JP2003326391A - 溶接裏当て用鋼板 - Google Patents

溶接裏当て用鋼板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残存板厚や溝ピッチを適切に設定することに
より、作業者が治具を用いずに曲げることができ、かつ
ロボット溶接を行ったとき抜けが起こらないように構成
した鋼管の溶接裏当て用鋼板を提供する。 【解決手段】 本発明の溶接裏当て用鋼板は、溶接母材
の各湾曲部の内曲面に当てるべき部分に、一群の溝が並
列に配置されて形成されており、該当湾曲部における曲
率半径をr(mm)、鋼板の厚みをt(mm)、前記残
存板厚をd(mm)、溝幅をa(mm)、鋼板を曲げた
ときの溶接母材との最大間隔をs(mm)、溝ピッチ間
角度を2θ(ラジアン)、そしてその該当湾曲部の中心
角をD(ラジアン)とし、溝数をn1およびn2とした
とき、n1={t−(d〜d/2)}・D・1/a−1 によって溝数n1を計算するとともに、 cosθ=1−s/r、n2=D/2θ−1 によって溝数n2を計算し、溝数を前記n1およびn2
のうち、多い方の値以上で、溝のピッチが2.55mm
以上となる数値に設定したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接裏当て用鋼板
に関し、更に詳細には、鋼管である溶接母材の突き合わ
せ溶接のための、真直な状態で提供され溶接母材の内寸
に合わせて曲げて用いられる溶接裏当て用鋼板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】鉄骨建築の柱によく使用される鋼管(溶
接母材)例えば円形鋼管は、梁との接合方法として、図
4に示されるような鋼管2を鋼板(ダイヤフラムと呼ば
れる)に溶接接合し、そのダイヤフラム鋼板3に梁4を
溶接接合する、いわゆる通しダイヤフラム接合形式と呼
ばれる方法が多用される。この接合形式を採用する場
合、柱である鋼管とダイヤフラム鋼板の溶接は図5に溶
接部の断面を示すように一般に突き合わせ溶接が用いら
れ、溶接に際して裏当て金1が用いられる。この裏当て
金1は、従来通常、フラットバーを円形に曲げて作られ
ている。なお、上記のような溶接母材としては、上記の
円形鋼管の他、例えば、角形鋼管はじめとする多角形鋼
管、楕円形鋼管等が挙げられる。
【0003】鋼管の湾曲部内面と裏当て金の間の隙間
は、良好な溶接をするためにできるだけ密着させる必要
がある。冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアルで、上
記隙間は1.5mm以下と規定されており、特にロボッ
ト溶接では0.5mm以下が推奨されており、上記の隙
間がこの値を超えると、溶接の際に溶接欠陥が生ずる恐
れがある。円形鋼管は当然のことながら製造誤差等によ
り、断面が真円になっておらず、このため、裏当て金1
の製作が難しくコスト高になり、かつ裏当て金1が鋼管
に対しなじみにくく、取り付けが困難であるという問題
がある。
【0004】このため鋼管への裏当て金の取り付け方法
についていくつかの提案がなされている。たとえば、特
開平4−284997号公報においては裏当て金とすべ
き長尺のスリット板を鋼管内周長さに合わせた円筒状の
巻物に成型して切断し、これを鋼管内の取り付け位置に
持ち込み、鋼管を転回しながら鋼管内壁に端から順次ロ
ーラ等で押しつけてスポット溶接で固定していく方法が
示されている。しかしながら、この方法は鋼管の移送ス
キッドや転回装置など大がかりな設備が必要となり、適
用できる場合が限られ現場作業には適さない。
【0005】一方、このような大がかりな設備を要さず
に適用できる方法として、角形鋼管用ではあるが、実開
昭63−157497号に示されるような裏当て金とす
べき平鋼に切り欠き溝をあらかじめ設けておき、使用す
るときに鋼管の内壁に合わせて曲げるようにするものが
ある。
【0006】この実開昭63−157497号の平鋼に
あらかじめ溝を設けておく方法においては、鋼管のそれ
ぞれのコーナー部に対応する位置に一定の幅を有する角
形の溝を4個ずつ設けたものが示されている。しかしな
がら、その実施例に示された裏当て金にあっては、溝を
設けてあった部分の背面に凹みが生じ折れ線的な曲がり
となり、これらにより鋼管の内壁との間に隙間を生じ溶
接不良すなわちルート部の欠陥となる。この実開昭63
−157497号には裏当て金の溝は形状、寸法、深
さ、ピッチ数を適宜変化させると記載されているもの
の、具体的な場合に応じてどのような考え方でどのよう
にしたら良いのかといったことは一切示されていない。
【0007】上記のような問題に対し、これもまた、角
形鋼管用であるが、特開平8−155679号において
は、鋼管の内面側の曲率のバラツキがある場合でも、溶
接上全く問題のない程度まで隙間を極力小さく抑えるこ
とができ、かつ加工しやすい裏当て金用の鋼板が提案さ
れ、かつ実際に使用されている。
【0008】この特開平8−155679号の鋼管の溶
接裏当て用鋼板は、鋼管の突き合わせ溶接のための真直
な状態で提供され鋼管の内寸に合わせて曲げて用いる裏
当て用鋼板において、鋼管それぞれの湾曲部内側の曲面
部に当てるべき部分に一群の数が8個以上10個以下の
V溝の群を設け、前記V溝の深さは前記裏当て用鋼板の
板厚から1.7ないし4mm引いた値とし、V溝の角度
は一群のV溝の数をnとしたとき90/n度以上110
/n度以下であることを特徴とする。上記特開平8−1
55679号で提案された鋼管の溶接裏当て用鋼板は、
上記の構成の通りであるが、上記のV溝を加工するに
は、先の尖った切削用刃物を用いて行わなければならな
いこと等から、市場に出されている実際の裏当て用鋼板
の溝形成部における残存板厚は、3.5mmになってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の裏当て用鋼板に
おいては、上記残存板厚が3.5mmとなっているの
で、簡単なものでよいが治具なしでは曲げることができ
ないという問題がある。また、溝の加工に切削用刃物を
用いなければならないため、製作に時間がかかること
や、刃物の破損等から相対的に製作コストが高くなって
しまうという問題もある。裏当て用鋼板を治具なしで曲
げることができるようにするには、上記の残存板厚を薄
くすればよいが、このような加工を行うには上記の刃物
の破損等の危険性が更に増すとともに、溶接の際に抜け
が生じ、ロボット溶接の場合には、作業が停止してしま
い、設定のし直し等を行わなければならず、作業効率が
極端に落ちてしまうという新たな問題が発生してしま
う。
【0010】そこで、本発明は、溝形状を再考するとと
もに、上記残存板厚や溝ピッチを適切に設定することに
より、作業者が治具を用いずに曲げることができ、かつ
ロボット溶接を行ったとき抜けが起こらないように構成
した鋼管の溶接裏当て用鋼板を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の下
記(1)〜(4)の構成のいずれかの鋼管の溶接裏当て
用鋼板により解決される。 (1) 鋼管である溶接母材の突き合わせ溶接のため
の、真直な状態で提供され溶接母材の内寸に合わせて曲
げて用いられる溶接裏当て用鋼板において、溶接母材の
各湾曲部の内曲面に当てるべき部分に、一群の溝が並列
に配置されて形成されており、前記溝の形状は、その深
さにおける50%以上の部分の両側面が平行な形状であ
り、その溝位置における残存板厚が1.5〜2.5mm
であり、各溝の幅が4mm以下であり、該当湾曲部にお
ける曲率半径をr(mm)、鋼板の厚みをt(mm)、
前記残存板厚をd(mm)、溝幅をa(mm)、鋼板を
曲げたときの溶接母材との最大間隔をs(mm)、溝ピ
ッチ間角度を2θ(ラジアン)、そしてその該当湾曲部
の中心角をD(ラジアン)とし、溝数をn1およびn2
としたとき、 n1={t−(d〜d/2)}・D・1/a−1 によって溝数n1を計算するとともに、 cosθ=1−s/r、 n2=D/2θ−1 によって溝数n2を計算し、溝数を前記n1およびn2
のうち、多い方の値以上で、溝のピッチが2.55mm
以上となる数値に設定した、ことを特徴とする鋼管の溶
接裏当て用鋼板。 (2) 前記溶接母材が、円形鋼管、楕円形鋼管または
角形鋼管等の多角形鋼管である上記(1)の溶接裏当て
用鋼板。 (3) 前記最大間隔sを0.5mm以下とした上記
(1)または(2)の溶接裏当て用鋼板。 (4) 端部において、前記溝をピッチを細かくして、
少なくとも1個追加した上記(1)〜(3)のいずれか
の溶接裏当て用鋼板。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明の鋼管の溶接裏当て用鋼板
においては、上記したように溝の少なくとも50%を両
側面が平行な形状としたので、少なくともその部分は鋸
刃で切削することができるので、効率よく、しかも安価
に製作することができる。本発明の鋼管の溶接裏当て用
鋼板においては、また、溝の形状部位における残存板
厚、溝のピッチ等を上記のように容易に設定することが
でき、このように溝が設定された溶接裏当て用鋼板は容
易に曲げることができるとともに、溶接時における抜け
がなく、効率よくロボット溶接ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の実施の態様による鋼管の溶接裏当て用鋼板につい
て説明する。本発明の溶接裏当て用鋼板は、円形鋼管、
楕円形鋼管、角形鋼管等の多角形鋼管、これらの鋼管の
一部ずつを組み合わせた異形鋼管等のいずれをも溶接母
材とすることができる。なお、このような鋼管として
は、全長に亘って、サイズ(径)が均一な鋼管の他、テ
ーパーが付けられた絞り鋼管(角形鋼管でテーパーがつ
けられたものは、絞りコラムと呼ばれることが多い)が
挙げられる。以下の説明においては、溶接母材である鋼
管を均一径の円形鋼管として説明する。図1は、本発明
の実施の態様による鋼管の溶接裏当て用鋼板を示す斜視
図、図2は、図1の裏当て用鋼板の正面図、および図3
は、図1の裏当て用鋼板を鋼管の湾曲部に沿って曲げた
状態で表した正面図である。
【0014】この裏当て用鋼板1は、図1の斜視図に示
すようにその全体に一連の溝10を設けたものである。
図示した例は、半円用の溶接裏当て用鋼板であるが、溶
接母材である鋼管の内周長に応じて、全円用、1/3円
用、1/4円用等としてもよい。
【0015】上記溝10の形状は、図2によく示したよ
うに両側面が互いに平行な角形の溝であることが特に好
ましいが、図6(b)以下に示したように、その深さの
少なくとも50%の部分の両側面が互いに平行な形状で
あればよい。これにより、溝の50%以上を鋸刃で加工
することができるようになり、従来実施されていたもの
より大幅に加工コストを下げることができる。各溝10
の幅は、4mm以下、好ましくは2mm以下、特に少な
くとも溝の下半分(溝の入り口から遠い方の)の最大幅
が1.75mm以下であることが好ましい。この幅は、
上記した溶接の抜けを考えると、狭ければ狭いほど望ま
しいが、狭くなると後に説明する理由により、溝の個数
が多くなり加工に時間とコストがかかるようになるの
で、また現在の所の鋸刃の関係から下限は0.9mm程
度である。
【0016】また溝形成部における残存板厚は、1.5
〜2.5mm、好ましくは、1.7〜2.3mmとす
る。これらの条件は理論的考案と実験による検証によっ
て定めたものであり、以下にその理由を述べる。
【0017】上記したように、溝の深さは人力で容易に
曲げるためには裏当て用鋼板の溝部分の残存板厚が2.
5mm以下になるようにする必要がある。この曲げに必
要とする力は以下のようにして計算することができる。
すなわち図6に示すように溝部の残存板厚をt、鋼板
の板幅(図示せず)をw1、引張り強さをσとすれば
応力分布Sは図示したようになるから合力Tはt×w
1×σとなり、曲げモーメントMは曲げの支点が溝の
底、力点が残存板厚の半分の位置として下式のようにな
る。 M=T×t/2=w1・t ・σ/2
【0018】たとえばσ=50kg/mm、w1=
25mm、t=2mmなら250kg・cmとなり、
曲げ位置から10cmずつ離れた位置を持って25kg
の力で曲げられることとなり人力で容易に曲げられる。
これがt=4mmとなると1000kg・cmとなり
万力などの工具を用いても限界となる。このため本発明
においては残存板厚の上限を2.5mmとした。一方下
限は残存板厚があまりにも小さいと溶接の際に抜けが生
ずるので1.5mmとした。
【0019】本発明においては、溝の数・ピッチは次の
ようにして設定される。円形鋼管2の内面における曲率
半径をr(mm)、鋼板の厚みをt(mm)、上記残存
板厚をd(mm)、溝幅をa(mm)、鋼板を曲げたと
きの溶接母材との最大間隔をs(mm)、溝ピッチ間角
度を2θ(ラジアン)、そしてその該当湾曲部の中心角
をD(ラジアン)とし、溝数をn1およびn2としたと
き、 n1={t−(d〜d/2)}・D・1/a−1 式1 (裏当て用鋼板を鋼管の湾曲部に沿って曲げたときに、
溝の両側壁同士が互いに干渉し合わないようにすること
が好ましい(接触する程度であるならよい)。)によっ
て溝数n1を計算するとともに、 cosθ=1−s/r、 n2=D/2θ−1 式2 (ピッチが大きくなりすぎると、裏当て用鋼板の曲げた
部分が実質的に円弧状にならず、多角形となってしま
い、この多角形の辺と鋼管の円弧との間隙が大きくなっ
てしまうので、この間隙(上記最大間隔s)が0.5m
m以下となるような、ピッチとすることが望ましい。)
によって溝数n2を計算し、溝数を前記n1およびn2
のうち、多い方の値以上に設定して、溝のピッチを定め
る。溝数は、溝ピッチが2.55mm以上となる数値と
する。なお、溝数の計算の仕方は、n1、n2を計算す
るときに1を減算せず、n1とn2のうち大きい方の値
から1を減算して求めてもよい。また、式1において、
括弧内の数値をd〜d/2としたのは、d/2が鋼板を
曲げたときの、収縮と引っ張りの中心位置であるので、
正確にはこの値を採用することが好ましいが、dまでの
間の値であるなら実質的に問題がないために上記の値を
幅をもたせて採用したものである。
【0020】上記の溝ピッチが上記の値未満であると、
溝形成部における鉄残存量が足りなくなり、溶接の際に
上記の抜けが生じやすくなる。また、図示したように、
鋼板の端部において、鋼管の形状になじませやすくする
ため、鋼板の端部において、溝をピッチを細かくして、
少なくとも1個、特に複数個追加することが好ましい。
この追加の溝としては、上記のように設定された溝のピ
ッチの1/2ピッチ(mm)以下で、少なくとも1個設
けることが好ましい。以上の説明では、溶接母材である
鋼管を円形鋼管として説明したが、例えば、図8のよう
な異形な鋼管であった場合には、湾曲部w1およびw2
の溝のピッチ、個数を別個に、上記の式を用いて計算し
て求めて設計する。
【0021】なお、溶接母材が多角形鋼管である場合と
うにおいては、この鋼管の各辺の長さや曲率の誤差に対
処するため、すなわち調節代として1個ないし4個の溝
を追加してもよい。本考案による裏当て用鋼板は後に説
明するように容易に曲げることができるので、曲げた後
に鋼管の湾曲部に合わせたとき、合わない場合には、少
し曲げ戻して再度曲げ直すことが可能であるので、この
調節代が特に有用である。
【0022】
【実施例】実施例1 溶接母材および溶接裏当て用鋼板の各ファクターを下記
とした。 溶接母材(円形鋼管) 外径=450mmφ 厚さ=36mm 従って、内半径r=189mm 溶接裏当て用鋼板 板厚t=16mm 鋼板に形成する溝 溝幅a=1.75mm 鋼板の溝部における残存板厚d=2mm 溝を形成する角度範囲D=2π(円形なので) 曲げた鋼板を溶接母材に設置したときの両者の間の最大
間隔s=0.5mm
【0023】以上の各ファクターに基づき、上記の式に
より、望ましい溝の個数nを求める。まず、式1によ
り、n1を求めると、 n1={t−(d/2)}・D・1/a−1 =(16−2/2)・2π/1.75−1 =53.82−1 従って、溝の個数は、53個である。
【0024】一方、式2により、n2を求めると、 cosθ=1−s/r =1−0.5/189 =0.997354 従って、θ=0.072755(ラジアン) これを、n2=D/2θに代入すると、 n2=2π/2×0.072755−1 =43.15−1 従って、溝の数は、43個である。
【0025】多い方を採用するので、溝の数は53個と
した。鋼管の内周長は、2πrであるので、約1186
mmである。従って、溝のピッチpは、1186/53
=22.38mmである。以上のファクターで、溶接裏
当て用鋼板を作成し、これを用いて実際にロボット溶接
を行ったところ、ロボット溶接による抜けがなく、効率
よく溶接作業を行うことができた。なお、溝の数を43
個とした場合には、上手く曲げることができなかった。
【0026】実施例2 溶接母材および溶接裏当て用鋼板の各ファクターを下記
とした。 溶接母材(円形鋼管) 外径=800mmφ 厚さ=36mm 従って、内半径r=364mm 溶接裏当て用鋼板 板厚t=12mm 鋼板に形成する溝 溝幅a=1.75mm 鋼板の溝部における残存板厚d=2mm 溝を形成する角度範囲D=2π(円形なので) 曲げた鋼板を溶接母材に設置したときの両者の間の最大
間隔s=0.5mm
【0027】以上の各ファクターに基づき、上記の式に
より、望ましい溝の個数nを求める。 まず、式1により、n1を求めると、 n1={t−(d/2)}・D・1/a−1 =(12−2/2)・2π/1.75−1 =39.47−1 従って、溝の個数は、39個である。
【0028】一方、式2により、n2を求めると、 cosθ=1−s/r =1−0.5/364 =0.998626 従って、θ=0.05242(ラジアン) これを、n2=D/2θ−1に代入すると、 n2=2π/2×0.05242−1 =59.90−1 従って、溝の数は、59個である。
【0029】多い方を採用するので、溝の数は59個と
した。鋼管の内周長は、2πrであるので、約2286
mmである。従って、溝のピッチpは、2286/59
=38.75mmである。以上のファクターで、溶接裏
当て用鋼板を作成し、これを用いて実際にロボット溶接
を行ったところ、ロボット溶接による抜けがなく、効率
よく溶接作業を行うことができた。なお、溝の数を39
個とした場合には、ロボット溶接による抜けが生じ、作
業が停止してしまい、設定等のし直しが必要となったた
め、作業能率が著しく低下してしまった。
【0030】なお、絞り鋼管を溶接母材とし、本発明に
よる溶接裏当て用鋼板を用いて実際に溶接を行ったとこ
ろ、上記と同様の結果が得られた。なお、溶接裏当て用
鋼板を絞り鋼管のテーパーになじませるには、通常の径
が均一の鋼管と同様に、丸棒をあてがい、シャコ万力で
締め込んで行った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様による裏当て用鋼板を示す
斜視図である。
【図2】図1に示した裏当て用鋼板の正面図である。
【図3】図1に示した裏当て用鋼板を鋼管の湾曲に沿っ
て曲げた状態で表した正面図である。
【図4】鋼管の使用方法の例を示す図である。
【図5】鋼管とダイヤフラム鋼板との溶接部の断面図で
ある。
【図6】裏当て用鋼板を曲げるのに必要な力の計算方法
を説明する図である。
【図7】溝の形状の変形例を示す断面図である。
【図8】異形鋼管である溶接母材の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 裏当て用鋼板 2 鋼管 3 ダイヤフラム鋼板 4 梁 10 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管である溶接母材の突き合わせ溶接の
    ための、真直な状態で提供され溶接母材の内寸に合わせ
    て曲げて用いられる溶接裏当て用鋼板において、 溶接母材の各湾曲部の内曲面に当てるべき部分に、一群
    の溝が並列に配置されて形成されており、 前記溝の形状は、その深さにおける50%以上の部分の
    両側面が平行な形状であり、その溝位置における残存板
    厚が1.5〜2.5mmであり、各溝の幅が4mm以下
    であり、 該当湾曲部における曲率半径をr(mm)、鋼板の厚み
    をt(mm)、前記残存板厚をd(mm)、溝幅をa
    (mm)、鋼板を曲げたときの溶接母材との最大間隔を
    s(mm)、溝ピッチ間角度を2θ(ラジアン)、そし
    てその該当湾曲部の中心角をD(ラジアン)とし、溝数
    をn1およびn2としたとき、 n1={t−(d〜d/2)}・D・1/a−1 によって溝数n1を計算するとともに、 cosθ=1−s/r、 n2=D/2θ−1 によって溝数n2を計算し、 溝数を前記n1およびn2のうち、多い方の値以上で、
    溝のピッチが2.55mm以上となる数値に設定した、 ことを特徴とする鋼管の溶接裏当て用鋼板。
  2. 【請求項2】 前記溶接母材が、円形鋼管、楕円形鋼管
    または角形鋼管等の多角形鋼管である請求項1の溶接裏
    当て用鋼板。
  3. 【請求項3】 前記最大間隔sを0.5mm以下とした
    請求項1または2の溶接裏当て用鋼板。
  4. 【請求項4】 端部において、前記溝をピッチを細かく
    して、少なくとも1個追加した請求項1〜3のいずれか
    の溶接裏当て用鋼板。
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JP2014079803A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Hagiwara:Kk 溶接用裏当金
JP2016083682A (ja) * 2014-10-27 2016-05-19 株式会社スノウチ 溶接用裏当て鋼板
TWI611860B (zh) * 2013-08-20 2018-01-21 Sunouchi Corp 焊接用墊板
JP2018047490A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 株式会社スノウチ 溶接裏当て用鋼板

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