JP2003331869A - プロトン伝導性材料 - Google Patents
プロトン伝導性材料Info
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Abstract
過するため、クロスオーバーが生じていた。 【解決手段】その水和数が一分子あたり1/2から5で
ある金属酸化物水和物とプロトン伝導性を有する有機材
料を含み、有機材料に金属酸化物水和物が分散している
プロトン伝導性材料を作製することでメタノール遮断性
が向上し、メタノールを含有する燃料をアノードに供給
する燃料電池に用いた場合、クロスオーバーによるセル
電圧低下を抑えることができる。
Description
素材料を燃料,酸素を含むガスを酸化剤ガスとして電気
化学反応を利用してエネルギーを取り出す発電デバイス
に関する技術分野に関するものである。
器,ブックタイプパーソナルコンピュータ,オーデイオ
・ビジュアル機器、或いはモバイル用情報端末機器など
が小型化され、携帯用電子機器として急速な普及が進ん
でいる。従来こうした携帯用電子機器は二次電池によっ
て駆動するシステムであり、シール鉛バッテリーからN
i/Cd電池,Ni/水素電池、更にはLiイオン電池
へと新型二次電池の出現、小型化/軽量化及び高エネル
ギー密度化技術によって発展してきた。何れの二次電池
においてもエネルギー密度を高めるための電池活物質開
発や高容量電池構造の開発が行われ、より一充電での使
用時間の長い電源を実現する努力が払われている。
用後には充電することが必須であり、充電設備と比較的
長い充電時間が必要となるために携帯用電子機器の長時
間連続駆動には多くの問題が残されている。今後、携帯
用電子機器は増加する情報量とその高速化に対応してよ
り高出力密度で高エネルギー密度の電源、即ち連続使用
時間の長い電源を必要とする方向に向かっており、充電
を必要としない小型発電機(マイクロ発電機)の必要性
が高まっている。
池電源が考えられる。燃料電池は燃料の持つ化学エネル
ギーを電気化学的に直接電気エネルギーに変換するもの
で、通常のエンジン発電機などの内燃機関を用いた発電
機のような動力部を必要としないため、小型発電デバイ
スとしての実現性は高い。
継続するために、二次電池の場合に見られるような充電
のために一時携帯用電子機器の動作を停止するというこ
とが不要となる。このような要請の中でパーフルオロカ
ーボンスルホン酸系樹脂の電解質膜を用いてアノードで
水素ガスを酸化し、カソードで酸素を還元して発電する
固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte
Fuel Cell)は出力密度が高い電池として知られてい
る。
ガスの直接の取り扱いは安全面に問題がある。そこで燃
料としてアルコールなどの炭化水素系燃料を用い、改質
反応により水素を生成させ、得られた水素を燃料電池に
供給するシステムが考えられている。このシステムでは
燃料の取り扱いが容易で燃料供給インフラも水素に比較
すると実用的であるが、改質反応は250℃以上の熱が
必要とされることから携帯用途には不向きである。
接燃料電池に供給するタイプの検討が進められている。
このタイプの燃料電池はメタノール直接型燃料電池(DM
FC:Direct Methanol Fuel Cell )と呼ばれている。液
体燃料を直接利用できれば高温を必要とする改質器が不
要となり、システムの軽量およびシンプル化が達成され
るため特にモバイル機器の電源として有望視されてい
る。
ところのパーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂はメタ
ノールを吸収する度合いが大きく、メタノールを吸収し
た樹脂は膨潤により形状が変化する。パーフルオロカー
ボンスルホン酸系樹脂をフィルム状にした場合メタノー
ルに対する遮断性は低く、片面に接触させたメタノール
は膜を浸透し裏側の面に透過してしまう。
いた場合、燃料極であるアノードに供給したメタノール
は膜に浸透・膨潤する結果、アノードから酸素極である
カソードへ透過する。透過したメタノールがカソードに
到達するとカソードに供給された酸素と直接酸化反応が
生じるため電気化学反応によって取り出せるエネルギー
が減少する。その結果、電池としての発電電圧が低下す
る。
はメタノール遮断性の優れた電解質材料の開発が必要と
なっていた。
5号では電解質膜を層状構造としイオン電導性の低い層
を表面層にすることでメタノール遮断性に優れた電解質
膜の提案を行っている。また特開平10−40936号
公報では、イオン交換膜中にメタノールを酸化させるた
めの酸化触媒層を埋設することでメタノールの対極への
浸透を抑制した構造を提案している。
質膜は層状構造となるため膜の薄型化に対する対応が困
難であり、通常の均一膜に比較して製作工数が増加する
といった課題もあった。
はメタノールクロスオーバーを防止するためOH基を含
有したガラス状非晶質プロトン伝導体を有機材料に分散
させた材料を提案している。しかしながら上記に示す材
料はそのOH基を有する材料を作製する工程上、500
℃以上の高温加熱処理が必要であり低温プロセスによる
材料作製は非常に困難であった。
系に比較してメタノール遮断性が向上したプロトン伝導
性膜を提供することにある。また、100℃以下の低温
プロセスで作製可能なプロトン伝導性膜およびそれを電
解質材料として使用した燃料電池等の提供にある。
達成するために鋭意検討を推し進め、プロトン伝導性を
有する有機材料にその水和数が一分子あたり1/2から
5である金属酸化物水和物を添加・分散させることによ
り電解質膜を形成すると、メタノール遮断性が大いに向
上するとの知見を得るに至った。
を有し、ある種の金属酸化物水和物のそれらに対する拘
束力あるいは相互作用力は非常に強い。
したプロトンが膜中を移動する際に随伴する水分子であ
るところのプロトン随伴水にも影響を与える。つまり金
属酸化物水和物が分散状態で電解質膜中に存在するとそ
の中を移動する水動きを抑制し、見かけ上、膜を浸透・
透過する指標である水透過率を低下させる効果を示す。
この場合、プロトンは拘束された水分子をホッピングし
て電荷を移動させるため、イオン伝導度も従来材料と同
等程度である特徴を有する。
性有機材料を電解質材料に用いて燃料電池を組み立て、
燃料極であるアノードにメタノール水溶液を供給した場
合、電解質膜中でメタノールに水和した水分子が金属酸
化物によって拘束されるため、水和によって緩く結合し
ているメタノール分子にも影響が生じ、その結果として
酸素極であるカソードに、膜を透過して到達するメタノ
ールの量が減少する。すなわちメタノールクロスオーバ
ー量が減少するため、DMFCのセル電圧低下が抑制で
き、良好な性能が発揮される。
n,Ti,W元素を少なくとも1種以上含有する材料が
水分子の拘束力の観点から特に好ましい。またこの他に
もAl,Si,Sc,V,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Se,Y,Zr,
Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Inなどの遷移
金属元素をはじめとする元素であっても問題ない。
率はメタノール透過率として実際に効果の現れる1wt
%以上が望ましい。さらには電解質を組み入れた電池の
セル電圧に影響の現れる5wt%以上であるとさらに望
ましい。
と、粒子同士で形成する空隙を有機材料が埋めきれずに
物理的な空孔が電解質膜に生じる。空孔が生じると部分
的に機械強度が低下し、クラック(割れ)の原因とな
る。電解質膜にクラックが生じるとメタノールが直接カ
ソードにクロスオーバーしてしまう。よって金属酸化物
水和物の有機材料に対する含有率の上限としては80w
t%が望ましい。
熱性,耐酸性,可撓性を有する材料であれば特に限定は
ないが、パーフルオロカーボンスルホン酸のほか、さら
には化学修飾したポリスチレンやポリエーテルケトン,
ポリエーテルエーテルケトン,ポリスルホン,ポリエー
テルスルホンあるいは他のエンジニアリングプラスチッ
ク材料のスルホン酸,リン酸、その他のプロトンキャリ
アをドープあるいは化学的に結合,固定化した材料が好
ましい。
詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
ングステン水和物/パーフルオロカーボンスルホン酸電
解質膜および電解質膜/電極接合体の作製方法を以下に
説明する。
に、1.0M Na2WO3水溶液50mlをマグネチックス
ターラーで攪拌しながら徐々に滴下し、黄色沈殿を得
た。上澄み液を除いた後、0.1N HCl 300ml
を加えて10分間攪拌し、沈殿を沈降させるため静置し
た後、上澄み液を取り除いた。
0分間攪拌した後、24時間放置した。粉末が沈降し完
全に分離状態となった溶液の上澄み液を捨て、新たに同
量の純水を添加した。同様の洗浄操作を6回繰り返し、
未反応原料に由来する不純物イオンを取り除いた。その
後濾過することにより酸化タングステン水和物を得た。
本方法で作製した沈殿はX線回折測定,熱重量・示差熱
分析より酸化タングステン2水和物であることが確認さ
れた。
溶液(水,イソプロパノール,ノルマルプロパノールが
重量比で20:40:40の混合溶媒:Fluka Chemika
社製)に酸化タングステン水和物をナフィオンに対し4.
5wt% 添加し、電解質溶液を作製した。電解質溶液
を40℃に加熱しながら攪拌し、そのままの状態を120
分維持した。攪拌後の電解質溶液をスライドガラス上に
アプリケータで乾燥後厚みを30μmとなるようにキャ
ステイングし、電解質シートを形成した。室温で24時
間硬化させた後シートをガラス基板から剥離し、50℃
の温度で3時間加熱処理した。さらに乾燥後の膜を1M
硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行ったのちに自然乾
燥させ電解質膜を得た。
燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5重
量%のナフィオン−アルコール溶液を添加してペースト
状に混練したものを上記で得られた60mm×60mmサイ
ズの電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し60
℃で3時間乾燥してアノードを形成した。得られたアノ
ードの白金担持量は約0.5mg/cm2であり、ルテニウム
担持量は約0.5mg/cm2 であった。形成された電解質
膜の反対側の面に、白金担持炭素粉末触媒に乾燥重量で
ナフィオンが触媒量の60wt%に相当する量のナフィ
オン−アルコール溶液を添加し、ペースト状に混練した
ものを乾燥時の厚みが15μmとなるようにアノードと
重なるように塗布し、60℃で3時間乾燥しカソードを
形成し電解質膜/電極接合体を作製した。得られたカソ
ードの白金担持量は約0.3mg/cm2 であった。乾燥後
の接合体を1M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行っ
たのちに自然乾燥させプロトン化を施した電解質膜/電
極接合体を得た。
タン水和物/パーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜
および電解質膜/電極接合体の作製方法を以下に説明す
る。金属チタン粉末5gを30%過酸化水素水に反応さ
せながら80℃に加熱し、240時間攪拌・溶解させた
後未反応物を濾過により取り除き前駆体となる過酸化物
を作製した。
OH)水溶液を加えた後、6N塩酸を加えて沈殿を得
た。この沈殿物をろ過し、デシケ−タ中で乾燥させた。
上記の方法で得られた乾燥粉末5gに400mlの純水
を添加し30分間攪拌し24時間放置した。粉末が沈降
し完全に分離状態となった溶液の上澄み液を捨て、新た
に同量の純水を添加した。同様の洗浄操作を6回繰り返
し、未反応原料に由来する不純物イオンを取り除き酸化
チタン水和物を得た。熱重量測定から水和数は2である
ことが判明した。
溶液に酸化チタン水和物をナフィオンに対し4.5wt
% 添加し、電解質溶液を作製した。電解質溶液を40
℃に加熱しながら攪拌し、そのままの状態を120分維
持した。攪拌後の電解質溶液をスライドガラス上にアプ
リケータで乾燥後厚みを30μmとなるようにキャステ
イングし、電解質シートを形成した。室温で24時間硬
化させた後シートをガラス基板から剥離し、50℃の温
度で3時間加熱処理した。さらに乾燥後の膜を1M硫酸
に8時間浸漬し、充分な水洗を行ったのちに自然乾燥さ
せ電解質膜を得た。
燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5重
量%のナフィオン−アルコール溶液を添加してペースト
状に混練したものを上記で得られた60mm×60mmサイ
ズの電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し60
℃で3時間乾燥してアノードを形成した。得られたアノ
ードの白金担持量は約0.5mg/cm2であり、ルテニウム
担持量は約0.5mg/cm2 であった。形成された電解質
膜の反対側の面に、白金担持炭素粉末触媒に乾燥重量で
ナフィオンが触媒量の60wt%に相当する量のナフィ
オン−アルコール溶液を添加し、ペースト状に混練した
ものを乾燥時の厚さが15μmとなるようにアノードと
重なるように塗布し、60℃で3時間乾燥しカソードを
形成し電解質膜/電極接合体を作製した。得られたカソ
ードの白金担持量は約0.3mg/cm2であった。乾燥後の
接合体を1M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行った
のちに自然乾燥させプロトン化を施した電解質膜/電極
接合体を得た。
して酸化スズ水和物/スルホン化ポリエーテルスルホン
電解質膜、および電解質膜/電極接合体の作製方法を以
下に説明する。
5gを50mlの水に溶解して60℃に加熱して加水分
解した。これにアンモニア水を加えて95℃で1時間加
熱,熟成し、得られた沈殿物をろ過し、乾燥させてスズ
酸化物水和物(SnO2・nH2O)を得た。熱重量変化
測定からnは約1.8 と見積もられた。作製した酸化ス
ズ水和物10gに400mlの純水を添加し30分間攪
拌し24時間放置した。沈降,分離した酸化スズ水和物
の上澄み液を採取して捨て、新たに同量の純水を添加し
た。同様の洗浄操作を6回繰り返し、未反応原料に由来
する不純物イオンを取り除いた。洗浄処理の後自然乾燥
させ以降の電解質膜作製に用いた。
g をNMP(N−メチルピロリドン)に添加し、25℃
で2時間攪拌し、5wt%溶液を作製した。この溶液に
硫酸45mlを加え、不活性ガス雰囲気下45℃で3時
間加熱攪拌した。反応容器ごと15℃のウォーターバス
に入れさらに発煙硫酸20mlを1ml/分の割合で添
加し、さらに添加終了後も1.5 時間連続攪拌しスルホ
ン化反応を進行させた。得られた溶液5mlにつき2リ
ットルの割合の純水に滴下し、スルホン化ポリエーテル
スルホンを析出させた。得られた析出沈殿はろ過,純水
による洗浄のあと乾燥させ、スルホン化ポリエーテルス
ルホンを得た。得られたスルホン化ポリエーテルスルホ
ンのイオン交換容量は1.25meq/gであった。上記方
法で作製したスルホン化ポリエーテルスルホンを水,イ
ソプロパノール,ノルマルプロパノールが重量比で2
0:40:40の混合溶媒に溶解させ20wt%溶液を
調整した。
wt%スルホン化ポリエーテルスルホン溶液に、スルホ
ン化ポリエーテルスルホンに対して4.5wt% になる
ように添加し、電解質溶液を作製した。電解質溶液を常
温にて120分間攪拌した。攪拌後の電解質溶液をスラ
イドガラス上にアプリケータで乾燥後厚みを30μmと
なるようにキャステイングし電解質シートを形成した。
室温で24時間保持させた後、50℃の温度で3時間加
熱処理した。その後シートを基板から剥離させ、充分な
水洗を行ったのちに自然乾燥させ電解質膜を得た。
燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5重
量%のナフィオン−アルコール溶液を添加してペースト
状に混練したものを上記で得られた60mm×60mmサイ
ズの電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し60
℃で3時間乾燥してアノードを形成した。得られたアノ
ードの白金担持量は約0.5mg/cm2であり、ルテニウム
担持量は約0.5mg/cm2 であった。形成された電解質
膜の反対側の面に、白金担持炭素粉末触媒に乾燥重量で
ナフィオンが触媒量の60wt%に相当する量のナフィ
オン−アルコール溶液を添加し、ペースト状に混練した
ものを乾燥時の厚さが15μmとなるように塗布して6
0℃で3時間乾燥しカソードを形成することにより電解
質膜/電極接合体を作製した。得られたカソードの白金
担持量は約0.3mg/cm2であった。乾燥後の接合体を1
M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行ったのちに自然
乾燥させプロトン化を施した電解質膜/電極接合体を得
た。
以下に説明する。
5gを50mlの水に溶解して60℃に加熱して加水分
解した。これにアンモニア水を加えて95℃で1時間加
熱,熟成し、得られた沈殿物をろ過し、乾燥させてスズ
酸化物水和物(SnO2・nH2O)を得た。熱重量変化
測定からnは約1.8と見積もられた。作製した酸化ス
ズ水和物10gに400mlの純水を添加し30分間攪
拌し24時間放置した。沈降,分離した酸化スズ水和物
の上澄み液を採取して捨て、新たに同量の純水を添加し
た。同様の洗浄操作を6回繰り返し、未反応原料に由来
する不純物イオンを取り除いた。洗浄処理ののち自然乾
燥させ以降の電解質膜作製に用いた。
t%のナフィオン117アルコール水溶液にナフィオン
に対して30wt%量になるように添加し、電解質溶液
を作製した。電解質溶液を40℃に加熱しながら攪拌
し、そのままの状態を120分保持した。攪拌後の電解
質溶液をスライドガラス上にアプリケータで乾燥後厚み
を30μmとなるようにキャステイングし電解質シート
を形成した。室温で24時間硬化させた後シートをガラ
ス基板から剥離し、50℃の温度で3時間加熱処理し
た。さらに乾燥後の膜を1M硫酸に8時間浸漬し、充分
な水洗を行ったのちに自然乾燥させ電解質膜を得た。
燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5重
量%のナフィオン−アルコール溶液を添加してペースト
状に混練したものを上記で得られた60mm×60mmサイ
ズの電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し60
℃で3時間乾燥してアノードを形成した。得られたアノ
ードの白金担持量は約0.5mg/cm2であり、ルテニウム
担持量は約0.5mg/cm2 であった。形成された電解質
膜の反対側の面に、白金担持炭素粉末触媒に乾燥重量で
ナフィオンが触媒量の60wt%に相当する量のナフィ
オン−アルコール溶液を添加し、ペースト状に混練した
ものを乾燥時の厚さが15μmとなるように塗布して6
0℃で3時間乾燥しカソードを形成することにより電解
質膜/電極接合体を作製した。得られたカソードの白金
担持量は約0.3mg/cm2であった。乾燥後の接合体を1
M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行ったのちに自然
乾燥させプロトン化を施した電解質膜/電極接合体を得
た。
カーボンスルホン酸系材料から構成される電解質膜/電
極接合体を以下に説明する。
フィオン112膜に、白金・ルテニウム担持炭素触媒に
乾燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5
重量%のナフィオン−アルコール溶液を添加してペース
ト状に混練したものを上記で得られた60mm×60mmサ
イズの電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し6
0℃で3時間乾燥してアノードを形成した。得られたア
ノードの白金担持量は約0.5mg/cm2であり、ルテニウ
ム担持量は約0.5mg/cm2であった。形成された電解質
膜の反対側の面に、白金担持炭素粉末触媒に乾燥重量で
ナフィオンが触媒量の60wt%に相当する量のナフィ
オン−アルコール溶液を添加し、ペースト状に混練した
ものを乾燥時の厚さが15μmとなるように塗布して6
0℃で3時間乾燥しカソードを形成することにより電解
質膜/電極接合体を作製した。得られたカソードの白金
担持量は約0.3mg/cm2であった。乾燥後の接合体を1
M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行ったのちに自然
乾燥させプロトン化を施した電解質膜/電極接合体を得
た。
テン水和物/パーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜
および電解質膜/電極接合体の作製方法を以下に説明す
る。
%のナフィオン117アルコール水溶液に、ナフィオン
に対し4.5wt% 添加し電解質溶液を作製した。電解
質溶液を40℃に加熱しながら攪拌し、そのままの状態
を120分維持した。攪拌後の電解質溶液をスライドガ
ラス上にアプリケータで乾燥後厚みを30μmとなるよ
うにキャステイングし、電解質シートを形成した。室温
で24時間硬化させた後シートをガラス基板から剥離
し、50℃の温度で3時間加熱処理した。さらに乾燥後
の膜を1M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行ったの
ちに自然乾燥させ電解質膜を得た。
燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5重
量%のナフィオン−アルコール溶液を添加してペースト
状に混練したものを上記で得られた60mm×60mmサイ
ズの電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し60
℃で3時間乾燥してアノードを形成した。得られたアノ
ードの白金担持量は約0.5mg/cm2であり、ルテニウム
担持量は約0.5mg/cm2 であった。形成された電解質
膜の反対側の面に、白金担持炭素粉末触媒に乾燥重量で
ナフィオンが触媒量の60wt%に相当する量のナフィ
オン−アルコール溶液を添加し、ペースト状に混練した
ものを乾燥時の厚みが15μmとなるようにアノードと
重なるように塗布し、60℃で3時間乾燥しカソードを
形成し電解質膜/電極接合体を作製した。得られたカソ
ードの白金担持量は約0.3mg/cm2であった。乾燥後の
接合体を1M硫酸に8時間浸漬し、充分な水洗を行った
のちに自然乾燥させプロトン化を施した電解質膜/電極
接合体を得た。
た電解質膜/電極接合体を2枚のカーボンセパレータで
挟み、図1に示す構造の評価用セルを組み立てた。図1
中、符号1は電解質膜、2はアノード、3はカソード、
4はアノードセパレータ、5はカソードセパレータ、6
はアノードガス流路、7はカソードガス流路、8はシー
ル材である。このセルのアノードに15%メタノール水
溶液を、カソードに空気を供給し電流密度50mA/cm
2 で発電試験を行った。図2に各セルの発電電圧を示
す。
得られた。また比較例2はほぼ同等の0.46V の電圧
が計測された。
った。これは電解質膜に金属酸化物水和物を分散させる
ことにより膜中の水の拘束力が増加し、水に溶解してい
るメタノールにも相互作用が生じる結果、アノードから
カソードへ移動,透過するメタノール量が減少する。ク
ロスオーバーするメタノールが減少するとカソードでメ
タノールの直接反応により生ずる分極を抑制でき、その
結果セル電圧が向上するためと考えられる。
物水和物であってもその水和数が異なると、上記で述べ
た水拘束力が変化し、結果としてメタノール透過性に影
響を受ける傾向にあることが分かった。詳細な検討の結
果、本実施例に示した材料では水和数は1/2以上5以
下であると、充分なメタノール遮断性効果を有すること
が判明した。
セルの電圧は0.64V であった。実施例2で用いた酸
化チタン酸水和物についても水分子の拘束力を有し、水
和しているメタノールに影響して膜のメタノール遮断性
を向上させる結果、セル電圧向上が可能であることが分
かった。
た。実施例3は金属酸化物水和物としてスズ酸化物水和
物を用いているが、実施例1で用いた酸化タングステン
水和物に比較して膜中の水の吸着力/拘束力が相対的に
強いため、アノードに供給され、さらに膜中に浸透した
水和メタノール分子も金属酸化物による拘束力がより強
力に影響し、メタノール遮断性が増す結果、セル電圧が
向上すると判断できる。
た。実施例4は実施例1よりも電圧が向上しているが、
これは実施例4の電解質膜に含有されている金属酸化物
水和物が30wt%に増加させているためと考えること
ができる。金属水和物酸化物の含有割合が多いと膜中で
拘束される水の絶対量が増え、その相互作用によりメタ
ノールの透過量が減少し、見かけ上メタノール遮断性が
向上したためと考えられる。
されるようにメタノール遮断性、つまりセル電圧と相関
関係があり、含有率が増加するほどセル電圧も向上する
傾向がある。これは金属酸化物水和物量として1wt%
以上から結果に表れた。
と、粒子同士で形成する空隙を有機材料が埋めきれずに
物理的な空孔が電解質膜に生じる。空孔が生じると部分
的に機械強度が低下し、クラック(割れ)の原因とな
る。電解質膜にクラックが生じるとメタノールが直接カ
ソードにクロスオーバーしてしまう。金属酸化物水和物
の含有率としては、詳細な検討結果より5wt%以上8
0wt%以下が望ましいことが分かった。
機材料にその水和数が一分子あたり1/2から5である
金属酸化物水和物を分散させた電解質膜はメタノール遮
断特性が優れており、アノードにメタノール水溶液をカ
ソードに酸素を含むガスを供給するタイプの燃料電池に
この電解質膜を用いた場合、メタノールのクロスオーバ
ー量の減少が可能となるためにセル電圧が向上できるこ
とが分かった。また特に本発明のプロトン伝導性材料
は、低温プロセスで作製可能であるため工業的な応用展
開が図りやすい。
から5である金属酸化物水和物をプロトン伝導性を有す
る有機材料に分散させた材料からなる電解質膜は優れた
メタノール遮断能力を有する。材料を用いた電解質膜を
メタノール直接型燃料電池に用いて発電した場合、従来
のフッ素系材料からなる電解質膜に比較しより高いセル
電圧を実現することができる。
で作製可能であるプロトン伝導性膜を提供できる。
位構成を示す図である。
メタノール直接型燃料電池の電流密度とセル電圧の関係
を示す結果を示す図である。
ードセパレータ、5…カソードセパレータ、6…アノー
ドガス流路、7…カソードガス流路、8…シール材。
Claims (5)
- 【請求項1】金属酸化物水和物とプロトン伝導性を有す
る有機材料とを含み、該有機材料に該金属酸化物水和物
が分散している材料であって、金属酸化物1分子あたり
の水和数が1/2以上5以下であることを特徴とするプ
ロトン伝導性材料。 - 【請求項2】金属酸化物水和物がSn,Ti,Wの少な
くとも一つの元素を含有することを特徴とする請求項1
記載のプロトン伝導性材料。 - 【請求項3】金属酸化物水和物がプロトン伝導性を有す
る有機材料に対し5以上80wt%以下の含有率である
ことを特徴とする請求項1記載のプロトン伝導性材料。 - 【請求項4】電気化学的酸化還元反応が進行する反応場
であるところのアノードとカソードと電解質膜とからそ
の基本材料が形成される燃料電池において、電解質膜が
請求項1に示されるプロトン伝導性材料であることを特
徴とする燃料電池。 - 【請求項5】1分子あたりの水和数が1/2以上5以下
である金属酸化物水和物を作製する工程と、作製した金
属酸化物水和物をプロトン伝導性を有する有機材料と混
合する工程と、金属酸化物水和物とプロトン伝導性有機
材料の混合物をシート状に形成する工程とを含むことを
特徴とするプロトン伝導性材料の作製方法。
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- 2002-05-14 JP JP2002137901A patent/JP2003331869A/ja active Pending
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