JP2003323007A - 電子写真現像剤用磁性キャリア - Google Patents

電子写真現像剤用磁性キャリア

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JP2003323007A
JP2003323007A JP2002127439A JP2002127439A JP2003323007A JP 2003323007 A JP2003323007 A JP 2003323007A JP 2002127439 A JP2002127439 A JP 2002127439A JP 2002127439 A JP2002127439 A JP 2002127439A JP 2003323007 A JP2003323007 A JP 2003323007A
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magnetic carrier
particles
electrophotographic developer
plate
metal oxide
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JP2002127439A
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Yasushi Akai
裕史 赤井
Eiichi Kurita
栄一 栗田
Kazuyuki Takama
和志 高間
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Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電子写真現像剤用磁性キャリアに
関するものであり、カブリや画像ムラの生じない画像を
形成することができる電子写真現像剤用磁性キャリアを
提供する。 【解決手段】 板状比が1.3〜5.0の板状金属酸化
物粒子粉末と粒状強磁性鉄化合物粒子粉末とフェノール
樹脂とからなる平均粒子径10〜100μmの球状複合
体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアであって
該球状複合体粒子に含まれる板状金属酸化物粒子粉末と
粒状強磁性鉄化合物粒子粉末との総量が80〜99重量
%であり、当該球状複合体粒子の粒子表面が板状金属酸
化物粒子に起因する微小な凹凸を有する電子写真現像剤
用磁性キャリアからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電子写真現像剤用
磁性キャリアに関するものであり、カブリや画像ムラの
生じない画像を形成することができる電子写真現像剤用
磁性キャリアを提供する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、電子写真法においては、
セレン、OPC(有機半導体)、α−Si等の光導電性
物質を感光体として用い、種々の手段により静電気的潜
像を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法等を用いて、
潜像の極性と逆に帯電させたトナーを静電気力により付
着させ、顕像化する方式が一般に採用されている。
【0003】この現像工程においては、トナーとキャリ
アとからなる現像剤が使用され、キャリアと呼ばれる担
体粒子が摩擦帯電により適量の正又は負の電気量をトナ
ーに付与し、且つ、磁気力を利用し磁石を内蔵する現像
スリーブを介して、潜像を形成した感光体表面付近の現
像領域にトナーを搬送している。
【0004】近年、前記電子写真法は複写機又はプリン
ターに広く多用化されており、細線や小文字、写真及び
カラー原稿等様々な文書に対応できることが望まれてい
る。複写機及びプリンターの高機能化、高画質化及び高
速化に伴って使用される現像剤としての諸特性の向上が
要求されている。
【0005】特に、キャリアについては、高画像化及び
高速化に伴って高信頼性が必要ととなるため、キャリア
の帯電性能が長期に亘って維持できる高寿命化が必要と
されている。
【0006】従来、前記電子写真法に用いるキャリアと
しては、フェライトキャリア及び鉄粉キャリア、バイン
ダ樹脂中に磁性粒子粉末を分散させたバインダ型キャリ
アが知られている。
【0007】フェライトキャリア及び鉄粉キャリアは、
通常、粒子表面を樹脂で被覆して使用されるが、粒子表
面と被覆樹脂との接着性が良好とは言い難く、使用中に
次第に被覆樹脂が剥離して、帯電性の変化を起こし、結
果として画像の乱れやキャリア付着等の問題を引き起こ
してしまう。
【0008】一方、バインダ型キャリアは、磁性粉の含
有量が高く出来なかったり、バインダとして使用できる
樹脂が限定される等の問題がある。
【0009】もっとも、特開平2−220068号公報
記載の磁性粒子とフェノール樹脂とからなる球状複合体
粒子からなるバインダ型キャリアは、前記フェライトキ
ャリアや鉄粉キャリアに比べ、被覆樹脂との接着性に数
段優れており、使用中に被覆樹脂が剥離する問題はほと
んど起こらないものである。
【0010】近年要求されている環境負荷低減のため
に、トナーについても低温定着の傾向にある。低温定着
トナーは、従来のトナーに比べてより容易に定着するこ
とができる反面、複数枚を複写することによってスリー
ブ上の凹凸にトナーが融着するスリーブ汚染が生じ、搬
送性が悪化するために画像濃度の低下、カブリの原因と
なる。この問題は、スリーブ上に適度の凹凸をつけるこ
とで解決を図っている。前記スリーブを用いた場合、前
記球状複合体粒子のバインダ型キャリアは粒子表面が滑
らかであるため、滑らかな表面を有するスリーブ上では
磁性キャリアがスリップして搬送性が十分とは言い難い
ものであり、現像剤を均一に付着させることができなか
った。よって、カブリや画像ムラが生じやすくなってい
る。
【0011】そこで、滑らかな表面を有するスリーブ上
においてもカブリや画像ムラが生じにくい良好な画像を
得ることができるバインダ型磁性キャリアが強く望まれ
ている。
【0012】球状のバインダ型磁性キャリアにおいて、
粒子表面に微小な凹凸を有する磁性キャリア(特開平5
−197212号公報)、磁性粒子粉末としてスピネル
型構造の磁性体粒子とマグネトプランバイト型構造の磁
性体粒子とを用いた磁性キャリア(特開平6−3523
1号公報)、磁性粒子粉末として硬磁性粒子粉末と軟磁
性粒子粉末とを用いた磁性キャリア(特開平10−26
8575号公報)及び磁性粒子粉末としてマグネタイト
又はソフトフェライトとバリウムフェライト又はストロ
ンチウムフェライトとを含む磁性キャリア(特開200
0−137352号公報)等が知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】即ち、前出特開平5−
197212号公報には粒子表面に微小な凹凸を有する
磁性キャリアが記載されているが、流動率が低いため搬
送性が十分とは言い難いものである。また、粒子表面の
凹凸の大きさが1〜20μmであるため、凹凸が大きす
ぎてトナーがスペントしやすくなっている。
【0014】また、前出特開平6−35231号公報に
は板状Srフェライト粒子粉末と球状Cu−Znフェラ
イトとを用いたバインダ型磁性キャリアが記載されてい
るが、磁性キャリアの表面状態については考慮されてお
らず、搬送性が十分とは言い難いものである。
【0015】また、前出特開平10−268575号公
報には硬磁性粒子粉末と軟磁性粒子粉末とを用いた磁性
キャリアが記載されているが、用いる磁性体の粒子形状
は限定されておらず、流動率が低いため搬送性が十分と
は言い難いものである。
【0016】また、前出特開2000−137352号
公報にはSrフェライト粒子粉末とCu−Znフェライ
トとを用いたバインダ型磁性キャリアが記載されている
が、磁性キャリアの表面状態については考慮されておら
ず、搬送性が十分とは言い難いものである。
【0017】そこで、本発明は、球状磁性キャリアの粒
子表面に板状粒子に起因する微小な凹凸を設けることに
よって流動率を高めて、滑らかな表面を有するスリーブ
上における球状磁性キャリアのスリップを防止し、均一
な現像剤層を形成させることによりカブリや画像ムラが
生じにくい良好な画像を得ることを技術的課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0019】即ち、本発明は、板状比が1.3〜5.0
の板状金属酸化物粒子粉末と粒状強磁性鉄化合物粒子粉
末とフェノール樹脂とからなる平均粒子径10〜100
μmの球状複合体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キ
ャリアであって該球状複合体粒子に含まれる板状金属酸
化物粒子粉末と粒状強磁性鉄化合物粒子粉末との総量が
80〜99重量%であり、当該球状複合体粒子の粒子表
面が板状金属酸化物粒子に起因する微小な凹凸を有する
ことを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリアであ
る。
【0020】また、本発明は、電子写真現像剤用磁性キ
ャリアの流動率と平均粒子径との関係が下記式を満足す
る前記電子写真現像剤用磁性キャリアである。 y≧−0.4x+54 y:磁性キャリアの流動率(sec/50g) x:磁性キャリアの平均粒子径(μm)
【0021】また、本発明は、前記電子写真現像剤用磁
性キャリアの粒子表面がシリコーン樹脂又はフッ素系樹
脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像剤用
磁性キャリアである。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】まず、本発明に係る電子写真現像剤用磁性
キャリアについて述べる。
【0024】本発明における板状金属酸化物粒子粉末
は、板状比(平均板面径/平均厚み)が1.3〜5.0
の粒子である。板状比が1.3未満の場合は粒状粒子と
相似する形状となり、形状差による粒子表面の凹凸が得
られない。5.0を越える場合は板状粒子が粒子表面に
横になった状態で露出し、粒子表面の凹凸が得られな
い。板状比は1.3〜4.9が好ましい。
【0025】本発明における板状金属酸化物粒子粉末
は、マグネトプランバイト型酸化鉄粒子粉末(ストロン
チウムフェライト粒子粉末、バリウムフェライト粒子粉
末)、ヘマタイト粒子粉末及びマグネタイト粒子粉末等
の板状酸化鉄粒子粉末、アルミナ粒子粉末等であり、好
ましくはマグネトプランバイト型酸化鉄粒子粉末及び板
状酸化鉄粒子粉末である。
【0026】本発明における板状金属酸化物粒子粉末の
平均板面径は0.05〜5.0μmが好ましく、より好
ましくは0.2〜3.0μmである。
【0027】本発明における粒状強磁性鉄化合物粒子粉
末としては、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子
粉末等である。粒子形状は、球状、六面体、八面体など
の粒状であり、好ましくは球状である。
【0028】本発明における粒状強磁性鉄化合物粒子粉
末の平均粒子径は0.02〜3.0μmが好ましく、よ
り好ましくは0.05〜2.0μmである。
【0029】本発明における板状金属酸化物粒子粉末と
粒状強磁性鉄化合物粒子粉末との割合は、板状金属酸化
物粒子粉末と粒状強磁性鉄化合物粒子粉末との総量に対
して10〜90%の板状金属酸化物粒子を含有すること
が好ましく、前記範囲外の場合には本発明の目的とする
表面状態を有する磁性キャリアを得ることができない。
より好ましくは20〜80%である。
【0030】磁性キャリア中の板状金属酸化物粒子粉末
と粒状強磁性鉄化合物粒子粉末とのの全含有量は磁性キ
ャリアに対して80〜99重量%が好ましく、80重量
%未満の場合には樹脂分が多くなり、大粒子が出来やす
くなる。99重量%を越える場合には樹脂分が不足して
十分な強度が得られない。より好ましくは85〜99重
量%である。
【0031】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アは球状であり、粒子表面が前記板状金属酸化物粒子に
起因する微小な凹凸構造を有している。当該構造を有す
ることによって流動率が高くなり、磁性キャリアの搬送
性が改善される。
【0032】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アの平均粒子径は10〜100μmであり、平均粒子径
が10μm未満の場合には二次凝集しやすく、100μ
mを越える場合には機械的強度が弱く、また、鮮明な画
像を得ることができなくなる。より好ましくは20〜7
0μmである。
【0033】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アは、流動率yと平均粒子径xとの関係が下記式を満た
すことが好ましい。下記関係式を満たすことによって、
スリーブ上でスリップしにくくなり磁性キャリアの搬送
性が良好となる。
【0034】y≧−0.4x+54 y:磁性キャリアの流動率(sec/50g) x:磁性キャリアの平均粒子径(μm)
【0035】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アの嵩密度は2.5g/cm以下が好ましく、より好
ましくは1.0〜2.0g/cmである。比重は2.
5〜5.2が好ましく、より好ましくは2.5〜4.5
である。
【0036】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アは、電気抵抗が1×10〜1×1015Ωcm、好
ましくは1×10〜1×1015Ωcmである。
【0037】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アの飽和磁化値は20〜80Am/kg(20〜80
emu/g)が好ましく、より好ましくは40〜80A
/kg(40〜80emu/g)である。
【0038】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アは、球状複合体粒子の粒子表面をシリコーン樹脂又は
フッ素系樹脂で被覆することが好ましい。粒子表面を低
い表面エネルギーを有する前記樹脂で被覆することによ
って、トナーのスペント化を抑制することができる。用
いる被覆樹脂は特に限定されないが、シリコーン樹脂と
しては縮合反応型シリコーン樹脂が好適であり、フッ素
系樹脂としてはポリフッ素化アクリレート樹脂、ポリフ
ッ素化メタクリレート樹脂、ポリフッ素化ビニリデン樹
脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフル
オロプロピレン樹脂及び前記樹脂の組み合わせによる共
重合体が好適である。
【0039】本発明におけるキャリアの樹脂による被覆
量は、球状複合体粒子100重量%に対して0.1〜
5.0重量%である。被覆量が0.1重量%未満の場合
には、十分に被覆することが困難となり、コートむらが
生じる。また、5.0重量%を越える場合には、表面が
平滑になるため搬送性が改善されない。好ましくは0.
5〜3.0重量%である。
【0040】次に、本発明に係る電子写真現像剤用磁性
キャリアの製造法について述べる。
【0041】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリ
アは、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基
性触媒の存在下、板状金属酸化物粒子粉末と粒状強磁性
鉄化合物粒子粉末とを共存させて該フェノール類とアル
デヒド類とを反応させて得ることができる。
【0042】本発明に用いるフェノール類としては、フ
ェノールのほか、m−クレゾール、p−tert−ブチ
ルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノー
ル、ビスフェノールA等のアルキルフェノール類やベン
ゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子、臭素
原子で置換されたハロゲン化フェノール類等のフェノー
ル性水酸基を有する化合物が挙げられるが、形状性を考
慮すれば、フェノールが最も好ましい。
【0043】本発明に用いるアルデヒド類としては、ホ
ルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルム
アルデヒド及びフルフラール等が挙げられるが、ホルム
アルデヒドが最も好ましい。
【0044】アルデヒド類はフェノール類に対してモル
比で1.0〜4.0が好ましく、アルデヒド類のフェノ
ール類に対するモル比が1未満の場合には、粒子の生成
が困難であったり、樹脂の硬化が進行し難いために、得
られる粒子の強度が弱くなる傾向がある。4.0を超え
る場合には、反応後に水性媒体中に残留する未反応のア
ルデヒド類が増加する傾向がある。より好ましくは1.
2〜3.0である。
【0045】本発明に用いる塩基性触媒としては、通常
のレゾール樹脂製造に使用されている塩基性触媒が使用
できる。例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラ
ミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエ
チレンイミン等のアルキルアミンが挙げられ、特にアン
モニア水が好ましい。塩基性触媒はフェノール類に対し
てモル比で0.05〜0.7が好ましい。0.05未満
の場合には、硬化が十分に進行せず造粒が困難となる。
0.7を越える場合には、フェノール樹脂の構造に影響
するため造粒性が悪くなり、粒子径の大きな粒子を得る
ことが困難となる。
【0046】本発明に用いる板状金属酸化物粒子及び粒
状強磁性鉄化合物粒子は、あらかじめ粒子表面を親油化
処理しておくことが望ましい。親油化処理することによ
って、より容易に球形を呈した磁性キャリアを得ること
が可能となる。
【0047】親油化処理は、板状金属酸化物粒子又は粒
状強磁性鉄化合物粒子をシランカップリング剤やチタネ
ートカップリング剤等のカップリング剤で処理する方法
や界面活性剤を含む水性溶媒中に板状金属酸化物粒子又
は粒状強磁性鉄化合物粒子を分散させて、粒子表面に界
面活性剤を吸着させる方法が好適である。
【0048】シランカップリング剤としては、疎水性
基、アミノ基、エポキシ基を有するものが挙げられ、疎
水性基を有するシランカップリング剤としては、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
・トリス(β−メトキシ)シラン等がある。アミノ基、
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては前記
アミノ基を有するシランカップリング剤、前記エポキシ
基を有するシランカップリング剤を用いればよい。
【0049】チタネートカップリング剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネー
ト等を用いればよい。
【0050】界面活性剤としては、市販の界面活性剤を
使用することができ、板状金属酸化物粒子及び粒状強磁
性鉄化合物粒子や該粒子表面に有する水酸基と結合が可
能な官能基を有するものが望ましく、イオン性はカチオ
ン性又はアニオン性のものが好ましい。
【0051】前記いずれの処理方法によっても本発明の
目的を達成することができるが、フェノール樹脂との接
着性を考慮するとアミノ基あるいはエポキシ基を有する
シランカップリング剤による処理が好ましい。
【0052】前記カップリング剤又は界面活性剤の処理
量は板状金属酸化物粒子粉末又は粒状強磁性鉄化合物粒
子に対して0.1〜10重量%が好ましい。
【0053】前記フェノール類とアルデヒド類を塩基性
触媒の存在下で反応させるに際し、共存させる板状金属
酸化物粒子及び粒状強磁性鉄化合物粒子の量は、板状金
属酸化物粒子、粒状強磁性鉄化合物粒子、フェノール類
及びアルデヒド類の総量に対して75〜99重量%が好
ましく、生成する磁性キャリアの強度を考慮すると、7
8〜99重量%であることがより好ましい。
【0054】本発明における反応は水性媒体中で行われ
るが、水性媒体中の固形分濃度が30〜95重量%にな
るようにすることが好ましく、特に、60〜90重量%
となるようにすることが好ましい。
【0055】塩基性触媒を添加した反応溶液は60〜9
5℃の温度範囲まで昇温し、この温度で30〜300分
間、好ましくは60〜240分間反応させ、フェノール
樹脂の重縮合反応を行って硬化させる。
【0056】このとき、球形度の高い球状複合体粒子を
得るために、ゆるやかに昇温させることが望ましい。昇
温速度は0.5〜1.5℃/minが好ましく、より好
ましくは0.8〜1.2℃/minである。
【0057】硬化させた後、反応物を40℃以下に冷却
すると、硬化したフェノール樹脂バインダ中に板状金属
酸化物粒子及び粒状強磁性鉄化合物粒子が分散し、且
つ、粒子表面に板状金属酸化物粒子が露出した球状複合
体粒子の水分散液が得られる。
【0058】前記球状複合体粒子を含む水分散液を濾
過、遠心分離の常法に従って固・液を分離した後、洗浄
して乾燥すれば目的とする電子写真現像剤磁性キャリア
が得られる。
【0059】また、球状複合体粒子の粒子表面に樹脂を
被覆する場合には、周知のスプレードライヤーを用いて
球状複合体粒子に樹脂を吹き付ける方法、ヘンシェルミ
キサー、ハイスピードミキサー等を用いて球状複合体粒
子と樹脂とを乾式混合する方法、樹脂を含む溶剤中に球
状複合体粒子を含浸する方法等によって行えばよい。
【0060】本発明のキャリアと組み合わせて使用する
トナーとしては、公知のトナーを使用することができ
る。具体的には、結着樹脂、着色剤を主構成物とし、必
要に応じて離型剤、磁性体、流動化剤などを添加したも
のを使用できる。又、トナーの製造方法は公知の方法を
使用できる。
【0061】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は次
の通りである。
【0062】粒子粉末の平均粒子径はレーザー回折式粒
度分布計 LA500((株)堀場製作所製)により計
測して体積基準による値で示した。また、粒子の粒子形
態は、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製(S−8
00))で観察したものである。
【0063】飽和磁化は、振動試料型磁力計VSM−3
S−15(東英工業(株)製)を用いて外部磁場79
5.8kA/m(10kOe)のもとで測定した値で示
した。
【0064】流動率は、磁性キャリア50gをガラス製
ロート(開口部75φ高さ75mm、円錐部内径6φ長
さ30mm直管部)に充填し、一定の振動を付与した時
の粉体落下時間(秒)を求め、前記磁性キャリアの重量
を前記粉体落下時間で除した流動速度の値で示した。
【0065】真比重はマルチボリウム密度計(マイクロ
メリティクス製)で測定した値で示した。
【0066】電気抵抗値(体積固有抵抗値)は、ハイレ
ジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッ
カード製)で測定した値で示した。
【0067】画像評価はエプソン製LP8000Cを改
造して用いた。キャリアを本発明のキャリアに変え、バ
イアス電圧を変えて画出しを行い、1万枚の耐刷試験を
行った。
【0068】印刷画像のカブリを、次の4段階で評価し
た。 ◎:非常によい。 ○:良好。 △:許容レベル。 ×:悪い。
【0069】印刷画像の濃度ムラは、次の4段階で評価
した。 ◎:非常によい。 ○:良好。 △:許容レベル。 ×:悪い。
【0070】<球状複合体粒子の製造>500mlフラ
スコに球状マグネタイト粒子粉末(平均粒子径0.3μ
m)400gを仕込み十分に良く攪拌した後、シラン系
カップリング剤(商品名:KBM−403 信越化学
製)4.4gを添加し、約100℃まで昇温し30分間
良く混合攪拌することによりカップリング剤で被覆され
ている球状マグネタイト粒子粉末を得た。
【0071】別に用意した500mlフラスコに板状ス
トロンチウムフェライト粒子粉末(平均粒子径0.7μ
m)240gを仕込み十分に良く攪拌した後、シラン系
カップリング剤(商品名:KBM−403 信越化学
製)1.4gを添加し、約100℃まで昇温し30分間
良く混合攪拌することによりカップリング剤で被覆され
ている板状ストロンチウムフェライト粒子粉末を得た。
【0072】次に、1lの四つ口フラスコに、フェノー
ル45g、37%ホルマリン60g、前記親油化処理さ
れた球状マグネタイト粒子粉末320g、前記親油化さ
れた板状ストロンチウムフェライト粒子粉末80g、2
8%アンモニア水14g、水51gを投入し、攪拌しな
がら40分間で85℃に上昇させ、同温度で180分間
反応・硬化させた。
【0073】次に、フラスコ内の内容物を30℃まで冷
却後、上澄み液を除去し、さらに下層の沈殿物を水洗し
た後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以
下)に150〜180℃で乾燥して、球状マグネタイト
粒子と板状ストロンチウムフェライトとをフェノール樹
脂をバインダとして結合した球状複合体粒子からなる電
子写真現像剤用磁性キャリア300gを得た。
【0074】ここに得られた電子写真現像剤用磁性キャ
リアは、図1に示す通り、真球に近い球形を呈してお
り、粒子表面は板状金属酸化物粒子が露出した凹凸を呈
していた。
【0075】ここに得られた電子写真現像剤用磁性キャ
リアは、平均粒子径が35μmであり、流動率59se
c/50g、嵩密度1.98g/cm、比重3.76
g、飽和磁化値68.5Am/kg、電気抵抗値2.
3×1010Ω・cmであった。
【0076】ここに得られた電子写真現像剤用磁性キャ
リアとトナーとの耐刷試験は、カブリが◎、濃度ムラが
◎であった。
【0077】
【作用】本発明において重要な点は、バインダ型磁性キ
ャリアにおいて、板状比を特定した板状金属酸化物粒子
と粒状強磁性鉄化合物粒子とを用いたことによって、磁
性キャリアの粒子表面が板状金属酸化物粒子に起因する
微小な凹凸を有しているという点である。
【0078】滑らかな粒子表面を有する球状のバインダ
型キャリアは、低温定着トナーに対応した滑らかなスリ
ーブ上でのスリップに起因して搬送性が十分とは言い難
いものであった。本発明においては、磁性キャリアの粒
子表面に板状金属酸化物粒子を露出させたことによって
磁性キャリアの粒子表面に板状金属酸化物粒子に起因す
る凹凸を呈することができ、球状複合体粒子の流動率を
高くする(流動性の低下)ことができ、スリップを抑制
することが可能となった。その結果、カブリ、濃度ムラ
のない画像を得ることができたものと考えている。
【0079】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示す。
【0080】実施例1〜3及び比較例1〜4 板状金属酸化物粒子及び粒状強磁性鉄化合物粒子の種
類、量、親油化処理剤の種類、量、フェノールの量、ホ
ルマリンの量、塩基性触媒であるアンモニア水の量及び
水の量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態
と同様にして、磁性キャリアを得た。
【0081】このときの製造条件を表1に、得られた磁
性キャリアの諸特性及び耐刷評価結果を表2に示す。な
お、比較例4は1mm以上の大粒子が生成したため、耐
刷評価は行っていない。
【0082】<樹脂被覆した磁性キャリアの製造> 実施例4 板状金属酸化物粒子及び粒状強磁性鉄化合物粒子の種
類、量、親油化処理剤の種類、量、フェノールの量、ホ
ルマリンの量、塩基性触媒であるアンモニア水の量及び
水の量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態
と同様にして、球状複合体粒子を得た。
【0083】次に、窒素気流下、ヘンシェルミキサー内
に前記球状複合体粒子300g及びシリコーン樹脂(K
R−251:信越化学製)を固形分として4.5g添加
し、攪拌しながら120℃まで昇温し、同温度で1時間
攪拌してシリコーン樹脂からなる樹脂被覆層の形成を行
った。
【0084】得られた樹脂被覆層を有する磁性キャリア
の製造法を表1に、得られた磁性キャリアの諸特性及び
耐刷評価結果を表2に示す。なお、粒子表面のシリコー
ン樹脂による被覆は均一なものであった。
【0085】実施例5 板状金属酸化物粒子及び粒状強磁性鉄化合物粒子の種
類、量、親油化処理剤の種類、量、フェノールの量、ホ
ルマリンの量、塩基性触媒としてのアンモニア水の量、
水の量及び樹脂被覆量を種々変化させた以外は、実施例
4と同様にして樹脂被覆球状複合体粒子を得た。このと
きの製造条件を表1に、得られた樹脂被覆球状複合体粒
子諸特性及び耐刷評価結果を表2に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】各実施例で得られた電子写真現像剤用磁性
キャリアはいずれも、粒子表面に板状金属酸化物粒子に
起因する微小な凹凸を有していた。また、1万枚後の耐
刷評価においても、良好な画像結果が得られた。比較例
1で得られた電子写真現像剤用磁性キャリアは、図2に
示す通り、滑らかな粒子表面を呈していた。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャ
リアは、粒子表面に板状金属酸化物粒子に起因する凹凸
を有しているので、滑らかなスリーブ上でのスリップが
抑制され搬送性に優れているから、低温定着化に対応し
た良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で得られた電子写真現像剤
用磁性キャリアである。(2000倍)
【図2】 比較例1で得られた電子写真現像剤用磁性キ
ャリアである(2000倍)。
【図3】 電子写真現像剤用磁性キャリアの平均粒子径
と流動率との関係を示すグラフである(●:実施の形態
及び実施例、□:比較例)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 BA03 BA06 BA15 CA11 CA12 CA15 CA17 CB03 CB04 DA05 DA10 EA05 EA07 EA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状比が1.3〜5.0の板状金属酸化
    物粒子粉末と粒状強磁性鉄化合物粒子粉末とフェノール
    樹脂とからなる平均粒子径10〜100μmの球状複合
    体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアであって
    該球状複合体粒子に含まれる板状金属酸化物粒子粉末と
    粒状強磁性鉄化合物粒子粉末との総量が80〜99重量
    %であり、当該球状複合体粒子の粒子表面が板状金属酸
    化物粒子に起因する微小な凹凸を有することを特徴とす
    る電子写真現像剤用磁性キャリア。
  2. 【請求項2】 電子写真現像剤用磁性キャリアの流動率
    と平均粒子径との関係が下記式を満足する請求項1記載
    の電子写真現像剤用磁性キャリア。 y≧−0.4x+54 y:磁性キャリアの流動率(sec/50g) x:磁性キャリアの平均粒子径(μm)
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の電子写真現
    像剤用磁性キャリアの粒子表面がシリコーン樹脂又はフ
    ッ素系樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真
    現像剤用磁性キャリア。
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