JP2003327478A - 炭化珪素発熱体およびその接合方法 - Google Patents

炭化珪素発熱体およびその接合方法

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JP2003327478A JP2002134369A JP2002134369A JP2003327478A JP 2003327478 A JP2003327478 A JP 2003327478A JP 2002134369 A JP2002134369 A JP 2002134369A JP 2002134369 A JP2002134369 A JP 2002134369A JP 2003327478 A JP2003327478 A JP 2003327478A
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Atsushi Sonezaki
敦 曽根崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温度で使用する炭化珪素発熱体に関し、炭
化珪素からなる発熱部と炭化珪素と珪素の複合材からな
る端部の接合において、接合に用いる混練物の使用成分
と焼成条件を検討することで、接合部の温度が1400
℃以上の耐熱性、耐久性を備えた高温用炭化珪素発熱体
を提供する。 【解決手段】 発熱部と端部の接合において、粒子径が
40μmから110μmの粗粒炭化珪素粉末が40重量
%から60重量%と最大粒子径が10μm以下の微粒炭
化珪素粉末が20重量%から30重量%と、最大粒子径
が30μm以下の炭素粉末と有機バインダーの熱分解に
より生成する炭素成分との合計が20重量%から30重
量%の混練物を用いて両者を仮接着し、減圧下、不活性
雰囲気下で加熱処理して接合する炭化珪素発熱体の接合
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温用の炭化珪素
発熱体およびその発熱部と端部の接合方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素発熱体を製造するには、
棒状の炭化珪素の両端に珪素を含浸させ、端部とする方
法が採られていた。しかしこの方法でつくられた発熱体
の端部の比抵抗は発熱部の10%程度であり、該端部は
それだけ電力の損失となっていた。そこで省エネルギー
の観点からこの電力損失を少なくするために、比抵抗の
低い端部をつくり、これと発熱部を接合させるという技
術が開発された。
【0003】すなわち、該発熱体は、炭化珪素からなる
発熱部と、炭化珪素と珪素の複合材からなる端部とで構
成されたものである。この技術により端部の電力損失を
少なくすることができた。上述のような炭化珪素と炭化
珪素−珪素の複合材を接合する方法としては、炭化珪
素,炭素,有機バインダーからなる混練物を接合面に塗
布して、窒素雰囲気中で高温(1900〜2100℃)
に加熱し、溶融した珪素と混練物中の炭素と反応させる
反応焼結接合が行われている。
【0004】しかしこの方法は、処理温度が1900〜
2100℃と高温なため、黒鉛炉等の特殊な装置が必要
となってくる。また、この処理温度を低くする方法とし
ては、炉内を減圧するという方法(特開昭63−172
68号公報)がある。しかし、この方法だと炉内圧力が
低くなりすぎる場合、端部の珪素が蒸発してしまい、比
抵抗が高くなってしまう。端部の比抵抗が上がれば発熱
体として信頼性が損なわれてしまう。そこで、端部の比
抵抗が上がらない接合方法として、圧力を15Paから
1500Pa(0.11Torrから11.25Tor
r)の減圧下におき、温度を1450℃から1600℃
で加熱処理する方法が特開平10−297976号公報
に開示されている。この方法で得られた接合強度は、5
0MPa程度と十分ではない。
【0005】さらに、珪素粉末と酸化ケイ素粉末と炭化
可能な液状熱硬化性樹脂(フェノール樹脂やフラン樹
脂)とをペースト状に混合し、その混練物を接合面に塗
布して、1400℃で加熱処理する方法(特公昭63−
47229号公報)がある。しかし、この方法だと、酸
化ケイ素と炭素が反応して、その抜けた気孔に溶融珪素
が入るため、過剰の珪素が系内に残存してしまい、ヒー
タ温度が1400℃以上であると、接合部が使用に耐え
ることが難しく、ヒータとしての使用に対する信頼性が
低い。また、焼成時間が10時間以上と長いため実用的
ではない。さらに、接着界面に珪素の層ができ易く、こ
れもまた接合部の特性低下の原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の接
合法では、高温、高真空で処理できる炉のような特殊な
設備がなければ、接合できないという問題があった。そ
の問題解決のため、減圧下、低温で処理する方法が見出
されているが、その方法では、接合層がポーラスなため
十分な接合強度が得られないという問題があった。
【0007】本発明の目的は黒鉛炉等の特殊な設備を必
要とすることなく、かつ端部の性能を損なわず、十分な
強度を得ることができる接合方法を提供することにあ
る。また、接合部に過剰の珪素が残存した状態で、接合
部温度が1400℃以上であると、接合部から珪素の吹
出しが起き、折損に繋がる事がある。本発明では、接着
に用いる混練物中の粗粒炭化珪素粉末と微粒炭化珪素粉
末と炭素粉末との配合比について検討し、接合部が高強
度であり、かつ接合部に残留Siが少ないため、接合部
温度が1400℃以上での使用でも信頼性が高い高温用
炭化珪素発熱体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するための第1の本発明は、炭化珪素からなる発熱部
と炭化珪素と珪素の複合材からなる端部から構成される
炭化珪素発熱体の接合部において、該接合部のSiC組
成物のかさ比重が2.80以上で、室温および1400
℃における3点曲げ強度が60MPa以上であり、端部
の室温における比抵抗が発熱部の室温における比抵抗の
10%以下であることを特徴とする炭化珪素発熱体に関
するものである。
【0009】上記課題を解決するための第2の本発明
は、炭化珪素からなる発熱部と炭化珪素と珪素の複合材
からなる端部の接合部において、粒子径が40μm〜1
10μmの粗粒炭化珪素粉末が40〜60重量%と、最
大粒径が10μm以下の微粒炭化珪素粉末が20〜30
重量%と、最大粒子径が30μm以下の炭素粉末と、有
機バインダーの熱分解により生成する炭素成分との合計
炭素成分が20〜30重量%となる混練物を用いて発熱
部と端部を仮接着し、焼成して接合させることを特徴と
する上記第1の発明の炭化珪素発熱体の接合方法。
【0010】上記課題を解決するための第3の発明は、
前記焼成に関し、温度を1450℃から1600℃で加
熱処理し、室温から1000℃ないし1400℃まで
0.01Torrから0.5Torrの減圧下、100
0℃ないし1400℃から1600℃の間は5Torr
から20Torrの減圧の不活性雰囲気下で焼成して、
端部から珪素を仮接着部に供給し、混練物と反応させて
接合させることを特徴とする上記第2の発明に記載の炭
化珪素発熱体の接合方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における炭化珪素発熱体
は、炭化珪素からなる発熱部と炭化珪素と珪素の複合材
からなる端部から構成される炭化珪素発熱体の接合部に
おいて、該接合部のSiC組成物のかさ比重が2.80
以上で、室温および1400℃における3点曲げ強度が
60MPa以上であることを特徴とするものである。
【0012】本発明の炭化珪素発熱体の接合部における
強度とは、接合後、3×4×40mmに切り出し加工
し、JIS R 1601に基づき、室温および1400℃で3点
曲げ強度試験を行い、1ロットにつきサンプル数を3か
ら6とし、その平均値をいう。3点曲げ強度試験条件
は、接合部に試験機のヘッド部分があたるようにセット
し、スパン間距離30mm、クロスヘッド速度0.5m
m/minで測定するものである。
【0013】さらに、SiC組成物の嵩比重は、接合層
を切り出して、嵩比重を測定することが困難なので、接
着剤として機能をはたす混練物を、実際に接合させる条
件で、Siを供給し、反応焼結させ、得られた反応焼結
体について、アルキメデス法で測定したものである。
【0014】本発明において、炭化珪素からなる発熱部
は、炭化珪素からなる成形体を高温で焼成する再結晶炭
化珪素質発熱部の他、例えば炭化珪素粉末と炭素粉末ま
たは、炭素源物質(加熱により炭化する物質)との混合
物よりなる成形体に、焼結の際に溶融珪素を含浸させて
前記炭素と珪素とを反応させる、反応焼結法によって製
造した反応焼結炭化珪素質発熱部や、炭化珪素粉末とホ
ウ素粉末および炭素粉末からなる成形体を焼結させる、
常圧焼結炭化珪素質発熱部、あるいは加圧焼結炭化珪素
質発熱部などを用いることができる。そして、発熱部と
端部を接合させるために、混練物を用いて両者を仮接着
し、焼成して接合させることで炭化珪素発熱体とするこ
とができる。
【0015】まず、接合剤を考える上では、理論成形体
密度に対する相対密度を考える必要がある。反応焼結に
よる炭化珪素は、珪素と炭素との反応時に炭素が、約
2.4倍に膨張するため、理論成形体密度(ρ)は、下
記理論式(I式)以下でなくてはならず、通常は反応焼
結性と特性の点から、理論成形体密度に対する相対密度
は約90%に調整される。
【0016】 ρ=3.21/(1+2.33X)… (I) (ただし、式中Xは成形体中の炭素の重量割合) 上記式より、理論成形体密度に対する相対密度は、炭素
の割合によって決まる。接着に用いる混練物中の粗粒炭
化珪素粉末と微粒炭化珪素粉末と炭素との配合比につい
ては、反応焼結後のかさ比重が同じでも、高温時の強度
特性に大きく影響を与える。混練物の理論成形体密度に
対する相対密度は、炭化珪素粉末と炭素粉末との配合比
は炭素の割合により、(I式)より86%〜95%にな
るように調整される。
【0017】相対密度が86%未満であると、接合部に
過剰の珪素が残存し、接合部の特性低下、特に接合部の
温度が1400℃以上の発熱時に珪素の吹出しが起き、
接合部折損の原因となり、炭化珪素発熱体としての信頼
性に欠けるからである。さらに焼成時に炭化珪素と珪素
材質の端部からの珪素が結合部に多く使用されてしまう
ため、比抵抗が高くなり、発熱体としての信頼性が損な
われてしまう。
【0018】また、相対密度が95%を超えると、成形
体密度のバラツキ、未反応炭素が残り易くなり、接合部
の信頼性が欠ける。
【0019】従って、接合部が60MPaを超える強度
を得るためには、粒子径が40μm〜110μmである
粗粒炭化珪素粉末が40〜60重量%と、最大粒径が1
0μm以下の微粒炭化珪素粉末が20〜30重量%と、
最大粒子径が30μm以下の炭素粉末が8〜18重量%
と、かつ有機バインダーの熱分解による炭素成分との合
計炭素成分が20〜30重量%で構成される混練物が適
する。これは、粗粒炭化珪素粉末の最大粒子径が110
μmを超えるものだと、反応焼結後の接合強度が60M
Pa未満となり、40μm以下であると微粒炭化珪素粉
末とのギャップがなくなるためである。微粒炭化珪素粉
末は10μmを超えるものだと、粗粒炭化珪素粉末との
ギャップがなくなり、成形体密度の低下を招き、理論成
形体密度に対する相対密度が86%以上とならない。粗
粒炭化珪素粉末が40重量%未満、あるいは60重量%
を超えると、または、微粒炭化珪素粉末が20重量%未
満、あるいは30重量%を超えると、粗粒と微粒とのバ
ランスがくずれ、成形体密度の低下が起き、仮接着時の
強度が低下し、仮接着段階での信頼性に欠け、高い接合
強度が得られない。
【0020】使用される炭素粉末としては、カーボンブ
ラック、コークス、黒鉛のいずれであってもかまわない
が、最大粒子径は30μmを超えるものだと反応焼結後
に、未反応炭素が残り易くなるため好ましくない。炭素
粉末が8重量%未満であると、有機バインダー成分が過
剰となり、混練物に発泡やキレツが生じる。18重量%
を超えると混練物の粘度が向上し、接着面へ混練物を塗
布、乾燥時にキレツが発生する。また、成形体密度が低
下し、仮接着段階での強度低下、さらには相対密度が9
5%以上となり、焼成時に未反応炭素が残り、接合部の
信頼性が欠ける。
【0021】また、炭素粉末と有機バインダーの熱分解
により生成する炭素成分との合計が20重量%未満であ
ると、理論成形体密度に対する相対密度が86%未満と
なり、さらに接合部に過剰の珪素が残存し、接合部の特
性低下の原因となる。合計炭素成分が30重量%を超え
ると、成形体密度が低下し、仮接着段階での強度低下、
さらには相対密度が95%以上となり、未反応炭素が残
り、接合部の信頼性が欠けるので好ましくない。
【0022】ここで、熱分解によって炭素となる有機バ
インダーとしては、フェノール樹脂、フラン樹脂、レゾ
ルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、その他公知の
有機樹脂接着剤を用いることができ、その中でもフェノ
ール樹脂は、熱硬化性樹脂であり、残炭率が高く、しか
も安価であるので好ましい。
【0023】仮接着したものの焼成に関しては、室温か
ら1000℃ないし1400℃までは、0.01Tor
rから0.5Torrが好ましく、更には0.05To
rrから0.2Torrの真空減圧下が好ましい。本発
明で端部の室温における比抵抗が発熱部の室温における
比抵抗の10%以下であることが、発熱体の必要条件で
あることが判明した。真空減圧では、炭化珪素及び珪素
原料表面の二酸化ケイ素と炭素との反応ガスや、有機バ
インダーの熱分解による発生ガスを速やかに系外に排出
できるので好ましい。0.01Torrより高い減圧下
であると、端部からの珪素の蒸発があり、発熱体として
の必要条件を欠き、0.5Torr以下の減圧下である
と、炭化珪素及び珪素原料表面の二酸化ケイ素と炭素と
の反応性が乏しく、二酸化ケイ素が接合部に残り、反応
焼結性が低下し、緻密な接合部の生成が難しい。また、
この減圧下で1400℃を超えると、端部からの珪素の
蒸発があり発熱体としての必要条件を欠くことになる。
1000℃ないし1400℃から1600℃の昇温で
は、5Torrから20Torrの圧力下が好ましく、
更には8Torrから12Torrの圧力下が好まし
い。その際、仮接着部に端部からの溶融珪素を浸透させ
ると同時に、配合してある炭素及び有機バインダーの熱
分解により生成した炭素と反応させる。この時の最高温
度は1450℃から1600℃が好ましく、更には14
80℃〜1530℃が好ましい。最高温度が1450℃
未満では、完全に反応焼結がおきず、未反応炭素が残
り、1600℃を超える温度であると、端部からの珪素
の蒸発があり、比抵抗が高くなり、発熱体として使用で
きない。また、圧力は、5Torrより高い減圧下であ
ると、端部からの珪素の蒸発があり、20Torr以下
の減圧下であると、炭素と珪素との反応焼結性が低下
し、接合部分の強度が不足してしまう。その際、炉内を
アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気とし
て減圧する。中でもアルゴン、ヘリウムは、端部の珪素
との反応がないため、反応焼結炭化珪素を生成させる上
に好ましい。
【0024】このようにして混練物を仮接着し、焼成す
ることで、接合部の温度が1400℃以上となる状態で
発熱しても、接合部の強度低下することなく、端部の比
抵抗が上がることもなくなる。焼成における処理温度を
下げることができることにより、黒鉛炉のような特殊な
装置を使用する必要がなくなり、また接合に必要な電力
量が少なくなり、大幅なコストダウンが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0026】(実施例1)接着に用いる混練物中の骨材
粉末として、粗粒炭化珪素粉末(♯220以下、最大粒
径110μm、平均粒子径53μm)59重量%、微粒
炭化珪素粉末(最大粒径が10μm、平均粒径2μm)
21重量%に、炭素粉末(最大粒子径30μm、平均粒
径3μm)8重量%を配合し、さらに熱分解による炭素
成分が12重量%となるように有機バインダー(液状フ
ェノール樹脂と固形フェノール樹脂)を配合し、混練物
を作製した。
【0027】この混練物を用いて、比抵抗が0.1〜
0.2Ωcmである炭化珪素からなる発熱部(外径φ2
0、内径φ10、全長300mm)と炭化珪素と珪素の
複合材からなる端部(外径φ20、内径φ10、全長3
00mm)を仮接着し、室温から1350℃まで0.1
Torrの真空減圧下で1時間保持し、1350℃〜1
550℃の間は10Torrのアルゴンガス減圧雰囲気
下で2時間保持し、炭化珪素発熱体を得た。
【0028】得られた炭化珪素発熱体の接合部の常温三
点曲げ強度は115MPa、1400℃での高温三点曲
げ試験では、110MPaであった。得られた混練物を
乾燥後、窒素雰囲気中600℃2時間で仮焼し、アルキ
メデス法により嵩比重を測定した。また、仮焼体をバー
ンアウトし、全炭素成分から理論成形体密度をもとめ、
その理論成形体密度に対する相対密度は88%であっ
た。さらに、混練物の乾燥体とSiを反応させ、同焼成
条件中で、反応焼結炭化珪素とし、その嵩密度を測定し
た結果、3.12g/cm3であった。
【0029】端部として使用した炭化珪素と珪素複合材
のみを同焼成条件で処理し、比抵抗を測定した結果0.
0038Ωcmであった。これらの結果を表1に示す。
なお、発熱部に用いた炭化珪素材及び端部に用いた炭化
珪素と珪素複合材は、室温及び1400℃での強度は1
25MPaから140MPaであり、接合部の強度と大
きな差は認められなかった。また、炭化珪素と珪素複合
材の接合前の比抵抗は0.0036Ωcmであり、焼成
前後で大きな差は認められなかった。
【0030】(実施例2、3)骨材の配合を表1に示し
たように変えた以外は、実施例1と同様にして仮接着
し、焼成して炭化珪素発熱体を得た。得られた混練物の
理論成形体密度に対する相対密度、得られた炭化珪素発
熱体の接合部の嵩比重、室温と1400℃における三点
曲げ強度、端部の比抵抗を表1に示した。
【0031】(実施例4〜7)焼成条件を表1に示した
ように変えた以外は、実施例1と同様にして仮接着し、
焼成して炭化珪素発熱体を得た。得られた混練物の理論
成形体密度に対する相対密度、得られた炭化珪素発熱体
の接合部の嵩比重、室温と1400℃における三点曲げ
強度、端部の比抵抗を表1に示した。
【0032】(比較例1〜4)骨材の配合を表1に示し
たように変えた以外は、実施例1と同様にして仮接着
し、焼成して、炭化珪素発熱体を得た。得られた混練物
の理論成形体密度に対する相対密度、得られた炭化珪素
発熱体の接合部の嵩比重、室温と1400℃における三
点曲げ強度、端部の比抵抗を表1に示した。
【0033】(比較例5〜8)焼成条件を表1に示した
ように変えた以外は、実施例1と同様にして仮接着し、
焼成して、炭化珪素発熱体を得た。得られた混練物の理
論成形体密度に対する相対密度、得られた炭化珪素発熱
体の接合部の嵩比重、室温と1400℃における三点曲
げ強度、端部の比抵抗を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示した結果から明らかなように、本
発明に従う実施例1〜7は、焼成後の1400℃におけ
る高温強度も高く、端部の比抵抗も焼成前後で大きな変
化がない、高温用ヒータとしての信頼性の高い炭化珪素
発熱体が得られた。
【0036】これに対して、粗粒と微粒の炭化珪素粉末
の割合を変えた比較例1と比較例2、および混練物中の
全炭素成分を20重量%以下とした比較例3は、混練物
の理論成形体密度に対する相対密度が低下したため、接
合部に珪素が多く残存したために、1400℃における
高温強度が十分でない。
【0037】混練物中の全炭素成分を30重量%以上と
した比較例4は、未反応炭素が接合部に残り、さらに接
合部に亀裂が入っており、完全に接合できていなかっ
た。室温から1350℃までの圧力を0.01Torr
以上にした比較例5は、端部からの珪素の蒸発が激しく
なり、端部の比抵抗が高くなり、端部の電力損失が多く
なるため、発熱体に用いることができない。
【0038】室温から1350℃までの圧力を0.5T
orr以下にした比較例6は、炭化珪素及び珪素原料表
面の酸化ケイ素が接合部に残り、反応焼結性が低下し、
緻密な接合部が得られなかった。
【0039】1350〜1500℃までの圧力を5To
rr以上にした比較例7は、端部からの珪素の蒸発が激
しくなり、端部の比抵抗が高くなり、端部の電力損失が
多くなるため、発熱体に用いることができない。
【0040】1350〜1500℃までの圧力を20T
orr以下にした比較例8は、炭素と珪素との反応焼結
性が低下し、接合部分の強度が不足してしまう。
【0041】したがって、粗粒と微粒の炭化珪素粉末
と、炭素粉末と、有機バインダーの割合を制御した混練
物で接着し、圧力調製をして焼成し、接合することで1
400℃以上の温度の使用に耐えうる接合部を備えた炭
化珪素発熱体が得られるといえる。
【0042】
【発明の効果】以上記したように、本発明にかかる高温
用炭化珪素発熱体およびその接合方法は、低い温度で処
理できるため、黒鉛炉といった特別な装置を必要とせ
ず、緻密で、1400℃以上の耐熱度と60MPaを超
す接合強度を備える耐久性に優れた高温用炭化珪素発熱
体を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素からなる発熱部と炭化珪素と珪
    素の複合材からなる端部から構成される炭化珪素発熱体
    の接合部において、該接合部のSiC組成物のかさ比重
    が2.80以上で、室温および1400℃における3点
    曲げ強度が60MPa以上であり、端部の室温における
    比抵抗が発熱部の室温における比抵抗の10%以下であ
    ることを特徴とする炭化珪素発熱体。
  2. 【請求項2】 炭化珪素からなる発熱部と炭化珪素と珪
    素の複合材からなる端部の接合部において、粒子径が4
    0μm〜110μmの粗粒炭化珪素粉末が40〜60重
    量%と、最大粒径が10μm以下の微粒炭化珪素粉末が
    20〜30重量%と、最大粒子径が30μm以下の炭素
    粉末と有機バインダーの熱分解により生成する炭素成分
    との合計炭素成分が20〜30重量%となる混練物を用
    いて発熱部と端部を仮接着し、焼成して接合させること
    を特徴とする請求項1記載の炭化珪素発熱体の接合方
    法。
  3. 【請求項3】 前記焼成に関し、温度を1450℃から
    1600℃で加熱処理し、室温から1000℃ないし1
    400℃まで0.01Torrから0.5Torrの減
    圧下、1000℃ないし1400℃から1600℃の間
    は5Torrから20Torrの減圧の不活性雰囲気下
    で焼成して、端部から珪素を仮接着部に供給し、混練物
    と反応させて接合させることを特徴とする請求項2に記
    載の炭化珪素発熱体の接合方法。
JP2002134369A 2002-05-09 2002-05-09 炭化珪素発熱体およびその接合方法 Withdrawn JP2003327478A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7759618B2 (en) 2003-07-16 2010-07-20 Sandvik Materials Technology Uk Limited Silicon carbide heating elements
JP2012030215A (ja) * 2010-07-02 2012-02-16 Denso Corp ハニカム構造体及びその製造方法
US10129931B2 (en) 2008-06-06 2018-11-13 Sandvik Materials Technology Uk Limited Electrical resistance heating element

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