JP5997969B2 - 側溝用蓋体及び側溝用蓋体の製造方法 - Google Patents

側溝用蓋体及び側溝用蓋体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、側溝用蓋体および側溝用蓋体の製造方法に関する。
道路や線路等の側部に設けられているコンクリート製等の側溝は、上面の開口部にコンクリート製等の蓋体が設置されて、前記蓋体の上面を人や車両が通行できるように構成されている。
前記蓋体には、前記のように上面を人や車両が通行可能な強度が要求されるため、コンクリート製の蓋体の場合、厚みを厚くすることで、必要な強度を持たせている。特に、道路用側溝蓋体については、道路の種類に応じて強度に関する基準が存在するため、かかる基準を満たすことが要求される。
しかし、強度を上げるために厚みを厚くすれば、蓋体の質量は厚みに比例して重くなり、蓋体の設置作業者に負荷がかかる。また、蓋体は、設置後にも側溝の清掃等を行う場合には取り外すことが必要であり、かかる清掃等の作業者にも負荷がかかる。
側溝用蓋体を軽量化するためには、例えば、特許文献1には、蓋体の一面にT型の梁を形成し、且つコンクリートの内部に鉄筋等の鋼材を埋め込み蓋体を強化しつつ、使用するコンクリート組成物の量を減少させることが記載されている。
また、特許文献2には、プラスチック製の側溝用蓋体が記載されている。
しかし、特許文献1や特許文献2に記載の側溝用蓋体は、強度および軽量化を共に十分に満足できる程度に実現できるものではない。
特開平8−270061号公報 特開2000−34701号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、十分な強度を備えつつ、十分に軽量化された側溝用蓋体およびその製造方法を提供することを課題としている。
本発明にかかる側溝用蓋体は、上記課題を解決するために、側溝の開口部を閉鎖するコンクリート製の上板と、前記上板の下面に樹脂接着剤層を介して配置された繊維含有シートが備えられている。
本発明によれば、側溝の開口部を閉鎖するコンクリート製の上板と、前記上板の下面に樹脂接着剤層を介して配置された繊維シートとが備えられていることにより、前記繊維含有シートによって前記上板が補強され、上板の厚みを薄くしても強度が維持できる。従って、蓋体を軽量化することが可能になる。且つ、繊維シートを用いることにより、鉄筋等と異なり、錆びの発生がなく、長期の耐久性を確保可能になる。更に、厚みが1mm程度で設置可能になり、断面厚みの増大を防止することが可能となる。
本発明の一態様として、前記上板の厚みが、50mm〜65mmであってもよい。
本発明によれば、十分な強度を有したまま、前記上板の厚みを前記範囲にすることができ、蓋体を比較的軽量化することができる。結果として、従来使用していた補強鉄筋などを廃止することが可能になり、厚みを薄く、重量を軽く、錆びない補強材し耐久性向上をも実現することができる。
本発明に係る側溝用蓋体の製造方法においては、
コンクリート組成物を型枠に充填する充填工程と、
前記充填工程で充填されたコンクリート組成物を硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程で硬化された前記コンクリート組成物の水分量が8%以下になったときに、樹脂接着剤を前記コンクリート組成物の表面に塗布する接着剤塗布工程と、
前記樹脂接着剤が塗布された前記表面に、繊維シートを接着するシート接着工程とを実施する。
側溝用蓋体の製造方法に係る本発明によれば、コンクリート組成物を型枠に充填する充填工程と、前記充填工程で充填されたコンクリート組成物を硬化させる硬化工程と、前記硬化工程で硬化された前記コンクリート組成物の水分量が8%以下になったときに、樹脂接着剤を前記コンクリート組成物の表面に塗布する接着剤塗布工程と、前記樹脂接着剤が塗布された前記表面に、引張強度の高い繊維含有シートを接着するシート接着工程とを実施するため、前記炭素繊維シートによる前記上板の補強が良好に行え、比較的高い強度を有する側溝用蓋体を製造することができる。
尚、本発明において、前記コンクリート組成物の表面の水分量は、公知の高周波式水分計によって、前記コンクリート組成物の表面から40mm程度の高さの平均水分量を測定した水分量をいう。
本発明によれば、十分な強度を備えつつ、軽量化することが可能な側溝用蓋体およびその製造方法を提供することができる。
(a)本発明にかかる側溝用蓋体の下面図、(b)同側面図。 実施例に用いた試験方法を示す模式図であって、(a)装置および供試体の正面図、(b)供試体の底面図、(c)装置及び供試体の側面図を示す。 荷重−変位関係を示すグラフ。 荷重−ひずみ関係を示すグラフ。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の側溝用蓋体10は、図1に示すように、側溝の開口部を閉鎖するコンクリート製の上板1と、前記上板1の下面1aに樹脂接着剤層3を介して配置された繊維含有シート2とが備えられている。
本実施形態の側溝用蓋体は10、例えば、JIS A 5372:2010「プレキャスト鉄筋コンクリート製品」に推奨仕様E−2、E−3として記載されている「上ふた式U形側溝」、「落ちふた式U形側溝」等の側溝に用いられるコンクリート製の蓋体として使用されるものである。
前記上板1は、図1に示すように、コンクリート製の上面視長方形状の板状体である。
前記上板1の大きさは、側溝の開口部の幅にもよるが、「落ちふた式U形側溝」によれば通常、b(幅)360mm〜630mm程度、l(長さ)500mmである。
前記上板1の厚みは、50mm〜65mm、好ましくは50mm程度である。前記上板1の厚みを前記範囲に設定し、例えば、JIS A 5372:2010で推奨仕様に記載のE−3の3種における呼び300(スパン350mm)に適合する蓋体を形成した場合、該蓋体の質量は約20kg〜25kgになる。
前記上板1は、例えば、セメントに細骨材および粗骨材、必要に応じて、減水剤などの添加剤を配合し、所定の水セメント比になるように水を添加して得られるコンクリート組成物を型枠に入れて、所定の条件で養生を行い、硬化させることで得られるコンクリートを用いることができる。
前記繊維シート2としては、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、PBO繊維等の繊維が単独で又は2種以上の混合物として合成樹脂に含有されているシート状の繊維シートであれば特に限定されるものではない。
中でも、炭素繊維を含む繊維シートであって、引張強度3400N/mm2、ヤング係数245GPa程度の繊維シートが、引張強度と必要な剛性を兼ね備えており、耐久性の観点からみて好ましい。
前記炭素繊維シートとしては、例えば、炭素繊維の繊維目付200g/m2〜600g/m2、厚み0.100〜0.350mmのものが挙げられ、繊維の方向が1方向であるもの、あるいは2方向であるもの等が挙げられる。
本実施形態の前記上板1の下面1aには、樹脂接着剤層3が備えられ、前記繊維含有シート2が前記樹脂接着剤層3を介して前記上板1の下面1aに備えられている。
前記樹脂接着剤層3は、前記上板1の下面1aの全面に接着剤を塗布することで形成される。
前記樹脂接着剤としては、コンクリートへの接着性および前記繊維含有シートへの接着可能な接着剤であれば、特に限定されることなく使用可能であるが、例えば、エポキシ樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型樹脂等を単独で又は2種以上含む樹脂接着剤が挙げられる。
前記繊維シートとして、炭素繊維シートを採用した場合には、炭素繊維シートと、硬化コンクリートとの接着性が良好であるという観点から、エポキシ樹脂系接着剤を採用することが好ましい。
前記エポキシ樹脂系接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂を含む主剤と、ポリアミン等の硬化剤成分を含む硬化剤との2成分を使用時に混合する常温硬化型接着剤等のように、硬化コンクリートとの接着性が良好で、更に炭素繊維シートに良く含浸するため接着後に高い強度が得られ、且つ水や熱によって劣化を受け難いものを用いることが好ましい。
また、前記繊維含有シートとして、炭素繊維シートを採用した場合には、前記接着剤としては常温硬化型エポキシ樹脂接着剤を採用することが、コンクリートとの接着性及び施工の簡便性、経済性等の観点から好ましい。
前記樹脂接着剤の好ましい塗布量は200g/m2〜1000g/m2、好ましくは、400g/m2〜600g/m2程度である。
前記のような本実施形態の側溝用蓋体は、JIS A 5371:2010に記載の方法に準拠して測定した曲げ強度荷重が、前記呼び300(スパン350mm)に適合するものであれば、27kN以上の強度が得られる。
側溝用蓋体としては、通常、前記呼び300(スパン350mm)に適合するものであれば、27kN以上の強度が前記JISの規格で要求されており、このような強度基準を満たすために、一般的な蓋体の厚みは、90mm〜100mm前後になっている。かかる一般的な厚みの蓋体は、質量も40kg〜50kg程度とかなり重たいものであり、設置あるいは、取り外しに不便である。
本実施形態の側溝用蓋体は、前記のような比較的薄い厚みにしても、曲げ強度荷重は27kN以上という基準を満たすことができるため、蓋体の質量を軽量化することができる。
本実施形態の上板1の下面1aには、必要に応じて凹凸が形成されていてもよい。前記凹凸が前記下面に形成されている場合には、前記繊維シートがより強固に接着できるため好ましい。
前記凹凸は、例えば、10mm〜25mm四方、深さ0.5mm〜1.0mm程度の細かい溝が多数形成されることで形成されていてもよく、或いは、コンクリート組成物の表面を硬化前にブラシでこすったり、高圧水を噴霧して、前記表面を粗すことで形成されていてもよい。又、硬化後のコンクリート表面をディスクサンダー等で目荒らしする方法を用いてもよい。
次に本実施形態の側溝用蓋体の製造方法について説明する。
本実施形態の側溝用蓋体の製造方法は、
コンクリート組成物を型枠に充填する充填工程と、
前記充填工程で充填されたコンクリート組成物を硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程で硬化された前記コンクリート組成物の水分量が8%以下になったときに、樹脂接着剤を前記コンクリート組成物の表面に塗布する接着剤塗布工程と、
前記樹脂接着剤が塗布された前記表面に、繊維シートを接着するシート接着工程とを実施する方法である。
《充填工程》
本実施形態で用いるコンクリート組成物としては、セメントと、細骨材及び粗骨材、必要に応じて添加剤などを配合した組成物が挙げられる。
前記セメントとしては、特に限定されるものではないが、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、アルミナセメント、ジェットセメント等が挙げられる。
前記セメントの配合量は、350kg/m3〜1200kg/m3となるようにコンクリート組成物中に配合されることが好ましい。
前記細骨材及び粗骨材としては、コンクリートやモルタルに一般的に用いられる細骨材、粗骨材であれば、特に制限されることなく用いることができる。
例えば、砂や砂利などの天然骨材、砕石などの人工骨材、あるいは再生骨材などから適宜選択して用いることができる。
前記細骨材の配合量は、前記セメント100質量部に対して30質量部〜250質量部であることが好ましい。
前記粗骨材の配合量は、前記セメント100質量部に対して70質量部〜300質量部であることが好ましい。
前記添加剤としては、減水剤、分散剤、硬化促進剤等の通常のコンクリート組成物に配合される添加剤を適宜用いることができる。
前記添加剤の配合量はセメント質量に対して0.65質量%〜2.50質量%程度であることが好ましい。
前記コンクリート組成物は、前記各成分にさらに所定の水セメント比、例えば、水セメント比10%〜55%程度になるように水が添加されて、ペースト状のフレッシュコンクリートとして調整される。
第一充填工程では、前記のようなコンクリート組成物(フレッシュコンクリート)を型枠に充填するが、蓋体として成形された時の前記所定厚さXに相当する高さまで前記フレッシュコンクリートを充填する。
すなわち、型枠の底面が前記蓋体の上面1aになり、かかる第一充填工程で充填されたフレッシュコンクリートの高さが所定厚さXに相当する。
《硬化工程》
さらに、前記型枠内のコンクリート組成物を硬化させる硬化工程を実施する。
本実施形態では、前記コンクリート組成物を蒸気養生させることが好ましい。
前記蒸気養生の条件は、例えば、養生槽内に型枠ごと前記コンクリート組成物を設置し、前置き時間3時間以上確保した後、昇温速度10℃/時間〜25℃/時間で、最高温度を40℃〜65℃とし、その最高温度で2時間〜4時間保持し、その後降温速度10℃/時間〜20℃/時間で常温まで降温させ、コンクリートの打込みより2週間静置させることが好ましい。
かかる蒸気養生を行うことで、短時間で硬化反応を促進させることができる。
尚、本硬化工程において、水蒸気養生以外の常温養生、水中養生等の養生方法で養生を行ってもよい。
《接着剤塗布工程》
本実施形態では、前記硬化工程で硬化された前記コンクリート組成物の水分量が8%以下になったときに、樹脂接着剤を前記表面に塗布する接着剤塗布工程を実施する。
前記コンクリート組成物の表面の水分量が8%以下、好ましくは6%以下になったときに前記樹脂接着剤をコンクリート組成物表面に塗布することで、後述する繊維含有シートをより強固に前記コンクリート組成物表面に接着することができる。
尚、前記コンクリート組成物表面の水分量を測定する方法は、例えば、公知の高周波式水分計(装置名:HI−520、(株)ケット科学研究所社製)等を用いて測定することができ、測定条件としては、例えば、温度0〜70℃で前記コンクリート組成物表面から40mm程度の高さの平均水分量を測定することが好ましい。
本実施形態においては、例えば、前記樹脂接着剤を前記コンクリート組成物表面に、ハケやローラー等を用いて塗布するか、あるいは、スプレーなどを用いて前記樹脂接着剤を噴霧することで、樹脂接着剤層を設けることができる。
《シート接着工程》
次に、前記樹脂接着剤が塗布された前記表面に繊維シートを接着するシート接着工程を実施する。
前記繊維シートは、前記樹脂接着剤の上に速やかに配置して、その上からハケやローラー等を用いて前記樹脂接着剤を前記繊維シートに含浸させて、コンクリート組成物表面に接着することで、前記表面に繊維含有シートを接着することができる。このように表面を平滑に仕上げることは、コンクリート製品の外観面からみて好ましい。
前記のように施工された、繊維シート表面を平滑に仕上げるために、ポリプロピレンシートを用いてもよい。前記ポリプロピレンシートは繊維含有シートの上に載置して、ポリプロピレンシートの上から、鏝等で押さえ、前記繊維シートに含まれる樹脂接着剤から気泡を追い出し、平らにならすことで、繊維シート表面を平滑にすることができる。
前記樹脂接着剤を塗布後、前記樹脂接着剤が硬化するまで、例えば、エポキシ樹脂性接着剤の場合には、例えば約1日以上、好ましくは7日程度静置する。
尚、本実施形態にかかる側溝用蓋体及びその製造方法は以上のとおりであるが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下に実施例を示して、本発明にかかる側溝用蓋体およびその製造方法についてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(コンクリート組成物)
本実施例で用いるコンクリート組成物の配合は表1に示すとおりの配合No.1から3までのものを使用した。
Figure 0005997969
*1:セメント又は結合材に対する質量%で示した。

セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
結合材(B):低熱ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)、早強ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)、ジルコニア起源シリカ質微粉末(密度2.25g/cm3、BET比表面積:10.2m2/g、非晶質SiO2:96質量%、ZrO2:3質量%)を質量比7:2:1で混合したものである。
細骨材:静岡県掛川産山砂、密度2.58g/cm3
粗骨材:大阪府高槻産硬質砂岩砕石、密度2.70g/cm3、粗骨材の最大寸法10mm
d1:高性能AE減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤
d2:空気量調整剤:変性ロジン酸化合物系AE剤
W/B:水結合材比
(繊維含有シート)
繊維シートとして、市販の炭素繊維シートFTS−C1−20(新日鉄マテリアルズ社製)を用いた。
前記炭素繊維シートの物性は表2に示すとおりである。
Figure 0005997969
(樹脂接着剤)
樹脂接着剤として、常温硬化型エポキシ樹脂接着剤(商品名:FR−E3P、新日鉄マテリアルズ株式会社製)を用いた。
(実施例1)
表1に示す配合No.1のコンクリート組成物を用いて、以下の方法で実施例1の供試体を作製した。
まず、内面における幅(b)412mm×長さ(l)500mm×深さ50mmの型枠内に前記コンクリート組成物を厚み50mmになるまで充填した。
その後、下記の蒸気養生条件でコンクリートを硬化させた。
《蒸気養生条件》
初期温度:20℃
最高温度:50℃
昇温速度:20℃/h
最高温度保持時間:4時間
降温速度:10℃/h

その後、表面の水分量を測定しつつ保管した。
尚、水分計は、HI−520((株)ケット科学研究所社製)を用いた。
前記表面の水分が6%以下になったことを確認して、前記エポキシ樹脂接着剤を、コンクリート組成物の表面の全面に塗布して、前記炭素繊維シートを含浸配置した。
前記炭素繊維シートを配置した後、20℃、72時間で前記エポキシ樹脂接着剤を硬化させて、実施例1の幅(b)412mm、長さ(l)500mm、厚さ50mmの供試体を得た。
(実施例2〜6)
実施例2および3の供試体を、セメント組成物としてそれぞれ表3に示すようなものを用いた他は実施例1と同様の方法で作製した。
実施例4の供試体は、セメント組成物として表3に示すものを用い、さらに、供試体の内部(深さ25mmの位置)に、4本の異形棒鋼(JIS G 3112:2010「鉄筋コンクリート棒鋼」、SD295、呼び名D10、公称直径9.53mm)を均等間隔(137mm)で幅方向に平行になるように配置した他は、実施例1と同様に作製した。
実施例5の供試体は、セメント組成物として表3に示すものを用い、さらに、コンクリート組成物を型枠に充填した直後に、型枠底面に加工された凹凸によって表面に凹凸を形成し、蒸気養生を経て型枠から取り外した際にワイヤブラシで軽く表面をこすった他は実施例1と同様に作製した。

(比較例1および2)
比較例1の供試体は、セメント組成物として配合No.2を用いて、炭素繊維シートを配置しなかった他は、実施例1と同様に作製した。
比較例2の供試体は、セメント組成物として配合No.2を用いて、炭素繊維シートを配置しなかった他は、実施例4と同様に作製した。
前記各実施例および比較例について、JIS A 5372:2010 E−3.6に規定する曲げ強度試験の方法に準じて、図2に示す装置を用いて以下のような強度試験を行った。
まず、各実施例および比較例を2個ずつ準備し、図2に示すようにセットし、JIS A 5372:2010「推奨仕様5−3 落ちふた式U形側溝3種」に従い中央に荷重を加え、さらに、下面の変位2点、下面のひずみ(PL−60)3点の計6点を、前記中央の荷重が27kNになるまで載荷した。
その後、荷重を保持し、この時の0.05mm以上のひび割れの有無を目視で確認し、再び載荷し、曲げ強さ荷重および最大曲げ強さを測定した。なお、27kNまでは0.6N/mm2・秒で荷重制御により載荷し、27kN以降は0.005mm/秒の変位制御で載荷した。
前記方法に従い、各実施例および比較例が破壊するまで、ひずみ、および、変位を測定し、各実施例および比較例について曲げ強さ荷重および最大曲げ強さを測定した結果を2個の試験体の平均値で求め、表3に示す。
また、ひび割れの評価として、前記目視による27kN載荷時のひび割れの有無に加えて、荷重−変位、荷重−ひずみ関係をグラフ化し、かかるグラフにおいてひび割れは発生していないかどうかを確認した。
すなわち、荷重−変位関係は図3のようなグラフになり、ひび割れが発生した場合には、グラフの曲線が不連続になる点(図3に示すa点)が生じる。
また、荷重−ひずみ関係のグラフにおいては、ひび割れが発生した場合には、ひずみが計測できなくなる点(図4に示すb点)が生じる。
本実施例では、目視によって前記27kN載荷時に0.05mm以上のひび割れが発生しておらず、前記27kN載荷時に至るまでの間の荷重−変位関係、荷重−ひずみ関係のいずれの確認方法においてもひび割れが発生していなかったと認められる場合を、27kN載荷時にひび割れ無し、とし、27kN載荷時に目視によって0.05mm以上のひび割れが認められず、前記27kN載荷時に至るまでの間の荷重−変位関係、荷重−ひずみ関係のいずれかの確認方法でひび割れが発生したと認められる場合には、27kN載荷時に0.05mm以下のひび割れが発生した、とし、27kN載荷時に目視によって0.05mm以上のひび割れが発生したと認められる場合には、27kN載荷時0.05mm以上のひび割れが発生、と評価した。ただし、0.05mm以下のひび割れが発生したものはなかった。
(質量)
各実施例及び比較例の供試体の質量を測定した結果を表3に示す。
Figure 0005997969
表3より、各実施例では27kN荷重時にひび割れが発生しなかったが、各比較例では、破壊或いは大きいひび割れが発生した。
また、各実施例は各比較例に比べて曲げ強さ荷重及び最大曲げ強さは大きかった。
さらに、各実施例は各比較例に比べて軽量であった。
以上より、各実施例は、各比較例に比べて軽量で且つ強度も高いことが明らかである。
1:上板、2:繊維含有シート、3:樹脂接着剤層、10:側溝用蓋体。

Claims (3)

  1. コンクリート組成物を型枠に充填する充填工程と、
    前記充填工程で充填されたコンクリート組成物を硬化させる硬化工程と、
    前記硬化工程で硬化された前記コンクリート組成物の水分量が8%以下になったときに、樹脂接着剤を前記コンクリート組成物の表面に塗布する接着剤塗布工程と、
    前記樹脂接着剤が塗布された前記表面に、繊維シートを接着するシート接着工程とを実施する側溝用蓋体の製造方法。
  2. 前記シート接着工程は、前記樹脂接着剤を前記繊維シートに含浸させて、コンクリート組成物の表面に接着する工程を備える請求項1記載の側溝用蓋体の製造方法。
  3. 前記シート接着工程は、更に、前記繊維シート上に平滑化シートを載置して、前記平滑化シートの上から押さえることで、前記繊維シート表面を平滑にする工程を備える請求項2記載の側溝用蓋体の製造方法。
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