JP3896978B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動モータにより駆動される圧縮機を備え、遠隔操作により電動モータを起動させて、乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調が知られている(例えば、特許文献1参照)。当該プレ空調は、タイマー等により、車室内温度が所定の目標温度に達したと判定された時点で電動モータを停止させて、プレ空調を終了させるようになっている。
【0003】
一方、電動モータにより駆動される圧縮機と、蒸発器を通過した冷風が当たるように配置された蓄冷材とを備え、車両走行中に蓄冷材にて蓄冷しておき、停車時にエンジンを停止させてエコラン制御を行う際に、電動モータを停止させて蓄冷材の放冷により冷房を行うことにより、停車時の消費電力低減を図った空調装置が知られている(特許文献2)。
【0004】
なお、電動モータに給電するバッテリは、少なくとも車両走行エンジンにより充電可能なものであり、エコラン制御時にバッテリ充電量が所定値以下になると、バッテリに充電させるためにエコラン制御を中止してエンジンを起動させなければならなくなる。よって、停車時には消費電力低減を図ることが望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−139155号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−157196号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、本発明者らは、電動モータにより駆動される圧縮機および蓄冷材を備え、エコラン制御機能を有する空調装置に、プレ空調機能を組み合わせた空調装置を検討した。
【0008】
しかし、当該検討に係る空調装置では、プレ空調時にも、蒸発器を通過した冷風が蓄冷材に当たり、蓄冷されることとなる。よって、上述の判定時点でプレ空調を終了させると、蓄冷材が蓄冷された状態でプレ空調が終了することとなり、蓄冷に費やされた消費電力が無駄となる。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、電動モータにより駆動される圧縮機および蓄冷材を備え、エコラン制御機能とともにプレ空調機能を有する車両用空調装置において、プレ空調時の消費電力低減を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、少なくとも車両走行エンジンにより充電可能なバッテリ(3)を電源として作動する電動モータ(2)と、電動モータ(2)により駆動される圧縮機(1)と、圧縮機(1)を有する冷凍サイクル(R)に設けられ、車室内へ送風される送風空気を冷却する蒸発器(9)と、蒸発器(9)を通過した冷風が当たるように配置され、冷風により冷却されて凝固する蓄冷材(41)とを備え、停車時にエンジンを停止させるエコラン制御時に、車両走行中に蓄冷された蓄冷材(41)により送風空気を冷却可能にした車両用空調装置において、
遠隔操作により乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調が実行可能になっており、プレ空調開始時後において、車室内温度が所定の目標温度に達したと判定される第1時点までは、電動モータ(2)を作動させて蒸発器(9)で送風空気を冷却するエアコンモードによるプレ空調を実行し、第1時点からは、電動モータ(2)を停止させて蓄冷材(41)で送風空気を冷却する放冷モードによるプレ空調を実行させることを特徴とする。
【0011】
これによれば、エアコンモードによるプレ空調時に、蒸発器(9)を通過した冷風が蓄冷材(41)に当たり、蓄冷されることとなるが、車室内温度が所定の目標温度に達したと判定された時点で、プレ空調を終了させることなく、放冷モードによるプレ空調を実行させるので、エアコンモードによるプレ空調時における蓄冷に費やされた消費電力が無駄となってしまうことを回避できる。よって、プレ空調時の消費電力低減を図ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明では、蓄冷材(41)の蓄冷量が所定量以下であるか否かを判定する判定手段(S9)を備え、第1時点経過後に、判定手段(S9)により所定量以下であると判定された第2時点で、放冷モードによるプレ空調を終了させることを特徴とする。これにより、上記所定量を小さく設定して、蓄冷材(41)から十分に放冷されるように設定できるので、プレ空調時の消費電力をより一層低減できる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明のように、蓄冷材(41)の空気流れ下流に蓄冷温度検出手段(33)を備え、判定手段(S9)は、蓄冷温度検出手段(33)により検出された温度に基づいて、蓄冷量の判定を行うようにすれば、上記請求項2に記載の発明を容易に実現できる。
【0014】
また、車室内温度が所定の目標温度に達した第1時点であるか否かを判定する具体的手段として、請求項4に記載の発明のように、車室内の温度を検出する室内温度検出手段(35)を備え、車室内温度が所定の目標温度に達したか否かを、室内温度検出手段(35)により検出された温度に基づいて判定することが挙げられる。
【0015】
また、車室内温度が所定の目標温度に達した第1時点であるか否かを判定する具体的手段として、請求項5に記載の発明のように、エアコンモードによるプレ空調を開始させた時点から所定時間が経過したときに、車室内温度が所定の目標温度に達したと判定することが挙げられる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、少なくとも車両走行エンジンにより充電可能なバッテリ(3)を電源として作動する電動モータ(2)と、電動モータ(2)により駆動される圧縮機(1)と、圧縮機(1)を有する冷凍サイクル(R)に設けられ、車室内へ送風される送風空気を冷却する蒸発器(9)と、蒸発器(9)を通過した冷風が当たるように配置され、冷風により冷却されて凝固する蓄冷材(41)とを備え、停車時にエンジンを停止させるエコラン制御時に、車両走行中に蓄冷された蓄冷材(41)により送風空気を冷却可能にした車両用空調装置において、
遠隔操作により電動モータ(2)を作動させて、蒸発器(9)で送風空気を冷却し、乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調が実行可能になっており、蒸発器(9)により冷却された冷風の温度が、蓄冷材(41)の凝固点よりも高い温度となるように、プレ空調を実行させることを特徴とする。
【0017】
これによれば、プレ空調時に、蓄冷材(41)には蓄冷されないようにできるので、プレ空調時に蓄冷によって電力が消費されてしまうことを回避できる。よって、プレ空調時の消費電力低減を図ることができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は本実施形態の全体構成図であり、車両用空調装置の冷凍サイクルRは冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機1を有し、この圧縮機1は電動モータ2により駆動される電動圧縮機1である。
【0021】
このように電動の圧縮機1を採用することにより、信号待ち等の停車時に車両エンジンを自動的に停止するエコラン制御を行う際にも、圧縮機1を駆動させて冷房することができる。また、遠隔操作により電動モータ2を起動させて、乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調が可能である。なお、上記遠隔操作を行うにあたり、キーレスエントリーシステムにおいて、ドアロック解除信号を車両外部から車載受信機に無線送信したことに連動して、プレ空調を実行するようにして好適である。
【0022】
また、電動モータ2は、車両走行エンジンにより充電可能なバッテリ3を電源として作動するもので、インバータ装置4により回転速度が制御されるようになっている。よって、インバータ装置4により、圧縮機1の起動、停止が制御されるとともに、圧縮機1の回転速度が制御される。なお、バッテリ3は、下り坂走行時等の車両慣性力をエネルギー源として充電されることも可能になっている。
【0023】
圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱ガス冷媒は凝縮器6に流入し、図示しない冷却ファンより送風される外気と熱交換して冷却され凝縮する。この凝縮器6で凝縮した冷媒は次に受液器7に流入し、受液器7の内部で冷媒の気液が分離され、冷凍サイクルR内の余剰冷媒(液冷媒)が受液器7内に蓄えられる。
【0024】
この受液器7からの液冷媒は減圧手段をなす膨張弁8により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態となる。膨張弁8は冷房用熱交換器をなす蒸発器9の出口冷媒の温度を感知する感温部8aを有する温度式膨張弁である。この膨張弁8からの低圧冷媒は蒸発器9に流入する。この蒸発器9は車両用空調装置の空調ケース10内に設置され、蒸発器9に流入した低圧冷媒は空調ケース10内の空気から吸熱して蒸発する。蒸発器9の出口は圧縮機1の吸入側に結合され、上記したサイクル構成部品によって閉回路を構成している。
【0025】
空調ケース10において、蒸発器9の上流側には送風機11が配置され、送風機11には遠心式送風ファン12と駆動用モータ13が備えられている。送風ファン12の吸入側には内外気切替箱14が配置され、この内外気切替箱14内の内外気切替ドア14aにより外気導入口14bと内気導入口14cを開閉する。これにより、内外気切替箱14内に外気(車室外空気)または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切替ドア14aはサーボモータからなる電気駆動装置14eにより駆動される。
【0026】
空調装置通風系のうち、送風機11下流側に配置される空調ユニット15部は、通常、車室内前部の計器盤内側において車両幅方向の中央位置に配置され、送風機11部は空調ユニット15部に対して助手席側にオフセット配置される。空調ケース10内で、蒸発器9の下流側には後述の蓄冷器40、エアミックスドア19が順次配置されている。このエアミックスドア19の下流側には車両エンジンの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する温水式ヒータコア20が暖房用熱交換器として設置されている。
【0027】
そして、この温水式ヒータコア20の側方(上方部)には、温水式ヒータコア20をバイパスして空気(冷風)を流すバイパス通路21が形成されている。エアミックスドア19は回動可能な板状ドアであり、サーボモータからなる電気駆動装置22により駆動される。
【0028】
エアミックスドア19は、温水式ヒータコア20を通過する温風とバイパス通路21を通過する冷風との風量割合を調節するものであって、この冷温風の風量割合の調節により車室内への吹出空気温度を調節する。従って、本例においてはエアミックスドア19により車室内への吹出空気の温度調節手段が構成される。温水式ヒータコア20の下流側には下側から上方へ延びる温風通路23が形成され、この温風通路23からの温風とバイパス通路21からの冷風が空気混合部24で混合して、所望温度の空気を作り出すことができる。
【0029】
さらに、空調ケース10内で、空気混合部24の下流側に吹出モード切替部が構成されている。すなわち、空調ケース10の上面部にはデフロスタ開口部25が形成され、このデフロスタ開口部25は図示しないデフロスタダクトを介して車両フロントガラス内面に空気を吹き出すものである。デフロスタ開口部25は、回動自在な板状のデフロスタドア26により開閉される。
【0030】
また、空調ケース10の上面部で、デフロスタ開口部25より車両後方側の部位にフェイス開口部27が形成され、このフェイス開口部27は図示しないフェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すものである。フェイス開口部27は回動自在な板状のフェイスドア28により開閉される。
【0031】
また、空調ケース10において、フェイス開口部27の下側部位にフット開口部29が形成され、このフット開口部29は車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すものである。フット開口部29は回動自在な板状のフットドア30により開閉される。上記した吹出モードドア26、28、30は共通のリンク機構(図示せず)に連結され、このリンク機構を介してサーボモータからなる電気駆動装置31により駆動される。
【0032】
蒸発器9の温度センサ32は空調ケース10内で蒸発器9の空気吹出直後の部位に配置され、蒸発器吹出温度Teを検出する。また、蓄冷器40の温度センサ(蓄冷温度検出手段)33は、蓄冷器40の空気吹出直後の部位に配置され、蓄冷器吹出温度Tcを検出する。
【0033】
ここで、蒸発器温度センサ32により検出される蒸発器吹出温度Teは、インバータ装置4における圧縮機回転速度制御に使用され、この回転速度により蒸発器9の冷却能力が調整される。また、蓄冷器温度センサ33により検出される蓄冷器吹出温度Tcは、蓄冷器40の蓄冷熱量の算出に使用される。
【0034】
なお、蓄冷器吹出温度Tcは、エアミックスドア19の開度制御のためにも使用され、蓄冷器吹出温度Tcの値によりエアミックスドア19の開度を補正するようになっている。
【0035】
空調用電子制御装置(エアコンECU)5には、上記の両温度センサ32、33の他に、空調制御のために、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等を検出する周知のセンサ群(室内温度検出手段)35から検出信号が入力される。また、車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネルには乗員により手動操作される操作スイッチ群37が備えられ、この操作スイッチ群37の操作信号もエアコンECU5に入力される。
【0036】
この操作スイッチ群37としては、温度設定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ37a、風量切替信号を発生する風量スイッチ37b、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ37c、内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ37d、圧縮機1の起動停止信号を発生するエアコンスイッチ37e等が設けられている。吹出モードスイッチ37cにより、周知の吹出モードであるフェイスモード、フットモード、バイレベルモード、フットデフモード、デフロスタモードの各モードがマニュアル操作で切り替えられる。
【0037】
また、エアコンECU5は図示しないエンジン用電子制御装置(エンジンECU)38に接続されており、エンジンECU38からエアコンECU5には車両エンジンの回転数信号、車速信号等が入力される。
【0038】
エンジンECU38は周知のごとく車両エンジンの運転状況等を検出するセンサ群(図示せず)からの信号に基づいて車両エンジンへの燃料噴射量、点火時期等を総合的に制御するものである。さらに、本実施形態の対象とするエコラン車においては、車両エンジン4の回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等に基づいて停車状態を判定すると、エンジンECU38は、点火装置の電源遮断、燃料噴射の停止等により車両エンジンを自動的に停止させ、エコラン停車状態となる。
【0039】
また、エコラン停車後(エンジン停止後)、運転者がアクセルペダルを踏み込み、車両の発進操作を行うと、エンジンECU38は車両の発進状態をアクセルペダル信号等に基づいて判定して、車両エンジンを自動的に始動させる。なお、エアコンECU5は、エコラン停車後、蓄冷器40の吹出空気温度tcが冷房上限目標温度TAに上昇すると、エンジン再稼働要求の信号をエンジンECU38に出力する。
【0040】
エアコンECU5およびエンジンECU38はCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。なお、エアコンECU5およびエンジンECU38を1つの制御装置として統合してもよい。
【0041】
エアコンECU5は、エンジン稼働時における通常の空調制御機能、すなわち、圧縮機回転速度制御、風量制御、エアミックスドア制御、内外気吸込制御、吹出モード制御等を果たすものである。さらに、エアコンECU5は、車両エンジンの停止許可、停止禁止の信号やエコラン停車後のエンジン再稼働要求の信号を出力するエンジン制御機能、遠隔操作により乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調制御機能等を果たすものである。
【0042】
次に、蓄冷器40の具体的な構成について説明すると、蓄冷器40は、蒸発器9通過後の冷風の全量、換言すると、空調ケース10内風量の全量が通過する熱交換器構成となっている。
【0043】
蓄冷器40は、2枚の伝熱プレートを接合して密閉空間を有するチューブを形成し、密閉空間内に、例えばパラフィン等の蓄冷材41を封入するようになっており、蓄冷材41が封入されたチューブを多数組積層して構成されている。この多数組のチューブ相互間に所定間隔の空気通路を保持するようになっている。
【0044】
そして、蓄冷器40は、蒸発器9通過後の冷風の全量が、チューブ間の空気通路を通過するようになっている。換言すると、蓄冷器40は、空調ケース10内風量の全量が通過する熱交換器構成となっている。そして、通過した冷風が凝固材41凝固点以下の温度であれば、凝固材41が凝固して蓄冷されることとなる。なお、本実施形態では、凝固点が7〜8℃である凝固材41を採用している。
【0045】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。車両用空調装置においては、電動モータ2により圧縮機1を駆動することにより冷凍サイクルRが運転され、蒸発器9の温度は電動モータ2の回転速度制御により3℃〜5℃付近の温度に維持され、蒸発器9のフロストを防止する。
【0046】
ここで、蒸発器9においては、膨張弁8にて減圧された低温低圧の気液2相冷媒が送風機11の送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気が冷却され、冷風となる。そして、この冷風が次には蓄冷器40の多数組のチューブ相互間に形成される所定間隔の空気通路を通過する。ここで、空気通路を冷風が通過する間に伝熱プレートを介して蓄冷材41が冷却されて、常温時の液相状態から固相状態に凝固し、凝固潜熱の形態で蓄冷を行うことができる。
【0047】
このため、車両走行中に蓄冷材41にて蓄冷しておき、信号待ち等の停車時に車両エンジンを自動的に停止するエコラン制御時には、電動モータ2を停止させて蓄冷材41の放冷作用によって冷房を行うことにより、停車時の消費電力低減を図ることができる。
【0048】
次に、本実施形態における空調制御を図4により具体的に説明する。図4の制御ルーチンはエアコンECU5により実行されるものであり、上述したプレ空調を起動させるための遠隔操作、或いは、空調制御パネル36のエアコンスイッチ37eの操作によりスタートし、先ず、ステップS1にて空調制御パネル36の操作スイッチ群37の操作信号、センサ群35の検出信号、エンジンECU38からエンジン運転状態の信号、車両走行状態の信号等を読み込む。
【0049】
次に、ステップS2にて、上記遠隔操作によりプレ空調を作動させる旨の操作がなされていると判定された場合には、はじめに、圧縮機1を停止させたまま駆動用モータ13を起動させて送風機11を運転させる(送風モードによるプレ空調)。これにより、車室内の高温空気を車外に出して換気することができる。従って、送風モード時には、外気導入モードとすることで換気を促進させることが好ましい。
【0050】
一方、ステップS2にてプレ空調を作動させる旨の操作がなされていないと判定され、エアコンスイッチ37eが投入状態にあり、かつ、車両エンジンが作動している状態であれば、ステップS3において、通常モードによる空調機器の制御を行う。すなわち、圧縮機回転速度制御、風量制御、エアミックスドア制御、内外気吸込制御、吹出モード制御等を公知の制御手法によって行う。
【0051】
なお、通常モードによる車両走行時において、信号待ち等により停車して車両エンジンを自動停止したエコラン停車の状態になった場合には、圧縮機1を停止させて蓄冷器40による放冷を行うエコラン放冷モードとなる。
【0052】
次に、ステップS4において、送風モードを終了させるか否かを判定する。本実施形態では、送風モードを開始してから所定時間が経過した時点で送風モードを終了させるようにしているが、本発明の実施にあたり、ステップS4において、車室内温度Trが所定温度よりも低くなった時点で送風モードを終了させるようにしてもよい。
【0053】
ステップS4にて、送風モードを継続すると判定された場合には、ステップS5にて送風モードを継続し、送風モードを終了させると判定された場合には、以下に説明するエアコンモードによるプレ空調を実行させ(ステップS6)、その後、放冷モードによるプレ空調を実行させ(ステップS8)、その後、プレ空調を終了させる(ステップS10)。
【0054】
エアコンモードとは、送風機11を作動させるとともに、電動モータ2を作動させて蒸発器9で送風空気を冷却して冷房するモードであり、放冷モードとは、電動モータ2を停止させて送風機11を作動させて、蓄冷材41で送風空気を冷却して冷房するモードである。
【0055】
なお、エアコンモード運転中において、ステップS7にて車室内温度Trが所定の目標温度(プレ空調目標温度)に達したと判定された場合には、エアコンモードを終了させて放冷モードに切り替わる。なお、プレ空調目標温度は、例えば、温度設定信号Tsetによる設定温度よりも僅かに高い温度(例えば1℃)に設定して好適である。
【0056】
そして、放冷モード運転中において、ステップS9にて蓄冷器吹出温度Tcが所定温度Tc1より高くなったと判定された場合には、放冷モードを終了させて、上述の、送風モード、エアコンモード、放冷モードからなるプレ空調を終了する(ステップS10)。なお、所定温度Tc1は、蓄冷材41の凝固温度より僅かに高い温度に設定して好適である。
【0057】
図3は、上記プレ空調による車室内温度Trの変化および蒸発器吹出温度Teの変化を示すグラフであり、プレ空調を開始させた時点からT1が経過するまでの間は送風モードを実行させて、車室内温度Trを低下させている。T1となった時点からT2が経過する第1時点までは、エアコンモードを実行させて、車室内温度Trを低下させている。
【0058】
エアコンモード実行時には、圧縮機1の起動にともなって蒸発器吹出温度Teが低下する。このとき、蒸発器9を通過した冷風により蓄冷材41が凝固して蓄冷される。従って、蒸発器吹出温度Teは、全ての蓄冷材41が完全に凝固するまでの間は凝固点温度(7〜8℃)で一定となり、蓄冷が完了すると再び低下することとなる。
【0059】
その後、ステップS7において、車室内温度Trがプレ空調目標温度に達したと判定された時点を第1時点として、エアコンモードから放冷モードに切り替える。
【0060】
放冷モードでは圧縮機1を停止させるため蒸発器吹出温度Teが上昇する。しかしながら、エアコンモード時に蓄冷器40は蓄冷することとなるので、放冷モードに切り替えて暫くの間は、車室内温度Trがさらに低下し続ける。
【0061】
そして、ステップS9において、蓄冷器吹出温度Tcが、凝固温度より僅かに高く設定された所定温度Tc1より高くなったと判定された場合には、蓄冷器40が放冷しきったとみなし、当該判定の第2時点において、放冷モードを終了させ、プレ空調が終了する。
【0062】
以上により、本実施形態によれば、エアコンモードによるプレ空調時に、蒸発器9を通過した冷風が蓄冷材41に当たり、蓄冷されることとなるレイアウトの空調装置において、車室内温度Trがプレ空調目標温度に達した第1時点で、プレ空調を終了させることなく、放冷モードによるプレ空調を実行させるので、エアコンモードによるプレ空調時における蓄冷に費やされた消費電力が無駄となってしまうことを回避できる。よって、プレ空調時の消費電力低減を図ることができる。
【0063】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、エアコンモードによるプレ空調時に、蒸発器吹出温度Teが蓄冷材41の凝固点以下となるように制御されることとなっていたが、本実施形態では、蒸発器吹出温度Teが蓄冷材41の凝固点よりも高い温度となるように圧縮機1の回転速度を制御して、エアコンモードを実行させている。
【0064】
従って、エアコンモードによるプレ空調時に、蓄冷材41には蓄冷されないようにできる。よって、放冷モードによるプレ空調を必要とせず、プレ空調時に蓄冷によって電力が消費されてしまうことを回避できる。よって、プレ空調時の消費電力低減を図ることができる。
【0065】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、放冷モードが終了した第2時点でプレ空調を終了させているが、本発明の実施にあたり、第2時点の後、車室内温度Trが所定温度以上になったら、エアコンモードによるプレ空調を再開し、その後、車室内温度Trがプレ空調目標温度に達したと判定された場合に、放冷モードを実行し、エアコンモードおよび放冷モードを繰り返し実行した後にプレ空調を終了させるようにしてもよい。
【0066】
また、上記第1実施形態のステップS7において、車室内温度Trがプレ空調目標温度に達したか否かを判定するにあたり、エアコンモードが開始されてから所定時間が経過した時点で、車室内温度Trがプレ空調目標温度に達したとみなし、上記判定を行うようにしてもよい。
【0067】
なお、予め設定された所定時間でプレ空調を終了させるように制御する場合には、プレ空調終了の所定時間前(例えば10分前)に送風モードからエアコンモードに切り替え、プレ空調終了の所定時間前(例えば1分前)にエアコンモードから放冷モードに切り替えるようにしてもよい。
【0068】
上記各実施形態では、圧縮機1の動力をバッテリ3による電動モータ2のみとした構成の車両用空調装置に本発明を適用させているが、本発明は、圧縮機1の動力をバッテリ3とエンジンとを切替可能にした空調装置にも適用できる。
【0069】
具体的には、圧縮機1とエンジンとの間にプーリおよびベルト等からなる動力伝達手段を設け、動力伝達経路中に、動力の伝達、遮断を切り替える電磁クラッチを設け、電動モータ2を動力とする場合には電磁クラッチにて動力伝達を遮断し、エンジンを動力とする場合には電磁クラッチを接続するようにすればよい。なお、上記電磁クラッチに電動モータ2を内蔵させた構造のものであってもよい。
【0070】
また、上記各実施形態では、プレ空調を起動させる遠隔操作に、キーレスエントリーシステムを採用しているが、本発明の実施にあたり、例えば、携帯電話により遠隔操作を行うようにしてもよいし、専用の無線送信機、免許証等のIDカード、パソコン等により遠隔操作を行うようにしてもよい。また、タイマーなどにより、決まった時間にプレ空調を起動させて、乗車時の快適性向上を図るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用空調装置の、全体システム図である。
【図2】第1実施形態による空調制御のフローチャートである。
【図3】図2の空調制御による、車室内温度Trおよび蒸発器吹出温度Teの、変化の推移を説明する図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…電動モータ、3…バッテリ、9…蒸発器、41…蓄冷材、
R…冷凍サイクル。

Claims (6)

  1. 少なくとも車両走行エンジンにより充電可能なバッテリ(3)を電源として作動する電動モータ(2)と、
    前記電動モータ(2)により駆動される圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)を有する冷凍サイクル(R)に設けられ、車室内へ送風される送風空気を冷却する蒸発器(9)と、
    前記蒸発器(9)を通過した冷風が当たるように配置され、前記冷風により冷却されて凝固する蓄冷材(41)とを備え、
    停車時に前記エンジンを停止させるエコラン制御時に、車両走行中に蓄冷された蓄冷材(41)により前記送風空気を冷却可能にした車両用空調装置において、
    遠隔操作により乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調が実行可能になっており、
    前記プレ空調開始後において、車室内温度が所定の目標温度に達したと判定される第1時点までは、前記電動モータ(2)を作動させて前記蒸発器(9)で前記送風空気を冷却するエアコンモードによるプレ空調を実行し、
    前記第1時点からは、前記電動モータ(2)を停止させて前記蓄冷材(41)で前記送風空気を冷却する放冷モードによるプレ空調を実行させることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記蓄冷材(41)の蓄冷量が所定量以下であるか否かを判定する判定手段(S9)を備え、
    前記第1時点経過後に、前記判定手段(S9)により所定量以下であると判定された第2時点で、前記放冷モードによるプレ空調を終了させることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記蓄冷材(41)の空気流れ下流に蓄冷温度検出手段(33)を備え、
    前記判定手段(S9)は、前記蓄冷温度検出手段(33)により検出された温度に基づいて、前記蓄冷量の判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 車室内の温度を検出する室内温度検出手段(35)を備え、
    前記車室内温度が所定の目標温度に達したか否かを、前記室内温度検出手段(35)により検出された温度に基づいて判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記エアコンモードによるプレ空調を開始させた時点から所定時間が経過したときに、前記車室内温度が所定の目標温度に達したと判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 少なくとも車両走行エンジンにより充電可能なバッテリ(3)を電源として作動する電動モータ(2)と、
    前記電動モータ(2)により駆動される圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)を有する冷凍サイクル(R)に設けられ、車室内へ送風される送風空気を冷却する蒸発器(9)と、
    前記蒸発器(9)を通過した冷風が当たるように配置され、前記冷風により冷却されて凝固する蓄冷材(41)とを備え、
    停車時に前記エンジンを停止させるエコラン制御時に、車両走行中に蓄冷された蓄冷材(41)により前記送風空気を冷却可能にした車両用空調装置において、
    遠隔操作により前記電動モータ(2)を作動させて、前記蒸発器(9)で前記送風空気を冷却し、乗員乗車前に車室内を冷房するプレ空調が実行可能になっており、
    前記蒸発器(9)により冷却された冷風の温度が、前記蓄冷材(41)の凝固点よりも高い温度となるように、前記プレ空調を実行させることを特徴とする車両用空調装置。
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