JP2003319654A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2003319654A JP2002281023A JP2002281023A JP2003319654A JP 2003319654 A JP2003319654 A JP 2003319654A JP 2002281023 A JP2002281023 A JP 2002281023A JP 2002281023 A JP2002281023 A JP 2002281023A JP 2003319654 A JP2003319654 A JP 2003319654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一次側に電流共振形コンバータを備える複合
共振形コンバータについて電力変換効率の向上を図る。 【解決手段】 複合共振形コンバータとして、一次側に
おいては、電流共振形コンバータに部分電圧共振回路を
組み合わせるようにしている。そして、二次側に対し
て、二次側並列共振回路、二次側直列共振回路、さらに
は二次側部分電圧共振回路を組み合わせた構成を採って
いる。そして、絶縁コンバータトランスについては、磁
脚にギャップを形成しないことで、一次側と二次側の結
合係数をこれまでよりも高いものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図31の回路図は、先に本出願人が提案し
た発明に基づいて構成することのできる、先行技術とし
てのスイッチング電源回路の一例を示している。この図
に示す電源回路の基本構成としては、一次側スイッチン
グコンバータとして自励式の電流共振形コンバータを備
えている。
【0004】この図に示す電源回路において、商用交流
電源から直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)を生成する
ための整流回路系としては、図示するようにして、2本
の低速リカバリ型の整流ダイオードD1,D2と、2本の
平滑コンデンサCi1,Ci2を接続することで、倍電圧
整流回路を形成している。これにより、直列接続された
2本の平滑コンデンサCi1−Ci2の両端には、交流入
力電圧VACの2倍のレベルに対応する整流平滑電圧Ei
が得られる。この整流平滑電圧Eiが、後段のスイッチ
ングコンバータに対して直流入力電圧として供給され
る。
【0005】この図に示す電源回路のスイッチングコン
バータは電流共振形とされ、図のように2つのスイッチ
ング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続して
いる。この場合、スイッチング素子Q1,Q2について
は、バイポーラトランジスタが選定されている。スイッ
チング素子Q1のベースに対しては、ベース電流制限抵
抗RB1−共振用コンデンサCB1−駆動巻線NB1を直列接
続して成る自励発振駆動回路が接続される。スイッチン
グ素子Q1のベース−エミッタ間には、ダンパーダイオ
ードDD1が図示する方向によって接続される。また、ス
イッチング素子Q1のコレクタ−ベース間には、起動時
の電流をベースに流すための起動抵抗Rs1が接続され
る。同様にして、スイッチング素子Q2のベースに対し
ては、ベース電流制限抵抗RB2−共振用コンデンサCB2
−駆動巻線NB2を直列接続して成る自励発振駆動回路が
接続される。また、ベース−エミッタ間には、ダンパー
ダイオードDD2が接続され、コレクタ−ベース間には起
動抵抗Rs2が接続される。
【0006】ここで、スイッチング素子Q1側の自励発
振駆動回路を形成する共振用コンデンサCB1のキャパシ
タンスと駆動巻線NB1のインダクタンスによっては直列
共振回路が形成される。同様にして、スイッチング素子
Q2側の自励発振駆動回路を形成する共振用コンデンサ
CB2のキャパシタンスと駆動巻線NB2のインダクタンス
によっても直列共振回路が形成される。そして、これら
直列共振回路の共振周波数によって決定されるスイッチ
ング周波数によって、スイッチング素子Q1,Q2が自励
式でスイッチング駆動されることになる。また、後述す
るように、ドライブトランスPRTにおいては、駆動巻
線NB1,NB2が互いに逆極性となる交番電圧が励起され
るようになっていることから、スイッチング素子Q1,
Q2は、交互にオン/オフするようにして、スイッチン
グ動作を行う。
【0007】また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列に部分共振コンデンサCp
が接続されている。この部分共振コンデンサCpのキャ
パシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス
成分L1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)
を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のター
ンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得ら
れるようになっている。
【0008】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1,Q2をスイッ
チング駆動すると共に、定電圧制御のためにスイッチン
グ周波数を可変制御するために備えられる。そして、こ
のドライブトランスPRTは、駆動巻線NB1,NB2及び
共振電流検出巻線NAを巻回するとともに、更にこれら
の各巻線に対して制御巻線Ncが直交する方向に巻回さ
れた可飽和リアクトルとされている。なお、駆動巻線N
B1と、駆動巻線NB2は、互いに逆極性の電圧が励起され
るようになっている。
【0009】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2の
スイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁トラン
スPITの一次巻線N1の一端は、共振電流検出巻線N
Aを介してスイッチング素子Q1のエミッタとスイッチン
グ素子Q2のコレクタの接点(スイッチング出力点)に
接続されることで、スイッチング出力が得られるように
される。
【0010】また、この場合には、一次巻線N1の他端
は直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続
されている。そして、上記直列共振コンデンサC1のキ
ャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータト
ランスPITのインダクタンス成分により、一次側スイ
ッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一
次側直列共振回路を形成している。このようにして、こ
の図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、電
流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振動作と
が複合的に得られていることになる。本明細書では、こ
のようにして、複合的な共振動作が得られるスイッチン
グコンバータについて、「複合共振形コンバータ」とも
いうことにする。
【0011】また、この場合の絶縁コンバータトランス
PITの二次側には、二次巻線N2と、この二次巻線N2
よりも巻き数(ターン数)の少ない二次巻線N3が巻装
されている。二次巻線N2に対しては、図示するように
してブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCO1が接
続されることで、全波整流動作によって、平滑コンデン
サCO1の両端に二次側直流出力電圧EO1が得られるよう
になっている。また、二次巻線N3は、センタータップ
を施した上で、図示するようにして整流ダイオードDO
3,DO4、及び平滑コンデンサCO2を接続することによ
って全波整流回路が形成され、平滑コンデンサCO2の両
端に二次側直流出力電圧EO2を生成するようにされる。
これら二次側直流出力電圧EO1,EO2は、それぞれ図示
しない負荷に対して供給される。また、二次側直流出力
電圧EO1は、制御回路1のための検出電圧としても分岐
して入力される。
【0012】絶縁コンバータトランスPITは、例えば
図33に示す構造を有している。絶縁コンバータトラン
スPITは、フェライト材によるE型コアCR1、CR
2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コ
アが備えられる。そして、一次側と二次側の巻装領域が
互いに独立するようにして分割された上で一体化された
ボビンBに対して、一次巻線N1と、二次巻線N2をそれ
ぞれの巻装領域に対スして巻装している。なお、一次巻
線N1及び二次巻線N2は、それぞれ60μmmφのリッツ
線をガラ巻きにより巻装している。また、図31におい
ては、二次側に二次巻線N3も巻装されているが、ここ
での図示は省略している。そして、中央磁脚に対しては
図のようにギャップGを形成するようにしている。これ
によって、結合係数kとしては、例えばk≒0.8程度
による疎結合の状態を得るようにしている。なお、ギャ
ップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本
の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。
【0013】制御回路1では、二次側直流出力電圧EO1
のレベル変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電流
(直流電流)レベルを可変することで、直交形制御トラ
ンスPRTに巻装された駆動巻線NBのインダクタンス
LBを可変制御する。これにより、駆動巻線NBのインダ
クタンスLBを含んで形成されるメインスイッチング素
子Q1のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共
振条件が変化する。これは、メインスイッチング素子Q
1のスイッチング周波数を可変する動作となり、この動
作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0014】また、先に本出願人が提案した発明に基づ
いて構成することのできるスイッチング電源回路の他の
例を、図32の回路図に示す。この図に示す電源回路
は、他励式による電流共振形コンバータに対して部分電
圧共振回路が組み合わされた複合共振形コンバータとし
ての構成を採っている。なお、この図において図31と
同一部分については同一符号を付し、共通となる構成部
分については説明を省略する。
【0015】この図に示す電源回路においては、先ず、
商用交流電源ACに対して、ブリッジ整流回路Di及び
1本の平滑コンデンサCiから成る全波整流回路が備え
られる。従ってこの場合には、全波整流動作によって、
平滑コンデンサCiの両端に整流平滑電圧Ei(直流入
力電圧)が得られることになる。この整流平滑電圧Ei
は、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルとなる。
【0016】この場合、上記直流入力電圧を入力してス
イッチングする電流共振形コンバータとしては、図示す
るようにして、MOS−FETによる2本のスイッチン
グ素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続してい
る。スイッチング素子Q1,Q2の各ソース−ドレイン間
に対しては、図示する方向により、それぞれクランプダ
イオードDD1,DD2を並列に接続している。また、スイ
ッチング素子Q2のソース−ドレイン間に対しては、部
分共振コンデンサCpを並列に接続することで、絶縁コ
ンバータトランスPITの一次巻線N1と共に並列共振
回路(部分電圧共振回路)を形成している。これによ
り、図32に示す電源回路としても部分電圧共振動作が
得られることになり、複合共振形コンバータとしての動
作が得られることになる。
【0017】この他励式である電源回路においては、ス
イッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するため
に、例えば汎用のICによる発振ドライブ回路2が設け
られる。この発振ドライブ回路2は、スイッチング素子
Q1,Q2の各ゲートに対してドライブ信号としてのゲー
ト電圧を印加する。これにより、スイッチング素子Q
1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン
/オフするようにしてスイッチング動作を行うようにさ
れる。
【0018】なお、発振ドライブ回路2は、絶縁コンバ
ータトランスPITの一次側に追加的に巻装された低圧
巻線N4と、コンデンサC4から成る整流回路によって得
られた低圧直流電圧を入力して動作電源としている。ま
た、起動時においては、起動抵抗Rsを介して整流平滑
電圧Eiを入力することで起動するようになっている。
【0019】この図に示す電源回路の絶縁コンバータト
ランスPITは、図33による説明と同様の構造を有す
る。つまり、例えばEE型コアの中央磁脚に対してギャ
ップを形成することで、一次側と二次側の結合係数kと
しては、k=0.8程度の疎結合の状態が得られるよう
にしているものである。
【0020】この場合の制御回路1は、二次側直流出力
電圧EO1のレベル変化に応じて可変の直流電流を生成
し、フォトカプラPCを介して発振ドライブ回路2に供
給する。発振ドライブ回路2では、フォトカプラPCを
介して入力された制御回路1の出力に応じて、スイッチ
ング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されるよ
うにしてスイッチング駆動する。このようにしてスイッ
チング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変される
ことで、二次側直流出力電圧のレベルが安定化されるこ
とになる。
【0021】図34は、図31に示した電源回路におけ
る要部の動作をスイッチング周期により示す波形図であ
る。スイッチング素子Q2のスイッチング動作は、スイ
ッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2及び
コレクタ電流IQ2により示される。つまり、スイッチン
グ素子Q2がオフとなる期間TOFFにおいては、コレクタ
電流IQ2は0レベルになると共に、コレクタ−エミッタ
間電圧VQ2としては、整流平滑電圧Eiによりクランプ
されたレベルが得られることになる。これに対して、ス
イッチング素子Q2がオンとなる期間TONにおいては、
図示する波形によりコレクタ電流IQ2が流れると共に、
コレクタ−エミッタ間電圧VQ2は0レベルとなる。この
コレクタ電流IQ2は、期間TONにおいて一次巻線N1に
流れる一次巻線電流I1が流れるものとなる。なお、こ
こでは図示していないが、スイッチング素子Q1は、ス
イッチング素子Q2と交互となるタイミングでオン/オ
フ動作していることから、スイッチング素子Q1のコレ
クタ−エミッタ間電圧、及びコレクタ電流は、スイッチ
ング素子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2及びコレ
クタ電流IQ2をほぼ180°移相した波形となるもので
ある。したがって、スイッチング素子Q1側がオンとな
る期間TOFFにおける一次巻線電流I1の波形部分が、ス
イッチング素子Q1のコレクタ電流として流れるものと
なる。そして、この場合には、スイッチング素子Q1,
Q2にそれぞれ流れるコレクタ電流は3Apであり、一
次巻線電流I1は6Ap−pとなる。
【0022】また、スイッチング素子Q2のコレクタ−
エミッタ間に対して並列に接続される部分共振コンデン
サCpには、図示するようにして、スイッチング素子Q
2のターンオフ時に正極性の部分共振電流IC2が流れ、
スイッチング素子Q1のターンオフ時(スイッチング素
子Q2のターンオン時)に負極性の部分共振電流IC2が
流れるようになっており、部分電圧共振動作が得られて
いることが分かる。そして、このような動作波形からも
分かるように、スイッチング素子Q1,Q2は、ZVS(Z
ero Voltage Switching:零電圧スイッチング)及びZC
S(Zero Current Switching:零電流スイッチング)動
作が得られることになって、スイッチング損失の低減が
図られている。
【0023】また、二次巻線N2に対して接続されたブ
リッジ整流回路DBRの正極入力端子と負極入力端子との
間の整流電圧V2は、図示するように、ブリッジ整流回
路DBRの正/負の各整流電流経路のダイオードが導通す
るのに応じて、絶対値レベルが二次側直流出力電圧EO1
のレベルでクランプされた波形が得られる。なお、ここ
での詳しい説明は省略するが、図32に示した電源回路
についても、ほぼ同様の動作波形が得られる。
【0024】また、図31に示した構成による電源回路
の特性として、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力
Po=0W〜200Wの変動に対する、AC→DC電力
変換効率(ηAC→DC)、スイッチング周波数fs、
及びスイッチング素子Q2(又はQ1)のオン期間TONを
図35に示す。この図35に示すように、負荷電力Po
が重くなって二次側直流出力電圧が低下するのに応じ
て、スイッチング周波数fsは低下するように制御さ
れ、これに応じて期間TONが長くなっていることが分か
る。また、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)
は、例えば負荷電力Po=200W時には91.8%、
負荷電力Po=150Wでは92.4%となり、負荷電
力Po=150W時において最も高効率な状態が得られ
ている。
【0025】なお、図31に示す電源回路として、上記
図34に示す動作及び図35に示す特性を得るのにあた
っては、次のように各部を選定している。 一次巻線N1=二次巻線N2=45T 一次側直列共振コンデンサC1=0.056μF 部分共振コンデンサCp=330pF
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電源回路と
しては、電力変換効率はできるだけ高いことが好まし
い。しかしながら、図31及び図32に示す電源回路で
は、一次側直列共振回路の共振周波数fo1は50KH
z程度である。そして、交流入力電圧VAC=90Vの最
小入力電圧、及び最大負荷電力Po=200Wの条件に
おいても、スイッチング周波数fsについて共振周波数
fo1よりも高いfs=53KHzが維持されるように
して、二次側直流出力電圧EO1=135Vで安定化され
るようにしなければならない。この条件を満たさない
と、安定したZVS及びZCSの動作によって起動する
ことができないからである。このために、一次側直列共
振コンデンサC1については、0.056μFを選定
し、かつ、絶縁コンバータトランスPITについては、
1mm〜2mm程度のギャップを形成して結合係数k=
0.8程度の疎結合の状態を得るようにしなければなら
ない。
【0027】上記のようにして、一次側巻線と二次側巻
線とを疎結合の状態にしていることから、自ずとAC→
DC電力変換効率(ηAC→DC)の向上には限界がある。
具体的には、負荷電力Po=125W、交流入力電圧V
AC=100V時のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)
は、図31に示した回路では、図35によっても説明し
たように92%程度が限界となる。また、図32に示し
た回路では、負荷電力Poが約120W時で90%程度
が限界であり、特に、負荷電力Poが120Wよりも高
い場合には、90%程度に低下する。
【0028】また、絶縁コンバータトランスPITが疎
結合の状態とされていることで、絶縁コンバータトラン
スPITからの漏洩磁束の発生レベルは高くなってしま
う。このため、回路の実際としては、絶縁コンバータト
ランスPITに銅板のショートリングを設けるなどして
対策することが必要になり、それだけ、絶縁コンバータ
トランスPITのコストアップ及び大型化を招くことに
なる。さらに、絶縁コンバータトランスPITが疎結合
の状態にある場合、ギャップG近傍の一次側巻線と二次
側巻線とは、いわゆるフリンジ磁束による渦電流損失に
よって温度上昇しているために、信頼性の点で不利とな
る。
【0029】さらに、絶縁コンバータトランスPITの
中央磁脚にギャップGを形成するのにあたっては、例え
ばフェライト材のE型コアの中央磁脚を研磨するように
される。この場合、絶縁コンバータトランスPITを製
造するのに、研磨工程が追加されることとなってしまう
ので、その分コストアップになってしまうという問題も
生じる。
【0030】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成することとした。先ず、第1及び第4の実施の形
態に対応する請求項1に記載のスイッチング電源回路と
しては、次のように構成する。つまり、入力された直流
入力電圧を断続するようにしてスイッチング動作を行う
電流共振形のスイッチング手段と、スイッチング手段の
スイッチング出力を一次側から二次側に伝送するために
設けられ、コアの磁脚にギャップを形成しないことで所
要以上の結合係数が得られるようにされた絶縁コンバー
タトランスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの
一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列
接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンス
とによって形成され、スイッチング手段の動作を電流共
振形とする一次側直列共振回路とを備える。また、スイ
ッチング手段を形成する複数のスイッチング素子のう
ち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続される
部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コン
バータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分に
よって形成され、上記スイッチング手段を形成する複数
のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を
行う一次側部分電圧共振回路を備える。また、絶縁コン
バータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分
と、この二次巻線に対して並列に接続される二次側並列
共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成される
二次側並列共振回路を備える。そして、絶縁コンバータ
トランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して整流
動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構
成された直流出力電圧生成手段と、二次側直流出力電圧
のレベルに応じて、スイッチング手段のスイッチング周
波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定
電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段とを備
えることとした。
【0031】また、第2及び第5の実施の形態に対応す
る請求項2に記載のスイッチング電源回路としては次の
ように構成することとした。つまり、入力された直流入
力電圧を断続するようにしてスイッチング動作を行う電
流共振形のスイッチング手段と、スイッチング手段のス
イッチング出力を一次側から二次側に伝送するために設
けられ、コアの磁脚にギャップを形成しないことで所要
以上の結合係数が得られるようにされた絶縁コンバータ
トランスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一
次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接
続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスと
によって形成され、スイッチング手段の動作を電流共振
形とする一次側直列共振回路とを備えることとした。ま
た、スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、絶縁コ
ンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分
によって形成され、スイッチング手段を形成する複数の
スイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行
う一次側部分電圧共振回路を備える。絶縁コンバータト
ランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、この二
次巻線に対して直列に接続される二次側直列共振コンデ
ンサのキャパシタンスとによって形成される二次側直列
共振回路を備える。また、絶縁コンバータトランスの二
次巻線に得られる交番電圧を入力して整流動作を行っ
て、二次側直流出力電圧を生成するように構成された直
流出力電圧生成手段と、二次側直流出力電圧のレベルに
応じて、スイッチング手段のスイッチング周波数を可変
することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を
行うように構成された定電圧制御手段とを備えることと
した。
【0032】また、第3及び6の実施の形態に対応する
請求項3に記載のスイッチング電源回路としては次のよ
うに構成することとした。入力された直流入力電圧を断
続するようにしてスイッチング動作を行う電流共振形の
スイッチング手段と、スイッチング手段のスイッチング
出力を一次側から二次側に伝送するために設けられ、コ
アの磁脚にギャップを形成しないことで所要以上の結合
係数が得られるようにされた絶縁コンバータトランス
と、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線の
漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続された
一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形と
する一次側直列共振回路とを備える。また、スイッチン
グ手段を形成する複数のスイッチング素子のうち、所定
のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振
コンデンサのキャパシタンスと、絶縁コンバータトラン
スの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成さ
れ、上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチン
グ素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行う一次側部
分電圧共振回路を備える。また、絶縁コンバータトラン
スの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、この二次巻
線に対して並列に接続される二次側並列共振コンデンサ
のキャパシタンスとによって形成される二次側並列共振
回路を備える。また、絶縁コンバータトランスの二次巻
線の漏洩インダクタンス成分と、この二次巻線に対して
直列に接続される二次側直列共振コンデンサのキャパシ
タンスとによって形成される二次側直列共振回路を備え
る。また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られ
る交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出
力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手
段と、二次側直流出力電圧のレベルに応じて、スイッチ
ング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次
側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成さ
れた定電圧制御手段とを備えることとした。
【0033】また、第7の実施の形態に対応する請求項
4に記載のスイッチング電源回路としては、次のように
構成することとした。つまり、入力された直流入力電圧
を断続するようにしてスイッチング動作を行う電流共振
形のスイッチング手段と、スイッチング手段のスイッチ
ング出力を一次側から二次側に伝送するために設けら
れ、コアの磁脚にギャップを形成しないことで所要以上
の結合係数が得られるようにされた絶縁コンバータトラ
ンスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻
線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続さ
れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
って形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形と
する一次側直列共振回路とを備える。また、スイッチン
グ手段を形成する複数のスイッチング素子のうち、所定
のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振
コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータト
ランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形
成され、上記スイッチング手段を形成する複数のスイッ
チング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行う一次
側部分電圧共振回路を備える。また、絶縁コンバータト
ランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して整流動
作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成
された直流出力電圧生成手段を備える。さらに、絶縁コ
ンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分
と、この二次巻線に対して並列に接続される二次側並列
共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、
上記直流出力電圧生成手段を形成するダイオード素子の
ターンオン期間、及びターンオフ期間においてのみ電圧
共振する二次側部分電圧共振回路を備える。また、二次
側直流出力電圧のレベルに応じて、スイッチング手段の
スイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力
電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧
制御手段を備えることとした。
【0034】また、第8の実施の形態に対応する請求項
5に記載のスイッチング電源回路については次のように
構成することとした。つまり、入力された直流入力電圧
を断続するようにしてスイッチング動作を行う電流共振
形のスイッチング手段と、スイッチング手段のスイッチ
ング出力を一次側から二次側に伝送するために設けら
れ、コアの磁脚にギャップを形成しないことで所要以上
の結合係数が得られるようにされた絶縁コンバータトラ
ンスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻
線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続さ
れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
って形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形と
する一次側直列共振回路とを備える。また、スイッチン
グ手段を形成する複数のスイッチング素子のうち、所定
のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振
コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータト
ランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形
成され、上記スイッチング手段を形成する複数のスイッ
チング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行う一次
側部分電圧共振回路を備える。また、絶縁コンバータト
ランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して整流動
作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成
された直流出力電圧生成手段を備える。また、絶縁コン
バータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分
と、この二次巻線に対して並列に接続される二次側並列
共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、
上記直流出力電圧生成手段を形成するダイオード素子の
ターンオン期間、及びターンオフ期間においてのみ電圧
共振する二次側部分電圧共振回路と絶縁コンバータトラ
ンスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、この二次
巻線に対して直列に接続される二次側直列共振コンデン
サのキャパシタンスとによって形成される二次側直列共
振回路とを備える。そして、二次側直流出力電圧のレベ
ルに応じて、スイッチング手段のスイッチング周波数を
可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制
御を行うように構成された定電圧制御手段とを備えるこ
ととした。
【0035】また、第9の実施の形態に対応する請求項
6に記載のスイッチング電源回路については次のように
構成することとした。つまり、入力された直流入力電圧
を断続するようにしてスイッチング動作を行う電流共振
形のスイッチング手段と、スイッチング手段のスイッチ
ング出力を一次側から二次側に伝送するために設けら
れ、コアの磁脚にギャップを形成しないことで所要以上
の結合係数が得られるようにされた絶縁コンバータトラ
ンスと、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻
線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接
続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスと
によって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流
共振形とする一次側直列共振回路とを備える。また、ス
イッチング手段を形成する複数のスイッチング素子のう
ち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続される
部分共振コンデンサのキャパシタンスと、絶縁コンバー
タトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によっ
て形成され、スイッチング手段を形成する複数のスイッ
チング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行う一次
側部分電圧共振回路とを備える。また、コンデンサと、
スイッチング手段のスイッチング周波数に応じたスイッ
チング動作を行う補助スイッチング素子とを直列接続し
て形成され、上記一次側直列共振コンデンサに対して並
列に接続されるスイッチング回路を備える。また、絶縁
コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入
力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成す
るように構成された直流出力電圧生成手段と、絶縁コン
バータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分
と、この二次巻線に対して並列に接続される二次側並列
共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、
上記直流出力電圧生成手段を形成するダイオード素子の
ターンオン期間、及びターンオフ期間においてのみ電圧
共振する二次側部分電圧共振回路と、上記二次側直流出
力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング手段のスイ
ッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧
に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御
手段とを備えることとした。
【0036】上記各構成によれば、複合共振形コンバー
タとして、一次側は電流共振形スイッチングコンバータ
(スイッチング手段)と一次側部分電圧共振回路が組み
合わされた基本構成を採ることになる。そのうえで、二
次側に対しては、二次側並列共振回路、二次側直列共振
回路、及び部分電圧共振回路の何れか1つ、または、二
次側並列共振回路と二次側直列共振回路、二次側直列共
振回路と部分電圧共振回路を組み合わせた共振回路が設
けられる。電流共振形コンバータとして上記した構成が
採られることで、二次側の共振回路により電力をまかな
うことが可能となって、絶縁コンバータトランスとして
は、ギャップを形成しないでより高い結合度を与えるよ
うにしている。そして、このような複合共振形コンバー
タとしての組み合わせを得ると共に、より高い結合度が
与えられた絶縁コンバータトランスの構造とを併せるこ
とで、これまでよりも電力変換効率を高めることが可能
になる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態として
のスイッチング電源回路について説明を行っていく。本
発明の実施の形態としては、第1の実施の形態から第9
の実施の形態までを挙げることとする。
【0038】<第1の実施の形態>図1は、本発明の第
1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例
を示している。この図に示す電源回路は、一次側スイッ
チングコンバータとして、自励式による電流共振形コン
バータが備えられる。この図に示す電源回路において
は、商用交流電源ACに対して2本の低速リカバリ型の
整流ダイオードD1,D2と、2本の平滑コンデンサCi
1,Ci2が備えられる。整流ダイオードD1のアノード
は、商用交流電源ACの正極ラインに接続され、カソー
ドは平滑コンデンサCi1の正極端子に接続される。平
滑コンデンサCi1,Ci2は直列に接続されている。つ
まり、平滑コンデンサCi1の負極端子は平滑コンデン
サCi2の正極端子と接続され、平滑コンデンサCi2の
負極端子は一次側アースに接続される。また、整流ダイ
オードD2のアノードは、一次側アースに接続され、カ
ソードは商用交流電源ACの正極端子に対して接続され
る。
【0039】このようにして整流ダイオードD1,D2及
び平滑コンデンサCi1,Ci2が接続されることで、商
用交流電源ACから整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)
を生成する整流回路系としては、倍電圧整流回路が形成
される。これにより、直列接続された平滑コンデンサC
i1−Ci2の両端には、交流入力電圧VACの2倍のレベ
ルに対応する整流平滑電圧Eiが得られることになる。
【0040】この図に示す一次側の自励式による電流共
振形コンバータとしては、図のように2つのスイッチン
グ素子Q1,Q2を備えて成る。この場合、スイッチング
素子Q1,Q2については、バイポーラトランジスタが選
定されている。これらスイッチング素子Q1,Q2は、ハ
ーフブリッジ結合方式によって接続されている。つま
り、スイッチング素子Q1のコレクタは、整流平滑電圧
Eiのライン(平滑コンデンサCi1の正極端子)と接
続される。スイッチング素子Q1のエミッタは、スイッ
チング素子Q2のコレクタと接続され、スイッチング素
子Q2のエミッタは一次側アースに対して接続される。
【0041】また、スイッチング素子Q1のベースに対
しては、ベース電流制限抵抗RB1−共振用コンデンサC
B1−駆動巻線NB1を直列接続して成る自励発振駆動回路
が接続される。ここで、共振用コンデンサCB1−駆動巻
線NB1の直列接続は、共振用コンデンサCB1のキャパシ
タンスと、駆動巻線NB1のインダクタンスによって直列
共振回路を形成しており、この直列共振回路の共振周波
数によってスイッチング周波数が決定される。また、ベ
ース電流制限抵抗RB1は、自励発振駆動回路からスイッ
チング素子Q1のベースに流すべき駆動信号としてのベ
ース電流レベルを調整する。
【0042】また、スイッチング素子Q1のベース−エ
ミッタ間には、ダンパーダイオードDD1が図示する方向
によって接続されることで、オン期間における逆方向電
流経路を形成する。また、スイッチング素子Q1のコレ
クタ−ベース間には、起動時の電流をベースに流すため
の起動抵抗Rs1が接続される。
【0043】同様にして、スイッチング素子Q2のベー
スに対しては、ベース電流制限抵抗RB2−共振用コンデ
ンサCB2−駆動巻線NB2を直列接続して成る自励発振駆
動回路が接続される。そして、共振用コンデンサCB2−
駆動巻線NB2によって、直列共振回路が形成される。ま
た、ベース−エミッタ間には、ダンパーダイオードDD2
が接続され、コレクタ−ベース間には起動抵抗Rs2が
接続される。
【0044】また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列に部分共振コンデンサCp
が接続されている。この部分共振コンデンサCpのキャ
パシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス
成分L1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)
を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のター
ンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得ら
れるようになっている。
【0045】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1,Q2をスイッ
チング駆動すると共に、定電圧制御のためにスイッチン
グ周波数を可変制御するために設けられる。このドライ
ブトランスPRTは、駆動巻線NB1,NB2及び共振電流
検出巻線NAを巻回するとともに、更にこれらの各巻線
に対して制御巻線Ncが直交する方向に巻回された可飽
和リアクトルとされている。なお、駆動巻線NB1と、駆
動巻線NB2は、互いに逆極性の電圧が励起される巻方向
によって巻装されている。
【0046】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2の
スイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁トラン
スPITの一次巻線N1の一端は、共振電流検出巻線N
Aを介してスイッチング素子Q1のエミッタとスイッチン
グ素子Q2のコレクタの接点(スイッチング出力点)に
接続されることで、スイッチング出力が得られるように
される。
【0047】また、この場合には、一次巻線N1の他端
は直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続
されている。そして、上記直列共振コンデンサC1のキ
ャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータト
ランスPITのインダクタンス成分により、一次側スイ
ッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一
次側直列共振回路を形成している。また、特に本実施の
形態においては、上記一次側直列共振回路の共振周波数
fo1としては、10KHz以下となるようにしてい
る。このために、一次側直列共振コンデンサC1につい
ては、1μFとしている。このようにして、この図に示
す一次側スイッチングコンバータとしては、電流共振形
としての動作と、前述した部分電圧共振動作とが複合的
に得られていることになる。本明細書では、このように
して、複合的な共振動作が得られるスイッチングコンバ
ータについて、「複合共振形コンバータ」ともいうこと
にする。
【0048】この電源回路のスイッチング動作として
は、例えば次のようになる。先ず商用交流電源ACが投
入されると、例えば起動抵抗Rs1,Rs2を介してスイ
ッチング素子Q1、Q2のベースに起動のためのベース電
流が供給されることになる。ここで、例えばドライブト
ランスPRTの駆動巻線NB1,NB2には、互いに逆極性
の電圧が励起されることになるので、スイッチング素子
Q1が先にオンとなったとすれば、スイッチング素子Q2
はオフとなるように制御される。そして、これら駆動巻
線NB1,NB2に励起された交番電圧を源として、スイッ
チング素子Q1,Q2の各自励発振駆動回路が、共振動作
による自励発振動作を行う。これにより、スイッチング
素子Q1,Q2が交互にオン/オフするように制御され
る。つまりスイッチング動作を行うことになる。そして
例えばスイッチング素子Q1がオンとなったときには、
そのスイッチング出力として、共振電流検出巻線NAを
介して一次巻線N1及び直列共振コンデンサC1に共振電
流が流れるが、この共振電流が0となる近傍で、スイッ
チング素子Q1がオフとなるとともに、スイッチング素
子Q2がオンとなる。これにより、スイッチング素子Q2
を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、ZV
S及びZCSにより、スイッチング素子Q1、Q2が交互
にオンとなる自励式のスイッチング動作が継続される。
また、スイッチング素子Q1,Q2がオン/オフ動作に伴
い、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時の短期間
においては、部分共振コンデンサCpに電流が流れる。
つまり、部分共振電圧動作が得られる。
【0049】また、この場合の絶縁コンバータトランス
PITの二次側には、二次巻線N2と、この二次巻線N2
よりも巻き数(ターン数)の少ない二次巻線N3が巻装
されている。そして、この場合の二次巻線N2に対して
は、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続され
る。この二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタン
スと、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2とに
よって、二次側並列共振回路が形成される。このため、
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2に交番電
圧が励起されることによっては、二次側にて並列共振
(電圧共振)動作が得られることになる。つまり、図1
に示す電源回路は、複合共振形コンバータとして、一次
側では、電流共振動作及び部分電圧共振動作が得られる
と共に、二次側においては電圧共振動作が得られるよう
に構成されていることになる。
【0050】この場合、二次巻線N2に対しては、図示
するようにしてブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデン
サCO1が接続されることで、全波整流回路が形成され
る。この全波整流回路の全波整流動作によって、平滑コ
ンデンサCO1の両端に二次側直流出力電圧EO1が得られ
るようになっている。また、二次巻線N3は、センター
タップを施した上で、図示するようにして整流ダイオー
ドDO3,DO4、及び平滑コンデンサCO2を接続すること
によって全波整流回路が形成され、平滑コンデンサCO2
の両端に二次側直流出力電圧EO2を生成するようにされ
る。これら二次側直流出力電圧EO1,EO2は、それぞれ
図示しない負荷に対して供給される。また、二次側直流
出力電圧EO1は、制御回路1のための検出電圧としても
分岐して入力される。
【0051】この図1に示す絶縁コンバータトランスP
ITは、例えば図4に示す構造を有している。絶縁コン
バータトランスPITは、フェライト材によるE型コア
CR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わ
せたEE型コアが備えられる。そして、一次側と二次側
の巻装領域が互いに独立するようにして分割された上で
一体化されたボビンBに対して、一次巻線N1と、二次
巻線N2をそれぞれの巻装領域に対スして巻装してい
る。なお、図1に示す回路では、二次側に二次巻線N3
も巻装されているが、ここでの図示は省略している。そ
して、この図に示すように、本実施の形態としての絶縁
コンバータトランスPITの中央磁脚に対してはギャッ
プは形成しないものとしている。これによって、結合係
数k=0.9程度となり、例えば図33に示した絶縁コ
ンバータトランスPITよりも高い結合度を得るように
している。例えば先行技術の電源回路では、絶縁コンバ
ータトランスPITについて疎結合の状態とすること
で、中間負荷時における異常発振を抑止していた。これ
に対して、本実施の形態の電源回路では、二次側に備え
られる共振回路の共振動作によって、中間負荷時に異常
発振が生じないようにしている。このため、絶縁コンバ
ータトランスPITとしては、これまでよりも高い結合
度を得るように構成しても、電源回路の動作上での問題
は生じないことになる。
【0052】また、ギャップを形成しないことで、本実
施の形態の絶縁コンバータトランスPITを形成するた
めのコアとしては、E型コア以外のコアを選定する自由
度も与えられる。そして、例えば図5に示すようにし
て、U型コアを用いた絶縁コンバータトランスPITの
構造とすることもできる。この図5に示す絶縁コンバー
タトランスPITは、2つのU型コアCr11,Cr1
2を組み合わせてU−U型コアを形成する。この際、U
型コアCr11,Cr12の各磁脚が対向する面に対し
ては、ギャップを形成せずに、そのまま磁脚の対向面ど
うしを接触させている。そして、ボビンBに対して、図
示するようにして一次巻線N1と二次巻線N2とを互いに
分割された巻装領域に巻装した上で、上記のようにして
形成されるU−U型コアの一方の磁脚に対して、取り付
けるようにされる。
【0053】図1に示す制御回路1は、二次側直流出力
電圧EO1のレベル変化に応じて、制御巻線NCに流す制
御電流(直流電流)レベルを可変することで、直交形制
御トランスPRTに巻装された駆動巻線NBのインダク
タンスLBを可変制御する。これにより、駆動巻線NBの
インダクタンスLBを含んで形成されるメインスイッチ
ング素子Q1のための自励発振駆動回路内の直列共振回
路の共振条件が変化する。これは、メインスイッチング
素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作となり、
この動作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0054】また、上記構成における要部の部品素子に
ついては、下記のように選定することとした。 一次巻線N1=45T 二次巻線N2=38T 一次側直列共振コンデンサC1=1μF 部分共振コンデンサCp=680pF 二次側並列共振コンデンサC2=0.022μF そして、このようにして各素子を選定していることで、
一次側直列共振回路の共振周波数fo1は、10KHz
以下となるように設定されている。また、二次側並列共
振回路の共振周波数fo2は、83KHz程度となるよ
うにされている。
【0055】図6の波形図は、上記図1に示した構成に
よる電源回路についての要部の動作を示している。な
お、この図に示す動作は、交流入力電圧VAC=100V
系で、負荷電力Po=200Wの条件のもとでの測定結
果を示している。スイッチング素子Q2は、期間TONに
おいてオンとなり、期間TOFFにおいてオフとなるよう
にスイッチング動作を行う。そして、スイッチング素子
Q2に流れるスイッチング電流IQ2は、図示するように
して、期間TOFFにおいては0レベルで、期間TONにお
いては、先ず、開始時においてダンパーダイオードDD2
からスイッチング素子Q2のベース→コレクタを介して
負極正方向にダンパー電流が流れ、この後、コレクタ−
エミッタを介して流れる波形となる。
【0056】また、スイッチング素子Q2のコレクタ−
エミッタ間電圧VQ2は、期間TOFFにおいては整流平滑
電圧Ei(直流入力電圧)のレベルでクランプされたパ
ルスとなり、期間TONにおいては、0レベルとなる波形
が得られる。なお、スイッチング素子Q1は、スイッチ
ング素子Q2に対して交互にオン/オフするタイミング
でスイッチングしている。従って、スイッチング素子Q
1のスイッチング電流及びコレクタ−エミッタ間電圧と
しては、上記スイッチング電流IQ2及びコレクタ−エミ
ッタ間電圧VQ2と同じ波形形状とされたうえで、ほぼ1
80°移相されたものとなる。
【0057】そして、この図においては一次巻線N1に
スイッチング出力として流れる一次巻線電流I1が示さ
れている。この一次巻線電流I1は、スイッチング素子
Q1,Q2のスイッチング動作に応じて、一次側直列共振
回路(C1−N1)の直列共振回路の共振動作によって得
られる共振電流である。そして、この一次巻線電流I1
は、スイッチング素子Q1がオフでスイッチング素子Q2
がオンとなる期間TONにおいては、スイッチング素子Q
2のスイッチング電流IQ2としてスイッチング素子Q2に
流れることになる。また、スイッチング素子Q2がオフ
でスイッチング素子Q12がオンとなる期間TOFFにおい
ては、スイッチング素子Q1のスイッチング電流として
スイッチング素子Q1に流れることになる。
【0058】また、スイッチング素子Q2のコレクタ−
エミッタ間に対して並列に接続される部分共振コンデン
サCpには、図示するようにして、スイッチング素子Q
2のターンオフ時の短期間において正極性の部分共振電
流IC2が流れ、スイッチング素子Q1のターンオフ時
(スイッチング素子Q2のターンオン時)の短期間にお
いて負極性の部分共振電流IC2が流れるようになってい
る。このようにしてスイッチング素子Q1,Q2のターン
オフ時において、部分電圧共振動作が得られていること
が分かる。そして、このような動作波形からも分かるよ
うに、スイッチング素子Q1,Q2は、ZVS(Zero Volt
age Switching:零電圧スイッチング)及びZCS(Zero
Current Switching:零電流スイッチング)動作が得ら
れる。また、この場合の一次側直列共振コンデンサC1
の両端電圧V1は、図示するようにして、ほぼ整流平滑
電圧Eiの1/2のレベルが維持された状態となる。
【0059】また、絶縁コンバータトランスPITの二
次側の動作は、二次巻線N2に流れる二次巻線電流I2と
二次巻線N2の両端電圧V2によって示される。この場
合、二次巻線N2には、図示するようにして一次巻線電
流I1と同じ極性によって交番電流が流れる。また、二
次巻線N2の両端電圧V2は、ブリッジ整流回路DBRの正
/負の各整流電流経路のダイオードが導通するのに応じ
て、絶対値レベルが二次側直流出力電圧EO1のレベルで
クランプされた波形となる。
【0060】ここで、上記のようにして構成される図1
に示す第1の実施の形態としての電源回路と、図31に
示した先行技術としての電源回路とを比較してみる。先
ず、回路構成として、図32に示す回路では、一次側直
列共振回路の共振周波数fo1は、約50KHzに設定
されている。本実施の形態の電源回路の安定化は、一次
側直列共振回路の共振周波数fo1よりも高い周波数領
域でスイッチング周波数を可変制御することで行うよう
にされる。この場合、例えばスイッチング周波数fsの
可変範囲の下限は、交流入力電圧VAC=90Vの最小入
力電圧で、最大負荷電力Pomax=200Wの条件のと
きとなる。そして、この条件下でも、二次側直流出力電
圧EO1について、例えば規定の135Vで安定化される
ようにするためには、下限となるスイッチング周波数f
sについては、例えば50KHzよりも高い53KHz
となるようにする必要がある。このため、一次側直列共
振コンデンサC1のキャパシタンスについては0.05
6μFを選定している。そのうえで、ZVS及びZCS
による安定した起動動作が得られるようにする必要があ
るが、このために、絶縁コンバータトランスPITにギ
ャップGを形成して、結合係数k=0.8程度の疎結合
の状態としていたものである。
【0061】これに対して、図1に示した第1の実施の
形態の電源回路では、一次側直列共振コンデンサC1の
キャパシタンスについて、例えば0.056μFとする
ことで、一次側直列共振回路の共振周波数fo1が10
KHz以下となるようにしている。そのうえで、二次巻
線N2に対して二次側並列コンデンサC2を並列に接続し
て、二次側において並列共振(電圧共振)動作が得られ
るようにしている。つまり、一次側における電流共振コ
ンバータの電流共振動作及び部分共振電圧動作に加え、
二次側の電圧共振動作を組み合わせた複合共振形コンバ
ータとしての構成としている。そして、このような構成
とすることで、絶縁コンバータトランスPITの結合係
数を高く設定しても、安定したZVS及びZCSによる
起動が可能となる。そこで、本実施の形態の絶縁コンバ
ータトランスPITとしては、結合係数k=0.9程度
に結合度を高めることとした。これにより、本実施の形
態では、図4及び図5にも示したように、絶縁コンバー
タトランスPITの磁脚にギャップを形成しなくともよ
いことになる。
【0062】このようにして、絶縁コンバータトランス
PITにギャップを形成しないようにしたことで、一次
側と二次側との結合係数が高められることになるので、
それだけ一次側から二次側への伝送効率が向上し、結果
的には電力変換効率が高められることになる。また、絶
縁コンバータトランスPITにおいてギャップを形成し
ないのであれば、製造にあたりギャップを形成するため
の工程は不要となるので、それだけ製造工程が簡略化さ
れ、コストダウンを図ることが可能になる。また、結合
係数が高くなることで、絶縁コンバータトランスPIT
からの漏洩磁束も低減されるので、例えば銅板によるシ
ョートリングを絶縁コンバータトランスPITに巻回し
て施す必要もなくなる。この点でも、絶縁コンバータト
ランスPITの製造工程が簡略化され、また、コストダ
ウンが促進されることになる。さらに、ギャップが無く
なったことで、絶縁コンバータトランスPITの巻線の
局部的な温度上昇の問題も解消され、それだけ信頼性が
向上することにもなる。
【0063】また、図7に、図1に示した第1の実施の
形態の電源回路についての特性として、負荷電力Po=
0W〜200Wの変動範囲における、AC→DC電力変
換特性(ηAC→DC)、スイッチング周波数fs、及
びスイッチング素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変
化を示す。先ず、AC→DC電力変換効率(ηAC→D
C)であるが、例えば最大負荷電力Pomax=200W
時においては、図31に示した先行技術の電源回路がη
AC→DC=91.8%であるのに対して、図1の電源
回路は、ηAC→DC=92.2%であり、0.4%の
向上が図られている。これは、例えば先行技術として図
32に示した電源回路のスイッチング素子Q2のコレク
タ電流IQ1及び一次巻線電流I1が、それぞれIQ1=
3.0Ap、I1=6Ap−p(図34参照)であるの
に対して、図1に示した本実施の形態の電源回路では、
IQ1=2.7Ap、I1=5.4Ap−pにまで低減さ
れていることからも分かる。また、図1に示した電源回
路の交流入力電力は、図31に示した電源回路に対し
て、0.9W低減しているという実験結果も得られてい
る。このようにして、電力変換効率が向上しているの
は、絶縁コンバータトランスPITにギャップが形成さ
れなくなったことで一次側と二次側の結合度が高められ
たことと、二次側並列共振コンデンサC2を設けて二次
側にも電圧共振動作を得るようにしたことによる。
【0064】また、図7によるとスイッチング周波数f
sは、負荷が重くなっていくのに応じて、低くなるよう
に制御されていることが分かる。なお、スイッチング素
子Q2のオン期間である期間TONは、スイッチング周波
数が低く制御されるのに応じて、長くなるように制御さ
れていることが分かる。そして、負荷電力Po=0W〜
200Wの範囲での、スイッチング周波数fsの可変範
囲は、fs=69〜139KHzとなっていることが示
され、実際における周波数制御範囲Δfs=70KHz
である。これに対して、図31及び図32に示した電源
回路では、負荷電力Po=0W〜200Wの範囲でのス
イッチング周波数fsの可変範囲がfs=58〜192
KHz、周波数制御範囲Δfs=134KHzであり、
周波数制御範囲Δfsとしては、図1に示した電源回路
のほうが、約1/2程度にまで小さくなっている。つま
り、図1に示す回路のほうが制御感度が向上しているこ
とになる。
【0065】ここで、図1に示した電源回路の回路構成
についての変形例として、二次側の構成を図2及び図3
に示しておく。図2に示す構成においては、二次巻線N
2に対してセンタータップを設けて、このセンタータッ
プを二次側アースに接続している。なお、この場合に
も、二次巻線N2に対して並列に二次側並列共振コンデ
ンサC2が接続されている。そのうえで、二次巻線N2の
両端に対しては、図示するようにして2本の整流ダイオ
ードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCO1から成る全波
整流回路を形成するようにされる。この全波整流回路の
整流動作によって、二次側直流出力電圧EO1を得るよう
にされる。なお、この回路構成の場合には、二次巻線N
2のターン数は38T+38T、二次側並列共振コンデ
ンサC2のキャパシタンスは2200pFを選定する。
【0066】図3においては、二次側並列共振コンデン
サC2が並列接続された二次巻線N2に対して、図示する
接続形態によって、2本の整流ダイオードDO11,DO12
と、2本の平滑コンデンサCO1,CO2を接続すること
で、全波整流方式による倍電圧整流回路を形成してい
る。そして、この倍電圧整流回路による倍電圧整流動作
によって、直列接続された整流ダイオードDO11−DO12
の両端に、二次巻線N2に励起された交番電圧の2倍に
対応するレベルの二次側直流出力電圧EO1を得るように
される。この場合には、二次巻線N2については20T
にまで少なくすることができる。また、この場合の二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとしては、
0.047μFとする。
【0067】<第2の実施の形態>続いて、本発明の第
2の実施の形態について説明する。図8は、第2の実施
の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示して
いる。なお、この図において図1と同一部分には同一符
号を付して説明を省略する。
【0068】この図8に示す電源回路においては、二次
巻線N2に対して、二次側並列共振コンデンサC2に代え
て、二次側直列共振コンデンサC3が接続される。この
場合、二次側直列共振コンデンサC3は、一次巻線N1の
巻始め端部と、後段の整流回路であるブリッジ整流回路
DBRの負極入力端子との間に直列に挿入される。そし
て、この二次側直列共振コンデンサC3のキャパシタン
スと、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2とに
よって、二次側直列共振回路を形成する。この二次側直
列共振回路によっては、二次巻線N2に励起される交番
電圧をもととして、二次側において電圧共振動作が得ら
れることになる。つまり、図8に示す第2の実施の形態
の電源回路としては、一次側に、一次側直列共振回路と
部分共振回路を備えると共に、二次側に並列共振回路が
備えられた複合共振形コンバータとしての構成が採られ
ていることになる。
【0069】また、この図に示す電源回路に備えられる
絶縁コンバータトランスPITとしても、図4又は図5
に示したのと同様の構造が採られる。つまり、結合係数
k=0.9程度にまで結合度を高めるために、ギャップ
を形成しないようにしているものである。
【0070】また、この図に示す電源回路を実際に構成
するのにあたっては、各部品素子について、例えば次の
ように選定している。 一次巻線N1=38T 二次巻線N2=45T 一次側直列共振コンデンサC1=1μF 部分共振コンデンサCp=680pF 二次側並列共振コンデンサC2=0.022μF そして、このようにして各素子を選定していることで、
一次側直列共振回路の共振周波数fo1は、図1の回路
と同様に、10KHz以下となるように設定される。ま
た、二次側直列共振回路の共振周波数fo2は、54K
Hz程度となるようにされている。
【0071】図11は、上記図8に示した構成による電
源回路の動作波形図を示している。なお、この図に示す
動作は、交流入力電圧VAC=100V系で、負荷電力P
o=200Wの条件のもとでの測定結果を示している。
また、この図においては、図1に示す電源回路について
の波形図である図6と同一部分の波形が示されているこ
とから、ほぼ同様の波形及びタイミングとなっている部
位についての説明は省略する。
【0072】この図11の波形図に示されるように、ス
イッチング素子Q2のコレクタ電流IQ2は、2.6Ap
となっており、これにより、一次巻線N1に流れる一次
巻線電流I1は、5.2Ap−pとなっている。これ
は、図1に示した第1の実施の形態の電源回路と同様
に、先行技術として示した図31の電源回路よりもAC
→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向上しているこ
とを示している。また、この場合の二次巻線N2の両端
電圧V2は、二次側直列共振コンデンサC3が接続されて
いることに対応して、図示するように、期間TOFFで
は、0レベルから正極性方向に二次側直流出力電圧EO1
のレベルにまで上昇する鋸歯状波となり、期間TONで
は、0レベルから負極性方向に増加して、二次側直流出
力電圧EO1に対応する絶対値レベルにまで至る鋸歯状波
となる。
【0073】また、図12には、図8に示した電源回路
についての、負荷電力Po=0W〜200Wの変動範囲
に対応する、負荷電力Po=0W〜200Wの変動範囲
における、AC→DC電力変換特性(ηAC→DC)、
スイッチング周波数fs、及びスイッチング素子Q2
(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示している。
【0074】先ず、AC→DC電力変換効率(ηAC→
DC)であるが、例えば最大負荷電力Pomax=200
W時においては、図31に示した先行技術の電源回路が
ηAC→DC=91.8%であるのに対して、図8の電
源回路は、ηAC→DC=92.6%となり、0.8%
もの向上が図られている。また、図1に示した電源回路
の交流入力電力は、図31に示した電源回路に対して、
1.8W低減された。特に、本実施の形態の場合には、
負荷電力Po=150W時においてηAC→DC=9
3.0%で最も高い効率が得られており、負荷電力Po
=50Wという軽負荷の条件であっても、90%程度の
高い効率が得られている。このような電力変換効率の向
上は、絶縁コンバータトランスPITにギャップが形成
されなくなったことで一次側と二次側の結合度が高めら
れたことと、二次側直列共振コンデンサC3を設けて二
次側に電流共振(直列共振)動作を得るようにしたこと
によって得られたものである。
【0075】また、図12によると、スイッチング周波
数fsは、最大負荷電力Po=200W時におけるスイ
ッチング周波数fs≒75KHzを下限として、軽負荷
の状態となるのに従って高くなっていくように制御され
ていることが分かる。また、スイッチング素子Q2のオ
ン期間である期間TONは、スイッチング周波数が高く制
御されるのに応じて短くなっている。
【0076】また、図9及び図10は、図8に示す第2
の実施の形態の電源回路についての変形例としての二次
側の構成例を示している。図9では、二次巻線N2の一
端に対して整流ダイオードDO1のアノードと整流ダイオ
ードDO2のカソードを接続している。また、整流ダイオ
ードDO2のアノードは、二次側アースに接続されると共
に、二次側直列共振コンデンサC3の直列接続を介し
て、二次巻線N2の他端と接続されている。平滑コンデ
ンサCO1は、正極端子が整流ダイオードDO1のアノード
と接続され、負極端子は、二次側アースと接続される。
【0077】このような回路構成では、いわゆる半波整
流動作による倍電圧整流回路が形成される。つまり、二
次巻線N2に負極の交番電圧が発生する期間において
は、二次巻線N2→二次側直列共振コンデンサC3→整流
ダイオードDO2→二次巻線N2の経路で電流が流れるこ
とで、二次側直列共振コンデンサC3の両端に二次巻線
N2に得られる交番電圧レベルと同等レベルの電位が発
生する。そして、二次巻線N2の交番電圧が反転して正
極となる期間では、二次巻線N2→整流ダイオードDO1
→平滑コンデンサCO1→二次側直列共振コンデンサC3
の経路で整流電流が流れることになり、この整流電流に
よって平滑コンデンサCO1に対する充電が行われる。そ
して、このときには、先の負の期間において二次側直列
共振コンデンサC3に得られている電位が加わる状態
で、平滑コンデンサCO1に対する充電が行われるので、
平滑コンデンサCO1の両端には、二次巻線N2の交番電
圧の2倍に対応するレベルの二次側直流出力電圧EO1が
得られることになる。
【0078】例えば、図8に示す回路においては、二次
側の整流回路として、ブリッジ整流回路DBRが備えられ
ているので、4本の高速リカバリ型ダイオードが必要と
なる。これに対して、図9に示した回路構成であれば、
二次側の高速リカバリ型の整流ダイオードは2本で済む
ことになって、それだけ部品点数は削減されることにな
る。また、二次巻線N2としてもターン数を低減するこ
とができる。具体的には、二次巻線N2のターン数は、
25Tとすることができる。また、この場合の二次側直
列共振コンデンサC3のキャパシタンスは、0.12μ
Fとなる。
【0079】また、図10に示す二次側の回路構成は、
先に図3に示したのと同様に、全波整流方式による倍電
圧整流回路となる。つまり、図3に示した回路では、二
次側並列共振回路(N2//C2)に対して全波整流方式の
倍電圧整流回路を備えているのに対して、この図10で
は、二次側直列共振回路(N2−C3)に対して同様の形
式の倍電圧整流回路を設けているものである。
【0080】<第3の実施の形態>続いては、本発明の
第3の実施の形態について説明する。図13は、第3の
実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示
している。なお、この図において図1及び図8と同一部
分には同一符号を付して説明を省略する。
【0081】この図8に示す電源回路においては、二次
巻線N2に対して、二次側並列共振コンデンサC2が並列
に接続される。さらに、二次巻線N2に対して直列に二
次側直列共振コンデンサC3が接続される。この場合、
二次側直列共振コンデンサC3は、二次巻線N2の巻始め
端部側に対して直列に接続される。
【0082】つまり、この第3の実施の形態としての電
源回路の二次側においては、二次側並列共振コンデンサ
C2のキャパシタンスと、二次巻線N2のリーケージイン
ダクタンスL2とによって二次側並列共振回路が形成さ
れる。さらに、二次側直列共振コンデンサC3のキャパ
シタンスと、二次巻線N2リーケージインダクタンスと
によって二次側直列共振回路が形成される。そして、二
次側並列共振回路及び二次側直列共振回路によって、二
次巻線N2に励起される交番電圧を基に、二次側におい
て電圧共振動作及び電流共振動作が複合的に得られるこ
とになる。このようにして、図13に示す第3の実施の
形態の電源回路としては、一次側に、一次側直列共振回
路と部分共振回路を備えると共に、二次側に並列共振回
路及び直列共振回路が備えられた複合共振形コンバータ
としての構成を採ることになる。
【0083】また、この図に示す電源回路に備えられる
絶縁コンバータトランスPITとしても、図4又は図5
に示したのと同様の構造が採られる。つまり、結合係数
k=0.9程度にまで結合度を高めるために、ギャップ
を形成しないようにしているものである。
【0084】また、この図に示す電源回路を実際に構成
するのにあたっては、各部品素子について、例えば次の
ように選定している。 一次巻線N1=50T 二次巻線N2=45T 一次側直列共振コンデンサC1=1μF 部分共振コンデンサCp=680pF 二次側直列共振コンデンサC3=4700pF 二次側並列共振コンデンサC2=0.033μF そして、このようにして各素子を選定していることで、
一次側直列共振回路の共振周波数fo1としては、10
KHz以下となるように設定される。
【0085】図16は、上記図13に示した構成による
電源回路の動作波形図を示している。なお、この図に示
す動作は、交流入力電圧VAC=100V系で、負荷電力
Po=200Wの条件のもとでの測定結果を示してい
る。また、この図においては、第1及び第2の実施の形
態の電源回路についての波形図である図6及び図11
と、同一部分の波形が示されていることから、ほぼ同様
の波形及びタイミングとなっている部位についての説明
は省略する。
【0086】この図16の波形図に示されるように、ス
イッチング素子Q2のコレクタ電流IQ2は、2.4Ap
となっており、これにより、一次巻線N1に流れる一次
巻線電流I1は、4.8Ap−pとなっている。これ
は、図1に示した第1の実施の形態の電源回路と同様
に、先行技術として示した図31の電源回路よりもAC
→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向上しているこ
とを示している。
【0087】また、図17には、図13に示した電源回
路についての、負荷電力Po=0W〜200Wの変動範
囲に対応する、負荷電力Po=0W〜200Wの変動範
囲における、AC→DC電力変換特性(ηAC→D
C)、スイッチング周波数fs、及びスイッチング素子
Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示してい
る。
【0088】この図によると、AC→DC電力変換効率
(ηAC→DC)については、例えば最大負荷電力Po
max=200W時においては、図31に示した先行技術
の電源回路がηAC→DC=91.8%であるのに対し
て、図13の電源回路は、ηAC→DC=93.0%と
なり、1.2%もの向上が図られている。また、図1に
示した電源回路の交流入力電力は、図31に示した電源
回路に対して、2.8W低減された。特に、本実施の形
態の場合には、負荷電力Po=150W時においてηA
C→DC=93.3%で最も高い効率が得られており、
負荷電力Po=50Wという軽負荷の条件であっても、
90%程度の高い効率が得られている。このような電力
変換効率の向上は、絶縁コンバータトランスPITにギ
ャップが形成されなくなったことで一次側と二次側の結
合度が高められたことと、二次側並列共振コンデンサC
2及び二次側直列共振コンデンサC3を設けて二次側に電
圧共振動作及び電流共振動作を得るようにしたことによ
って得られたものである。
【0089】また、スイッチング周波数fsは、最大負
荷電力Po=200W時におけるスイッチング周波数f
s≒75KHzを下限として、軽負荷の状態となるのに
従って高くなっていくように制御されていることが分か
る。また、スイッチング素子Q2のオン期間である期間
TONは、スイッチング周波数が高く制御されるのに応じ
て短くなっている。
【0090】また、図14及び図15は、図13に示す
第3の実施の形態の電源回路についての変形例としての
二次側の構成例を示している。図14に示す二次側の構
成として、整流ダイオードDO1,DO2及び平滑コンデン
サCO1の接続態様は図9と同様となる。つまり、半波整
流動作による倍電圧整流回路が形成される。この場合に
は、二次巻線N2については25Tとし、また、二次側
並列共振コンデンサC2及び二次側直列共振コンデンサ
C3の各キャパシタンスについては、C2=0.022μ
F、C3=0.1μFとすることができる。また、図1
5に示す二次側の構成としては、先の図3又は図10と
同様にして、全波整流方式の倍電圧整流回路を備えてい
る。
【0091】<第4の実施の形態>続いて、本発明の第
4の実施の形態のスイッチング電源回路について説明す
る。この第4の実施の形態のスイッチング電源回路の回
路構成としては、図1に示した第1の実施の形態と同様
とされる。また、絶縁コンバータトランスPITとして
も、図4及び図5に示した構成が採られることで、例え
ば結合係数k=0.9程度に一次側と二次側の結合度が
高められている。
【0092】但し、第4の実施の形態の電源回路として
は、例えば次のようにして電源回路を形成する各素子が
選定される。 一次巻線N1=48T 二次巻線N2=40T 一次側直列共振コンデンサC1=0.1μF 部分共振コンデンサCp=680pF 二次側並列共振コンデンサC2=0.015μF そして、このようにして各素子を選定していることで、
一次側直列共振回路(N1−C1)の共振周波数fo1
は、40KHz以下となるように設定されている。ま
た、二次側並列共振回路(N2//C2)の共振周波数fo
2は、100KHz程度となるようにされている。この
一次側直列共振回路の共振周波数fo1=40KHz、
二次側並列共振回路の共振周波数fo2=100KHz
という周波数の関係とすることで、後述するようにし
て、電力変換効率が向上する結果を得ることができる。
【0093】図18の波形図は、第4の実施の形態とし
ての電源回路についての要部の動作を示している。な
お、この図においては、例えば第1の実施の形態の電源
回路についての波形図である図6と、同一部分の波形が
示されていることから、ほぼ同様の波形及びタイミング
となっている部位についての説明は省略する。この波形
図に示されるように、スイッチング素子Q2のコレクタ
電流IQ2は、2.4Apとなっており、これにより、一
次巻線N1に流れる一次巻線電流I1は、4.8Ap−p
となっている。つまり、この第4の実施の形態の電源回
路についても、先行技術として示した図31の電源回路
よりもAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向上
している。
【0094】また、図19には、第4の実施の形態とし
ての電源回路についての、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲に対応する、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲における、AC→DC電力変換特性(ηA
C→DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチン
グ素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示し
ている。
【0095】この図によると、AC→DC電力変換効率
(ηAC→DC)については、例えば最大負荷電力Po
max=200W時においては、図31に示した先行技術
の電源回路がηAC→DC=91.8%であるのに対し
て、第4の実施の形態の電源回路は、ηAC→DC=9
2.7%にまで向上している。また、第4の実施の形態
の電源回路の交流入力電力は、図31に示した電源回路
に対して、2.7W低減されるという実験結果が得られ
た。
【0096】また、スイッチング周波数fsは、負荷が
重くなっていくのに応じて、低くなるように制御されて
いることが分かる。これと共に、スイッチング素子Q2
のオン期間である期間TONは、スイッチング周波数が低
く制御されるのに応じて、長くなるように制御されてい
ることが分かる。そして、負荷電力Po=0W〜200
Wの範囲での、スイッチング周波数fsの可変範囲は、
fs=69〜139KHzであり、実際における周波数
制御範囲Δfs=91KHzである。これに対して、図
31及び図32に示した電源回路では、負荷電力Po=
0W〜200Wの範囲でのスイッチング周波数fsの可
変範囲がfs=58KHz〜192KHz、周波数制御
範囲Δfs=167KHzであり、周波数制御範囲Δf
sとしては、第4の実施の形態の電源回路のほうが、著
しく制御感度が向上しているということがいえる。
【0097】なお、第4の実施の形態の電源回路として
は、第1の実施の形態の場合と同様に、二次側の構成と
して、図2及び図3に示した回路構成を採ることができ
る。図2に示した全波整流回路の構成を採る場合には、
二次巻線N2のターン数は、40T+40Tとしてセン
タータップを施し、二次側並列共振コンデンサC2=1
500pFを選定するようにされる。また、図3に示し
た倍電圧整流回路の構成を採る場合には、二次巻線N2
=20T、二次側並列共振コンデンサC2=0.033
μFを選定するようにされる。
【0098】<第5の実施の形態>続いては、本発明の
第5の実施の形態のスイッチング電源回路について説明
する。この第5の実施の形態のスイッチング電源回路の
回路構成としては、図8に示した第2の実施の形態と同
様とされる。また、絶縁コンバータトランスPITとし
ても、図4及び図5に示した構成が採られることで、例
えば結合係数k=0.9程度に一次側と二次側の結合度
が高められている。
【0099】そのうえで、第5の実施の形態の電源回路
としては、例えば次のようにして電源回路を形成する各
素子が選定される。 一次巻線N1=40T 二次巻線N2=45T 一次側直列共振コンデンサC1=0.1μF 部分共振コンデンサCp=680pF 二次側直列共振コンデンサC3=0.033μF そして、このようにして各素子を選定していることで、
一次側直列共振回路(N1−C1)の共振周波数fo1
は、40KHz以下となるように設定されている。ま
た、二次側直列共振回路(N2−C3)の共振周波数fo
2は、60KHz程度となるようにされている。この一
次側直列共振回路の共振周波数fo1と、二次側並列共
振回路の共振周波数fo2=との周波数の関係とするこ
とにより、後述するようにして、電力変換効率が向上す
る結果を得ることができる。
【0100】図20の波形図は、第5の実施の形態とし
ての電源回路についての要部の動作を示している。な
お、この図においては、例えば第2の実施の形態の電源
回路についての波形図である図11と、同一部分の波形
が示されていることから、ほぼ同様の波形及びタイミン
グとなっている部位についての説明は省略する。この波
形図に示されるように、スイッチング素子Q2のコレク
タ電流IQ2は、2.4Apとなっており、これにより、
一次巻線N1に流れる一次巻線電流I1は、4.8Ap−
pとなっている。つまり、この第4の実施の形態の電源
回路についても、先行技術として示した図31の電源回
路よりもAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向
上している。
【0101】また、図21には、第5の実施の形態とし
ての電源回路についての、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲に対応する、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲における、AC→DC電力変換特性(ηA
C→DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチン
グ素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示し
ている。
【0102】この図によると、AC→DC電力変換効率
(ηAC→DC)については、例えば最大負荷電力Po
max=200W時においては、図31に示した先行技術
の電源回路がηAC→DC=91.8%であるのに対し
て、第5の実施の形態の電源回路は、ηAC→DC=9
3.2%にまで向上している。また、第5の実施の形態
電源回路の交流入力電力は、図31に示した電源回路に
対して、3.3W低減されるという実験結果が得られ
た。特に、本実施の形態の場合には、負荷電力Po=1
50W時においてηAC→DC=93.5%で最も高い
効率が得られており、負荷電力Po=50Wという軽負
荷の条件であっても、90%程度の高い効率が得られて
いる。
【0103】また、スイッチング周波数fsは、最大負
荷電力Po=200W時におけるスイッチング周波数f
s≒75KHzを下限として、軽負荷の状態となるのに
従って高くなっていくように制御されている。また、ス
イッチング素子Q2のオン期間である期間TONは、スイ
ッチング周波数が高く制御されるのに応じて短くなって
いる。
【0104】また、第5の実施の形態の電源回路として
は、第2の実施の形態の場合と同様に、二次側の構成と
して、図9及び図10に示した回路構成を採ることがで
きる。図9に示した倍電圧整流回路の構成を採る場合に
は、二次巻線N2のターン数は22Tとし、二次側直列
共振コンデンサC3=0.10μFを選定するようにさ
れる。
【0105】<第6の実施の形態>続いては、第6の実
施の形態としてのスイッチング電源回路について説明す
る。この第6の実施の形態のスイッチング電源回路の回
路構成としては、図13に示した第3の実施の形態と同
様とされる。また、絶縁コンバータトランスPITとし
ても、図4及び図5に示した構成が採られることで、例
えば結合係数k=0.9程度に一次側と二次側の結合度
が高められている。
【0106】そのうえで、第6の実施の形態の電源回路
としては、例えば次のようにして電源回路を形成する各
素子が選定される。 一次巻線N1=50T 二次巻線N2=45T 一次側直列共振コンデンサC1=0.1μF 部分共振コンデンサCp=680pF 二次側並列共振コンデンサC2=5600pF 二次側直列共振コンデンサC3=0.056μF そして、このようにして各素子を選定していることで、
一次側直列共振回路(N1−C1)の共振周波数fo1
は、40KHz以下となるように設定されている。この
ようにして、一次側直列共振回路の共振周波数fo1=
40KHz以下となるようにしたうえで、二次側に並列
共振回路(電圧共振回路)と直列共振回路(電流共振回
路)とを設けるようにしていることで、次に説明するよ
うにして電力変換効率が向上されるという結果が得られ
る。
【0107】図22の波形図は、第6の実施の形態とし
ての電源回路についての要部の動作を示している。な
お、この図においては、例えば第3の実施の形態の電源
回路についての波形図である図16と、同一部分の波形
が示されていることから、ほぼ同様の波形及びタイミン
グとなっている部位についての説明は省略する。この波
形図に示されるように、スイッチング素子Q2のコレク
タ電流IQ2は、2.4Apとなっており、これにより、
一次巻線N1に流れる一次巻線電流I1は、4.8Ap−
pとなっている。つまり、この第4の実施の形態の電源
回路についても、先行技術として示した図31の電源回
路よりもAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向
上している。
【0108】また、図23には、第6の実施の形態とし
ての電源回路についての、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲に対応する、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲における、AC→DC電力変換特性(ηA
C→DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチン
グ素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示し
ている。
【0109】この図によると、AC→DC電力変換効率
(ηAC→DC)については、例えば最大負荷電力Po
max=200W時においては、図31に示した先行技術
の電源回路がηAC→DC=91.8%であるのに対し
て、第6の実施の形態の電源回路は、ηAC→DC=9
3.2%にまで向上している。また、第6の実施の形態
電源回路の交流入力電力は、図31に示した電源回路に
対して、3.3W低減されるという実験結果が得られ
た。特に、本実施の形態の場合には、負荷電力Po=1
50W時においてηAC→DC=93.5%で最も高い
効率が得られており、負荷電力Po=50Wという軽負
荷の条件であっても、90%程度の高い効率が得られて
いる。
【0110】また、スイッチング周波数fsは、最大負
荷電力Po=200W時におけるスイッチング周波数f
s≒75KHzを下限として、軽負荷の状態となるのに
従って高くなっていくように制御されている。また、ス
イッチング素子Q2のオン期間である期間TONは、スイ
ッチング周波数が高く制御されるのに応じて短くなって
いる。
【0111】また、第6の実施の形態の電源回路として
は、第3の実施の形態の場合と同様に、二次側の構成と
して、図14及び図15に示した回路構成を採ることが
できる。図14に示した半波整流方式による倍電圧整流
回路の構成を採る場合には、二次巻線N2のターン数は
22Tとし、二次側並列共振コンデンサC2=0.02
2μF、二次側直列共振コンデンサC3=0.10μF
を選定するようにされる。
【0112】<第7の実施の形態>続いて、本発明の第
7の実施の形態のスイッチング電源回路について説明す
る。この第7の実施の形態のスイッチング電源回路の回
路構成としては、図1に示した第1の実施の形態と同様
とされる。また、絶縁コンバータトランスPITとして
も、図4及び図5に示した構成が採られることで、例え
ば結合係数k=0.9程度に一次側と二次側の結合度が
高められている。
【0113】そして、第7の実施の形態の電源回路とし
ては、例えば次のようにして電源回路を形成する各素子
が選定される。一次巻線N1=45T 二次巻線N2=50T 一次側直列共振コンデンサC1=0.056μF 部分共振コンデンサCp=470pF 二次側並列共振コンデンサC2=2200pF
【0114】そして、上記のようにして各素子を選定し
ていることで、一次側直列共振回路(N1−C1)の共振
周波数fo1は、約70KHzとなるように設定されて
いる。
【0115】また、この場合において、二次巻線N2に
対して並列に接続される二次側並列共振コンデンサC2
のキャパシタンスは、2200pFという、これまでの
第1及び第4の実施の形態におけるものよりも小容量が
選定されている。この小容量の二次側並列共振コンデン
サC2と二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と
によっては、並列共振回路が形成される。この並列共振
回路(C2//N2)によっては、例えば二次巻線N2に対
して接続されたブリッジ整流回路DBRを形成する高速リ
カバリ型ダイオードのターンオン時とターンオフ時の短
時間においてのみ電圧共振動作が行われる。つまり、部
分電圧共振動作が得られることになる。この部分電圧共
振動作のタイミングでは、二次側並列共振コンデンサC
2に共振電流が流れる。これにより、ブリッジ整流回路
DBRを形成する高速リカバリ型ダイオードの各印加電圧
(V2)について、dV/dtに傾斜ができることにな
る。これにより、ブリッジ整流回路DBRを形成する高速
リカバリ型ダイオードがスイッチングする際のスイッチ
ング損失が低減される。また、このような動作が得られ
ることで、この第7の実施の形態としては、絶縁コンバ
ータトランスPITについてギャップを形成しないで結
合度を高めたとしても、安定したZVS,ZCS動作が
得られるようになっているものである。そして、絶縁コ
ンバータトランスPITの結合度が高くなったことによ
っても、電力変換効率の向上が図られることになるわけ
である。
【0116】図24の波形図は、第7の実施の形態とし
ての電源回路についての要部の動作を示している。な
お、この図においては、例えば第1の実施の形態の電源
回路についての波形図である図6と、同一部分の波形が
示されていることから、ほぼ同様の波形及びタイミング
となっている部位についての説明は省略する。この波形
図に示されるように、スイッチング素子Q2のコレクタ
電流IQ2は、2.4Apとなっており、これにより、一
次巻線N1に流れる一次巻線電流I1は、4.8Ap−p
となっている。つまり、この第7の実施の形態の電源回
路についても、先行技術として示した図31の電源回路
よりもAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向上
している。
【0117】また、この図においては、小容量の二次側
並列共振コンデンサC2に流れる共振電流IC3も示され
ている。前述もしたように、共振電流IC3は、ブリッジ
整流回路DBRを形成する高速リカバリ型ダイオードがタ
ーンオン、ターンオフするタイミングで流れており、こ
れにより二次側で部分電圧共振動作を得ているものであ
る。そして、この共振電流IC3が流れる期間に対応して
は、ブリッジ整流回路DBRを形成する高速リカバリ型ダ
イオードの印加電圧(V2)が反転することになるが、
この反転時において、波形形状に傾斜が与えられている
ことが示される。
【0118】また、図25には、第7の実施の形態とし
ての電源回路についての、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲に対応する、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲における、AC→DC電力変換特性(ηA
C→DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチン
グ素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示し
ている。
【0119】この図によると、AC→DC電力変換効率
(ηAC→DC)については、例えば最大負荷電力Po
max=200W時においては、図31に示した先行技術
の電源回路がηAC→DC=91.8%であるのに対し
て、第7の実施の形態の電源回路は、ηAC→DC=9
3.2%にまで向上している。また、第7の実施の形態
の電源回路の交流入力電力は、図31に示した電源回路
に対して、2.7W低減されるという実験結果が得られ
た。
【0120】また、スイッチング周波数fsは、最大負
荷電力Po=200W時におけるスイッチング周波数f
s≒70KHzを下限として、軽負荷の状態となるのに
従って高くなっていくように制御されていることが分か
る。また、スイッチング素子Q2のオン期間である期間
TONは、スイッチング周波数が高く制御されるのに応じ
て短くなっている。
【0121】なお、第7の実施の形態の電源回路として
は、第1の実施の形態の場合と同様に、二次側の構成と
して、図2及び図3に示した回路構成を採ることができ
る。図2に示した全波整流回路の構成を採る場合には、
二次巻線N2のターン数は、50T+50Tとしてセン
タータップを施し、二次側並列共振コンデンサC2=4
70pFを選定するようにされる。また、図3に示した
倍電圧整流回路の構成を採る場合には、二次巻線N2=
25T、二次側並列共振コンデンサC2=8200pF
を選定するようにされる。
【0122】<第8の実施の形態>続いて、第8の実施
の形態としての電源回路について説明する。この第8の
実施の形態としてのスイッチング電源回路の回路構成と
しては、図13に示した第3の実施の形態と同様とされ
る。また、絶縁コンバータトランスPITとしても、図
4及び図5に示した構成が採られることで、例えば結合
係数k=0.9程度に一次側と二次側の結合度が高めら
れている。
【0123】そして、第8の実施の形態の電源回路とし
ては、例えば次のようにして電源回路を形成する各素子
が選定される。 一次巻線N1=48T 二次巻線N2=50T 一次側直列共振コンデンサC1=0.047μF 部分共振コンデンサCp=470pF 二次側並列共振コンデンサC2=1500pF 二次側直列共振コンデンサC3=0.056μF
【0124】そして、上記のようにして各素子を選定し
ていることで、一次側直列共振回路(N1−C1)の共振
周波数fo1は、約70KHzとなるように設定されて
いる。
【0125】また、この場合において、二次巻線N2に
対して並列に接続される二次側並列共振コンデンサC2
のキャパシタンスは1500pFであり、これまでの第
2及び第5の実施の形態におけるものよりも小容量が選
定されている。これに対して二次側直列共振コンデンサ
C3=0.056μFであるから、そのキャパシタンス
の関係としては、C2>>C3となる。
【0126】この場合にも、二次側並列共振コンデンサ
C2と二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2とに
よっては、先の第7の実施の形態と同様に並列共振回路
が形成される。そして、前述したように、二次側におい
て部分電圧共振動作が得られることになる。また、二次
側直列共振コンデンサC3と二次巻線N2のリーケージイ
ンダクタンスL2とによっては、二次側直列共振回路が
形成される。そして、この第8の実施の形態において
は、このようにして二次側に電流共振回路と部分電圧共
振回路を備えると共に、絶縁コンバータトランスPIT
についてギャップを形成しないで結合度を高めたことに
よって、電力変換効率が向上される結果を得るようにし
ている。
【0127】図26の波形図は、第8の実施の形態とし
ての電源回路についての要部の動作を示している。な
お、この図においては、例えば第1の実施の形態の電源
回路についての波形図である図6と、同一部分の波形が
示されていることから、ほぼ同様の波形及びタイミング
となっている部位についての説明は省略する。この波形
図に示されるように、スイッチング素子Q2のコレクタ
電流IQ2は、2.3Apとなっており、これにより、一
次巻線N1に流れる一次巻線電流I1は、4.6Ap−p
となっている。つまり、この第8の実施の形態の電源回
路についても、先行技術として示した図31の電源回路
よりもAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)が向上
している。
【0128】また、この図においても、小容量の二次側
並列共振コンデンサC2に流れる共振電流IC3は、二次
側の高速リカバリ型の整流ダイオードがターンオン、タ
ーンオフするタイミングで流れており、二次側で部分電
圧共振動作が得られていることが分かる。そして、この
共振電流IC3が流れる期間に対応して、ブリッジ整流回
路DBRを形成する高速リカバリ型ダイオードの印加電圧
(V2)が反転する際の波形形状に傾斜が与えられてい
る。
【0129】また、図27には、第8の実施の形態とし
ての電源回路についての、負荷電力Po=0W〜200
Wの変動範囲における、AC→DC電力変換特性(ηA
C→DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチン
グ素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示し
ている。
【0130】この図によると、AC→DC電力変換効率
(ηAC→DC)については、例えば最大負荷電力Po
max=200W時においては、図31に示した先行技術
の電源回路がηAC→DC=91.8%であるのに対し
て、第8の実施の形態の電源回路は、ηAC→DC=9
3.4%にまで向上している。また、第8の実施の形態
の電源回路の交流入力電力は、図31に示した電源回路
に対して、3.7W低減されるという実験結果が得られ
た。
【0131】また、スイッチング周波数fsは、負荷が
重くなっていくのに応じて、低くなるように制御されて
いることが分かる。これと共に、スイッチング素子Q2
のオン期間である期間TONは、スイッチング周波数が低
く制御されるのに応じて、長くなるように制御されてい
ることが分かる。
【0132】なお、第8の実施の形態の電源回路として
は、第3の実施の形態の場合と同様に、二次側の構成と
して、図14及び図15に示した回路構成を採ることが
できる。図14に示した半波整流方式による倍電圧整流
回路の構成を採る場合には、二次巻線N2のターン数は
25Tとし、二次側並列共振コンデンサC2=6800
F、二次側直列共振コンデンサC3=0.18μFを選
定するようにされる。
【0133】<第9の実施の形態>続いて本発明の第9
の実施の形態としてのスイッチング電源回路について説
明する。図28は、第9の実施の形態としてのスイッチ
ング電源回路の構成例を示している。なお、この図にお
いて図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。この図28に示す第9の実施の形態としての電源回
路においては、MOS−FETとしてのトランジスタ
(補助スイッチング素子)Q3、クランプダイオードDD
3、コンデンサC4、駆動巻線Ng、コンデンサCg、及
び抵抗R1を備えたスイッチング回路が備えられる。ト
ランジスタQ3のドレインはコンデンサC4を介して、一
次巻線N1と一次側並列共振コンデンサC1の接続点に対
して接続される。トランジスタQ3のソースは一次側ア
ースに対して接続される。また、トランジスタQ3のド
レイン−ソース間に対しては、図示する方向によりクラ
ンプダイオードDD3が接続される。トランジスタQ3の
ゲートに対しては、コンデンサCg、駆動巻線Ngを直
列接続して成る自励発振駆動回路が接続される。また、
トランジスタQ3のゲートと一次側アース間に接続され
る抵抗R1は、ゲート電圧設定用に設けられる。
【0134】このようなスイッチング回路の接続態様に
よると、一次側直列共振コンデンサC1に対して、コン
デンサC4−トランジスタQ3から成る直列接続回路が並
列に接続されていることになる。そして、トランジスタ
Q3のゲートに接続された自励発振駆動回路(Cg−N
g,R1)では、先ず、駆動巻線Ngにスイッチング周
期に応じた交番電圧が励起され、この交番電圧を基とし
て、コンデンサCg−駆動巻線Ngから成る共振回路の
共振動作が生じることになる。そして、この共振動作に
よって得られる交番電圧が、抵抗R1によってレベル設
定されたゲート電圧であるドライブ信号として、トラン
ジスタQ3のゲートに印加される。これにより、トラン
ジスタQ3は、一次側スイッチングコンバータのスイッ
チング周期に応じたスイッチング周波数によってスイッ
チング動作を行う。これは即ち、一次側直列共振コンデ
ンサC1に対して並列にコンデンサC4を接続する作用が
得られることになる。そして、このようにして一次側直
列共振コンデンサC1に対してコンデンサC4を並列接続
して得られるキャパシタンスとして、(C1+C4)<
0.1μFとなるように選定することで、一次側直列共
振回路の共振周波数fo1について、先の第7及び第8
の実施の形態と同様に70KHz以下となるように設定
することができる。
【0135】また、この図28に示す回路において、二
次巻線N2に対して並列に接続される二次側並列共振コ
ンデンサC2は、第7の実施の形態と同様に小容量であ
り、これにより、二次側において部分電圧共振動作が得
られるようになっており、例えば第7の実施の形態の場
合と同様に、電力変換効率が向上される。なお、この場
合には、二次側並列共振コンデンサC2については、例
えば1000pF〜3300pFの範囲で適切とされる
定数を選定するようにされる。
【0136】図29は、上記のようにして構成される第
9の実施の形態の電源回路における要部の動作を示す波
形図である。この図に示す波形は、これまでの各実施の
形態の波形図と同様に、交流入力電圧VAC=100V、
負荷電力Po=200W時の条件での実験結果を示して
いる。また、図30には、この第9の実施の形態として
の電源回路についての、負荷電力Po=0W〜200W
の変動範囲における、AC→DC電力変換特性(ηAC
→DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチング
素子Q2(又はQ1)のオン期間TONの変化特性を示して
いる。なお、図29及び図30に示す実験結果を得るの
にあたっては、例えば次のようにして電源回路を形成す
る各素子を選定した。 一次巻線N1=45T 二次巻線N2=50T 一次側直列共振コンデンサC1=0.033μF 部分共振コンデンサCp=470pF 二次側並列共振コンデンサC2=2200pF コンデンサC4=0.033μF
【0137】先ず、図29の波形図に示されるように、
スイッチング素子Q2のコレクタ電流IQ2は、2.2A
pとなっており、これにより、一次巻線N1に流れる一
次巻線電流I1は、4.4Ap−pとなっている。つま
り、この第9の実施の形態の電源回路についても、先行
技術として示した図31の電源回路よりもAC→DC電
力変換効率(ηAC→DC)が向上している。
【0138】また、この図においても、小容量の二次側
並列共振コンデンサC2に流れる共振電流IC3は、二次
側の高速リカバリ型の整流ダイオードがターンオン、タ
ーンオフするタイミングで流れており、二次側で部分電
圧共振動作が得られていることが分かる。そして、この
共振電流IC3が流れる期間に対応して、ブリッジ整流回
路DBRを形成する高速リカバリ型ダイオードの印加電圧
(V2)が反転する際の波形形状に傾斜が与えられてい
る。
【0139】また、図30に示す特性図によると、AC
→DC電力変換効率(ηAC→DC)については、例え
ば最大負荷電力Pomax=200W時においては、図3
1に示した先行技術の電源回路がηAC→DC=91.
8%であるのに対して、第9の実施の形態の電源回路
は、ηAC→DC=93.6%にまで向上している。ま
た、第9の実施の形態の電源回路の交流入力電力は、図
31に示した電源回路に対して、4.2W低減されると
いう実験結果が得られた。
【0140】また、スイッチング周波数fsは、負荷が
重くなっていくのに応じて、低くなるように制御されて
いることが分かる。これと共に、スイッチング素子Q2
のオン期間である期間TONは、スイッチング周波数が低
く制御されるのに応じて、長くなるように制御されてい
ることが分かる。
【0141】また、第9の実施の形態の電源回路として
は、第1の実施の形態の場合と同様に、二次側の構成と
して、図2及び図3に示した回路構成を採ることができ
る。図2に示した全波整流回路の構成を採る場合には、
二次巻線N2のターン数は、50T+50Tとしてセン
タータップを施し、二次側並列共振コンデンサC2=4
70pFを選定するようにされる。また、図3に示した
倍電圧整流回路の構成を採る場合には、二次巻線N2=
25T、二次側並列共振コンデンサC2=8200pF
を選定するようにされる。
【0142】なお、本発明としてのスイッチング電源回
路としては、これまで説明した各実施の形態としての構
成に限定されるものではなく、例えば、要部の部品素子
の定数などは適宜、各種条件に応じて適切な値に変更さ
れればよい。例えば、各実施の形態では、一次側直列共
振周波数fo1について、10KHz、40KHz、及
び70KHz近傍を設定した場合を例に挙げている。し
かし、これはあくまでも、スイッチング周波数に対して
アッパーサイド制御が可能とされる直列共振周波数fo
1について選択可能な範囲において、その下限値と上限
値と中間値を例示しているのに過ぎないものである。従
って、選択可能な範囲であれば、直列共振周波数fo1
について適宜変更設定することは可能である。また、例
えば一次側スイッチングコンバータに用いられるスイッ
チング素子としては、各回路図に示したバイポーラトラ
ンジスタのほか、MOS−FETやIGBTなどが採用
されて構わない。また、MOS−FETやIGBTなど
が採用される際には、他励式により駆動する構成とされ
てもよいものである。また、各実施の形態として示した
回路図では、直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)を生成
する整流回路系は倍電圧整流回路とされていたが、商用
交流電源の等倍レベルの直流入力電圧を生成する全波整
流回路とされてもよい。そして、このような全波整流回
路を備えた構成であっても、電力変換効率の向上をはじ
めとする本発明としての効果は充分に得られるという実
験結果が得られているものである。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、複合
共振形コンバータとして、一次側においては、電流共振
形コンバータに部分電圧共振回路を組み合わせるように
している。そして、二次側に対して、二次側並列共振回
路、二次側直列共振回路、或いは二次側部分電圧共振回
路を適宜組み合わせた構成を採っている。そして、絶縁
コンバータトランスについては、磁脚にギャップを形成
しないことで、一次側と二次側の結合係数をこれまでよ
りも高いものとしている。そして、このような構成であ
れば、先行技術の電源回路と比較して大幅に電力変換効
率が向上されることになる。
【0144】また、絶縁コンバータトランスに対してギ
ャップを形成しなくともよくなったことで、ギャップ形
成のためのコアの研磨工程は省略されることになる。こ
れにより、例えば製造工程が簡略化され、また、絶縁コ
ンバータトランスを製造するコストも低減することがで
きる。また、ギャップを形成しないことで、例えば絶縁
コンバータトランスに用いるコアとしては、EE型コア
以外にも、例えばU−U型コアなどを採用することが可
能となった。つまり、コアの型式の選択についての自由
度が拡がる。
【0145】さらには、絶縁コンバータトランスのコア
にギャップを形成しないということは、この絶縁コンバ
ータトランスに巻装された一次巻線と二次巻線の結合度
が高いものとなる。これによって、絶縁コンバータトラ
ンスからの漏洩磁束は低減されるので、例えば絶縁コン
バータトランスにショートリングを施す必要もないこと
となる。そして、この点でも、コストダウンが図られ、
また、回路の小型軽量化が促進されるものである。ま
た、絶縁コンバータトランスのギャップ近傍における局
部的温度上昇は発生しないことになるために、それだけ
電源回路としても信頼性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1(第4、第7)の実施の形態とし
てのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図であ
る。
【図2】第1の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の二次側の構成についての変形例を示す回路図であ
る。
【図3】第1の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の二次側の構成についての変形例を示す回路図であ
る。
【図4】本実施の形態の電源回路に備えられる絶縁コン
バータトランスの構造例を示す断面図である。
【図5】本実施の形態の電源回路に備えられる絶縁コン
バータトランスの構造例を示す断面図である。
【図6】第1の実施の形態の電源回路の動作を示す波形
図である。
【図7】第1の実施の形態の電源回路についての負荷変
動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周波
数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す図
である。
【図8】本発明の第2(第5)の実施の形態としてのス
イッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図9】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の二次側の構成についての変形例を示す回路図であ
る。
【図10】第2の実施の形態としてのスイッチング電源
回路の二次側の構成についての変形例を示す回路図であ
る。
【図11】第2の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図12】第2の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図13】本発明の第3(第6、第8)の実施の形態と
してのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図であ
る。
【図14】第3の実施の形態としてのスイッチング電源
回路の二次側の構成についての変形例を示す回路図であ
る。
【図15】第3の実施の形態としてのスイッチング電源
回路の二次側の構成についての変形例を示す回路図であ
る。
【図16】第3の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図17】第3の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図18】第4の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図19】第4の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図20】第5の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図21】第5の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図22】第6の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図23】第6の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図24】第7の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図25】第7の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図26】第8の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図27】第8の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図28】第9の実施の形態としてのスイッチング電源
回路の構成例を示す回路図である。
【図29】第9の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図30】第9の実施の形態の電源回路についての負荷
変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチング周
波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を示す
図である。
【図31】先行技術としてのスイッチング電源回路の構
成例を示す回路図である。
【図32】先行技術としてのスイッチング電源回路の他
の構成例を示す回路図である。
【図33】図31又は図32に示す電源回路に採用され
る絶縁コンバータトランスの構造例を示す断面図であ
る。
【図34】図31又は図32に示す電源回路の動作を示
す波形図である。
【図35】図31又は図32に示す電源回路についての
負荷変動に対するAC→DC電力変換効率、スイッチン
グ周波数及びスイッチング素子のオン期間の変化特性を
示す図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Di,DBR ブリッジ整流回路、 D
1,D2 整流ダイオード、Ci1,Ci2 平滑コンデン
サ、Q1,Q2 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバ
ータトランス、N1 一次巻線、N2 二次巻線、C1
一次側直列共振コンデンサ、Cp 一次側部分共振コン
デンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、C3 二次側
直列共振コンデンサ、C4 コンデンサ、Q3 トランジ
スタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された直流入力電圧を断続するよう
    にしてスイッチング動作を行う電流共振形のスイッチン
    グ手段と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から
    二次側に伝送するために設けられ、コアの磁脚にギャッ
    プを形成しないことで所要以上の結合係数が得られるよ
    うにされた絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続さ
    れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
    って形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振
    形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス
    成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成す
    る複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振
    動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して並列に接続される
    二次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成される二次側並列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
    を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 入力された直流入力電圧を断続するよう
    にしてスイッチング動作を行う電流共振形のスイッチン
    グ手段と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から
    二次側に伝送するために設けられ、コアの磁脚にギャッ
    プを形成しないことで所要以上の結合係数が得られるよ
    うにされた絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続さ
    れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
    って形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振
    形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス
    成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成す
    る複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振
    動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して直列に接続される
    二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成される二次側直列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
    を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 入力された直流入力電圧を断続するよう
    にしてスイッチング動作を行う電流共振形のスイッチン
    グ手段と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から
    二次側に伝送するために設けられ、コアの磁脚にギャッ
    プを形成しないことで所要以上の結合係数が得られるよ
    うにされた絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続さ
    れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
    って形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振
    形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス
    成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成す
    る複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振
    動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して並列に接続される
    二次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成される二次側並列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して直列に接続される
    二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成される二次側直列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
    を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  4. 【請求項4】 入力された直流入力電圧を断続するよう
    にしてスイッチング動作を行う電流共振形のスイッチン
    グ手段と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から
    二次側に伝送するために設けられ、コアの磁脚にギャッ
    プを形成しないことで所要以上の結合係数が得られるよ
    うにされた絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続さ
    れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
    って形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振
    形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス
    成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成す
    る複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振
    動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
    を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して並列に接続される
    二次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成され、上記直流出力電圧生成手段を形成するダイオ
    ード素子のターンオン期間、及びターンオフ期間におい
    てのみ電圧共振する二次側部分電圧共振回路と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  5. 【請求項5】 入力された直流入力電圧を断続するよう
    にしてスイッチング動作を行う電流共振形のスイッチン
    グ手段と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から
    二次側に伝送するために設けられ、コアの磁脚にギャッ
    プを形成しないことで所要以上の結合係数が得られるよ
    うにされた絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続さ
    れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
    って形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振
    形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス
    成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成す
    る複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振
    動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
    を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して並列に接続される
    二次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成され、上記直流出力電圧生成手段を形成するダイオ
    ード素子のターンオン期間、及びターンオフ期間におい
    てのみ電圧共振する二次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して直列に接続される
    二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成される二次側直列共振回路と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  6. 【請求項6】 入力された直流入力電圧を断続するよう
    にしてスイッチング動作を行う電流共振形のスイッチン
    グ手段と、 上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から
    二次側に伝送するために設けられ、コアの磁脚にギャッ
    プを形成しないことで所要以上の結合係数が得られるよ
    うにされた絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続さ
    れた一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによ
    って形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振
    形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス
    成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成す
    る複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振
    動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 コンデンサと、上記スイッチング手段のスイッチング周
    波数に応じたスイッチング動作を行う補助スイッチング
    素子とを直列接続して形成され、上記一次側直列共振コ
    ンデンサに対して並列に接続されるスイッチング回路
    と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
    を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、この二次巻線に対して並列に接続される
    二次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
    形成され、上記直流出力電圧生成手段を形成するダイオ
    ード素子のターンオン期間、及びターンオフ期間におい
    てのみ電圧共振する二次側部分電圧共振回路と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
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JP2017208991A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 電気回路ユニット、回路付電源ユニットおよび燃料電池システム

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