JP2003317937A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機ELパネルの薄型化に伴う基板の反りを防
止することにより、有機EL素子の液晶パネル体への貼
り合せを容易にし、かつ金属箔等の接着による封止法を
採用することで、長期にわたりEL素子の劣化を抑制で
きる有機EL素子を提供する。 【解決手段】透光性基材の一方の面上に、少なくとも透
明陽極層、有機発光媒体層、陰極層を有する有機エレク
トロルミネッセンス素子において、陰極層上に接着層を
介して封止層が積層され、かつ透光性基材の他方の面上
に反り防止層を設ける構造とする。接着層と反り防止層
は同じバインダー樹脂で同じ層厚であると、硬化収縮率
をそろえるのに効率がよい。また、接着層と樹脂層に同
じ直径の微粒子を分散させた層構造にすることで、それ
ぞれの層厚を容易にそろえることができ、有機エレクト
ロルミネッセンス素子の、特に薄型構造にしたときの反
りを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報表示端末など
のディスプレイや面発光光源として用いられる有機エレ
クトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子と略記す
る)に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、視野角が広い、応答速
度が速い、消費電力が低いなどの利点から、ブラウン管
や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレ
イとして期待されている。
【0003】有機EL素子は、少なくとも一方が透明な
2枚の電極間に、有機発光媒体層を挟持した構造であ
り、両電極から電流を注入することにより、有機発光媒
体層で光が生じるものである。
【0004】2枚の電極とそれに挟まれた有機発光媒体
層の総厚は、数100nm程度の薄膜であるため、有機
EL素子の厚みは、ほぼ透光性基材と背面封止材の厚み
である。このため、薄型・軽量化が期待される携帯電話
等小型、薄型のディスプレイやバックライト部材、可撓
性のあるプラスチックを基材としたフレキシブルディス
プレイなどへの応用が期待されている。
【0005】一方、携帯電話などの小型パネルに多用さ
れている液晶ディスプレイは、パネル背面に半透過反射
板を配置し、明るい場所では外光を利用し、暗い場所で
はバックライトの光が利用されている。しかし、現在用
いられているバックライトユニットは、LED点光源を
拡散板により面光源化しているため、拡散板を薄くする
と面内の輝度むらが大きくなるといった問題がある。
【0006】有機EL素子を、液晶ディスプレイのバッ
クライトに利用した例としては、特開平5−34692
号公報や特開平8−83688号公報などに開示されて
いる。が、有機EL素子の薄型化で発生する反りや耐久
性の問題を解決するためのものではない。
【0007】有機EL素子の薄型化を検討するために、
例えば0.4mm厚のガラス基材上に、2枚の電極とそ
の間の有機発光媒体層から成る有機EL素子を作製し、
ついで接着性樹脂を用いて50μm厚のアルミニウム箔
を貼り合せて封止することで、総厚0.5mm以下の有
機EL素子を作製した場合、接着性樹脂の硬化収縮によ
り、透光性基材に反りが生じ、液晶パネルへの密着貼り
合せができないといった問題が生じた。このように、今
までは、有機EL素子の封止方法として一般的に用いら
れている金属箔等の接着による封止法は、薄型バックラ
イト用有機EL素子に用いることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上記の問
題点を解決するためになされたものであり、その課題と
するところは、金属箔等の接着による封止法を用いた有
機ELパネルの薄型化に伴う基板の反りを防止すること
により、液晶パネルへの密着張り合わせが容易で、液晶
ディスプレイのバックライトに用いることのできる、薄
型有機EL素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る第1の発
明は、透光性基材の一方の面上に、少なくとも透明陽極
層、有機発光媒体層、陰極層を有し、陰極層上に接着層
を介して封止層が積層されてなる有機エレクトロルミネ
ッセンス素子において、前記透光性基材の他方の面上に
反り防止層が設けられていることを特徴とする有機エレ
クトロルミネッセンス素子である。請求項2に係る第2
の発明は、前記反り防止層が、前記接着層と同じバイン
ダー樹脂を用いて設けられていることを特徴とする請求
項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項3に係る第3の発明は、前記接着層又は反り防止
層の内部に、前記各層の厚みに相当する粒径の微粒子を
含むことを特徴とする請求項1または2記載の有機エレ
クトロルミネッセンス素子である。請求項4に係る第4
の発明は、前記接着層及び反り防止層の内部に、前記各
層の厚みに相当する粒径の微粒子を含むことを特徴とす
る請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロル
ミネッセンス素子である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子及びその製
造工程の一例を、図1および図2に基づいて説明する。
本発明の有機EL素子は、透光性基材1の一方の面上
に、少なくとも透明陽極層2、有機発光媒体層3、陰極
層4を有し、陰極層4上に接着層5を介して封止層7が
積層されてなるものであり、透光性基材1の他方の面上
に反り防止層6が設けられている構成の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子である。
【0011】透光性基材1としては、透光性と絶縁性を
有する基板であれば如何なる基板も使用することができ
る。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、
ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレー
ト等のプラスチックフィルムやシート、もしくはガラス
や石英などを用いることができる。これらの基材には、
必要に応じて、無機薄膜などの透明バリア膜や透明バリ
アフィルムなどを積層しても良い。また透光性基材1上
に光散乱効果のある層を形成したり、透光性基材1形成
樹脂に光散乱粒子を含ませ、光散乱効果を持たせること
もできる。
【0012】次いで透光性基材1の一方の面上に、透明
陽極層2を形成する。透明陽極層2の形成方法は、パタ
ーン成膜もしくは、透明陽極層2を一面に形成した(図
1(a))後にパターニングし、陽極用引き出し電極2
aを兼ねた透明陽極層2と陰極用引き出し電極2bとを
形成する(図1(b))。透明陽極層2の材料として
は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜
鉛アルミニウム酸化物などの金属酸化物や、金、白金な
どの金属薄膜や、これら金属酸化物や金属の微粒子をバ
インダー樹脂に分散させた透明導電性インキなどを使用
することができる。
【0013】透明陽極層2の形成方法としては、材料に
応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸
着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など
の乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法な
どの湿式成膜法などを用いることができる。
【0014】透明陽極層2のパターニング方法として
は、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリ
ソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチ
ング法、などを用いることができる。
【0015】また、透光性基材1と透明陽極層2との密
着性を向上させるために、あらかじめ透光性基材1表面
に、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理な
どの表面処理を施してもよく、さらには酸化珪素、窒化
珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機絶縁膜
や、クロム、チタンなどの金属膜や、アクリル系樹脂や
エポキシ系樹脂などの高分子樹脂膜を1またはそれ以上
積層してもよい。
【0016】この上に有機発光媒体層3を形成する(図
1(c))。ここで、有機発光媒体層3を形成する前
に、透明陽極層2の表面洗浄や表面改質を目的として、
コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの
表面処理を施すことが好ましい。
【0017】本発明における有機発光媒体層3として
は、少なくとも発光層を含む、単層もしくは多層膜を用
いることができる。有機発光媒体層を多層にした場合の
構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または
正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や、正
孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成や、パ
ターニングの為の絶縁層などを形成してさらに多層化す
ることも可能である。
【0018】正孔輸送層の材料としては、銅フタロシア
ニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属
フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナク
リドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミ
ノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナ
フチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミンなどの低分子
材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子材
料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔
輸送材料の中から選ぶことができる。
【0019】発光層の材料としては、9,10−ジアリ
ールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレ
ン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジ
エン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯
体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミ
ニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、ト
リス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−
5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、
ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラー
ト]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ
−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)
フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリ
ノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシ
ル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、
1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、
ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジ
ヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン
系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンス
ロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系
蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光
体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置
換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフル
オレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン
などの高分子材料、その他既存の発光材料を用いること
ができる。
【0020】電子輸送層の材料としては、2−(4−ビ
フィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナ
フチル)−1,3,4−オキサジアゾール、およびオキ
サジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ
[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール
化合物等が挙げられる。
【0021】また、有機発光媒体層3の形成方法として
は、材料に応じて、抵抗加熱法、電子ビーム法などの真
空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキ
ソ、グラビア、ロールコート、凹版オフセットなどのコ
ーティング法、印刷法を用いることができる。複数の層
から構成される有機発光媒体層3のいずれかの層をパタ
ーンニングしてもよい。有機発光媒体層3の膜厚として
は、単層または多層においても1000nm以下であ
り、好ましくは50〜150nmである。
【0022】次に、陰極層4を形成する(図1
(c))。陰極層4の材料としては、電子注入効率の高
い物質を用いることが好ましい。具体的には、Mg、A
l、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界
面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟
んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用い
る。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕
事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、E
r、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定な
Ag、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられ
る。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金
が使用できる。
【0023】陰極層4の形成方法には、材料に応じて、
抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イ
オンプレーティング法、スパッタリング法、ラミネート
法などを用いることができる。陰極の厚さは、10nm
〜1000nm程度が望ましい。
【0024】次に、陰極層4上に接着層5を介して封止
層7を積層すると同時に、透光性基材1の他方の面上に
反り防止層6を形成する(図1(d)または図2)。接
着層5を積層する前に、陰極層4と接着層5との密着性
向上のために、あらかじめ陰極層4上に、酸化珪素、窒
化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機絶縁
膜や、クロム、チタンなどの金属膜や、アクリル系樹脂
やエポキシ系樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは多
層形成してもよい。
【0025】接着層5を主に構成するバインダー樹脂と
しては、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン
系、フェノール樹脂系などからなる熱硬化型接着性樹
脂、光硬化型接着性樹脂、熱可塑型接着性樹脂などを用
いることができる。特に、耐湿性、耐水性に優れ、硬化
時の収縮が少ないエポキシ樹脂系接着剤を用いることが
好ましい。
【0026】接着層5および反り防止層6の形成方法と
しては、構成材料に応じて、ロールコート、スピンコー
ト、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティ
ング法、印刷法を用いることができる。また、シート状
に成形した材料を張り合わせてもよい。
【0027】接着層5の膜厚は、0.001mm〜0.
1mmであることが好ましい。これは、接着層5の厚み
が0.1mmよりも厚いと、端部からの透湿量の増加に
より有機EL素子が劣化するといった問題が生じたり、
硬化収縮力が大きくなることにより透光性基材1を薄板
にした場合に反り量が大きくなるといった問題が生じる
からである。逆に0.001mmよりも薄いと、有機E
L素子が封止層7と接触することがあり、封止層7とし
て金属箔などの導電性物質を用いた場合に、有機EL素
子が短絡するといった問題が生じるからである。
【0028】また、透光性基材1の他方の面上に形成し
た反り防止層6は、接着層5と同じ硬化収縮力となるよ
う材料と層厚を調整すれば、特に材料や厚みに制限はな
いが、接着層5と同じバインダー樹脂を用い、同じ層
厚、同じ層形成方法とすると硬化収縮力を調整しやすい
ため好ましい。
【0029】接着層5および反り防止層6を構成するバ
インダー樹脂に、所定の粒径を有する透明または不透明
な微粒子を加え、分散させると、それぞれの層の層厚を
簡便かつ正確にそろえることができ、特に接着層5にお
いては素子の短絡も防ぐことができる(図2)。また反
り防止層6においては、光拡散性の微粒子を選択するこ
とで、反り防止層が拡散層としても機能するようにな
る。
【0030】微粒子8の材料としては、シリカ、ガラ
ス、アルミナ、酸化チタンなどの無機微粒子や、プラス
チック微粒子、アクリルゴム、ニトリルゴムなどの有機
微粒子を、単成分もしくは多成分混入することができ
る。微粒子の粒径で最大のものは、0.001mm〜
0.1mmであることが好ましい。最大となる微粒子の
粒径は、所望の接着層または反り防止層の厚みに相当す
るものを選択すると良い。ここで「所望の接着層または
反り防止層の厚みに相当する」とは、微粒子の粒径が各
層の厚みに等しいかやや小さいことを意味する。接着層
5と反り防止層6を構成するバインダー樹脂に混入され
る微粒子8について、最大となる微粒子の粒径が同じで
あれば、接着層5と反り防止層6の層厚を容易にそろえ
ることができ、同じバインダー樹脂を用いた場合には特
に、有機EL素子の反り防止に効果的である。このとき
微粒子の材料や含有量は同じでなくても良く、またそれ
ぞれに光拡散などの機能を有する粒子を混合したり、含
有水分を除去する為に酸化バリウムや酸化カルシウムな
どの乾燥剤を混入しても良い。混入する微粒子8の量
は、光の透過を妨げず、層厚を均等に形成できる範囲な
ら特に問題はないが、好ましくは接着層5および反り防
止層6の1〜30重量%である。
【0031】封止層7の材料としては、ポリエチレンテ
レフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリカーボ
ネートなどのプラスチックフィルム上に、酸化珪素、酸
化アルミニウムなどの金属酸化物や、窒化珪素、窒化ア
ルミニウムなどの金属窒化物、または弗化アルミニウム
などの金属弗化物、もしくはアルミニウム、ニッケル、
銅などの金属や合金を蒸着した複合フィルムや、これら
金属材料からなる金属箔や合金箔、その他、ガラス、金
属板などを用いることができる。特に、有機EL素子を
薄型にでき、かつガスバリア性に優れている金属箔や合
金箔が望ましく、取り扱いの容易な、金属箔や合金箔に
ポリエチレンテレフタラートなどのプラスチックフィル
ムをラミネートしたものを用いてもよい。
【0032】反り防止層6に微粒子8分散させた際に
は、反り防止層6上に、離型剤としてシリコーン系ポリ
マー等を塗布したプラスチックフィルムなどの離型シー
ト9を張り合わせると、反り防止層6の層厚制御がより
容易となる(図2)。封止層7と離型シート9で挟まれ
た有機EL素子にロール等で圧力をかけることで、接着
層5と反り防止層6の層厚が、分散した微粒子8の粒径
に揃う。この工程の後にそれぞれの層を硬化させ、離型
シート9を有機EL素子から取り除くことで、本発明の
反りのない薄型有機EL素子を得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明に係わるEL素子及びその製造
方法の実施例の一例を説明する。実施例1、2および比
較例1を、図1〜図3に従って説明する。
【0034】(実施例1)まず、透光性基材1として
0.3mm厚のガラス基板(50mm×50mm)の一
方の面に、スパッタリング法を用いて透明陽極層2とし
てインジウム錫酸化物(ITO)膜を150nm形成し
た(図1(a))。次いで、フォトリソグラフィー法及
びウェットエッチング法を用いて、ITO膜をパターン
ニングし、引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰
極引き出し電極2bとを形成した(図1(b))。IT
O膜表面をUVオゾン処理した後に、ポリ[2−メトキ
シ−5−(2'−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フ
ェニレン ビニレン](MEHPPV)をスピンコート
法によりコーティングし、有機発光媒体層3を100n
m形成した(図1(c))。次に、陰極層4として、真
空蒸着法によりCa(20nm)とAg(200nm)
をこの順に積層形成した(図1(c))。この陰極層4
上に、接着層5としてエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤を
0.01mmの厚みで積層し、さらに封止層7としてア
ルミニウム箔(50μm)を積層した。また、これと同
時に、透光性基材1の他方の面に反り防止層6として接
着層5に用いたのと同じエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤
を0.01mmの厚みで積層し、接着層5および反り防
止層6を同時に熱硬化した(図1(d))。得られたE
L素子は、接着層5の硬化収縮量が多少大きくなり、平
らな面に有機EL素子を置いたところ、透光性基材1の
両端が平面からそれぞれ1mmずつ浮いているのが確認
できた。
【0035】(実施例2)実施例1のEL素子におい
て、接着層5および反り防止層6の形成材料として、エ
ポキシ樹脂系熱硬化型接着剤にアクリルゴムの微粒子8
(粒径0.01mm)を樹脂全体に対して5重量%加え
たものを用いた。さらに反り防止層6上に、離型シート
9(剥離剤(シリコーン系ポリマー)を塗布したポリエ
チレンテレフタレートフィルム)を貼り合せ、有機EL
素子の厚さが均等になるようにゴムロールに通した(図
2)。この有機EL素子の接着層5および反り防止層6
を熱硬化した後に、反り防止層6から剥離シート8を剥
がしたところ、反りの無い有機EL素子が得られた。
【0036】(比較例1)実施例1のEL素子におい
て、反り防止層6を形成せずに、接着層5のみを形成し
熱硬化した(図3)。得られた有機EL素子を平らな面
に置いたところ、接着層5の硬化収縮により、透光性基
材1の両端が平面からそれぞれ5mmずつ浮いているの
が確認できた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、反り防止層を形成する
ことで反りがほとんどなく、また封止に金属箔を用いる
ことができるので耐久性に優れた有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を提供することができる。さらに、接着層
および反り防止層を形成する樹脂に微粒子を混合し厚さ
を調整しやすくすることで、反りのない有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を制作することが可能である。この
発明によれば透光性基材としてポリエチレンテレフタレ
ートなどの可撓性の基材を選択しても反りを抑えること
ができる。この有機エレクトロルミネッセンス素子は全
厚1mm以下の薄型にしても反らないので、液晶パネル
への密着張り合わせが容易であり、薄型ディスプレイ、
特に液晶ディスプレイのバックライトに用いるのに好適
である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の
実施例1を説明した断面図である。
【図2】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の
実施例2を説明した断面図である。
【図3】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の
比較例1を説明した断面図である。
【符号の説明】
1 透光性基材 2 透明陽極層 2a 陽極用引き出し電極 2b 陰極用引き出し電極 3 有機発光媒体層 4 陰極層 5 接着層 6 反り防止層 7 封止層 8 微粒子 9 離型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB11 BA07 BB02 CA06 DB03 FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基材の一方の面上に、少なくとも透
    明陽極層、有機発光媒体層、陰極層を有し、陰極層上に
    接着層を介して封止層が積層されてなる有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子において、前記透光性基材の他方の
    面上に反り防止層が設けられていることを特徴とする有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】前記反り防止層が、前記接着層と同じバイ
    ンダー樹脂を用いて設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】前記接着層又は反り防止層の内部に、前記
    各層の厚みに相当する粒径の微粒子を含むことを特徴と
    する請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  4. 【請求項4】前記接着層及び反り防止層の内部に、前記
    各層の厚みに相当する粒径の微粒子を含むことを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子。
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