JP2003314185A - 立坑の掘削工法および掘削装置 - Google Patents

立坑の掘削工法および掘削装置

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JP2003314185A
JP2003314185A JP2002120383A JP2002120383A JP2003314185A JP 2003314185 A JP2003314185 A JP 2003314185A JP 2002120383 A JP2002120383 A JP 2002120383A JP 2002120383 A JP2002120383 A JP 2002120383A JP 2003314185 A JP2003314185 A JP 2003314185A
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excavation
swivel
excavating
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Yukio Otsu
由紀夫 大津
Mitsuru Suda
満 須田
Kazuyuki Shimoide
和行 下出
Yuichi Hayase
雄一 早瀬
Hachiro Tsuji
八郎 辻
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EITO KOGYO KK
Toenec Corp
Original Assignee
EITO KOGYO KK
Toenec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘削装置の反力をとるための複雑な装置や掘
削前後の煩雑な工程を必要とすることなく、大きな掘削
反力をとりつつ立穴の掘削をおこなうことができる立坑
の掘削工法および掘削装置を提供する。 【解決手段】 所定の深さの立穴の掘削と、その掘削土
砂の搬出と、掘削壁面のライナによる補強とを繰返して
掘進めて行く立坑の掘削工法において、脚体2(支持
体)上に地盤掘削用の掘削具11をそなえた掘削装置1
を、立穴の底面102上に載置し、地上に配置された油
圧ショベル110のブーム115に基部を支持したテレ
スコピックアーム120の先端部122によって、掘削
装置1を下向きに押圧した状態で、掘削具11により地
盤の掘削をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄塔用の深礎基
礎や一般土木工事の連続基礎などの各種基礎を構築する
際の立坑の掘削工法およびそれに用いる掘削装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】深礎基礎構築用の立坑の掘削時には、土
質に応じた所定の深さの立穴の掘削と、その掘削土砂の
搬出と、掘削壁面のライナによる補強とを繰返して掘進
めて行く掘削工法が、一般に採用されている。そして以
前は上記掘削は、穴底に降り立った作業員が手持ち用の
削岩機やブレーカなどを操作する掘削作業によっていた
が、激しい騒音や振動と粉塵が発生する悪環境下での重
労働は耐え難いものであり、改善が望まれていた。そこ
で、上記の掘削工法において人力作業を減らすために機
械装置を利用した掘削法が種々提案されており、たとえ
ば特開平9ー165990号公報には、既に構築が完了
したライナによるライニング部分より下方に位置する掘
削装置を、掘削壁面との間に介在させた支持装置により
掘削孔の径方向の複数方向から水平に支持することで、
掘削装置の反力を掘削壁面にとって掘削を行う掘削工法
および装置が記載されている。
【0003】ところが上記の掘削工法は、掘削装置の反
力を掘削壁面にとって掘削を行うものであるため、掘削
壁面の地山強度が充分でない場合や、掘削壁面の凹凸が
大きい場合には、反力を十分にとることができない。そ
して前者の対策として上記公報においては、施工装置下
降前に、仮設ライナープレートを設置し、必要に応じさ
らにコンクリート等の充填による側壁地山補強を施すこ
とが提案されているが、これらの作業は極めて煩雑で、
立坑掘削日程に遅延を生じることになる。また立坑の底
部に拡底部を形成する拡底時においては、拡底部より上
方の位置に支持された掘削装置により斜め下方の大径部
の掘削をおこなうのは、運転室から見えにくいこともあ
り、困難である。
【0004】また上記の掘削工法に用いる装置は、掘削
装置を支持するリング状部材に、掘削装置の反力を掘削
壁面にとるために複数の伸縮装置や押圧板を設けた複雑
な構造となり、また立穴の掘進めによって、上記の伸縮
装置や押圧板などの反力とり装置による壁面押圧を解除
後、新たな掘削壁面に対して上記反力とり装置による壁
面押圧をおこなう必要があり、掘削前後の工程が煩雑で
ある。
【0005】またこの他の掘削工法として、特開平10
ー102973号公報に記載されたセンターポール式の
掘削工法があるが、この工法では充分な剛性のセンター
ポールを用いれば、掘削装置による反力を確保すること
はできるが、立坑掘削開始時の前工程として、先端部が
立坑底よりも深部に達する長大なセンターポールを立設
する必要があり、その建込穴の削孔やグラウトの注入な
どに、多大の時間と労力を必要とし、また立穴の硬岩盤
層から成る底部を発破工法により掘進める場合は、掘削
装置はセンターポールに沿って上方位置に退避させるこ
とはできるが、センターポールはそのままなので発破の
影響により変形・損傷するおそれが大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記従来の
問題点を解決しようとするもので、掘削装置の反力をと
るための複雑な装置や掘削前後の煩雑な工程を必要とす
ることなく、大きな掘削反力をとりつつ立穴の掘削をお
こなうことができる立坑の掘削工法および掘削装置を提
供することを第1の目的とする。
【0007】またこの発明の第2の目的は、大きな反力
をとりつつ、立坑の拡底部の形成も確実・容易におこな
える立坑の掘削工法および掘削装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の立坑の掘削工法は、所定の深さの立
穴の掘削と、その掘削土砂の搬出と、掘削壁面のライナ
による補強とを繰返して掘進めて行く立坑の掘削工法に
おいて、支持体上に地盤掘削用の掘削具をそなえた掘削
装置を、立穴の底面上に載置し、地上に配置された油圧
ショベルのブームに基部を支持したテレスコピックアー
ムの先端部によって、前記掘削装置を下向きに押圧した
状態で、前記掘削具により地盤の掘削をおこなうことを
特徴とする。
【0009】この請求項1記載の発明によれば、掘削装
置を立穴底面上に載置し、油圧ショベルにより支持した
テレスコピックアームにより上記掘削装置を下向きに押
圧するだけでよいので、掘削反力をとるための格別の装
置や掘削前後の煩雑な工程は不要であり、またテレスコ
ピックアームにより掘削装置は立穴底面上に大きな押付
力で押圧保持されるので、大きな掘削反力をとりつつ立
穴の掘削をおこなうことができる。
【0010】また請求項2記載の立坑の掘削工法は、前
記掘削装置が、支持体上に水平面内で旋回自在に支持さ
れた旋回台に、前後方向および上下方向に移動自在な掘
削具をそなえてなり、前記テレスコピックアームの先端
部によって、前記旋回台の旋回中心位置において前記掘
削装置を下向きに押圧した状態で、前記掘削具により立
穴の底部または壁面部の掘削をおこなうことを特徴とす
る。
【0011】この発明において「前後方向」とは、「立
穴の壁面に接近離間する方向」(接近する側が前側)を
指すものとする。またこの発明における「立穴の壁面の
掘削」とは、図11におけるライナ104で補強した立
坑100の内径dよりも小さい直径の立掘穴103の壁
面103aを掘削して、ライナ104が取付可能な直径
Dの立穴101の掘削壁面101aを形成すること、お
よびこの掘削壁面101aの位置を越えて更に大直径の
拡底部109の壁面を形成することの両方を総称するも
のとする。
【0012】また請求項3記載の立坑の掘削工法は、前
記掘削装置が、支持体上に削孔機を削孔方向に進退自在
に支持してなり、前記テレスコピックアームの先端部に
よって、前記支持体を下向きに押圧した状態で、前記削
孔機により発破穴または斜杭穴の削孔をおこなうことを
特徴とする。
【0013】請求項1記載の掘削工法は、種々の形式の
掘削装置を用いて、またその掘削装置の種々の部位をテ
レスコピックアームの先端部によって押圧した状態で、
おこなうことができるが、請求項2記載の掘削工法によ
れば、掘削具は旋回台と共に旋回できるので、掘削具を
広範囲に移動させて掘削ができ、またテレスコピックア
ームによる押圧位置は旋回台の旋回中心位置にあるの
で、旋回台上の掘削具が旋回によって上記押圧用の部材
に干渉することもなく、自由に旋回ができる。また請求
項3記載の掘削工法によれば、削孔機の動作と干渉しな
い位置において支持体をテレスコピックアームにより押
圧して、削孔を支障なくおこなうことができる。
【0014】また請求項4記載の掘削装置は、脚体上に
旋回台を水平面内で旋回自在に支持し、この旋回台に起
倒自在に支持したブームの先端部にアームの基部を回動
自在に支持し、前記アームの先端部に掘削具を交換自在
に取付けるとともに、前記旋回台の旋回中心部に、前記
テレスコピックアームの先端部による押圧力を受ける受
圧部材を設けたことを特徴とする。
【0015】また請求項5記載の掘削装置は、脚体上に
旋回台を水平面内で旋回自在に支持し、この旋回台に起
倒自在に支持したブームの先端部にアームの基部を回動
自在に支持し、前記アームの先端部に掘削具を交換自在
に取付けるとともに、前記脚体に、前記旋回台の旋回中
心部を貫通して上方へ延び前記テレスコピックアームの
先端部による押圧力を受ける受圧部材を設けたことを特
徴とする。
【0016】請求項2記載の掘削工法用の掘削装置とし
ては、種々の形式の掘削装置を用いることができるが、
請求項4および5記載の掘削装置によれば、旋回台に起
倒自在に支持したブームの先端部に基部を回動自在に支
持したアームの先端部に、掘削具を取付けてあるので、
掘削具の移動は通常の油圧ショベルと同様な操作により
おこなえ、オペレータが容易に掘削具を移動させて能率
よく掘削をおこなうことができる。
【0017】また請求項6記載の掘削装置は、走行体上
に旋回自在に支持した旋回台に起倒自在に支持されたブ
ームとこのブームの先端部に回動自在に支持されたアー
ムをそなえたミニショベルにおいて、前記アームの先端
部に掘削具を交換自在に取付けるとともに、前記旋回台
の旋回中心部に、前記テレスコピックアームの先端部に
よる押圧力を受ける受圧部材を設けたことを特徴とす
る。
【0018】また請求項7記載の掘削装置は、走行体上
に旋回自在に支持した旋回台に起倒自在に支持されたブ
ームとこのブームの先端部に回動自在に支持されたアー
ムをそなえたミニショベルにおいて、前記アームの先端
部に掘削具を交換自在に取付けるとともに、前記走行体
のフレームに、前記旋回台の旋回中心部を貫通して上方
へ延び前記テレスコピックアームの先端部による押圧力
を受ける受圧部材を設けたことを特徴とする。
【0019】請求項2記載の掘削工法用の掘削装置とし
ては、種々の形式の掘削装置を用いることができるが、
請求項6および7記載の掘削装置によれば、上記請求項
4および5と同じ作用効果が得られるのに加えて、掘削
装置は走行体により自走できるので、掘削装置を立穴の
底面上で迅速容易に移動させて、大直径の立穴の掘削も
容易におこなうことができる。
【0020】また請求項8記載の掘削装置は、基台上に
水平面内で旋回自在に支持された旋回フレームと、この
旋回フレーム上に水平方向に移動自在に支持された移動
台と、この移動台に垂直に立設されたガイドに沿って往
復駆動される削孔機と、前記基台上に設けられ前記テレ
スコピックアームの先端部による押圧力を受ける受圧部
材とを具備したことを特徴とする。
【0021】また請求項9記載の掘削装置は、基台上に
水平面内で旋回自在に支持された旋回フレームと、この
旋回フレーム上に水平方向に移動自在に支持された移動
台と、この移動台に、水平面に対する傾斜角を調節可能
に取付けられたガイドと、このガイドに沿って往復駆動
される削孔機と、前記基台上に設けられ前記テレスコピ
ックアームの先端部による押圧力を受ける受圧部材とを
具備したことを特徴とする。
【0022】請求項3記載の掘削工法用の装置として
は、種々の形式の掘削装置を用いることができるが、請
求項8および9記載の掘削装置によれば、削孔機は、旋
回フレーム上に移動自在に支持された移動台上に設けら
れているので、旋回台の旋回と移動台の水平移動により
掘削具を広範囲に移動させて、所望の多数個位置に能率
よく削孔をおこなうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下図1〜図20に示す例によ
り、この発明の実施の形態を説明する。図1〜図3は第
1例の掘削装置である固定脚式の掘削装置1を示し、2
は支持体である脚体で、角枠状の支台2aに8本の支脚
2bを固着して成り、支台2aの中央部下面および支脚
2bの先端部下面には、滑り止め用のスパイクピン3,
4を突設してある。5は脚体2上に水平面内で旋回自在
に支持した旋回台であり、脚体2の支台2a上に、軸受
(図示しない)により旋回中心軸線Pのまわりに旋回自
在に支持され、支台2a上に固設したインタナルギヤ6
に噛合う駆動ギヤ7を、旋回台5上に設けた油圧モータ
8により回転駆動することにより、旋回駆動されるよう
になっている。
【0024】また旋回台5上には、ブーム9が起倒自在
に設けられ、このブーム9の先端部にはアーム10の基
部を回動自在に支持し、このアーム10の先端部には回
転ビット式の掘削具11が起伏自在に、かつ交換自在に
取付けてある。これらのブーム9およびアーム10は、
一般の油圧ショベルや後述のミニショベル45のものと
同構造のものであり、この油圧ショベルと同様にブーム
シリンダ16、アームシリンダ17、ショベルシリンダ
18によって、起伏・揺動駆動され、これによって掘削
具11は図1および図2に矢印Xで示すように前後方向
(立穴の壁面に接近離間する方向)および上下方向に駆
動される。
【0025】掘削具11は、油圧モータ12により回転
駆動されるディスク13の前面に多数個の掘削ビット1
4を取付けたものであり、ブラケット15を介してアー
ム10の先端部に交換自在に取付けられる。またアーム
10の先端部には、この掘削具11に代えて、図示しな
いバケットや、図4に示すブラケット19付きの油圧ブ
レーカから成る掘削具20を取付けて用いることもでき
るようになっているが、さらに土質に応じてコールピッ
クなど他種類の掘削具を取付けるようにしてもよい。
【0026】油圧式の掘削具11等に着脱接続されこれ
ら掘削具を油圧駆動(回転あるいは往復駆動)する圧油
を供給する図示しない油圧ホース、および前記ブームシ
リンダ16,アームシリンダ17,ショベルシリンダ1
8等を油圧駆動する圧油を供給する油圧ホース(いずれ
も図示しない)は、アーム10およびブーム9に沿って
設けられ、この油圧ホースは旋回台5上に設けたコント
ロールバルブ21に接続され、このコントロールバルブ
21には後述の油圧ショベル110から油圧ホースを介
して圧油が供給されるようになっているが、このかわり
に旋回台5上にエンジン駆動のパワーユニットを設けて
用いてもよい。
【0027】旋回台5上には、旋回中心軸線Pから離れ
た位置に、オペレータが座る座席シート22、およびこ
のオペレータにより操作される操作レバー23が設けて
あり、この操作レバー23の操作によりコントロールバ
ルブ21を介して上記掘削具11等の油圧式の掘削具お
よび各油圧シリンダおよび旋回台駆動用の油圧モータ8
を駆動して、立穴101の壁面の所望位置を掘削できる
ようになっている。
【0028】一方25は、旋回台5の旋回中心軸線Pと
同芯に設けた受圧部材で、図3にも示すように、旋回台
5に下端部を固着した基管26にボールジョイント27
を介して延長パイプ35を接続して成り、延長パイプ3
5の上端部には、後述のテレスコピックアーム120の
先端部122がピン連結されるブラケット状の連結部3
6が設けてある。
【0029】ボールジョイント27のボール28を収容
するブロック部29は、基管26にボルト締めにより取
付けられ、ボール28を軸部30を介して固着保持する
ボール保持部31は、延長パイプ35の下端部に嵌脱さ
れる嵌合部32を有し、この嵌合部32および延長パイ
プ35の下端部管壁を貫通して挿脱される連結ピン33
により、ボール保持部31は延長パイプ35の下端部に
着脱自在に取付けられるようになっている。
【0030】そしてこの取付状態においては、上記ボー
ルジョイント27によって、基管26部(従って旋回台
5)と延長パイプ35とは、旋回中心軸線Pのまわりに
相対回転が自由であり、また延長パイプ35は旋回中心
軸線Pに対して小角度傾斜が可能であり、これによって
後述の穴底へ載置された状態の脚体2の傾斜を吸収し
て、旋回台5を延長パイプ35を介してほぼ鉛直方向に
下向きに押圧できるようになっている。
【0031】次に図5は第2例の掘削装置である走行式
の掘削装置40を示し、支持体であるクローラ式の走行
体41上に旋回自在に支持した旋回台42に、ブーム4
3を起倒自在に支持し、このブーム43の先端部にアー
ム44を回動自在に支持したミニショベル45におい
て、アーム44の先端部に前記第1例と同じ掘削具1
1,20やバケット46を交換自在に取付け、また旋回
台42の旋回中心部に、前記第1例と同じ受圧部材25
を設けたものであり、図1と同一または相当部分には同
一符号を付して、それらの部分の詳細な説明は省略す
る。
【0032】オペレータ用の座席シート47および操作
レバー48は、第1例と同様に旋回台42の旋回中心軸
線Pに対してオフセットした位置に設けてあり、掘削具
11,20等の油圧駆動および前後・上下駆動は、ミニ
ショベル用として旋回台42上に設けられた油圧パワー
ユニット49およびコントロールバルブからの圧油によ
りおこなう点、および走行体41により走行できる点が
前記第1例と異なり、この走行体41の走行により掘削
具11,20等の移動範囲が広くなっている。
【0033】次に図6〜図9は、第3例の掘削装置であ
る発破穴用の掘削装置50を示し、51は支持体である
基台で、基板52の一端部に箱体状の支持台53を固設
し、他端部に後述の受圧部材80をそなえて成る。54
は支持台53上に水平面内で旋回自在に支持された水平
方向に延びる旋回フレームであり、支持台53に軸受
(図示しない)により旋回中心軸線Qのまわりに旋回自
在に支持され、旋回フレーム54に固設したインタナル
ギヤ55に噛合う駆動ギヤ56を、支持台53に設けた
油圧モータ57により減速機を介して(以下この減速機
に関する記載は省略する)回転駆動することにより、旋
回駆動されるようになっている。
【0034】この旋回フレーム54上には、該フレーム
の長手方向に走行する台車形式の移動台58が設けてあ
り、この移動台58は、油圧モータ59により回転駆動
される駆動スプロケット60と旋回フレーム前部に設け
た従動スプロケット61とに巻掛けたチェーン62によ
り、チェーン駆動されて矢印Y方向に往復駆動される。
63は移動台58に垂直に立設した一対の支柱から成る
ガイド(ガイドセル)で、その下端部は移動台58に立
設したブラケット64にピン連結され、このガイド63
の上部と移動台58とに両端部をピン連結された一対の
控え棒65,65により、垂直状態に保持されている。
【0035】66はガイド63に垂直方向に移動自在に
支持された削孔機で、ガイド63と平行に延びセントラ
ライザ67により回転摺動自在に支持され先端部にビッ
ト68をそなえたロッド69と、ガイド63に摺動自在
に支持されロッド69に回転および打撃を与える削孔用
駆動機(ドリフタ)70とから成る。71は削孔機66
を往復駆動する往復駆動装置で、油圧モータ72により
回転駆動される駆動スプロケット73とガイド下部に設
けた従動スプロケット74とに巻掛けたチェーン75に
より、削孔用駆動機70部を上下駆動するものである
が、この代りに油圧シリンダなどを用いてもよい。
【0036】また76は、支持台53の側部に取付けら
れた穴底部での操作用のバルブユニットで、上記各油圧
モータ57,59,72および削孔用駆動機70などの
各油圧アクチュエータに図示しない油圧ホースにより接
続され、これら各油圧アクチュエータへの給排油の切
替,油流量調節などをおこなう手動操作バルブを組合わ
せて成る。後述の地上に配置した油圧パワーユニット1
41からの圧油供給用のホースをバルブユニット76に
接続し、このバルブユニットの各バルブの操作レバーお
よび調整ダイヤルを手動操作することにより、上記各油
圧アクチュエータの起動・停止及び正逆転切替と速度,
ロッド69の回転数と打撃数などの調整をおこないつ
つ、旋回フレーム54の回動、移動台58の移動、削孔
機66による削孔の各運転をおこなうものである。また
バルブユニット76部には、エア供給用として削孔用駆
動機70にエアホースにより接続されたエア開閉弁が設
けてあり、このエア開閉弁を後述の地上に配置したエア
コンプレッサ142にホース接続した状態で手動操作す
ることにより、削孔用駆動機70内からロッド69の芯
部に設けたエア孔を経てビット68の先端開口部から、
切粉排出用のエアを噴出させるようになっている。
【0037】一方、基板52の他端部に設けた受圧部材
80は、図7および図9に示すように、テレスコピック
アーム120(図14参照)の先端部122がピン連結
されるブラケット状の連結部81を固定取付けした円板
状の支持板82を、基板52上に回動中心軸線Rのまわ
りに回動自在に支持して成り、83はこの回動支持用の
軸受で、その内輪84は基板52に、外輪85は支持板
82に、それぞれ固定取付けされている。また87は基
板52の上面に固設した環状体で、この環状体87と支
持板82には、円周上に多数個の穴88,89が穿設し
てあり、基板52と支持板82を回動中心軸線Rのまわ
りに所望角度相対回動させた状態で、対向位置にある穴
88,89に適数本のピン90を嵌込むことにより、基
板52と支持板82の相対回動を阻止したロック状態と
することができる。91は上板82の下面に回動中心軸
線Rと同心に固着したスパイクピンである。
【0038】次に図10は、第4例の掘削装置である斜
杭穴用の掘削装置95を示し、前記第3例の掘削装置5
0に比べてガイド63とロッド69を短尺のものとし、
控え棒65,65の代わりに油圧シリンダ96,96を
用い、この油圧シリンダ96の油圧配管をバルブユニッ
ト76に接続して、ガイド63を水平面に対する傾斜角
θを調節可能に取付けた点のみが異なるだけで、その他
は前記第3例の掘削装置50と同構成を有するものであ
り、図6と同一又は相当部分には同一符号を付して図示
し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
【0039】次に上記各掘削装置を用いた立坑の掘削工
法を、鉄塔用の深礎基礎の構築に用いる立坑の掘削に適
用した場合の実施の形態を説明する。先ず図11は立坑
100の掘削工程を、工程順に略示するもので、立穴1
01の底面102を深さhだけ中心掘りして立掘穴10
3を形成し、この立掘穴103の壁面103aを掘削し
て直径Dの立穴101とし、この立穴101の掘削壁面
101a部にライナ104を取付け、以下これを繰返し
て(但し深さhは土質に応じて変化する)、直径dの立
坑100を掘進めていき、必要に応じて後述の拡底部1
05を設けて立坑を完成させる。
【0040】図12および図13はこの立坑100の上
部を示し、これらの図において先ず110は、地上に配
置した油圧ショベルで、クローラ式の走行体111の上
に、油圧パワーユニット112および運転室113等を
そなえた旋回台114を旋回自在に支持し、旋回台11
4上にブーム115を起伏自在に支持した周知の構成を
有するものである。116はブーム115起伏駆動用の
油圧シリンダである。120は油圧により伸縮駆動され
るテレスコピックアーム(多段伸縮アーム)で、その基
部121は油圧ショベル110のブーム115に取付け
られており、117はその傾動駆動用の油圧シリンダで
ある。
【0041】また図12および図13において106は
立坑100の最上部に形成される柱体部、107はそれ
に続く躯体部であるが、この躯体部107の上部と柱体
部106は、その土質が一般に軟質の表土ないしは土砂
層であるので、軟質層掘削を最も能率よく施工できる通
常の掘削工法により、土質に応じた所定の深さの立穴の
掘削と掘削土砂の搬出とライナ104による掘削壁面の
補強をおこなう。この掘削工法としては、たとえばブー
ム115の先端に図示しないアームを介してバケットを
取付けた油圧ショベル110による掘削、あるいはテレ
スコピックアーム120の先端部122に取付けた図示
しないクラムシェルによる掘削、あるいはその他の工法
のうちから、適宜選択して実施すればよく、また土質が
軟質のため、立掘穴103の壁面に対して手持式のコー
ルピックなどを用いた人力作業で当り取りあるいは仕上
掘りをおこなうことにより、迅速容易に立穴101の掘
削壁面101a部を形成できる。
【0042】躯体部107の上部の掘削が進行して掘削
地盤に軟岩層が現れたら、上記のバケットやクラムシェ
ル等を用いた掘削工法では立掘穴103の掘削効率が低
下するので、たとえば図12に示すようにテレスコピッ
クアーム120の先端部122にアースオーガ130を
垂設状態で取付け、このアースオーガ130により立穴
の地盤108部に所定の間隔で多数本の円柱状の孔13
1を掘削後、アースオーガ130に代えて図示しないク
ラムシェルをテレスコピックアーム120の先端部12
2に取付け、このクラムシェルを地盤108部へ降下さ
せて隣合う各孔131間および孔131近傍部の地盤1
08を切崩し、掘削土砂を上記クラムシェルにより地上
へ搬出するという工法によれば、軟岩層に対しても効率
よく立掘穴103の掘削をおこなうことができる。
【0043】このようにして形成した立掘穴103内
に、図13に示すように前記掘削装置1を搬入し、旋回
台5の旋回中心軸線Pを立穴101のほぼ中心部に位置
させた状態で掘削装置1を底面102上に載置し、テレ
スコピックアーム120の先端部122(詳しくは先端
アームの先端部に取付けた連結具123部)を、受圧部
材25の延長パイプ35上端部の連結部36(図1参
照)にピン124により連結する。なおこの搬入時に
は、受圧部材25における連結ピン33を抜取ってボー
ル保持部31と延長パイプ35を切離しておき、基管2
6にボールジョイント27のみを接続した状態で掘削装
置1を搬入し、延長パイプ35はテレスコピックアーム
120の先端部122に予め連結しておき、テレスコピ
ックアーム120により吊降ろした延長パイプ35の下
端部を、底面102上に載置された掘削装置1の前記ボ
ールジョイント27のボール保持部31に嵌合させ、連
結ピン33により連結するようにしてもよい。
【0044】そしてテレスコピックアーム120および
ブーム115等に沿わせて配管した図示しない油圧ホー
スにより、油圧ショベル110の油圧パワーユニット1
12と掘削装置1のコントロールバルブ21とを接続
し、油圧ショベル110を運転してテレスコピックアー
ム120を伸長方向に加圧し、テレスコピックアーム1
20の先端部122により受圧部材25を介して掘削装
置1を旋回中心軸線P部において下向きに押圧する。
【0045】この押圧状態で座席シート47に着座した
オペレータ(図示しない。以下他の図においても同様と
する。)による操作レバー48の操作により、掘削具1
1の回転駆動およびブーム9,アーム10等を介しての
前後および上下駆動ならびに旋回台5の旋回駆動をおこ
なって、立掘穴103の壁面103aを掘削する。この
とき掘削装置1は、上記のテレスコピックアーム120
により下向きに大きな押圧力F(たとえば2〜3トン)
で立穴101の底面102部に押付けられ保持されてい
るので、このテレスコピックアーム120と底面102
部とによって大きな掘削反力をとりつつ、掘削具11に
より軟岩層からなる立掘穴103の壁面103aを、確
実にかつ能率よく掘削して立穴101の掘削壁面101
aを形成することができるのである。
【0046】上記掘削時においては、受圧部材25はボ
ールジョイント27をそなえているので、旋回台5の旋
回運動時においても、延長パイプ35部は旋回中心軸線
Pのまわりに回転させることなくテレスコピックアーム
120による押圧を支障なく継続して、掘削作業を連続
的におこなうことができる。また掘削具11の前後,上
下,旋回の各位置への移動は、操作レバー48により通
常の油圧ショベルと同様な操作でおこなうことができる
ので、オペレータによる操作も容易で、短時間で掘削作
業をおこなうことができるのである。
【0047】上記掘削により所定直径Dの立穴101が
形成されたら、前記油圧ホースの接続解除、テレスコピ
ックアーム120の先端部122の受圧部材25への連
結解除等、上記掘削開始時と逆の手順で、掘削装置1を
地上部へ吊上げ、掘削土砂はテレスコピックアーム12
0に取付けた図示しないクラムシェルやその他の公知の
装置・方法により立坑外へ搬出し(以下、この排土につ
いては記述を省略する)、次の立掘穴103および立穴
101の掘削をおこなう。
【0048】掘削が進行して掘削地盤に硬岩層が現れた
ら、図14に示すように発破穴用の掘削装置50を立穴
101内に搬入して底面102上に載置し、テレスコピ
ックアーム120の先端部122を受圧部材80の連結
部81にピン連結する。そして地上に配置した油圧パワ
ーユニット141を油圧ホースaにより掘削装置50の
バルブユニット76に接続し、また同じく地上に配置し
たエアコンプレッサ142をエアホースbにより掘削装
置50のバルブユニット76に接続する。
【0049】上記各ホースの接続完了後、前記立穴壁面
掘削時と同様に油圧ショベル110によりテレスコピッ
クアーム120の先端部122により受圧部材80を介
して掘削装置50の基板52部を下向きに押圧し、この
押圧状態でバルブユニット76を操作して、下降駆動さ
れる削孔機66により立穴101の穴底の地盤108部
に発破穴143を削孔し、削孔に伴う切粉は、バルブユ
ニット76を介して供給されるエアにより削孔穴から排
出させる。
【0050】このとき掘削装置50は、上記のテレスコ
ピックアーム120により下向きに大きな押圧力Fで底
面102部に押付けられ保持されているので、前記立穴
壁面掘削時と同様にテレスコピックアーム120と立穴
の底面102部とにより大きな掘削反力をとりつつ、硬
岩層から成る地盤108部に対して、確実にかつ能率よ
く発破穴143の削孔をおこなうことができる。
【0051】また図7に示すように、旋回フレーム54
の旋回中心軸線Qのまわりの旋回駆動、および移動台5
8の矢印Y方向への水平移動、さらに必要に応じてテレ
スコピックアーム120による押圧を一時解除するとと
もに、ピン90を抜取り基板52と支持板82のロック
を一時解除した状態で、基台51を手動操作などにより
側方へ押して、回動中心軸線Rのまわりに矢印r方向に
回動させて、掘削装置50の平面上における向きを変え
ることなどによって、底面102部に所望の間隔で多数
個の発破穴143を順次削孔することができるのであ
る。なお上記矢印r方向への回動後は、ピン90により
基板52と支持板82の回動をロックして、削孔中にお
ける基台51の不時の回動を防止する。
【0052】所望個数の発破穴143削孔後は、上記削
孔開始時と逆の手順でテレスコピックアーム120の引
上げおよび掘削装置50の立坑外への搬出をおこなった
のち、発破工事をおこなえば、テレスコピックアーム1
20および掘削装置50に発破による損傷は何ら生じる
ことはない。
【0053】発破による掘削土砂の排出後、硬岩層に形
成された立掘穴103内には、アーム10の先端部に油
圧ブレーカから成る掘削具20を取付けた掘削装置1を
搬入する。そして掘削具20を用いて前記図13におけ
る立穴壁面掘削時と同様に、テレスコピックアーム12
0による押圧状態で、大きな掘削反力をとりつつ硬岩層
から成る立穴壁面の掘削をおこなうことができる。
【0054】また拡底基礎を構築するために立坑100
の底部を拡底する場合は、先ず図15に示すように立穴
101内に斜杭穴用の掘削装置95を搬入して底面10
2上へ載置し、前記発破穴削孔時と同様に地上に配置し
た油圧パワーユニット141,エアコンプレッサ142
等(図14参照)とのホース接続をおこない、バルブユ
ニット76の操作により油圧シリンダ96を伸縮駆動し
てガイド63(従ってロッド69)の傾斜角θを所望の
角度に調節後、テレスコピックアーム120の先端部1
22により受圧部材80を下向きに押圧した状態で、前
記発破穴削孔時と同様に装置各部を駆動して、前記傾斜
方向に駆動される削孔機66により斜杭穴145の削孔
をおこなう。
【0055】このとき図16に示すように、旋回フレー
ム54の旋回中心軸線Qのまわりの旋回駆動、および移
動台58の矢印Y方向への水平移動、さらに必要に応じ
て前記発破穴掘削時と同様の手順で基台51を回動中心
軸線Rのまわりに矢印r方向に回動させて掘削装置95
の平面上における向きを変えることなどによって、立穴
101の壁面の所望の位置に所望の間隔で多数個の斜杭
穴145を順次削孔することができるのである。
【0056】上記の斜杭穴145の削孔後は、掘削装置
95を搬出し、上記斜杭穴145に斜杭Sを打込んでそ
の端部をライナ104の下部に保持させた後、図17に
示すように、地盤の土質に応じて上記各掘削工法から選
定した工法により掘削形成した立掘穴103内に、土質
に応じた掘削具11あるいは20をアーム10の先端に
取付けた前記掘削装置1を搬入し、前記各工法と同じく
底面102上に載置した掘削装置1の受圧部材25をテ
レスコピックアーム120の先端部122により押圧し
た状態で、立掘穴103の壁面103aを拡径方向に順
次大きく掘削して、拡底部109を形成する。
【0057】テレスコピックアーム120および底面1
02により大きな掘削反力をとりつつ能率よく掘削でき
る点は、上記各掘削時と同様であり、さらに座席シート
47上のオペレータは拡径進行状況を側方から視認しつ
つ掘削できるので、拡底部109を確実容易に形成でき
るのである。上記拡径後、掘削装置1の搬出と排土と必
要部へのライナ104の取付けにより、立坑100は完
成する。
【0058】以上の掘削工法は直径dが3m以下程度の
立坑100の掘削に適しているが、これより大直径の立
坑100の掘削には、前記走行式の掘削装置40を好適
に使用することができる。
【0059】すなわち先ず、図18および図19に示す
ように、土質が軟質の場合の立掘穴103の掘削にも、
掘削装置40は使用することができ、アーム44の先端
にバケット46を取付けた掘削装置40を、他工法によ
り形成した立穴101の底面102上に載置し、テレス
コピックアーム120の先端部122を受圧部材25の
連結部36にピン連結して、テレスコピックアーム12
0により下向きに押圧した状態で、ミニショベル45を
固定位置でミニバックホウとして運転してバケット46
により底面102の約半分の部分を掘下掘削し、その
後、テレスコピックアーム120の押圧および連結を一
時解除し、走行体41の自走により掘削装置40を図1
9に示すように上記工程による掘下穴部151の底面1
51a上に移動載置し、再度テレスコピックアーム12
0により受圧部材25を下向きに押圧した状態でバケッ
ト46により底面102部の残り部分を掘削して、大直
径の立掘穴103を形成することができる。
【0060】このときに大きな掘削反力をとりつつ、能
率よく掘削をおこなえる点は、前記各工法と同じであ
る。また立掘穴103の壁面103a部は、上記のバケ
ット46によって掘削してもよいし、土質が軟質なの
で、手持式のコールピックなどを用いた人力作業で当り
取りあるいは仕上掘りをおこなうのでもよい。
【0061】これに続く立坑の掘削が進行し、大直径の
立穴101の壁面部の掘削時および図20に示す拡径時
には、地盤の土質に応じて掘削具11,20等を選定取
付けした掘削装置40を、立掘穴103の底面上に載置
してテレスコピックアーム120により押圧した状態
で、ブーム43およびアーム44の伸長による掘削具の
前進駆動および旋回台42の旋回駆動により掘削具の届
く範囲内での壁面掘削をおこなったのち、テレスコピッ
クアーム120の接続を一旦解除して走行体41の自走
により掘削装置40を立掘穴底面上の別の位置へ移動
後、テレスコピックアーム120による再押付状態で上
記と同様な壁面の掘削をおこなうことを繰返す。
【0062】上記工程によって大直径の立坑およびその
拡径部を能率よく形成することができ、また掘削装置4
0は自走できるので、掘削装置40の立穴101や立掘
穴103の底面上での移動は、短時間で容易におこなえ
るのである。
【0063】以上は旋回台をそなえた掘削装置1,40
において、受圧部材25を旋回台5,42に設けた場合
について説明したが、図21は上記掘削装置1におい
て、上記受圧部材25のかわりに脚体2に受圧部材16
0を設けた例を示す。すなわち、図21に示すように受
圧部材160は、基管161とこれにボルト締めされ上
端部に前記連結部36をそなえた延長パイプ162とか
ら成り、基管161の下端部は脚体2の支台2a部に固
着され、この基管161は旋回台5の旋回中心部に設け
た穴163を隙間をもって貫通して上方へ延び、この基
管161の上端部に延長パイプ162の下端部がボルト
締めされている。なお図中、旋回台5の脚体2による支
持構造および旋回駆動機構の図示は省略してある。
【0064】この構造の受圧部材160をそなえた掘削
装置においては、旋回台5が旋回しても受圧部材160
は旋回せず固定位置に保持されるので、受圧部材160
は前記のボールジョイント27などを有しない簡潔な構
造とすることができるのである。
【0065】また走行体41をそなえた前記掘削装置4
0にこの受圧部材160を適用する場合には、図5に破
線で示す走行体41のフレーム41aに、基管161の
下端部を固着し、旋回台42の旋回中心部に図21にお
けるのと同じ穴163を設ければよく、この場合も旋回
台42が旋回しても受圧部材160は固定位置に保持さ
れ、受圧部材160は簡潔な構造のもので済む。
【0066】この発明は上記各例に限定されるものでは
なく、たとえば受圧部材とテレスコピックアームの先端
部の連結構造は上記以外のものとしてもよく、また旋回
台の旋回中心部に設ける受圧部材は、上記の様なボール
ジョイントを内蔵しない単純な管材とし、この管材とテ
レスコピックアームの先端部との間にボールジョイント
その他の回転継手を介在させて両者を連結する構成とし
てもよく、さらに受圧部材の一部として用いる延長パイ
プは、複数本直列接続すればテレスコピックアームの長
さが充分でない場合でも深い位置での掘削が可能となる
ものであるが、たとえばテレスコピックアームの長さが
充分であり且つ旋回台上の機器の設置スペースに余裕が
ある場合などは、延長パイプを省略して旋回台の上面近
傍位置で受圧部材とテレスコピックアームの先端部を連
結して押圧するようにしてもよい。
【0067】また斜杭穴用の掘削装置95においては、
複数種類の長さの控え棒を用意しておき、所望の傾斜角
θ(図10参照)に応じた長さの控え棒を、前記油圧シ
リンダ96のかわりにガイド63と移動台58との間に
取付けることにより、ガイド63の水平面に対する傾斜
角を調整するようにしてもよい。
【0068】また請求項1記載の発明の掘削工法は、上
記の旋回台5,42や旋回フレーム54を有しないもの
など、上記以外の構造の掘削装置を用いておこなうこと
もできる。
【0069】またこの発明は、たとえば一般土木工事の
連続基礎など、上記の鉄塔用の深礎基礎以外の各種基礎
を構築する際の立坑の掘削にも適用できるものである。
【0070】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
掘削装置の反力をとるための複雑な装置や掘削前後の煩
雑な工程を必要とすることなく、大きな掘削反力をとり
つつ立穴の掘削をおこなうことができる立坑の掘削工法
および掘削装置が得られる。
【0071】また上記の効果に加えて、請求項2および
請求項4〜7記載の発明によれば、大きな反力をとりつ
つ、立坑の拡底部の形成も確実・容易におこなえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1例を示す掘削装置
の側面図である。
【図2】図1の掘削装置の平面図である。
【図3】図1のA−A線拡大断面図である。
【図4】図1の掘削装置における他形式の掘削具取付状
態を示す部分側面図である。
【図5】この発明の実施の形態の第2例を示す掘削装置
の側面図である。
【図6】この発明の実施の形態の第3例を示す掘削装置
の側面図である。
【図7】図6の掘削装置の平面図である。
【図8】図6の掘削装置の正面図である。
【図9】図8のB−B線拡大断面図である。
【図10】この発明の実施の形態の第4例を示す掘削装
置の側面図である。
【図11】立坑の掘削工程を示す略示縦断面図である。
【図12】立掘穴の掘削方法の一例を示す縦断面図であ
る。
【図13】図1の掘削装置による掘削状態を示す縦断面
図である。
【図14】図6の掘削装置による掘削状態を示す縦断面
図である。
【図15】図10の掘削装置による掘削状態を示す縦断
面図である。
【図16】図10の掘削装置による掘削状態を示す平面
図である。
【図17】図1の掘削装置による拡径部掘削状態を示す
縦断面図である。
【図18】図5の掘削装置による掘削状態を示す縦断面
図である。
【図19】図5の掘削装置による掘削状態を示す要部縦
断面図である。
【図20】図5の掘削装置による拡径部掘削状態を示す
縦断面図である。
【図21】この発明の他の実施形態を示す受圧部材の要
部縦断面図である。
【符号の説明】
1…掘削装置、2…脚体、5…旋回台、9…ブーム、1
0…アーム、11…掘削具、20…掘削具、25…受圧
部材、26…基管、27…ボールジョイント、35…延
長パイプ、36…連結部、40…掘削装置、41…走行
体、42…旋回台、43…ブーム、44…アーム、45
…ミニショベル、46…バケット、50…掘削装置、5
1…基台、54…旋回フレーム、58…移動台、63…
ガイド、66…削孔機、80…受圧部材、81…連結
部、82…支持板、95…掘削装置、96…油圧シリン
ダ、100…立坑、101…立穴、101a…掘削壁
面、102…底面、110…油圧ショベル、115…ブ
ーム、120…テレスコピックアーム、121…基部、
122…先端部、143…発破穴、145…斜杭穴、1
60…受圧部材、161…基管、162…延長パイプ、
163…穴、P…旋回中心軸線。
フロントページの続き (72)発明者 須田 満 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番32号 株式会社トーエネック本店別館内 (72)発明者 下出 和行 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番32号 株式会社トーエネック本店別館内 (72)発明者 早瀬 雄一 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番32号 株式会社トーエネック本店別館内 (72)発明者 辻 八郎 岐阜県岐阜市宇佐南4丁目4番20号 エイ ト工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の深さの立穴の掘削と、その掘削土
    砂の搬出と、掘削壁面のライナによる補強とを繰返して
    掘進めて行く立坑の掘削工法において、支持体上に地盤
    掘削用の掘削具をそなえた掘削装置を、立穴の底面上に
    載置し、 地上に配置された油圧ショベルのブームに基部を支持し
    たテレスコピックアームの先端部によって、前記掘削装
    置を下向きに押圧した状態で、 前記掘削具により地盤の掘削をおこなうことを特徴とす
    る、立坑の掘削工法。
  2. 【請求項2】 前記掘削装置が、支持体上に水平面内で
    旋回自在に支持された旋回台に、前後方向および上下方
    向に移動自在な掘削具をそなえてなり、前記テレスコピ
    ックアームの先端部によって、前記旋回台の旋回中心位
    置において前記掘削装置を下向きに押圧した状態で、前
    記掘削具により立穴の底部または壁面部の掘削をおこな
    うことを特徴とする、請求項1記載の立坑の掘削工法。
  3. 【請求項3】 前記掘削装置が、支持体上に削孔機を削
    孔方向に進退自在に支持してなり、前記テレスコピック
    アームの先端部によって、前記支持体を下向きに押圧し
    た状態で、前記削孔機により発破穴または斜杭穴の削孔
    をおこなうことを特徴とする、請求項1記載の立坑の掘
    削工法。
  4. 【請求項4】 脚体上に旋回台を水平面内で旋回自在に
    支持し、この旋回台に起倒自在に支持したブームの先端
    部にアームの基部を回動自在に支持し、前記アームの先
    端部に掘削具を交換自在に取付けるとともに、前記旋回
    台の旋回中心部に、前記テレスコピックアームの先端部
    による押圧力を受ける受圧部材を設けたことを特徴とす
    る掘削装置。
  5. 【請求項5】 脚体上に旋回台を水平面内で旋回自在に
    支持し、この旋回台に起倒自在に支持したブームの先端
    部にアームの基部を回動自在に支持し、前記アームの先
    端部に掘削具を交換自在に取付けるとともに、前記脚体
    に、前記旋回台の旋回中心部を貫通して上方へ延び前記
    テレスコピックアームの先端部による押圧力を受ける受
    圧部材を設けたことを特徴とする掘削装置。
  6. 【請求項6】 走行体上に旋回自在に支持した旋回台に
    起倒自在に支持されたブームとこのブームの先端部に回
    動自在に支持されたアームをそなえたミニショベルにお
    いて、前記アームの先端部に掘削具を交換自在に取付け
    るとともに、前記旋回台の旋回中心部に、前記テレスコ
    ピックアームの先端部による押圧力を受ける受圧部材を
    設けたことを特徴とする掘削装置。
  7. 【請求項7】 走行体上に旋回自在に支持した旋回台に
    起倒自在に支持されたブームとこのブームの先端部に回
    動自在に支持されたアームをそなえたミニショベルにお
    いて、前記アームの先端部に掘削具を交換自在に取付け
    るとともに、前記走行体のフレームに、前記旋回台の旋
    回中心部を貫通して上方へ延び前記テレスコピックアー
    ムの先端部による押圧力を受ける受圧部材を設けたこと
    を特徴とする掘削装置。
  8. 【請求項8】 基台上に水平面内で旋回自在に支持され
    た旋回フレームと、この旋回フレーム上に水平方向に移
    動自在に支持された移動台と、この移動台に垂直に立設
    されたガイドに沿って往復駆動される削孔機と、前記基
    台上に設けられ前記テレスコピックアームの先端部によ
    る押圧力を受ける受圧部材とを具備したことを特徴とす
    る掘削装置。
  9. 【請求項9】 基台上に水平面内で旋回自在に支持され
    た旋回フレームと、この旋回フレーム上に水平方向に移
    動自在に支持された移動台と、この移動台に、水平面に
    対する傾斜角を調節可能に取付けられたガイドと、この
    ガイドに沿って往復駆動される削孔機と、前記基台上に
    設けられ前記テレスコピックアームの先端部による押圧
    力を受ける受圧部材とを具備したことを特徴とする掘削
    装置。
JP2002120383A 2002-04-23 2002-04-23 立坑の掘削工法および掘削装置 Pending JP2003314185A (ja)

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