JP5835036B2 - 車両用空調システム - Google Patents

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本発明は、圧縮機を用いて蒸発器に冷媒を送り車室内を空調すると共に、バッテリを冷却する車両空調システムに関するものである。
従来、特許文献1に記載のバッテリ温度制御装置が知られている。この特許文献1は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両に搭載されたバッテリの温度を制御するものであり、バッテリの加温に要する電力量を低減するために、バッテリ用冷媒流路に強電系部品であるDC/DCコンバータと充電器とが配置されている。そして、DC/DCコンバータと充電器とからの排熱を利用してバッテリに供給される冷媒を加熱している。またバッテリを迂回して冷媒を循環させるバイパス流路を有する。これにより、バッテリの加温に要する電力量を削減することができる。また、温度制御範囲が異なるバッテリとDC/DCコンバータおよび充電器を個別に温度制御することができる。
特開2010−272289号公報
上記特許文献1の技術によると、バッテリ冷却に空調用の冷媒を用いている。しかし、質量ないし熱容量の大きいバッテリの冷却を、空調用の冷媒を用いて行うときに、同じ冷媒で蒸発器の冷却を同時に行うと、蒸発器の温度が上昇し、蒸発器を経由して車室内に吹出す空調風の吹出温度が上昇するため、乗員が不快に感じる可能性がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、空調用の冷媒を用いて車室内の冷却とバッテリの冷却とを同時に行っても、吹出温度の上昇による乗員の不快感を抑制できる車両空調システムを提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車室内に吹出す空調風が冷媒により冷却される空調装置(2、8、21)と、冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(102、103、104)とを有する車両用空調システム(100)において、冷媒を用いて空調風を冷却するときの空調負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S1303、S1306、S1307、S1308)と、判定手段(S1303〜S1308)が、空調負荷が高いと判定した場合は、空調負荷が低いと判定した場合に比べて、冷媒を用いてバッテリを冷却する度合いであるバッテリ冷却度合いを少なくする冷却度合い減少手段(S1302)と、を備え、更に、冷却度合い減少手段(S1302)によりバッテリ冷却度合いを少なくする時間を制限し、冷却度合い減少手段(S1302)による制御を中止する時間制限手段(S1309)を備え、空調装置は、冷媒を圧縮する圧縮機(2)と、冷媒が蒸発することにより空調風を冷却する蒸発器(8)と、空調風を流す送風機(21)とを有し、バッテリ冷却装置は、冷媒によりバッテリ冷却水が冷却されるバッテリ用熱交換器(102)と、バッテリ用熱交換器(102)に流れ込む冷媒の流量を制御するバッテリ用電磁弁(104)と、バッテリ用熱交換器(102)とバッテリ(101)との間にバッテリ冷却水を流すバッテリ冷却水ポンプ(103)とを有し、冷却度合い減少手段(S1302)は、バッテリ用電磁弁(104)を閉じて冷媒の流れを遮断し、時間制限手段(S1309)は、バッテリ(101)の温度が所定バッテリ温度を超える状態が所定時間続いたときに、バッテリ用電磁弁(104)を開状態とし、かつバッテリ冷却水ポンプ(103)により、空調負荷が低いと判定した場合よりも流量を制限してバッテリ冷却水を流すことを特徴としている。
この発明においては、空調用の冷媒を用いて車室内の冷却とバッテリの冷却とを同時に行っても、空調負荷が高いときは、空調負荷が低いときに比べて、冷媒を用いてバッテリを冷却する度合いであるバッテリ冷却度合いを少なくしているから、バッテリ冷却度合いを少なくした分だけ空調性能を向上させることができる。つまり、バッテリ冷却に優先して車室内の空調を行うことができる。そのため、クールダウン性能を確保し乗員の空調快適性を向上することができる。従って、空調風の吹出温度の上昇による乗員の不快感を抑制できる車両用空調システムを提供することができる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態における車両用空調システムのCOOLサイクル時の冷媒の流れを説明する模式図である。 上記実施形態におけるHOTサイクル時の冷媒の流れを説明する模式図である。 上記実施形態におけるDRY EVAサイクル時の冷媒の流れを説明する模式図である。 上記実施形態におけるDRY ALLサイクル時の冷媒の流れを説明する模式図である。 上記実施形態における各サイクルを切替える電磁弁および三方弁の動作状態を示す図表である。 上記実施形態におけるエアコンECUへの電磁弁等の接続を示すブロック構成図である。 上記実施形態におけるエアコンECUによる基本的な制御処理を示したフローチャートである。 図7のサイクル・PTC選択処理を示すフローチャートである。 図7のブロワ電圧決定処理を示すフローチャートである。 図7の圧縮機回転数等決定処理を示すフローチャートである。 図10に示す圧縮機回転数変化量決定処理の詳細を示す一部フローチャートである。 上記実施形態に用いる目標蒸発器温度と目標吹出温度との関係を示す特性図である。 上記実施形態におけるバッテリ冷却水ポンプおよびバッテリ用電磁弁の制御を示すフローチャートである。 本発明のその他の実施形態において蒸発器用電磁弁を省略した場合のCOOLサイクル時の冷媒の流れを説明する模式図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図13を用いて詳細に説明する。第1実施形態は、蒸気圧縮式冷凍機をハイブリッド車両用の空調装置とバッテリ冷却装置からなる車両用空調システムに適用したものである。
ハイブリッド車両は、ガソリン等の液体燃料を爆発燃焼させて動力を発生させる走行用内燃機関をなすエンジン30(図1)、走行補助用電動機機能および発電機機能を備える図示しない走行補助用の電動発電機、エンジン30への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジン用電子制御装置(以下、エンジンECU60(図6)ともいう)、電動発電機やエンジンECU60等に電力を供給するバッテリ(車載用蓄電装置)101、および電動発電機の制御および無断変速機等の制御を行うと共にエンジンECU60に制御信号を出力するハイブリッド電子制御装置(以下、ハイブリッドECU70(図6)ともいう)を備えている。
従って、ハイブリッド車両は、走行するための駆動源としてエンジン30と電動発電機とを有する。ハイブリッドECU70は、電動発電機およびエンジン30のいずれの駆動力を駆動輪に伝達するかの駆動切替えを制御する機能、およびバッテリ101の充放電を制御する機能を備えている。
またバッテリ101は、車載用蓄電装置であって、車室内空調、走行等によって消費した電力を充電するための充電装置を備えており、例えばニッケル水素蓄電池、リチウムイオン電池等が用いられる。この充電装置は、電力供給源としての電気スタンドや商業用電源(家庭用電源)に接続されるコンセントを備えており、このコンセントに電源供給源を接続することにより、バッテリの充電を行うこともできる。
車両用空調システム100は、乗員の乗車前に行われる車室内空調運転(以下、乗車前空調運転またはプレ空調運転という)が実施可能な空調システムである。車両のユーザーが、乗車前空調運転を行いたいときに携帯する携帯機52(図6)を操作すると、制御装置をなすエアコンECU50は、携帯機52から送信される乗車前空調運転の命令信号を受信し、所定のプログラムによる演算を行って乗車前空調運転を実行する。
ユーザーは、車両に乗車しようとする前に、車室内の空調環境を快適にしておくため、携帯機52を操作して、車両の空調システムに対して乗車前空調運転の指令を送信する。この乗車前空調運転は、原則として、車両のイグニッションスイッチがOFF状態であること、あるいはエアコンECU50に対して乗員が乗車している信号が送信されていないことが許容条件となる。
図1から図4に示す各サイクルにおいて、各電磁弁11〜14および三方弁4の動作状態を図5の図表に示している。また、図1から図4において、各サイクルにおける冷媒が流れる経路は太字実線で示し、冷媒が流れない経路は破線で示している。図1において、車両用空調システム100は、アキュムレータ式冷凍サイクルであるヒートポンプサイクル1を用いた装置であり、車室内に送風空気を導く空調ケース20、この空調ケース20内に空気を導入して車室内へ送る室内用ブロワ21(空調用送風機、または単に送風機ともいう)、および図6のように、エンジンECU60に接続されたエアコン電子制御装置(以下、エアコンECU50ともいう)を備える。
送風機21は、ブロワケース(図示せず)、ファン、およびブロワモータよりなり、このブロワモータへの印加電圧に応じて、ブロワモータの回転速度が決定される。ブロワモータへの印加電圧は、上記エアコンECU50からの制御信号に基づいている。この結果、送風量がエアコンECU50により制御される。
送風機21のブロワケースの一方側には、空気を取り入れる空気取入口として、車室内空気(内気)を導入する内気導入口(図示せず)と、車室外空気(外気)を導入する外気導入口(図示せず)とが形成されるとともに、内気導入口と外気導入口との開口割合を調節する内外気切替手段を成す内外気切替ドア25(図6)が設けられている。
送風機21よりも送風空気の下流側における空調ケース20内の通風路には、上流側から下流側に進むにしたがい、順に、図1の蒸発器8(冷却用熱交換器)、エアミックスドア22、ヒータコア23、凝縮器3(加熱用熱交換器)、およびPTCヒータ24(電気式補助熱源)が配置されている。
空調ケース20の他方側の下流端(図1の上方)は、車両のフロントウィンドウ(窓ガラス)の内表面に向かって送風空気を吐出するデフロスタ吹出口(図示せず)、乗員の上半身に向かって送風空気を吐出するフェイス吹出口(図示せず)、および乗員足元に向かって送風空気を吐出するフット吹出口(図示せず)に接続されている。
蒸発器8は、送風機21直後の通路(通風路)全体を横断するように配置されており、送風機21から吹き出された空気全部が通過するようになっている。蒸発器8は、COOLサイクル運転時や除湿サイクル運転時において、内部を流れる冷媒の吸熱作用によって、送風空気を除湿したり冷却したりする冷却用熱交換器として機能する。
ヒータコア23は、少なくともその伝熱部分が空調ケース20内の温風側通路のみに位置するように蒸発器8よりも送風空気の下流側に配置されている。ヒータコア23は、HOTサイクル運転時において、内部を流れるエンジン30の冷却水の熱(水温)を利用して、周囲の空気を加熱する加熱用熱交換器として機能する。
凝縮器3は、少なくともその伝熱部分が、空調ケース20内の温風側通路のみに位置し、ヒータコア23よりもさらに送風空気の下流側に配置されている。凝縮器3は、HOT(暖房)サイクル運転時、除湿サイクル運転時およびCOOLサイクル運転時において、内部を流れる冷媒の放熱作用によって、温風側通路を流れる送風空気を加熱する熱交換器として機能する。
PTC(positive temperature coefficient)ヒータ24は、少なくともその伝熱部分が温風側通路のみに位置し、凝縮器3よりもさらに送風空気の下流側に配置されている。PTCヒータ24は、HOTサイクル運転(ヒートポンプ運転)時やCOOLサイクル運転(クーラ運転)時において、温風側通路を流れる送風空気を加熱する補助的な加熱手段である。PTCヒータ24は、複数本の通電発熱素子部を備え、スイッチまたはリレーにて任意の本数の通電発熱素子部が通電されることによって発熱し、周囲の空気を暖める。
この通電発熱素子部は、耐熱性を有する樹脂材料(例えば、66ナイロンやポリブタジエンテレフタレート等)で成形された樹脂枠の中に、PTC素子を嵌め込むことにより構成したものである。また、PTCヒータ24は、さらに通電発熱素子部からの発熱を伝達する熱交換フィン部を有してもよい。この熱交換フィン部は、アルミニウムの薄板を波形状に成形したコルゲートフィンと、このコルゲートフィンを一定の形状に保つとともにPTC素子や電極板との接触面積を確保するアルミニウムプレートとを有している。コルゲートフィンとアルミニウムプレートとは、ろう付により接合されている。
蒸発器8よりも下流側であってヒータコア23や凝縮器3よりも上流側の通風路には、蒸発器8を通過した空気を、凝縮器3を通る空気と凝縮器3を迂回する空気とに分けたり、切り替えたりして、これらの空気の風量比を調整できるエアミックスドア22が設けられている。
エアミックスドア22は、アクチュエータ等によりそのドア本体位置を変化させることで、空調ケース20内の二分された通路である温風側通路および冷風側通路のそれぞれの一部または全部を塞ぐことができる。そして、エアミックスドア22による温風側通路の開度は、温風側通路の横断方向の開口が開放される割合のことであり、0から100%の範囲で調整可能である。また、エアミックスドア22による冷風側通路の開度は、冷風側通路の横断方向の開口が開放される割合のことであり、0から100%の範囲で調整可能である。
ヒートポンプは、電動圧縮機(単に圧縮機とも言う)2、凝縮器3、三方弁4、室外熱交換器5、第1膨張弁10、第2膨張弁7、蒸発器8、アキュムレータ9、および各電磁弁11〜14を備える。このヒートポンプは、冷凍サイクル内を流れる冷媒(例えば、R134a、CO2等)の状態変化を利用することにより、冷房用の蒸発器8と暖房用の凝縮器3とによって冷房、暖房および除湿を行うことができる。また、蒸発器8と凝縮器3とは、室外熱交換器5に対して、室内熱交換器を構成する。
COOLサイクル運転時の冷媒は、図1の太字実線の経路を白抜き矢印の向きに流れる。このCOOLサイクルは、除湿能力が大きい。図1に示すように、冷媒を吸入して吐出する電動圧縮機2と、電動圧縮機2から吐出された冷媒が流入する凝縮器3と、COOLサイクル運転時に凝縮器3から流入する冷媒が空気と熱交換して放熱する室外熱交換器5と、凝縮器3を流出した冷媒を室外熱交換器5に向かわせる三方弁4と、室外熱交換器5から蒸発器8への冷媒流れを制御するように設けられた電磁弁11と、電磁弁11によって開放された流路を通ってきた冷媒を制御するために開閉される蒸発器用電磁弁107と、冷媒を減圧する第2膨張弁7とをCOOLサイクルが備える。
更に、COOLサイクルは、第2膨張弁7で減圧された冷媒が蒸発して送風空気を冷却する蒸発器8と、冷媒を気液分離するアキュムレータ9とを備え、これらを配管により環状に接続することにより形成されている。COOLサイクル運転経路は、電動圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→室外熱交換器5→電磁弁11→蒸発器用電磁弁107→第2膨張弁7→蒸発器8→アキュムレータ9→電動圧縮機2となる。
このようにCOOLサイクル運転経路は、三方弁4を室外熱交換器5側の流路と連通するように切り替えることによって、COOLサイクル運転時に、凝縮器3で送風空気と熱交換して冷却された冷媒が、第1膨張弁10を通らないで室外熱交換器5に流入し、更に電磁弁11によって開放された流路を通り、第2膨張弁7で減圧された後、蒸発器8に流入し、アキュムレータ9を経由して電動圧縮機2に吸入される。
COOLサイクル運転では、凝縮器として機能する室外熱交換器5から、熱が室外に放出され、蒸発器8から熱が吸収される。このとき、凝縮器3も発熱しているが、エアミックスドア22の位置制御で、車室内空気との熱交換量を少なくすることができる。また、電磁弁11と第2膨張弁7との間の通路には、逆流防止用の逆止弁15が設けられている。
バッテリ用熱交換器102によって冷却されるバッテリ冷却水(ブライン)によってバッテリ101が冷却される。バッテリ冷却水は、バッテリ冷却水ポンプ103によってバッテリ101とチラーとして機能するバッテリ用熱交換器102とを循環する。バッテリ用熱交換器102への冷媒の流入は、バッテリ用電磁弁104によって制御される。
バッテリ101の温度は、バッテリ101内を流れるバッテリ冷却水の温度を検出するセンサ信号で判定する。バッテリ101が所定温度(40℃)以上であり高温と判定された場合は、制御装置をなす図示しないバッテリECU、またはエアコン制御装置50が、バッテリ用電磁弁104を開きバッテリ冷却水ポンプ103を回転させて、バッテリ冷却中の状態とする。
このようにバッテリ101を冷却するバッテリ用熱交換器102は、蒸発器8とは並列に接続された冷媒回路に設けられている。よって、バッテリ冷却中は、冷媒流量が、バッテリ側に取られるために、蒸発器8による空調風の冷却作用が低下し、空調風の温度が上昇する。
次に、ヒートポンプのHOTサイクル運転時の冷媒は、図2の太字実線の経路を黒塗り矢印の向きに流れる。HOTサイクルは、暖房性能が大であり、除湿能力無しの運転である。図2に示すように、電動圧縮機2と、HOTサイクル運転時に電動圧縮機2から吐出された冷媒と空気とを熱交換させて空気を加熱する凝縮器3と、凝縮器3から流入した冷媒を減圧する減圧装置としての第1膨張弁10と、第1膨張弁10から室外熱交換器5への冷媒流れを制御するように設けられた電磁弁14と、第1膨張弁10で減圧された冷媒を蒸発させる室外熱交換器5と、室外熱交換器5から電動圧縮機2への冷媒流れを制御するように設けられた電磁弁12と、アキュムレータ9とを配管により環状に接続することにより、HOTサイクルが形成されている。
HOTサイクル運転経路は、電動圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→第1膨張弁10→電磁弁14→室外熱交換器5→電磁弁12→アキュムレータ9→電動圧縮機2となる。また、電磁弁12とアキュムレータ9との間の通路には、逆流防止用の逆止弁16が設けられている。
なお、室外空気が極めて低いときは、HOTサイクルによる暖房は効率が悪いので、COOLサイクルにてエンジン30を稼動させ、エンジン冷却水(温水)の温度を上げて、ヒータコア23の熱で車室内が暖房される。また、図2のホットサイクルによる暖房時は、バッテリ用電磁弁104が閉じており、バッテリ冷却水ポンプ103が回転していない。
次に、第1の除湿(DRY EVA)サイクル運転時の冷媒は、図3の太字実線の経路を斜線太矢印の向きに流れる。ヒートポンプの第1の除湿サイクルは、暖房性能が小、除湿能力が中レベルの運転であり、例えば、操作パネル51(図6)の操作等により、暖房能力が小レベルで車室内の除湿を行うときに選択操作されて実行される。
第1の除湿サイクルは、図3に示すように、電動圧縮機2、凝縮器3、第1膨張弁10、第1膨張弁10から蒸発器8への冷媒流れを制御するように設けられた電磁弁13、第1膨張弁10で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器8、およびアキュムレータ9を、配管により環状に接続することにより形成されている。
第1の除湿サイクル運転経路は、電動圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→第1膨張弁10→電磁弁13→蒸発器用電磁弁(常開型)107→第2膨張弁7→蒸発器8→アキュムレータ9→電動圧縮機2となる。この第1の除湿サイクル運転経路は、第1膨張弁10で減圧された冷媒が、室外熱交換器5に流入しないで蒸発器8に流入して送風空気を冷却した後、アキュムレータ9を経由して電動圧縮機2に吸入される経路である。
次に、第2の除湿(DRY ALL)サイクル運転時の冷媒は、図4の太字実線の経路を斜線太矢印の向きに流れる。ヒートポンプの第2の除湿サイクルは、暖房性能が中レベル、除湿能力が小レベルの運転であり、例えば、操作パネル51の操作等により、暖房能力が中レベルで車室内の除湿を行うときに選択されて実行される。
第2の除湿サイクルは、図4に示すように、第1の除湿サイクル運転経路に加え、第1膨張弁10と電磁弁13との間で分岐した冷媒経路を有する。この分岐した冷媒経路は、第1膨張弁10と電磁弁13との間の通路から電磁弁14、室外熱交換器5および電磁弁12を通り、蒸発器8とアキュムレータ9との間の通路に合流するようになっている。
これにより、第2の除湿サイクル運転経路は、電動圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→第1膨張弁10→電磁弁13→蒸発器用電磁弁(常開型)107→第2膨張弁7→蒸発器8→アキュムレータ9→電動圧縮機2の経路と、第1膨張弁10→室外熱交換器5→電磁弁12→アキュムレータ9の経路とで構成される。
この第2の除湿サイクル運転経路は、第1膨張弁10で減圧された冷媒が、室外熱交換器5に流入しないで蒸発器8に流入して送風空気を冷却した後、アキュムレータ9を経由して電動圧縮機2に吸入される経路と、室外熱交換器5に流入して空気から吸熱した後、アキュムレータ9を経由して電動圧縮機2に吸入される経路とを有している。
電動圧縮機2は、内蔵された電動機2aにより駆動され、回転数制御が可能であり、回転数に応じて冷媒吐出流量が可変される。電動圧縮機2は、インバータ90(図6)により周波数が調整された交流電圧が印加されて、その電動機2aの回転速度が制御される。インバータ90は、車載のバッテリ101から直流電源の供給を受け、エアコンECU50により制御される。
室外熱交換器5は、エンジンコンパートメント等の車室外に配置されて、外気と冷媒との熱交換を行うもので、室外ファン6から強制的に送風を受けてHOTサイクル運転時には蒸発器として機能し、COOLサイクル運転時には凝縮器として機能する。第1膨張弁10は、固定絞り等の固定式膨張弁(例えばキャピラリチューブ)、定圧式膨張弁、機械式膨張弁等で構成される。第1膨張弁10は、HOTサイクル運転時に室外熱交換器5へ供給される冷媒を減圧膨脹させる。
第2膨張弁7は、感温筒を備え、蒸発器8出口における冷媒の蒸発状態が適度な過熱度を保つように出口冷媒温度をフィードバックし、適切な弁開度によって冷媒流量を制御する温度作動方式を採用している。
HOTサイクルおよび各除湿サイクルでは、第2膨張弁7で減圧された低圧冷媒が蒸発器8で吸熱されて蒸発し、蒸発器8を通過した冷媒がアキュムレータ9に流入され、アキュムレータ9で蒸発器8の出口冷媒の気液が分離され、アキュムレータ9内のガス冷媒を電動圧縮機2に吸入させる。
蒸発器(エバポレータ)8は、送風空気を冷却する冷却用熱交換器であり、COOLサイクル運転時に、空調風を冷却する部材として機能する。この蒸発器8は、第2膨張弁7で減圧膨脹された低温低圧の冷媒と空気との熱交換を行うことにより、コア部を通過する空気を冷却する。
凝縮器3は、送風空気を加熱する加熱用熱交換器であり、空調ケース20内で蒸発器8の下流(風下)に配設されて、電動圧縮機2で圧縮された高温高圧の冷媒と空気との熱交換を行うことにより、コア部を通過する空気を加熱する。エンジン冷却水用のウォータポンプ31は、エンジン冷却水が循環する回路に設けられ、エンジン冷却水から成る温水をヒータコア23に供給する。このヒータコア23は、凝縮器3と共に送風空気を加熱する加熱器として機能する。
エアミックスドア22は、蒸発器8からの冷風と凝縮器3等(加熱器)からの暖風との混合割合を制御する。アキュムレータ9は、冷凍サイクル内の過剰冷媒を一時蓄えると共に、気相冷媒のみを送り出して、電動圧縮機2に液冷媒が吸い込まれるのを防止する。三方弁4、常開型の電磁弁11、常閉型の電磁弁12、常閉型の電磁弁13、および常開型の電磁弁14は、流路切替手段であり、これら電磁弁の上記各サイクルにおける動作状態は図5に示すとおりである。
冷媒圧力センサ40は、ヒートポンプの高圧側の流路に設けられ、凝縮器3よりも上流の冷媒の高圧圧力、すなわち電動圧縮機2の吐出圧力Pre(図6)を検出する。また、冷媒吸入温度センサ41は、室外熱交換器5の冷媒流れの下流側に設けられ、冷媒吸入温度を検出する。
図6のエアコンECU50は、車室内の空調運転を制御する制御手段であり、マイクロコンピュータと、車室内前面に設けられた操作パネル51上の各種スイッチからの信号、および冷媒圧力センサ40、冷媒吸入温度センサ41、内気センサ42、外気センサ(外気温検出手段)43、日射センサ44、入口温度センサ45等からセンサ信号が入力される入力回路と、各種アクチュエータに出力信号を送る出力回路とを備えている。
マイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、操作パネル51等から送信された運転命令に基づいた演算に使用される各種プログラムを保有している。
また、エアコンECU50は、上記の各サイクル運転時に、エアコン環境情報、エアコン運転条件情報および車両環境情報を受信して、これらの情報を演算し、電動圧縮機2の設定容量を算出する。そして、エアコンECU50は、演算結果に基づいて、インバータ90に対して制御信号を出力し、インバータ90によって電動圧縮機2の出力電力量が制御される。
このように、乗員による操作パネル51または携帯機52の操作によって、車両用空調システムの運転・停止等の操作信号および設定温度等がエアコンECU50に入力されて、更に各種センサの検出信号が入力されると、エアコンECU50は、エンジンECU60、ハイブリッドECU70、ナビゲーションECU80等と通信し、各種の演算結果に基づいて、電動圧縮機2、室内用ブロワ(空調用送風機または単に送風機とも言う)21、室外ファン6、PTCヒータ24、三方弁4、電磁弁11〜14、内外気切替ドア25、吹出口切替ドア26等の各機器の運転を制御する。ナビゲーションECU80は、たとえば自車の位置情報等をエアコンECU50に送信する。
図7において、イグニッションスイッチが投入されて、エアコンECU50に電源が供給されると、図7の制御がスタートする。以降の各ステップに係る処理は、エアコンECU50によって実行されるものである。
(プレ空調判定)
エアコンECU50は、上記の各種センサからの信号、操作パネル51に設けられた各種操作部材からの信号、または遠隔操作可能な操作手段である携帯機52からの信号等に基づいて、車室内を空調するように構成されている。車両が継続的に停止して、乗員が搭乗していないときには、エアコンECU50は、上記携帯機52からのプレ空調要求の有無、または予め設定されたプレ空調運転指令を監視している。
図7のステップS1では、携帯機52からプレ空調要求があった場合、または予め送信入力された空調要求時刻に基づいてプレ空調を開始するタイミングとなった場合には、車両が停止状態であるか否かを判断するとともに、電源電力がプレ空調作動時の要求電力に対し大きいか否か判断する。車両が停止状態であり、電源電力がプレ空調要求電力より大きいことを確認したら、プレ空調の実施を許可するためにプレ空調フラグを立てる。
次に、ステップS2で、図6のエアコンECU50内のRAM等に記憶されている各パラメータ等を初期化(イニシャライズ)する。次に、ステップS3で、操作パネル51等からのスイッチ信号等を読み込む。次に、ステップS4で上記の各種センサからの信号を読み込む。
(TAO算出・目標蒸発器温度演算)
次に、ステップS5で、ROMに記憶された下記の数式1を用いて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する。
(数式1)TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
ここで、Tsetは、温度設定スイッチにて設定された設定温度、Trは内気センサ42にて検出された内気温度、Tamは外気センサ43にて検出された外気温度、Tsは日射センサ44にて検出された日射量である。また、Kset、Kr、KamおよびKsは各ゲインであり、Cは全体にかかる補正用の定数である。
そして、このTAOおよび上記各種センサからの信号により、エアミックスドア22のアクチュエータの制御値およびウォータポンプ31の回転数の制御値等を算出する。また、このステップS5では、目標吹出温度TAOに応じて、目標蒸発器温度TEOを、目標吹出温度TAOと目標蒸発器温度TEOとの関係を規定したマップ(図12)を用いて決定する。例えば、目標吹出温度TAOが10℃になると、それまで一定であった目標蒸発器温度TEOが目標吹出温度TAOに比例して大きくなるように設定される。
(サイクル・PTC選択)
次に、図7のステップS6で、サイクルとPTCヒータ選択との処理を行う。図8は、図7のサイクル・PTC選択処理を示すフローチャートである。図8において、ステップS801において、プレ空調か否かを判定する。プレ空調の場合は、ステップS802にて外気温が−3℃より低いか否かを判定する。
外気温が−3℃より低い場合は、ヒートポンプの効率が悪くなり、かつ、着霜しやすくなるので、ステップS803にてPTCヒータに通電することによるプレ空調を行う。外気温が−3℃より低くない場合は、ステップS804にて、自動選択されている吹出口モードがフェイス(FACE)か否かを判定する。
自動選択されている吹出口モードがフェイスの場合は、HOTサイクルによる暖房の必要が無いと判断して、ステップS805にてCOOLサイクルでのプレ空調を行う。吹出口モードがフェイスでない場合は、ステップS806にて、HOTサイクルでのプレ空調を行う。
ステップS801において、プレ空調か否かを判定して、プレ空調ではないと判定された場合は、ステップS807にて、外気温が−3℃より低いか否かを判定する。−3℃より低い場合は、ヒートポンプの効率が悪くなり、かつ着霜しやすくなるので、ステップS808にて、COOLサイクルによる空調を行い、エンジン30を稼動(エンジンON)させる。
ステップS807にて、外気温が−3℃より低いか否かを判定した結果、外気温が−3℃より低くない場合は、ステップS809にて、吹出口モードがフェイスか否かを判定する。フェイスの場合は、HOTサイクルの必要が無いと判断して、ステップS810にてCOOLサイクルの空調を行う。ステップS809にて、吹出口モードがフェイスか否かを判定した結果、フェイスでない場合は、ステップS811にて、HOTサイクルの空調を行う。
以上のように、たとえばプレ空調フラグが立っており、外気温が−3℃より低い場合は、ヒートポンプによる暖房の効率が悪くなり、かつ室外熱交換器5に着霜しやすくなるため、PTCヒータ24によるプレ空調を実施するため、PTCヒータ24に通電する。また、外気温が−3℃以上の場合は、自動運転での吹出口モードがフェイスモードの場合には、ヒートポンプによる暖房の必要なしと判断して、COOLサイクルによるプレ空調を実施する。外気温が−3℃以上であり、フェイスモード以外の場合には、HOTサイクルによる暖房のプレ空調を実施する。
プレ空調フラグが立っておらず、プレ空調でなく、外気温が−3℃より低い場合は、ヒートポンプによる暖房の効率が悪くなり、かつ、室外熱交換器5に着霜しやすくなるため、COOLサイクルによる空調を実施する。なお、このときは、エンジン30を稼動し、温水およびヒータコア23の温度を上昇させるようにする。なお、図1〜図4に示した各サイクルの選定は、操作パネル51を介して、マニュアル操作でも行うことができる。
(ブロワ電圧決定)
次に、図7に示すステップS7において、ROMに記憶されたマップを用いて目標吹出温度TAOに対応するブロワ電圧(室内用ブロワ21のブロワモータに印加する電圧)を決定する。このステップS7は、具体的には図9に基づいて実行される。図9は、図7のステップS7におけるブロワ電圧決定処理を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS901において、ブロワ制御がオートか否かを判定する。オートの場合、ステップS902にて、ベースとなる仮のブロワレベルf(TAO)を算出する。
次に、ステップS903において、ヒータコア23の水温およびPTCヒータ24の作動本数に応じて、ウオームアップ風量f(TW)を算出する。更に、ステップS904にて、吹出口がフット(FOOT)、バイレベル(B/L)、フットデフ(F/D)のいずれかであるか否かを判定する。いずれかであるときは、ステップS905に進み、いずれでもないときは、ステップS906に進む。
ステップS905では、ブロワレベルを、その時のf(TAO)の最小値とf(TW)とを比較し、そのうちの大きい方をブロワレベルとして決定する。次に、ステップS907では、決定されたブロワレベルをブロワ電圧に変換する。一方、ステップS906では、ブロワレベルを、f(TAO)で決定し、次に、ステップS908では決定されたブロワレベルをブロワ電圧に変換する。
ステップS901でブロワ風量の制御がオートでないと判定されたときは、ステップS909でLoからHiまでのマニュアル操作で、指定されたブロワレベルに従って4ボルトから12ボルトの電圧をブロワモータに印加する。
(吸込口モード決定)
次に、図7のステップS8で、ROMに記憶されたマップから、目標吹出温度TAOに対応する吸込口モードを決定する。具体的には、周知のように、目標吹出温度TAOが高いときには、内気循環モードが選択され、目標吹出温度TAOが低いときには、外気導入モードが選択される。
(吹出口モード決定)
次に、図7のステップS9で、ROMに記憶されたマップから、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを周知のように決定する。目標吹出温度TAOが高いときには、フットモード(FOOT)が選択され、目標吹出温度TAOの低下に伴ってバイレベルモード(B/L)、さらにはフェイスモード(FACE)の順に選択され、本制御を終了する。
(圧縮機回転数等決定)
次に、図7のステップS10で電動圧縮機回転数等の決定処理を実行する。ステップS10は、具体的には図10に基づいて決定される。図10のフローチャートでは、まず、特開2000−318435号公報等に開示されたファジィ制御により、クーラ運転時にフロストを防止するための圧縮機回転数変化量を演算する。次に、ヒートポンプ時に異常高圧を防止するための圧縮機回転数変化量を演算する。以下具体的に図10および図11を用いて説明する。
図11に示すマップは、温度偏差Enと偏差変化量EDOTとの関係を示すマップであり、予めROMに記憶されている。なお、この温度偏差En及び偏差変化量EDOTにおける圧縮機回転数変化量ΔfCは、ROMに記憶された所定のメンバーシップ関数およびルールに基づいて、上記ファジィ制御にて求められる。
図10および図11において、ステップS1001において、COOLサイクル時にフロストを防止するための圧縮機回転数変化量ΔfCを演算する。まず、エアコンECU50は、ステップS1001において、各種センサの検出信号を用いて算出した目標蒸発器温度TEOと、実際の蒸発器温度TE(図示しない蒸発器温度センサによって検出された温度)との温度偏差Enを以下の数式2を用いて演算する。なお、目標蒸発器温度TEOは、図12に示すマップに従って、目標吹出温度TAOから求められる。この図12から判明するように、目標蒸発器温度TEOは2℃から10℃の範囲で選ばれる。
(数式2) En=TEO−TE
さらに、以下の数式3を用いて偏差変化量EDOTを演算する。
(数式3) EDOT=En−En−1
ここで、Enは、1秒に1回更新されるため、En−1は、Enに対して1秒前の値となる。
さらに、エアコンECU50は、算出したEn及びEDOTと、図10のステップS1001に示すマップ(後述する図11に一例として記載のマップ)とを用いて、1秒前の電動機2aの「COOLサイクル時の圧縮機回転数変化量ΔfCを算出する。このCOOLサイクル時の圧縮機回転数変化量ΔfCは、COOLサイクル時の熱交換器のフロスト防止に貢献する値である。
次に、図10および図11のステップS1002において、同様に、HOTサイクル時に異常高圧を防止するための圧縮機回転数変化量ΔfHを演算する。このステップS1002では、目標圧力PDO、高圧圧力Pre(Preは冷媒圧力センサ40(図1、図6)にて測定した高圧圧力)、偏差Pn、偏差変化量PDOTを用いて、電動圧縮機2の圧縮機回転数変化量ΔfHを以下のように求める。
ヒートポンプによるHOTサイクル運転時において、図10のステップS1002において、先に求められた目標吹出温度TAOを、冷凍サイクルの高圧側を流れる冷媒の目標圧力PDO(以下、単にPDOともいう)に変換する。この変換は、周知の方法を用いればよく、目標吹出温度TAOを変換用マップでPDOに変換してもよい。
また、目標吹出温度TAOと、室内用ブロワ21の風量Vによって異なる温度効率φと、凝縮器3の吸入側空気温度とから飽和冷媒温度Tcを求め、この飽和冷媒温度Tcと飽和圧力Pc(凝縮器3の凝縮圧力)との関係に基づいて、上記飽和冷媒温度Tcに対応する飽和圧力Pcを求めて、この飽和圧力Pcを目標圧力PDOとしてもよい。次に、目標圧力PDOと、冷媒圧力センサ40にて検出された高圧圧力Preとの圧力偏差Pnを下記数式4によって算出する。
(数式4) Pn=PDO−Pre
また、偏差変化量PDOTを下記数式5によって算出する。
(数式5) PDOT=Pn−Pn−1
なお、Pn−1は、偏差Pnの先回の値である。また、nは自然数である。
図11のステップS1002には、圧力偏差Pnと、偏差変化量PDOTと、圧縮機回転数変化量ΔfHとの関係を示すマップの一例を記載している。次に、このPnとPDOTと、エアコンECU50のROMに記憶された図11に示すマップとを用いて、1秒前の圧縮機回転数fn−1に対して増減する圧縮機回転数変化量ΔfHを求める。なお、この圧力偏差Pnおよび偏差変化量PDOTにおける圧縮機回転数変化量ΔfHは、ROMに記憶された所定のメンバーシップ関数及び所定のルールに基づいて、ファジィ制御にて求める。
更に、図10の車速判定手段をなすステップS1003において、車速が30(km/h)を超えているか否かを判定する。車速が30(km/h)以下の低速の場合は、第1最高回転数決定手段をなすステップS1004にて、ブロワ電圧に応じた最高回転数IVOmax(rpm)を演算する。車速が30(km/h)以上の高速走行で騒音や振動が気にならない場合は、第2最高回転数決定手段をなすステップS1005にて圧縮機最高回転数IVOmax=7000(rpm)を設定する。
次に、ステップS1006にて、クーラ(つまりCOOLサイクル)か否かを判定する。クーラの場合は、ステップS1007にてΔfとしてΔfCを選択することで、フロスト防止できる。ヒートポンプサイクル(つまりHOTサイクル)の場合は、ステップS1008にて、ΔfとしてΔfHを選択することで、異常高圧防止を図ることができる。
更に、ステップS1009にて、仮の圧縮機回転数IVOdが、前回の圧縮機回転数にΔfを加えた値か、S1004で設定されたIVOmaxのうちいずれか小さいほうが選択されることで、今回の圧縮機回転数がS1004で設定されたIVOmaxで制限される。
次に、ステップS1010においてバッテリ冷却中か否かを判定する。バッテリ冷却中か否かは、図1のバッテリ用電磁弁104が開放されて冷媒がバッテリ用熱交換器102に流入しており、かつバッテリ冷却水ポンプ103が回転してバッテリ用熱交換器102で冷却された冷却水がバッテリ101に流れ込んでいる場合をバッテリ冷却中と判定し、そうでない場合をバッテリ冷却中でないと判定する。
ステップS1010において、バッテリ冷却中でない場合、目標回転数決定手段をなすステップS1011にて、今回の圧縮機の目標回転数をステップS1009で求めた圧縮機回転数IVOdに設定する。バッテリ冷却用の冷却水の温度が例えば40℃を超え、バッテリ冷却中の場合は、ステップS1012にて、バッテリ温度に応じた圧縮機目標回転数f(BAT)を決定する。更に、ステップS1013では、蒸発器のフィン温度(エバフィン温度)に応じた圧縮機最高回転数IVOmaxを決定する。
最後に、ステップS1014で、今回の圧縮機目標回転数を、ステップS1012の圧縮機目標回転数f(BAT)と、ステップS1013の圧縮機最高回転数IVOmaxとのうちいずれか小さい方の値として決定する。そして、ステップS1010からステップS1013、S1014は、バッテリ101の冷却と蒸発器8の冷却を同時に行っているとき、蒸発器8の温度の低下に伴い電動圧縮機2から吐出される冷媒の最高吐出量を少なくする吐出量減少手段を構成している。
この図10に示した制御においては、走行性能を確保するためにバッテリ冷却を行うが、空調負荷が少ないと、バッテリ101(図1)の冷媒回路に対して並列の冷媒回路で冷やしている蒸発器8の温度が下がりすぎてフロストを起こす可能性がある。そのため、基本的には、バッテリ温度に応じて圧縮機回転数を決めるが、蒸発器温度が下がりすぎたときには、蒸発器温度の低下に応じて圧縮機回転数を制限することにより、フロストを防止しつつ、圧縮機消費電流を少なくできる、これにより、電動圧縮機2の電動機2aに供給されるバッテリ101の出力電流が減少するため、バッテリ101の温度上昇が軽減される。
(各弁ON/OFF決定)
次に、図7のステップS11において、サイクル中の三方弁4および電磁弁11〜14等のONまたはOFF作動について決定する。この制御では、図5に示した各サイクルに対応する各弁の動作状態となるように、各弁の作動をオン、オフする出力信号を決定する。
図7のステップS11においては、図5に示した各サイクルに対応する各弁の作動制御と共に、図13のフローチャートの制御を実行する。図13において、ステップS1301において、バッテリ温度が40℃を超えているかどうかを判定する。バッテリ温度が40℃以下の場合、ステップS1302にてバッテリ用電磁弁104(チラー用電磁弁とも言う)を閉じる。
ステップS1301にて、バッテリ温度が40℃を超えていた場合、ステップS1303にて室温が30℃を超えているか否かを判定する。ステップS1303にて室温が30℃以下の場合、ステップS1304にてバッテリ用電磁弁104を開ける。また、ステップS1305にて、バッテリ冷却水ポンプ103への印加電圧を制御してバッテリ冷却水の流量を10リットル/分とする。
ステップS1303にて室温が30℃を超えていた場合、ステップS1306にて、TE(蒸発器温度または蒸発器フィン温度とも言う)が、TEO(目標蒸発器温度または目標蒸発器フィン温度とも言う)よりも5℃以上高いか否かを判定する。
判定の結果、5℃を超えていない場合は前述のステップS1304に進み、5℃を超えていた場合は、ステップS1307にて、車外温度である外気温が35℃を超えているか否かを判定する。外気温が35℃を超えていない場合は、前述のステップS1304に進み、外気温が35℃を超えていた場合は、ステップS1308にて、ブロワ電圧が10ボルトあるいは10ボルト相当風量を超えているか否かを判定する。
ブロワ電圧が10ボルトあるいは10ボルト相当風量を超えていない場合は、前述のステップS1304に進み、ブロワ電圧が10ボルトあるいは10ボルト相当風量を超えていた場合は、ステップS1309にて、バッテリ温度が40℃を超えている時間が10分以上経過しているか否かを判定する。
ステップS1309にて、10分未満の場合は、ステップS1302にてバッテリ用電磁弁104は閉とする。ステップS1309にて、10分以上経過の場合は、ステップS1310でバッテリ用電磁弁104を開とするが、ステップS1311にてバッテリ冷却水の流量が5リットル/分となるようにバッテリ冷却水ポンプ103の回転数を制御する。
なお、図1等の蒸発器用電磁弁107とバッテリ用電磁弁104とを設けて、それら電磁弁104、107の作動を組み合わせることにより、蒸発器8のみの冷却、バッテリ101のみの冷却、蒸発器8およびバッテリ101の両方の冷却を選択できるが、通常時は、蒸発器用電磁弁107は開状態に保たれている。そして、明らかに車室内の冷房が不要でありバッテリのみを冷却したい場合に、蒸発器用電磁弁107が遮断される。例えば、冬場の冷房が不要なとき、または、バッテリの残存電力容量が少なく残りの残存電力容量のみで極力走行距離を延ばしたいときに、蒸発器用電磁弁107が遮断される。なお、蒸発器用電磁弁107を常閉型(ノーマルクローズ)としても良い。このようにすれば、蒸発器用電磁弁107遮断時の電力を消費しない。
(制御信号出力)
次に、図7のステップS12において、上記各ステップS1〜S11で算出または決定された各制御状態が得られるように、エンジンECU60、インバータ90、PTCヒータ24、各種アクチュエータ、三方弁4および電磁弁11〜14等に対して制御信号を出力する。そして、図7のステップS13において所定時間の経過を待って、ステップS3に戻り、継続して各ステップが実行される。
(第1実施形態の作用)
この第1実施形態では、走行性能を確保するためにバッテリ冷却を行うが、空調負荷が高い時、バッテリ冷却に優先して冷媒を空調に用いることで、クールダウン性能を確保し乗員の快適性を向上できる。加えて、車室内空調負荷が高いときでも適度なバッテリ冷却を間欠的に行うことで、コンプレッサ負荷の平準化ができる。その結果、コンプレッサ最高回転数を低く抑えることができ、コンプレッサの耐久性が向上し静音化が容易になる。
以下具体的に、主として図13に関わる第1実施形態の作用を説明する。冷却度合い減少手段S1302によりバッテリ冷却度合いを少なくする時間を制限し、冷却度合い減少手段S1302による制御を中止する時間制限手段S1309を備えている。これによれば、空調負荷が非常に大きく空調高負荷状態が長時間解消されない場合でも、バッテリ冷却度合いを少なくすることを中止し、バッテリ冷却を行える時間を確保できるようになるため、バッテリ101に基づく車両の走行性能が確保できるようになる。
また、時間制限手段S1309は、バッテリ101の温度が所定値より高い高温値になる時間が所定時間以上経過したときに、冷却度合い減少手段S1302によりバッテリ冷却度合いを少なくする状態を緩和して、冷媒によりバッテリを冷却する。具体的には冷却度合いを少なくする状態を緩和すべく、ステップS1310、ステップS1311に制御を移行させる。
これによれば、バッテリ101の温度が所定値より大きい高温値になる時間が所定時間以上経過したときに、冷却度合い減少手段S1302によるバッテリ冷却度合いを少なくする状態を中断し、バッテリ101をバッテリ冷却水の流動で冷却できる。そして、空調負荷が非常に大きく空調高負荷状態が長時間解消されない場合でも、バッテリ冷却度合いを少なくする時間を制限(中断)するから、制限前に比べてバッテリ冷却を充分に行える時間を確保できるようになるため、バッテリ101に基づく走行性能(走行距離)が確保できるようになる。
更に、空調装置は、冷媒を圧縮する圧縮機2と、冷媒が蒸発することにより空調風を冷却する蒸発器8と、空調風を流す送風機21を有し、バッテリ冷却装置は、冷媒によりバッテリ冷却水が冷却されるバッテリ用熱交換器102と、バッテリ用熱交換器102に流れ込む冷媒の流量を制御するバッテリ用電磁弁104と、バッテリ用熱交換器102とバッテリ101との間にバッテリ冷却水を流すバッテリ冷却水ポンプ(103)とを有し、冷却度合い減少手段S1302は、バッテリ用電磁弁104を閉じて冷媒の流れを遮断する。
これによれば、空調負荷が高いと判定された場合に、空調負荷が低いと判定された場合に比べて、冷媒を用いて流体を冷却する度合いであるバッテリ冷却度合いを少なくし、その分、空調装置による車室内空調を優先することができる。
次に、時間制限手段S1309は、バッテリ101の温度が所定バッテリ温度を超える状態が所定時間続いたときに、バッテリ用電磁弁104を開状態とし、かつバッテリ冷却水ポンプ103により、空調負荷が低いと判定した場合よりも流量を制限してバッテリ冷却水を流す。
これによれば、空調負荷が高いときにも、バッテリ冷却水の流動によるバッテリ冷却が可能な時間を設定でき、それによって、バッテリ101の温度が上がりすぎて急な冷却が必要になる状況の出現が少なくなり、空調装置の負荷の平準化を行うことができる。従って、圧縮機の最高回転数を低く抑えることができ、空調装置を構成する機器の耐久性が向上し、空調運転の静粛化が可能になる。
また、判定手段S1303〜S1308は、空調装置が空調する室内の温度が所定室温を超えること、蒸発器8の温度TEが目標蒸発器温度TEOよりも所定温度を超えて高いこと、車室内の外部における温度となる外気温が所定外気温を超えること、および送風機21の風量が所定風量を越えることのすべてが成立する場合に、空調負荷が高いと判定する。これによれば、空調負荷が高いか低いかを明確に判定することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。前述の実施形態では、ハイブリッド自動車に本発明を適用しているが、ハイブリッド自動車に限るものではなく、内燃機関よりなるエンジンの無い電気自動車(EV)であってもよい。更に、前述の実施形態では、電気式補助熱源としてPTCヒータ24を採用しているが、これに限定するものではない。電気式補助熱源は、通電されることにより、発熱体等から発熱して周囲の空気や物体を加熱できれば他の装置でもよいし、PTCヒータ24を省略しても良い。
また、ヒートポンプサイクルの車両用空調システムを実施形態にて示したが、本発明は、クーラサイクル(エアコンサイクルとも呼ばれる)を使用した車両用空調システムにも適用できる。なお、クーラサイクルとは、ヒータコアでエンジン冷却水温を使用して暖房を行い、かつ高圧、かつ液体の冷媒を車内にある膨張弁で減圧して気化を開始させた状態で空調ケース内の蒸発器へ導き、気化した冷媒を電動圧縮機で圧縮して、空調ケース外部のコンデンサへ送るサイクルである。
次に、上述の実施形態では、バッテリ101側の冷媒流路に設けたバッテリ用電磁弁104だけでなく、蒸発器8側にも蒸発器用電磁弁107を設けたが、この蒸発器用電磁弁107が省略されても良い。図14は、この蒸発器用電磁弁107が省略された場合のCOOLサイクル時の冷媒の流れ、および機器の配置を説明している。
101 バッテリ
100 車両用空調システム
S1303、S1306、S1307、S1308 判定手段
S1302 冷却度合い減少手段
S1309 時間制限手段
8 蒸発器
102 バッテリ用熱交換器
104 バッテリ用電磁弁
103 バッテリ冷却水ポンプ

Claims (4)

  1. 車室内に吹出す空調風が冷媒により冷却される空調装置(2、8、21)と、前記冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(102、103、104)とを有する車両用空調システム(100)において、
    前記冷媒を用いて前記空調風を冷却するときの空調負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S1303、S1306、S1307、S1308)と、
    前記判定手段(S1303〜S1308)が、前記空調負荷が高いと判定した場合は、前記空調負荷が低いと判定した場合に比べて、前記冷媒を用いて前記バッテリ(101)を冷却する度合いであるバッテリ冷却度合いを少なくする冷却度合い減少手段(S1302)とを備え、
    更に、前記冷却度合い減少手段(S1302)により前記バッテリ冷却度合いを少なくする時間を制限し、前記冷却度合い減少手段(S1302)による制御を中止する時間制限手段(S1309)を備え、
    前記空調装置は、冷媒を圧縮する圧縮機(2)と、前記冷媒が蒸発することにより前記空調風を冷却する蒸発器(8)と、前記空調風を流す送風機(21)とを有し、
    前記バッテリ冷却装置は、前記冷媒によりバッテリ冷却水が冷却されるバッテリ用熱交換器(102)と、前記バッテリ用熱交換器(102)に流れ込む前記冷媒の流量を制御するバッテリ用電磁弁(104)と、前記バッテリ用熱交換器(102)と前記バッテリ(101)との間に前記バッテリ冷却水を流すバッテリ冷却水ポンプ(103)とを有し、
    前記冷却度合い減少手段(S1302)は、前記バッテリ用電磁弁(104)を閉じて前記冷媒の流れを遮断し、
    前記時間制限手段(S1309)は、前記バッテリ(101)の温度が所定バッテリ温度を超える状態が所定時間続いたときに、前記バッテリ用電磁弁(104)を開状態とし、かつ前記バッテリ冷却水ポンプ(103)により、前記空調負荷が低いと判定した場合よりも流量を制限して前記バッテリ冷却水を流すことを特徴とする車両用空調システム。
  2. 車室内に吹出す空調風が冷媒により冷却される空調装置(2、8、21)と、前記冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(102、103、104)とを有する車両用空調システム(100)において、
    前記冷媒を用いて前記空調風を冷却するときの空調負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S1303、S1306、S1307、S1308)と、
    前記判定手段(S1303〜S1308)が、前記空調負荷が高いと判定した場合は、前記空調負荷が低いと判定した場合に比べて、前記冷媒を用いて前記バッテリ(101)を冷却する度合いであるバッテリ冷却度合いを少なくする冷却度合い減少手段(S1302)とを備え、
    更に、前記冷却度合い減少手段(S1302)により前記バッテリ冷却度合いを少なくする時間を制限し、前記冷却度合い減少手段(S1302)による制御を中止する時間制限手段(S1309)を備え
    前記空調装置は、冷媒を圧縮する圧縮機(2)と、前記冷媒が蒸発することにより前記空調風を冷却する蒸発器(8)と、前記空調風を流す送風機(21)とを有し、
    前記バッテリ冷却装置は、前記冷媒によりバッテリ冷却水が冷却されるバッテリ用熱交換器(102)と、前記バッテリ用熱交換器(102)に流れ込む前記冷媒の流量を制御するバッテリ用電磁弁(104)と、前記バッテリ用熱交換器(102)と前記バッテリ(101)との間に前記バッテリ冷却水を流すバッテリ冷却水ポンプ(103)とを有し、
    前記冷却度合い減少手段(S1302)は、前記バッテリ用電磁弁(104)を閉じて前記冷媒の流れを遮断し、
    前記判定手段(S1303〜S1308)は、前記空調装置が空調する室内の温度が所定室温を超えること、前記蒸発器(8)の温度(TE)が目標蒸発器温度(TEO)よりも所定温度を超えて高いこと、前記車室内の外部における温度となる外気温が所定外気温を超えること、および前記送風機(21)の風量が所定風量を越えることのすべてが成立する場合に、前記空調負荷が高いと判定することを特徴とする車両用空調システム。
  3. 前記時間制限手段(S1309)は、前記バッテリ(101)の温度が所定値より高い高温値になる時間が所定時間以上経過したときに、前記冷却度合い減少手段(S1302)により前記バッテリ冷却度合いを少なくする状態を緩和して、前記冷媒により前記バッテリ(101)を冷却することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調システム。
  4. 前記時間制限手段(S1309)は、前記バッテリ(101)の温度が所定バッテリ温度を超える状態が所定時間続いたときに、前記バッテリ用電磁弁(104)を開状態とし、かつ前記バッテリ冷却水ポンプ(103)により、前記空調負荷が低いと判定した場合よりも流量を制限して前記バッテリ冷却水を流すことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調システム。
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