ補強鋼繊維を0.5容量%〜3.0容量%、有機繊維及び無機繊維から選択される1種以上のメゾ補強繊維を0.5容量%〜3.0容量%、及びワラストナイト及びマイカから選ばれるミクロ補強材を結合材の総含有量に対して1質量%〜20質量%含有する水硬性材料。
  2. 前記メゾ補強繊維が、直径5μm以上300μm以下であり、長さ1mm以上20mm以下の有機繊維及び無機繊維から選択される1種類以上を含む請求項1に記載の水硬性材料。
  3. 前記メゾ補強繊維が、無機繊維から選択される1種以上と、有機繊維から選択される1種以上とを含有する請求項1又は請求項2に記載の水硬性材料。
  4. 前記メゾ補強繊維が、180℃以上の温度で、溶融するか又は50%以上減容する有機繊維を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水硬性材料。
  5. 前記マクロ補強鋼繊維を構成する鋼繊維の強度が2000MPa〜5000MPaの範囲である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水硬性材料。
  6. 前記マクロ補強鋼繊維を構成する鋼繊維の全長が5mm〜50mmであり、該鋼繊維の平均径が50μm〜600μmである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水硬性材料。
  7. 水/結合材比が10質量%以上30質量%以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の水硬性材料。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の水硬性材料を硬化して得られた、引張強度の最大値が10N/mm以上であり、引張1%変形時の引張耐力が引張強度の最大値の3分の2以上であり、且つ、引張2%変形時の引張耐力が引張強度の最大値の3分の1以上である水硬性材料硬化体。
JP2013010497A 2013-01-23 2013-01-23 水硬性材料及び水硬性材料硬化体 Active JP6176434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013010497A JP6176434B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 水硬性材料及び水硬性材料硬化体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013010497A JP6176434B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 水硬性材料及び水硬性材料硬化体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014141370A JP2014141370A (ja) 2014-08-07
JP6176434B2 true JP6176434B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=51423031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013010497A Active JP6176434B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 水硬性材料及び水硬性材料硬化体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6176434B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6497923B2 (ja) * 2014-12-16 2019-04-10 旭化成建材株式会社 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP6497922B2 (ja) * 2014-12-16 2019-04-10 旭化成建材株式会社 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP6497924B2 (ja) * 2014-12-16 2019-04-10 旭化成建材株式会社 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP6499435B2 (ja) * 2014-12-16 2019-04-10 旭化成建材株式会社 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP6941434B2 (ja) * 2016-12-07 2021-09-29 株式会社大林組 繊維補強セメント系組成物
JP6959796B2 (ja) * 2017-08-25 2021-11-05 株式会社竹中工務店 コンクリート組成物及びコンクリート硬化体
JP7338163B2 (ja) * 2019-02-22 2023-09-05 株式会社大林組 セメント組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63130846A (ja) * 1986-11-21 1988-06-03 株式会社ブリヂストン パネル
JPH05262544A (ja) * 1992-03-19 1993-10-12 Bridgestone Bekaert Steel Code Kk コンクリート補強用鋼繊維
FR2778654B1 (fr) * 1998-05-14 2000-11-17 Bouygues Sa Beton comportant des fibres organiques dispersees dans une matrice cimentaire, matrice cimentaire du beton et premelanges
JP2001240453A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Taiheiyo Cement Corp 水硬性組成物及び超高強度水硬性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014141370A (ja) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6176434B2 (ja) 水硬性材料及び水硬性材料硬化体
Aygörmez et al. Elevated temperature, freezing-thawing and wetting-drying effects on polypropylene fiber reinforced metakaolin based geopolymer composites
Khan et al. Mechanical properties of ambient cured high strength hybrid steel and synthetic fibers reinforced geopolymer composites
Nematollahi et al. High ductile behavior of a polyethylene fiber-reinforced one-part geopolymer composite: A micromechanics-based investigation
Nematollahi et al. Micromechanics-based investigation of a sustainable ambient temperature cured one-part strain hardening geopolymer composite
Nuaklong et al. Hybrid effect of carbon nanotubes and polypropylene fibers on mechanical properties and fire resistance of cement mortar
Wang et al. Effect of sand content on engineering properties of fly ash-slag based strain hardening geopolymer composites
KR100612269B1 (ko) 시멘트 메트릭스에 분산된 유기 섬유, 콘크리트 시멘트메트릭스 및 프리믹스를 포함하는 콘크리트
JP5981969B2 (ja) コンクリート部材の製造方法
Yazıcı et al. The effect of autoclave pressure, temperature and duration time on mechanical properties of reactive powder concrete
JP4768950B2 (ja) 耐火性超高性能コンクリート組成物
TW567176B (en) Metal fibre concrete, cementitious matrix and pre-mixes for preparing matrix and concrete
JP3762780B1 (ja) 繊維補強コンクリートと繊維補強コンクリート部材の製造方法
Ferro et al. New cementitious composite building material with enhanced toughness
CN108455931A (zh) 含有混杂纤维和纳米颗粒的耐火高性能混凝土
CN108698926A (zh) 矿物聚合物复合材料及矿物聚合物基组合物
JP6959796B2 (ja) コンクリート組成物及びコンクリート硬化体
Gupta Development of high strength self compacting mortar with hybrid blend of polypropylene and steel fibers
KR101224141B1 (ko) 섬유보강 콘크리트 보
JP2002037653A (ja) セメントスラリー
JP4056841B2 (ja) プレストレスト水硬性硬化体
Ganta et al. An experimental investigation on the mechanical characteristics of steel fibre reinforced alkali activated concrete incorporating industrial and agro wastes
Tatarczak et al. Additives in Sorel cement based materials-impact study
Najm et al. Mechanical and microstructural analysis of waste ceramic optimal concrete reinforced by hybrid fibers materials: A comprehensive study
Qin et al. Improving mechanical properties of magnesium phosphate cement-based ultra-high performance concrete by ultrafine fly ash incorporation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6176434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250