JP2003313380A - 熱可塑性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性スチレン系樹脂組成物

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JP2003313380A JP2002125285A JP2002125285A JP2003313380A JP 2003313380 A JP2003313380 A JP 2003313380A JP 2002125285 A JP2002125285 A JP 2002125285A JP 2002125285 A JP2002125285 A JP 2002125285A JP 2003313380 A JP2003313380 A JP 2003313380A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、真空成形性等の成形加工性バランス
に優れると共に、良好な色相を有する熱可塑性スチレン
系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 スチレン系単量体から誘導される構成単
位、シアン化ビニル単量体から誘導される構成単位、他
の共重合可能なエチレン系単量体から誘導される構成単
位、及び多官能性マレイミド系単量体から誘導される構
成単位を、それぞれ特定比率で含有してなる熱可塑性ス
チレン系共重合体を含有する熱可塑性スチレン系樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の熱可塑性ス
チレン系共重合体を含有する熱可塑性スチレン系樹脂組
成物、及び前記共重合体とゴム粒子とを含有するゴム変
性熱可塑性スチレン系樹脂組成物に関する。更に詳しく
は、流動性、真空成形性等の成形加工性のバランスに優
れた熱可塑性スチレン系樹脂組成物及びゴム変性熱可塑
性スチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性スチレン系樹脂は加工成
形性、機械物性などに優れており、特に成形品の外観と
光沢性が良好であることから、電子用品、電気製品及び
自動車の部品等に幅広く用いられている。
【0003】熱可塑性スチレン系樹脂は射出成形、押出
成形、ブロー成形などの成形法により加工されるが、特
殊な成形加工として、例えば真空成形の場合には、ま
ず、押出成形法によりシートを製造し、次いで、このシ
ートを真空成形法によって目的の形状に成形する。その
真空成形性を向上するために使用される熱可塑性樹脂と
しては溶融張力の高いものが要求される。即ち樹脂の分
子量が大きい程、真空成形品の肉厚の均一性及び良好な
寸法安定性を保つことができる。しかし、一般的に樹脂
の分子量を高くすると樹脂の流動性、加工性及び生産性
が低下するのを免れないという問題が生じる。
【0004】これらの問題に対して真空成形性や流動性
等の成形加工性を同時に改良する方法(特開昭59-14991
2号、特開平2-182711号、特開平8-269137号)として、
例えば分岐剤を添加させる方法等が提案されている。し
かしながら添加される分岐剤はジビニル化合物(例えば
ジビニルベンゼン)又は多価のアクリレート等の多官能
性反応単量体であり、製造中に上記の単量体を使うと樹
脂の流動性及び加工性の低下などの欠点は防げるもの
の、架橋を起こしやすく、且つ樹脂が配管に付着してコ
ンタミを形成して生産性を低下するだけでなく樹脂の色
相が悪くなるという問題が生じる。また、この問題は、
この樹脂の生産時間が長くなると(例えば2週間以
上)、一層顕著となる。
【0005】このように、流動性、真空成形性等の成形
加工性バランスに優れると共に、良好な色相を有する熱
可塑性スチレン系樹脂はこれまで見出されていないのが
現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】。本発明の課題は、流
動性、真空成形性等の成形加工性バランスに優れると共
に、良好な色相を有する熱可塑性スチレン系樹脂組成物
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i-1)スチレ
ン系単量体から誘導される構成単位15〜100重量部、(i-
2)シアン化ビニル単量体から誘導される構成単位0〜45
重量部及び(i-3)他の共重合可能なエチレン系単量体か
ら誘導される構成単位0〜40重量部(これらの合計は100
重量部)と、前記(i-1)〜(i-3)の合計100重量部に対し
て0.0005〜1.0重量部の多官能性マレイミド系単量体か
ら誘導される構成単位とを有する熱可塑性スチレン系共
重合体(A)を含有する熱可塑性スチレン系樹脂組成物に
関する。
【0008】また、本発明は、(i-1)スチレン系単量体
から誘導される構成単位15〜100重量部、(i-2)シアン化
ビニル単量体から誘導される構成単位0〜45重量部及び
(i-3)他の共重合可能なエチレン系単量体から誘導され
る構成単位0〜40重量部(これらの合計は100重量部)
と、前記(i-1)〜(i-3)の合計100重量部に対して0.0005
〜1.0重量部の多官能性マレイミド系単量体から誘導さ
れる構成単位とを有する熱可塑性スチレン系共重合体
(A)を連続相とし、ゴム粒子(B)を分散相とするゴム変
性熱可塑性スチレン系樹脂組成物であって、ゴム分の含
有量が1〜40重量%であるゴム変性熱可塑性スチレン系
樹脂組成物に関する。
【0009】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物では、熱可塑性スチレン系共重合体(A)を連続
相とし、ゴム粒子(B)を分散相とすることによって、
熱安定性、耐衝撃性、流動性などに優れ、真空成形加工
に於いて製品の肉厚分布が均一で、また射出成形品の塗
装表面の光沢が均一なゴム変性熱可塑性スチレン樹脂組
成物が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(i-1)
スチレン系単量体としては、例えばスチレン、α-メチ
ルスチレン、p-第三ブチルスチレン、p-メチルスチレ
ン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、2,4-ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチ
レン及びブロモスチレンなどが挙げられるが、スチレン
又はα-メチルスチレンが好ましい。これらのスチレン
系単量体は単独で或いは組み合わせて用いられる。本発
明において、スチレン系単量体は、15〜100重量部、好
ましくは20〜95重量部、更に好ましくは25〜90重量部使
用される。
【0011】本発明において用いられる(i-2)シアン化
ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、α-メチ
ルアクリロニトリルなどが挙げられるが、アクリロニト
リルが好ましい。本発明において、シアン化ビニル系単
量体は、0〜45重量部で、好ましくは2〜40重量部、更に
好ましくは3〜40重量部使用される。
【0012】本発明において用いられる(i-3)他の共重
合可能なエチレン系単量体としては、例えば、アクリル
酸エステル系単量体、メタクリル酸エステル系単量体、
単官能性マレイミド系単量体等が挙げられる。
【0013】ここでアクリル酸エステル系単量体として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、ポリエチレングリコール
ジアクリレートなどが挙げられるが、アクリル酸ブチル
が特に好ましい。
【0014】また、メタクリル酸エステル系単量体とし
ては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル、エチレンジメタクリレート、ネ
オペンチルジメタクリレートなどが挙げられるが、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸ブチルが特に好ましい。
【0015】また、単官能性マレイミド系単量体は単一
のマレイミド官能基を含む単量体で具体例としては、マ
レイミド、N-メチルマレイミド、N-イソプロピルマレイ
ミド、N-ブチルマレイミド、N-ヘキシルマレイミド、N-
オクチルマレイミド、N-ドデシルマレイミド、N-シクロ
ヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-2-メチ
ルマレイミド、N-2,3-ジメチルフェニルマレイミド、N-
2,4-ジメチルフェニルマレイミド、N-2,3-ジエチルフェ
ニルマレイミド、N-2,4-ジエチルフェニルマレイミド、
N-2,3-ジブチルフェニルマレイミド、N-2,4-ジブチルフ
ェニルマレイミド、N-2,6-ジメチルフェニルマレイミ
ド、N-2,3-ジクロロフェニルマレイミド、N-2,4-ジクロ
ロフェニルマレイミド、N-2,3-ジブロモフェニルマレイ
ミド、N-2,4-ジブロモフェニルマレイミド等が挙げられ
るが、N-フェニルマレイミドが特に好ましい。
【0016】更に、他の共重合可能なエチレン系単量体
としては、例えば、アクリル酸系単量体(例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸)の他、マレイン酸無水物、メチル
マレイン酸無水物、フマル酸、イタコン酸などの不飽和
カルボン酸系化合物及びそのエステル系単量体(例えば
ジメチルフマレート、ジブチルイタコネート等)、エチ
レン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、塩化エチレン、塩化ビニリデン、テトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレン、ブタジエン、プロペニルアミン、
イソブチレニルアミン、酢酸ビニル、エチルビニルエー
テル、メチルビニルケトン、トリアリルイソシアヌレー
トなども挙げられる。
【0017】本発明において、他の共重合可能なエチレ
ン系単量体は、0〜40重量部、好ましくは2〜40重量部、
更に好ましくは3〜38重量部使用される。また、係るエ
チレン系単量体は、アクリル酸エステル系単量体、メタ
クリル酸エステル系単量体及びは単官能性マレイミド系
単量体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0018】本発明において、多官能性マレイミド系単
量体とは、マレイミド官能基を2個以上持つ化合物を指
し、例えば2個、3個又は4個のマレイミド官能基化合物
があるが、ビスマレイミド単量体が好ましく、その構造
を化学式(2)に示す。
【0019】
【化1】
【0020】式中、Xは炭素数1〜10のアルキレン基、
アリーレン基、カルボニル基、-SO2-、-SO-、-O-、-O-R
-O-(Rは炭素数2〜10のアルキレン基又はアリーレン基
である)である。
【0021】多官能性マレイミド系単量体の具体例とし
ては、N,N'-4,4'-(3,3'-ジメチルジフェニルメタン)ビ
スマレイミド、N,N'-4,4'-(3,3'-ジエチルジフェニルメ
タン)ビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビ
スマレイミド、N,N'-4,4'-2,2-ジフェニルプロパンビス
マレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルエーテルビスマレイ
ミド、N,N'-3,3'-ジフェニルスルホンビスマレイミド、
N,N'-4,4'-ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N'-
4,4'-ジフェニルスルホキシドビスマレイミド、N,N'-4,
4'-ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N'-1,3-フェニレ
ンジマレイミド等が挙げられるが、N,N'-4,4'-ジフェニ
ルメタンビスマレイミド、N,N'-1,3-フェニレンジマレ
イミドが好ましい。
【0022】本発明において、多官能性マレイミド系単
量体は、0.0005〜1.0重量部、好ましくは0.001〜0.3重
量部、更に好ましくは0.003〜0.1重量部使用される。
【0023】本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組成物
は、(i-1)スチレン系単量体から誘導される構成単位15
〜100重量部、(i-2)シアン化ビニル単量体から誘導され
る構成単位0〜45重量部及び(i-3)他の共重合可能なエチ
レン系単量体から誘導される構成単位0〜40重量部(こ
れらの合計は100重量部)と、前記(i-1)〜(i-3)の合計1
00重量部に対して0.0005〜1.0重量部の多官能性マレイ
ミド系単量体から誘導される構成単位とを有する熱可塑
性スチレン系共重合体(A)を含有する。
【0024】本発明において、熱可塑性スチレン系共重
合体(A)の多官能性マレイミド系単量体から誘導される
構成単位の比率が、前記(i-1)〜(i-3)の合計100重量部
に対して、0.0005重量部以上であれば成形加工時の熱可
塑性樹脂の最大伸長応力が良好となる。一方1.0重量部
以下であれば熱可塑性樹脂の流動性、色相が良好とな
る。
【0025】本発明において、熱可塑性スチレン系樹脂
組成物中に残存する多官能性マレイミド系単量体の量は
100ppm以下が好ましく、より好ましくは60ppm以下で、
更に好ましくは30ppm以下であり、含有しないことが最
も好ましい。かかる多官能性マレイミド系単量体の量
は、原料として用いた単量体の残存量であり、熱可塑性
スチレン系樹脂組成物をテトラヒドロフランに溶解した
溶液を、フレーム検出器付きのガスクロマトグラフィー
(Hewlett Packard社製、シリーズナンバー6890A)で
分析することで得られる。なお、当該含有量の単位は、
熱可塑性スチレン系樹脂組成物の重量を基準とするppm
である。
【0026】組成物中に残存する多官能性マレイミド系
単量体の量が100ppm以下であると、組成物の色相は良好
となる。
【0027】本発明において、熱可塑性スチレン系共重
合体(A)のMZ(Z平均分子量)/MW(重量平均分子量)の
比率は2〜8が好ましく、より好ましくは2.5〜7で、更
に好ましくは3〜6である。MZ及びMWは、示差屈折率検査
及び光散乱検査の二機能を同時に持つゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC、Waters社製)で分析す
ることで測定される。このMZ/MW比率が2〜8であると、
熱可塑性スチレン系樹脂組成物又はゴム変性熱可塑性ス
チレン系樹脂組成物の流動性、色相が良好であり、最大
伸長応力が好適な範囲にある。
【0028】また、本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組
成物は、下記式(1)により算出される分岐比(gM)が0.4
5〜0.95であることが好ましい。 gM=(r2)b/(r2)l 式(1) (r2)b:分岐分子の回転半径 (r2)l:直鎖分子の回転半径 この分岐比は、Waters社のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)で分離されたモル質量(molar mass)
が1×106g/moleの本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組
成物について、Wyatt Technology社の多角レーザー光
散乱(MALLS)法により、サンプルを異なる角度で光散
乱量を測定して各シート層の分子量を算出し、この分子
量に基づいて算出されたものである。一般的には、同じ
分子量の重合体であれば、その分岐比(gM)が小さくな
るとその分岐構造が多くなることを意味する。この分岐
比は、本発明の単量体系においては、多官能性マレイミ
ド系単量体の比率により変動するので、本発明で規定す
る範囲で多官能性マレイミド系単量体の使用量を調節し
て、上記の分岐比を達成することが好ましい。
【0029】本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組成物の
分岐比(gM)は0.45〜0.95が好ましく、より好ましくは0.
5〜0.9で、更に好ましくは0.6〜0.8である。分岐比(gM)
が0.45〜0.95の範囲にあると、組成物の流動性、色相が
良好であり、最大伸長応力が好適な範囲にある。
【0030】本発明の熱可塑性スチレン系共重合体(A)
は、連続塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合に使
用される反応装置により製造することができる。その中
でも連続式塊状重合又は溶液重合が好ましい。前記反応
装置としてはプラグフロー反応装置(PFR)、完全混合式
反応装置(CSTR)、及び静止型混合式反応装置などが挙げ
られる、特に完全混合式反応装置が好ましい。複数の反
応装置を用いる場合、最終の反応装置としてPFRを使う
ことも好ましい。反応装置の数量は1個、2個又は3個以
上の併用ができる。本発明の熱可塑性スチレン系共重合
体(A)の製造方法は原料溶液を連続的に反応装置に仕込
んで反応を行う。この場合、重合開始剤を加えるのが好
ましい。
【0031】本発明の熱可塑性スチレン系共重合体(A)
を製造する時に、通常、重合開始剤を添加するが、その
使用量は0〜1重量部で、好ましくは0.001〜0.5重量部で
ある。重合開始剤には単官能性開始剤又は多官能性開始
剤がある。単官能性開始剤としては、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クミルヒ
ドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ビス−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(B
PICと略称す)、シクロヘキサノンパーオキサイド、2,
2'−アゾービスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビスー
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾー
ビス-2-メチルブチロニトリルなどが挙げられる。これ
らの中でベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイドが好ましい。
【0032】本発明に使用される多官能性開始剤として
は、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン(TX-22と略称す)、1,1−ビス−(t−ブチルパーオ
キシ)ー3,3,5ートリメチルシクロヘキサン(TX-29Aと略
称す)、2,5−ジメチル−2,5−ビス−(2-エチルヘキサ
ノキシパーオキシ)ヘキサン、4−(t−ブチルパーオキ
シカルボニル)−3−ヘキシル−6−[7−(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)へプチル]シクロヘキサン、ジ−
t−ブチルージパーオキシアゼレート、2,5−ジメチル−
2,5−ビスー(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t
−ブチルパーオキシヘキサハイドローテレフタレート
(BPHTHと略称す)、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキシルプロパン、多官能モノパー
オキシカーボネート(例えば米国ATOFINA社の商品名Lup
erox JWE)等が挙げられる。これらの中でTX-29A、BPHT
Hが好ましい。
【0033】上記反応装置を用いる場合の反応温度は20
〜300℃に制御するが、好ましくは60〜250℃、更に好ま
しくは80〜200℃である。反応装置を用いる場合の反応
圧力は1〜10kg/cm2間に制御する。原料溶液の反応器内
に於ける滞留時間は一般的に0.5〜15時間で、好ましく
は1〜10時間である。重合体の分子量をコントロールす
るために連鎖移動剤を使用することができる。その使用
量は0〜2重量部で、好ましくは0.001〜1重量部である。
本発明に使用される連鎖移動剤としては単官能性連鎖移
動剤及び多官能性連鎖移動剤があるが、単官能性連鎖移
動剤としては以下のものが挙げられる。
【0034】1)メルカプタン類:メチルメルカプタ
ン、n−ブチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン(TDMと略称す)、n−
プロピルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t
−オクチルメルカプタン、t−ノニルメルカプタンな
ど。
【0035】2)アルキルアミン類:モノエチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジ−n
−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等。
【0036】3)その他:ペンタフェニルエタン、α−
メチルスチレンダイマー、テルピノレン等 これらの中でn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタンが好ましい。
【0037】また、多官能性連鎖移動剤としては、ペン
タエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネ
ート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプ
トアセテート)、トリメチロールプロパントリス(2-メ
ルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス
(3-メルカプトプロピネート)(略称TMPT)、トリメチ
ロールプロパントリス(6-メルカプトヘキサネート)等
が挙げられる。これらの中でTMPTが好ましい。
【0038】上記の熱可塑性スチレン系共重合体(A)
は、原料溶液を連続的に反応装置に仕込んで反応を行
い、原料溶液に含まれる全単量体の転化率が所定の値に
達した後、反応装置からこの重合体溶液を連続的に取り
出し、揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分
を除去させ、その後、造粒して得られる。揮発装置とし
ては減圧脱揮装置又は押出脱揮装置を使用することがで
き、そしてコンデンサーで未反応の単量体及び揮発成分
を回収し、必要に応じて回収液中の水分を除いてから原
料溶液として再び使うことができる。
【0039】本発明の熱可塑性スチレン系共重合体(A)
を製造する際に用いられる原料溶液は、(i-1)スチレン
系単量体15〜100重量部、(i-2)シアン化ビニル系単量体
0〜45重量部、(i-3)他の共重合可能なエチレン系単量体
0〜40重量部(以上合計100重量部)、及びこれら(i-1)〜
(i-3)の合計100重量部に対して多官能性マレイミド系単
量体0.0005〜1.0重量部、溶媒0〜60重量部を含む。ここ
で、上記(i-1)スチレン系単量体の量は、好ましくは20
〜95重量部、更に好ましくは25〜90重量部である。シア
ン化ビニル系単量体の量は、好ましくは2〜40重量部、
更に好ましくは3〜38重量部である。多官能性マレイミ
ド系単量体の量は、好ましくは0.001〜0.3重量部、更に
好ましくは0.003〜0.1重量部である。
【0040】本発明に使用される原料溶液中のスチレン
系単量体、シアン化ビニル系単量体、他の共重合可能な
エチレン系単量体及び多官能性マレイミド系単量体は前
述の通りであるが、他の共重合可能のエチレン系単量体
については、アクリル酸エステル系単量体、メタクリル
酸エステル系単量体及び単官能性マレイミド系単量体か
ら選ばれる少なくとも1種を含有し、その使用量は0〜40
重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜40重
量部で、更に好ましくは3〜38重量部である。
【0041】原料溶液に使用できる溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、エチルベンゼン、p−キシレン、o−キ
シレン、m−キシレン、ペンタン、オクタン、シクロヘ
キサン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブ
チルケトン等が挙げられる。
【0042】本発明によれば、上記熱可塑性スチレン系
共重合体(A)を連続相とし、ゴム粒子(B)を分散相とす
るゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物であって、ゴ
ム分の含有量が1〜40重量%、好ましくは3〜35重量%で
あるゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物が提供され
る。
【0043】このような本発明のゴム変性熱可塑性スチ
レン系樹脂組成物の製法としては、熱可塑性スチレン系
共重合体(A)の製造過程でゴム成分を添加して反応させ
る方法が挙げられる(以下、同時グラフト法と呼ぶ)。
或いは、ゴム成分(例えば一般ゴム又はゴム状グラフト
共重合体、好ましくはゴム状グラフト共重合体である)
を直接熱可塑性スチレン系共重合体(A)と混合する方法
(以下、グラフトブレンド法と呼ぶ)が挙げられる。同
時グラフト法においては、一般の塊状重合法、溶液重合
法、乳化重合法、又は懸濁重合法などを採用することが
できる。前記ゴム状グラフト共重合体を製造する方法と
しては、乳化重合法、乳化塊状重合法などがあり、乳化
重合法が特に好ましい。
【0044】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物において、ゴム粒子(B)の重量平均粒径は0.05〜1
0μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μm、更に好ま
しくは0.1〜1μmである。
【0045】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物を得るための製法として、以下に二種類の方法に
ついて説明する。
【0046】<方法1:同時グラフト法>方法1は、連
続式塊状重合又は溶液重合反応を用いて本発明のゴム変
性熱可塑性スチレン系樹脂組成物を製造する方法であ
る。方法1で使用できる反応装置としてはプラグフロー
反応装置(PFR)、完全混合式反応装置(CSTR)、及び静
止型混合式反応装置などが挙げられる、特に完全混合式
反応装置が好ましい。また、複数の反応装置を用いる場
合、最終の反応装置としてPFRを使うことも好ましい。
反応装置の数量は1個、2個又は3個以上の併用ができ
る。これら反応装置に、本発明のゴム変性熱可塑性スチ
レン系樹脂組成物の組成を満たす原料(ゴム成分を含
む)を含有する原料溶液を、連続的に仕込んで反応を行
う。反応温度は30〜300℃に制御するが、好ましくは60
〜250℃で、更に好ましくは80〜200℃である。反応圧力
は、通常、1〜10kg/cm2に保持される。一方原料溶液の
反応装置中の滞留時間は0.5〜15時間で、好ましくは1〜
10時間である。重合物の分子量をコントロールするため
に必要に応じて重合開始剤又は連鎖移動剤を使うことが
できる。
【0047】その後、原料溶液に含まれる全単量体の転
化率が所定の値に達した後、反応装置からこの重合体溶
液を連続的に取り出し、揮発装置に導入して未反応の単
量体及び揮発成分を除去させ、この後、造粒して本発明
のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物が得られる。
揮発装置としては減圧脱揮装置又は押出脱揮装置を使用
することができ、そしてコンデンサーで未反応の単量体
及び揮発成分を回収し、必要に応じて回収液中の水分を
除いてから原料溶液として再び使うことができる。
【0048】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物を製造する塊状又は溶液重合反応に使われる原料
溶液は、(i-1)スチレン系単量体15〜100重量部、(i-2)
シアン化ビニル系単量体0〜45重量部、(i-3)他の共重合
可能なエチレン系単量体0〜40重量部(以上合計100重量
部)、並びにこれら(i-1)〜(i-3)の合計100重量部に対し
て0.0005〜1.0重量部の多官能性マレイミド系単量体、
溶媒0〜60重量部及びゴム0.5〜25重量部を含む。ここ
で、上記スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体、
他の共重合可能なエチレン系単量体、多官能性マレイミ
ド系単量体、溶媒及び必要に応じて添加する重合開始
剤、連鎖移動剤に関する使用量及びそれぞれの具体例
は、熱可塑性スチレン系共重合体(A)の製造に用いる原
料溶液で述べたものと同じものが挙げられる。
【0049】ゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物
は、乳化重合法により製造することができる。乳化重合
法の内容については、後記のゴム状グラフト共重合体
(B')の製法と同様な方法であるが、スチレン系単量体、
シアン化ビニル単量体、他の共重合可能なエチレン系単
量体と共に本発明に合致する量の多官能性マレイミド系
単量体を共重合させる点が異なる。
【0050】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物を製造するための塊状又は溶液重合反応におい
て、ゴムとスチレン系単量体、シアン化ビニル単量体等
の単量体との混合溶液が重合の初期段階においてはゴム
相は連続相の状態で存在しているが、ゴムのグラフト重
合反応により、スチレン系単量体、シアン化ビニル単量
体等の単量体の転化率が次第に増加し、且つ、反応系も
攪拌されるに伴って、遂にゴム成分が逆にスチレン系単
量体、シアン化ビニル単量体等の単量体及びその重合体
に囲まれて、分散粒子の状態(分散相)になり、他方、ス
チレン系単量体、シアン化ビニル単量体等の単量体及び
その重合体が連続相になる。最後にゴム変性熱可塑性ス
チレン系樹脂組成物においてゴム粒子相を形成するが、
そのゴム粒子の重量平均粒径は0.05〜10μmが好まし
く、より好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは0.1〜1
μmである。
【0051】方法1に用いられるゴム成分の具体例とし
ては、ジエン系ゴム、ポリオレフィンゴム(例えばエチ
レン−プロピレンゴム)、ポリアクリレート系ゴム、ポ
リシロキサン系ゴム等が挙げられる。ジエン系ゴムと
は、ジエン系単量体成分が重合させてガラス転移温度は
0℃以下である重合体を言う。ジエン系ゴムとしてはブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、クロロブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレンーエチリデンノルボルネンゴ
ム、スチレン−ジエン系ゴム、アクリロニトリル−ジエ
ン系ゴム等が挙げられる。この中で、ブタジエンゴムと
してはハイシス(Hi-Cis)とローシス(Low-Cis)の2
種のポリブタジエンゴムが好ましい。ハイシスゴムは、
そのシス及びビニル基の代表的な重量比がそれぞれ94〜
99%及び0〜5%であり、その他の組成成分はトランスの
構造であって、ムーニ粘度は20〜120の範囲にあり、重
量平均分子量の範囲は100,000〜800,000が好ましい。ロ
ーシスゴムは、そのシス及びビニル基の代表的な重量比
がそれぞれ20〜40%及び6〜20%であり、その他の組成
成分はトランスの構造であって、ムーニ粘度は20〜120
の範囲にあり、重量平均分子量の範囲は100,000〜800,0
00が好ましい。スチレン−ジエン系ゴムの具体例として
は、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン
ジエンゴム等が挙げられ、それはブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体又はテーパー共重合体よりなる組成物の
何れでも良い。スチレン−ブタジエンゴム中のスチレン
の重量比は50重量%以下の範囲が好ましく、その重量平
均分子量は50,000〜600,000が好ましい。上記のゴムに
於いてブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムが
好ましい。
【0052】<方法2:グラフトブレンド法>方法2
は、熱可塑性スチレン系共重合体(A)とゴム状グラフト
共重合体(B')との混合物を混練、押出して本発明のゴム
変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物を製造する方法であ
る。方法2では、通常、熱可塑性スチレン系共重合体
(A)とゴム状グラフト共重合体(B')との混合物を、一般
に使用されているヘンシェルミキサーでドライブレンド
した後に、例えば押出機、ニーダー、又はバンバリーミ
キサー等の混合機により溶融混練することができる。
【0053】ゴム状グラフト共重合体(B')の製法には、
一般の連続式塊状反応、溶液重合反応、乳化重合反応又
は懸濁重合反応を用いることができる。これらのうち、
連続式塊状反応又は溶液重合反応については、連続式塊
状反応又は溶液重合反応によって原料溶液をグラフト重
合反応させてゴム状グラフト共重合体(B')を得ること
ができる。その原料溶液は(i-1)スチレン系単量体15〜1
00重量部、(i-2)シアン化ビニル系単量体0〜45重量部、
(i-3)他の共重合可能なエチレン系単量体0〜40重量部
(以上合計100重量部)、並びにこれら(i-1)〜(i-3)の合
計100重量部に対して、溶媒0〜60重量部及びゴム成分0.
25〜25重量部を含む。この原料溶液には多官能性マレイ
ミド系単量体は、通常、使用せず、使用する場合には本
発明の使用量の下限未満に限られる。またゴム成分の組
成に関する説明は方法1で述べたのと同様である。
【0054】本発明のゴム状グラフト共重合体(B')の
連続塊状又は溶液重合反応において、ゴムとスチレン系
単量体、シアン化ビニル単量体等の単量体との混合溶液
が重合の初期段階においてゴム相は連続相の状態で存在
しているが、ゴムのグラフト重合反応により、スチレン
系単量体、シアン化ビニル単量体等の単量体の転化率が
次第に増加し、且つ、反応系も攪拌されるに伴って、ゴ
ム成分が逆にスチレン系単量体、シアン化ビニル単量体
等の単量体及びその重合体に囲まれて、分散粒子の状態
(分散相)になり、他方、スチレン系単量体、シアン化ビ
ニル単量体等の単量体及びその重合体が連続相になる。
最後に熱可塑性スチレン系樹脂組成物においてゴム粒子
相を形成するが、そのゴム粒子の重量平均粒径は0.05〜
10μmで、好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは0.1
〜1μmである。
【0055】ゴム状グラフト共重合体(B')は乳化重合法
を用いても製造できる。その製法としては、ゴムラテッ
クス40〜90重量部(固形分として)を、スチレン系単量
体15〜100重量%、シアン化ビニル系単量体0〜45重量
%、その他の共重合可能な単量体0〜40重量%の割合か
らなる単量体混合物60〜10重量部と混合し、適切な乳化
剤及び開始剤と必要に応じ、連鎖移動剤を用いてグラフ
ト重合させ、ゴム状グラフト共重合体ラテックスを生成
させ、凝固、脱水、乾燥処理などを施し、目的とするゴ
ム状グラフト共重合体(B')が得られる。
【0056】ゴム状グラフト共重合体(B')はゴムラテ
ックスを用いてグラフト共重合を行うことによって得ら
れる。ゴムラテックスのゴム成分は、方法1で示したゴ
ム成分と同様であり、特に好ましいのはジエン系ゴムで
ある。ジエン系ゴムラテックスの好ましい製造方法は、
乳化重合法によりジエン系単量体(例えばブタジエ
ン)、又はジエン系単量体100〜50重量%をその他の共
重合可能な単量体例えばスチレン、アクリロニトリル、
(メタ)アクリル酸エステルなどの単量体0〜50重量%
と重合させて重量平均粒径0.05〜0.6μmのジエン系ゴ
ムラテックスを形成させる方法、或いは、前記単量体か
ら乳化重合法により重量平均粒径0.05〜0.20μmとなる
小粒径のジエン系ゴムラテックスを得た後、次に、冷凍
法、ホモジナイザー処理法及び添加剤凝集法等により、
この小粒径のジエン系ゴムラテックスを凝集肥大化し、
重量平均粒径0.22〜0.6μmの大粒子径のジエン系ゴム
ラテックスを製造する方法が挙げられる。また、上記添
加剤凝集法により用いられる添加剤としては、酢酸無水
物、塩化水素、硫酸などの酸性物質、塩化ナトリウム、
塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩類、(メタ)アク
リル酸系−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(例
えば、メタアクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体、メ
タアクリル酸−アクリル酸エチル共重合体)などのカル
ボキシル基含有高分子凝集剤が挙げられる。
【0057】本発明において、ゴム変性熱可塑性スチレ
ン系樹脂組成物中のゴム分の含有量は1〜40重量%であ
り、好ましくは3〜35重量%で、更に好ましくは4〜35重
量%で、特に好ましくは6〜30重量%である。ゴム分の
含有量が1〜40重量%であると、ゴム変性熱可塑性スチ
レン系樹脂組成物の流動性及び耐衝撃性などの機械物性
が良い。
【0058】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物においても、残留する多官能性マレイミド系単量
体の量が100ppm以下であることが好ましく、より好まし
くは60ppmで、更に好ましくは30ppm以下であり、含まれ
ていないことが最も好ましい。残留する多官能性マレイ
ミド系単量体の量が100ppm以下であると、ゴム変性熱可
塑性スチレン系樹脂組成物の熱安定性が良くコンタミが
少ない。
【0059】また、本発明のゴム変性熱可塑性スチレン
系樹脂組成物においても、前記した分岐比(gM)が0.45
〜0.95、更に0.5〜0.9で、特に0.6〜0.8であることが、
組成物の流動性、色相の点で好ましい。ただしこの場合
は、分散相であるゴム粒子を組成物から除いたサンプル
により測定が行われる。例えば、同時グラフト法で得ら
れたゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物について分
岐比を測定するには、このゴム変性熱可塑性スチレン系
樹脂組成物を、熱可塑性スチレン系共重合体(A)は溶解
するがゴム粒子は溶解しない溶剤、例えばメチルエチル
ケトンに溶解した後、ろ過等によりゴム粒子を除去し、
次いで溶剤を蒸発除去することにより得られたゴム分を
含まない成分を用いて測定すればよい。
【0060】なお、本発明のゴム変性熱可塑性スチレン
系樹脂組成物におけるMZ及びMWの測定の場合も、上記と
同様にゴム粒子を除去した熱可塑性スチレン系樹脂組成
物を使用する。
【0061】本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂
組成物において、連続相を形成する共重合体(A)中、多
官能性マレイミド系単量体から誘導される構成単位は0.
0005〜1.0重量部で、好ましくは0.001〜0.3重量部、更
に好ましくは0.003〜0.1重量部である。多官能性マレイ
ミド系単量体から誘導される構成単位が0.0005重量部以
上であると、ゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物
は、特に熱可塑性材料とした場合に、真空成形において
肉厚均一性が良好となり、かつ射出成形の場合の塗装の
表面光沢性も良好となる。一方、多官能性マレイミド系
単量体から誘導される構成単位が1.0重量部以下である
と熱可塑性スチレン系樹脂組成物は、特に熱可塑性材料
とした場合に、熱安定性が良好となり、コンタミも少な
く且つ射出成形の場合の塗装の表面光沢性も良好となる
他、重合物の流動性も適度となるため、連続的な重合反
応をスムースに進行できる。
【0062】本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組成物又
はゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物には、必要に
応じて各種の添加剤例えば酸化防止剤、滑剤、紫外線吸
収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、着色剤などを添加で
き、添加の時期は、熱可塑性スチレン系共重合体(A)
又は各組成物の各重合段階又は混練押出段階等、適宜選
択すれば良い。その使用量は100重量部の組成物を基準
にすると、6重量部以下が好ましい。その他の添加剤、
例えば難燃剤、衝撃改質剤なども必要に応じて添加する
ことができ、その使用量は100重量部の組成物を基準に
すると、通常、30重量部以下が好ましい。
【0063】本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組成物又
はゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物には、必要に
応じて熱可塑性スチレン系共重合体(A)以外の各種の重
合体を混合して使用できる。すなわち、ゴム変性の組成
物の場合、連続相が熱可塑性スチレン系共重合体(A)以
外の各種の重合体を含むことができる。これらの重合体
としては、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系共
重合体、アクリロニトリル-スチレン系共重合体、アク
リロニトリル-ブタジエン-アルファメチルスチレン系共
重合体、アクリロニトリル-スチレン-メタアクリル酸メ
チル系共重合体、アクリロニトリル-スチレン-N-フェニ
ルマレイミド系共重合体、スチレン-無水マレイン酸系
共重合体、スチレン-N-フェニルマレイミド系共重合
体、スチレン-アクリル酸メチル系共重合体、アクリル
酸メチル-ブタジエン-スチレン系共重合体、アクリロニ
トリル-ブタジエン-N-フェニルマレイミド-スチレン系
共重合体、アクリロニトリル-アクリレートゴム-スチレ
ン系共重合体、アクリロニトリル-(エチレン-プロピレ
ン系ゴム)-スチレン系共重合体、アクリロニトリル-シ
リコーンゴム-スチレン系共重合体、メタクリル酸メチ
ル系共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリフェニレンエーテル及びその他の重合体が
挙げられる。それらの重合体は単独で或いは組み合わせ
て用いられる。これらその他の重合体の使用量は、100
重量部の組成物に対して80重量部以下が好ましい。
【0064】
【実施例】
【0065】<評価方法>以下の実施例及び比較例で行
った分析方法及び評価方法を示す。
【0066】1.熱可塑性スチレン系樹脂組成物の組成 Nicolet社製(シリーズ番号:Nexus 470)のフーリエ
変換赤外分光計を用いて測定する。熱可塑性スチレン系
樹脂組成物(以下、ゴム変性されたものを含む場合もあ
る)のゴム含有量の単位は重量%である。なお、BMI単
量体から誘導される構成単位については、重合反応中の
原料仕込み量、各単量体転化率及び回収した揮発性成分
に基づき算出する。
【0067】2.残存BMI単量体 熱可塑性スチレン系樹脂組成物をテトラヒドロフラン(T
HF)に溶かして、その溶液をフレーム検出器付きのガス
クロマトグラフィー(Hewlett Packard社製、シリーズ
ナンバー6890A)で分析する。なお、「N.D」は、残存BM
I単量体が検出限界以下(2ppm以下)であることを示す。
【0068】3.MZ及びMW 示差屈折率検査及び光散乱検査の二機能を同時に持つゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、Waters
社製)で分析する。分析条件は以下の通りである。 カラム:KD-806M 検出器:Water RI-2410 移動相:THF(流速1.0cc/min)
【0069】4.分岐比(gM) Waters社のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で分離されたモル質量(molar mass)が1×106g/mole
の熱可塑性スチレン系樹脂組成物について、Wyatt Tec
hnology社の多角レーザー光散乱(MALLS)法により、サ
ンプルを異なる角度で光散乱量を測定して各シート層の
分子量を算出し、それに基づき前記式(1)により分岐比
を算出する。
【0070】5.MI(溶融流動指数) ASTM D-1238により測定する。測定温度220℃、荷重10k
g、単位はg/10minである。
【0071】6.最大伸長応力 最大伸長応力は、図1に示した測定装置により測定す
る。すなわち、図1に示した通り、加熱器10(窒素ガス
加熱)を用いて加熱し、熱い窒素ガスを出口50より排出
させる。毛管レオメーター20の出口の外側に第一ロール
30を取りつけ溶融樹脂90を引出す。その溶融樹脂90を出
口50までに導き出すために第一ロール30とその出口50と
の間に第二ロール40を設置しておき、第一ロール30から
導き出された溶融樹脂90を他のスペーサーに流されない
ように引続き第二ロール40で出口50までに導き出して行
く。この中で、第一ロール30の上にロードセルを設置し
てその引出しの力(Pa)を感応するように当たるが、そ
の引出し力は最大伸長応力と定義する。測定条件として
は、150℃の窒素ガス下において0.1〜0.5リットル/秒
のせん断速度で引張り伸ばす。最大伸長応力は溶融張力
変化の指標であり、その数値が大きくなると溶融張力が
良いことを意味する。
【0072】7.色相 色差計(Nippon Denshoku社製、シリーズナンバーNDJ-
300A)を用いて直接樹脂の色相を測定する。使われる石
英比色セルの寸法は5.5cm×4.0cm×2.4cmである。
【0073】8.熱安定性(ΔYI) 熱可塑性スチレン系樹脂組成物を4.2オンス(117.6g)
容量の射出機(震雄社製)を用いて230℃の射出温度で
射出成形を行う。成形品は直径5センチ、厚さ1/8イン
チの円盤で、その成形品を200℃のオーブンに2時間放置
する。そして色差計(Datacolor Inter
national社製、シリーズナンバーSpectr
aflash 500)を用いて加熱前、後の円盤の黄色指
数(YI)変化を測定し、下記式により熱安定性の指標と
してΔYIを算出する。ΔYI=加熱後のYI−加熱前のYI
【0074】9.肉厚均一性 熱可塑性スチレン系樹脂組成物を一軸押出機(日立造船
社製、直径90mm)を用いて押出温度を235℃で、寸法500
mm×500mm、厚み2mmのシートを製造し、次いで、真空成
形機を用いて、真空成形温度を160℃で、冷蔵庫の内壁
を成形した。該成形品10個所の肉厚を測定し、最大値と
最小値の差を求める。 ○:肉厚均一性が良い、差は0.5mm未満。 ×:肉厚均一性が悪い、差は0.5mm以上。
【0075】10.塗装表面の光沢 熱可塑性スチレン系樹脂組成物を射出機(震雄社製)を
用いて射出温度を230℃で、長さ15cm×幅7cm×厚さ0.3
cmのシートを製造し、次いで、アクリル系塗料を使って
シートの表面に塗装し、塗装表面の光沢を観察する。 ○:塗装表面光沢の均一性が良い。 ×:塗装表面光沢の均一性が悪い、「吸込み」の現象が
ある。
【0076】11.コンタミの数 熱可塑性スチレン系樹脂組成物を10g取り、熱プレス機
を用いて直径200mm、厚さ0.3mmの円形フイルムを製造
し、フイルムのコンタミの数を観察する。
【0077】12.重量平均粒径 熱可塑性スチレン系樹脂組成物の超薄切片を作成して、
染色してから10000倍率の透過型電子顕微鏡を用いて写
真を取る。写真中における粒子を約200〜1000個取り出
してサイズを測定する。その重量平均粒径は下式により
算出することができる。 重量平均粒径=ΣniDi4/ΣniDi3 ただし、niは粒径Diのゴム粒子の数である。
【0078】実施例1〔熱可塑性スチレン系共重合体
(A-1)の製造〕 スチレン単量体68重量部、アクリロニトリル単量体32重
量部、N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド0.02
重量部、エチルベンゼン20重量部、重合開始剤としてベ
ンゾイルパーオキサイド0.02重量部及び連鎖移動剤とし
てt−ドデシルメルカプタン0.2重量部の原料混合液を完
全に溶解させて原料溶液(I)とする。その後、原料溶
液(I)を連続的に第1反応器に仕込む。なお、第1反応
器は、容積が40リットル、反応入口の温度が100℃、反
応圧力が4kg/cm2であった。その原料混合物の転化率が3
0重量%に達した時、第1反応器から混合液を連続的に取
り出しながら、第2反応器に導入する。なお、第2反応器
は、容積が70リットル、反応入口の温度が120℃、反応
圧力が4kg/cm2であった。その原料混合物の転化率が50
重量%に達した時、第2反応器から混合液を連続的に取
り出して揮発装置に導入する。なお、上記の第1、2反応
器は完全混合式重合槽で、原料が反応器内の滞留時間は
2時間である。
【0079】上記第2反応器から混合液を連続的に取り
出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装
置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分
を除去させ、この後、造粒して本発明の熱可塑性スチレ
ン系共重合体(A-1)が得られた。熱可塑性スチレン系
共重合体(A-1)製造の際の反応条件、分析結果及び物
性を表1に示す。
【0080】実施例2〔熱可塑性スチレン系共重合体
(A-2)の製造〕 N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体0.01
重量部に変えた以外は、実施例1と同様な操作方法にて
製造した。熱可塑性スチレン系共重合体(A-2)製造の
際の反応条件、分析結果及び物性を表1に示す。
【0081】実施例3〔熱可塑性スチレン系共重合体
(A-3)の製造〕 スチレン単量体58重量部、アクリロニトリル単量体22重
量部、N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量
体0.01重量部に変え、N-フェニルマレイミド(略称N-PM
I)20重量部を加え、更に、重合開始剤としてベンゾイ
ルパーオキサイドの0.015重量部とTX-29Aの0.005重量部
とを加えた以外は、実施例1と同様な操作方法にて製造
した。熱可塑性スチレン系共重合体(A-3)製造の際の
反応条件、分析結果及び物性を表1に示す。
【0082】実施例4〔熱可塑性スチレン系共重合体
(A-4)の製造〕 スチレン単量体100重量部、N,N'-4,4'-ジフェニルメタ
ンビスマレイミド単量体0.02重量部、エチルベンゼン8
重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.
02重量部及び連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン
0.02重量部の原料混合液を完全に溶解させて原料溶液
(I)とする。上記の原料混合液を三槽直列且つ容量が
100リットルであるプラグフロー反応槽ヘ連続的に仕込
む。反応入口の温度をそれぞれ110℃、130℃及び160℃
に保持し、反応器の圧力をすべて3kg/cm2にし、反応器
内での原料滞留時間を7時間にすることにより、反応槽
の転化率をそれぞれ30重量%、60重量%及び85重量%と
した。
【0083】上記第3反応槽から混合液を連続的に取り
出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装
置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分
を除去させ、この後、造粒して本発明の熱可塑性スチレ
ン系共重合体(A-4)が得られた。この熱可塑性スチレ
ン系共重合体(A-4)は、熱可塑性スチレン系樹脂組成
物となる。熱可塑性スチレン系共重合体(A-4)製造の
際の反応条件、分析結果及び物性を表1に示す。
【0084】比較例1〔熱可塑性スチレン系共重合体
(A-5)の製造〕 N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体を使
わない以外は、実施例1と同様な操作方法にて製造し
た。熱可塑性スチレン系共重合体(A-5)製造の際の反
応条件、分析結果及び物性を表1に示す。
【0085】比較例2 N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体1.5
重量部に変えた以外は、実施例1と同様な操作を行った
が、反応系の粘度が過度に上昇し、反応生成物の色相が
悪くなると共にコンタミが増大し、結局、重合継続が不
能となった。
【0086】
【表1】
【0087】表1中の記号と反応条件は以下の意味であ
る。 ・ST:スチレン ・AN:アクリロニトリル ・N-PMI:N-フェニルマレイミド ・BMI:N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド ・PGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート ・BPO:ベンゾイルパーオキサイド ・TDM:t-ドデシルメルカプタン ・TX-29A:1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン ・反応温度:順に、第1完全混合式反応装置/第2完全混
合式反応装置の温度、又は第1完全混合式反応装置/第2
完全混合式反応装置/第3完全混合式反応装置の温度 ・反応圧力:順に、第1完全混合式反応装置/第2完全混
合式反応装置の圧力、又は第1完全混合式反応装置/第2
完全混合式反応装置/第3完全混合式反応装置の圧力
【0088】実施例5〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-1)の製造〕 スチレン単量体74重量部、アクリロニトリル単量体26重
量部、ブタジエンゴム12重量部、N,N'-4,4'-ジフェニル
メタンビスマレイミド単量体0.02重量部、エチルベンゼ
ン20重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイ
ド0.05重量部及び連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプ
タン0.3重量部の原料混合液を完全に溶解させて原料溶
液(II)とする。上記の原料混合液を四槽直列且つ容量
が45リットルである完全混合連続式反応槽ヘ連続的に仕
込む。反応入口の温度をそれぞれ95℃、100℃、110℃及
び120℃に保持し、反応器の圧力をそれぞれ4.5kg/cm2
4.0kg/cm2、4.0kg/cm2及び4.0kg/cm2に保持し、反応器
内での原料滞留時間を4時間にすることにより、反応槽
の転化率をそれぞれ22重量%、31重量%、45重量%及び
52重量%とした。
【0089】上記第4反応器から混合液を連続的に取り
出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装
置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分
を除去させ、この後、造粒してスチレン系単量体から誘
導される構成単位、シアン化ビニル系単量体から誘導さ
れる構成単位からなる熱可塑性スチレン系共重合体を連
続相とし、ゴム粒子が分散相とする熱可塑性スチレン系
樹脂組成物(C-1)が得られた。その組成物中のゴム粒
子(B)の重量平均粒径は0.81μmであった。ゴム変性熱
可塑性スチレン系樹脂組成物(C-1)製造の際の反応条
件、分析結果及び物性を表2に示す。
【0090】比較例3〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-2)の製造〕 N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体を使
わない以外は、実施例5と同様な操作方法にて製造し
た。そのゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-
2)のゴム粒子(B)の重量平均粒径は0.8μmであった。
ゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-2)製造の
際の反応条件、分析結果及び物性を表2に示す。
【0091】比較例4〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-3)の製造〕 N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体に代
えてPGDAを0.02重量部とした以外は、実施例5と同様な
操作方法にて製造した。ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-3)製造の際の反応条件、分析結果及び物
性を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】表2中の記号は表1と同じであり、反応条
件は以下の通りである。 ・反応温度:順に、第1完全混合式反応装置/第2完全混
合式反応装置/第3完全混合式反応装置/第4完全混合式
反応装置の温度 ・反応圧力:順に、第1完全混合式反応装置/第2完全混
合式反応装置/第3完全混合式反応装置/第4完全混合式
反応装置の圧力 なお、表2では、仕込み量の比率が組成物中の熱可塑性
スチレン系共重合体(A)の構成単量体の比率となる。
【0094】参考例1〔ゴム状グラフト共重合体(D-
1)の製造〕 スチレン単量体72重量部、アクリロニトリル単量体28重
量部、エチルベンゼン20重量部、ブタジエンゴム6.5重
量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.05
重量部及び連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン0.
3重量部の原料混合液を完全に溶解させて原料溶液(III)
とする。上記の原料混合液を四槽直列且つ容量が45リッ
トルである完全混合連続式反応槽ヘ連続的に仕込む、反
応入口の温度をそれぞれ90℃、100℃、110℃及び120℃
に保持し、反応器の圧力をすべて4.0kg/cm2に保持し、
反応器内の原料滞留時間を5時間にすることにより、反
応槽の転化率はそれぞれ23重量%、35重量%、42重量%
及び51重量%となる。
【0095】上記第4反応器から混合液を連続的に取り
出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装
置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分
を除去させ、この後、造粒してゴム状グラフト共重合体
(D-1)(ゴム含量は10重量%、ゴム粒子(B)の重量平均
粒径は0.79μm)が得られた。
【0096】参考例2〔ゴム状グラフト共重合体(D-
2)の製造〕
【0097】
【表3】
【0098】上記表3の配合を65℃の温度で14時間反応
させ、転化率が94%、固形分の含有量が約36%、並びに
重量平均粒径が約0.1μmの合成ゴムラテックスを得
る。
【0099】一方、下記表4に示す成分によりカルボキ
シル基含有高分子凝集剤を製造する。すなわち、下記方
2の配合を75℃の温度で5時間反応させ、転化率が約95
%、pHが6.0のカルボキシル基を含有する高分子凝集剤
のラテックスを得る。
【0100】
【表4】
【0101】次いで、上記カルボキシル基を含有する高
分子凝集剤3重量部(固形分として)を上記合成ゴムラ
テックス100重量部(固形分として)に添加し、pHが8.
5、ゴム粒径が0.31μmの肥大化ゴムラテックスを得
た。次いで、下記表5に示す配合により、前記肥大化ゴ
ムラテックスにスチレン−アクリロニトリル共重合体を
グラフト重合させ、ゴム状グラフト共重合体(D-2)を
製造した。
【0102】
【表5】
【0103】上記の配合により得られたゴム状グラフト
共重合体ラテックスを、塩化カルシウムを用いて凝固
し、脱水後、更に、水分含有量が2重量%以下まで乾燥
させ、ゴム含有量が50重量%、ゴム重量平均粒径が0.31
μmのゴム状グラフト共重合体(D-2)を得る。
【0104】実施例6〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-4)の製造〕 ゴム状グラフト共重合体(D-1)20重量部、ゴム状グラ
フト共重合体(D-2)30重量部、熱可塑性スチレン系共
重合体(A-1)50重量部及びN,N'−エチレンビス(ステア
リルアミド)0.3重量部をヘンシェルミキサーでドライブ
レンドし、更に、シリンダー温度(押出し機の原料槽温
度)を200〜220℃、ダイアダプタ温度を220℃に設定し
た。排気口付きの二軸押出機を用いて溶融混練してペレ
ット状熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-4)を得た。
そのゴム粒子(B)の重量平均粒径は0.36μmであった。
ゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-4)の組
成、分析結果、押出し条件及び物性を表6に示す。
【0105】実施例7〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-5)の製造〕 熱可塑性スチレン系共重合体(A-1)の変わりに、熱可
塑性スチレン系共重合体(A-3)を使用し、且つ二軸押
出機のシリンダー温度を220〜240℃、ダイアダプタ温度
を240℃に変えた以外は、実施例6と同様な操作方法にて
製造した。ゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-
5)の組成、分析結果、押出し条件及び物性を表6に示
す。
【0106】実施例8〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-6)の製造〕 ゴム状グラフト共重合体(D-2)36重量部、熱可塑性ス
チレン系共重合体(A-1)64重量部及びN,N'−エチレン
ビス(ステアリルアミド)0.3重量部をヘンシェルミキサ
ーでドライブレンドし、更に、シリンダー温度を200〜2
20℃、ダイアダプタ温度を220℃に設定した。排気口付
きの二軸押出機を用いて溶融混練してペレット状のゴム
変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-6)を得た。そ
のゴム粒子(B)の重量平均粒径は0.31μmであった。ゴ
ム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-6)の組成、
分析結果、押出し条件及び物性を表6に示す。
【0107】実施例9〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-7)の製造〕 熱可塑性スチレン系共重合体(A-1)の代わりに熱可塑
性スチレン系共重合体(A-3)を使用し、且つシリンダ
ー温度を220〜240℃、ダイアダプタ温度を240℃に変え
た以外は、実施例8と同様な操作方法にて製造した。ゴ
ム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物(C-7)の組成、
分析結果、押出し条件及び物性を表6に示す。
【0108】比較例5〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-8)の製造〕 熱可塑性スチレン系共重合体(A-1)の代わりに熱可塑
性スチレン系共重合体(A-6)を使用した以外は、実施
例6と同様な操作方法にて製造した。ゴム変性熱可塑性
スチレン系樹脂組成物(C-8)の組成、分析結果、押出
し条件及び物性を表6に示す。
【0109】比較例6〔ゴム変性熱可塑性スチレン系樹
脂組成物(C-9)の製造〕 熱可塑性スチレン系共重合体(A-1)の代わりに熱可塑
性スチレン系共重合体(A-6)を使用した以外は、実施
例8と同様な操作方法にて製造した。ゴム変性熱可塑性
スチレン系樹脂組成物(C-9)の組成、分析結果、押出
し条件及び物性を表6に示す。
【0110】
【表6】
【0111】
【発明の効果】本発明の熱可塑性スチレン系樹脂組成物
は、表1に見られる様に、成形加工特性が優れており、
また、本発明のゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物
は、表2、表6に見られる様に、熱安定性、耐衝撃強
度、流動性などの特性が良く、また肉厚均一性及び塗装
表面の光沢均一性等の物性にも優れている。本発明の熱
可塑性スチレン系樹脂組成物及びゴム変性熱可塑性スチ
レン系樹脂組成物は、一般の電子用品、電気製品に適用
する以外、特に冷蔵庫板材としての成形加工に適合す
る。すなわち、本発明は、産業上の利用価値が大きい熱
可塑性スチレン系樹脂組成物及びゴム変性熱可塑性スチ
レン系樹脂組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で最大伸長応力の測定に用いた装置の断
面図。
【符号の説明】
10:加熱器 20:毛管レオメーター 30:第一ロール 40:第二ロール 50:出口 90:溶融樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 25/02 51:04)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i-1)スチレン系単量体から誘導される
    構成単位15〜100重量部、(i-2)シアン化ビニル単量体か
    ら誘導される構成単位0〜45重量部及び(i-3)他の共重合
    可能なエチレン系単量体から誘導される構成単位0〜40
    重量部(これらの合計は100重量部)と、前記(i-1)〜(i
    -3)の合計100重量部に対して0.0005〜1.0重量部の多官
    能性マレイミド系単量体から誘導される構成単位とを有
    する熱可塑性スチレン系共重合体(A)を含有する熱可塑
    性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (i-1)スチレン系単量体から誘導される
    構成単位15〜100重量部、(i-2)シアン化ビニル単量体か
    ら誘導される構成単位0〜45重量部及び(i-3)他の共重合
    可能なエチレン系単量体から誘導される構成単位0〜40
    重量部(これらの合計は100重量部)と、前記(i-1)〜(i
    -3)の合計100重量部に対して0.0005〜1.0重量部の多官
    能性マレイミド系単量体から誘導される構成単位とを有
    する熱可塑性スチレン系共重合体(A)を連続相とし、ゴ
    ム粒子(B)を分散相とするゴム変性熱可塑性スチレン
    系樹脂組成物であって、ゴム分の含有量が1〜40重量%
    であるゴム変性熱可塑性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 下記式(1)により算出される分岐比(g
    M)が0.45〜0.95である請求項1又は2記載の組成物。 gM=(r2)b/(r2)l 式(1) (r2)b:分岐分子の回転半径 (r2)l:直鎖分子の回転半径
  4. 【請求項4】 残存する多官能性マレイミド系単量体の
    含有量が100ppm(重量比)以下である請求項1〜3の何
    れか1項記載の組成物。
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