JP2003335128A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003335128A JP2002146497A JP2002146497A JP2003335128A JP 2003335128 A JP2003335128 A JP 2003335128A JP 2002146497 A JP2002146497 A JP 2002146497A JP 2002146497 A JP2002146497 A JP 2002146497A JP 2003335128 A JP2003335128 A JP 2003335128A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両減速時の動力回収により蓄冷を効果的に
行う。 【解決手段】 車室内へ送風される空気を冷却する蒸発
器を通過した冷風により蓄冷器の蓄冷材を冷却して凝固
させる。圧縮機の作動は蒸発器の温度が目標温度となる
ように断続制御される(S210)。蓄冷材の蓄冷が完
了していないときは、蒸発器の目標温度を蓄冷材の凝固
温度より低い初期蓄冷目標温度に設定し(S240、S
250)、蓄冷材の蓄冷が完了し、且つ、車両が減速状
態でないときは、蒸発器の目標温度を初期蓄冷目標温度
より高く、且つ、凝固温度より低い蓄冷維持目標温度に
設定し、蓄冷材の蓄冷が完了し、且つ、車両が減速状態
であるときは、蒸発器の目標温度を蓄冷維持目標温度よ
りも低い温度に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルの圧
縮機の稼働時に蓄冷を行う蓄冷式の車両用空調装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護等の観点から省燃費
車の開発が急速に進められている。現状のエンジン(内
燃機関)搭載車においては、エンジンそのものの効率改
善を図ったり、信号待ち等の停車中にはエンジンを自動
的に停止させるエコラン車の開発が主流になっている。
また、走行駆動源としてエンジンと電動モータの両方を
備え、一部の車両走行条件では電動モータの動力を車両
走行に利用するハイブリッド車の開発にも注力されるよ
うになっている。
【0003】ところで、車両用空調装置においては、冷
凍サイクルの圧縮機を車両エンジンにより駆動している
ので、上記のエコラン車、ハイブリッド車のように信号
待ち等の停車時にエンジンを自動的に停止する車両で
は、エンジンが停止される毎に、圧縮機も停止して冷房
用熱交換器(蒸発器)の温度が上昇する。その結果、車
室内への吹出空気温度が上昇して乗員の冷房フィーリン
グを損なうという不具合が発生する。
【0004】そこで、圧縮機の稼働時に蓄冷される蓄冷
器を備え、圧縮機の停止時(冷房用熱交換器の冷却作用
停止時)には蓄冷器により車室内への吹出空気を冷却で
きる蓄冷式の車両用空調装置の必要性が高まっている。
【0005】そこで、本出願人は、先に、特願2001
−106412号の特許出願において、冷房用熱交換器
の空気流れ下流側に蓄冷器を配置し、冷房用熱交換器を
通過した冷風により蓄冷器を冷却して、圧縮機の稼働時
に蓄冷を行う蓄冷式の車両用空調装置を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の蓄冷式の車両用
空調装置では、圧縮機の稼働時に蓄冷器の冷却を行う分
だけ、圧縮機の駆動動力が増加するので、車両エンジン
の燃費を悪化させる原因となる。
【0007】そこで、本発明は上記点に鑑みて、車両減
速時の動力回収により蓄冷を効果的に行うことができる
ようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車両エンジン(4)に
より駆動される圧縮機(1)を有する冷凍サイクル
(R)と、冷凍サイクル(R)の冷却能力により車室内
へ送風される空気を冷却する冷房用熱交換器(9)と、
冷房用熱交換器(9)の空気流れ下流側に配置され、冷
房用熱交換器(9)を通過した冷風により冷却されて凝
固する蓄冷材(44)を有する蓄冷器(40)と、冷房
用熱交換器(9)の温度が目標温度となるように、圧縮
機(1)の作動を制御する制御手段(S210)と、蓄
冷材(44)の凝固が完了した状態に基づいて蓄冷の完
了を判定する蓄冷完了判定手段(S240)と、車両が
減速状態にあるかどうかを判定する減速判定手段(S2
60)とを備え、蓄冷材(44)の蓄冷が完了していな
いときは、前記目標温度を蓄冷材(44)の凝固温度
(T0)より低い初期蓄冷目標温度(TEOB1)に設
定し、一方、蓄冷材(44)の蓄冷が完了し、且つ、車
両が減速状態でないときは、前記目標温度を初期蓄冷目
標温度(TEOB1)より高く、且つ、凝固温度(T
0)より低い蓄冷維持目標温度(TEOB2)に設定
し、更に、蓄冷材(44)の蓄冷が完了し、且つ、車両
が減速状態であるときは、前記目標温度を蓄冷維持目標
温度(TEOB2)よりも低い温度に設定することを特
徴とする。
【0009】これにより、蓄冷モードの開始当初は初期
蓄冷目標温度(TEOB1)に対応した低温冷風により
蓄冷材(44)を急速に冷却して、急速蓄冷を行うこと
ができ、短時間で蓄冷を完了できる。そして、蓄冷完了
後は冷房用熱交換器(9)の温度を蓄冷維持目標温度
(TEOB2)まで高くして圧縮機動力を低減できる。
【0010】しかも、蓄冷材(44)の蓄冷が完了して
いても、車両減速時には、目標温度を蓄冷維持目標温度
(TEOB2)よりも低い温度に設定することにより、
蓄冷材(44)の温度を引き下げて顕熱分の蓄冷量を増
加できる。同時に、冷房用熱交換器(9)の温度および
冷房用熱交換器(9)の凝縮水温度も引き下げて、冷房
用熱交換器(9)側での顕熱分の蓄冷量を増加できる。
【0011】さらに、車両減速時には車両の慣性動力を
回収して圧縮機(1)が駆動されるので、車両減速時に
冷房用熱交換器(9)の温度を意図的に引き下げて、蓄
冷量の増加を図ることにより、車両エンジン(4)の燃
費節減をしながら同時に蓄冷機能を効果的に発揮でき
る。
【0012】請求項2に記載の発明のように、請求項1
において、蓄冷材(44)の蓄冷が完了し、且つ、車両
が減速状態であるときに、目標温度を初期蓄冷目標温度
(TEOB1)に設定すれば、車両減速時に冷房用熱交
換器(9)の温度を初期蓄冷目標温度(TEOB1)ま
で引き下げて、蓄冷量を効果的に増加できる。
【0013】なお、初期蓄冷目標温度(TEOB1)は
蓄冷時における冷房用熱交換器(9)のフロスト防止の
ために、0℃より高い温度、例えば1℃程度が好適であ
る。
【0014】請求項3に記載の発明のように、請求項1
または2において、圧縮機(1)を吐出容量が一定にな
っている固定容量型圧縮機とし、この固定容量型圧縮機
(1)の作動を断続制御することにより冷房用熱交換器
(9)の温度を制御するようにしてよい。
【0015】請求項4に記載の発明のように、請求項1
または2において、圧縮機(1)を吐出容量が変化する
ように構成された可変容量型圧縮機とし、この可変容量
型圧縮機(1)の吐出容量を変化させることにより冷房
用熱交換器(9)の温度を制御するようにしてもよい。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項1ない
し4のいずれか1つにおいて、停車時に車両エンジン
(4)を自動的に停止する制御を行う車両に搭載される
車両用空調装置であることを特徴とする。
【0017】これにより、停車時に圧縮機(1)が停止
しても蓄冷材(44)の蓄冷量の放冷によって車室内の
冷房機能を発揮できる。
【0018】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施形態を図に基
づいて説明する。図1は本発明の一実施形態の全体構成
図であり、車両用空調装置の冷凍サイクルRには冷媒を
吸入、圧縮、吐出する圧縮機1を有し、この圧縮機1に
は動力断続用の電磁クラッチ2が備えられている。な
お、圧縮機1は吐出容量が一定になっている固定容量型
圧縮機である。圧縮機1には電磁クラッチ2およびベル
ト3を介して車両エンジン4の動力が伝達されるので、
電磁クラッチ2への通電を空調用制御装置5により断続
することにより圧縮機1の運転が断続される。
【0020】圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱
ガス冷媒は凝縮器6に流入し、図示しない冷却ファンよ
り送風される外気と熱交換して冷却され凝縮する。この
凝縮器6で凝縮した冷媒は次に受液器7に流入し、受液
器7の内部で冷媒の気液が分離され、冷凍サイクルR内
の余剰冷媒(液冷媒)が受液器7内に蓄えられる。
【0021】この受液器7からの液冷媒は膨張弁(減圧
手段)8により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態と
なる。膨張弁8は冷房用熱交換器をなす蒸発器9の出口
冷媒の温度を感知する感温部8aを有する温度式膨張弁
である。この膨張弁8からの低圧冷媒は蒸発器9に流入
する。この蒸発器9は車両用空調装置の空調ケース10
内に設置され、蒸発器9に流入した低圧冷媒は空調ケー
ス10内の空気から吸熱して蒸発する。蒸発器9の出口
は圧縮機1の吸入側に結合され、上記したサイクル構成
部品によって閉回路を構成している。
【0022】空調ケース10において、蒸発器9の上流
側には送風機11が配置され、送風機11には遠心式送
風ファン12と駆動用モータ13が備えられている。送
風ファン12の吸入側には内外気切替箱14が配置さ
れ、この内外気切替箱14内の内外気切替ドア14aに
より外気導入口14bと内気導入口14cを開閉する。
これにより、内外気切替箱14内に外気(車室外空気)
または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切
替ドア14aはサーボモータからなる電気駆動装置14
eにより駆動される。。
【0023】空調装置通風系のうち、送風機11下流側
に配置される空調ユニット15部は、通常、車室内前部
の計器盤内側において車両幅方向の中央位置に配置さ
れ、送風機11部は空調ユニット15部に対して助手席
側にオフセット配置される。
【0024】空調ケース10内で、蒸発器9の下流側に
は後述の蓄冷器40、エアミックスドア19が順次配置
されている。このエアミックスドア19の下流側には車
両エンジン4の温水(冷却水)を熱源として空気を加熱
する暖房用熱交換器をなす温水式ヒータコア20が設置
されている。
【0025】そして、この温水式ヒータコア20の側方
(上方部)には、温水式ヒータコア20をバイパスして
空気(冷風)を流すバイパス通路21が形成されてい
る。エアミックスドア19は回動可能な板状ドアであ
り、サーボモータからなる電気駆動装置22により駆動
される。
【0026】エアミックスドア19は、温水式ヒータコ
ア20を通過する温風とバイパス通路21を通過する冷
風との風量割合を調整するものであって、この冷温風の
風量割合の調整により車室内への吹出空気温度を調整す
る。従って、本例においてはエアミックスドア19によ
り車室内への吹出空気の温度調整手段が構成される。
【0027】温水式ヒータコア20の下流側には下側か
ら上方へ延びる温風通路23が形成され、この温風通路
23からの温風とバイパス通路21からの冷風が空気混
合部24で混合して、所望温度の空気を作り出すことが
できる。
【0028】さらに、空調ケース10内で、空気混合部
24の下流側に吹出モード切替部が構成されている。す
なわち、空調ケース10の上面部にはデフロスタ開口部
25が形成され、このデフロスタ開口部25は図示しな
いデフロスタダクトを介して車両フロントガラス内面に
空気を吹き出すものである。デフロスタ開口部25は、
回動自在な板状のデフロスタドア26により開閉され
る。
【0029】また、空調ケース10の上面部で、デフロ
スタ開口部25より車両後方側の部位にフェイス開口部
27が形成され、このフェイス開口部27は図示しない
フェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて空
気を吹き出すものである。フェイス開口部27は回動自
在な板状のフェイスドア28により開閉される。
【0030】また、空調ケース10において、フェイス
開口部27の下側部位にフット開口部29が形成され、
このフット開口部29は車室内乗員の足元に向けて空気
を吹き出すものである。フット開口部29は回動自在な
板状のフットドア30により開閉される。
【0031】上記した吹出モードドア26、28、30
は共通のリンク機構(図示せず)に連結され、このリン
ク機構を介してサーボモータからなる電気駆動装置31
により駆動される。
【0032】蒸発器9の温度センサ32は空調ケース1
0内で蒸発器9の空気吹出直後の部位に配置され、蒸発
器吹出温度Teを検出する。また、蓄冷器40の温度セ
ンサ33は、蓄冷器40の空気吹出直後の部位に配置さ
れ、蓄冷器吹出温度Tcを検出する。
【0033】ここで、蒸発器9の温度センサ32の検出
信号(蒸発器吹出温度Te)は通常の空調装置と同様
に、圧縮機1のクラッチ断続を制御して蒸発器吹出温度
を目標蒸発器温度TEOに維持するために使用される。
なお、圧縮機1として可変容量圧縮機を用いる場合は蒸
発器吹出温度Teにより圧縮機1の容量を調整して、蒸
発器吹出温度を目標蒸発器温度TEOに維持する。
【0034】蓄冷器40の温度センサ33の検出信号
(蓄冷器吹出温度Tc)は、蓄冷完了の判定のために用
いるとともにエアミックスドア19の開度制御のために
も用いるもので、蓄冷器吹出温度Tcの値によってエア
ミックスドア19の開度補正を行う。
【0035】空調用制御装置5には、上記の両温度セン
サ32、33の他に、空調制御のために、内気温Tr、
外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等を検出する
周知のセンサ群35から検出信号が入力される。また、
車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネル36には
乗員により手動操作される操作スイッチ群37が備えら
れ、この操作スイッチ群37の操作信号も空調用制御装
置5に入力される。
【0036】この操作スイッチ群37としては、温度設
定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ37a、風
量切替信号を発生する風量スイッチ37b、吹出モード
信号を発生する吹出モードスイッチ37c、内外気切替
信号を発生する内外気切替スイッチ37d、圧縮機1の
オンオフ信号を発生するエアコンスイッチ37eおよび
フルエアコンスイッチ37f等が設けられている。
【0037】ここで、フルエアコンスイッチ37fの投
入時は圧縮機1のオン信号を出すとと同時に常に車両エ
ンジン4の稼働要求信号を出して、停車時にも車両エン
ジン4の運転状態を継続させる。これに反し、エアコン
スイッチ37eの投入時は圧縮機1のオン信号を出すの
みで、車両エンジン4の稼働要求信号は出さない。
【0038】さらに、空調用制御装置5はエンジン用制
御装置38に接続されており、エンジン用制御装置38
から空調用制御装置5には車両エンジン4の回転数信
号、車速信号、アクセルペダル踏み込み量信号等が入力
される。
【0039】エンジン用制御装置38は周知のごとく車
両エンジン4の運転状況等を検出するセンサ群(図示せ
ず)からの信号に基づいて車両エンジン4への燃料噴射
量、点火時期等を総合的に制御するものである。さら
に、本発明の対象とするエコラン車、ハイブリッド車に
おいては、フルエアコンスイッチ37fの非投入時に車
両エンジン4の回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等
に基づいて停車状態を判定すると、エンジン用制御装置
38は、点火装置の電源遮断、燃料噴射の停止等により
車両エンジン4を自動的に停止させる。
【0040】また、エンジン停止後、運転者がアクセル
ペダルを踏み込む等の発進操作を行うと、エンジン用制
御装置38は車両の発進操作状態をアクセル信号等に基
づいて判定して、車両エンジン4を自動的に始動させ
る。なお、空調用制御装置5は、車両エンジン4停止後
の蓄冷器吹出温度Tcの上昇等に基づいてエンジン再稼
働要求の信号を出力する。
【0041】空調用制御装置5およびエンジン用制御装
置24はCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイ
クロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるもの
である。空調用制御装置5は、車両エンジン4の停止許
可、停止禁止の信号やエンジン停止後の再稼働要求の信
号を出力するエンジン制御信号出力部、電磁クラッチ2
による圧縮機断続制御部、内外気切替ドア14aによる
内外気吸込制御部、送風機11の風量制御部、エアミッ
クスドア19による温度制御部、吹出口25、27、2
9の切替による吹出モード制御部等を有している。
【0042】次に、蓄冷器40の具体的な構成について
説明すると、蓄冷器40は図1に示すように蒸発器9と
同一の前面面積を有する形状として、蒸発器9通過後の
冷風の全量(空調ケース10内風量の全量)が通過する
熱交換器構成となっている。これにより、蓄冷器40は
空調ケース10内の空気流れ方向Aに対して厚さ寸法の
小さい薄型構造とすることができる。
【0043】図2は蓄冷器40の具体的な熱交換器構成
を例示するもので、2枚の伝熱プレート41、42にそ
れぞれ空気(冷風)流れ方向Aに沿って交互に凸面部4
1a、42aを形成し、この凸面部41a、42aを互
いに相手側の伝熱プレート41、42の平面部に当接し
てろう付け等により接合する。これにより、凸面部41
a、42aの内側に密閉空間43を有するチューブ45
を形成し、密閉空間43内に蓄冷材44を収納するよう
になっている。
【0044】なお、図2において、紙面垂直方向は空調
ケース10内への蓄冷器40の配置状態における上下方
向であり、従って、伝熱プレート41、42の凸面部4
1a、42aおよびその内側の密閉空間43も空調ケー
ス10内の上下方向に延びる形状である。そのため、伝
熱プレート41、42の表面に発生する凝縮水は凸面部
41a、42aに沿って重力にて下方へ落下することが
できる。
【0045】また、図2には、チューブ45を2組しか
図示していないが、実際には、蓄冷器40が蒸発器9と
同一の前面面積を持っているので、チューブ45が図2
の矢印B方向(空気流れ方向Aと直交方向)に多数組積
層される。
【0046】この多数組のチューブ45の上下両端部に
チューブ相互間の当接部を設けて、チューブ45相互間
に所定間隔の空気通路46を保持するようになってい
る。そして、各チューブ45の伝熱プレート41、42
相互間、およびチューブ45相互間の当接部等を一体に
接合(ろう付け)することにより、蓄冷器40全体を1
つの熱交換器構造として一体化することができる。
【0047】なお、チューブ45の上下両端部に、多数
の密閉空間43を連通させるタンク部(図示せず)を一
体成形すれば、このタンク部により上記当接部を構成す
ることができる。
【0048】伝熱プレート41、42は伝熱性、軽量化
等を考慮してアルミニュウムの薄板材で成形することが
好ましい。なお、アルミニュウムのろう付け温度は60
0℃付近の高温であるので、蓄冷器40のろう付け工程
終了後に、密閉空間43内に蓄冷材44を封入する。こ
の蓄冷材封入のために、密閉空間43の一部(例えば、
上記タンク部等)に、1箇所または複数箇所の充填口を
設け、この充填口から密閉空間43内に蓄冷材44を充
填し、この充填作業の終了後に充填口を適宜のシール材
(例えば、Oリング等)を介在して蓋部材により密封す
る。
【0049】なお、蓄冷材44としては相変化により潜
熱を蓄えることができる物質を選定する。その際、単位
体積当たりの凝固潜熱が大きい材料ほど、蓄冷密度が大
きくなり好ましいが、蓄冷したい温度、蓄冷したい熱
量、蓄冷器40の材質、蓄冷材コスト等を総合的に考慮
して、蓄冷材44の具体的材質を選定する。
【0050】本例においては、蓄冷器40の主目的が車
両用空調装置における夏場の冷房用であって、蓄冷器4
0の吹出温度Tcを15℃程度以下の温度に抑えたいこ
と、蒸発器9のフロスト防止のために0℃より高い温度
で凝固すること、蓄冷器構成材質(アルミニュウム)に
対する腐食防止作用が得られる等の理由から、蓄冷材4
4の具体的材質として、凝固点T0=8℃付近のパラフ
ィンを選定している。
【0051】水の蓄冷密度を1.0とすると、パラフィ
ンの蓄冷密度は0.5程度となるが、科学的安定性や毒
性、材料コスト等の面で溶融塩や他の無機物よりパラフ
ィンの方が優れている。
【0052】また、空気通路46は、凸面部41a、4
2aが交互に突出することにより蛇行状の通路を形成す
る。すなわち、空気通路46では冷風が蛇行しながら各
チューブ45の伝熱プレート41、42の表面に直接接
触する。この蛇行状の形態により空気流れの直進を阻止
して空気流れを乱すことにより空気側熱伝達率を飛躍的
に向上できるので、空気側のフィン部材を持たないフィ
ンレス構成であっても必要伝熱性能を確保できる。
【0053】次に、上記構成において第1実施形態の作
動を説明する。車両用空調装置においては、車両エンジ
ン4により圧縮機1を駆動することにより冷凍サイクル
Rが運転され、膨張弁8にて減圧された低温低圧の気液
2相冷媒が蒸発器9に流入し、ここで、送風機11の送
風空気から吸熱して低圧冷媒が蒸発することにより送風
空気が冷却、除湿され、冷風となる。
【0054】蒸発器9の温度は圧縮機1作動の断続制御
により目標蒸発器温度TEOに維持される。ここで、T
EOは後述のように空調モードの選択に応じて決定され
るものであって、TEOを0℃より高い温度とすること
により蒸発器9のフロストを防止することができる。
【0055】そして、蒸発器9通過後の冷風が次には蓄
冷器40の多数組のチューブ45相互間に形成される所
定間隔の空気通路46を通過する。ここで、空気通路4
6の蛇行状の形態により冷風流れを乱して空気側の熱伝
達率を向上できるので、空気通路46を冷風が通過する
間に伝熱プレート41、42を介して蓄冷材(パラフィ
ン)44を効果的に冷却できる。そして、蓄冷材44が
冷却されて常温時の液相状態から固相状態に凝固し、凝
固潜熱の形態で蓄冷を行うことができる。
【0056】このため、エコラン車のように、信号待ち
等の停車時(エンジン動力不要時)にエンジン4を自動
的に停止する車両において、停車時に冷凍サイクルRの
圧縮機1が停止状態になっても、車室内への吹出空気温
度を蓄冷材(パラフィン)44の蓄冷量(凝固潜熱)を
用いて、比較的低温状態に維持することができる。従っ
て、夏期冷房時における停車時に、圧縮機1の停止に伴
う車室内への吹出温度の急上昇を抑制して、冷房フィー
リングの悪化を防止できる。
【0057】次に、本実施形態による蓄冷挙動を具体的
に説明する。車両用空調装置においては、送風機11か
らの送風空気をまず最初に蒸発器9にて冷却、除湿し、
その後、エアミックスドア9の開度を調整して冷風と温
風を混合することにより、車室内への吹出温度を目標吹
出温度TAOに制御している。その場合に、例えば、T
AO=12℃という比較的高い温度であっても、蓄冷材
44の蓄冷を極力短時間で完了するためには、目標蒸発
器温度TEOをできる限り低い温度に設定する必要があ
る。
【0058】ここで、蓄冷材44の蓄冷は図1のように
蒸発器9通過後の冷風により行うから、蓄冷材44の冷
却能力Qは次の数式1により表すことができる。
【0059】
【数1】Q=α・F・(Tc’−Te) 但し、α:熱伝達率、F:蓄冷器40の表面面積、T
c’:蓄冷器40の表面温度、Te:蒸発器吹出温度 数式1において、α、Fは蓄冷器40の仕様により決ま
る一定値であり、またTc’も蓄冷材44の凝固開始後
は蓄冷材44の材質により決まる一定温度(凝固温度T
0)となる。よって、蓄冷材44を極力短時間で蓄冷完
了するためには蒸発器吹出温度Teをできる限り低くす
るのであるが、Te<0℃にすると、蒸発器9のフロス
ト(凝縮水の凍結)が発生して、蒸発器9の冷却能力を
低下させるという問題を生じる。
【0060】そこで、本発明者らは、まず、蓄冷時目標
蒸発器温度TEOB(すなわち、蒸発器吹出温度Te)
を1℃に設定して、蒸発器9のフロストを防止できる範
囲内で最大蓄冷状態(最大冷却能力Q)を設定する比較
例について蓄冷挙動を検討してみた。
【0061】上記の最大蓄冷状態を設定すると、1℃の
低温冷風により蓄冷材44を急速冷却できるので、蓄冷
材44の温度(蓄冷器吹出温度Tc)を冷却開始前の温
度から急速に低下できる。本例では、凝固点T0=8℃
のパラフィンを蓄冷材44として用いているから、蓄冷
材44の温度が8℃に低下すると、蓄冷材44の凝固が
開始され、蓄冷材44の凝固潜熱が1℃の低温冷風によ
り吸熱される。そして、この凝固が継続している間は蓄
冷材44の温度が凝固点T0の8℃に維持されるので、
蓄冷器40の吹出温度Tcも略8℃一定に維持される。
【0062】そして、蓄冷材44の凝固、すなわち、蓄
冷が完了した後も、蓄冷時目標蒸発器温度TEOB=1
℃を継続すると、蓄冷材44は1℃の低温冷風により引
き続き冷却されるので、蓄冷材44も略1℃の温度まで
冷却される。
【0063】ところで、上記比較例では、空調に必要な
目標蒸発器温度TEOAが12℃である場合に、急速蓄
冷のために、蓄冷時目標蒸発器温度TEOB=1℃とい
う最大蓄冷状態を設定し、この状態を蓄冷完了後も継続
している。しかし、このことは蓄冷完了後も冷凍サイク
ルの低圧圧力を蒸発器9の低温(1℃)に対応する低い
値に下げた状態を継続することになり、圧縮機動力の無
駄な消費につながる。
【0064】そこで、上記検討結果に基づいて、本実施
形態では、蓄冷材44の蓄冷完了を判定し、蓄冷完了後
は目標蒸発器温度を、急速蓄冷のための初期蓄冷目標蒸
発器温度TEOB1より高い温度の蓄冷維持目標蒸発器
温度TEOB2に切り替える。ここで、TEOB2は蓄
冷材44の蓄冷(凝固)状態を維持するために、蓄冷材
44の凝固点T0(8℃)より若干低い温度(例えば、
6℃)に設定する。
【0065】次に、本実施形態による具体的な蓄冷制御
を説明する。まず、図3は制御装置5のマイクロコンピ
ュータにより実行される空調制御全体の概要を示すフロ
ーチャートであり、図3の制御ルーチンは、車両エンジ
ン4のイグニッションスイッチがオンされて制御装置5
に電源が供給された状態において、空調制御パネル36
の操作スイッチ群37の風量スイッチ37b(あるいは
オートスイッチ)が投入されるとスタートする。
【0066】先ず、ステップS100ではフラグ、タイ
マー等の初期化がなされ、次のステップS110で、セ
ンサ32、33、センサ群35からの検出信号、操作ス
イッチ群37の操作信号、エンジン用制御装置38から
の車両運転信号(アクセルペダル踏み込み量)等を読み
込む。
【0067】続いて、ステップS120にて、車室内へ
吹き出される空調風の目標吹出温度TAOを算出する。
この目標吹出温度TAOは、車両の空調熱負荷条件が変
動しても車室内を温度設定スイッチ37aの設定温度T
setに維持するために必要な吹出温度であり、下記数
式2に基づいて算出される。
【0068】
【数2】TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts +C 但し、Tr:センサ群35の内気センサにより検出され
る内気温 Tam:センサ群35の外気センサにより検出される外
気温 Ts:センサ群35の日射センサにより検出される日射
量 Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン C:補正用の定数 次に、ステップS130にて空調モードが通常モードで
あるか、蓄冷モードであるか、放冷モードであるかを選
択する。ここで、通常モードと蓄冷モードはエンジン稼
働中(車両走行中)に設定するモードであって、この通
常モードと蓄冷モードの選択は具体的には上記目標吹出
温度TAOと空調制御パネル36のエアコンスイッチ3
7eおよびフルエアコンスイッチ37fの操作状態とに
基づいて行うことができる。
【0069】すなわち、フルエアコンスイッチ37fの
投入時には前述のごとく車両エンジン4の稼働要求信号
が出されて、停車時にも車両エンジン4の稼働状態が継
続されるので、蓄冷モードが不要であり、従って、TA
Oの如何にかかわらず、通常モードを選択する。
【0070】また、エアコンスイッチ37eの投入時に
おいてTAOが暖房域に相当する所定温度(例えば、3
5℃)以上であるときは、蓄冷モードが不要であるの
で、やはり通常モードを選択する。
【0071】これに反し、エアコンスイッチ37eの投
入時においてTAOが暖房域に相当する所定温度(例え
ば、35℃)より低いときは、冷房必要域であり、蓄冷
モードが必要となるので、蓄冷モードを選択する。
【0072】ここで、別の選択方式として、例えば、空
調制御パネル36の操作スイッチ群37として蓄冷スイ
ッチを追加して、この蓄冷スイッチの投入時だけ蓄冷モ
ードを選択し、蓄冷スイッチの非投入時は常に通常モー
ドを選択するようにしてもよい。
【0073】また、停車時にエンジン4(圧縮機1)が
停止し、かつ、エアコンスイッチ37eが投入されてい
るときは放冷モードを選択する。
【0074】そして、通常モードが選択されたときは、
ステップS140にて通常モード時の目標蒸発器温度T
EOAを決定する。この通常モード時の目標蒸発器温度
TEOAは、空調環境条件により決定される空調に必要
な目標値であって、本例では図4に示す第1目標蒸発器
温度TEOA1と図5に示す第2目標蒸発器温度TEOA2
に基づいて決定する。第1目標蒸発器温度TEOA1はT
AOの上昇につれて高くなるように決定する。従って、
TEOA1=f(TAO)として表すことができる。な
お、第1目標蒸発器温度TEOA1は、本例では12°C
が上限になっている。
【0075】また、第2目標蒸発器温度TEOA2は、外
気温Tamに対応して決定されるものであって、f(T
am)として表すことができる。このTEOA2は外気温
Tamの中間温度域(例えば、18°C〜25°C)で
は冷房、除湿の必要性が低下するので、第2目標蒸発器
温度TEOA2を高く(例えば12°C)して、圧縮機1
の稼働率を低減することにより、車両エンジン4の省動
力を図る。
【0076】一方、外気温Tamが25°Cを越える夏
期の高温時には冷房能力確保のため、TEOA2を外気温
度Tamの上昇に反比例して低下させる。また、外気温
Tamが10°Cより低くなる低温域では、窓ガラス曇
り防止のための除湿能力確保のために、TEOA2を外気
温Tamの低下とともに低下させる。
【0077】そして、エンジン稼働中における通常モー
ド時(蓄冷モードでないとき)では、上記第1、第2目
標蒸発器温度TEOA1、TEOA2のうち、低い温度の方
を最終的に、通常モード時の目標蒸発器温度TEOA と
して決定する。
【0078】次に、ステップS170にて送風機11に
より送風される空気の目標送風量BLWを上記TAOに
基づいて算出する。この目標送風量BLWの算出方法は
周知であり、上記TAOの高温側(最大暖房側)および
低温側(最大冷房側)で目標風量を大きくし、上記TA
Oの中間温度域で目標風量BLWを小さくする。
【0079】次に、ステップS180にて内外気モード
を決定する。この内外気モードは例えば、上記TAOが
低温側から高温側へ上昇するにつれて、全内気モード→
内外気混入モード→全外気モードと切替設定する。但
し、蓄冷モード時において、蓄冷完了までの間は上記条
件とは関係なく、常に強制的に内気モードとすれば、冷
房負荷の低減により急速蓄冷の効果を向上できる。
【0080】次に、ステップS190にて上記TAOに
応じて吹出モードを決定する。この吹出モードは周知の
ごとくTAOが低温側から高温側へ上昇するにつれてフ
ェイスモード→バイレベルモード→フットモードと切替
設定される。
【0081】次に、ステップS200にて、エアミック
スドア19の目標開度SWを上記TAO、蓄冷器吹出温
度Tc、及び温水温度Twに基づいて算出する。ここ
で、エアミックスドア19の目標開度SW は、エアミ
ックスドア19の最大冷房位置(図1の実線位置)を0
%とし、エアミックスドア19の最大暖房位置(図1の
一点鎖線位置)を100%とする百分率で表される。
【0082】次に、ステップS210に進み、目標蒸発
器温度TEOA と温度センサ32により検出される蒸発
器吹出温度Teとを比較して電磁クラッチ2への印加電
圧Vcを決定し、圧縮機作動の断続(ON−OFF)を
決定する。すなわち、蒸発器吹出温度Teが目標蒸発器
温度TEOAより低下すると、クラッチ印加電圧Vc=
0VとしてクラッチOFF(圧縮機OFF)とする。そ
して、蒸発器吹出温度TeがTEOA+αより高くなる
と、クラッチ印加電圧Vc=12VとしてクラッチON
(圧縮機ON)とする。ここで、αは圧縮機断続制御の
ヒステリシス幅であり、通常1℃程度である。
【0083】次に、ステップS220に進み、空調側条
件に基いてエンジン制御信号(前述の車両エンジン4の
停止許可、停止禁止、および車両エンジン4停止後の再
稼働要求の信号)を決定する。
【0084】次に、ステップS230に進み、上記各ス
テップで決定された各制御信号を各制御対象部に出力す
る。すなわち、ステップS170の目標風量BLW、ス
テップS180の内外気モード、ステップS190の吹
出モード、ステップS200の目標開度SWが得られる
ように、送風機11の回転数、内外気ドア14a、吹出
モードドア26、28、30、エアミックスドア19の
操作位置を制御する。
【0085】更に、ステップS210で決定されたクラ
ッチ印加電圧Vcに基づいて圧縮機1の作動が断続制御
され、これにより、蒸発器吹出温度を通常時の目標蒸発
器温度TEOAに制御する。また、ステップS220で
決定されたエンジン制御信号をエンジン制御用制御装置
38に出力する。
【0086】一方、ステップS130で蓄冷モードが選
択されたときは、蓄冷用目標蒸発器温度TEOBを次の
ように決定する。ステップS240でまず蓄冷材44の
蓄冷、すなわち、凝固が完了したか判定する。この判定
は具体的には蓄冷器吹出温度Tcが蓄冷材凝固温度T0
(8℃)より低い温度に低下したかを判定する。但し、
本例では、蓄冷維持目標蒸発器温度TEOB2を前述の
ように6℃に設定しているので、Tc<6℃となったと
きを蓄冷完了とする。
【0087】従って、Tcが6℃以上であるときは蓄冷
が完了していないと判定し、ステップS250に進み、
初期蓄冷TEOB1=1℃を設定する。これに対し、T
c<6℃になると蓄冷が完了したと判定し、ステップS
260に進み、車両が減速状態にあるか判定する。この
車両減速状態は本例ではアクセルペダル踏み込み量に基
づいて行うようになっており、アクセルペダル踏み込み
量が0になると車両が減速状態にあると判定する。
【0088】車両が減速状態でないとき、すなわち、加
速状態および定速走行状態であるときは、ステップS2
70に進み、蓄冷維持TEOB2=6℃を設定する。一
方、車両が減速状態にあるときはステップS250に進
み、初期蓄冷TEOB1=1℃を設定する。すなわち、
車両減速時は、蓄冷が完了していても初期蓄冷TEOB
1=1℃を設定する。
【0089】以上により、蓄冷開始当初には初期蓄冷T
EOB1=1℃を設定することにより、蒸発器吹出温度
Te=1℃で圧縮機1がOFFし、蓄冷器吹出温度Te
=2℃で圧縮機1がONするという、圧縮機1の断続制
御が行われる。これにより、蒸発器吹出温度Teが略1
℃という低温に制御され、この略1℃の低温冷風により
蓄冷材44の急速蓄冷を実現できる。具体的には、蓄冷
材44:凝固点T0=8℃のパラフィンを300cc用
い、略1℃の低温冷風により蓄冷材44を冷却した場合
に、約1分間で蓄冷材44の蓄冷(凝固)を完了でき
る。
【0090】これに反し、蓄冷完了後は、初期蓄冷TE
OB1=1℃から蓄冷維持TEOB2=6℃にTEOを引
き上げるから、蓄冷材44の蓄冷状態を維持しつつ、し
かも、圧縮機1の稼働率(ON−OFF合計時間に対す
るON時間の比率)を初期蓄冷TEOB1=1℃のとき
に比較して格段と引き下げて、圧縮機1の駆動動力を低
減できる。
【0091】更に、車両減速時には、蓄冷が完了してい
ても初期蓄冷TEOB1=1℃を設定するから、初期蓄
冷時と同様に1℃の低温冷風により蓄冷材44を更に冷
却して、顕熱分の蓄冷量を増加できる。また、初期蓄冷
TEOB1=1℃を設定することは、同時に、蒸発器9
および蒸発器9の凝縮水の温度も引き下げて蒸発器9お
よび蒸発器凝縮水への顕熱分の蓄冷量を増加できる。
【0092】しかも、車両減速時には車両自身の慣性動
力にて車両が走行するため、車両エンジン4の燃料カッ
ト制御が行われる。従って、圧縮機1は実質上、車両の
慣性動力を回収して駆動される状態になる。
【0093】この結果、車両減速時に、蓄冷材44、蒸
発器9および蒸発器凝縮水への顕熱分の蓄冷量を意図的
に増加しておくことにより、蓄冷器搭載に伴う圧縮機動
力の増加を効果的に低減できる。
【0094】次に、図3のステップS130で放冷モー
ドが選択されたときは、ステップS280に進み、放冷
モードにおける限界蓄冷器温度TCOを決定する。この
限界TCOは、放冷モードにおける蓄冷器温度、具体的
には蓄冷器吹出温度Tcの上昇により湿度変化、温度変
化、臭い発生、窓曇り発生を乗員に感じさせない知覚限
界点の温度(上限値)であり、所定温度、例えば12℃
に固定したり、あるいは、この限界TCOを放冷モード
における環境変化に応じて補正してもよい。
【0095】そして、放冷モードでは、ステップS22
0において、温度センサ33により検出される蓄冷器吹
出温度Tcと上記限界TCOとを比較し、Tc<限界T
COである間は、車両エンジン4の停止許可の信号を継
続する。これにより、エンジン4の停止状態、すなわ
ち、放冷モードが継続される。
【0096】放冷モードの継続によりTcが上昇して、
Tc≧限界TCOの関係になると、ステップS220に
おいてエンジン稼働要求の信号を出力し、車両エンジン
4を再起動させ、圧縮機1の作動による蒸発器9の冷房
作用を再開させる。従って、放冷モードが終了する。
【0097】なお、図3において、ステップS210に
よって圧縮機1の作動制御手段が構成され、ステップS
240によって蓄冷完了判定手段が構成され、ステップ
S260によって減速判定手段が構成される。
【0098】(他の実施形態) 上述の一実施形態では、アクセルペダルの踏み込み量
が0になることに基づいて車両の減速状態を判定してい
るが、車両の減速状態を、車速の低下、ブレーキペダル
の踏み込み等の情報に基づいて判定してもよい。
【0099】上述の一実施形態では、圧縮機1として
吐出容量が一定になっている固定容量型圧縮機を用い、
その固定容量型圧縮機の作動を断続して蒸発器9の温度
を制御する場合について説明したが、圧縮機1として吐
出容量を変化し得るように構成された可変容量型のもの
を用い、圧縮機1の容量制御により蒸発器9の温度を制
御するようにしてもよいことはもちろんである。
【0100】上述の一実施形態では、蓄冷材44の蓄
冷が完了し、且つ、車両が減速状態であるときは、蒸発
器9の目標温度を初期蓄冷目標温度TEOB1に設定し
ているが、蓄冷材44の蓄冷が完了し、且つ、車両が減
速状態であるときに、蒸発器9の目標温度を必ずしも初
期蓄冷目標温度TEOB1に設定しなくてもよい。要
は、蒸発器9の目標温度を蓄冷維持目標温度(TEOB
2)よりも低い温度に設定すればよい。従って、蓄冷材
44の蓄冷が完了し、且つ、車両が減速状態であるとき
に、蒸発器9の目標温度を初期蓄冷目標温度TEOB1
より更に低い温度に設定してもよいし、逆に、蒸発器9
の目標温度を初期蓄冷目標温度TEOB1より高く、蓄
冷維持目標温度(TEOB2)よりも低い温度に設定し
てもよい。
【0101】上述の一実施形態では、冷凍サイクルの
蒸発器9により車室内吹出空気を冷却する冷房用熱交換
器を構成しているが、冷凍サイクルの蒸発器9により水
等の冷却媒体(ブライン)を冷却し、この冷却媒体が循
環するブライン式の冷房用熱交換器を空調ユニット15
の空気通路内に設置し、ブライン式の冷房用熱交換器に
より車室内吹出空気を冷却する車両用空調装置に対して
も本発明は同様に適用できる。
【0102】上述の一実施形態では、蓄冷器40の前
面面積を蒸発器9と同一にして、蒸発器9通過後の冷風
の全量が蓄冷器40を通過するようにしているが、蓄冷
器40の前面面積を蒸発器9より小さくして、蓄冷器4
0のバイパス通路を形成して、蒸発器9通過後の冷風の
一部が蓄冷器40をバイパスするようにしてもよい。
【0103】また、上述の一実施形態では、蒸発器9の
前面面積を空調ケース10内の通路断面積と同一にし
て、送風機11の送風空気の全量が蒸発器9を通過する
ようにしているが、蒸発器9と蓄冷器40の前面面積を
同一にするとともに、空調ケース10内に蒸発器9と蓄
冷器40の両方をバイパスするバイパス通路を形成し、
このバイパス通路の開度を冷房負荷等の条件に応じてバ
イパスドアにより調整するようにしてもよい。
【0104】上述の一実施形態では、蒸発器9の温度
を検出する温度検出手段として、蒸発器吹出空気温度T
eを検出する温度センサ32を用いているが、蒸発器9
の冷媒通路壁面温度やフィン表面温度を検出する温度セ
ンサを用いてもよい。
【0105】また、蓄冷器40の温度を検出する温度検
出手段として、蓄冷器40の吹出空気温度Tcを検出す
る温度センサ33を用いているが、蓄冷器40の壁面温
度等を検出する温度センサを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体システム図である。
【図2】図1の蓄冷器を例示する断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による空調制御を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における目標蒸発器温度を
例示する特性図である。
【図5】本発明の一実施形態における目標蒸発器温度を
例示する特性図である。
【符号の説明】
9…蒸発器(冷房用熱交換器)、32、33…温度セン
サ、40…蓄冷器、44…蓄冷材。
フロントページの続き (72)発明者 北村 圭一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 山中 康司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両エンジン(4)により駆動される圧
    縮機(1)を有する冷凍サイクル(R)と、 前記冷凍サイクル(R)の冷却能力により車室内へ送風
    される空気を冷却する冷房用熱交換器(9)と、 前記冷房用熱交換器(9)の空気流れ下流側に配置さ
    れ、前記冷房用熱交換器(9)を通過した冷風により冷
    却されて凝固する蓄冷材(44)を有する蓄冷器(4
    0)と、 前記冷房用熱交換器(9)の温度が目標温度となるよう
    に、前記圧縮機(1)の作動を制御する制御手段(S2
    10)と、 前記蓄冷材(44)の凝固が完了した状態に基づいて蓄
    冷の完了を判定する蓄冷完了判定手段(S240)と、 車両が減速状態にあるかどうかを判定する減速判定手段
    (S260)とを備え、 前記蓄冷材(44)の蓄冷が完了していないときは、前
    記目標温度を前記蓄冷材(44)の凝固温度(T0)よ
    り低い初期蓄冷目標温度(TEOB1)に設定し、 一方、前記蓄冷材(44)の蓄冷が完了し、且つ、車両
    が減速状態でないときは、前記目標温度を前記初期蓄冷
    目標温度(TEOB1)より高く、且つ、前記凝固温度
    (T0)より低い蓄冷維持目標温度(TEOB2)に設
    定し、 更に、前記蓄冷材(44)の蓄冷が完了し、且つ、車両
    が減速状態であるときは、前記目標温度を前記蓄冷維持
    目標温度(TEOB2)よりも低い温度に設定すること
    を特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記蓄冷材(44)の蓄冷が完了し、且
    つ、車両が減速状態であるときに、前記目標温度を前記
    初期蓄冷目標温度(TEOB1)に設定することを特徴
    とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記圧縮機(1)は吐出容量が一定にな
    っている固定容量型圧縮機であり、 前記固定容量型圧縮機(1)の作動を断続制御すること
    により前記冷房用熱交換器(9)の温度を制御すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装
    置。
  4. 【請求項4】 前記圧縮機(1)は吐出容量を変化し得
    るように構成された可変容量型圧縮機であり、 前記可変容量型圧縮機(1)の吐出容量を変化させるこ
    とにより前記冷房用熱交換器(9)の温度を制御するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 停車時に車両エンジン(4)を自動的に
    停止する制御を行う車両に搭載されることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装
    置。
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