JP2001213151A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001213151A
JP2001213151A JP2000032616A JP2000032616A JP2001213151A JP 2001213151 A JP2001213151 A JP 2001213151A JP 2000032616 A JP2000032616 A JP 2000032616A JP 2000032616 A JP2000032616 A JP 2000032616A JP 2001213151 A JP2001213151 A JP 2001213151A
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evaporator
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compressor
air
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JP2000032616A
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Yuichi Shirota
雄一 城田
Tsunesato Takahashi
恒吏 高橋
Yasuhiko Niimi
康彦 新美
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄冷式の車両空調装置において、圧縮機駆動
動力の増大の抑制と、蒸発器凝縮水による蓄冷量確保と
を両立させることを目的とする。 【解決手段】 圧縮機1の稼働時に、蒸発器9の温度を
凝縮水が凍結しない温度レベルに制御する通常モード
と、蒸発器9の温度を氷点下の温度レベルに制御して凝
縮水を凍結させる蓄冷モードとを切替設定するようにな
っており、更に、通常モードおよび蓄冷モードにおい
て、圧縮機1を停止させるときの停止目標温度に比し
て、圧縮機1を再起動させるときの再起動目標温度を所
定値だけ高い温度とし、停止目標温度と再起動目標温度
との差であるヒステリシス幅を通常モードより蓄冷モー
ドの方で小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両エンジンある
いは電動モータ等の補助駆動源により駆動される圧縮機
を有する冷凍サイクルを持つ車両空調装置において、圧
縮機の運転を一時的に停止する場合における冷房フィー
リングを改善するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護を目的にして、信号待ち
時等の停車時(エンジン動力不要時)にエンジンを自動
的に停止する車両(エコラン車、ハイブリッド車等)が
実用化されており、今後、停車時にエンジンを停止する
車両が増加する傾向にある。
【0003】ところで、車両用空調装置においては、冷
凍サイクルの圧縮機を車両エンジンにより駆動している
ので、上記エコラン車等においては信号待ち時等で停車
して、エンジンが停止される毎に、圧縮機も停止して蒸
発器温度が上昇し、車室内への吹出空気温度が上昇する
ので、乗員の冷房フィーリングを損なうという不具合が
発生する。
【0004】このような不具合を解消するため、本発明
者らは蒸発器凝縮水の蓄冷量に着目して、次のような蓄
冷式の車両空調装置を開発中である。この開発中の装置
によると、エンジン稼働中(車両走行中)に蓄冷モード
を設定して蒸発器温度を氷点下の温度レベルに引き下
げ、蒸発器凝縮水を凍結させる。これにより、エンジン
稼働中に凝縮水に潜熱の形で蓄冷することができ、凝縮
水の蓄冷量を予め増大させておくことができる。そし
て、停車時等のエンジン停止時には、放冷モードを設定
して蒸発器凝縮水の蓄冷量の放冷により空調空気の冷却
作用を維持することができ、これにより、圧縮機運転の
一時的な停止による冷房フィーリングの悪化を抑制する
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような蓄冷式のシ
ステムにおいては、本発明者らの実験検討により次のご
とき不具合が新たに発生することが判明した。
【0006】まず、最初に、車両用空調装置における蒸
発器温度の制御について説明すると、圧縮機を車両エン
ジンにより駆動するので、圧縮機と車両エンジンとの間
の電磁クラッチを断続して、圧縮機作動を断続すること
により蒸発器温度が所定の目標温度に維持されるように
制御している。ここで、蒸発器温度を検出する温度セン
サは一般的にサーミスタを用いており、温度センサの測
温部熱容量を小さくして時定数を小さくし、温度検出の
応答性を早くすると、電磁クラッチの断続回数が増加し
て、電磁クラッチを含む圧縮機の耐久寿命の面で不利と
なる。
【0007】逆に、温度センサの時定数を大きくする
と、温度検出の応答遅れが大きくなって、温度センサの
検出温度と実温度とのずれが拡大してしまう。なお、温
度センサの時定数とは、センサ雰囲気温度の変化に対し
てセンサ出力値の変化が所定割合(63.2%)に到達
するまでの時間(秒)である。
【0008】また、圧縮機を停止させるときの停止目標
温度と、停止後、圧縮機を再起動させるときの再起動目
標温度との間に所定の温度差すなわちヒステリシス幅を
設けて、圧縮機断続作動のハンチングを防止している。
このヒステリシス幅により、目標温度に対する実温度の
オーバーシュート量が変化するとともに、電磁クラッチ
の断続回数も変化する。
【0009】車両用空調装置では、上記した電磁クラッ
チの断続回数、検出温度と実温度とのずれ、実温度のオ
ーバーシュート量等が適度な範囲となるように、温度セ
ンサの時定数および圧縮機断続作動のヒステリシス幅を
設定している。具体的には、温度センサの時定数は測温
部熱容量の調節により30秒程度に設定し、また、ヒス
テリシス幅は通常1℃に設定している。
【0010】ところで、蓄冷式の車両用空調装置におい
て、エンジン稼働中(車両走行中)における通常モード
時(蓄冷モードを設定しないとき)には、通常の空調装
置と同様に圧縮機を停止させるときの停止目標温度を例
えば3℃とし、圧縮機を再起動させるときの再起動目標
温度を例えば4℃として、圧縮機作動を断続することに
より、蒸発器温度を凝縮水が凍結しない温度レベルに制
御する。これにより、蒸発器のフロスト(フィンへの霜
付き)による冷房性能(風量)の低下を防止できる。
【0011】一方、エンジン稼働中(車両走行中)に蓄
冷モードを設定したときは、停止目標温度を氷点下の例
えば−2℃とし、再起動目標温度を例えば−1℃とし
て、圧縮機作動を断続することにより、蒸発器温度を氷
点下に維持して凝縮水を凍結させる。
【0012】この蓄冷モード時における蒸発器温度の挙
動を図11により説明すると、図11は蒸発器の温度セ
ンサとして蒸発器直後の吹出空気温度を検出するサーミ
スタを用いる場合であり、図中、ONは圧縮機作動期間
で、OFFは圧縮機停止期間である。図11に示すよう
に、温度センサの時定数による応答遅れのために、温度
センサ検出温度と実際の蒸発器吹出空気温度との間にず
れが生じる。
【0013】その結果、実際の蒸発器吹出空気温度が再
起動目標温度の−1℃を大きくオーバシュートして0℃
を上回るという現象が起こるので、折角、凍結させた凝
縮水の氷を溶かしてしまい、蓄冷量を有効に確保できな
いことが分かった。
【0014】なお、停止目標温度および再起動目標温度
をともに引き下げれば、凝縮水を確実に凍結できるが、
これは当然、圧縮機稼働率〔圧縮機作動時間/(圧縮機
作動時間+圧縮機停止時間)〕の増大を招き、圧縮機駆
動動力を増大させ、車両エンジンの燃費を悪化させる。
【0015】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
蓄冷式の車両空調装置において、圧縮機駆動動力の増大
の抑制と、蒸発器凝縮水による蓄冷量確保とを両立させ
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車室内へ送風される空
気を冷却する蒸発器(9)と、蒸発器(9)を通過した
冷媒を圧縮し、吐出する圧縮機(1)と、蒸発器(9)
の温度を検出する温度検出手段(32、33)と、温度
検出手段(32、33)の検出信号に基づいて圧縮機
(1)の作動を断続することにより蒸発器(9)の温度
を制御する制御手段(S210)とを備え、圧縮機
(1)の稼働時に、蒸発器(9)の温度を凝縮水が凍結
しない温度レベルに制御する通常モードと、蒸発器
(9)の温度を氷点下の温度レベルに制御して凝縮水を
凍結させる蓄冷モードとを切替設定するようになってお
り、更に、通常モードおよび蓄冷モードにおいて、圧縮
機(1)を停止させるときの停止目標温度に比して、圧
縮機(1)を再起動させるときの再起動目標温度を所定
値だけ高い温度とし、停止目標温度と再起動目標温度と
の差であるヒステリシス幅(α、β)を通常モードより
蓄冷モードの方で小さくしたことを特徴とする。
【0017】このように、通常モードと蓄冷モードとを
切替設定する蓄冷式の車両用空調装置において、蓄冷モ
ードのヒステリシス幅(β)を通常モードのヒステリシ
ス幅(α)より小さくしているから、請求項2に記載の
ように蓄冷モードにおける停止目標温度および再起動目
標温度のうち、停止目標温度を固定したまま、再起動目
標温度の方を引き下げることが可能となる。
【0018】そして、再起動目標温度の引き下げにより
実際の蒸発器温度が0℃を上回るという現象を回避(後
述の図10参照)できるので、蓄冷モード開始後、短時
間で凝縮水の凍結による有効な蓄冷量を確保できる。
【0019】しかも、停止目標温度は引き下げることな
く固定したままでよいから、圧縮機稼働率の増大による
圧縮機駆動動力の増大を抑制できる。従って、圧縮機駆
動動力の増大の抑制と蒸発器凝縮水の凍結による蓄冷量
確保とをうまく両立させることができる。
【0020】更に、蓄冷モードのヒステリシス幅(β)
を通常モード時のヒステリシス幅(α)より小さくする
という、制御ソフト上の対応で上記効果を発揮できるか
ら、温度検出手段や圧縮機クラッチ機構等を特別なもの
に変更するというハード面での対応の必要がなく、ほと
んどコストアップなしで容易に実施できる。
【0021】請求項3に記載の発明では、蓄冷モードに
おける停止目標温度を、−2℃近傍の値とし、蓄冷モー
ドにおける再起動目標温度を通常モードのヒステリシス
幅(α)より小さいヒステリシス幅(β)だけ高い温度
とすることを特徴とする。
【0022】このように、蓄冷モードにおける停止目標
温度を、−2℃近傍という0℃に近い値とすることによ
り、圧縮機駆動動力の増大を効果的に抑制できる。
【0023】請求項4に記載の発明のように、蓄冷モー
ドにおける再起動目標温度は、具体的には−1.5℃以
下の温度にすることが氷の融解防止のために好ましい。
【0024】ところで、蓄冷モードでは氷の発生状況に
影響されて蒸発器吹出空気温度は検出部位により大きく
変動するが、蒸発器(9)の冷媒温度は蓄冷モードでも
検出部位による変動が非常に小さいことが分かった。
【0025】そこで、請求項5に記載の発明では、温度
検出手段として、蒸発器(9)の冷媒温度を検出し得る
部位に温度センサ(33)を配置し、蓄冷モードではこ
の温度センサ(33)の冷媒温度検出信号に基づいて圧
縮機(1)の作動を断続することを特徴としている。
【0026】これにより、蓄冷モードにおける氷の発生
状況に影響されることなく、蒸発器(9)の冷媒温度信
号に基づいて蓄冷モードでの圧縮機断続制御を良好に行
うことができる。従って、蒸発器(9)のフロスト状態
が過度に進行するといった不具合を防止できる。
【0027】請求項6に記載の発明では、車室内へ送風
される空気を内気と外気とに切り替える内外気切替手段
(14a)を備え、蓄冷モードの設定時には、内外気切
替手段(14a)を内気モードに設定することを特徴と
する。
【0028】これにより、蓄冷モード時には必ず内気モ
ードにより冷房熱負荷の小さい状態を設定して、凝縮水
の凍結を速やかに行うことができる。
【0029】請求項7に記載の発明のように、圧縮機
(1)の停止時に、蒸発器(9)の凝縮水蓄冷量の放冷
により空気を冷却する放冷モードを設定することによ
り、圧縮機(1)の停止時にも凝縮水蓄冷量の放冷によ
り車室内の冷房を持続できる。
【0030】請求項8に記載の発明のように、圧縮機
(1)を車両エンジン(4)により駆動し、車両エンジ
ン(4)の稼働中に通常モードおよび蓄冷モードを切替
設定し、車両エンジン(4)の停止時に放冷モードを設
定することにより、停車時等のエンジン停止時にも車室
内の冷房を持続できる。
【0031】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。
【0033】図1は本発明の一実施形態の全体構成図で
あり、車両用空調装置の冷凍サイクルRには冷媒を吸
入、圧縮、吐出する圧縮機1が備えられている。圧縮機
1は動力断続用の電磁クラッチ2を有し、圧縮機1には
電磁クラッチ2およびベルト3を介して車両エンジン4
の動力が伝達される。電磁クラッチ2への通電は空調用
電子制御装置5により断続され、電磁クラッチ2への通
電の断続により圧縮機1の運転が断続される。
【0034】圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱
ガス冷媒は凝縮器6に流入し、ここで、図示しない冷却
ファンより送風される外気と熱交換して冷媒は冷却され
て凝縮する。この凝縮器6で凝縮した冷媒は次に受液器
7に流入し、受液器7の内部で冷媒の気液が分離され、
冷凍サイクルR内の余剰冷媒(液冷媒)が受液器7内に
蓄えられる。
【0035】この受液器7からの液冷媒は膨張弁(減圧
手段)8により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態と
なる。膨張弁8は蒸発器9の出口冷媒の温度を感知する
感温部8aを有する温度式膨張弁である。この膨張弁8
からの低圧冷媒は蒸発器(冷房用熱交換器)9に流入す
る。この蒸発器9は車両用空調装置の空調ケース10内
に設置され、蒸発器9に流入した低圧冷媒は空調ケース
10内の空気から吸熱して蒸発する。蒸発器9の出口は
圧縮機1の吸入側に結合され、上記したサイクル構成部
品によって閉回路を構成している。
【0036】空調ケース10において、蒸発器9の上流
側には送風機11が配置され、送風機11には遠心式送
風ファン12と駆動用モータ13が備えられている。送
風ファン12の吸入側には内外気切替箱14が配置さ
れ、この内外気切替箱14内の内外気切替ドア14aに
より外気導入口14bと内気導入口14cを開閉する。
これにより、内外気切替箱14内に外気(車室外空気)
または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切
替ドア14aはサーボモータからなる電気駆動装置14
eにより駆動される。。
【0037】空調装置通風系のうち、送風機11下流側
に配置される空調ユニット15部は、通常、車室内前部
の計器盤内側において車両幅方向の中央位置に配置さ
れ、送風機11部は空調ユニット15部に対して助手席
側にオフセット配置される。
【0038】空調ケース10内で、蒸発器9の下流側に
はエアミックスドア19が配置されている。このエアミ
ックスドア19の下流側には車両エンジン4の温水(冷
却水)を熱源として空気を加熱する温水式ヒータコア
(暖房用熱交換器)20が設置されている。そして、こ
の温水式ヒータコア20の側方(上方部)にはバイパス
通路21が形成されている。このバイパス通路21は温
水式ヒータコア20をバイパスして空気を流すためのも
のである。
【0039】エアミックスドア19は回動可能な板状ド
アであり、サーボモータからなる電気駆動装置22によ
り駆動される。エアミックスドア19は、温水式ヒータ
コア20を通過する温風とバイパス通路21を通過する
冷風との風量割合を調節するものであって、この冷温風
の風量割合の調節により車室内への吹出空気温度を調節
する。従って、本例においては、エアミックスドア19
により車室内への吹出空気の温度調節手段が構成され
る。
【0040】温水式ヒータコア20の下流側には下側か
ら上方へ延びる温風通路23が形成され、この温風通路
23からの温風とバイパス通路21からの冷風が空気混
合部24で混合して、所望温度の空気を作り出すことが
できる。
【0041】さらに、空調ケース10内で、空気混合部
24の下流側に吹出モード切替部が構成されている。す
なわち、空調ケース10の上面部にはデフロスタ開口部
25が形成され、このデフロスタ開口部25は図示しな
いデフロスタダクトを介して車両フロントガラス内面に
空気を吹き出すものである。デフロスタ開口部25は、
回動自在な板状のデフロスタドア26により開閉され
る。
【0042】また、空調ケース10の上面部で、デフロ
スタ開口部25より車両後方側の部位にフェイス開口部
27が形成され、このフェイス開口部27は図示しない
フェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて空
気を吹き出すものである。フェイス開口部27は回動自
在な板状のフェイスドア28により開閉される。
【0043】また、空調ケース10において、フェイス
開口部27の下側部位にフット開口部29が形成され、
このフット開口部29は図示しないフットダクトを介し
て車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すものであ
る。フット開口部29は回動自在な板状のフットドア3
0により開閉される。
【0044】上記した吹出モードドア26、28、30
は共通のリンク機構(図示せず)に連結され、このリン
ク機構を介してサーボモータからなる電気駆動装置31
により駆動される。
【0045】次に、本実施形態における電気制御部の概
要を説明すると、蒸発器9の温度センサとしてサーミス
タからなる第1、第2の2つの温度センサ32、33を
有している。第1の温度センサ32は空調ケース10内
で蒸発器9の空気吹出直後の部位に配置され、蒸発器吹
出温度Te1を検出する。また、第2の温度センサ33
は、蒸発器9の冷媒温度を検出し得る部位に配置され、
蒸発器9の冷媒温度Te2を検出する。
【0046】図2は第2の温度センサ33の具体的な配
置例を示すもので、蒸発器9は冷媒通路を構成する偏平
なチューブ91と、このチューブ91間に接合されたコ
ルゲートフィン92と、チューブ9の長手方向両端部に
一体成形され、チューブ91の冷媒通路を連通させるタ
ンク部93、94と、冷媒出入口ジョイント95とを有
している。更に、本例の蒸発器9では、チューブ91の
積層方向(図2の左右方向)の両端部にサイド冷媒通路
を構成するサイドプレート96、97を配置する構成と
なっており、その一方のサイドプレート96に第2の温
度センサ33を密接配置している。このサイドプレート
96はアルミニュウムのような熱伝導の良好な金属材で
あり、かつ、センサ33の設置部位には送風空気が流れ
ないから、蒸発器冷媒温度をサイドプレート96の壁面
を介して第2の温度センサ33により良好に検出でき
る。
【0047】なお、冷媒出入口ジョイント95に接続さ
れる、蒸発器9の冷媒出入口配管(図示せず)に第2の
温度センサ33を密接配置したり、あるいは、蒸発器9
のタンク部93、94に第2の温度センサ33密接配置
してもよい。要は、蒸発器冷媒温度を直接検出し得る部
位に第2の温度センサ33を配置すればよい。
【0048】上記の両温度センサ32、33としては同
一の時定数(例えば、30秒)を持つ同一構成のサーミ
スタを使用できる。
【0049】空調用電子制御装置5には、上記の両温度
センサ32、33の他に、空調制御のために、内気温T
r、外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等を検出
する周知のセンサ群35から検出信号が入力される。ま
た、車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネル36
には乗員により手動操作される操作スイッチ群37が備
えられ、この操作スイッチ群37の操作信号も空調用電
子制御装置5に入力される。
【0050】この操作スイッチ群37としては、温度設
定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ37a、風
量切替信号を発生する風量スイッチ37b、吹出モード
信号を発生する吹出モードスイッチ37c、内外気切替
信号を発生する内外気切替スイッチ37d、圧縮機1の
オンオフ信号を発生するエアコンスイッチ37e等が設
けられている。吹出モードスイッチ37cにより、周知
の吹出モードであるフェイスモード、フットモード、バ
イレベルモード、フットデフモード、デフロスタモード
の各モードがマニュアル操作で切り替えられる。
【0051】さらに、空調用電子制御装置5はエンジン
用電子制御装置38に接続されており、エンジン用電子
制御装置38から空調用電子制御装置5には車両エンジ
ン4の回転数信号、車速信号等が入力される。
【0052】エンジン用電子制御装置38は周知のごと
く車両エンジン4の運転状況等を検出するセンサ群(図
示せず)からの信号に基づいて車両エンジン4への燃料
噴射量、点火時期等を総合的に制御するものである。さ
らに、本発明の対象とするエコラン車、ハイブリッド車
においては、車両エンジン4の回転数信号、車速信号、
ブレーキ信号等に基づいて停車状態を判定すると、エン
ジン用電子制御装置38は、点火装置の電源遮断、燃料
噴射の停止等により車両エンジン4を自動的に停止させ
る。
【0053】また、エンジン停止後、運転者の運転操作
により車両が停車状態から発進状態に移行すると、エン
ジン用電子制御装置38は車両の発進状態をアクセル信
号等に基づいて判定して、車両エンジン4を自動的に始
動させる。なお、空調用電子制御装置5は、車両エンジ
ン4停止後の蒸発器吹出温度Te1の上昇等に基づいて
エンジン再稼働要求の信号を出力する。
【0054】空調用電子制御装置5およびエンジン用電
子制御装置24はCPU、ROM、RAM等からなる周
知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成さ
れるものである。空調用電子制御装置5は、車両エンジ
ン4の停止許可、停止禁止の信号やエンジン停止後の再
稼働要求の信号を出力するエンジン制御信号出力部、電
磁クラッチ2による圧縮機断続制御部、内外気切替ドア
14aによる内外気吸込制御部、送風機11の風量制御
部、エアミックスドア19による温度制御部、吹出口2
5、27、29の切替による吹出モード制御部等を有し
ている。
【0055】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。図3のフローチャートは空調用電子制御装
置5のマイクロコンピュータにより実行される制御処理
の概要を示し、図3の制御ルーチンは、車両エンジン4
のイグニッションスイッチがオンされて制御装置5に電
源が供給された状態において、空調制御パネル36の操
作スイッチ群37の風量スイッチ37b(あるいはオー
トスイッチ)が投入されるとスタートする。
【0056】先ず、ステップS100ではフラグ、タイ
マー等の初期化がなされ、次のステップS110で、セ
ンサ32、33、センサ群35からの検出信号、操作ス
イッチ群37の操作信号、エンジン用電子制御装置38
からの車両運転信号等を読み込む。
【0057】続いて、ステップS120にて、車室内へ
吹き出される空調風の目標吹出温度TAOを算出する。
【0058】この目標吹出温度TAOは、車室内を温度
設定スイッチ37aの設定温度Tsetに維持するため
に必要な吹出温度であり、下記数式1に基づいて算出さ
れる。
【0059】
【数1】TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts +C 但し、Tr:センサ群35の内気センサにより検出され
る内気温 Tam:センサ群35の外気センサにより検出される外
気温 Ts:センサ群35の日射センサにより検出される日射
量 Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン C:補正用の定数 次に、ステップS130にて空調モードが通常モードで
あるか、蓄冷モードであるか、放冷モードであるかを選
択する。ここで、通常モードと蓄冷モードはエンジン稼
働中(車両走行中)に設定するモードであって、この通
常モードと蓄冷モードの選択は具体的には上記基準目標
吹出温度TAOに基づいて行うことができる。
【0060】すなわち、冷房起動直後のように車室内温
度を設定温度Tset に向けて急速に低下させる必要のあ
るクールダウン時とか、あるいは高外気温時で、かつ、
乗車人数の多いときのような冷房高負荷時には、上記基
準目標吹出温度TAOが−20°C以下のような低温域
にあるので、このような所定値以下の低温域にTAOが
あるときは、冷房性能の発揮の方を優先させるために、
蓄冷モードの実行を禁止して通常モードを選択する。一
方、TAOが上記所定値より高い温度域にある時は蓄冷
モードを選択する。
【0061】ここで、別の選択方式として、例えば、空
調制御パネル36の操作スイッチ群37として蓄冷スイ
ッチを追加して、この蓄冷スイッチの投入時だけ蓄冷モ
ードを選択し、蓄冷スイッチの非投入時は常に通常モー
ドを選択するようにしてもよい。
【0062】また、空調作動時(送風機11の作動時)
においてエンジン4(圧縮機1)が停止したときは放冷
モードを選択する。
【0063】そして、通常モードが選択されたときは、
ステップS140にて通常モード時の目標蒸発器温度T
EOA を決定する。この通常モード時の目標蒸発器温度
TEOA は、図4に示す第1目標蒸発器温度TEOA1
図5に示す第2目標蒸発器温度TEOA2に基づいて決定
する。第1目標蒸発器温度TEOA1はTAOの上昇につ
れて高くなるように決定する。従って、TEOA1=f
(TAO)として表すことができる。なお、第1目標蒸
発器温度TEOA1は、本例では12°Cが上限になって
いる。
【0064】また、第2目標蒸発器温度TEOA2は、外
気温Tamに対応して決定されるものであって、f(T
am)として表すことができる。このTEOA2は外気温
Tamの中間温度域(例えば、18°C〜25°C)で
は冷房、除湿の必要性が低下するので、第2目標蒸発器
温度TEOA2を高く(例えば12°C)して、圧縮機1
の稼働率を低減することにより、車両エンジン4の省動
力を図る。
【0065】一方、外気温Tamが25°Cを越える夏
期の高温時には冷房能力確保のため、TEOA2を外気温
度Tamの上昇に反比例して低下させる。また、外気温
Tamが10°Cより低くなる低温域では、窓ガラス曇
り防止のための除湿能力確保のために、TEOA2を外気
温Tamの低下とともに低下させる。
【0066】そして、エンジン稼働中における通常モー
ド時(蓄冷モードでないとき)では、上記第1、第2目
標蒸発器温度TEOA1、TEOA2のうち、低い温度の方
を最終的に、目標蒸発器温度TEOA として決定する。
【0067】次に、ステップS170にて送風機11に
より送風される空気の目標送風量BLWを上記TAOに
基づいて算出する。この目標送風量BLWの算出方法は
周知であり、上記TAOの高温側(最大暖房側)および
低温側(最大冷房側)で目標風量を大きくし、上記TA
Oの中間温度域で目標風量BLWを小さくする。
【0068】次に、ステップS180にて内外気モード
を決定する。この内外気モードは例えば設定温度Tse
tに対して内気温Trが所定温度以上、大幅に高いとき
(冷房高負荷時)に内気モードとし、その他の時は外気
モードとする。あるいは、上記TAOが低温側から高温
側へ上昇するにつれて、全内気モード→内外気混入モー
ド→全外気モードと切替設定してもよい。但し、蓄冷モ
ード時は上記条件とは関係なく、常に強制的に内気モー
ドとする。
【0069】次に、ステップS190にて上記TAOに
応じて吹出モードを決定する。この吹出モードは周知の
ごとくTAOが低温側から高温側へ上昇するにつれてフ
ェイスモード→バイレベルモード→フットモードと切替
設定される。
【0070】次に、ステップS200にて、エアミック
スドア19の目標開度SWを上記TAO、蒸発器吹出温
度Te1、及び温水温度Twに基づいて算出する。ここ
で、エアミックスドア19の目標開度SWM は、エアミ
ックスドア19の最大冷房位置(図1の実線位置)を0
%とし、エアミックスドア19の最大暖房位置(図1の
一点鎖線位置)を100%とする百分率で表される。
【0071】次に、ステップS210に進み、目標蒸発
器温度TEOA と第1温度センサ32により検出される
蒸発器吹出温度Te1とを比較して電磁クラッチ2への
印加電圧Vcを決定し、圧縮機作動の断続(ON−OF
F)を決定する。
【0072】このクラッチ印加電圧Vcを決定する制御
フローの具体例は図6であり、最初に、ステップS21
10にて印加電圧Vcが車載バッテリ電圧の12Vであ
るか判定し、Vc=12Vであるとき(クラッチON
時)はステップS2120にて蒸発器吹出空気温度Te
1が通常モード時の目標蒸発器温度TEOAより低いか
判定する。Te1<TEOAであれば、ステップS21
30に進み、Vc=0Vとする。
【0073】また、ステップS2120にてTe1がT
EOAより高いときは、ステップS2140に進み、V
c=12Vを継続する。
【0074】一方、Vc=0Vであるとき(クラッチO
FF時)は、ステップS2110の判定がNOとなり、
ステップS2150に進み、Te1がTEOA+αより
高いか判定する。ここで、αは圧縮機断続制御のヒステ
リシス幅であり、通常モード時ではこのヒステリシス幅
αを圧縮機断続回数の抑制(ハンチング防止)、実際の
蒸発器吹出空気温度のオーバシュート量の抑制等の点か
ら1℃としている。
【0075】そして、Te1が(TEOA+α)より低
いときはステップS2160に進み、Vc=0Vを継続
する。これに対し、Te1>(TEOA+α)であると
きはステップS2140に進み、Vc=12Vとする。
【0076】上記ステップS210(S2120〜S2
160)による圧縮機断続制御をまとめると図7に示す
ようになる。図7はTEOA=3℃、TEOA+α=4℃
の場合であり、このTEOAが本発明の停止目標温度
で、TEOA+αが本発明の再起動目標温度である。
【0077】次に、ステップS220に進み、空調側条
件に基いてエンジン制御信号(前述の車両エンジン4の
停止許可、停止禁止、および車両エンジン4停止後の再
稼働要求の信号)を決定する。
【0078】次に、ステップS230に進み、上記各ス
テップで決定された各制御信号を各制御対象部に出力す
る。すなわち、ステップS170の目標風量BLW、ス
テップS180の内外気モード、ステップS190の吹
出モード、ステップS200の目標開度SWが得られる
ように、送風機11の回転数、内外気ドア14a、吹出
モードドア26、28、30、エアミックスドア19の
操作位置を制御する。
【0079】更に、ステップS210で決定されたクラ
ッチ印加電圧Vcに基づいて圧縮機1の作動が断続制御
され、これにより、蒸発器吹出温度を通常時の目標蒸発
器温度TEOAに制御する。また、ステップS220で
決定されたエンジン制御信号をエンジン制御用制御装置
38に出力する。
【0080】一方、ステップS130で蓄冷モードが選
択されたときは、蓄冷用目標蒸発器温度TEOB を決定
する。このTEOB は蒸発器9の凝縮水を凍結すること
ができる氷点下の所定温度に設定させる。ここで、この
TEOB を下げるほど凝縮水を確実に凍結できるが、そ
の反面、蒸発器温度を引き下げるために圧縮機1の稼働
率が急激に増大して、圧縮機1の駆動動力を増大させて
しまう。
【0081】従って、TEOB は凝縮水の凍結を保証で
きる範囲において0℃に近い高めの温度が好ましいこと
になる。このような見地から本例では、TEOB=−2
°Cとしている。
【0082】蓄冷モードでもステップS170、S19
0、S200の制御内容は通常モード時と同じである
が、ステップS180では、蓄冷モードの選択に連動し
て必ず内気モードを選択する。これにより、蒸発器9の
冷房負荷が減少して、蒸発器温度を氷点下の目標蒸発器
温度TEOBに向かって容易に引き下げることができ
る。
【0083】そして、蓄冷モードではステップS210
による圧縮機1の断続制御を具体的には図8のフローチ
ャートにより行う。図8の各ステップの符号は、図6に
対応させて同一符号にしてある。
【0084】図8の制御フローにおいて、Te2は第2
の温度センサ33により検出される蒸発器冷媒温度であ
り、このように蒸発器冷媒温度Te2を検出して圧縮機
1の断続制御を行うのは次の理由による。すなわち、蓄
冷モード時に蒸発器9の凝縮水を凍結させ凝縮水に蓄冷
をする場合に、蒸発器9表面での氷の発生状況が種々な
要因で不均一になりやすい。そのため、蒸発器9の吹出
空気温度は、氷のある部位では空気流れが阻止されるの
で、氷のない部位に比して低温になってしまうことが分
かった。
【0085】従って、蒸発器温度を、通常用いられてい
る蒸発器吹出空気の温度センサ32により検出すると、
蒸発器9の吹出側における検出部位の差異により検出温
度に大きな差が発生する。具体的には蒸発器吹出空気温
度であると、5箇所の検出部位の差異により最大、5.
1°Cの検出温度差が発生してしまう。蒸発器フィン温
度であっても、6箇所の検出部位の差異により最大、
4.8°Cの検出温度差が発生してしまう。この検出温
度差は蒸発器9でのフロスト(凍結)が必要以上に進行
してしまう原因になる。
【0086】これに対し、蒸発器冷媒温度であると、4
箇所の検出部位の差異が最大でも、2.1°C以内に抑
えることができることを確認できた。そこで、蓄冷モー
ド時では、圧縮機断続制御のための蒸発器温度として蒸
発器冷媒温度Te2を検出している。
【0087】蓄冷モードにおける最大の特徴は、通常モ
ードの圧縮機断続制御のヒステリシス幅α(1℃)に比
較してヒステリシス幅βを小さくしていることである。
蓄冷モードのヒステリシス幅βは具体的にはαの1/2
である0.5℃としている。
【0088】このため、蓄冷モードによる圧縮機断続制
御をまとめると図9に示すようになる。図9のTEOB
=−2℃が本発明の停止目標温度となり、TEOB+β
=−1.5℃が本発明の再起動目標温度となる。
【0089】図10は本実施形態による蓄冷モードでの
効果を示すもので、この図10の基礎となった実験で
は、第2の温度センサ33として第1の温度センサ32
と同じ時定数(30秒)のものを用いている。蓄冷モー
ドのヒステリシス幅βを通常モード時の1/2である
0.5℃として、再起動目標温度を−1.5℃としてい
るので、センサ検出温度(蒸発器冷媒温度)Te2が−
1.5℃まで上昇した時点で、圧縮機1を再作動させ
る。このような制御により実際の蒸発器冷媒温度を図1
0に示すように0℃より十分低い温度に維持できるの
で、一旦凍結した氷が圧縮機作動の断続制御に伴って溶
けるという不具合が発生せず、融解潜熱による有効な蓄
冷量を短時間で確保できる。
【0090】しかも、蓄冷モードの目標蒸発器温度TE
B(すなわち停止目標温度)は、図11の開発品の場
合と同じ−2℃を維持しているから、図11の開発品に
比較して蒸発器温度の引き下げに起因する圧縮機稼働率
の急増という問題を回避できる。従って、圧縮機1の駆
動動力の増大の抑制と、蒸発器凝縮水の凍結による蓄冷
量の確保とをうまく両立できる。
【0091】更に、本実施形態によると、蓄冷モードの
ヒステリシス幅βを通常モード時のヒステリシス幅αよ
り小さくするという、空調用制御装置5の制御ソフト上
の対応で上記効果を発揮できるから、第2の温度センサ
32や電磁クラッチ2を特別なものにするというハード
面での対応の必要がない。このため、本実施形態はほと
んどコストアップなしで容易に実施できる。
【0092】次に、ステップS130で放冷モードが選
択されたときは、ステップS160に進み、放冷モード
における限界目標蒸発器温度TEOCを決定する。この
限界TEOCは、放冷モードにおける蒸発器温度、具体
的には蒸発器吹出温度Te1の上昇により湿度変化、温
度変化、臭い発生、窓曇り発生を乗員に感じさせない知
覚限界点の温度(上限値)であり、所定温度、例えば1
2℃に固定したり、あるいは、この限界TEOCを放冷
モードにおける環境変化に応じて補正してもよい。
【0093】そして、放冷モードでは、ステップS22
0において、第1の温度センサ32により検出される蒸
発器吹出温度Te1と上記限界TEOCとを比較し、T
e1<限界TEOCである間は、車両エンジン4の停止
許可の信号を継続する。これにより、エンジン4の停止
状態、すなわち、放冷モードが継続される。
【0094】圧縮機1の停止によりTe1が上昇して、
Te1≧限界TEOCの関係になると、エンジン稼働要
求の信号を出力し、車両エンジン4を再起動させ、圧縮
機1の作動による蒸発器9の冷房作用を再開させる。従
って、放冷モードが終了する。
【0095】(他の実施形態)なお、上記の一実施形態
では、蒸発器温度を検出する温度センサとして、蒸発器
吹出空気温度Te1を検出する通常モード及び放冷モー
ド用の第1の温度センサ32と、蒸発器冷媒温度Te2
を検出する蓄冷モード用の第2の温度センサ33とを併
用する場合について説明したが、蒸発器吹出空気温度T
e1を検出する第1の温度センサ32の配置場所とし
て、通常モードと放冷モード以外に蓄冷モードでも代表
的な蒸発器温度を検出可能な場所を設定できる空調装置
であれば、通常モード、放冷モード、及び蓄冷モードの
制御を共通の1つの温度センサ32の検出信号で行うこ
とが可能である。
【0096】同様の理由で、蒸発器冷媒温度Te2を検
出する第2の温度センサ33のみ、あるいは蒸発器フィ
ン温度を検出するフィン温度センサのみを用いて、通常
モード、放冷モード、及び蓄冷モードの制御を行うこと
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体システム図である。
【図2】本発明の一実施形態における蒸発器の正面図で
ある。
【図3】本発明の一実施形態による空調制御を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における目標蒸発器温度の
特性図である。
【図5】本発明の一実施形態における目標蒸発器温度の
特性図である。
【図6】本発明の一実施形態による通常モード時の要部
の制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態による通常モード時の圧縮
機断続制御の特性図である。
【図8】本発明の一実施形態による蓄冷モード時の要部
の制御を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による蓄冷モード時の圧縮
機断続制御の特性図である
【図10】本発明の一実施形態による蓄冷モード時の蒸
発器温度の挙動を示す特性図である。
【図11】本発明者らによる開発品(比較品)による蓄
冷モード時の蒸発器温度の挙動を示す特性図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、4…車両エンジン、9…蒸発器、32、3
3…蒸発器温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新美 康彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 AC02 CH04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内へ送風される空気を冷却する蒸発
    器(9)と、前記蒸発器(9)を通過した冷媒を圧縮
    し、吐出する圧縮機(1)と、 前記蒸発器(9)の温度を検出する温度検出手段(3
    2、33)と、 前記温度検出手段(32、33)の検出信号に基づいて
    前記圧縮機(1)の作動を断続することにより前記蒸発
    器(9)の温度を制御する制御手段(S210)とを備
    え、 前記圧縮機(1)の稼働時に、前記蒸発器(9)の温度
    を凝縮水が凍結しない温度レベルに制御する通常モード
    と、前記蒸発器(9)の温度を氷点下の温度レベルに制
    御して凝縮水を凍結させる蓄冷モードとを切替設定する
    ようになっており、 更に、前記通常モードおよび前記蓄冷モードにおいて、
    前記圧縮機(1)を停止させるときの停止目標温度に比
    して、前記圧縮機(1)を再起動させるときの再起動目
    標温度を所定値だけ高い温度とし、 前記停止目標温度と前記再起動目標温度との差であるヒ
    ステリシス幅(α、β)を前記通常モードより前記蓄冷
    モードの方で小さくしたことを特徴とする車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 前記蓄冷モードにおける前記停止目標温
    度および前記再起動目標温度のうち、前記再起動目標温
    度の方を引き下げることにより、前記蓄冷モードのヒス
    テリシス幅(β)を前記通常モードのヒステリシス幅
    (α)より小さくしたことを特徴とする請求項1に記載
    の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄冷モードにおける前記停止目標温
    度を、−2℃近傍の値とし、前記蓄冷モードにおける前
    記再起動目標温度を前記通常モードのヒステリシス幅
    (α)より小さいヒステリシス幅(β)だけ高い温度と
    したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装
    置。
  4. 【請求項4】 前記蓄冷モードにおける前記再起動目標
    温度は、−1.5℃以下の温度であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 前記温度検出手段として、前記蒸発器
    (9)の冷媒温度を検出し得る部位に配置された温度セ
    ンサ(33)を有し、 前記蓄冷モードでは前記温度センサ(33)の検出信号
    に基づいて前記圧縮機(1)の作動を断続することを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両
    用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記車室内へ送風される空気を内気と外
    気とに切り替える内外気切替手段(14a)を備え、 前記蓄冷モードの設定時には、前記内外気切替手段(1
    4a)を内気モードに設定することを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮機(1)の停止時に、前記蒸発
    器(9)の凝縮水蓄冷量の放冷により空気を冷却する放
    冷モードを設定することを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 前記圧縮機(1)は車両エンジン(4)
    により駆動され、前記車両エンジン(4)の稼働中に前
    記通常モードおよび前記蓄冷モードを切替設定し、 前記車両エンジン(4)の停止時に前記放冷モードを設
    定することを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装
    置。
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