JP2003329590A - 多毛管蛍光検出システム - Google Patents

多毛管蛍光検出システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイスループット多毛管電気泳動分離システ
ムに用いられる、経済的で、高感度で、安定性が高く、
丈夫な、レーザ励起蛍光自動検出システムを提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の検出システムは、毛管カラムの
一部内に閉じ込められた複数の分析試料体積と、電磁放
射線源と、前記電磁放射線源からの電磁放射線を選択さ
れた1の前記試料体積に反射するためのミラーと、前記
ミラーから反射された電磁放射線を前記毛管カラムの中
心に位置する前記試料体積に集束させるための集束レン
ズと、前記ミラーに取り付けられたスキャナと、前記試
料体積からの試料電磁放射線を集めるための放物面鏡
と、前記試料体積からの試料電磁放射線を検出するため
の検出器とを含み、前記試料体積は、前記放物面鏡の焦
点近傍であって、各試料体積からの前記試料電磁放射線
が前記放物面鏡により反射されて前記検出器に向けられ
るように位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離された被検体
を検出するための毛管電気泳動検出システムおよび方法
に関する。特に、本発明は、高感度で蛍光を迅速かつ連
続的に検出することができる高処理量型の多毛管蛍光検
出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】毛管電気泳動は分析および生物医学上の
研究で広範な適用を見出し、また、毛管電気泳動は、合
成ポリヌクレオチド、DNA塩基配列決定フラグメン
ト、DNA制限フラグメント、アミノ酸、ダンシルアミ
ノ酸の光学異性体、および、タンパク質、ウイルスおよ
び細菌の分離を含む荷電種の高速分離および分析に用い
られている。ミセル界面動電毛管クロマトグラフィ、等
電点電気泳動およびオンカラム誘導は全てCEカラムで
実行することができる。
【0003】CEの利点は、小さい内径(20−200
μm)の毛管の使用により現れる。小径の融解石英製毛
管に沿って、非常に高い電場を印加することができる。
前記荷電種の電気泳動速度は、印加された電場に比例す
ることから、CEは迅速な高分離度分離を実行すること
ができる。ジュール熱により少なからぬ熱が発生する。
しかし、冷却システムと関連して使用すれば、毛管内通
路の容積に対する大きい表面と、薄い毛管壁(50−1
50μm)の使用とが急速な熱の散逸を可能にする。
【0004】近年、自動DNA塩基配列決定が広範な注
目を引いている。塩基配列決定反応の間に生じた生成D
NAフラグメントを分離すべく、DNAの鎖を塩基配列
決定するための現在の方法は、典型的に、サンガー・ク
ールソン型化学反応と電気泳動法とを適用する。毛管電
気泳動と、特にレーザ誘導蛍光と組み合わされたCE
(CE−LIF)の検出とは迅速な荷電種の被検体の分
離と、高検出感度とを提供するため、それは、DNAの
塩基配列決定における分離技術として、特に興味深い。
レーザ誘導蛍光を利用するため、今日のDNA塩基配列
決定反応のあるものは蛍光で標識をつけたフラグメント
を必要とし、また、CE−LIF技術を用いる塩基配列
決定反応生成物を分離し、検出する。
【0005】CE分離は迅速であるが、DNA塩基配列
決定に基づくCEに関連する処理量は、一般に、単一の
毛管が分離システムを形成する従来のスラブゲルの処理
量より少ない。この制限を解消すべく、所望の処理量を
達成するために多数の毛管を平行にして用いることが提
案されている。もちろん、多数の別個の光源および検出
器エレメントの組み合わせにおいて使用されるときは、
処理量を増大する多数の毛管のCEシステムは高価で扱
いにくいシステムとなる。さらに、多波長モニタリング
の要求が追加されるとき、前記別個の光源/検出器エレ
メントを取り入れることは、また、さらに複雑なものと
なる。
【0006】共焦点蛍光スキャナを利用する多毛管CE
−LIFシステムが米国特許第5,091,652号お
よび第5,274,240号明細書に記載されている。
これらのスキャナは、レーザの光路を横切る毛管の配列
(アレイ)における各毛管を連続的に移動させることに
依っている。選択的に、全光学ヘッドを「掃引」走査で
毛管の配列を横切らせることが提案されている(HPC
E Meeting,San Diego,199
4)。これらの方法は、1の毛管が前記光源から移動さ
れ、また、次の毛管が前記光源に移動されるように、比
較的重いシステム要素の移動を必要とする。必然的に、
前記システム要素の移動に多大の時間を浪費する。これ
らのシステムに固有の遅れ時間の結果として、有益な分
離情報を逃すおそれがある。さらに、前記光源は各毛管
内に含まれる試料体積の最適部分上に存しないが毛管を
横切って連続的に走査されるため、蛍光システムに起因
すると考えられる検出感度はいくぶん信頼性に欠ける。
【0007】さらに、前記従来の多毛管検出システムで
は比較的重量のある構成要素が移動されているため、機
械を動かす勢いが前記光源または検出器に関して前記毛
管を次第に整列しないようにする可能性がある。時間遅
れの問題と同様、誤った整列は、情報の損失および/ま
たは感度の低減および検出限界の増大を導く。また、前
記毛管の移動に必要な前記モータおよび機構は、前記ス
キャナの製造に関するコストの追加をもたらす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、高処理量
の分離システムに関して用いられる安定性ある丈夫なシ
ステム、さらに好ましくは経済的で高感度なシステムが
提供されることが望まれる。また、多数の毛管のCE−
LIFシステムに関して用いられる自動検出システムが
提供されることが望まれる。このようなシステムは、多
数の励起波長を提供し、また、単一の検出器を用いて多
数の放出波長を検出する能力を有する。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明は次の発見、すなわ
ち単一光源からの電磁放射線は、単一の検出器による試
料体積内の試料の連続的および反復的検出を許すよう
に、複数の近接して配置された毛管のそれぞれにおける
試料体積に向けることができる、という発見に基づく。
試料体積を電磁放射源に対して連続的に移動させること
を求める従来の多試料検出システムと異なり、本発明
は、電磁放射線をミラーから、階段方式で各毛管と関連
する試料体積に連続的に反射させることを含む。
【0010】したがって、本発明は、連続してかつ繰り
返して複数の試料体積を走査し、また、各試料体積から
放出する電磁放射線を検出するためのシステムを提供す
る。このシステムは、それぞれが試料体積を含む、共通
の平面内にある複数の並列試料チャンネルと、電磁放射
線源と、電磁放射線を受け止めかつ反射するように整列
されたミラーと、前記ミラーから反射された電磁放射線
を前記毛管カラムの中心に位置する前記試料体積に集束
させるための集束レンズと、前記ミラーを移動するため
の手段と、前記試料体積から集められた電磁放射線を受
け入れるように整列された検出器とを含む。操作の際、
前記ミラーの移動手段は、前記ミラーが、前記電磁放射
線源からの電磁放射線を受け止めかつ前記電磁放射線を
連続的にかつ繰り返し前記試料体積に反射するように位
置決められるように、前記ミラーの位置を調整する。前
記試料体積から放出された放射線は検出器に集められか
つ向けられ、ここで、前記試料との前記電磁放射線の相
互作用に応答して信号が発生される。
【0011】
【発明の効果】有利なことに、本発明の検出システム
は、大きいシステム要素を移動する必要性をなくし、ま
た、予め設定された時間、選択された試料体積上に前記
電磁放射線を維持することを可能とする。その結果、改
良された検出感度と、より経済的なまた物理的に安定で
丈夫なシステムが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】好ましい実施例では、前記試料チ
ャンネルは、毛管アレイを形成するように共面配列形態
に整列された毛管電気泳動カラムからなる。各毛管カラ
ム内の試料体積は、電気泳動媒体上で分離される蛍光標
識化試料を含む。前記試料を励起させるため、前記ミラ
ーは、前記源からの特定の波長の励起放射線を受け止め
かつ所与の毛管の中心に前記励起放射線を反射するよう
に整列される。この励起放射線は、蛍光標識化試料を励
起し、前記試料との前記励起放射線の相互作用に応答し
て信号が形成される検出器に集められかつ向けられる蛍
光放出を生じさせる。この操作は、前記アレイ内の各毛
管カラムに関して連続的にかつ繰り返して行われる。本
発明は、多数の毛管の使用を通して高処理量が望まれる
レーザ誘導蛍光検出との組み合わせに用いられる毛管電
気泳動システムにおける特別の適用を有する。多くの適
用が存在することは当業者において認識されているとこ
ろであるが、本発明は、DNA塩基配列決定反応におい
て得られる蛍光標識化DNAフラグメントの分析に関連
して、説明される。
【0013】本発明は、多数の分離チャンネルを含む高
処理量電気泳動分離装置で使用するための検出システム
に向けられている。レーザ誘導蛍光検出は、典型的に
は、毛管電気泳動分離に引き続く高感度検出を達成する
ための選択の方法であるため、ここでの議論は、CE−
LIFの実施例に限定する。紫外および可視検出を含む
多毛管検出システムの代案が等しく適用可能であること
は当業者に明らかであろう。
【0014】本発明の検出システムは、多数の毛管のア
レイにおける各毛管に収容された試料体積に、反射され
た励起放射線を連続的にかつ繰り返し移動させることを
含む。放出された蛍光は検出器に集められかつ届けら
れ、前記検出器は蛍光量によって定まる信号を発生す
る。前記励起放射線は、前記毛管を動かすことなしにす
なわち前記放射線源を移動させて各毛管に向けられるた
め、大きいシステム要素は移動されない。この特徴は、
改良されたシステムの信頼性および検出感度を提供す
る。
【0015】図1は、図2および図3と結合して、本発
明の一実施例を示し、該実施例においては、毛管アレイ
(配列)における各毛管内の試料体積中に含まれる分離
された試料を励起させるため、単一のレーザが使用され
ている。この実施例では、優位な一の波長の放射線を提
供するために単一の放射線源が用いられ、また、前記一
の波長で励起可能である単一の蛍光標識が前記試料に含
まれている。図1を参照すると、検出システム10がレ
ーザ放射線源12と、走査手段18上に据え付けられた
ミラー16と、集束レンズ20と、同一平面上の8つの
毛管の配列であるアレイ22と、検出器28とを含む。
レーザ光源12は、走査手段18によって位置決められ
るミラー16に励起放射線14を導き、その結果、励起
放射線14がミラー16から集束レンズ20へと反射さ
れる。図14Aは、図14の一部分1Aの拡大されたタ
イミング図である。図2において、集束レンズ20が拡
大して詳細に示され、該集束レンズが、前記アレイ内の
選択された毛管の中心の試料体積21の内部に焦点を合
わせるように反射励起光線17を導く。図1に示す反射
された励起放射線17は、前記試料体積内の蛍光標識化
試料と相互作用し、前記試料に放出蛍光放射線32の放
出を生じさせ、該放出蛍光放射線は検出器28に導かれ
または向けられる。検出器28は、放出放射線32の存
在に応答して信号を提供する。符号29で示す計算シス
テムが、処理のために前記信号を受け取る。
【0016】放出放射線32の放出に引き続き、放射線
14が前記毛管アレイのそれぞれの毛管の中心において
前記試料体積に集中するように、スキャナ18がミラー
16を介して放射光線14を導く。このような方法で、
前記アレイの各毛管の試料体積に励起光線14が連続的
に集中するように、スキャナ18と取り付けられたミラ
ー16とが集束レンズ20と結合して用いられる。
【0017】前記したところから、本発明の検出システ
ムは、焦点を合わされた励起レーザ光線を一方向に向け
て、毛管アレイを横切るように走査し、ついで、前記ミ
ラーをすぐに再配置し、これにより、前記ミラーが、前
記励起光線が最初の毛管の中心に集まるように整列され
る工程を含む走査原理を含む。ここで使用される「走査
工程」とは、前記励起光線源が、予め定められた時間、
前記アレイの毛管上に存し、次に、前記アレイにおける
次の毛管へ急速に移動し、ここにおいてこれが再び予め
定められた時間、存することを意味する。前記予め定め
られた時間間隔は、前記励起光線が前記アレイ中の毛管
に焦点を合わされまた時間データが集められる時間間隔
または時間の計測を含む。データの収集は、各毛管の試
料体積についての各予め定められた時間中に行われる。
【0018】ガルボ・スキャナの速度は、移動時間を最
小にするとともに計測時間を最大にする。この分野の専
門家は、この方法が、多数の毛管のアレイの全ての毛管
が単一のレーザ源と単一の検出器とのみを使用して扱わ
れることを可能とすることを理解するであろう。段階的
走査モードが利用され、試料体積が焦点を合わされた励
起放射線を受けるため、最大のレーザ光量が各計測時間
中に前記毛管の中心に加えられる。
【0019】検出システム10は、優先的にまた追加的
に、レーザ放射線源12とミラー16との間に配置され
たフィルタ34を含む。フィルタ34は、蛍光標識化試
料の励起に必要な波長以外の波長を有する、レーザダイ
オード放射線源12により与えられる放射線を除くよう
に機能する。フィルタ34は、加えて、望ましくない波
長の放射線により引き起こされる背景散乱を除去するの
に役立つ。放出放射線32を集めかつ平行にし、放出放
射線32を検出器28に導くため、本検出システムは、
好ましくは、高補集率の放物面鏡36を含む。アレイ2
2の各毛管は、放物面鏡36の焦点の近傍に配置されて
いる。反射された励起放射光線17は、集束レンズ12
から放物面鏡36内に配置された開口38を通るように
向けられる。各毛管からの蛍光放出放射線32は放物面
鏡36により集められ、放物面鏡36の出口開口39を
通して、前記レーザ光線が前記反射鏡に入る反対の側に
向けられる。前記毛管アレイの軸線に直角な平面内の毛
管を取り巻く強烈なレーザ光線の散乱を遮るため、黒い
バー40(散乱バー)が前記平面内に配置されている。
前記蛍光放出線は一連のフィルタ35,37を通して導
かれ、光電子増倍管28を用いて観察またはモニタされ
る。これらのフィルタは、前記レーザ光源からのいかな
る散乱または背景の励起放射線をも遮り、かつ、前記毛
管内の励起された試料からの放出蛍光の伝導を可能とす
る。
【0020】図3は、図1の前記放物面鏡をより詳細に
示す。放物面鏡410内に配置された毛管アレイ400
が示され、また、散乱バー420の向きが示されてい
る。フィルタ430,440と検出装置450とが、後
に詳述する光子カウンタ460とスキャナ制御装置47
0との関係において示されている。また、毛管電気泳動
の流体マニホルド480を含む流体管理システムの構成
要素も後述する。
【0021】本発明によれば、放射線源12は、所望の
放出波長または波長スペクトルを有する電磁放射線の任
意の源である。当業者は、所望の放出特性を得るために
各蛍光標識が異なる励起エネルギまたは励起波長を必要
とすることを認識する。本発明の目的のため、放射線源
は、優先的に、前記試料中で蛍光を励起するのに適する
特徴的な励起波長を有するレーザダイオードである。ス
キャナ18は、ガルボスキャナ(galvo scan
ner)のような非常に小さい正確な運動が可能である
装置とすることができる。このようなスキャナは、これ
らが非常に急速で正確な運動が可能である、定位置への
回転運動サーボモータであるため、本発明の実施に特に
適する。ミラー16は、励起放射線14を受け止めかつ
反射することができる平面鏡である。
【0022】明確のためまた図1に示すように、この実
施例は同一面上に並列に配置された8つの毛管からなる
毛管アレイを用いる。このアレイは、焦点を定められた
励起光線17が前記毛管の長さに対して直角であるよう
に配置されている。前記毛管はシリカで形成されまた特
定の適用に応じて変えることができる寸法を有する。適
切な毛管の寸法は毛管電気泳動方法で用いられる寸法に
特有のものであり、20cmおよび500cm間の長さ
と、20μmおよび500μm間の直径とを含む。好ま
しい毛管は、50μmの比較的大きい壁厚を有する。各
毛管は、電気泳動領域にポテンシャルを与える単一の高
電圧電源に接続されている。前記励起光線が前記試料体
積に入るためまた前記放出光線が前記試料体積を離れる
ため、各カラムは、CEの適用において用いられるシリ
カ製毛管に典型的である前記試料体積を取り巻く透明な
「窓」を含む。
【0023】本発明の実施に適する検出器は、限定され
るものではないが、電荷結合素子、電子なだれホトダイ
オード、ホトダイオードおよび光電子増倍管を含む、電
磁放射線から信号を発生するように使用される種々の装
置のうちの任意のものからなる。好ましい検出器は、光
子計数モードで操作される光電子増倍管である。選択的
に、直流平均化検出の形態を本検出システムにおいて用
いることができる。直流平均化検出は、ゲート時間で適
当な信号割り当てを行うには十分早いが、実験に基づく
光電流からの正確なDC光レベルの取り出しを可能とす
るに十分に長い時間定数を未だ保つ増幅器バンド幅を含
む。この検出モードは光子計数の成果を提供しないが、
多少のコスト削減を提供する。直流平均化は、また、D
NA塩基配列決定より過度の要求が少ない適用につい
て、高い光レベルでの優れた成果を提供する。
【0024】本発明の他の実施例は、蛍光放出の波長に
より互いに異なる多数の試料を検出することを含む。こ
の実施例は、2以上の蛍光標識の使用と、2以上の波長
の蛍光放出を励起しかつ検出する能力とを含む。4つの
異なる蛍光染料まで明確にするため、異なる励起波長と
放出波長とを有するこれらのそれぞれが前記検出システ
ムに組み入れられている。予想されるように、多数の蛍
光標識を励起させる能力は、必要とされる全範囲の励起
放射線波長を提供するために1以上の励起放射線源を必
要とする。同様に、多数の放出放射線波長を検出するた
めの能力は、特定の波長の放出放射線が特定の時間間隔
で前記検出器において利用可能であるように、正確に計
時されたフィルタ移動が必要である。
【0025】ここに記載した多毛管および多波長検出シ
ステムは、4つのヌクレオチド塩基のそれぞれがその独
自の蛍光標識の放出波長により特定されるDNA塩基配
列決定反応において得られるDNAフラグメントを検出
するための特定の適切なシステムを提供する。4つの色
のDNA塩基配列決定反応と、該反応から生じるDNA
フラグメントの次の分離は既知であり、ここではその詳
細を議論しない。
【0026】4色のDNA塩基配列決定反応における使
用に適する検出システムを示す概略が図4に示されてい
る。図4の検出システム100は、異なる波長の2つの
励起放射光線130,132を提供するために2つのレ
ーザ光線源110A,110Bを必要とする4つの異な
る蛍光標識の検出を意図する。レーザ光線源110A
は、第1および第2の蛍光染料に起因すると考えられる
試料蛍光を励起させることができる。同様に、レーザ光
線源110Bは、第3および第4の蛍光染料に起因する
と考えられる試料蛍光を励起することができる。
【0027】操作の間、レーザ励起放射線源110Aが
作動され、結合ミラー134がレーザ励起光線130を
線源110Aからミラー136上に導く。前記したよう
に、反射された励起光線137は集束レンズ138と放
物面鏡160の開口139とを経て毛管アレイ140内
の最初の毛管の試料体積に至る。前記最初の毛管の試料
体積からの蛍光放出放射線は集められ、フィルタ輪12
0を通過する。図5は、フィルタ輪120の正面図を提
供する。図4および図5を参照すると、放出放射線は、
レーザ光線源110Aの波長で光を遮るようにかつ前記
最初の蛍光染料により放出された蛍光を伝導するように
選択された最初(第1)のフィルタ170に通される。
前記第1のフィルタ170により伝導された蛍光は検出
器150で検出され、処理のために計算手段160に伝
えられる。次に、モータ121がフィルタ輪120を回
転させ、二番目(第2)のフィルタ172を蛍光放出光
線中におく。第2のフィルタ172は、レーザ光源11
0Aの波長の光は遮るが、第2の蛍光染料により放出さ
れる蛍光は通すように設計されている。第2のフィルタ
172により伝導された蛍光は検出器150により測定
される。
【0028】検出器150が、前記アレイの最初の毛管
内の前記第1および第2の蛍光染料に起因すると考えら
れる蛍光放出を検出した後、レーザ光源110Aの動作
が停止され、レーザ光線源110Bが稼動される。該レ
ーザからの光線は、前記したように、前記最初の毛管上
に導かれる。励起された毛管からの蛍光が集められ、レ
ーザ光源110Bへの切り替えと同期して適所に回転さ
れるフィルタ輪120に配置された三番目(第3)のフ
ィルタ174を通過する。第3のフィルタ174は、レ
ーザ光源110Bの波長において励起放射線を遮るが、
第3の蛍光染料の蛍光放出放射線を通すように設計され
ている。前記第3のフィルタにより伝導された蛍光放出
線は検出器150で検出され、その検出信号が処理のた
めに計算手段(図示せず)に伝えられる。次に、モータ
121がフィルタ輪120を回転させ、四番目(第4)
のフィルタ176を前記蛍光放出放射光線中におく。第
4のフィルタ176は、レーザ光源110Bの波長の光
は遮るが、第4の蛍光染料による蛍光放出光線は通すよ
うに設計されている。前記第4のフィルタにより伝導さ
れた蛍光は測定される。
【0029】4つの染料のそれぞれに対応する測定が行
われた後、レーザ光源110Bの稼動が停止され、ミラ
ー135が、反射された励起放射光線137を前記アレ
イの二番目(第2)の毛管上に導くようにガルボ・スキ
ャナ135がミラー136を移動し、前記第1のレーザ
光源が稼動を停止される。
【0030】前記4つの染料のそれぞれについての測定
が前記第2の毛管において行われるまで、前記した順序
が繰り返される。この順序は、前記アレイの毛管のそれ
ぞれについて繰り返される。前記アレイの毛管のそれぞ
れにおける4つの染料のそれぞれについての測定が行わ
れた後、前記ガルボ・スキャナが、ミラー136が反射
された光線を前記アレイの第1の毛管上に導くべく配置
されるように、ミラー136を移動させる。次に、デー
タの収集が完了するまで、全部の順序が繰り返される。
【0031】当業者には、前記した説明が、毛管アレイ
に含まれる多数の毛管のそれぞれにおける多数の蛍光染
料のそれぞれについての検出データを有利に提供するこ
とが理解されよう。各蛍光信号は、前記ガルボ・スキャ
ナの位置決めを前記光子カウンタのゲート周期と同期さ
せることにより、そのそれぞれの毛管に割り当てられ
る。この方法では、各試料体積中の前記蛍光試料の位置
および同一性は、前記分析順序の間のどの時間間隔にお
いても確認することができる。ガルボ・スキャナ、ミラ
ーおよび集束レンズの組み合わせは、急速な試料体積の
励起および検出を可能にする。実際、毛管の移り変わり
を生じさせるために必要な時間の長さは400/100
0000秒のオーダにある。フィルタ輪の回転は、前記
検出器に対し、予め定められた時間間隔における所望波
長の放射線を濾光しかつ通すための便利な手段を提供す
る。他のフィルタ手段は、限定されるものではないが、
本発明の実施には、調子を合わせることができる液晶フ
ィルタが適当である。このような調子を合わせることが
できる液晶フィルタは、これが伝導機能に対して変更お
よび/または追加の便宜を図ることができるため、興味
ある濾光選択である。これは、また、前記光学システム
の回転要素を除去する。
【0032】光電子増倍管および回転フィルタは、ホト
ダイオードまたは電荷結合検出器(CCD)のいずれか
と結合した回折格子と置き換えることができる。
【0033】また、光の発出および蛍光の補集について
のいくつかの代案もまた本発明において使用されること
に留意されるべきである。これらの代案は、専用のレー
ザおよび各毛管のための検出器の使用、画像光学、発散
エレメントおよびCCD(電荷結合素子)のアレイ検出
器の使用、励起のための光ファイバ切替え装置の使用、
励起のためのバイナリ光学ビームスプリッタの使用、波
長可変の液晶発光フィルタの使用、および、励起のため
の回転フェーセットミラーの使用を含む。
【0034】前記したように、試料成分がこれらの電気
泳動分離に引き続いて容易に検出され得るように標識と
して前記試料成分に付することができる蛍光染料は、本
発明における使用に有益である。所与の適用のための蛍
光染料の選択は、関心のある試料成分、検出システムの
形態、特定のレーザおよび検出器の利用可能性等に依存
する。典型的には、蛍光標識はその励起要件および発光
または放出特性に合うように選択される。さらに、前記
蛍光標識または標識の組み合わせの異なる特性に合わせ
て、異なるレーザおよびフィルタまたはレーザおよびフ
ィルタの異なる組み合わせが求められることは、当業者
には明らかであろう。理想的には、本発明の多蛍光染料
システムで利用される蛍光標識は、共通の励起放射線波
長を利用することができるものであり、また、これらの
分析が可能であるように十分に異なる波長の放出放射線
を提供するものである。蛍光標識および標識付け化学は
この分野で周知のことであり、また、ここではさらに詳
説することはしない。種々の蛍光染料および蛍光標識が
商業的に入手可能であり、多くの場合、これらは活性化
形態で購入することができる。これは、試料の電気泳動
分離に先立つ該試料への付着のための調整手段を提供す
る。
【0035】有利なことに、本発明の検出システムは、
各毛管が前記レーザ励起光線および検出器に関して最適
な位置にあるように前記毛管を整列させるように使用す
ることができる。参照によりここに組み入れられている
同時係属米国出願番号08/409,557がこのよう
な整列方法を記載している。本発明において使用される
毛管が前記参照特許出願において教示された方法に従っ
て整列されると、これらは十分な時間、整列を維持され
る。これは、前記毛管を走査するために大きい構成要素
を移動させることに依存しないためである。このような
大きい移動は構成部品の誤整列をしばしば生じさせ、こ
れが、感度の低下を招き、また信号の全損に導くことが
ある。
【0036】先に説明したように、本発明の好ましい適
用は、サンガー・クールソンDNA塩基配列決定反応化
学から生じる蛍光で標識付けられたDNAフラグメント
の分析である。CEに基づく分離をDNA塩基配列決定
への適用に成功裏に適用するため、非常に低い検出限界
が求められることは、当業者には理解されよう。本発明
は、これらの低検出限界を提供し、また、有利なことに
は、試料のハイスループットをもたらす。
【0037】DNA塩基配列決定に基づくCE/LIF
を使用すると、10pM(1兆分の1モル)内の範囲の
蛍光標識濃度の検出限界を示し得る光学システムが、標
準規模の配列決定反応から引き出す順序を与えるのに十
分な信号対雑音比を有する電気泳動図を生じさせる。以
下の実施例において、信頼性のあるDNA塩基配列決定
データを提供する本検出システムの能力が示される。
【0038】
【実施例】実施例1 この実験では、本発明の多毛管検出システムの性能が、
サンガー・クールソンDNA塩基配列決定反応から得ら
れたDNAフラグメントの分析において明らかにされ
る。配列決定反応は、D673として知られた標識化さ
れた蛍光を含むプライマのヌクレオチドを利用すること
を含む。D673の構造は図6に示されている。この蛍
光標識は、約639nmの励起放射線で励起され、その
発光または放出放射線の最大は673nmで生じる。
【0039】前記実験を行うために用いられるシステム
は、図7に一般的なレイアウトの形態で示されている。
赤色ダイオードレーザ200(639nm、1.3m
W、モデルTSX−1、Uniphaseより購入)の
出力光線がレーザ線路フィルタ210(640nm、7
nm FWHM(全幅、最大の半分) Barr As
sociatesより供給)を介して方向付けられ、ま
た、ガルバノメータスキャナ(モデルG120DT、G
eneral Scanning Inc.により供給
されている。)の回転制限駆動軸に固定された小さい鏡
230(モデルM0540V、General Sca
nning Inc.により供給されている。)で90
゜で反射される。前記操作ミラーで反射された光線23
5は平凸レンズ240(モデル41340、Orie
l,Inc.により供給されている。)を通るように方
向付けられ、直径2.54cm(1インチ)の放物面鏡
250(モデル1587、カリフォルニア州 トーラン
スのCarley,Inc.により供給されている。)
の側部にある開口245を通るように焦点を合わせられ
ている。この光線は、8つの融解石英製の毛管(TSP
100200、アリゾナ州 フェニックスのPolym
icro Technologies,Inc.により
供給されている。)であって放物面鏡250の焦点に関
して直線状のアレイ255に保持された毛管の任意の一
つの中心に焦点を合わされている。前記焦点を合わされ
た光線は前記毛管の内径内を通り、前記反射鏡の反対の
側部の第2の穴265を経て前記反射鏡を励起する。
【0040】前記毛管の内径内で生じる蛍光の放出光線
は、放物面鏡255により集められ、平行にされる。前
記放出光線は、符号260で一まとめにして示された一
連の光学フィルタ、すなわち(1)前記レーザ光の波長
での高い拒絶性を有するロングパスフィルタ(Barr
Associates製の650nmロングパスカス
タム)と、(2)バンドパスフィルタ(Oriel,
Inc.製の680nm、10nm FWHM)とから
なる光学フィルタを経て検出される。濾光された放出光
は、次に、両凹レンズ(図示せず)を使用する縦形光電
子増倍管270(Hamamatsuにより供給される
モデルナンバーC31034, RCAまたはモデル4
632)上に焦点を合わされる。
【0041】光電子増倍管270は、光子計数モードで
操作される。光電流パルスは、モデルSR445高速前
置増幅器およびモデルSR400弁別器(Stanfo
rdResearch Systems,Inc.によ
り供給されている。)を用いて電圧に変換され、増幅さ
れ、識別され、次に計数器(カウンタ)(Kineti
c Systemsにより供給されるモデル3615ヘ
ックススケール)に送られる。D/A変換器の出力端
(Kinetic Systemsにより供給されたモ
デル21112, 12ビットDAC)を介した光子計
数のゲートおよびガルボ制御が、デジタル遅延/パルス
発生器(Stanford Research Sys
tems Inc.により供給されるモデルDG53
5)を用いて同調または同期される。PCコンピュータ
とのコミュニケーションは、並列レジスタ(DSP T
echnologies,Inc.により供給されるモ
デルPR−604)、CAMACコントローラカード
(DSP Technologies,Inc.により
供給されるモデル6002)およびPCアダプタカード
(DSP Technologies,Inc.により
供給されるモデルPC−004)を用いて行われる。
【0042】8毛管アレイ255が、放物面鏡250の
下方に配置された高圧流体マニホルド(図7には図示せ
ず)に接続されている。前記高圧流体マニホルドの配置
は図3に示されており、符号480で示されている。こ
の流体マニホルドは、ゲル取り替えモードにおいて、ゲ
ルシリンジポンプから前記毛管にポリアクリルアミド分
離ゲルを通し、あるいは、ゲル除去モードにおいて、前
記毛管の端部を通して廃棄のために出させる。また、流
体マニホルド13は、ある意味では、高圧回路接地が前
記マニホルド塊内の金属製フィッティングである「出口
緩衝剤容器」としての役割をなす。前記毛管アレイの入
口端部は、マイクロタイタ(microtiter)プ
レートの上方に配置された毛管ハーネスに接続されてい
る。
【0043】高電圧電源285の出力端は、電流モニタ
室290内の8つの独立した通路に分けられている。デ
ータの取得は、周波数を直接測定することにより、また
は、周波数−電圧変換を行い、次いで電圧を測定するこ
とにより行われる。
【0044】前記検出システムは、2Hzのアレイ走査
速度を得るために0.5秒ごとに毛管アレイ走査を生じ
させることにより操作される。パルス発生装置(図示せ
ず)は、ミラー230が新たな毛管に励起放射線を再び
向けるように、前記ガルボスキャナをトリガする各パル
スで16Hzのパルス列を発する。前記パルス発生装置
は、それぞれの新たなミラー位置に従う短時間の遅れを
設定し、次に、各毛管のドエル時間について光子計数間
隔をゲートする。表1にはこの実験のための適切なタイ
ミングパラメータが載っている。
【0045】
【表1】一色タイミングパラメータ
【0046】3つの理由から、操作の光子計数モードに
おいて、近赤外線拡張光電子増倍管270が用いられ
た。光子計数が、1000分の1秒当たりの光子のカウ
ント数が100ないし400のオーダである分析システ
ムで使用される光のレベルのための最良の結果を与える
ため、このモードが好ましい。また、光子計数が非常に
早い検出モードであり、これが、検出信号が適当な毛管
およびスペクトルチャンネルに迅速に割り当て可能でな
ければならない走査の実行に容易に適合させる。第3
に、光子の計数は、ガルボ段階走査と同調させるために
非常に都合のよい検出モードである。
【0047】前記塩基配列決定反応から得られたD
673による標識化DNAフラグメントは、今説明した
システムに前記反応試料を入れることにより分離され
た。図8は、前記ガルボ走査システムを用いて測定され
た8つの電気泳動図を示す。(毛管4は、電流がこの操
作の早い時期に消失したため、このプロットに表示され
ていない。)これらの電気泳動図に示されたデータは、
DNA塩基配列決定フラグメントをサイズ範囲35ない
し323塩基を超えて分離した結果を示す拡張されたス
ケールである。本発明の検出システムは優れた信号対雑
音比を提供した。これらの結果は、各毛管における試料
体積に段階的に励起放射線を移動するための方法に基づ
くガルボスキャナと組み合わされたこの実験に使用され
た走査パラメータがDNA塩基配列決定フラグメントの
高感度検出を提供することを示す。
【0048】この実験の経過の間、前記ガルボスキャナ
が、ここに記載された形態における1ないし8つの毛管
の範囲を超えて非常に多目的に使用可能であることが証
明された。例えば、前記ガルボスキャナは、8つの全て
の毛管または全ての特定順番の任意数の毛管を走査する
ことを必要としない。また、最適な使用率を維持する
間、任意数の毛管に向けるために順序のタイミングを変
更することは簡単な事項である。4つおよび8つの毛管
の両アレイを提供することは、この方法を用いる簡単な
事項である。
【0049】ミラーの移動を正確に制御し、励起光線を
毛管の試料体積に導く前記ガルボスキャナの能力は例外
である。毛管から毛管への推移(200μmの距離)に
要する時間は100万分の400秒であり、サイクルを
繰り返すための帰還走査は1000分の1秒であった
(毛管1から毛管8、または約1400μm)。実際に
ガルボスキャナとミラーとを移動させるために使われる
走査時間の割合は0.79%であり、これに対し、試料
のドエルとデータ収集とに使われる実際の時間の割合は
99.24%であった。
【0050】実施例2 次の実施例は、本発明の検出システムを利用する4つの
蛍光標識の検出を明示する。重要なのは、この実験で
は、光子の計数検出のためのゲートする時間間隔が4つ
のファクタのうちの少なくとも1つにおいて低減され、
その結果、計測時間の実質的な減少と、潜在的な性能低
下とが生じた。前記4つの蛍光標識は、前記のまた図6
に示すD673と、図9に示す、650nmのレーザラ
インで励起可能でありまた715nmの放出放射線を有
するD715と、図10に示す、750nmのレーザ光
で励起可能でありまた775nmの放出放射線を有する
77 と、図11に示す構造を有し、750nmのレ
ーザ光で励起可能でありまた820nmの放出放射線を
有するD820とを含む。当業者には、これらの4つの
蛍光標識の組み合わせが、2つのレーザ光源システムと
単一の検出器とを用いて励起されまた検出される塩基配
列決定反応から分離されたDNAフラグメントの検出を
可能とすることは理解されよう。すなわち、約650な
いし750の範囲の励起放射を与える2つのレーザ光源
を選択しかつ673nmから820nmまでの蛍光放出
を検出することができる検出器を提供することにより、
本発明の検出システムは効果的に前記分離されたDNA
フラグメントを励起させかつ検出することができる。
【0051】予備的には、多数の蛍光標識を励起し、検
出することは、各毛管のドエルのための測定時間の低減
を必要とするため、信号対雑音比に依存する、低減され
た測定時間の効果が実施例1で述べた単一の蛍光標識を
用いて詳細に調べられた。これは、単一の蛍光標識実験
と関連するゲートする時間間隔を、4つの蛍光標識実験
(約1000分の10秒)のそれを真似るために単に減
少させることにより行われた。
【0052】前記4つの蛍光標識試験システムは、図4
に示すような光学レイアウトを有する2つのダイオード
レーザが励起放射線源として使用されたことを除き、図
7に示すものと類似のシステムにおいて行われた。加え
て、図7に符号260で集合的に示された前記フィルタ
は、図5に示すようなフィルタ輪で置き換えた。前記2
つのダイオードレーザは、Uniphaseにより供給
された650nm、1.3mWレーザおよび同様にUn
iphaseにより供給された750nm、1.3mW
レーザである。
【0053】実施例1で説明したように、前記毛管の内
径内で発生する蛍光放出線は、前記放物面鏡により集め
られ、平行にされる。この放出線は、フィルタ輪に含ま
れた光学フィルタを介して方向づけられる。前記フィル
タ輪は4つの象限を含む。前記象限のそれぞれは、次の
ように、異なるフィルタからなる。
【0054】象限1のフィルタは650nmのレーザ波
長で高い除去性を有し、また、D 73により放出され
た蛍光の範囲で高い伝導性または透過性を有する。
【0055】象限2のフィルタは、650nmのレーザ
波長で高い除去性を有し、また、D 715により放出さ
れた蛍光の範囲で高い透過性を有する。
【0056】象限3のフィルタは、750nmのレーザ
波長で高い除去性を有し、また、D 775により放出さ
れた蛍光の範囲で高い透過性を有する。
【0057】象限4のフィルタは、750nmのレーザ
波長で高い除去性を有し、また、D 820により放出さ
れた蛍光の範囲で高い透過性を有する。
【0058】操作上、650nmレーザが毛管を照らす
ために作動され、また、前記フィルタ輪がレーザ光線中
に象限1をおくために回転される。次に、濾光された放
出線が両凸レンズを用いる縦形光電子増倍管の光電陰極
に焦点を合わせられ、D67 に対応する読み取りが行
われる。次いで、前記フィルタ輪が、象限2が前記レー
ザ光線中におかれるように回転され、D715に対応す
る読み取りが行われる。次に、前記650nmレーザが
そのスイッチを切られ、750nmレーザがそのスイッ
チを入れられる。次いで、前記フィルタ輪が、象限3が
前記レーザ光線中におかれるように回転され、D775
に対応する読み取りが行われる。次に、前記フィルタ輪
が、象限4が前記レーザ光線中におかれるように回転さ
れ、D 20に対応する読み取りが行われる。前記ガル
ボスキャナの操作のためのタイミングダイアグラムが図
4に示されている。
【0059】前記光電子増倍管は実施例1で説明した光
子計数モードで操作され、また、全ての他の点におい
て、前記毛管システムおよびマニホルドの操作は前記し
たとおりである。
【0060】DNAフラグメントは、前記した4つの蛍
光標識のそれぞれでオリゴヌクレオチドプライマに標識
付けを行うことにより、サンガー・クールソン型の塩基
配列決定反応において生じる。塩基配列決定をされたD
NA鋳型はmM13mp18であった。分離されたフラ
グメントは、前記したシステム上にある。図12は、単
一の毛管から4つのチャンネルのそれぞれから得られた
電気泳動図を示す。そのデータは、本発明の検出システ
ムが多数の蛍光標識の励起を生じさせることができ、ま
た、これらの効果的な電気泳動分離と同時の同じ多数の
蛍光標識の放出を検出することができることを明示す
る。
【0061】実施例3 多数の蛍光標識された被検体の識別における本発明の検
出システムの性能を評価するため、前記4つの蛍光標識
(D674,D715,D775,D820)のそれぞ
れの「識別特性」が得られた。前記識別特性は、本発明
のシステムの前記フィルタ輪が、残りの3つの蛍光標識
に起因すると考えられる蛍光放出を除去する程度を示
す。前記実験は、2.6nMのD673、4.3nMの
715、6.9nMのD775および2.9nMのD
820の溶液を分析することを含む。
【0062】したがって、図13を参照すると、データ
が象限1における前記フィルタ輪での測定時間の間に集
められるとき、D673が測定される。図13は、象限
1に集められたデータが優位的にD673の信号である
ことを示す。同様に、象限2において、前記信号が、優
位的に、該データにより支持されるD715信号であ
る。1000分の10.6秒当たりの高いカウント数か
ら、この実験がこれらの蛍光標識の効果的識別を明示
し、また、D673、D715、D775について1兆
分の1モルの検出限界を明示している。
【0063】明らかに、本発明の検出システムでのこれ
らの使用を伴う高感度検出は、これらの蛍光標識が多毛
管CE−LIFに基づく分離での使用に適していること
を示す。
【0064】DNA塩基配列決定反応における共通の標
識化方法は、蛍光標識でジデオキシターミネータを標識
化することを含む。塩基配列決定反応から生じるDNA
フラグメントは、次に、これらの終末において標識化さ
れる。前記4つ蛍光標識について得られた前記データ
は、(D673−ddATP、D715−ddUTPお
よびD775−ddGTP)のような標識化ジデオキシ
ターミネータがD673−ddATPおよびD715
ddUTPについて1兆分の1の検出限界で観察するこ
とができ、また、D775−ddGTPについての20
pM検出限界を達成することができる。有利なことに、
これらの蛍光標識が、サンガー・クールソン塩基配列決
定反応に組み入れるジデオキシターミネータに組み入れ
られ得ることは知られている。したがって、本発明の検
出システムにおけるこれらの使用を伴う前記高感度検出
は、これらの蛍光標識が、多毛管CE−LIFに基づ
く、本発明の検出システムを使用するDNAフラグメン
トの分離での使用に適することを示す。
【0065】本発明は、先に示しまた説明したおよび単
に図示した特定の実施例に限定されない。種々のまた多
数の他の配列または装置が、当業者により、この発明の
精神および範囲から離れることなく工夫されよう。例え
ば、本発明の検出システムは、燐光を発する標識、化学
発光標識または電気化学発光標識に基づく検出に適用可
能である。
【0066】本発明の検出システムには、DNA塩基配
列決定反応から生じるDNAフラグメントの分離および
検出に加えて、多数の適用における有用性がある。次の
議論において、多数の適用例が説明され、これらの全て
は本発明の高い処理量および検出感度特性により利益を
受ける。
【0067】ここで説明した検出システムを備える高処
理量のCE−LIFのための1適用例は、DNA増幅生
成物(例えば、PCR生成物)の分析を含む。増幅され
たDNAの存在についての簡単な検定は、非特定のDN
A増幅の可能性のため、受け入れられない。
【0068】増幅されたDNAの存在について分析する
ための最近の1方法は、ハイブリッド形成プローブの使
用を含む。その多くの有利なハイブリッド形成にもかか
わらず、骨の折れる洗浄工程に時間を要し、また、液体
操作のような自動化は精巧な装置を必要とする。加え
て、それらに与えられている前記プローブおよびフォー
マットのコストはこのやり方を高価なものにする。本発
明の高処理量検出システムを用いる自動化されたCE−
LIFによる直接のDNAサイズの分析は、ハイブリッ
ド形成に基づく検定より迅速であり、安く上がる。この
ような適用のための本発明の検出システムの利用は、試
料および標準が、これらを区別するために異なる蛍光標
識を用いて、並列に共に処理されることを可能にする。
【0069】本発明の高処理量の多毛管検出システムの
他の有用な魅力ある適用は、HLAタイピング(HLA
typing)に関する。HLAタイピングは、器官
および骨髄の移植と、配列特異プライマ(SSP)がド
ナー当たり60PCRほどの反応を必要とすることによ
り一般に特徴づけられた座の間の最適な識別とのために
求められる。したがって、分離、サイズの決定および遺
伝子型の帰属を自動化することが大いに望まれている。
HLA多形性も、また、法医学上の父性の決定および個
の特定のための有用なマーカーを提供する。
【0070】HLAタイピングに関する他の適用は、ハ
イブリッド植物分析において共通の、多形性遺伝地図作
成を経る遺伝子型である。この適用において、高多形性
(異なる固体間で長さがしばしば変わり得る)でありま
たゲノム(例えば、好ましい特質)の関心ある部分と関
連する短い部分が特定され、また、前記可変部分の側に
ある高度に保護された順序(全ての固体において同じで
ある順序)にハイブリッド形成するプライマが前記可変
部分を増幅するために用いられる。一組の多形性位置か
ら得られたサイズ情報は、雑種内の異なる遺伝子の親の
起源についての情報を提供し、また、さらなる分析のた
めの個体の選定を可能にする。前記一組の多形性位置
は、並列に、高処理量を求めて、または異なる蛍光標識
が各プライマ対に用いられている場合は同時に(多重通
信されて)、多色能力を求めて、分析することができ
る。
【0071】法医学的な同定および遺伝スクリーニング
におけるDNA増幅の適用増大の趨勢がある。しかし、
これらのテストの多くの重大な関連は、結果の正確性に
対する過度の要求をならべる。増幅技術の有用性を確立
する導入局面において、第2の技術によりスクリーニン
グを介して得られる結果の確認が求められる。DNA増
幅生成物のスクリーニングを介して得られる結果の最終
確認は、問題の試料のDNAの順序を直接に決定する。
しかし、DNAの塩基配列を決定することは労働集約的
であり、日常の作業のために基礎的研究所を除き必要な
多くの工程の自動化が必要とされる。自動ゲル取り替え
を有し、ここで説明した高処理量システムと結合された
毛管を基礎とする装置は、これらの要求の多くを満た
す。
【0072】研究利用に対する診断用アッセイにDNA
を導入する利点の一つは、一般に、選別される増幅生成
物の正常配列が既知であることである。これは、自動化
された装置に委ねられた要求を非常に少なくする。前記
装置内にDNA配列の基準パターンであって、後にスク
リーニングにより選択されたDNA試料の塩基配列決定
から選ばれるパターンと自動的に比較される基準パター
ンを作ることができることが期待される。2つのパター
ンにおける相違を認識するタスクは、未知の配列を呼び
出すことより困難は少ない。加えて、本質的に同一の配
列が繰り返し検査されるため、標識化プライマを使用す
ることができ、これが典型的に、他の標識化方法に比べ
て優れた配列決定結果を生じさせる。
【0073】CE−LIF検出を利用する均一系の競合
法免疫アッセイは、本発明の検出システムから潜在的利
益をもつ他の応用である。競合法免疫アッセイは、次の
式により一般的に表わすことができる。 Ag + Ag + AB → Ag−AB + A
−AB + Ag Ag =血清試料内の抗原(標本のためのジゴキシン) Ag=プローブ試薬として合成された標識化抗原 AB =抗原に対する抗体(制限された量)
【0074】より詳細には、また、CE−LIF、ジゴ
キシン標識化テトラメチルローダミン(蛍光分子)によ
る同種の競合する免疫検定の標本としてジゴキシン検定
を使用して、電荷搬送媒体としてオリゴヌクレオチドを
使用して、免疫化学反応を精査するための種として用い
られる。ジゴキシンに対する抗体の付加が、Ag−A
B複合体の形成物を生じさせる。LIFシステムを用い
ると、検出することができる2つの種、すなわち自由な
蛍光標識化ジゴキシン(Ag)と、蛍光標識化ジゴキ
シンに結合された抗体(Ag−AB)とが存在する。
医療環境では、多数の試料が同時に分析され、本発明の
高処理量特性により分析時間が低減され、また、感度が
高められる。
【0075】有利なことに、本発明は、モデルシステム
としてジゴキシンおよびテオフィリンを使用して例示す
ることができる多数の被検体の免疫検定システムにおい
て特に有用である。生物学的流体中にジゴキシン(D)
とテオフィリン(T)とを含む試料は、ジゴキシン(F
ab)とテオフィリン(M−Ab)とに対する限定量の
抗体を有する蛍光標識化ジゴキシン(D)と蛍光標識
化テオフィリン(T)に対して競合する。Dおよび
の量は、前記生物学的流体中に存在するジゴキシン
とテオフィリンとの量に直接関連する。当業者には、本
発明の検出システムが、CE−LIF分離および検出を
使用する多数の被検体検定において要求される高感度と
高い試料処理量とを提供することができることが理解さ
れよう。
【0076】前記した本発明の特定の実施例の説明は、
明確にするためまた記述のために表わされている。これ
らは、完全であることまたは開示された正確な形態に本
発明を限定することを意図するものではなく、さらに、
前記の教示に照らして多くの変更および種類が有り得
る。本発明の範囲はここに添付の請求の範囲およびこれ
と均等のものにより規定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多毛管検出システムの概略図である。
【図1A】図1の線1A−1Aに沿って得られた断面図
である。
【図2】走査ミラー、レンズおよび毛管アレイの向きを
示す図である。
【図3】放物面鏡およびアレイの概略図であり、また、
毛管へ入る流体を制御するための流体マニホルドを示
す。
【図4】本発明の多毛管検出システムの概略図である。
【図5】本発明の実施に有用なフィルタ輪の詳細を示
す。
【図6】蛍光標識D673の構造を示す。
【図7】本発明の検出システムを使用するための全体的
なシステムのレイアウトを示す。
【図8】DNA塩基配列決定反応から得られたDNAフ
ラグメントを分析するために本発明の検出システムを利
用して得られた一組の電気泳動図である。
【図9】蛍光標識D715の構造を示す。
【図10】蛍光標識D775の構造を示す。
【図11】蛍光標識D820の構造を示す。
【図12】本発明の検出システムを用いて得られた4つ
の電気泳動図である。
【図13】各蛍光標識からの放出についての複数組の並
列データを得る間に4つの異なる蛍光標識のそれぞれに
ついて得られた蛍光の識別特性を示す。
【図14】2Hzの走査速度での8毛管、4実験のタイ
ミング図を示す。
【図14A】図14の一部分1Aの拡大されたタイミン
グ図である。
【符号の説明】
10 検出システム 12 電磁放射線源 13、480 流体マニホルド 14 励起放射線 16、136、230 ミラー 17 反射励起光線 18 スキャナ・走査手段 20、138 集束レンズ 21 試料体積 22、140、255、400 毛管アレイ 28、150 検出器/光電子増倍管 29 計算システム 32 放出蛍光放射線 34、35、37、260、430、440 フィル
タ 36、160、250、410 放物面鏡 38 第1の開口 39 第2の開口 40、420 散乱バー 100 検出システム 110A、110B、200 レーザ光線源 120 フィルタ輪 121 モータ 130 励起放射光線 132 励起放射光線 134 結合ミラー 135 ガルボ・スキャナ 137、235 反射された励起光線 139 開口 170 第1のフィルタ 172 第2のフィルタ 174 第3のフィルタ 176 第4のフィルタ 210 レーザ線路フィルタ 240 平凸レンズ 245 開口 265 第2の穴 270 縦形光電子増倍管 285 高電圧電源 290 電流モニタ室 450 検出装置 460 光子カウンタ 470 スキャナ制御装置
フロントページの続き (71)出願人 591028256 4300N.Harbor Boulevar d Fullerton,Califor nia 92834−3100 U.S.A. (72)発明者 ペントーニー、 スティーブン エル ジ ュニア アメリカ合衆国 92686 カリフォルニア 州 ヨーバ リンダ レイクヴュー 5126 (72)発明者 レイクストロー、 デイヴィッド ジェイ アメリカ合衆国 94539 カリフォルニア 州 フレモント チャードンネイ ドライ ヴ 521 Fターム(参考) 2G043 BA16 CA03 EA01 EA19 FA01 FA06 GA01 GA07 GB01 GB19 HA01 HA03 HA06 JA02 JA04 KA01 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 NA05

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多毛管検出システムにおける1の分析試料
    から放出される電磁放射線を検出するためのシステムで
    あって、 (a)それぞれが毛管カラムの一部内に閉じ込められた
    複数の分析試料体積と、 (b)電磁放射線源と、 (c)前記電磁放射線源からの電磁放射線を受け止めか
    つ該電磁放射線を選択された1の前記試料体積に反射す
    るためのミラーと、 (d)前記ミラーから反射された電磁放射線を前記毛管
    カラムの中心に位置する前記試料体積に集束させるため
    の集束レンズと、 (e)反射された前記電磁放射線を1の試料体積に向け
    るために前記ミラーを移動することにより該ミラーを制
    御する、前記ミラーに取り付けられたスキャナと、 (f)前記試料と前記反射された電磁放射線との相互作
    用の結果として生じるものである前記試料体積からの試
    料電磁放射線を集めるためのコレクタ手段としての放物
    面鏡と、 (g)前記試料体積からの試料電磁放射線を検出するた
    めの検出器とを含み、前記試料体積は、前記放物面鏡の
    焦点近傍であって、各試料体積からの前記試料電磁放射
    線が前記放物面鏡により反射されて前記検出器に向けら
    れるように位置する、検出システム。
  2. 【請求項2】前記毛管カラムが、同一平面内の複数の並
    列な毛管カラムを含む毛管アレイを形成する、請求項1
    に記載のシステム。
  3. 【請求項3】前記電磁放射線源がレーザである、請求項
    1に記載のシステム。
  4. 【請求項4】前記スキャナがガルボスキャナである、請
    求項1に記載のシステム。
  5. 【請求項5】前記放物面鏡が、各試料体積と接触させる
    ための前記反射された電磁放射線の第1の入口開口を含
    む、請求項1に記載のシステム。
  6. 【請求項6】前記検出器が、光電子増倍管、電荷結合素
    子およびホトダイオードからなるグループから選ばれ
    る、請求項1に記載のシステム。
  7. 【請求項7】(a)前記試料が蛍光標識を含む分析試料
    であり、 (b)前記毛管カラムが毛管アレイを形成し、 (c)前記電磁放射線源が励起放射線源であり、 (d)前記試料電磁放射線が、前記蛍光標識と相互作用
    する前記励起放射線の結果として生じる蛍光放出であ
    り、また (e)前記コレクタ手段が前記蛍光放出を集めるための
    ものである、請求項1ないし6のいずれかに記載のシス
    テム。
  8. 【請求項8】前記放物面鏡が、前記反射された励起放射
    線を受け入れるための第1の開口と、前記蛍光放出を伝
    導するための第2の開口とを含み、該放物面鏡が前記毛
    管アレイの周囲に位置する、請求項7に記載のシステ
    ム。
  9. 【請求項9】さらに、選択された波長の励起放射線を前
    記ミラーに伝導するためのフィルタ手段を含む、請求項
    7に記載のシステム。
  10. 【請求項10】さらに、選択された波長の放出放射線を
    前記検出器に伝導するためのフィルタ手段を含む、請求
    項7に記載のシステム。
  11. 【請求項11】さらに、前記毛管アレイにより散乱され
    た散乱電磁放射線を遮るための手段を含む、請求項7に
    記載のシステム。
  12. 【請求項12】多毛管検出システムにおける蛍光標識を
    含む1の分析試料から放出される電磁放射線を検出する
    ためのシステムであって、 (a)同一平面内に並列関係に配置され毛管アレイを形
    成する複数の毛管カラムの一部内にそれぞれ閉じ込めら
    れた複数の分析試料体積と、 (b)少なくとも1つの励起放射線源と、 (c)前記励起放射線源からの前記励起放射線を受け止
    めかつ前記励起放射線を前記試料体積に反射するための
    ミラーと、 (d)前記ミラーから反射された電磁放射線を前記毛管
    カラムの中心に位置する前記試料体積に集束させるため
    の集束レンズと、 (e)反射された前記電磁放射線を1の試料体積に向け
    るために前記ミラーを移動することにより該ミラーを制
    御する、該ミラーに取り付けられたガルボスキャナと、 (f)前記毛管アレイを取り巻く放物面鏡であって、該
    放物面鏡が反射された励起放射線を受け入れるための第
    1の開口と蛍光放出を伝導するための第2の開口とを含
    み、前記蛍光放出が、前記蛍光標識と相互作用する前記
    励起放射線の結果として生じる、放物面鏡と、 (g)それぞれが選択波長の放出放射線を伝導すること
    ができる複数のフィルタ手段を含むフィルタ輪と、 (h)前記放物面鏡により伝導された前記蛍光放出を検
    出するための検出器とを含み、 前記試料体積は、前記放物面鏡の焦点近傍であって、各
    試料体積からの前記試料電磁放射線が前記放物面鏡によ
    り反射されて前記検出器に向けられるように位置する、
    検出システム。
  13. 【請求項13】さらに、前記毛管アレイの軸線に対して
    直角な平面内に配置された散乱バーを含む、請求項12
    に記載の検出システム。
  14. 【請求項14】前記検出器が光電子増倍管を含む、請求
    項12に記載の検出システム。
  15. 【請求項15】さらに、前記検出器から受け入れた信号
    を処理するための計算手段を含む、請求項12に記載の
    検出システム。
  16. 【請求項16】それぞれが複数の試料体積の1つの内部
    に含まれる複数の試料の存在を検出する方法であって、 (a)i)複数の前記試料体積を収容するための複数の
    試料チャンネルと、 ii)電磁放射線源と、 iii)該放射線源からの電磁放射線を受け入れかつ前
    記電磁放射線を前記試料体積に反射するためのミラ−
    と、 iv)前記ミラーから反射された電磁放射線を前記毛管
    カラムの中心に位置する前記試料体積に集束させるため
    の集束レンズと、 v)該ミラーに取り付けられた、前記ミラーを制御する
    ためのスキャナと、 vi)反射された前記電磁放射線と前記試料との間の相
    互作用の結果として生じる前記試料体積からの試料電磁
    放射線を集めるためのコレクタ手段としての放物面鏡
    と、 vii)前記試料電磁放射線を検出するための検出器と
    を含む、検出システムを準備すること、 (b)前記電磁放射線源から前記ミラーに電磁放射線を
    送ること、 (c)前記ミラーから反射された電磁放射線を集束レン
    ズにより前記毛管カラムの中心に位置する前記試料体積
    に集束させること、 (d)前記電磁放射線が前記ミラーから反射され、第1
    の試料体積上に焦点を合わせるように前記ミラーを整列
    させるべく前記スキャナを操作すること、 (e)前記試料電磁放射線を前記検出器において検出す
    ることを含み、 前記試料体積は、前記放物面鏡の焦点近傍であって、各
    試料体積からの前記試料電磁放射線が前記放物面鏡によ
    り反射されて前記検出器に向けられるように位置する、
    検出方法。
  17. 【請求項17】前記検出工程に引き続き、さらに、 (a)前記電磁放射線が前記ミラーから反射され、第2
    の試料体積に焦点が合わされるように前記ミラーを整列
    させるべく前記スキャナを操作すること、および、 (b)前記反射された電磁放射線と前記第2の試料体積
    内の試料との間の相互作用の結果として生じる試料電磁
    放射線を前記検出器において検出することを含む、請求
    項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】一度にひとつが連続的に、前記電磁放射
    線が前記ミラーから反射され、前記試料体積上に焦点を
    合わされ、また、前記試料電磁放射線が検出されるよう
    に前記ミラーを連続して繰り返されるように整列すべ
    く、前記スキャナを操作する、請求項17に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】(a)前記試料が蛍光標識化試料であ
    り、 (b)前記検出システムが、毛管アレイを形成するよう
    に同一平面内に配列された複数の毛管カラムを含み、ま
    た、各試料体積が前記毛管カラムの一つの一部内に閉じ
    込められており、 (c)前記電磁放射線が前記試料との前記反射された励
    起放射線の相互作用の結果としての蛍光放出であるよう
    に、前記放射線源が励起放射レーザー源であり、 (d)前記検出システムが、i)前記毛管アレイを取り
    巻く前記放物面反射鏡と、ii)前記放物面反射鏡から
    前記検出器に選択波長の蛍光放出を伝えるための複数の
    フィルタ手段を含むフィルタ輪とを含み、 (e)前記検出工程が、i)前記フィルタ輪を回転させ
    ること、ii)第2の波長を有しかつ前記反射された電
    磁放射線と前記試料との間の相互作用の結果として生じ
    る蛍光放出放射線を前記検出器において検出すること、
    およびiii)前記励起放射線を前記ミラーに送るよう
    に第2の励起放射線源を作動させることを含み、 (f)前記方法が、i)前記励起放射線を前記ミラーに
    送るように第2の励起放射線源を作動させること、およ
    びii)第3の波長を有しかつ前記反射された電磁放射
    線と前記試料との間の相互作用の結果として生じる蛍光
    放出放射線を前記検出器において検出することを含む、
    請求項16に記載の方法。
  20. 【請求項20】(a)前記毛管カラムが毛管泳動アレイ
    内にあり、 (b)前記試料が蛍光標識化試料であり、 (c)前記電磁放射線源が前記蛍光標識化試料を励起さ
    せるための第1の励起光源および第2の励起光源を含
    み、前記標識化試料が第1の励起可能標識、第2の励起
    可能標識、第3の励起可能標識および第4の励起可能標
    識を含み、前記標識化試料が前記毛管電気泳動アレイの
    毛管内に含まれており、 (d)前記スキャナが、前記アレイ内の各毛管を連続的
    に照らすべく前記励起光源からの反射光線を移動させる
    ために前記ミラーを制御し、また、 (e)前記検出器が、i)前記第1の励起光源の波長で
    の妨害を示し、また、第1の励起可能標識から放出され
    た信号のスペクトル領域での伝導を示す第1のフィルタ
    と、ii)前記第1の励起光源の波長での妨害を示し、
    また、前記第2の励起可能標識から放出された信号のス
    ペクトル領域での伝導を示す第2のフィルタと、ii
    i)前記第2の励起光源の波長での妨害を示し、また、
    前記第3の励起可能標識から放出された信号のスペクト
    ル領域での伝導を示す第3のフィルタと、iv)前記第
    2の励起光源の波長での妨害を示し、また、前記第4の
    励起可能標識から放出された信号のスペクトル領域での
    伝導を示す第4のフィルタと、v)前記異なる毛管から
    の信号を受け入れるための手段であって、前記信号が前
    記反射された光線と前記異なる毛管内に含まれた試料と
    の相互作用の結果として生じる、受け入れ手段とを含
    む、請求項1に記載のシステム。
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