JP2003328250A - ポリアミドマルチフィラメント織物及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミドマルチフィラメント織物及びその製造方法

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JP2003328250A
JP2003328250A JP2002134519A JP2002134519A JP2003328250A JP 2003328250 A JP2003328250 A JP 2003328250A JP 2002134519 A JP2002134519 A JP 2002134519A JP 2002134519 A JP2002134519 A JP 2002134519A JP 2003328250 A JP2003328250 A JP 2003328250A
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範樹 福西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄くても引裂き強力に優れ、機能膜加工を施し
ても必要最小限の引裂き強力を有したソフトでコンパク
ト性に優れた寝袋、テント類、パラグライダー、パラシ
ュート、スキー・スノーボードウェア、アウトドアウェ
アなどの資材、衣料品に好適なポリアミドマルチフィラ
メメント織物を提供すること。 【解決手段】繊度が60デシテックス以下、10%伸長
時の強度が2.0から3.0cN/dtex、破断伸度35〜
50%のナイロン6マルチフィラメントを無撚で糊付け
を行い、次いで平組識、若しくはリップストップ組識で
製織することにより、JIS−L−1096に記載され
るシングルタング法による経糸切断および緯糸切断方向
の引裂き強力(L)がともに1.5kgf以上であり、
且つシングルタング法によって描かれた引裂き強力のチ
ャートにおいて、引裂き強力(L)と極小点(S)の関
係がL−S/L≦0.5であるポリアミドマルチフィラ
メント織物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄くソフトな風合い
を有しており、かつ引裂き強力に優れた衣料、資材用織
物に関し、特にラミネート等の膜加工に好適に用いられ
るポリアミドマルチフィラメント織物及びその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】昨今のアウトドアブームに代表されるよ
うに消費者のレジャー志向は年々高まり、それによりス
キー・スノーボードウェア、アウトドアウェアなどのス
ポーツ分野を含む衣料用途、鞄、寝袋、テント類、パラ
グライダー、パラシュート等の資材用途の織物の需要は
増えてきている。ところで、このようなスキー・スノー
ボードウェア、アウトドアウェアなどのスポーツ分野を
含む衣料用途、鞄、寝袋、テント類、パラグライダー、
パラシュート等の資材用途の織物には高強力が求めら
れ、特に引裂き強力や摩耗強力の向上が求められる。特
にラミネート加工のような膜加工を施す場合は織物の糸
滑りがおきにくい為、引裂き強力が低下しやすい傾向に
あり、ますます基布の引裂強力の向上が望まれている。
【0003】引裂き強力を必要とする繊維製品を得るた
めにポリアミドフィラメントの強度を上げる手段として
は特開平11−247022号公報に記載があり、延伸
倍率を上げ高強度のポリアミドフィラメントを得る方法
が開示されている。しかし、そのような糸は10%伸長
時の強度が高くなり逆に伸度が低くなって、織物の風合
いが硬くなる。また、伸度が低くなると織物が引裂かれ
る過程において、引裂きを受ける糸本数が少なくなって
1本の糸当たりの応力が集中しやすくなるため、引裂き
強力は逆に低くなってしまい好ましくない。その現象は
引裂き強力の測定方法の一つであってJIS−L−10
96に記載されるA−1法(シングルタング)のチャー
トの波形から確認する事ができ、強力の絶対値が小さ
く、且つ変動巾が大きくなって現われる。
【0004】また、織物の引裂き強力を高めるがために
太い繊度の糸条を用いると織物が厚く、風合いが硬くな
りテント、パラグライダー、パラシュートなどコンパク
トに収納する必要がある用途には不向きになってくる。
従って、細い繊度の糸条で構成され、高い引裂き強力を
有し、コンパクトであって、ソフトな薄地織物基布の開
発ニーズは依然、残されたままである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題を解決し、コンパクトでソフトな薄地織物基布
であって、なお且つ高い引裂き強力とを有した織物を提
供し、特にラミネートのような膜加工に好適に用いるこ
とのできる織物およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題につ
いて鋭意検討した結果、下記のような手段によって上記
課題を解決することができた。すなわち本発明は、 1.JIS−L−1096に記載されるシングルタング
法による経糸切断および緯糸切断方向の引裂き強力
(L)がともに1.5kgf以上であり、且つシングル
タング法によって描かれた引裂き強力のチャートにおい
て、引裂き強力(L)と極小点(S)の関係がL−S/
L≦0.5であることを特徴とするポリアミドマルチフ
ィラメント織物。 2.織物厚みが0.15mm以下、織物目付けが100
g/m2以下であるポリアミドマルチフィラメント織物
であることを特徴とする上記第1記載のポリアミドマル
チフィラメント織物。 3.織物の組識がリップストップ組識であることを特徴
とする上記第1または2に記載のポリアミドマルチフィ
ラメント織物。 4.繊度が60デシテックス以下、10%伸長時の強度
が2.0から3.0cN/dtex、破断伸度35〜50%の
ナイロン6マルチフィラメントを無撚で糊付けを行い、
次いで平組識、若しくはリップストップ組識で製織する
ことを特徴とするポリアミドマルチフィラメント織物の
製造方法。第一の発明として、織物厚みが0.15mm
以下、織物目付けが100g/m以下であるポリアミ
ドマルチフィラメント織物において、JIS−L−10
96に記載されるシングルタング法による経糸切断およ
び緯糸切断方向の引裂き強力(L)がともに1.5kg
f以上であり、なお且つ、シングルタング法によって描
かれた引裂き強力のチャートにおいて、引裂き強力
(L)と極小点(S)の関係がL−S/L≦0.5であ
ることを特徴とするポリアミドマルチフィラメント織
物。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明の織
物を構成する経糸はポリアミドマルチフィラメントであ
って繊度が60デシテックス以下、10%伸長時の強度
が2.0〜3.0cN/dtex、破断伸度35〜50%であ
ることが好ましい。ポリアミドマルチフィラメントは高
強力、高タフネス、耐磨耗性、寸法安定性に優れた繊維
であり、ベルト、ホース、タイヤコード、鞄、寝袋、テ
ント類、パラグライダー、パラシュート等の産業資材用
途あるいはスキー・スノーボードウェア、アウトドアウ
ェアなどのスポーツ分野を含む衣料用途には好適であ
る。但し、本発明ではコンパクトでソフトな薄地織物用
途をターゲットとしており、具体的には寝袋、テント
類、パラグライダー、パラシュート等の産業資材用途あ
るいはスキー・スノーボードウェア、アウトドアウェア
などのスポーツ用衣料分野であり、繊度は60デシテッ
クス以下、更に好ましくは50デシテックス以下であ
る。
【0008】そして、ポリアミドマルチフィラメントの
10%伸長時の強度が2.0cN/dtex未満では、フィラ
メントの強度が低くなって織物の引裂き強力が低くなり
本発明には好ましくない。逆に10%伸長時の強度が
3.0cN/dtexを超えると、繊維のモジュラスが高くな
り、つまり繊維が曲げ硬くなって、得られた織物の風合
いが難くなり好ましくない。そして、ポリアミドマルチ
フィラメントの破断伸度が35%未満では織物が引き裂
かれるときに応力が引き裂かれようとしている1本の糸
に集中しやすく引裂強力が低くなるため望ましくない。
逆に50%を超えると様々な紡糸延伸条件の調整をして
も破断強度が低くなってしまい、織物にしたときの引裂
き強力が低下するという問題が発生しやすいため好まし
くない。また。織物寸法安定性の面からも好ましくな
い。
【0009】次いで、ポリアミドマルチフィラメントは
無撚の状態で、即ち撚糸を施すことなく合成糊剤、等を
使用して糊付けを行うことが望ましい。糊付けを行うこ
とによるコストアップが考えられるが、合成糊剤、等を
使用し糊付けを行う事によって織物の製織性および作業
性が格段に向上し、高品質品位の織物が安定して得ら
れ、トータルなコストダウンが可能となる。なお、合成
糊剤とはアクリル系糊、ポリビニルアルコール系糊など
の糊剤であり、アクリル系糊としてはポリアクリル酸ソ
ーダ、ポリアクリルアマイド、ポリアクリル酸エステル
である。合成糊剤は接着性、強伸度などの特性が優れ、
安価であり、ポリエステル、ポリアミド系繊維などの合
成繊維に好ましく使用されるものであって、糊剤メーカ
から多くの種類が市販されているので、糊抜きなどの特
性も考慮して選択、糊付けする事が肝要である。また、
レピア、フライ、エアージェットルームなどのドライ織
機とウォータジェットルームでは糊剤の種類、配合比が
異なるので適切に選択する必要がある。
【0010】本発明の織物は寝袋、テント類、パラグラ
イダー、パラシュート、スキー・スノーボードウェア、
アウトドアウェアなどの資材、衣料用途向けであり、織
物の地合いがしっかりした強固なものが求められる。従
って、織物の組識は組識点の最も多い平組織、若しくは
平組識と石目、ナナコ組識を組合したリップストップ組
識が好ましい。なお、リップストップ組識における石
目、ナナコ部は2本以上であっても構わない。一般的に
は2本から5本の範囲内で構成され、ダブルリップスト
ップでも構わず、本発明には限定されない。
【0011】本発明のポリアミドマルチフィラメント織
物において、組識がリップストップの場合、引裂き強力
を測定する標準的な評価方法であって、品質管理に用い
られる方法である、JIS−L−1096に記載される
シングルタング法による経糸切断及び緯糸切断方向の引
裂強力(L)が1.5kgf以上で有ることが必要であ
る。リップストップ組識の場合、石目、ナナコ部分、要
するに引き揃え部分が引裂きの伝播を防止し、引裂き強
力を高めることができる。但し、リップストップ組識で
は格子柄の大きさが大きすぎると部分的に引裂き強力が
高くなるだけであり、好ましくは1から2cmの格子
柄、更に好ましくは1cm以下の格子柄になるよう織物
設計することが望ましい。
【0012】そして、引裂き強力(L)が1.5kgf
未満では、スポーツ用途に用いられるような場合に破れ
やすくなって耐久性に劣り、用途によっては安全性の面
でも好ましくない。特に透湿防水性を付与することを目
的にラミネート加工のような膜加工を施すと引裂強力が
顕著に低下しやすくなる為、好ましくは2.0kgf以
上、さらには2.5kgf以上の引裂き強力(L)を有
することが特に好ましい。
【0013】本発明品はシングルタング法によって描か
れた引裂き強力のチャートにおいて、引裂き強力(L)
と極小点(S)の関係がL−S/L≦0.5であること
が必要である。この関係は本発明のポリアミドマルチフ
ィラメントが10%伸長時の強度が2.0〜3.0cN/d
tex、破断伸度35〜50%を示すナイロン6マルチフ
ィラメントであるが故に得られるものであり、ナイロン
6マルチフィラメントの強伸度特性がこの範囲を満たさ
ない時は引裂き強力(L)と極小点(S)の関係がL−
S/L≦0.5を満足しない。その理由としては伸度が
低くなると織物が引裂かれる過程において、引裂きを受
ける糸本数が少なくなって1本の糸当たりの応力が集中
しやすくなるため、切断されると引裂き強力のドロップ
(低下)が大きくなり、引裂き強力(L)と極小点
(S)の関係がL−S/L≦0.5を満たさない。しか
しながら、本発明では伸度が高いことによって引裂きを
受ける糸本数を分散させ、1本当たりの応力を小さくし
たので、切断された時の引裂き強力のドロップが小さく
なり、引裂き強力(L)と極小点(S)の関係がL−S
/L≦0.5を満たす。この関係を満たすことが、優れ
た高タフネスを有するポリアミドマルチフィラメント織
物であると言える。なお、引裂き強力(L)と極小点
(S)の測定方法については後述する。
【0014】また本発明の織物の厚みは0.15mm以
下、目付けは100g/m2以下であることが望まし
い。厚みが0.15mmより大きい場合は風合いが硬い
ものであったり、膜加工を施した場合に厚ぼったいもの
になってしまう為、スポーツ用途には好ましくないもの
となる。好ましくは0.12mm以下であり、さらには
0.08mm以下であることが特に好ましい。そして、
目付けに関し、本発明品の主用途である寝袋、テント
類、パラグライダー、パラシュート、スキー・スノーボ
ードウェア、アウトドアウェアなどの資材、衣料品はコ
ンパクト性、収納性の面から軽さが求められ、目付けは
100g/m2以下、更に好ましくは80g/m 2の織物が
よい。
【0015】本発明で用いるポリアミドフィラメントの
製造方法については一般的に相対粘度が2.5以上、
4.5以下のチップを250から300℃の温度で溶融
紡糸することによって得られ、スピンドロー方式による
紡糸延伸連続装置、或いは紡糸と延伸を2工程で行う装
置によって製造可能である。
【0016】本発明のポリアミドフィラメントは合成繊
維に分類されるアミド結合を有すフィラメントであっ
て、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66で代表さ
れ、それらを主体とする共重合体や混合物であってもよ
い。吸湿性を改善するために吸湿性モノマーを共重合す
ることや、あるいは吸湿性樹脂を芯部に閉じこめた芯鞘
型複合繊維であっても差し支えない。柔らかさとコスト
の観点からナイロン6が好ましく採用され、本発明のポ
リアミドマルチフィラメント織物には最適である。
【0017】本発明のナイロンマルチフィラメントの断
面形状は特に限定されず丸型、三角型、中空型、十字型
で代表され、異なる断面の集合体であってもよい。また
その異形度や中空率は特に限定されない。またフィラメ
ント数についても限定されるものでないが、少なくとも
10本以上のフィラメントで形成されたマルチフィラメ
ントが使用される。
【0018】本発明のナイロンマルチフィラメントに添
加される各種添加剤も特に限定されず、吸湿性物質、酸
化防止剤、つや消し剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等を単独
又は、複合して添加しても良い。また、本発明のナイロ
ンマルチフィラメントの強伸度特性以外の機械的特性、
例えば沸水収縮率、熱応力、複屈折率、太さ斑に関して
は通常の範囲のものであり特に限定されない。
【0019】また本発明のポリアミドフィラメントは仮
撚等の捲縮加工が施されていても構わないし、収縮率の
異なる、或いは断面形状の異なるフィラメントとの混繊
糸、複合糸であっても構わない。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
【0021】(評価方法の説明) 相対粘度:96.3±0.1重量%試薬特級濃硫酸中に
重合体濃度が10mg/mlになるように試料を溶解さ
せてサンプル溶液を調整し、20℃±0.05℃の温度
で水落下秒数6〜7秒のオストワルド粘度計を用い、溶
液相対粘度を測定する。測定に際し、同一の粘度計を用
い、サンプル溶液を調整したときと同じ硫酸20mlの
落下時間T0(秒)と、サンプル溶液20mlの落下時
間T1(秒)の比より、相対粘度RVを下記の式を用い
て算出する。 RV=T1/T0
【0022】10%伸長時の強度:ST10(cN/dte
x)、破断伸度:DE(%):インストロンジャパン
(株) 4310型を用いて測定する。初荷重として糸条
繊度(dtex.)に対し1/33グラムを加え、糸長20c
m、引張速度20cm/minの条件下でS−Sチャー
トを作成し、1試料に対しn=3で測定し破断伸度およ
び10%伸長時強度をチャートより読みとりそれぞれの
平均値を求める。 繊度(デシテックス):100mのポリアミドマルチフ
ィラメントのカセを3つ作成し、各々の重量(g)を測
定し、平均値を求め、100倍した。
【0023】引裂き強力(L)および極小点(S):J
IS−L−1096に規定されている引裂き強さ(シン
グルタング A−1法)を採用し、引張速度10cm/
min、チャート速度5cm/minで測定した。引裂
き強力(L)および極小点(S)については下記手順で
求めた。 1 チャートに描かれた波形の最初の極大点から0.5
cmを除いた箇所から、1.25cmの間隔で等分し、
各等分内における極大点と次に大きい点の引裂き強力を
読み取る。 2 読み取った極大点と次に大きい点の引裂き強力の平
均値を求め、引裂き強力(L)とした。 3 次に各等分内における極小点および次に小さい点の
引裂き強力を読み取る。4 2.と同様にして極小点と
次に小さい点の引裂き強力の平均値を求め、極小点
(S)とした。 3 但し、糸のスリップが認められた形跡がある場合
は、極小点とみなさず、1.の手順に戻って等分操作を
やり直した。
【0024】厚み:膜加工していない布帛については、
織物厚さ(mm)は、厚み計にてランダムに5カ所測定し、
その平均値を求める。膜加工している布帛についてはS
EMによる観察からランダムに5カ所測定し、その平均
値を求める。
【0025】(実施例1)相対粘度ηr=3.51のナ
イロン6ポリマーを紡糸温度280℃で丸孔を24個有
する口金から溶融紡糸して紡糸速度3200m/mi
n、延伸温度160℃にて延伸し、10%伸長時の強度
が2.70cN/dtex、破断伸度が43.0%の33デシ
テックス24フィラメントのマルチフィラメントを得
た。織物経糸として該マルチフィラメントを無撚の状態
で互応化学工業(株)製のアクリル酸エステル共重合体ア
ンモニウム塩タイプのプラスサイズJ−30を用いて糊
付けを行い、緯糸には糊を付けることなく無撚の状態で
そのまま用いて、経糸密度165本/in、緯糸密度1
36本/inに設定し、リップストップ組織で製織を行
った。なお、製織性は良好であり、経糸切れ、毛羽の発
生はなく織機の稼働率は高いものでり、なお且つ得られ
た生機も品質の高いものであった。得られた生機を常法
に従って精錬・染色仕上げし、経糸密度175本/i
n、緯糸密度144本/inの織物を得た。得られた織
物は経引裂き強力(L)が3.7kgf、L−S/L=
0.29、緯引裂き強度(L)が3.0kgf、L−S
/L=0.28であり、厚みは0.08mm、目付けは
43g/m2であった。風合いは非常にソフトであり、薄
地にもかかわらず引裂き強力に優れた織物であった。ま
た常法に従ってラミネート加工を施したところ、引裂強
力は経引裂強力が2.0kgf、緯引裂き強度が1.8
kgfであり十分スポーツ用途に使用できるものであっ
た。結果を表1に示す。
【0026】(実施例2)相対粘度ηr=3.51のナ
イロン6ポリマーを紡糸温度285℃で丸孔を34個有
する口金から溶融紡糸して紡糸速度2300m/mi
n、延伸温度160℃にて延伸し、10%伸長時の強度
が2.39cN/dtex、破断伸度が47.4%の44デシ
テックス34フィラメントのマルチフィラメントを得
た。以下、実施例1と同様に該マルチフィラメントは経
糸用として糊付けを行い、緯糸は無撚の状態でそのまま
用いて、経糸密度145本/in、緯糸密度120本/
inに設定し、リップストップ組織で製織を行った。実
施例1と同様に製織性は良好であり、経糸切れ、毛羽の
発生はなく織機の稼働率は高いものでり、なお且つ得ら
れた生機も品質の高いものであった。得られた生機を常
法に従って精錬・染色仕上げし、経糸密度157本/i
n、緯糸密度124本/inの織物を得た。得られた織
物は経引裂き強力が4.7kgf、L−S/L=0.3
1、緯引裂き強度が4.4kgf、L−S/L=0.4
1、厚みは0.10mm目付けは52g/m2であった。
風合いは非常にソフトであり、薄地にもかかわらず引裂
き強力が非常に優れた高タフネスを有するポリアミドマ
ルチフィラメント織物であった。結果を表1に示す。
【0027】(比較例1)実施例1において、マルチフ
ィラメントの延伸倍率を変更し、10%伸長時の強度が
3.20cN/dtex、破断伸度が33.0%にした以外は
実施例1に従った。実施例1と比べると得られた織物の
経引裂き強力が3.1kgf、L−S/L=0.60、
緯引裂き強度が2.8kgf、L−S/L=0.58、
厚みは0.08mm、目付けは43g/m2であった。風
合いは非常にソフトであったが、実施例1と比べると引
裂き強力が弱い物であり、L−S/Lの値が高く波形の
変動が大きな織物であった。結果を表1に示す。
【0028】(比較例2)実施例2において相対粘度η
r=3.2のナイロン66ポリマーを使用し、44デシ
テックス34フィラメントのマルチフィラメントを作成
した。得られたナイロン66マルチフィラメントの10
%伸長時の強度は2.80cN/dtex、破断伸度が33.
2%であった。該ナイロン66マルチフィラメントを使
用して、以下実施例2と全く同様にして織物を得た。得
られた織物は織物の経引裂き強力が2.9kgf、L−
S/L=0.70、緯引裂き強度が3.2kgf、L−
S/L=0.75、厚みは0.10mm、目付けは52
g/m2であった。風合いは非常にソフトであったが、
実施例2と比べると引裂き強力が弱いポリアミドマルチ
フィラメント織物であり、L−S/Lの値が高く、波形
の変動が大きな織物であった。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によると、薄くても引裂き強力に
優れ、機能膜加工を施しても必要最小限の引裂き強力を
有したソフトでコンパクト性に優れた寝袋、テント類、
パラグライダー、パラシュート、スキー・スノーボード
ウェア、アウトドアウェアなどの資材、衣料品に好適な
ポリアミドマルチフィラメメント織物を提供することを
可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L048 AA24 AA34 AA48 AA49 AB07 AB11 AB13 AC09 BA01 CA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS−L−1096に記載されるシング
    ルタング法による経糸切断および緯糸切断方向の引裂き
    強力(L)がともに1.5kgf以上であり、且つシン
    グルタング法によって描かれた引裂き強力のチャートに
    おいて、引裂き強力(L)と極小点(S)の関係がL−
    S/L≦0.5であることを特徴とするポリアミドマル
    チフィラメント織物。
  2. 【請求項2】織物厚みが0.15mm以下、織物目付け
    が100g/m2以下であるポリアミドマルチフィラメ
    ント織物であることを特徴とする請求項1記載のポリア
    ミドマルチフィラメント織物。
  3. 【請求項3】織物の組識がリップストップ組識であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドマ
    ルチフィラメント織物。
  4. 【請求項4】繊度が60デシテックス以下、10%伸長
    時の強度が2.0から3.0cN/dtex、破断伸度35〜
    50%のナイロン6マルチフィラメントを無撚で糊付け
    を行い、次いで平組識、若しくはリップストップ組識で
    製織することを特徴とするポリアミドマルチフィラメン
    ト織物の製造方法。
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