JP2003322395A - ダクト用換気扇 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャッターの閉止時の動作音を小さくするこ
とができるダクト用換気扇を提供する。 【解決手段】 空気の流通路に設けられ、空気の流れを
遮断する閉止位置と空気を流通させる開放位置とに変位
させることが可能な回転軸を有するシャッター３と、シ
ャッター３を閉止位置に押圧するばね部材８と、バネ部
材８の押圧力に抗してシャッター３を開放位置に駆動す
る減速機付き電動機６と、減速機に装着され、減速機の
出力軸とシャッター３の回転軸３ａとを連結する連結部
材７と、バネ部材８によって閉止位置に移動するシャッ
ター３の速度を抑制するダンパ部材９とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気の流通路に設
けられるシャッターを、減速機付き電動機で開放位置に
駆動し、ばね部材で閉止位置に復帰させるダクト用換気
扇に関する。

【０００２】

【従来の技術】ダクト用換気扇は、外部からの空気の侵
入や逆流を防ぐために、空気の流れを遮断するシャッタ
ー装置を備えている。

【０００３】例えば、特開２０００−３２９３４８号公
報に開示されたシャッター装置は、換気扇本体にダクト
を接続するダクト接続部の空気流通路内に設けられてお
り、外風の侵入を防ぐシャッター板と、このシャッター
板を換気流の排出方向に傾動可能に取り付けるための取
付枠とで構成されている。

【０００４】通常、換気扇が停止している状態では、シ
ャッター板はその自重により空気の流通路を閉止する。
一方、換気扇を運転している状態では、シャッター板は
換気流の送風圧により傾動せしめられ、空気流路を開放
する構造になっている。また、シャッター板は、換気流
の方向に対して逆方向に傾動しないように、傾動範囲が
制限されている。

【０００５】上記のような風圧式のシャッター装置で
は、閉止状態を機械的に保持していないため、外風圧の
変化によってシャッター板がバタバタと開閉する「ばた
つき」現象が起き、このときに発生する騒音が居住者を
不快にさせていた。

【０００６】そこで、近年、シャッター板の開閉の動作
を、減速機付き電動機等を用いて機械的に開放させる機
械式シャッターが採用されるようになってきた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述した機械式シャッ
ターは、シャッター板を減速機付き電動機の回転により
開いてその状態を保持し、閉止の位置に戻すときは減速
機付き電動機の回転を止めてシャッター板に取り付けら
れたコイルばねの復元力で閉じるものである。従って、
換気扇を停止しているときは、シャッター板はばねの付
勢力により閉止した状態で保持されるため、外風圧の変
化によってシャッター板がばたつくことはない。

【０００８】しかしながら、機械式のシャッター装置で
は、シャッターを開放状態から閉止状態に戻すときにば
ねの復帰力により大きな衝撃音が発生していた。また、
コイルばねが空気の流通路内に設けられているため、シ
ャッター板の取付が難しい上に、排気中の塵や油が付着
してばねが正常の動作をしないことがあった。

【０００９】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的はシャッターの閉止時の動作音を小さく
することができるダクト用換気扇を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、確実な開閉操作を可能にする
ダクト用換気扇を提供することにある。本発明のもう一
つ他の目的はシャッターの取付けを容易化することので
きるダクト用換気扇を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
空気の流通路に設けられ、空気の流れを遮断する閉止位
置と空気を流通させる開放位置とに変位させることが可
能な回転軸を有するシャッターと、シャッターを閉止位
置に押圧するばね部材と、バネ部材の押圧力に抗してシ
ャッターを開放位置に駆動する減速機付き電動機とを備
えたダクト用換気扇において、減速機に装着され、減速
機の出力軸とシャッターの回転軸とを連結する連結部材
と、バネ部材によって閉止位置に移動するシャッターの
速度を抑制するダンパ部材とを備えたことを特徴とす
る。この構成により、ダンパ部材がシャッターの閉止位
置への移動速度を抑制するため、シャッターの閉止時の
動作音を小さくすることができる。

【００１１】請求項２に係る発明は、請求項１に記載の
ダクト用換気扇において、連結部材は歯車を有し、ダン
パ部材は連結部材と歯車で噛合するオイルダンパである
ことを特徴とする。この構成により、汎用の要素によっ
てシャッターの速度の抑制が可能となる。

【００１２】請求項３に係る発明は、請求項１又は２に
記載のダクト用換気扇において、連結部材にばね部材を
装着したことを特徴とする。この構成により、異なる種
類のシャッターにも使用することができ、部品の標準化
が図られ、コスト低減の効果もある。

【００１３】請求項４に係る発明は、請求項１乃至３の
いずれか１項に記載のダクト用換気扇において、シャッ
ターの回転軸と連結部材の回転軸とを一直線上に配置し
たことを特徴とする。この構成により減速機付き電動機
のトルクをシャッターに直接伝えることができるため、
トルク伝達の部品数を最小にすると共に、構成の簡易化
が図られる。

【００１４】請求項５に係る発明は、請求項４に記載の
ダクト用換気扇において、シャッターは、回転軸の径方
向外側に突出する凸部を有する凸状結合端を有し、連結
部材は、軸受けの周囲に凸部と嵌合する凹部を有する凹
状結合端を有し、凸状結合端と凹状結合端とを嵌合させ
てシャッターの回転軸を連結部材に結合することを特徴
とする。この構成により、シャッターの凸状結合端と連
結部材の凹状結合端とを嵌合させるだけで済むので、シ
ャッターの取付けが容易化される。

【００１５】請求項６に係る発明は、請求項１乃至５の
いずれか１項に記載のダクト用換気扇において、連結部
材、ダンパ部材及びばね部材を空気の流通路の外部に配
置したことを特徴とする。この構成により、シャッター
の構成部品が排気に触れることが無いため、埃や油など
の付着を防ぐことができ、確実な開閉操作が行われる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す好適な
実施形態に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係
るダクト用換気扇の一実施形態の構成を示す縦断面図で
ある。同図において、ダクト用換気扇１は取付本体部２
及びダクト接続部４の中間部にシャッター３が回動可能
に装着されている。取付本体部２には円筒部の軸方向中
間の内周面に一対の軸受２ａが形成されている。シャッ
ター３は図３にその詳細を示すように、円盤状の中心線
位置に回転軸３ａを有し、この回転軸３ａの両端が突出
して延長軸３ｂになっており、この延長軸３ｂが軸受２
ａと嵌合してシャッター３を回動可能に支持している。
なお、シャッター３の一方の延長軸３ｂの先端には径方
向外側に突出する凸部を有する凸状結合端３ｃが形成さ
れている。ダクト接続部４は取付本体部２の円筒部に挿
嵌され、図面に示す下方端部が、軸受２ａと共に延長軸
３ｂの回動を可能にする軸受けになっており、これによ
ってシャッター３が回動可能に保持される。

【００１７】取付本体部２の一方の外側面に、ケース５
が取付本体部２と一体的に形成されるか、あるいは、別
個に形成して装着される。本実施形態は図面の簡単化の
ために一体的に形成されたものとして図示している。ケ
ース５は減速機付き電動機６を装着すると共に、減速機
の出力軸に結合した連結部材７、この連結部材７に巻き
掛けたコイルばね８及びオイルダンパ９（図１では図示
を省略）を収納するものである。ここで、連結部材７は
その先端部が歯車になっており、この歯車の端面には、
前記凸状結合端３ｃと嵌合する凹状結合端７ｂが形成さ
れている。コイルばね８はこれを捻って生じる付勢力に
より、シャッター３を空気の流れを遮断する閉止位置に
復帰させるトルクを発生させるものである。

【００１８】なお、減速機付き電動機６はその回転速度
を減速して出力する出力軸を有し、通電したままで出力
軸を所定の位置に拘持し、通電停止に応じて出力軸を釈
放する機構を備えている。従って、減速機付き電動機６
に通電することによって、シャッター３を図示した位置
に駆動して空気の流通路を開放してその状態を保持し、
減速機付き電動機６の通電を遮断するとコイルばね８の
復帰力によってシャッター３が空気の流通路を塞ぐ閉止
位置に戻される。このとき、コイルばね８はその状態を
そのまま保持するように付勢した状態で組み付けられ
る。

【００１９】図２は図１に示したダクト用換気扇１の詳
細な構成を示したもので、図中（ａ）はＡ−Ａ矢視断面
図、（ｂ）はＢ−Ｂ矢視側面図、（ｃ）はＣ−Ｃ矢視断
面図である。この図２において、ケース５の内部の背壁
面に、歯車を露呈させてなるオイルダンパ９が装着さ
れ、このオイルダンパ９の歯車と前述した連結部材７の
歯車とを噛み合わせることによって、コイルばね８の復
帰力のみによりシャッター３が閉止位置に移動する速度
を抑制するようになっている。またケース５の内部の背
壁面には、シャッター３の凸状結合端３ｃを取付本体部
２の円筒部の内側から導入させるための貫通孔２ｂが形
成され、さらに、減速機付き電動機６を締結するための
ねじ穴を有する取付突起５ａ及び５ｂが凸設されてい
る。

【００２０】一方、減速機付き電動機６の背面には連結
部材７が装着され、その自由端面に長方形に窪んだ凹状
結合端７ｂが形成されている。また、取付突起５ａ及び
５ｂに対応する位置に、表面が平坦な突起６ａ及び６ｂ
を備え、かつ、これらの突起の略中心部に貫通孔６ｃ及
び６ｄが設けられている。従って、減速機付き電動機６
の表側から貫通孔６ｃ及び６ｄにネジを挿入して取付突
起５ａ及び５ｂのねじ穴にねじ込むことによって減速機
付き電動機６の装着と、凸状結合端３ｃと凹状結合端７
ｂとの連結が図られる。

【００２１】また、連結部材７の中間の軸部に、図４に
詳細の構成を示したコイルばね８のコイル部分が遊嵌さ
れ、その一端、すなわち、固定端８ａが連結部材７に止
着され、その他端、すなわち、延長端８ｂが突起６ｂの
側面に掛止されている。これによって、シャッター３が
空気の流通路を塞ぐようにその閉止位置に戻され、か
つ、閉止状態の保持が可能になる。

【００２２】図５（ａ）及び（ｂ）それぞれシャッター
３の開放状態及び閉止状態を示す断面図である。この場
合、シャッター３はダクト接続部４の内径寸法に略等し
い外径を有し、シャッター３の軸受けが形成される部分
を境として、取付本体部２の内面の半周に亘ってストッ
パ２ｓが設けられ、このストッパ２ｓに対向するダクト
接続部４内面の半周に亘ってストッパー４ｓが形成され
ている。これによって、空気の流れを確実に遮断した
り、開放したりすることができる。

【００２３】なお、図１に示したように、ケース５に減
速機付き電動機６を装着した後、蓋１０を被せることに
よって、塵埃がケース５の内部に入り込むことを防ぐこ
とができ、長期間にわたって連結部材７、オイルダンパ
９及びコイルばね８に確実な動作をさせることができ
る。

【００２４】かくして、本実施形態によれば、オイルダ
ンパ９がシャッター３の閉止位置への移動速度を抑制す
るため、シャッター３の閉止時の動作音を小さくするこ
とができる。また、減速機付き電動機６に装着される連
結部材７にコイルばね８を装着したため、異なる種類の
シャッターにも使用することができ、部品の標準化が図
られる。

【００２５】また、本実施形態によれば、シャッター３
の回転軸３ａと連結部材７の回転軸とを一直線上に配置
したので、減速機付き電動機６のトルクをシャッター３
に直接伝えることができ、トルク伝達の部品数を最小に
すると共に、構成が簡易化される。また、組み立てに当
たって、シャッター３の凸状結合端３ｃと連結部材７の
凹状結合端７ｂとを嵌合させるだけで済むので、シャッ
ターの取付けが容易化される。さらに、凸状結合端３
ｃ、連結部材７、コイルばね８及びオイルダンパ９が排
気に触れることが無いため、埃や油などの付着を防ぐこ
とができ、確実な開閉操作が行われる。

【００２６】なお、上記実施形態ではコイルばね８の捻
りによって発生する応力を利用してシャッター３を閉止
位置に復帰させたが、コイルばね以外のばね部材を用い
ても上述したと同様な効果が得られる。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、シャッターの閉止時の動作音を小さくす
ることができ、また、確実な開閉操作を可能にすると共
に、シャッターの取付けを容易化するダクト用換気扇が
提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るダクト用換気扇の一実施形態の構
成を示す縦断面図。

【図２】図１に示した実施形態の詳細な構成を説明する
ための主要部の断面図及び側面図。

【図３】図１に示した実施形態を構成するシャッターの
平面図及び側面図。

【図４】図１に示した実施形態を構成するコイルばねの
平面図及び側面図。

【図５】図１に示した実施形態におけるシャッターの開
閉状態を説明するための縦断面図。

【符号の説明】

１ ダクト用換気扇 ２ 取付本体部 ３ シャッター ３ａ 回転軸 ３ｃ 凸状結合端 ４ ダクト接続部 ５ ケース ６ 減速機付き電動機 ７ 連結部材 ７ｂ 凹状結合端 ８ コイルばね ９ オイルダンパ １０ 蓋

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気の流通路に設けられ、空気の流れを遮
   断する閉止位置と空気を流通させる開放位置とに変位さ
   せることが可能な回転軸を有するシャッターと、前記シ
   ャッターを前記閉止位置に押圧するばね部材と、前記バ
   ネ部材の押圧力に抗して前記シャッターを前記開放位置
   に駆動する減速機付き電動機とを備えたダクト用換気扇
   において、 前記減速機に装着され、前記減速機の出力軸と前記シャ
   ッターの回転軸とを連結する連結部材と、前記バネ部材
   によって前記閉止位置に移動する前記シャッターの速度
   を抑制するダンパ部材と、 を備えたことを特徴とするダクト用換気扇。
2. 【請求項２】前記連結部材は歯車を有し、前記ダンパ部
   材は前記連結部材と歯車で噛合するオイルダンパである
   ことを特徴とする請求項１に記載のダクト用換気扇。
3. 【請求項３】前記連結部材に前記ばね部材を装着したこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載のダクト用換気
   扇。
4. 【請求項４】前記シャッターの回転軸と前記連結部材の
   回転軸とを一直線上に配置したことを特徴とする請求項
   １乃至３のいずれか１項に記載のダクト用換気扇。
5. 【請求項５】前記シャッターは、前記回転軸の径方向外
   側に突出する凸部を有する凸状結合端を有し、前記連結
   部材は、軸受けの周囲に前記凸部と嵌合する凹部を有す
   る凹状結合端を有し、前記凸状結合端と前記凹状結合端
   とを嵌合させて前記シャッターの回転軸を前記連結部材
   に結合することを特徴とする請求項４に記載のダクト用
   換気扇。
6. 【請求項６】前記連結部材、前記ダンパ部材及び前記ば
   ね部材を前記空気の流通路の外部に配置したことを特徴
   とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載のダクト用
   換気扇。