JP2003328023A - 低燐溶銑の製造方法 - Google Patents

低燐溶銑の製造方法

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JP2003328023A JP2002142174A JP2002142174A JP2003328023A JP 2003328023 A JP2003328023 A JP 2003328023A JP 2002142174 A JP2002142174 A JP 2002142174A JP 2002142174 A JP2002142174 A JP 2002142174A JP 2003328023 A JP2003328023 A JP 2003328023A
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剛 村井
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍋型容器などを用いて効率的な脱燐処理を行
うとともに、精錬剤添加量とスラグ発生量を極力削減
し、且つCaFの添加量を極力削減する。 【解決手段】 上吹きランスを通じて気体酸素と精錬剤
の少なくとも一部を溶銑浴面に吹き付けるとともに、浸
漬ランスなどを通じて粉体を含む気体を溶銑中に吹き込
む。気体酸素の吹き付けにより大量のFeOが生成した
溶銑浴面領域に、上吹きランスを通じて精錬剤が直接供
給されることにより、精錬剤の滓化が効果的に促進され
るとともに、粉体を含む気体が溶銑中に吹き込まれて溶
銑が攪拌されることにより反応界面に溶銑が効率的に供
給されるため、脱燐反応が効果的に促進され、その結
果、極めて高い脱燐効率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、溶銑予備処理とし
て行われる脱燐処理により低燐溶銑を効率的に製造する
ための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の転炉法に代わって溶銑段階で脱燐
処理を行なう溶銑予備処理法が広く用いられるようにな
った。これは、脱燐反応が精錬温度が低いほど熱力学的
に進行しやすく、より少ない量の精錬剤で脱燐処理を行
うことができるためである。一般に溶銑予備処理では、
まず、酸化鉄等の固体酸素源を溶銑に添加して脱珪処理
を行ない、この脱珪処理で発生したスラグを除去した
後、精錬剤(媒溶剤)を添加して脱燐処理を行う。通
常、脱燐処理の精錬剤としては石灰などのCaO系精錬
剤を用い、酸素源としては固体酸素源(酸化鉄等)や気
体酸素を用いる。また、処理容器としては、トーピード
カー、取鍋(装入鍋)、転炉型容器などが用いられる。
また、CaO系精錬剤の滓化促進のためにCaF(ホ
タル石)を添加することが広く行われている。
【0003】最近の脱燐処理は転炉型容器を用いるのが
主流となりつつあるが、転炉型容器による脱燐処理は、
転炉を占有するために生産の上方弾力性が小さくなる、
ユーティリティなどのランニングコストが増加するなど
の問題がある。従来の溶銑予備処理では、脱燐率などに
応じた最適なスラグ塩基度で脱燐処理を行っているが、
スラグ塩基度があまり高いとCaOの滓化が十分に進行
せず、スラグの流動性が悪化するため、脱燐には不利な
高温での処理が必要になると考えられてきた。このため
従来の溶銑予備処理では、スラグ塩基度2.5以下の領
域で脱燐処理が行われている。例えば、特開平7−70
626号に開示されている脱燐処理方法では、スラグ塩
基度0.6以上2.5以下、処理終了温度1250℃以
上1400℃以下、底吹き攪拌動力1.0kg/t以
上、送酸速度2.5Nm/溶銑ton以上という条件
で脱燐処理が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境保護などの
観点から脱燐工程をはじめとする精錬工程において発生
するスラグ量を極力低減することが求められている。脱
燐処理においてスラグ発生量を低減させようとした場
合、脱燐の指標であるLp(=燐分配mass%(P)/ma
ss%[P]。ここで、mass%(P)はスラグ中のP濃
度、mass%[P]は溶銑中のP濃度)を上げる必要があ
る。Lpはスラグ塩基度が高いほど高くなるため、従来
技術のようにスラグ塩基度2.5以下の領域で行われる
脱燐処理においてLpを高くしようとすると、スラグ量
をある程度多くして処理を行う必要があり、このためス
ラグは出銑Siに応じた量までしか低減できない。
【0005】また、近年ではFが環境に及ぼす影響を考
慮し、鋼の精錬においてもCaFの使用量を極力削減
することが求められているが、従来の脱燐処理技術では
CaFをある程度添加しないと精錬剤(CaO)の滓
化が迅速に進行しないため、効率的な脱燐処理を行うこ
とができなかった。
【0006】したがって本発明の目的は、鍋型又はトー
ピードカー型容器を用いた溶銑脱燐処理において、効率
的な脱燐処理を行うことができるとともに、精錬剤添加
量とスラグ発生量を極力削減することができる低燐溶銑
の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の
目的は、CaFの添加量を極力削減し若しくはCaF
を添加することなく、効率的な脱燐処理を行うことが
できる低燐溶銑の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鍋型又はトーピードカー型容器を用い
た溶銑脱燐において、CaFの添加量を極力抑制しつ
つ、且つ少ない精錬剤添加量とスラグ量で効率的な脱燐
処理を行うことができる方法について検討を行い、その
結果、上吹きランスを通じて気体酸素と精錬剤を溶銑浴
面に吹き付けるとともに、浸漬ランスなどを通じて粉体
を含む気体を溶銑中に吹き込む方法が非常に有効である
ことを見出した。
【0008】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、この特徴は以下のとおりである。 [1] 溶銑を保持した鍋型又はトーピードカー型の容器内
に酸素源とCaO源である精錬剤を添加して、溶銑予備
処理である脱燐処理を行うことにより低燐溶銑を製造す
る方法において、上吹きランスを通じて気体酸素と精錬
剤の少なくとも一部を溶銑浴面に吹き付けるとともに、
浸漬ランス又は/及び吹き込みノズルを通じて粉体を含
む気体を溶銑中に吹き込むことを特徴とする低燐溶銑の
製造方法。 [2] 上記[1]の製造方法において、浸漬ランス又は/及
び吹き込みノズルを通じて溶銑中に吹き込まれる粉体が
精錬剤の一部であることを特徴とする低燐溶銑の製造方
法。
【0009】[3] 上記[1]又は[2]の製造方法において、
上吹きランスから供給される精錬剤の少なくとも一部
が、気体酸素が吹き付けられる溶銑浴面領域に吹き付け
られることを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [4] 上記[3]の製造方法において、上吹きランスから供
給される精錬剤の少なくとも一部が、気体酸素の吹き付
けにより溶銑浴面に生じる火点に吹き付けられることを
特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [5] 上記[3]又は[4]の製造方法において、精錬剤の少な
くとも一部を、気体酸素をキャリアガスとして溶銑浴面
に吹き付けることを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [6] 上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法において、上吹
きランスを通じて溶銑浴面に吹き付けられる気体酸素量
が0.7Nm/min/溶銑ton以下であることを
特徴とする低燐溶銑の製造方法。
【0010】[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの製造方法に
おいて、脱燐処理で添加される精錬剤量の80mass%以
上を上吹きランスを通じて溶銑浴面に吹きつけることを
特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [8] 上記[1]〜[7]のいずれかの製造方法において、実質
的に精錬剤の全量を、上吹きランスを通じた溶銑浴面へ
の吹きつけと浸漬ランス又は/及び吹き込みノズルを通
じた溶銑中への吹込みにより添加するとともに、上吹き
ランスを通じた精錬剤の添加量を、精錬剤の全添加量の
20〜80mass%とすることを特徴とする低燐溶銑の製
造方法。 [9] 上記[1]〜[8]のいずれかの製造方法において、上吹
きランスを通じた精錬剤の添加速度A(kg/min)
と気体酸素の添加速度B(Nm/min)が下記
(1)式を満足することを特徴とする低燐溶銑の製造方
法。 0.3≦A/B≦1.0 … (1) [10] 上記[1]〜[9]のいずれかの製造方法において、脱
燐処理後のスラグの塩基度が2.5超となるように脱燐
処理を行うことを特徴とする低燐溶銑の製造方法。
【0011】[11] 上記[1]〜[10]のいずれかの製造方法
において、脱燐処理前の溶銑温度が1280℃以上であ
ることを特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [12] 上記[1]〜[11]のいずれかの製造方法において、S
i濃度が0.10mass%以下の溶銑を脱燐処理すること
を特徴とする低燐溶銑の製造方法。 [13] 上記[1]〜[12]のいずれかの製造方法において、精
錬剤がCaFを実質的に含まないか若しくは精錬剤中
に含まれるCaF量が1kg/溶銑ton以下である
ことを特徴とする低燐溶銑の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、溶銑を保持した鍋型
又はトーピードカー型の容器内に酸素源とCaO源であ
る精錬剤を添加して、溶銑予備処理である脱燐処理を行
うに際し、上吹きランスを通じて気体酸素と精錬剤の少
なくとも一部を溶銑浴面に吹き付けるとともに、浸漬ラ
ンス又は/及び吹き込みノズルを通じて粉体を含む気体
を溶銑中に吹き込むものである。
【0013】上吹きランスを通じて気体酸素を溶銑浴面
に吹き付けると、浴面に衝突した気体酸素により大量の
FeOが生成するため、精錬剤の滓化促進に非常に有利
な条件となり、このFeOが大量に生成した領域に、上
吹きランスを通じて精錬剤を直接供給することにより、
精錬剤(CaO)の滓化を効果的に促進することができ
る。そして、このような溶銑浴面に対する気体酸素と精
錬剤の供給に加えて、浸漬ランスや吹き込みノズルを通
じて粉体を含む気体を溶銑中に吹き込むと、溶銑が攪拌
されることにより反応界面に溶銑が効率的に供給される
ため、脱燐反応が効果的に促進され、その結果、極めて
高い脱燐効率が得られる。
【0014】また、上吹きランスによる気体酸素と精錬
剤の溶銑浴面への吹き付けでは、精錬剤を気体酸素以外
のキャリアガス(例えば、N、Arなどの不活性ガ
ス)を用いて溶銑浴面に吹き付けてもよいが、その場合
でも、精錬剤の一部又は全部を気体酸素が供給(吹き付
け)されている溶銑浴面領域に吹き付けることが好まし
い。これは、気体酸素が供給される溶銑浴面領域は酸素
供給によってFeOが生成する場所であり、このような
浴面領域に直接CaOを添加することにより、CaOの
滓化が効果的に促進されるとともにCaOとFeOの接
触効率が高まり、これによって脱燐反応効率を顕著に促
進できるからである。また、精錬剤は気体酸素が供給さ
れた溶銑浴面領域の中でも、特に気体酸素の上吹きによ
り生じる“火点”と呼ばれる領域に供給することが最も
好ましい。この火点は気体酸素ガスジェットが衝突する
ことにより最も高温となる溶銑浴面領域であるが、気体
酸素による酸素反応が集中し且つ気体酸素ガスジェット
により強攪拌されている領域であるため、CaOの供給
による効果が最も顕著に得られる領域であると言える。
また、この意味で精錬剤を溶銑浴面に吹き付けるための
キャリアガスとしては気体酸素を用いることが好まし
く、この場合には、気体酸素が精錬剤とともに溶銑浴面
に吹き付けられることにより、精錬剤が火点に直接供給
されることになり、この結果、溶銑浴面でのCaOとF
eOの接触効率が最も高まり、脱燐反応を特に顕著に促
進することができる。
【0015】上吹きランスから溶銑浴面に吹き付ける気
体酸素量(送酸量)は、0.7Nm /min/溶銑t
on以下とすることが好ましい。上吹きランスからの送
酸量が過剰であるとスラグフォーミングにより脱燐処理
容器からスラグの吹き出しを生じるおそれがある。上吹
きランスからの送酸量を0.7Nm/min/溶銑t
on以下とすることによりスラグフォーミングが抑えら
れ、安定した操業が可能となる。
【0016】本発明法において、上吹きランスを用いて
気体酸素と精錬剤を溶銑浴面に吹き付ける方法に特別な
制限はなく、例えば、上吹きランスの複数のランス孔の
うち、一部のランス孔から気体酸素のみを、また、他の
ランス孔から気体酸素又は気体酸素以外のガス(例え
ば、窒素やArなどの不活性ガス)をキャリアガスとし
て精錬剤を、それぞれ溶銑浴面に供給することもでき
る。これにより気体酸素が供給されている溶銑浴面領域
に精錬剤を添加することができる。また、この場合に
は、ランス先端の中央に主ランス孔を、その周囲に複数
の副ランス孔を有する上吹きランスを用い、副ランス孔
から気体酸素を、主ランス孔から気体酸素又は上述した
気体酸素以外のガスをキャリアガスとして精錬剤を、そ
れぞれ溶銑浴面に供給することが特に好ましい。また、
気体酸素の吹き付けと、気体酸素又は上述した気体酸素
以外のガスをキャリアガスとする精錬剤の吹き付けを、
異なる上吹きランスを用いて行ってもよい。但し、いず
れの場合にも、上述したように精錬剤を最も効率的に滓
化させるには、精錬剤のキャリアガスは気体酸素である
ことが特に望ましい。
【0017】本発明において使用する気体酸素は、純酸
素ガス、酸素含有ガスのいずれでもよい。また、溶銑保
持容器内に添加される酸素源としては、気体酸素以外に
酸化鉄(例えば、焼結粉、ミルスケール)等の固体酸素
源を用いることができ、これらを上置き装入や浴中への
インジェクション等の任意の方法で添加することができ
る。但し、上述したような溶銑浴面への気体酸素の供給
(吹き付け)による効率的な溶銑脱燐を行うためには、
溶銑保持容器内に添加される酸素源の50%以上、好ま
しくは70%以上(気体酸素換算量)が上吹きランスを
通じて溶銑浴面に供給される気体酸素であることが望ま
しい。
【0018】精錬剤としては、通常、石灰などのCaO
系精錬剤(CaOを主体とした精錬剤)を用いる。ま
た、上吹きランスを通じて溶銑浴面に吹き付ける精錬剤
は粉体を用いる。また、精錬剤は、上吹きランスによる
溶銑浴面への吹き付け以外に、一部を上置き装入や浴中
へのインジョクションにより添加してもよいが、その場
合でも、上吹きランスにより溶銑浴面に吹き付ける精錬
剤の量は精錬剤全体の80mass%以上とすることが望ま
しい。上吹きランスによる溶銑浴面への吹き付けによっ
て添加される精錬剤の割合が全体の80mass%を下回る
と、精錬剤を気体酸素とともに溶銑浴面に吹き付けるこ
とによる脱燐反応促進の効果が低下する傾向がある。
【0019】図1は、本発明者らが行った試験結果に基
づく、上吹きランスを通じた精錬剤添加量の精錬剤全添
加量に対する割合と必要石灰量との関係を示したもの
で、この試験では鍋型容器(150ton)に保持され
たP濃度:0.10〜0.11mass%、Si濃度:0.
02〜0.09mass%の溶銑(溶銑温度:1300〜1
320℃)に対して、酸素ガス(4.5〜5.0Nm
/溶銑ton)をキャリアガスとして精錬剤である石灰
粉(0〜6kg/溶銑ton)を上吹きランスから溶銑
浴面に吹き付けるとともに、浸漬ランスを通じて粉体を
吹き込むことにより脱燐処理(処理時間:15分間)を
行ったものである。上吹きランスを通じた精錬剤の添加
速度A(kg/min)と気体酸素の添加速度B(Nm
/min)の比A/Bは0.5とし、浸漬ランスを通
じた粉体の吹き込み量は90kg/minで一定とし
た。この粉体の一部又は全部には必要石灰分の残りを用
い、不足する分はダスト(Fe含有量40mass%)又は
コークス粉を用いた。この脱燐処理ではCaFは添加
しなかった。図1には、処理後のP濃度が0.02mass
%以下となるのに必要な石灰量を示してある。図1によ
れば、上吹きランスを通じて供給される精錬剤の全精錬
剤量に対する割合が増加するにしたがって必要石灰量が
低減し、特にその割合が80mass%以上において必要石
灰量が最も低減されている。
【0020】気体とともに溶銑中に吹き込まれる粉体の
種類に特別な制限はなく、例えば、石灰粉などの精錬剤
の一部、転炉ダストなどのような製鉄所で発生するダス
ト類、コークス粉などの炭素源を主体とする粉体、焼結
粉やミルスケールなどの酸化鉄、CaCO、Ca(O
H)、CaMg(CO)などの粉体の1種又は2種
以上を用いることができる。これらのうち、粉体として
石灰粉などの精錬剤を用いた場合には、吹き込まれた精
錬剤は溶銑中を浮上していく間に加熱され、溶銑浴面に
浮上した際のスラグへの溶融化が促進される。
【0021】また、製鉄所で発生するダスト類を用いる
ことは廃棄物の有効利用になる。すなわち、ダスト類は
粉状であるため、これを再利用するためには、従来では
扱いやすさの点からブリケット化する等の処理が必要で
あったが、本発明法ではブリケット化のような手間とコ
ストをかけずに粉体のまま再利用することができる。ま
た、炭素源を主体とする粉体は溶銑を加炭することで次
工程での有効な熱源となる。また、CaCO、Ca
(OH)、CaMg(CO)などの粉体は、溶銑中で
熱分解してガス(CO、HO)を発生させ、このガ
スが浴の攪拌強化に寄与するとともに、熱分解により生
成するCaOが精錬剤として機能することになる。ま
た、酸化鉄の粉体は、浴中で酸素源の一部となる。
【0022】粉体とともに溶銑中に吹き込まれる気体
(キャリアガス)の種類にも特別な制限はなく、気体酸
素(純酸素ガス又は酸素含有ガス)、NやArなどの
不活性ガスなどを用いることができる。これらのうち気
体酸素により精錬剤を吹き込んだ場合には、溶銑中を浮
上する際の所謂トランジトリー反応により反応が促進さ
れる効果が期待できる。しかし、浸漬ランスや吹き込み
ノズルから酸素ガスが供給されるためランスやノズル先
端でFeOが生成し、ランスやノズルの寿命が問題とな
る。これに対して、NやAr等の不活性ガスを用いる
場合には、反応面での効果は期待できないが、ランスや
ノズルの寿命は気体酸素を用いる場合よりも長くなる。
したがって、使用するガス種はランスやノズルの寿命等
を含めたトータルコストを考慮して選択すればよい。ま
た、精錬剤を溶銑中に吹き込む手段としては、浸漬ラン
ス又は溶銑保持容器に備えられた吹き込みノズル、若し
くはその両方を用いることができる。吹き込みノズルと
しては、底吹きノズルや横吹きノズルなど、任意の形式
のものを用いることができる。
【0023】本発明法では、上吹きランスを通じた精錬
剤の添加速度A(kg/min)と気体酸素の添加速度
B(Nm/min)の比A/B([kg/min]/
[Nm/min])が下記(1)式を満足するように、
精錬剤と気体酸素を溶銑浴面に吹き付けることにより、
脱燐効率をより向上させることができる。 0.3≦A/B≦1.0 … (1) これは、上記A/Bの範囲では、点火領域で生成したF
eOとCaO(精錬剤)によって低融点のCaO−Fe
O系スラグが容易に生成するためであると考えられる。
これに対して、上記A/Bが0.3未満では、CaO濃
度に対してFeO濃度が過剰となるためCaOの活量が
低減するため、脱燐効率が低下する傾向があり、一方、
上記A/Bが1.0を超えると、CaO濃度に対してF
eO濃度が過少となるため、CaOが溶融しにくくな
り、この場合も脱燐効率が低下する傾向がある。
【0024】図2に、本発明者らが行った試験結果に基
づく上記A/Bと脱燐率との関係を示す。この試験では
鍋型容器(150ton)に保持された溶銑に対して、
酸素ガスをキャリアガスとして精錬剤である石灰粉を上
吹きランスから溶銑浴面へ吹き付けるとともに、浸漬ラ
ンスを介して石灰粉を溶銑中にインジェクションする脱
燐処理を約15分間行った。また、上吹きランスから溶
銑浴面に吹き付ける石灰粉量は、全石灰粉量の50〜7
0mass%とした。表1に各チャージの処理条件を示す。
図2によれば、0.3≦A/B≦1.0の範囲におい
て、特に高い脱燐率が得られていることが判る。
【0025】
【表1】
【0026】また、実質的に精錬剤の全量を、上吹きラ
ンスを通じた溶銑浴面への吹きつけと、浸漬ランス又は
/及び吹き込みノズルを通じた溶銑中への吹込みにより
添加する場合、上吹きランスを通じた精錬剤の添加量
は、精錬剤の全添加量の20〜80mass%とすることが
好ましい。上吹きランスを通じて溶銑浴面に吹き付けら
れる精錬剤の割合が精錬剤の全添加量の80mass%を超
えると、溶銑中への精錬剤の吹き込みによる溶銑の攪拌
効果が小さいため脱燐反応に必要な攪拌動力が得られに
くくなり、一方、20mass%未満では、精錬剤を溶銑浴
面に吹き付けることによる上述した滓化促進効果が十分
に得られない。
【0027】図3は、精錬剤の全量を上吹きランスを通
じた溶銑浴面への吹きつけと浸漬ランス又は/及び吹き
込みノズルを通じた溶銑中への吹込みにより添加する場
合について、本発明者らが行った試験結果に基づく、上
吹きランスを通じた精錬剤添加量の精錬剤全添加量に対
する割合と脱燐効率との関係を示したもので、この試験
では、 鍋型容器(150ton)に保持されたP
濃度:0.10〜0.11mass%、Si濃度:0.02〜
0.09mass%の溶銑(溶銑温度:1300〜1320
℃)に対して、酸素ガス(4.5〜5.0Nm/溶銑t
on)をキャリアガスとして精錬剤である石灰粉(0〜
6kg/溶銑ton)を上吹きランスから溶銑浴面に吹
き付けるとともに、浸漬ランスを通じて必要石灰分の残
り(0〜6kg/溶銑ton)を吹き込むことにより脱
燐処理(処理時間:15分間)を行ったものである。な
お、上吹きランスを通じた精錬剤の添加速度A(kg/
min)と気体酸素の添加速度B(Nm/min)の
比A/Bは0.5とした。図3によれば、上吹きランス
を通じた精錬剤添加量の精錬剤全添加量に対する割合が
20mass%未満、80mass%超の領域では脱燐効率が大
きく低下している。
【0028】本発明法において、脱燐効率をさらに向上
させ且つ発生するスラグ量をより少なくするには、脱燐
処理される溶銑中のSi濃度を低減させておくことが好
ましい。具体的には、脱燐処理される溶銑のSi濃度は
0.10mass%以下とすることが好ましい。一般に、脱
燐処理前の溶銑中Si濃度が低いとスラグ中のSiO
濃度が低下するためCaOの溶融性がさらに悪化し、脱
燐効率が低下してしまう。しかし、それにも拘らず本発
明法の場合には、脱燐処理前の溶銑中Si濃度が低い方
(0.10mass%以下)が脱燐効率が向上する。これ
は、本発明法では気体酸素とCaO源である精錬剤の粉
体を浴面に吹き付けるため、SiOが多く存在しなく
ても(すなわち、高塩基度のスラグであっても)FeO
によってCaOの溶融化が促進され、この結果、CaO
の脱燐に寄与する効率が向上するためであると考えられ
【0029】また、このような低Si濃度の溶銑を脱燐
処理することにより、スラグ発生量も少なくすることが
できる。図4に、本発明法による脱燐処理前の溶銑中S
i濃度と脱燐処理に必要な精錬剤(石灰)量との関係の
一例を示す。また、比較例として、精錬剤を溶銑浴面に
上吹きせずに浴中インジェクションのみによって供給し
た場合(従来法)を併せて示す。この試験では鍋型容器
(150ton)に保持されたP濃度:0.10〜0.1
1mass%、Si濃度:0.02〜0.2mass%の溶銑(溶
銑温度:1300〜1320℃)に対して、本発明例の
場合には、酸素ガス(4.5〜5Nm/溶銑ton)
をキャリアガスとして、溶銑中Si濃度に応じた量の精
錬剤(石灰粉:4〜10kg/溶銑ton)を上吹きラ
ンスから溶銑浴面に吹き付けた。この上吹きの石灰割合
は0.5とし、浸漬ランスから必要石灰分の残り(2〜
5kg/溶銑ton)を溶銑中にインジェクションし
た。一方、比較例の場合は、精錬剤(石灰粉)のすべて
を浸漬ランスから溶銑中にインジェクションした。本発
明例、比較例とともに、処理時間は15分間とし、Ca
は添加しなかった。図4には、処理後のP濃度が
0.02mass%以下となるのに必要な投入石灰量を示し
てある。
【0030】図4によれば、精錬剤の浴中インジェクシ
ョンのみを行う比較例の場合、CaF無添加ではCa
Oの滓化が悪く、大量の精錬剤を使用する必要がある。
特に、溶銑中Si濃度が0.10mass%以下では、スラ
グ塩基度が上昇するためさらにCaOの滓化が困難とな
り、脱燐効果が悪化する。これに対して本発明例では、
FeOとCaOが迅速に反応することにより滓化が促進
されるため、溶銑中Si濃度が低いほど精錬剤投入量が
削減でき、それに伴い発生するスラグ量も低減できる。
【0031】溶銑は高炉などの溶銑製造設備から供給さ
れるが、製造される溶銑のSi濃度を低める方法として
は、溶銑製造用の原料の予備処理などで珪酸分の全装入
量を低減したり、高炉などの炉内での珪酸還元反応を抑
制するための低温操業やコークスの偏在装入などの方法
が有効である。したがって、高炉などで製造された溶銑
のSi濃度が0.10mass%以下の場合には、これら溶
銑に対して下記のような脱珪処理を施すことなく、脱燐
処理してもよい。
【0032】一方、高炉等で製造された溶銑のSi濃度
が上記Si濃度のレベルよりも高い場合には、脱燐処理
に先立ち高炉鋳床や溶銑鍋などで脱珪処理を実施し、脱
燐処理前の溶銑中Si濃度を0.10mass%以下とした
上で脱燐処理を行うことが望ましい。通常、溶銑の脱珪
処理は固体酸素源や気体酸素を溶銑に添加することによ
り行われ、例えば、焼結粉やミルスケールなどの固体酸
素源を溶銑浴面への上置き装入や浴中への吹き込みによ
り添加し、或いは気体酸素を溶銑浴面への吹き付けや浴
中への吹き込みにより添加する方法が採られる。
【0033】また、溶銑の脱珪処理は高炉鋳床や溶銑鍋
以外に、例えば高炉鋳床から溶銑鍋などの搬送容器への
溶銑流に対して酸素源を添加することにより行うことも
できる。また、脱珪効率を高めるために容器内の溶銑中
に撹拌ガスを吹き込んだり、焼石灰などのCaO源を添
加してスラグの塩基度を調整することにより脱珪スラグ
中の酸化鉄を極力低減させ、還元効率を高めるようにす
ることもできる。溶銑の脱珪処理を経て脱燐処理を行う
場合には、事前に脱硅スラグなどのスラグを排滓し、珪
酸分の混入を極力抑制することが、効率的な脱燐処理を
行う上で好ましい。このため脱燐処理前に機械式排滓装
置や手作業により、溶銑からスラグを分離した後、脱燐
処理を行う。
【0034】先に述べたように脱燐処理においてスラグ
発生量を低減させようとした場合、脱燐の指標であるL
p(燐分配mass%(P)/mass%[P])を上げる必要
がある。しかし、Lpはスラグ塩基度が高いほど高くな
るため、従来技術のようにスラグ塩基度2.5以下の領
域で行われる脱燐処理においてLpを高くしようとする
と、スラグ量をある程度多くして処理を行う必要があ
り、このためスラグは出銑Siに応じた量までしか低減
できない。これに対して本発明法では、上述したように
上吹きランスを通じて気体酸素と精錬剤を溶銑浴面に吹
き付けることにより、精錬剤(CaO)の滓化を効果的
に促進させることができ、このためスラグ塩基度を例え
ば2.5超の領域とした処理を行うことができ、Lpを
高めて少ないスラグ量で効率的な脱燐処理を行うことが
できる。
【0035】上記のように従来技術に較べて高いスラグ
塩基度で脱燐処理を行うとスラグの融点が上がり、精錬
剤の初期滓化が不十分になるおそれがある。これを防止
するためには、脱燐処理開始時の溶銑温度を高くするこ
とによって初期滓化を促進し、早期に溶融FeOを生成
させることが有効である。このため脱燐処理開始時の溶
銑温度を1280℃以上とすることが好ましい。また、
脱燐処理開始時の溶銑温度を上記のように高目に設定す
ることにより、鉄ロス(スラグ中に懸濁する粒鉄ロス)
を低減できる利点でもある。
【0036】従来の脱燐処理では、CaOの滓化を促進
させるためにCaF(ホタル石)を添加することが事
実上必須であったが、近年Fが環境に及ぼす影響を考慮
し、鋼の精錬においてもCaFの使用量を抑えること
が要請されつつある。この点、本発明法はCaFを実
質的に添加しない(すなわち、精錬剤中に不可避的不純
物として含まれる以外のCaFを添加しない)若しく
は少量のCaFを添加するだけで高い脱燐効率が得ら
れる。したがって、CaOの滓化を促進するためにCa
を添加する場合でも、その添加量は1kg/溶銑t
on以下とすることが望ましい。
【0037】図5に、高炉鍋型脱燐設備において溶銑脱
燐処理を行う際に、本発明を適用した例を示す。高炉か
ら出銑された溶銑中のSi濃度に応じて、必要があれば
脱燐処理の前に鋳床脱珪などの脱珪処理を行う。脱燐処
理は、高炉鍋1に溶銑を入れ、溶銑中に浸漬したランス
3から石灰粉(精錬剤)をインジェクションすると同時
に、上吹きランス4から気体酸素とともに石灰粉(精錬
剤)を溶銑浴面に吹き付ける。この際、インジェクショ
ンする石灰粉の供給速度は、溶銑の攪拌が十分に行われ
るようにする。
【0038】
【実施例】高炉から出銑された溶銑を鋳床で脱珪処理し
た後、これを溶銑鍋に受銑してこの溶銑鍋内で脱珪処理
し、排滓した後、同溶銑鍋を脱燐ステーションへ移動し
て、脱燐処理を行った。脱燐処理では、上吹きランスを
通じて酸素ガスをキャリアガスとして石灰粉(精錬剤)
を溶銑浴面に吹き付けるとともに、浸漬ランスを通じて
石灰粉を溶銑中に吹き込んだ。また、比較例では、上吹
きランスによる石灰粉の吹き付けは行わず、浸漬ランス
を通じて石灰粉を溶銑中に吹き込んだ。いずれも、処理
時間は20分とした。各実施例の結果を、脱燐処理条件
とともに表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明の低燐溶銑の製
造方法によれば、鍋型又はトーピードカー型容器を用い
た溶銑脱燐処理において、精錬剤の滓化を効果的に促進
して効率的な脱燐処理を行うことができ、しかも従来法
に較べて精錬剤添加量とスラグ発生量を大幅に削減する
ことができる。また、CaFの添加量を従来に較べて
大幅に削減し或いはCaFを添加することなく効率的
な処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上吹きランスを通じた精錬剤添加量の精錬剤全
添加量に対する割合と必要石灰量との関係を示すグラフ
【図2】精錬剤の添加速度Aと気体酸素の添加速度の比
A/Bが脱燐率に及ぼす影響を示すグラフ
【図3】精錬剤の全量を上吹きランスを通じた溶銑浴面
への吹き付けと浸漬ランス又は/及び吹き込みノズルを
通じた溶銑中への吹き込みにより添加する場合におい
て、上吹きランスを通じた精錬剤添加量の精錬剤全添加
量に対する割合と脱燐率との関係を示すグラフ
【図4】本発明法と従来法について、脱燐処理前の溶銑
中Si濃度と必要精錬剤(石灰)量との関係を示すグラ
【図5】本発明法による脱燐処理の実施状況の一例を示
す説明図
【符号の説明】
1…高炉鍋、3…浸漬ランス、4…上吹きランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 英寿 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊地 良輝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 川畑 涼 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 村井 剛 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小平 悟史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊地 一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田野 学 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K014 AA03 AB03 AC04 AC11 AC17 AD01 AD23 AD27

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑を保持した鍋型又はトーピードカー
    型の容器内に酸素源とCaO源である精錬剤を添加し
    て、溶銑予備処理である脱燐処理を行うことにより低燐
    溶銑を製造する方法において、 上吹きランスを通じて気体酸素と精錬剤の少なくとも一
    部を溶銑浴面に吹き付けるとともに、浸漬ランス又は/
    及び吹き込みノズルを通じて粉体を含む気体を溶銑中に
    吹き込むことを特徴とする低燐溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】 浸漬ランス又は/及び吹き込みノズルを
    通じて溶銑中に吹き込まれる粉体が精錬剤の一部である
    ことを特徴とする請求項1に記載の低燐溶銑の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上吹きランスから供給される精錬剤の少
    なくとも一部が、気体酸素が吹き付けられる溶銑浴面領
    域に吹き付けられることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の低燐溶銑の製造方法。
  4. 【請求項4】 上吹きランスから供給される精錬剤の少
    なくとも一部が、気体酸素の吹き付けにより溶銑浴面に
    生じる火点に吹き付けられることを特徴とする請求項3
    に記載の低燐溶銑の製造方法。
  5. 【請求項5】 精錬剤の少なくとも一部を、気体酸素を
    キャリアガスとして溶銑浴面に吹き付けることを特徴と
    する請求項3又は4に記載の低燐溶銑の製造方法。
  6. 【請求項6】 上吹きランスを通じて溶銑浴面に吹き付
    けられる気体酸素量が0.7Nm/min/溶銑to
    n以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4又
    は5に記載の低燐溶銑の製造方法。
  7. 【請求項7】 脱燐処理で添加される精錬剤量の80ma
    ss%以上を上吹きランスを通じて溶銑浴面に吹きつける
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記
    載の低燐溶銑の製造方法。
  8. 【請求項8】 実質的に精錬剤の全量を、上吹きランス
    を通じた溶銑浴面への吹きつけと浸漬ランス又は/及び
    吹き込みノズルを通じた溶銑中への吹込みにより添加す
    るとともに、上吹きランスを通じた精錬剤の添加量を、
    精錬剤の全添加量の20〜80mass%とすることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の低
    燐溶銑の製造方法。
  9. 【請求項9】 上吹きランスを通じた精錬剤の添加速度
    A(kg/min)と気体酸素の添加速度B(Nm
    min)が下記(1)式を満足することを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の低燐溶
    銑の製造方法。 0.3≦A/B≦1.0 … (1)
  10. 【請求項10】 脱燐処理後のスラグの塩基度が2.5
    超となるように脱燐処理を行うことを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の低燐溶
    銑の製造方法。
  11. 【請求項11】 脱燐処理前の溶銑温度が1280℃以
    上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9又は10に記載の低燐溶銑の製造方法。
  12. 【請求項12】 Si濃度が0.10mass%以下の溶銑
    を脱燐処理することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10又は11に記載の低燐溶
    銑の製造方法。
  13. 【請求項13】 精錬剤がCaFを実質的に含まない
    か若しくは精錬剤中に含まれるCaF量が1kg/溶
    銑ton以下であることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12に記
    載の低燐溶銑の製造方法。
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JP2007154313A (ja) * 2005-11-09 2007-06-21 Jfe Steel Kk 溶銑の脱燐処理方法

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