JP2003320597A - 発泡長靴の製造方法及び発泡長靴 - Google Patents
発泡長靴の製造方法及び発泡長靴Info
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Abstract
成形するにあたり、長靴外面の目立ち易い箇所にパーテ
ィングライン跡がでないようにする。 【解決手段】 発泡性成形材料を射出充填する際のキャ
ビティとして、ボトムモールド2と、ラストモールド3
と、上方から移動してラストモールド3を覆い且つボト
ムモールド2に密接可能な上蓋モールド4によって画成
するようにし、このキャビティ内に発泡性成形材料を射
出充填して加熱加圧することで架橋反応させた後、キャ
ビティを開放して膨張させ、筒部Ntの下部から上部に
かけて水平断面積が略同一の発泡長靴Nを成形する。
Description
画成したキャビティ内に発泡性成形材料を射出充填した
後、キャビティを開放させて長靴を発泡成形する技術に
関する。
品の長靴と概略同一サイズのキャビティ内に樹脂材料を
射出充填する方法が一般的であり、この際、通常の長靴
は、ラストモールドからの脱型性を良くするため等の目
的で、足首部に較べて履き口部分の径が広がっているた
め、左右に型開きする一対のサイドモールドを使用して
成形している。一方、特開昭52−60863号では、
熱可塑性樹脂に架橋剤や発泡剤を添加して発泡性成形材
料を調製し、この材料をキャビティ内に射出してモール
ドを加熱することにより発泡剤が発泡し得る状態にし、
次いでキャビティを開放して材料を膨張させて発泡成形
品を成形する技術が開示されている。
化を図る場合、前記特開昭52−60863号のよう
に、金型のキャビティ内に発泡性成形材料を射出充填
し、その後、キャビティを開放して発泡させるようにす
れば、極めて軽量の長靴が成形可能であるが、この際、
サイドモールドの金型を使用すると、サイドモールドの
接合線に沿って長靴外面の筒部等の目立ち易い箇所に縦
向きのパーティングライン跡が発生し、外観品質を低下
させるという問題がある。
て軽量の長靴を射出成形するにあたり、長靴外面の目立
ち易い箇所にパーティングライン跡がでないようにする
ことを目的とする。
本発明は、架橋剤を添加した発泡性成形材料を溶融して
キャビティ内に射出充填し、キャビティ内で加熱加圧す
ることにより架橋反応させるとともに、キャビティを開
放することにより膨張させて発泡長靴を製造するように
した製造方法において、前記射出充填時のキャビティを
画成するにあたり、ラストモールドと、ボトムモールド
と、上方から移動してラストモールドを覆い且つボトム
モールドに密接することが可能な上蓋モールドと、によ
って所望のサイズの長靴形状より小さい容積で画成する
ようにした。
モールドとして、従来一般のサイドモールドの代わりに
上蓋モールドを使用することにより、長靴外面の筒部等
の目立った箇所に縦向きのパーティングライン跡が発生
せず、外観品質の向上が図れる。因みに、上蓋モールド
は、上方に移動してキャビティを開放するためにアンダ
ーカットを避けたものとし、請求項2のように、長靴の
筒部の外面は、下部から上部にかけて水平断面形状が略
同一になるようにして直筒形に近づけた形、または上部
に向かうに従って小さくなるような形にする必要があ
る。
時に膨張させるためには、射出時点では発泡剤が発泡し
ない温度で溶融してキャビティ内に充填し、モールドを
発泡温度以上に加熱して発泡可能な状態(モールドに密
封されているため発泡はしない。)にした後、キャビテ
ィを開放して発泡させる方法や、射出時点で発泡温度以
上にしておくが、キャビティ内に高圧で充填することに
より発泡を抑制し、充填後キャビティを開放して発泡さ
せる方法等が適用可能である。このように、本発明では
キャビティを開放する時期は、成形材料の架橋が進んで
流動性がなくなり、発泡剤の発泡により膨張可能になっ
てからである。
可塑性樹脂と、架橋剤と、発泡剤をブレンドしたもの等
が適用可能であり、これらの混合物を密閉式混練機で混
練して押出し機等でペレット状にしておくことが好まし
い。
に移動してキャビティを開放した時の発泡性成形材料の
膨張倍率をXとした場合に、(ラストモールドの足裏の
面積)/(発泡長靴の筒部上部の開口面積)がX2/3
以下になるようにした。
ャビティを開放すると、発泡性成形材料が発泡してキャ
ビティの容積より大きいサイズの相似形の形状に膨張す
る。そして、膨張倍率がXの場合は、発泡後の長靴形状
のサイズは、発泡前の長靴形状のサイズに較べて、体積
比でX倍に膨張することになり、この際、(ラストモー
ルドの足裏の面積)/(発泡長靴の筒部上部の開口面
積)がX2/3以下になるようにすれば、膨張後の履き
口の断面積(筒部上部の開口面積)がラストモールドの
足裏の面積より大きくなり、ラストモールドから成形品
を脱型する際、変形させなくても楽に離型することがで
き、しかも、長靴に歪み等が生じない。
びれ部分に相当する部分に、内側に向けて突出する凸部
を形成するようにした。このように足首後部のくびれ部
分に凸部を形成すれば、履用時に脱げにくくなって歩き
易い。
成形材料の膨張倍率と同等か、またはそれ以上の伸び性
を有する伸縮材を一体に成形するようにした。このよう
な伸縮材を一体に成形することで、屈曲等に対する強度
アップが図れるが、このような一体成形は、予め伸縮材
をラストモールドに吊り込んでおき、発泡性成形材料を
射出充填した後、キャビティを開放することにより行う
ようにすれば、伸縮材は材料の膨張に連れて伸びながら
一体成形される。
図面に基づき説明する。ここで図1はモールドによって
画成されたキャビティ内に発泡性成形材料を射出した状
態の説明図、図2はキャビティを開放した状態の説明
図、図3は足首後部の凸部の説明図、図4は発泡長靴の
完成図、図5、図6は成形された発泡長靴を後加工した
例を示す説明図である。
発泡性成形材料を使用して軽量の長靴を射出成形するに
あたり、長靴外面の目立った箇所にパーティングライン
跡がでないようにされており、図1に示すようなモール
ド1を使用し、発泡性成形材料をキャビティ内に射出充
填した後、キャビティを開放することにより膨張させて
長靴を製造するようにしている。
トムモールド2と、ラストモールド3と、上蓋モールド
4を備えており、上蓋モールド4及びボトムモールド2
はラストモールド3に対して上下動可能にされている。
そして型閉め状態において、所望のサイズより小さい容
積の相似形の長靴成形用キャビティが画成されるように
している。
てキャビティを開放する際に、アンダーカットとならな
いよう、図2にも示すように、長靴の筒部外面を形成す
るための内壁部4uが上下方向に対してストレートな直
筒形に近い形態、または上部に向かうに従って細くなる
形態にされている。尚、後述するように、この内壁部4
uには多少の凹凸があっても型開きに支障がなければ構
わない。また、ボトムモールド2には、靴底の意匠を形
成するための凹凸を形成しておくと良い。
は、足首のくびれ部分に相当する箇所に凹部dが設けら
れており、上蓋モールド4の内壁部4uとの間隔が、凹
部d部分では若干広めにされている。
射出される発泡性成形材料としては、熱可塑性樹脂と発
泡剤と架橋剤をブレンドしたものが用いられ、熱可塑性
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体等が適用出来るが、特にエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂の場合、軽量でクッション性
に優れるため好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂
に、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエン
ゴム等の熱可塑性ゴムを混合することもできる。
ム、重炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、P,P´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等が適
用可能であり、また、架橋剤としては、例えばジクミル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(ターシ
ャリーブチル)パーオキサイド、1,3ビス(ターシャ
ルブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、m−オ
クタデジルアジドホルメート、ターシャリグチルパーオ
キシクメン等の有機過酸化物が適用可能である。
レン−酢酸ビニル共重合樹脂)100重量部に対して、
発泡剤1〜30重量部、架橋剤0.3〜2重量部程度、
その他、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等の充填
材を適量加えて混練することにより、発泡性成形材料を
作製し、この材料を樹脂の溶融温度以上に加熱し、閉型
したキャビティ内に射出充填した後、モールドを加熱加
圧して架橋反応させるとともに、発泡可能状態にし、次
いで、図2に示すように、ラストモールド3に対して上
蓋モールド4を上方に移動するとともに、ボトムモール
ド2を下方に移動してキャビティを開放すれば、材料は
一気に発泡して膨張し、例えば、膨張倍率が5であれ
ば、体積が5倍程度に膨張した発泡長靴Nが成形され
る。尚、キャビティに充填された材料の比重が0.95
で、得られた長靴Nの比重が0.2であれば、膨張倍率
は4.75である。
って、発泡長靴Nの筒部Ntの外面は、下部から上部に
かけて水平断面形状が略同一にされるか、または上部に
向かうに従って小さく形成され、図4の破線に示すよう
な履き口が広がった形状の従来の長靴形状とは異なった
スマートな形状にされるとともに、筒部Nt等の目立ち
易い箇所にパーティングライン跡が発生せず、意匠性を
高めることができる。また、ラストモールド3の凹部d
に対応する箇所では、長靴Nの肉厚が厚肉にされるとと
もに、内側に向けて突出する凸部tが形成され、履用し
た際に脱げ易くなるような不具合が防止される。
ある反面、耐磨耗性やグリップ性が充分でないことがあ
る。その場合、接地面側に、別途、耐磨耗性に優れたゴ
ム製等の靴底部材Mを接着等で取り付けることで、これ
ら特性にも優れた長靴にすることができる。
する際、発泡性成形材料の膨張倍率をXとした場合に、
(ラストモールド3の足裏の面積)/(発泡長靴Nの筒
部上部の開口面積)がX2/3以下になるようにするこ
とが好ましい。すなわち、上記の値がX2/3の場合
は、発泡長靴Nの筒部上部の開口面積が、ラストモール
ド3の足裏の面積に一致することになり、X2/3以下
にすることで、ラストモールド3から脱型する際に、長
靴を殆ど変形させなくても楽に脱型でき、また長靴が歪
むような不具合を防止できる。ここで、ラストモールド
3の足裏の面積とは、ラストモールド3を垂直方向から
投影した面積に相当するものである。尚、発泡・膨張倍
率が5である場合、X2/3は2.92程度となる。
めラストモールドに、発泡性成形材料のキャビティ充填
後からの膨張倍率と同等かまたはそれ以上の伸び性を有
する伸縮材を吊り込んでおくようにしても良い。この場
合は、キャビティ内に発泡性成形材料を射出充填した
後、モールドを加熱加圧して架橋反応させ、その後、型
開きすることによりキャビティを開放し膨張させれば、
伸縮材は材料の膨張に連れて伸びながら一体化され、裏
布としての機能を持たせることができる。勿論、上記の
ような方法の代わりに、発泡長靴Nを成形した後、靴下
形状の裏布材料を接着剤等により貼着することも可能で
ある。
ド4がラストモールド3に対して上方に移動可能であれ
ば、内壁部4uに多少の凹凸があっても構わず、例えば
図5に示すように、発泡長靴Nの筒部Ntにリブ状の飾
り突起kを形成するための溝を設けるようにしても良
く、また、成形された発泡長靴Nを加熱、型押、または
加熱型押することにより、図5(b)に示すように、飾
り突起kより下方の幅eを狭くして脱げにくくしたり、
逆に、飾り突起kより上方の幅Eを広げるようなことも
可能である。
の履き口を広げることも可能であるが、履き口を広げる
には、図6に示すように、履き口の縁部を合成皮革等の
テープ材Tで飾り縫いする際、縁部を広げながら縫うよ
うにすれば、同時に意匠性等の向上も図られて都合が良
い。
後、長靴表面に従来公知の方法で意匠を施すことがで
き、例えば表面に接着剤等の処理を施した後、静電植毛
したり、繊維塗料やビーズ塗料で塗装する等の処置が可
能である。
されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載し
た事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を
奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
製造方法は、キャビティを開放することにより発泡性成
形材料を膨張させて発泡長靴を製造するようにした製造
方法において、射出充填時のキャビティを画成するにあ
たり、ラストモールドと、ボトムモールドと、上方から
移動してラストモールドを覆い且つボトムモールドに密
接することが可能な上蓋モールドと、によって所望のサ
イズの長靴形状より小さい容積で画成するようにしたた
め、ラストモールドから発泡長靴の脱型が容易であり、
製造された発泡長靴は、外面の目立つ箇所にパーティン
グライン跡が発生せず、外観品質の向上が図れる。
を、筒部の下部から上部にかけて略同一形状にすれば、
キャビティを開放する際に上蓋モールドを上方にスムー
ズに移動させることが出来る。この際、ラストモールド
の足裏の面積や発泡長靴の筒部上部の開口面積と、膨張
倍率との間に一定の関係を持たせることにより、ラスト
モールドから発泡長靴を脱型する作業の一層の容易化が
図られ、また、長靴の歪み等を防止出来る。また、足首
後部のくびれ部分に相当する長靴の内側部分に凸部を設
ければ、履用時に簡単に脱げることがない。また、発泡
長靴の内面に、発泡性成形材料の膨張倍率と同等か、ま
たはそれ以上の伸び性を有する伸縮材を一体に成形すれ
ば、屈曲等に対する強度アップが図れる。
泡性成形材料を射出充填した状態の説明図
図
い付けて、履き口を広げた状態の説明図
ド、4…上蓋モールド、4u…内壁部、t…凸部、N…
発泡長靴。
Claims (5)
- 【請求項1】 架橋剤を添加した発泡性成形材料を溶融
してキャビティ内に射出充填し、キャビティ内で加熱加
圧することにより架橋反応させるとともに、キャビティ
を開放することにより膨張させて発泡長靴を製造するよ
うにした製造方法であって、前記射出充填時のキャビテ
ィを画成するにあたり、ラストモールドと、ボトムモー
ルドと、上方から移動してラストモールドを覆い且つボ
トムモールドに密接することが可能な上蓋モールドと、
によって所望のサイズの長靴形状より小さい容積で画成
したことを特徴とする発泡長靴の製造方法。 - 【請求項2】 ラストモールドと、ボトムモールドと、
上方から移動してラストモールドを覆い且つボトムモー
ルドに密接することが可能な上蓋モールドと、によって
画成されるキャビティ内に架橋剤を添加した発泡性成形
材料を溶融して射出充填し、加熱加圧後、上蓋モールド
を上方に移動してキャビティを開放することにより、前
記材料を膨張させて成形される発泡長靴であって、発泡
成形後の長靴の筒部の外面は、下部から上部にかけて水
平断面形状が略同一か、または上部に向かうに従って小
さく形成されたことを特徴とする発泡長靴。 - 【請求項3】 前記上蓋モールドを上方に移動してキャ
ビティを開放した時の発泡性成形材料の膨張倍率をXと
した場合に、(ラストモールドの足裏の面積)/(発泡
長靴の筒部上部の開口面積)がX2/3以下になるよう
にしたことを特徴とする請求項2に記載の発泡長靴。 - 【請求項4】 前記発泡長靴には、足首後部のくびれ部
分に相当する部分に、内側に向けて突出する凸部が形成
されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の
発泡長靴。 - 【請求項5】 前記発泡長靴の内面には、発泡性成形材
料の膨張倍率と同等か、またはそれ以上の伸び性を有す
る伸縮材が一体に成形されることを特徴とする請求項2
乃至請求項4のいずれか1項に記載の発泡長靴。
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JP2002132440A JP4128026B2 (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | 発泡長靴の製造方法及び発泡長靴 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008296513A (ja) * | 2007-06-01 | 2008-12-11 | Toyota Motor Corp | 発泡樹脂製品の製造方法 |
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2002
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