JP2003318013A - 耐塩水性磁石合金粉、その製造方法及びそれを用いて得られるボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石又は圧密磁石 - Google Patents

耐塩水性磁石合金粉、その製造方法及びそれを用いて得られるボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石又は圧密磁石

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JP2003318013A JP2002122420A JP2002122420A JP2003318013A JP 2003318013 A JP2003318013 A JP 2003318013A JP 2002122420 A JP2002122420 A JP 2002122420A JP 2002122420 A JP2002122420 A JP 2002122420A JP 2003318013 A JP2003318013 A JP 2003318013A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩水に触れる環境下、磁石合金粉、ボンド磁
石や圧密磁石の耐塩水性を向上できる耐塩水性磁石合金
粉、その製造方法及びそれを用いて得られるボンド磁石
用樹脂組成物、ボンド磁石又は圧密磁石の提供。 【解決手段】 希土類元素を含む鉄系磁石合金粉からな
る磁石粉末(A)の表面上に、鉄と希土類元素の金属リ
ン酸塩(b−1)、及びアルミニウム、亜鉛、マンガ
ン、銅又はカルシウムから選ばれた1種以上の金属リン
酸塩(b−2)からなる複合金属リン酸塩被膜(B)が
形成されていることを特徴とする耐塩水性磁石合金粉な
どによって提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐塩水性磁石合金
粉、その製造方法及びそれを用いて得られるボンド磁石
用樹脂組成物、ボンド磁石又は圧密磁石に関し、さらに
詳しくは、塩水に触れる環境下でも錆が発生しない耐塩
水性磁石合金粉、その製造方法及びそれを用いて得られ
るボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石又は圧密磁石に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フェライト磁石、アルニコ磁石、
希土類磁石などが、一般家電製品、通信・音響機器、医
療機器、一般産業機器をはじめとする種々の製品にモー
ターやセンサーなどとして組込まれ、使用されている。
これら磁石は、主に焼結法で製造されるが、脆く、薄肉
化しにくいため複雑形状への成形は困難であり、また焼
結時に15〜20%も収縮するため寸法精度を高められ
ず、研磨等の後加工が必要で、用途面で大きな制約を受
けている。
【0003】これに対し、ボンド磁石(樹脂結合型磁
石)は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいは、エポキシ樹脂、ビ
ス・マレイミドトリアジン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂をバインダ
ーとし、これに磁石合金粉を充填して容易に製造できる
ため、新しい用途開拓が繰り広げられている。
【0004】希土類元素を含む鉄系の磁石合金粉を、樹
脂バインダーと混練してボンド磁石を製造する場合、磁
石合金粉を数μm程度に粉砕する必要がある。粉砕は不
活性ガスまたは有機溶媒中で行うが、粉砕後の磁石合金
粉は極めて活性であり、大気に触れると急激に酸化が進
み磁気特性を劣化させるので、微粉砕後に、僅かな酸素
を不活性雰囲気に導入して徐酸化する方法が採られてい
る。
【0005】こうしたボンド磁石の中でも、特に、希土
類元素を含む鉄系磁石合金粉を用いたボンド磁石は、塩
水中で錆が発生しやすいため、例えば、成形体表面に熱
硬化性樹脂等のコーティング膜を形成することで発錆を
抑制したり、また、特開2000−208321号公報
に開示されているように、成形体表面にリン酸塩含有塗
料による被覆処理を施すことで発錆を抑制している。し
かし、上記方法で作製された磁石合金粉でも塩水中のよ
うな腐食性の厳しい環境下では、錆の抑制に対して十分
に満足できるものではなかった。
【0006】従来、磁石合金粉を被膜処理する場合、粉
砕溶媒中にリン酸を添加し、希土類や鉄のリン酸塩を合
金粉表面に生成させる方法が検討されている。しかし、
この方法で作製した磁石合金粉は、高温高湿度の環境下
では磁気特性の低下が非常に少ないものの、これを用い
て作製したボンド磁石を塩水中に24時間浸漬すると、
赤錆の発生を多少は低減できるが完全になくすことはで
きなかった。
【0007】近年、家電機器用モーター、自動車用セン
サーやモーターにおいて、海外で部品を組み立てるため
船などによる輸送が必要となり、その使用環境、輸送環
境がさらに厳しくなり、また機器を小型化するため、上
記課題とともに磁気特性にも優れたものが要求されてい
る。
【0008】前記のような希土類元素を含む鉄系磁石合
金粉から得られるボンド磁石の磁気特性は、これら用途
に使用するには不十分であり、希土類元素を含む鉄系磁
石合金粉の耐塩水性を早期に改善し、ボンド磁石の磁気
特性を向上させることが強く望まれていた。
【0009】また、ボンド磁石よりもエネルギー積を高
めるためには、磁石体の見かけ密度を、その磁石合金粉
の真密度に近づけることが必要である。先に述べた焼結
法がその解決方法として一般的な製造方法となるが、そ
の他にも熱間圧縮成形法で圧密化する方法もある。たと
えば、液体急冷法で製造されたネオジム−鉄−ほう素系
磁石合金粉をホットプレスすることによって、最大エネ
ルギー積が112kJ/m程度の等方性圧密磁石が製
造されている。
【0010】また、サマリウム−鉄−窒素系磁石合金粉
では、およそ600℃以上に加熱するとサマリウム−鉄
−窒素系化合物が分解するため、「粉体および粉末冶
金」47号(2000)第801頁に示された等方性熱
間圧縮成形法(HIP)、特開平6−077027号公
報に開示された衝撃圧縮法、特開2000−29441
5号公報に開示された通電粉末圧延法が検討されてい
る。
【0011】これらの圧密磁石においても、磁気特性に
優れた磁石は得られるものの、その使用環境、輸送環境
などの過酷化は、ボンド磁石の場合と同様であり、耐塩
水性を改善する必要があった。また、従来の磁石合金粉
を用いて圧密磁石を製造する場合には、サマリウム−鉄
−窒素系化合物の分解、脱窒素あるいは磁石合金粉粒子
同士の金属結合による粒子間磁気的相互作用が強まるた
めか、圧密磁石の保磁力が低く実用材としてはまだ不十
分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
した従来技術の問題点に鑑み、塩水に触れる環境下で錆
が発生しない耐塩水性磁石合金粉、その製造方法及びそ
れを用いて得られるボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁
石又は圧密磁石を提供することにある。
【0013】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、希土類元素を
含む鉄系の磁石合金粉に、鉄と希土類元素の金属リン酸
塩、及びアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシ
ウムから選ばれた1種以上の金属リン酸塩の2種類が複
合化した金属リン酸塩被膜を形成すると、該被膜が塩水
を遮断し、磁石合金粉の発錆を抑制する耐塩水性に優れ
た磁石合金粉が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0014】即ち、本発明の第1の発明によれば、希土
類元素を含む鉄系磁石合金粉からなる磁石粉末(A)の
表面上に、鉄と希土類元素の金属リン酸塩(b−1)、
及びアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウム
から選ばれた1種以上の金属リン酸塩(b−2)からな
る複合金属リン酸塩被膜(B)が形成されていることを
特徴とする耐塩水性磁石合金粉が提供される。
【0015】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、複合金属リン酸塩被膜(B)の厚さ
が、5〜100nmであることを特徴とする耐塩水性磁
石合金粉が提供される。
【0016】さらに、本発明の第3の発明によれば、第
1の発明において、金属リン酸塩(b−2)の金属成分
が、複合金属リン酸塩被膜(B)の金属成分に対して、
30重量%以上含有されていることを特徴とする耐塩水
性磁石合金粉が提供される。
【0017】一方、本発明の第4の発明によれば、第1
〜3のいずれかの発明において、平均粒径20μmを超
える希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を、有機溶媒中
で、平均粒径8μm以下に粉砕する際、又は粉砕後に、
少なくともアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカル
シウムから選ばれた1種以上の金属の酸化物、複合酸化
物、リン酸塩又はリン酸水素化合物と、場合によってリ
ン酸を添加した後、該溶液を攪拌して複合金属リン酸塩
被膜を形成することを特徴とする耐塩水性磁石合金粉の
製造方法が提供される。
【0018】また、本発明の第5の発明によれば、第1
〜3のいずれかの発明において、平均粒径20μmを超
える希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を、リン酸を含む
有機溶媒中で平均粒径8μm以下に粉砕した後に、引き
続いて、このリン酸塩溶液にアルミニウム、亜鉛、マン
ガン、銅又はカルシウムから選ばれた1種以上の金属の
酸化物、複合酸化物、リン酸塩、又はリン酸水素化合物
を添加し、該溶液を攪拌して複合金属リン酸塩被膜を形
成することを特徴とする耐塩水性磁石合金粉の製造方法
が提供される。
【0019】また、本発明の第6の発明によれば、第4
又は5の発明において、有機溶媒が、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ホルムアミド、2−メトキシエタノー
ル、エタノール、メタノール又はイソプロピルアルコー
ルから選ばれた1種以上であることを特徴とする耐塩水
性磁石合金粉の製造方法が提供される。
【0020】また、本発明の第7の発明によれば、第4
又は5の発明において、リン酸塩溶液を形成する金属成
分は、希土類元素を含む鉄系磁石合金粉に対して、0.
01〜1mol/kg(粉末重量当たり)の割合で添加
されることを特徴とする耐塩水性磁石合金粉の製造方法
が提供される。
【0021】さらに、本発明の第8の発明によれば、第
4又は5の発明において、リン酸は、希土類元素を含む
鉄系磁石合金粉に対して、0.1〜2mol/kg(粉
末重量当たり)の割合で添加されることを特徴とする耐
熱性磁石合金粉の製造方法が提供される。
【0022】一方、本発明の第9の発明によれば、第1
〜3のいずれかの耐塩水性磁石合金粉に、少なくとも熱
可塑性樹脂を含有してなるボンド磁石用樹脂組成物が提
供される。
【0023】また、本発明の第10の発明によれば、第
9の発明のボンド磁石用樹脂組成物を、射出成形法、射
出圧縮成形法、押出成形法又は射出プレス成形法から選
ばれるいずれかの成形法により成形したボンド磁石が提
供される。
【0024】さらに、本発明の第11の発明によれば、
第1〜3のいずれかの耐塩水性磁石合金粉を圧密化し
て、見かけ密度を真密度の85%以上にしたことを特徴
とする圧密磁石が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐塩水性磁石合金
粉、その製造方法及びそれを用いたボンド磁石用樹脂組
成物、ボンド磁石又は圧密磁石について詳細に説明す
る。
【0026】1.耐塩水性磁石合金粉 本発明の耐塩水性磁石合金粉は、希土類元素を含む鉄系
磁石合金粉からなる磁石合金粉(A)の表面に、特定な
金属リン酸塩が複合化した被膜(B)を形成してなる耐
塩水性磁石合金粉である。
【0027】A 磁石合金粉 磁石合金粉は、希土類元素を含む鉄系磁石合金の粉末で
あれば、特に制限されない。希土類−鉄系磁石合金粉と
しては、例えば、希土類−鉄−ほう素系、希土類−鉄−
窒素系などの各種磁石合金粉を使用でき、中でも希土類
−鉄−窒素系の磁石合金粉が好適である。希土類元素と
しては、Sm、Nd、Pr、Y、La、Ce、またはG
d等が挙げられ、単独若しくは混合物として使用でき
る。これらの中では、特にSm又はNdを5〜40a
t.%、Feを50〜90at.%含有するものが好ま
しい。
【0028】希土類−鉄系磁石合金粉には、フェライ
ト、アルニコなど、ボンド磁石や圧密磁石の原料となる
各種磁石合金粉を混合してもよく、異方性磁石合金粉だ
けでなく、等方性磁石合金粉も対象となるが、異方性磁
場(HA)が、4.0MA/m以上の磁石合金粉が好ま
しい。
【0029】また、ボンド磁石や圧密磁石の原料となる
ため、磁石合金粉の平均粒径は、8μm以下、特に5μ
m以下であることが望ましい。平均粒径が8μmを超え
ると、成形性が悪化するので好ましくない。
【0030】B 複合金属リン酸塩被膜 本発明の磁石合金粉は、その表面が鉄と希土類元素の金
属リン酸塩(b−1)、及びアルミニウム、亜鉛、マン
ガン、銅又はカルシウムのいずれか1種以上を含む金属
のリン酸塩(b−2)が複合化した被膜で均一に被覆さ
れている。ここで、均一に被覆されるとは、磁石合金粉
表面の80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ま
しくは90%以上が複合金属リン酸塩被膜で覆われてい
ることをいう。
【0031】金属リン酸塩(b−1)は、リン酸サマリ
ウム、リン酸鉄などで、これは磁石合金粉を構成する希
土類や鉄にリン酸が反応して形成されたものである。一
方、金属リン酸塩(b−2)は、例えば、リン酸アルミ
ニウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸銅、リン
酸カルシウム又はこれらが2種以上複合した金属塩など
である。これらアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅およ
びカルシウム以外に、クロム、ニッケル、マグネシウム
などの金属リン酸塩が含まれていてもかまわない。
【0032】金属リン酸塩(b−1)と、金属リン酸塩
(b−2)とが複合化した金属リン酸塩は、樹脂バイン
ダーとの結合力を高め、磁石合金粉の耐塩水性を高める
成分である。但し、充分な耐塩水性を得るためには、金
属リン酸塩(b−2)の金属成分、すなわちアルミニウ
ム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムから選択された
1種以上が、複合金属リン酸塩被膜(B)の金属成分に
対して、30重量%以上、特に50重量%以上、より好
ましくは80重量%以上含まれた複合金属リン酸塩とす
る。
【0033】複合金属リン酸塩被膜は、平均で5〜10
0nmの厚さが必要である。平均厚さが5nm未満であ
ると十分な耐塩水性が得られず、一方、100nmを越
えると磁気特性が低下し、またボンド磁石を作製する際
には混練性や成形性が低下する。
【0034】この磁石合金粉を樹脂バインダーと混合し
てボンド磁石を作製した場合、海水の塩分濃度付近であ
る5%塩水中に24時間浸漬しても、ボンド磁石に赤錆
は全く生じない。また磁石合金粉を圧密化した磁石につ
いても、同様に高い耐塩水性を示す。
【0035】2.耐塩水性磁石合金粉の製造方法 本発明の耐塩水性磁石合金粉を製造するには、希土類元
素を含む鉄系磁石合金粉を、一段階で複合リン酸塩化す
るか、二段階で複合リン酸塩化するかで区別される二通
りの方法がある。
【0036】希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を、一段
階で複合リン酸塩化する方法とは、平均粒径20μmを
超える希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を、有機溶媒中
で、平均粒径8μm以下に粉砕する際、又は粉砕後に、
少なくともアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカル
シウムから選ばれた1種以上の金属の酸化物、複合酸化
物、リン酸塩又はリン酸水素化合物と、場合によっては
リン酸を添加した後、該溶液を攪拌する方法である。
【0037】先ず、平均粒径20μmを超える希土類元
素を含む鉄系磁石合金の粉末に、有機溶媒を加え、磁石
合金粉の粉砕前、粉砕中、あるいは粉砕後に、アルミニ
ウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムから選ばれた
1種以上の酸化物、リン酸塩又はリン酸水素化合物の1
種以上からなる金属成分を添加する。該金属成分がリン
酸塩又はリン酸水素化合物以外の場合、及びリン酸塩又
はリン酸水素化合物が有機溶媒に溶解し難い場合には、
リン酸を添加して、攪拌を続ける。また、粉砕後の場
合、なるべく粉砕から時間をおかずに添加することが望
ましい。攪拌は、通常1〜180分間続行する。
【0038】金属成分は、アルミニウム、亜鉛、マンガ
ン、銅又はカルシウムなどのイオンの供給源であり、有
機溶媒に溶け金属イオンを生成する酸化物、複合酸化
物、リン酸塩又はリン酸水素化合物などの金属化合物で
ある。
【0039】有機溶媒としては、特に制限はなく、2−
メトキシエタノール、イソプロピルアルコール、エタノ
ール、トルエン、メタノール、ヘキサン等のいずれか1
種または2種以上の混合物を用いると良い。但し、メタ
ノールは、リン酸と速やかに反応してエステル化し、良
好な被覆が形成されるのを妨げる恐れがあるので取り扱
いには注意を要する。
【0040】前記の金属成分が容易に金属イオンを生成
し、磁石合金粉の溶解を適度に調整するためには、N,
N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド等の極性溶媒
を混合することが望ましい。また、磁石合金粉の溶解を
促進するために、有機溶媒に水や酸を混合しても良い。
【0041】アルミニウム化合物としては、アルミニウ
ムイオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であ
れば、特に制限されず、例えば、酢酸アルミニウム、硫
酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化アルミニウム
アンモニウム、安息香酸アルミニウム、炭酸アルミニウ
ム、エチルアセト酢酸アルミニウム、ぎ酸アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ナフテン
酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、しゅう酸ア
ルミニウム、酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、
リン酸水素アルミニウム、塩化カリウムアルミニウム、
ステアリン酸アルミニウム、硫化アルミニウム、フタロ
シアニンアルミニウム、又は酒石酸アルミニウムが例示
される。特に好ましいのは、リン酸アルミニウム、ある
いはリン酸水素アルミニウムである。
【0042】亜鉛化合物としては、亜鉛イオンの供給源
となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限さ
れず、例えば、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化亜
鉛アンモニウム、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、エチルアセ
ト酢酸亜鉛、ぎ酸亜鉛、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛、ナフテ
ン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、しゅう酸亜鉛、酸化亜鉛、
リン酸亜鉛、リン酸亜鉛四水和物、リン酸水素亜鉛、リ
ン酸亜鉛カルシウム、塩化カリウム亜鉛、ステアリン酸
亜鉛、硫化亜鉛、フタロシアニン亜鉛、又は酒石酸亜鉛
が例示される。特に好ましいのは、酸化亜鉛、リン酸亜
鉛四水和物、或いはリン酸水素亜鉛である。
【0043】マンガン化合物としては、マンガンイオン
の供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特
に制限されず、例えば、酢酸マンガン、硫酸マンガン、
塩化マンガン、塩化マンガンアンモニウム、安息香酸マ
ンガン、炭酸マンガン、エチルアセト酢酸マンガン、ぎ
酸マンガン、水酸化マンガン、硝酸マンガン、ナフテン
酸マンガン、オレイン酸マンガン、しゅう酸マンガン、
酸化マンガン、リン酸マンガン、リン酸水素マンガン、
塩化カリウムマンガン、ステアリン酸マンガン、硫化マ
ンガン、フタロシアニンマンガン、又は酒石酸マンガン
が例示される。特に好ましいのは、酸化マンガン、或い
はリン酸水素マンガンである。
【0044】また、銅化合物としては、銅イオンの供給
源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限
されず、例えば、酢酸銅、硫酸銅、塩化銅、塩化銅アン
モニウム、安息香酸銅、炭酸銅、エチルアセト酢酸銅、
ぎ酸銅、水酸化銅、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸
銅、しゅう酸銅、酸化銅、リン酸銅、リン酸水素銅、塩
化カリウム銅、ステアリン酸銅、硫化銅、フタロシアニ
ン銅、または酒石酸銅などが用いられる。特に好ましい
のは、酸化銅(I)、或いはリン酸水素銅である。
【0045】さらに、カルシウム化合物としては、カル
シウムイオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物
であれば、特に制限されず、例えば、酢酸カルシウム、
硫酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化カルシウムアン
モニウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、エチ
ルアセト酢酸カルシウム、ぎ酸カルシウム、水酸化カル
シウム、硝酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、オレ
イン酸カルシウム、しゅう酸カルシウム、酸化カルシウ
ム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、塩化カ
リウムカルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫化カル
シウム、フタロシアニンカルシウム、又は酒石酸カルシ
ウムが例示される。特に好ましいのは、酸化カルシウ
ム、或いはリン酸水素カルシウムである。
【0046】金属成分であるアルミニウム、亜鉛、マン
ガン、銅又はカルシウムから選ばれた1種以上の金属の
酸化物、複合酸化物、リン酸塩又はリン酸水素化合物
は、粉砕する磁石合金粉の粒径、表面積等に合わせて最
適量を添加するが、該磁石合金粉に対して、0.01〜
1mol/kg(粉末重量当たり)とする。すなわち、
0.01mol/kg未満であると磁石合金粉の表面が
十分に被覆されないために耐塩水性が改善されず、1m
ol/kgを超えると磁化の低下が著しくなり、磁石と
しての性能が低下する。
【0047】上記の金属化合物は、溶媒中でイオン化
し、磁石合金粉の成分である希土類金属や鉄が溶媒へ溶
け出すにともない、磁石合金粉の表面で反応して金属リ
ン酸塩が複合した被膜を形成する。
【0048】リン酸としては、金属化合物と反応して金
属リン酸塩を生成するオルトリン酸をはじめ、亜リン
酸、次亜リン酸、ピロリン酸、直鎖状のポリリン酸、環
状のメタリン酸が使用できる。また、リン酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウムマグネシウムなども使用でき
る。これら化合物は、単独でも複数種を組み合わせても
よく、通常、キレート剤、中和剤などと混合して処理剤
とされる。
【0049】これらのうち、オルトリン酸が好ましい性
能を発揮するが、その理由は、これが上記の金属化合物
と反応しやすく、希土類系金属を成分とする磁石合金粉
の表面に保護膜を形成しやすいためと考えられる。
【0050】リン酸は、磁石合金粉の粒径、表面積等に
合わせて最適量を添加するが、通常は、粉砕する磁石合
金粉に対して0.1〜2mol/kg(粉末重量当た
り)であり、好ましくは0.15〜1.5mol/k
g、さらに好ましくは0.2〜0.4mol/kgであ
る。
【0051】すなわち、0.1mol/kg未満である
と、磁石合金粉の表面が十分に被覆されないために耐塩
水性が改善されず、また大気中で乾燥させると酸化・発
熱して磁気特性が極端に低下する。2mol/kgを超
えると、磁石合金粉との反応が激しく起こって磁石合金
粉が溶解する。
【0052】リン酸の濃度は、特に制限されず、無水リ
ン酸、50〜99%リン酸水溶液(例えば、85%リン
酸水溶液、75%リン酸水溶液)などが用いられる。な
お、有機溶剤も、特に制限はなく、通常はエタノールま
たはイソプロピルアルコール等のアルコール類、ケトン
類、低級炭化水素類、芳香族類、またはこれらの混合物
が用いられる。但し、メタノールは、リン酸と速やかに
反応してエステル化し、良好な被覆が形成されるのを妨
げる恐れがあるので取り扱いには注意を要する。
【0053】金属成分を添加する時期は、磁石粉末を粉
砕する際で有れば、いつでも良く、粉砕前に溶媒に溶か
しておき、粉砕途中に一度に添加する方法、粉砕中、徐
々に添加する方法などが用いられる。あるいは粉砕直後
であってもよい。
【0054】これによって、粉砕中に溶けだした希土類
元素、鉄など磁石を構成する元素がリン酸塩を形成し、
これに添加した金属化合物も反応しあって、複合金属リ
ン酸塩が磁石合金粉を被覆する。この反応が完結し、充
分な膜厚の被膜を形成するには、金属化合物の種類など
にもよるが、1〜180分間、好ましくは3〜150
分、さらに好ましくは5〜60分の攪拌(粉砕)、保持
時間が必要である。
【0055】平均粒径20μmを超える鉄系磁石合金粗
粉は、平均粒径8μm以下、好ましくは1〜5μmまで
粉砕される。
【0056】複合リン酸塩被膜を形成させる第二の方法
は、先ず、リン酸を含む有機溶媒に磁石合金粉を配合し
て該合金粉を粉砕し、次に、このリン酸塩溶液に金属化
合物を添加して攪拌する方法である。
【0057】有機溶媒の種類、リン酸や金属成分の添加
量などは、前記第一の方法と同じ条件が採用される。第
二の方法であれば、耐塩水性に優れる金属リン酸塩(b
−2)が、金属リン酸塩(b−1)よりも後に形成され
るので、さらに良好な複合金属リン酸塩被膜が得られる
ので一層有利である。
【0058】上記のうち、いずれかの湿式処理法で被覆
処理された磁石合金粉は、その後に加熱し乾燥すること
で、表面の被膜が磁石合金粉に定着する。すなわち、処
理溶液と磁石合金粉は、被膜形成後に、100〜500
℃の真空オーブン中で1〜30時間乾燥させる。不活性
ガス中または真空中で加熱処理を施すことが好ましい。
100℃未満で加熱処理を施すと、磁石合金粉の乾燥が
十分進まずに、安定な表面被膜の形成が阻害され、ま
た、500℃を超える温度で加熱処理を施すと、磁石合
金粉が熱的なダメージを受け、保磁力がかなり低くなる
という問題がある。
【0059】金属リン酸塩被膜を形成した耐塩水性磁石
合金粉には、必要に応じて、さらにシラン系、アルミネ
ート系、チタネート系など各種のカップリング剤やアビ
エチン酸系化合物などから選択された1種以上を用いて
被覆してもよい。
【0060】3.ボンド磁石用樹脂組成物及びボンド磁
石 本発明のボンド磁石は、金属リン酸塩を被覆した耐塩水
性磁石合金粉に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を樹脂バ
インダーとして配合することで容易に製造できる。
【0061】樹脂バインダーは、磁石粉末の結合材とし
て働く成分であり、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいは、エポキ
シ樹脂、ビス・マレイミドトリアジン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、硬化反応型シリコ
ーンゴムなどの熱硬化性樹脂が使用できるが、特に熱可
塑性樹脂が好ましい。
【0062】熱可塑性樹脂は、特に制限されず、従来樹
脂バインダーとして公知のものを使用できる。熱可塑性
樹脂の具体例としては、6ナイロン、6、6ナイロン、
11ナイロン、12ナイロン、6、12ナイロン、芳香
族系ナイロン、これらの分子を一部変性した変性ナイロ
ン等のポリアミド樹脂;直鎖型ポリフェニレンサルファ
イド樹脂、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、セ
ミ架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂;低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエ
チレン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
−エチルアクリレート共重合樹脂、アイオノマー樹脂、
ポリメチルペンテン樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ
ビニルホルマール樹脂;メタクリル樹脂;ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン
−四フッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキ
サイド樹脂、ポリアリルエーテルアリルスルホン樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹
脂、酢酸セルロース樹脂、前出の各樹脂系エラストマー
等が挙げられ、これらの単重合体や他種モノマーとのラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合
体、他の物質による末端基変性品等が挙げられる。
【0063】これら熱可塑性樹脂は、得られるボンド磁
石に所望の機械的強度が得られる範囲で、溶融粘度や分
子量が低いものが望ましい。また、熱可塑性樹脂の形状
は、パウダー状、ビーズ状、ペレット状等、特に限定さ
れないが、磁石合金粉と均一に混合される点で、パウダ
ー状が望ましい。
【0064】熱可塑性樹脂の配合量は、磁石合金粉10
0重量部に対して、通常5〜100重量部、好ましくは
5〜50重量部である。熱可塑性樹脂の配合量が5重量
部未満であると、組成物の混練抵抗(トルク)が大きく
なったり、流動性が低下して磁石の成形が困難となり、
一方、100重量部を超えると、所望の磁気特性が得ら
れない。
【0065】熱硬化性樹脂であれば、その取扱い性、ポ
ットライフの面から2液型が有利であり、2液を混合後
は、常温から200℃までの温度で硬化しうるものが好
ましい。その反応機構は、一般的な付加重合型でも縮重
合型であってもよい。また、必要に応じて過酸化物等の
架橋反応型モノマーやオリゴマーを添加しても差し支え
ない。
【0066】これらは、反応可能な状態にあれば、重合
度や分子量に制約されないが、硬化剤や他の添加剤等と
の最終混合状態で、ASTM100型レオメーターで測
定した150℃における動的粘度が500Pa・s以
下、好ましくは400Pa・s以下、特に好ましくは、
100〜300Pa・sである。動的粘度が500Pa
・sを超えると、成形時に著しい混練トルクの上昇、流
動性の低下を招き、成形困難になるので好ましくない。
一方、動的粘度が小さくなりすぎると、磁石粉末と樹脂
バインダーが成形時に分離しやすくなるため、0.5P
a・s以上であることが望ましい。
【0067】樹脂バインダーは、磁石合金粉100重量
部に対して、3〜50重量部の割合で添加される。添加
量は7〜30重量部、さらには、10〜20重量部がよ
り好ましい。3重量部未満では、著しい混練トルクの上
昇、流動性の低下を招いて、成形困難になり、一方、5
0重量部を超えると、所望の磁気特性が得られないので
好ましくない。
【0068】本発明における樹脂バインダーには、滑
剤、紫外線吸収剤、難燃剤や種々の安定剤等を添加でき
る。
【0069】滑剤としては、例えば、パラフィンワック
ス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイ
クロワックス等のワックス類;ステアリン酸、1,2−
オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレ
イン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ
ニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシ
ノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の
脂肪酸塩(金属石鹸類);ステアリン酸アミド、オレイ
ン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリ
ン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレ
ンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸ア
ミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオ
レイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ス
テアリルステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステ
アリン酸ブチル等の脂肪酸エステル;エチレングリコー
ル、ステアリルアルコール等のアルコール類;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、及びこれら変性物からなるポリ
エーテル類;ジメチルポリシロキサン、シリコングリー
ス等のポリシロキサン類;弗素系オイル、弗素系グリー
ス、含弗素樹脂粉末といった弗素化合物;窒化珪素、炭
化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化珪素、二
硫化モリブデン等の無機化合物粉体が挙げられる。これ
らの滑剤は、一種単独でも二種以上組み合わせても良
い。該滑剤の配合量は、磁石合金粉100重量部に対し
て、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜1
0重量部である。
【0070】紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレ
ート等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾ
トリアゾール系;蓚酸アニリド誘導体などが挙げられ
る。
【0071】また、安定剤としては、ビス(2、2、
6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−第
三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シ}エチル]−4−{3−(3、5−ジ−第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2、
2、6、6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−
7、7、9、9−テトラメチル−3−オクチル−1、
2、3−トリアザスピロ[4、5]ウンデカン−2、4
−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2、2、6、6−テ
トラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−(2−
ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2、2、6、6
−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6−
(1、1、3、3−テトラメチルブチル)イミノ−1、
3、5−トリアジン−2、4−ジイル][(2、2、
6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキ
サメチレン[[2、2、6、6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミノ]]、2−(3、5−ジ−第三ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸
ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)等のヒンダード・アミン系安定剤のほか、フェノ
ール系、ホスファイト系、チオエーテル系などの抗酸化
剤等が挙げられる。これらの安定剤も、一種単独でも二
種以上組み合わせても良い。該安定剤の配合量は、磁石
合金粉100重量部に対して、通常0.01〜5重量
部、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0072】混合方法は、特に限定されず、例えば、リ
ボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘン
シェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキ
サー等の混合機、或いはバンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出
機等の混練機が使用できる。
【0073】次いで、上記のボンド磁石用組成物は、熱
可塑性樹脂の場合、その溶融温度で加熱溶融された後、
所望の形状を有する磁石に成形される。その際、成形法
としては、従来からプラスチック成形加工等に利用され
ている射出成形法、押出成形法、射出圧縮成形法、射出
プレス成形法、トランスファー成形法等の各種成形法が
挙げられるが、これらの中では、特に射出成形法、押出
成形法、射出圧縮成形法、及び射出プレス成形法が好ま
しい。
【0074】熱硬化性樹脂は、混合時の剪断発熱等によ
って硬化が進まないよう、剪断力が弱く、かつ冷却機能
を有する混合機を使用することが好ましい。混合により
組成物が塊状化するので、これを射出成形法、圧縮成形
法、押出成形法、圧延成形法、或いはトランスファー成
形法等により成形する。
【0075】こうして得られたボンド磁石は、実用上重
要な高温環境下で複合金属リン酸塩被膜に欠陥部が生じ
にくく、塩水の影響を受けることがない。従来は、サマ
リウム−鉄−窒素系合金磁石のような核発生型の保磁力
発現機構を示す磁石合金粉末で、一部にでもこのような
欠陥領域が生じると著しく保磁力が低下する問題があっ
たが、本発明によれば、このような問題点が完全に克服
される。
【0076】4.圧密磁石 本発明の耐塩水性磁石合金粉を用いて、圧密磁石を製造
する方法は、特に限定されず、高い圧縮力がかけられ、
見かけ密度を真密度の85%以上としうる方法であれば
よい。見かけ密度が85%未満では磁気特性が低く、ま
た、磁石合金粉の劣化要因である酸素や水分の経路とな
るオープンポアによって耐塩水性が低下する。本発明の
磁石合金粉は、そのままで高い耐塩水性を示すが、圧密
磁石のオープンポアを無くすことによって、さらに高い
耐塩水性を実現できる。
【0077】なお、本発明のサマリウム−鉄−窒素系磁
石合金粉から圧密磁石を製造する場合には、上記の耐塩
水性以外に磁気特性、特に磁石の保磁力が改善される。
圧密化するとき、サマリウム−鉄−窒素系化合物の分解
や脱窒素を防止するとともに、粒子間に非磁性体のリン
酸塩被膜が均一に存在するため保磁力の低下を防ぐこと
ができる。
【0078】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何
ら限定されるものではない。
【0079】(1)成分磁石合金粉 ・Sm−Fe−N系磁石合金粉[住友金属鉱山(株)
製、平均粒径:30μm]有機溶媒 ・イソプロピルアルコール(IPA)[関東化学(株)
製] ・N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)[関東化学
(株)製]添加剤(被膜成分) ・酸化亜鉛[関東化学(株)製] ・リン酸亜鉛四水和物[関東化学(株)製] ・リン酸アルミニウム[関東化学(株)製] ・酸化マンガン[関東化学(株)製] ・酸化銅(I)[関東化学(株)製] ・酸化カルシウム[関東化学(株)製]リン酸 ・85%オルトリン酸水溶液[商品名:りん酸、関東化
学(株)製]
【0080】(2)被覆された磁石合金粉の特性、性能
の測定、評価。 ・被膜厚さ及び金属リン酸塩(b−2)被膜の複合リン
酸塩被膜(B)に対する金属成分の比率 得られた磁石合金粉試料の断面をFE−TEM(電界放
出型透過電子顕微鏡)で観察し、被膜厚さを測定した。
また、被膜組成分析を、TEM−EDX(エネルギー分
散型蛍光X線分析装置)で行い、金属リン酸塩(b−
2)被膜の複合リン酸塩被膜(B)に対する金属成分の
比率を求めた。
【0081】・耐塩水性 得られた磁石合金粉試料とナイロン12を、200℃の
ラボプラストミル中で30分混練し、空冷後、各組成物
をプラスチック粉砕機により粉砕してそれぞれ成形用ペ
レットとした。得られたペレットを射出成形機にて7m
m方向に560kA/mの配向磁界をかけながら、φ1
0mm×7mmの円柱状希土類系磁石を製造した。これ
を5%NaCl水溶液中に成形体の半分までつかるよう
にして浸漬後、室温にて24時間放置し、錆の発生の有
無を目視観察した。
【0082】・磁気特性評価 上記の円柱状希土類系磁石試料の磁気特性を、チオフィ
ー型自記磁束計にて常温で測定した。磁気特性のうち残
留磁化(Br)の結果を表1、表2に示す。
【0083】[実施例1〜7]容器内部を窒素で置換し
たアトライタを用い、回転数200rpmで、還元磁石
合金粉(Sm−Fe−N系)1kgを1.5kgの有機
溶媒中で2時間粉砕し、平均粒径3μmの磁石合金粉を
作製した。表1の記載に従って所定量の85%オルトリ
ン酸水溶液、酸化物、リン酸塩などを合金粉に添加、攪
拌した。その後、磁石合金粉を真空中150℃で4時間
乾燥させた。得られた磁石合金粉の被膜厚さを測定し、
金属リン酸塩(b−2)被膜の複合リン酸塩被膜(B)
に対する金属成分の比率を求め、表1の結果を得た。次
に、得られた磁石合金粉を用いて、磁粉体積率が60%
となるように、12ナイロンを添加し、ラボプラストミ
ルで混練後に、200℃にて射出成形してボンド磁石を
作製した。得られた磁石試料の磁化を上記方法で測定
し、表1の結果を得た。
【0084】
【表1】
【0085】[比較例1〜4]添加剤を用いないか、添
加剤やリン酸の量を変えて、上記の実施例と同様にし
て、磁石合金粉を処理した。結果を表1に示した。
【0086】[実施例8〜14]実施例1〜7で用いた
磁石合金粉10gを、窒素雰囲気下でアルミニウムカプ
セルに充填し、1600kA/mの配向磁界をかけなが
ら50MPaで一軸加圧した。次に、この圧粉体をカプ
セルごと450℃、30min.、200MPaで等方
性熱間圧縮法(HIP)で成形した。圧力媒体として窒
素ガスを用いた。得られた磁石試料の磁化を測定し、表
2の結果を得た。ここで見かけ密度は、真密度を7.6
7g/ccとした相対密度で表している。
【0087】
【表2】
【0088】[比較例5〜8]比較例1〜4で用いた磁
石合金粉から、実施例8〜14に示した方法により等方
性熱間圧縮法(HIP)で成形して圧密磁石を作製し
た。結果を表2に示した。
【0089】表1から、本発明の磁石合金粉を成形して
得られたボンド磁石は、磁石合金粉の表面が適切な厚さ
の複合金属リン酸塩被膜によって均一に保護されている
ため、磁化が0.7T以上であり、かつ5%塩水中でも
錆の発生がないことが分かる。また、表2から、本発明
の磁石合金粉を見かけ密度85%以上に圧密化して得ら
れた圧密磁石は、磁石合金粉の表面が適切な厚さの複合
金属リン酸塩被膜によって均一に保護されているため、
磁化が1.2T以上と十分高く、5%塩水中でも錆が見
られないことが分かる。これに対して、比較例のボンド
磁石、圧密磁石は、金属リン酸塩被膜が複合化されてい
ないか、被膜の厚さが適切ではないので、磁化、保磁力
が小さいか、錆が発生することが分かる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁石合金
粉は、その表面を特定の金属リン酸塩が複合化した被膜
によって均一に保護されているため、従来法により得ら
れる磁石合金粉とは異なり、塩水に触れる環境下で錆が
発生しない。この磁石合金粉を用いれば、耐塩水性ボン
ド磁石および圧密磁石の製造が可能となり、その工業的
価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E040 AA04 AA19 BB04 BC01 CA01 HB14 HB17 NN05 5E062 CC05 CD05 CE02 CE03 CE04 CG07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素を含む鉄系磁石合金粉からな
    る磁石粉末(A)の表面上に、鉄と希土類元素の金属リ
    ン酸塩(b−1)、及びアルミニウム、亜鉛、マンガ
    ン、銅又はカルシウムから選ばれた1種以上の金属リン
    酸塩(b−2)からなる複合金属リン酸塩被膜(B)が
    形成されていることを特徴とする耐塩水性磁石合金粉。
  2. 【請求項2】 複合金属リン酸塩被膜(B)の厚さが、
    5〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載
    の耐塩水性磁石合金粉。
  3. 【請求項3】 金属リン酸塩(b−2)の金属成分が、
    複合金属リン酸塩被膜(B)の金属成分に対して、30
    重量%以上含有されていることを特徴とする請求項1に
    記載の耐塩水性磁石合金粉。
  4. 【請求項4】 平均粒径20μmを超える希土類元素を
    含む鉄系磁石合金粉を、有機溶媒中で、平均粒径8μm
    以下に粉砕する際、又は粉砕後に、少なくともアルミニ
    ウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムから選ばれた
    1種以上の金属の酸化物、複合酸化物、リン酸塩又はリ
    ン酸水素化合物と、場合によってリン酸を添加した後、
    該溶液を攪拌して複合金属リン酸塩被膜を形成すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐塩水性
    磁石合金粉の製造方法。
  5. 【請求項5】 平均粒径20μmを超える希土類元素を
    含む鉄系磁石合金粉を、リン酸を含む有機溶媒中で平均
    粒径8μm以下に粉砕した後に、引き続いて、このリン
    酸塩溶液にアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカル
    シウムから選ばれた1種以上の金属の酸化物、複合酸化
    物、リン酸塩、又はリン酸水素化合物を添加し、該溶液
    を攪拌して複合金属リン酸塩被膜を形成することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐塩水性磁石合
    金粉の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒が、N,N−ジメチルホルムア
    ミド、ホルムアミド、2−メトキシエタノール、エタノ
    ール、メタノール又はイソプロピルアルコールから選ば
    れた1種以上であることを特徴とする請求項4又は5に
    記載の耐塩水性磁石合金粉の製造方法。
  7. 【請求項7】 リン酸塩溶液を形成する金属成分が、希
    土類元素を含む鉄系磁石合金粉に対して、0.01〜1
    mol/kg(粉末重量当たり)の割合で添加されるこ
    とを特徴とする請求項4又は5に記載の耐塩水性磁石合
    金粉の製造方法。
  8. 【請求項8】 リン酸は、希土類元素を含む鉄系磁石合
    金粉に対して、0.1〜2mol/kg(粉末重量当た
    り)の割合で添加されることを特徴とする請求項4又は
    5に記載の耐塩水性磁石合金粉の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3のいずれかに記載の耐塩水
    性磁石合金粉に少なくとも熱可塑性樹脂を含有してなる
    ボンド磁石用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のボンド磁石用樹脂組
    成物を、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法又は
    射出プレス成形法から選ばれるいずれかの成形法により
    成形したボンド磁石。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれかに記載の耐塩
    水性磁石合金粉を圧密化して、見かけ密度を真密度の8
    5%以上にしたことを特徴とする圧密磁石。
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