JP2003321465A - オキサリドの製造方法 - Google Patents
オキサリドの製造方法Info
- Publication number
- JP2003321465A JP2003321465A JP2002124322A JP2002124322A JP2003321465A JP 2003321465 A JP2003321465 A JP 2003321465A JP 2002124322 A JP2002124322 A JP 2002124322A JP 2002124322 A JP2002124322 A JP 2002124322A JP 2003321465 A JP2003321465 A JP 2003321465A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- acid derivative
- acid
- group
- hydroxyhexyloxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 反応の工程数が少なく、より改善された工業
的に有利なオキサリド製造法を提供すること。 【解決手段】 オレイン酸誘導体を出発原料とするオキ
サリドの製造法。より具体的には、オレイン酸誘導体を
酸化開裂し、9-オキソノナン酸誘導体を得る第1工程、9
-オキソノナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジオールから9-
(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導体を得る第
2工程、9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導
体を環化しオキサリドを得る第3工程からなるオキサリ
ドの新規な製造法。
的に有利なオキサリド製造法を提供すること。 【解決手段】 オレイン酸誘導体を出発原料とするオキ
サリドの製造法。より具体的には、オレイン酸誘導体を
酸化開裂し、9-オキソノナン酸誘導体を得る第1工程、9
-オキソノナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジオールから9-
(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導体を得る第
2工程、9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導
体を環化しオキサリドを得る第3工程からなるオキサリ
ドの新規な製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香料として有用な
オキサリドの製造方法に関する。
オキサリドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】香料工業においては、古くから麝香用香
気成分へのニーズは高い。しかし、近年、麝香様香気成
分として大量に消費されてきたニトロムスクについて、
使用規制を含めた安全面・環境面での評価が厳しくなり
つつある。この結果、ニトロムスクに代わる香気成分と
して、生分解性が高いとされる構造を有する物質、即ち
大環状ケトン・ラクトン・エステル等への転換が急速に
図られてきている。特に大環状ラクトンであるオキサリ
ドは、残香性が良好で生分解性を有することから、ニー
ズが高まってきている。
気成分へのニーズは高い。しかし、近年、麝香様香気成
分として大量に消費されてきたニトロムスクについて、
使用規制を含めた安全面・環境面での評価が厳しくなり
つつある。この結果、ニトロムスクに代わる香気成分と
して、生分解性が高いとされる構造を有する物質、即ち
大環状ケトン・ラクトン・エステル等への転換が急速に
図られてきている。特に大環状ラクトンであるオキサリ
ドは、残香性が良好で生分解性を有することから、ニー
ズが高まってきている。
【0003】オキサリドの合成法としては、ヒドロキシ
カルボン酸エステルを分子内環化させる方法(特開2001
-199976号)あるいは9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)
ノナン酸の重合・解重合による方法が知られている(特
公昭50-38115号公報)。
カルボン酸エステルを分子内環化させる方法(特開2001
-199976号)あるいは9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)
ノナン酸の重合・解重合による方法が知られている(特
公昭50-38115号公報)。
【0004】原料となるヒドロキシカルボン酸エステル
は、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルの一方
のカルボキシル基またはエステル基を還元することによ
って得られるが、ヒドロキシカルボン酸エステルの選択
率を上げるには、原料転化率を極めて低く抑える必要が
あり、生産性が低い問題点を有する(特開2001-199976
号)。
は、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルの一方
のカルボキシル基またはエステル基を還元することによ
って得られるが、ヒドロキシカルボン酸エステルの選択
率を上げるには、原料転化率を極めて低く抑える必要が
あり、生産性が低い問題点を有する(特開2001-199976
号)。
【0005】また、9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノ
ナン酸の合成法としては、1,6-ヘキサンジオールを水酸
化ナトリウムでモノナトリウム塩にした後、9-クロロノ
ナン酸と反応させる方法が公知である(Khimicheskaya
Nauka i Promyshlennost 5 371-376,1960)。
ナン酸の合成法としては、1,6-ヘキサンジオールを水酸
化ナトリウムでモノナトリウム塩にした後、9-クロロノ
ナン酸と反応させる方法が公知である(Khimicheskaya
Nauka i Promyshlennost 5 371-376,1960)。
【0006】9-クロロノナン酸の合成法として、エチレ
ンと四塩化炭素を反応させて得た1,1,1,9-テトラクロロ
ノナンを硫酸で加水分解する方法が知られているが、1,
1,1,9-テトラクロロノナンの収率が低く毒性の高い四塩
化炭素を用いることから工業的な製造に適しているとは
いえない(Izv.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.12,2809-281
0,1984)。また、9-クロロノナン酸は9-ヒドロキシノナ
ン酸をホスゲンあるいは塩化チオニルでクロル化するこ
とにより得ることもできる。
ンと四塩化炭素を反応させて得た1,1,1,9-テトラクロロ
ノナンを硫酸で加水分解する方法が知られているが、1,
1,1,9-テトラクロロノナンの収率が低く毒性の高い四塩
化炭素を用いることから工業的な製造に適しているとは
いえない(Izv.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.12,2809-281
0,1984)。また、9-クロロノナン酸は9-ヒドロキシノナ
ン酸をホスゲンあるいは塩化チオニルでクロル化するこ
とにより得ることもできる。
【0007】この場合、原料の9-ヒドロキシノナン酸の
合成法としては、酸化オスミウム触媒存在下、オレイン
酸エチルエステルを過よう素酸で酸化して得られる9-オ
キソノナン酸エチルエステルを(Communications 1989,
47-48)、脱エステル化し9-オキソノナン酸とした後、
更に水素化ほう素ナトリウムで還元する方法が知られて
いる(J.Org.Chem.,52,5478-5480,1987)。9-ヒドロキ
シノナン酸のもう一つの合成法は、オレイン酸メチルエ
ステルを水素化ほう素ナトリウムで還元し(J.Org.Che
m.,49,3024-3026,1984)、得られたオレイルアルコール
をタングステン酸触媒存在下、過酸化水素で酸化し、オ
クタデカン-1,9,10-トリオールを得て、更にタングステ
ン酸及び酢酸コバルト触媒存在下、空気酸化により9-ヒ
ドロキシノナン酸を得る方法である(Ind.Eng.Chem.Re
s.39,2766-2771,2000.)。しかし、オレイン酸誘導体を
原料とする方法は、工程数が6〜7工程と長く、また高価
な水素化ほう素ナトリウムを用いる問題点を有する。
合成法としては、酸化オスミウム触媒存在下、オレイン
酸エチルエステルを過よう素酸で酸化して得られる9-オ
キソノナン酸エチルエステルを(Communications 1989,
47-48)、脱エステル化し9-オキソノナン酸とした後、
更に水素化ほう素ナトリウムで還元する方法が知られて
いる(J.Org.Chem.,52,5478-5480,1987)。9-ヒドロキ
シノナン酸のもう一つの合成法は、オレイン酸メチルエ
ステルを水素化ほう素ナトリウムで還元し(J.Org.Che
m.,49,3024-3026,1984)、得られたオレイルアルコール
をタングステン酸触媒存在下、過酸化水素で酸化し、オ
クタデカン-1,9,10-トリオールを得て、更にタングステ
ン酸及び酢酸コバルト触媒存在下、空気酸化により9-ヒ
ドロキシノナン酸を得る方法である(Ind.Eng.Chem.Re
s.39,2766-2771,2000.)。しかし、オレイン酸誘導体を
原料とする方法は、工程数が6〜7工程と長く、また高価
な水素化ほう素ナトリウムを用いる問題点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のオキサ
リドの製造法に前記問題点があることに鑑み、より改善
された工業的に有利なオキサリド製造法を提供すること
にある。
リドの製造法に前記問題点があることに鑑み、より改善
された工業的に有利なオキサリド製造法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、9-オキソ
ノナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジオールを直接反応させ
ることにより前記9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナ
ン酸誘導体を効率的に製造することができ、この方法を
用いることによりオキサリドを工業的に有利な方法で製
造できることを見出した。すなわち、本発明の方法は、
一般式(1):
ノナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジオールを直接反応させ
ることにより前記9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナ
ン酸誘導体を効率的に製造することができ、この方法を
用いることによりオキサリドを工業的に有利な方法で製
造できることを見出した。すなわち、本発明の方法は、
一般式(1):
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Rは水素原子、置換または無置換の
アルキル基を示す)で表されるオレイン酸誘導体を酸化
開裂して一般式(2):
アルキル基を示す)で表されるオレイン酸誘導体を酸化
開裂して一般式(2):
【0012】
【化6】
【0013】(式中、Rは水素原子、置換または無置換の
アルキル基を示す)で表わされる9-オキソノナン酸誘導
体を製造する第1工程、該9-オキソノナン酸誘導体から
一般式(3):
アルキル基を示す)で表わされる9-オキソノナン酸誘導
体を製造する第1工程、該9-オキソノナン酸誘導体から
一般式(3):
【0014】
【化7】
【0015】(式中、Rは水素原子、置換または無置換の
アルキル基を示す)で表わされる9-(6-ヒドロキシヘキシ
ルオキシ)ノナン酸誘導体を製造する第2工程、該9-(6-
ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導体を環化する
第3工程からなる、式(4):
アルキル基を示す)で表わされる9-(6-ヒドロキシヘキシ
ルオキシ)ノナン酸誘導体を製造する第2工程、該9-(6-
ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導体を環化する
第3工程からなる、式(4):
【0016】
【化8】
【0017】で表わされるオキサリドの製造方法であ
る。
る。
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
一般式(1)、(2)、(3)で表わされる化合物のR
は、水素原子、置換または無置換のアルキル基である。
一般式(1)、(2)、(3)で表わされる化合物のR
は、水素原子、置換または無置換のアルキル基である。
【0018】無置換のアルキル基としては、直鎖、分岐
または環状の炭素数1〜8のアルキル基であり、例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t
ert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-
へキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
または環状の炭素数1〜8のアルキル基であり、例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t
ert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-
へキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0019】置換アルキル基としては、前記アルキル基
がヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキル基等により置換された基を挙げることができ、
置換数、置換位置は特に指定はない。
がヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキル基等により置換された基を挙げることができ、
置換数、置換位置は特に指定はない。
【0020】ここでアルコキシ基としては、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ
基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペ
ンチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。ア
リールオキシ基としては、フェノキシ基が挙げられる。
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ
基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペ
ンチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。ア
リールオキシ基としては、フェノキシ基が挙げられる。
【0021】また、置換アルキル基の置換基であるアル
キル基としては、前記と同じものが例示される。 [第1工程]一般式(1)で表されるオレイン酸誘導体を
酸化開裂して一般式(2)で表わされる9-オキソノナン
酸誘導体を製造する第1工程は、酸化オスミウム触媒存
在下、酸化剤として過よう素酸を用いる従来の方法によ
り行うことができる(Communications 47-48,1989)。
キル基としては、前記と同じものが例示される。 [第1工程]一般式(1)で表されるオレイン酸誘導体を
酸化開裂して一般式(2)で表わされる9-オキソノナン
酸誘導体を製造する第1工程は、酸化オスミウム触媒存
在下、酸化剤として過よう素酸を用いる従来の方法によ
り行うことができる(Communications 47-48,1989)。
【0022】[第2工程]9-(6-ヒドロキシヘキシルオキ
シ)ノナン酸誘導体は、9-オキソノナン酸誘導体と1,6-
ヘキサンジオールとを反応させることにより製造するこ
とができる。9-オキソノナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジ
オールの仕込比は、5/1〜1/500が好ましく、1/1〜1/20
が更に好ましい。1,6-ヘキサンジオールの水酸基の片側
のみを9-オキソノナン酸誘導体と反応させるには、1,6-
ヘキサンジオール使用量を多くすることが収率には好ま
しいが、経済的には1,6-ヘキサンジオール使用量を少な
くすることが好ましい。
シ)ノナン酸誘導体は、9-オキソノナン酸誘導体と1,6-
ヘキサンジオールとを反応させることにより製造するこ
とができる。9-オキソノナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジ
オールの仕込比は、5/1〜1/500が好ましく、1/1〜1/20
が更に好ましい。1,6-ヘキサンジオールの水酸基の片側
のみを9-オキソノナン酸誘導体と反応させるには、1,6-
ヘキサンジオール使用量を多くすることが収率には好ま
しいが、経済的には1,6-ヘキサンジオール使用量を少な
くすることが好ましい。
【0023】反応温度は特に限定されないが、10〜200
℃が好ましく、50〜180℃が特に好ましい。9-オキソノ
ナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジオールを水素雰囲気中で
反応させる際の水素圧は、特に限定されず、0.1〜30M
Paが好ましく、0.1〜8MPaが特に好ましい。反応時
間は、反応温度、水素圧、触媒量などによって適宜選べ
ば良いが、通常1〜36時間、好ましくは1〜18時間であ
る。
℃が好ましく、50〜180℃が特に好ましい。9-オキソノ
ナン酸誘導体と1,6-ヘキサンジオールを水素雰囲気中で
反応させる際の水素圧は、特に限定されず、0.1〜30M
Paが好ましく、0.1〜8MPaが特に好ましい。反応時
間は、反応温度、水素圧、触媒量などによって適宜選べ
ば良いが、通常1〜36時間、好ましくは1〜18時間であ
る。
【0024】反応溶媒としては、原料の9-オキソノナン
酸誘導体または1,6-ヘキサンジオールと反応しないもの
であれば何れも用いることができる。このような溶媒と
しては、炭素数1から12の炭化水素、カルボン酸エステ
ル類、エーテル類が挙げられる。溶媒の具体例は、炭化
水素類としては、ヘキサン、ノナン、シクロヘキサン
等、カルボン酸エステル類としては、酢酸エチル、酢酸
メチル、酢酸イソプロピル等、エーテル類としては、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。
酸誘導体または1,6-ヘキサンジオールと反応しないもの
であれば何れも用いることができる。このような溶媒と
しては、炭素数1から12の炭化水素、カルボン酸エステ
ル類、エーテル類が挙げられる。溶媒の具体例は、炭化
水素類としては、ヘキサン、ノナン、シクロヘキサン
等、カルボン酸エステル類としては、酢酸エチル、酢酸
メチル、酢酸イソプロピル等、エーテル類としては、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。
【0025】しかし、反応溶媒を用いないで、原料であ
る1,6-ヘキサンジオール及び9-オキソノナン酸誘導体の
みで反応を行うことがより好ましい。反応溶媒の使用量
としては、原料である9-オキソノナン酸誘導体の反応液
中の濃度が0.1から80質量%、より好ましくは2から40質
量%になるように反応溶媒を添加することができる。
る1,6-ヘキサンジオール及び9-オキソノナン酸誘導体の
みで反応を行うことがより好ましい。反応溶媒の使用量
としては、原料である9-オキソノナン酸誘導体の反応液
中の濃度が0.1から80質量%、より好ましくは2から40質
量%になるように反応溶媒を添加することができる。
【0026】触媒としては、貴金属触媒が好ましく、こ
のうちpH1〜8の範囲の酸性度を示すものであることが
さらに好ましく、pH3〜7の酸性度を示すものが特に好
ましい。ここでいう触媒のpHとは、イオン交換水30g
に触媒粉末2gを分散させた時の水溶液のpHをいう。
のうちpH1〜8の範囲の酸性度を示すものであることが
さらに好ましく、pH3〜7の酸性度を示すものが特に好
ましい。ここでいう触媒のpHとは、イオン交換水30g
に触媒粉末2gを分散させた時の水溶液のpHをいう。
【0027】このような触媒の具体例としては、カーボ
ン、シリカアルミナ、ゼオライト、アルミナ、シリカ等
の担体に適度に担持されたパラジウム触媒、あるいは水
酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合
物、カーボン、アルミナ等の担体に適度に担持されたル
テニウム、ロジウムあるいは白金触媒、酸化ルテニウ
ム、酸化ロジウム、酸化白金等が挙げられる。
ン、シリカアルミナ、ゼオライト、アルミナ、シリカ等
の担体に適度に担持されたパラジウム触媒、あるいは水
酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合
物、カーボン、アルミナ等の担体に適度に担持されたル
テニウム、ロジウムあるいは白金触媒、酸化ルテニウ
ム、酸化ロジウム、酸化白金等が挙げられる。
【0028】適度に担持されたパラジウム触媒、あるい
は水酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化
合物、ルテニウム、ロジウムあるいは白金触媒、酸化ル
テニウム、酸化ロジウム、酸化白金等とは、担体に対す
る活性成分の担持量が0.5から30質量%、好ましくは1か
ら15質量%、更に好ましくは5から10質量%の触媒であ
る。また、イリジウム、オスミニウム、レニウム等の触
媒も用いることができる。
は水酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化
合物、ルテニウム、ロジウムあるいは白金触媒、酸化ル
テニウム、酸化ロジウム、酸化白金等とは、担体に対す
る活性成分の担持量が0.5から30質量%、好ましくは1か
ら15質量%、更に好ましくは5から10質量%の触媒であ
る。また、イリジウム、オスミニウム、レニウム等の触
媒も用いることができる。
【0029】これらの触媒の中で、好ましくはパラジウ
ム系触媒、更に好ましくはカーボン、アルミナシリカ、
アルミナもしくはシリカに担持されたパラジウム触媒、
水酸化パラジウム又は酸化パラジウムであり、特にカー
ボンに担持されたパラジウム触媒が好ましい。
ム系触媒、更に好ましくはカーボン、アルミナシリカ、
アルミナもしくはシリカに担持されたパラジウム触媒、
水酸化パラジウム又は酸化パラジウムであり、特にカー
ボンに担持されたパラジウム触媒が好ましい。
【0030】貴金属触媒の使用量は、原料である9-オキ
ソノナン酸誘導体に対して1から50質量%、より好まし
くは5から20質量%である。また、触媒として、酸触媒
及び貴金属触媒を組み合わせて用いることも好ましい。
ソノナン酸誘導体に対して1から50質量%、より好まし
くは5から20質量%である。また、触媒として、酸触媒
及び貴金属触媒を組み合わせて用いることも好ましい。
【0031】この場合の酸触媒としては、塩酸、硫酸、
リン酸等の無機酸、あるいは酢酸等の有機酸を用いるこ
とができる。特に、塩酸、硫酸が好ましい。酸触媒の使
用量は、原料である9-オキソノナン酸誘導体に対して0.
001から10モル%、より好ましくは0.01から1モル%であ
る。
リン酸等の無機酸、あるいは酢酸等の有機酸を用いるこ
とができる。特に、塩酸、硫酸が好ましい。酸触媒の使
用量は、原料である9-オキソノナン酸誘導体に対して0.
001から10モル%、より好ましくは0.01から1モル%であ
る。
【0032】反応後は、反応溶媒及び未反応の9-オキソ
ノナン酸誘導体及び1,6-ヘキサンジオールを、減圧下に
留去することにより、粗9-(6-ヒドロキシヘキシルオキ
シ)ノナン酸誘導体を得ることができる。
ノナン酸誘導体及び1,6-ヘキサンジオールを、減圧下に
留去することにより、粗9-(6-ヒドロキシヘキシルオキ
シ)ノナン酸誘導体を得ることができる。
【0033】[第3工程]9-(6-ヒドロキシヘキシルオキ
シ)ノナン酸誘導体を環化する第3工程は、酸化鉛触媒
存在下、9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導
体を重合・解重合する方法、あるいは9-(6-ヒドロキシ
ヘキシルオキシ)ノナン酸エステルの分子内環化反応を
行う方法等の従来技術により行うことができる。
シ)ノナン酸誘導体を環化する第3工程は、酸化鉛触媒
存在下、9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸誘導
体を重合・解重合する方法、あるいは9-(6-ヒドロキシ
ヘキシルオキシ)ノナン酸エステルの分子内環化反応を
行う方法等の従来技術により行うことができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明は実施例に何
ら限定されるものではない。 実施例1 水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた100mlのオートク
レーブに9-オキソノナン酸メチルエステル 1.3g(7.0mmo
l)、1,6-ヘキサンジオール 36.5g(309mmol)、触媒とし
て5%Pd/C(pH5.0)0.13gを仕込み、水素圧6MPa
下、100℃で12時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過に
より触媒を除去した。ろ液のHPLC分析を行ったところ、
9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸メチルエステ
ルの収率は50mol%(仕込み9-オキソノナン酸メチルエス
テル基準)、選択率は80mol%(消費された9-オキソノナ
ン酸メチルエステル基準)であった。
ら限定されるものではない。 実施例1 水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた100mlのオートク
レーブに9-オキソノナン酸メチルエステル 1.3g(7.0mmo
l)、1,6-ヘキサンジオール 36.5g(309mmol)、触媒とし
て5%Pd/C(pH5.0)0.13gを仕込み、水素圧6MPa
下、100℃で12時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過に
より触媒を除去した。ろ液のHPLC分析を行ったところ、
9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノナン酸メチルエステ
ルの収率は50mol%(仕込み9-オキソノナン酸メチルエス
テル基準)、選択率は80mol%(消費された9-オキソノナ
ン酸メチルエステル基準)であった。
【0035】実施例2
ガラス製ラシヒリングを充填した直径1cm、高さ10c
mの蒸留搭を備えたフラスコに9-(6-ヒドロキシヘキシ
ルオキシ)ノナン酸メチルエステル10.2g(35,4mmol)、2-
デシル-1-テトラデカノール37.6g(106mmol)及びチタン
テトラブトキシド0.602g(1.77mmol)を加え窒素気流下、
常圧で150℃に加熱した。副生するメタノールを留去し
ながら4時間加熱したところ、メタノールの留出が終了
した。その後、230〜250℃、1.3kPa〜250Paまで徐々に
昇温し、減圧度を高めながら、生成するオキサリドを逐
次留出させた。反応時間6時間で無色液体の留分36.5gを
得た。留分中には、オキサリド7.53g(収率83%)と2-デシ
ル-1-テトラデカノール28.2g(回収率75%)が含まれてい
た。
mの蒸留搭を備えたフラスコに9-(6-ヒドロキシヘキシ
ルオキシ)ノナン酸メチルエステル10.2g(35,4mmol)、2-
デシル-1-テトラデカノール37.6g(106mmol)及びチタン
テトラブトキシド0.602g(1.77mmol)を加え窒素気流下、
常圧で150℃に加熱した。副生するメタノールを留去し
ながら4時間加熱したところ、メタノールの留出が終了
した。その後、230〜250℃、1.3kPa〜250Paまで徐々に
昇温し、減圧度を高めながら、生成するオキサリドを逐
次留出させた。反応時間6時間で無色液体の留分36.5gを
得た。留分中には、オキサリド7.53g(収率83%)と2-デシ
ル-1-テトラデカノール28.2g(回収率75%)が含まれてい
た。
【0036】
【発明の効果】オキサリドの製造において、工程数を大
幅に短縮化することが可能となり、工業的に有利な方法
でオキサリドを製造できる。
幅に短縮化することが可能となり、工業的に有利な方法
でオキサリドを製造できる。
フロントページの続き
(72)発明者 加藤 紘子
千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株
式会社内
Fターム(参考) 4C022 MA01 MA02
4H006 AA02 AC43 BA25 BA28 BA30
BA55 BA66 BA83 BB60 BC10
BC11 BE01 BE03 BE20 BN10
BP10 KA31 KC12
4H039 CA61 CD30 CD40
Claims (6)
- 【請求項1】一般式(1): 【化1】 (式中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基を
示す)で表されるオレイン酸誘導体を酸化開裂して一般
式(2): 【化2】 (式中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基を
示す)で表わされる9-オキソノナン酸誘導体を製造する
第1工程、該9-オキソノナン酸誘導体から一般式
(3): 【化3】 (式中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基を
示す)で表わされる9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノ
ナン酸誘導体を製造する第2工程、該9-(6-ヒドロキシ
ヘキシルオキシ)ノナン酸酸誘導体を環化する第3工程
からなる、式(4): 【化4】 で表わされるオキサリドの製造方法。 - 【請求項2】前記第2工程において、一般式(2)で表
わされる9-オキソノナン酸誘導体と、1,6-ヘキサンジオ
ールを触媒存在下、水素雰囲気で反応させて一般式
(3)で表わされる9-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)ノ
ナン酸誘導体を製造することを特徴とする請求項1記載
の方法。 - 【請求項3】触媒が、貴金属触媒であることを特徴とす
る請求項2記載の方法。 - 【請求項4】触媒が、酸触媒及び貴金属触媒からなるこ
とを特徴とする請求項2記載の方法。 - 【請求項5】酸触媒が、塩酸、硫酸から選ばれる少なく
とも1種である請求項4記載の方法。 - 【請求項6】貴金属触媒が、カーボン、シリカアルミ
ナ、アルミナもしくはシリカに担持されたパラジウム触
媒、水酸化パラジウム触媒または酸化パラジウム触媒で
ある請求項3ないし5記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002124322A JP2003321465A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | オキサリドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002124322A JP2003321465A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | オキサリドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003321465A true JP2003321465A (ja) | 2003-11-11 |
Family
ID=29539383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002124322A Withdrawn JP2003321465A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | オキサリドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003321465A (ja) |
-
2002
- 2002-04-25 JP JP2002124322A patent/JP2003321465A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4722130B2 (ja) | 置換シクロペンタノンの製造方法 | |
JP4036242B2 (ja) | 二塩基酸の製造方法。 | |
JP2003321465A (ja) | オキサリドの製造方法 | |
US4734511A (en) | Method for producing α,α-dimethyl-Δ-valerolactone | |
US5777170A (en) | Process for the preparation of a naphthylbutanone | |
JP4386976B2 (ja) | ジケトン類の製造方法 | |
JPH10298144A (ja) | トランス−4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類の製法 | |
JP2001302650A (ja) | エポキシシクロドデカンの製造法 | |
JP5958015B2 (ja) | スズ含有触媒を用いたカルボニル化合物の酸化物の製造方法 | |
JP4072341B2 (ja) | エチル基含有脂環族第三アルコールの製造方法 | |
JP3994248B2 (ja) | シクロドデカノンの製造法 | |
JPH1059892A (ja) | α,β−不飽和アルデヒドの製造方法 | |
JPH08109170A (ja) | ヘキサヒドロピリダジンの製造方法 | |
JP3941608B2 (ja) | 2−ヒドロキシシクロドデカノンの製法および該化合物から誘導されるニ塩基酸 | |
JPH07103095B2 (ja) | ビタミンaアルデヒドの製造方法 | |
JP3925331B2 (ja) | ドデカン二酸の製造法 | |
JPH05155815A (ja) | グリセロール誘導体の製造方法 | |
JP3366366B2 (ja) | 2−メチル−1−ナフトールの製造法 | |
JP3805435B2 (ja) | 6−メチル−3−ヘプテン−2−オンの製造方法 | |
JPWO2003016251A1 (ja) | シクロドデカノンの製造方法 | |
JPH0578346A (ja) | オクタヒドロクマリン類の製造方法 | |
JP3952787B2 (ja) | シクロアルカノンオキシムの製造方法 | |
JP3938049B2 (ja) | 2−ハロゲノシクロアルカノンオキシムの製造方法 | |
JP2004277326A (ja) | 2−テトラロン類の製造方法 | |
JP2000191565A (ja) | シクロドデカノ―ル及びシクロドデカノンの製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040706 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20071024 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20080407 |