JP2003313024A - 表面修飾された多孔性シリカおよびその製造方法 - Google Patents

表面修飾された多孔性シリカおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔性シリカの細孔内表面を修飾できる新し
い技術を提供する。 【解決手段】 下記の式(3)で表わされる界面活性物
質、シリカ源、ゾルゲル反応触媒および水を含む反応溶
液を調製してゾルゲル反応を行い、生じた固体をろ過し
た後、乾燥して粉末にし、加水分解触媒を加えた有機溶
媒中に該粉末を分散させて還流することによって多孔性
シリカを製造する。式(3)中、Z1、Z2およびZ3
少なくとも1つはアルコキシ基またはハロゲン原子を表
わし、アルコキシ基またはハロゲン原子でないZ1、Z2
およびZ3はアルキル基を表わし、Yは疎水性の官能基
または原子団を表わし、A’はアミノ酸残基またはその
修飾体を表わし、Xは親水性の官能基または原子団を表
わす。疎水部が除去された式(3)の界面活性物質によ
りシリカの細孔内表面が共有結合を介して修飾されてい
る多孔性シリカが得られる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性シリカに関
し、特に、表面修飾された多孔性シリカを製造するため
の新しい技術に関する。
【0002】
【従来の技術】界面活性物質(界面活性剤)の集合構造
(例えば、棒状ミセル)を鋳型として、その周囲(表
面)で適当なシリカ源を原料としてゾルゲル反応を行わ
せてシリカを合成し、その後に鋳型を除くと、ナノメー
トルサイズの直径を持つ細孔が規則的に並んだ多孔性シ
リカ、所謂、メソポーラスシリカを作製できることが知
れらている。このような多孔性シリカの構造は方向性が
規制された異方性の非常に高い場を形成しているので、
特異的物理現象や化学反応を行うための新規な環境とし
てナノサイエンスやナノテクノロジーの分野から注目を
浴び、学究面および実用面における各種の用途が期待さ
れている。特に、最近は多孔性シリカをそのまま用いる
のではなく、細孔内表面に触媒などの官能基を固定化す
ることによって、多孔性シリカの機能性を飛躍的に向上
させようとする試みが盛んになされている。従来より多
孔性シリカの内部表面を機能性の官能基で修飾する手法
としては下記のものが知られているが問題点も多い。
【0003】a)シリカ合成時に所望の官能基を同じに
固定化する方法:多孔性シリカの合成には、Si(OE
t)4(略称TEOS)やSi(OMe)4(略称TMO
S)などの四官能性の化合物をシリカ源として用いる
が、その際に所望の官能基Rを含むシリカ化合物(RS
i(OEt)3)を混合することによって、官能基Rを導
入する方法が行われている。この場合官能基はシリカ全
体に分散することになり、RSi(OEt)3含率を増や
すと、シリカ骨格を脆弱化する。この手法では、20〜
30%程度しか官能基を導入できないという欠点があ
る。
【0004】b)多孔性シリカを作製した後に表面を修
飾する手法 多孔性シリカを作製した後で、外部から試薬を加えるこ
とによって表面のみを修飾する方法がある。しかしなが
ら、この場合には、孔構造の入口付近のみしか修飾でき
ず、修飾が不均質になることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、如上
の状況に鑑み、多孔性シリカの細孔内表面を高密度で均
一に修飾することのできる新しい技術を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シリカ合成
時の鋳型となる新しいタイプの界面活性物質を設計し、
これを利用することにより上記の目的を達成したもので
ある。かくして、本発明は、下記の一般式(1)で表わ
される修飾基によりシリカの細孔内表面が共有結合を介
して修飾されていることを特徴とする多孔性シリカを提
供するものである。
【0007】
【化6】
【0008】式(1)中、aは1〜3の整数、bはa+
b=3を満たす整数であり、Zは炭素数1〜4のアルキ
ル基を表わし、Xはカチオン性または非イオン性の親水
性官能基または原子団を表わし、Aは下記の式(2)で
表わされるアミノ酸残基またはその修飾体を表わす。
【0009】
【化7】
【0010】式(2)中、Rは−NH−CH−CO−と
ともにアミノ酸残基を構成する官能基または原子団を表
わし、mは1から10の整数である。
【0011】本発明に従えば、さらに、上記の多孔性シ
リカを製造する方法であって、(i)下記の式(3)で
表わされる界面活性物質、シリカ源、ゾルゲル反応触媒
および水を含む反応溶液を調製してゾルゲル反応を行
い、生じた固体をろ過した後、乾燥して粉末にする工
程、および(ii)加水分解触媒を加えた有機溶媒中に前
記粉末を分散させて還流する工程、を含むことを特徴と
する方法が提供される。
【0012】
【化8】
【0013】式(3)中、Z1、Z2およびZ3の少なく
とも1つは炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン
原子を表わし、該アルコキシ基またはハロゲン原子でな
いZ 1、Z2およびZ3はそれぞれ独立して炭素数1〜4
のアルキル基を表わし、Yは脂肪族炭化水素または芳香
族炭化水素から成る疎水性の官能基または原子団を表わ
し、A’は下記の式(4)で表わされるアミノ酸残基ま
たはその修飾体を表わし、Xは上記式(1)に関して定
義したものと同じである。
【0014】
【化9】
【0015】式(4)中、Rは−NH−CH−CO−と
ともにアミノ酸残基を構成する官能基または原子団を表
わし、mは1から10の整数である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に従う多孔性シリカの製造
方法は、既述の式(3)で表わされる新規な界面活性物
質(界面活性剤)を用いることによって実施される。以
下の記述から明らかなように、本発明で用いられるこの
界面活性物質は、シリカ形成時の鋳型と成ると同時に、
シリカの内表面を修飾するという二つの役割を果たすこ
とになる。
【0017】式(3)から理解されるように、本発明に
おいて用いられる界面活性物質は、親水部(親水頭部)
Xと疎水部(疎水尾部)Yとの間にアミノ酸関連残基
A’が導入され、且つ、その親水部側の末端にアルコキ
シシリル基またはハロゲン化シリル基が存在するような
構造から成る。
【0018】すなわち、式(3)中、Z1、Z2およびZ
3の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルコキシ基また
はハロゲン原子を表わし、該アルコキシ基またはハロゲ
ン原子でないZ1、Z2およびZ3はそれぞれ独立して炭
素数1〜4のアルキル基を表わしている。また、式
(3)において、Xは、カチオン性または非イオン(ノ
ニオン)性の親水性官能基または原子団を表わすが、安
定な構造体を得る点からはカチオン性の官能基または原
子団から成るものが好ましい。図1に、式(3)で表わ
される本発明で用いられる界面活性物質の親水部を構成
するのに好ましい官能基または原子団の例を示している
が、これらに限定されるものではない。さらに、本発明
で用いられる式(3)の界面活性物質において、Yは、
界面活性物質の構成成分として従来より知られた各種の
脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基から成る疎水
部を表わす。図2に、本発明で使用される界面活性物質
の疎水部を構成するのに好ましい官能基または原子団の
例を示しているが、これらに限定されるものではない。
【0019】本発明で用いられる式(3)の界面活性物
質においてA’で表わされるアミノ酸関連残基とは、式
(4)から明らかなようにアミノ酸残基、またはその修
飾体である。修飾体とは、生体内でよく見られるような
タンパク質の変化を引き起こすような各種の反応に因り
アミノ酸が変化したものであり、例えば、リン酸化、メ
チル化、アセチル化等に因るものが挙げられる。本発明
に従えば、目的とする生体モデルに応じて、(1)式で
表わされる界面活性物質に導入されているアミノ酸とし
てそのような修飾体を用いることもできる。
【0020】式(4)において、Rは、以上の説明から
も既に明らかなように、式(4)に示す−NH−CH−
CO−とともにアミノ酸残基を構成する官能基または原
子団を表わす。すなわち、Rは、例えば、CH3(アラ
ニンの場合)、CH2Ph(フェニルアラニンの場合:
Phはフェニル基)、(CH3)2CH(バリンの場合)、
(CH3)2CHCH2(ロイシンの場合)、CH2−OH
(セリンの場合)、CH3(OH)CH(トレオニンの場
合)、CH2−SH(システインの場合)等を表わす。
アミノ酸(アミノ酸残基)の数を定めるmは、原理的に
は特に制限はないが、得られるシリカの安定性の点か
ら、一般に1〜10が好ましく、1〜6が特に好まし
い。なお、導入されるアミノ酸(アミノ酸残基)は、必
ずしも同一のアミノ酸でなく、複数種のアミノ酸であっ
てもよく、式(4)はそのような態様も含むものとして
表現している。さらに、導入するアミノ酸は、目的に応
じてL体またはD体のいずれでもよく、L体およびD体
を混合して導入してもよい。
【0021】いずれの場合においても、式(3)に示さ
れるように、アミノ酸残基またはその修飾体A’のC末
端は、酸素原子(O)を介して疎水性の官能基または原
子団(Y)に結合、すなわち、エステル結合を介してY
に結合している。このエステル結合は、後述する還流工
程により加水分解を受けることになる。
【0022】本発明で用いられる如上の界面活性物質
は、既知の合成反応を工夫することにより得られる。す
なわち、概説すれば、式(3)の界面活性物質は、一般
に、次のように合成される。まず、所望のアミノ酸(ま
たはその修飾体)のC末端を脂肪族(または芳香族)ア
ルコールとの反応で対応する脂肪族炭化水素(または芳
香族炭化水素)基を持つエステルとする(O−Y部の導
入)。次に、このアミノ酸のN末端に所望のアミノ酸を
定法のペプチド伸張反応によって逐次的にアミノ酸を縮
合してゆくこの反応により、所望の長さと組み合わせの
ペプチド鎖が形成される(A’部の形成)。さらにペプ
チド鎖のN末端を例えばブロモ酢酸ブロミドのような試
薬との反応でアミド化しブロモ基を導入する。最後に、
ジエトキシメチルシリルプロピルジメチルアミンなどの
適当なアミンによる四級化反応を行い、親水部(X)と
シリル部を導入して、式(3)の界面活性物質を合成す
ることができる。ただし、界面活性物質の合成法はこれ
に限定されるものではなく、組み合わせに応じた手法が
とられる。図3には、本発明において用いられる界面活
性物質として好ましい例を式(3)の表現形式に沿って
示しているが、界面活性物質はこれらに限定されるもの
ではない。
【0023】本発明に従い表面修飾された多孔性シリカ
を製造するには、先ず、如上の式(3)で表わされる界
面活性物質、シリカ源、ゾルゲル反応触媒および水を含
む反応溶液を調製してゾルゲル反応を行わせる。シリカ
源としては、アルコキシド、水溶性珪酸塩、コロイダル
シリカなどの種々のものが使用可能であるが、好ましい
のは、テトラエトキシシラン(オルト珪酸テトラエチ
ル:TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、
メチルトリエトキシシランなどのアルコキシドである。
ゾルゲル反応触媒とは、アルコキシド等のシリカ源を加
水分解し、重縮合させる反応の触媒であり、塩酸のよう
な酸、水酸化ナトリウムのようなアルカリ、アミン等を
使用することができる。
【0024】ゾルゲル反応溶液には、必要に応じて混合
を円滑にするため有機溶媒を添加してもよい。また、ゾ
ルゲル反応は、軽く加熱した後、冷却してゲル生成を促
進するように行ってもよいが、一般的には、20〜30
℃の常温下に実施することができる。反応時間は、一般
に、2〜10時間程度である。
【0025】以上のような工程により、界面活性物質
(界面活性剤)を鋳型として、その周囲(表面)でゾル
ゲル反応が進行してシリカが生成するとともに、界面活
性物質がシリカの表面と反応し共有結合を作る。つま
り、界面活性物質は鋳型を形成すると同時にシリカ内面
を修飾するという二つの役割を同時に果たしていること
になる。この界面活性物質はミセルを形成しているの
で、シリカ骨格自体に侵入していくことはなく表面にの
み結合するので、シリカの内部骨格は壊さない。また、
シリカ内面からの修飾であるので、多孔性シリカ内表面
を事実上100%覆い尽くすことができる。かくして、下
記の一般式(5)で表わされる修飾基によりシリカの細
孔内表面が共有結合を介して修飾されている多孔性シリ
カが得られる。
【0026】
【化10】
【0027】式(5)中、a、b、ZおよびXは既述の
式(1)に関して定義したものと同じであり、A’およ
びYは既述の式(3)に関して定義したものと同じであ
る。図4には、図3の(1)に属する界面活性物質を用
いた場合を例に、シリカ骨格の細孔内表面に界面活性物
質が共有結合を介して固定されている構造が模式的に示
されている(図4のII)。
【0028】ゾルゲル反応により得られる多孔性シリカ
(メソポーラスシリカ)の構造は、使用する界面活性物
質、シリカ源およびゾルゲル反応触媒の種類を含む反応
条件の相違によって異なる。本発明に従えば、界面活性
物質として式(3)のXが第4級アンモニウムイオンを
含むカチオン性官能基または原子団であり、Yが炭素数
12〜18のアルキル鎖であるものを用い、シリカ源と
してアルコキシドを用い、ゾルゲル反応触媒として水酸
化ナトリウムのようなアルカリを用いるゾルゲル反応に
より、安定なキュービック相の多孔性シリカ(図5参
照)が得られることが見出される。一方、同様の界面活
性物質およびシリカ源を用いても、ゾルゲル反応触媒と
して塩酸のような酸を用いると、ヘキサゴナル相の多孔
性シリカ(シリンダー状態の細胞が蜂の巣に配列したシ
リカ)が形成される。また、触媒によらず界面活性剤と
シリカ源の量比を変えることによって、キュービック相
とヘキサゴナル相を作り分けることもできる。ゾルゲル
反応により生成されるこのような多孔性シリカの構造
は、後述する還流工程の後も安定に保持されている(実
施例参照)。
【0029】本発明に従い表面修飾された多孔性シリカ
を製造するには、如上のゾルゲル反応によって得られた
粉末を、次の工程として、加水分解触媒を加えた有機溶
媒中に分散させて還流する。この工程により、式(3)
で表わされる界面活性物質においてA’のC末端とYと
を結合しているエステル結合が加水分解され、Y(疎水
部を構成している脂肪族炭化水素または芳香族炭化水
素)が選択的に除去されて、シリカ内の細孔が拡大され
る。
【0030】かくして、本発明に従えば、既述の式
(1)で表わされる修飾基によりシリカの細孔内表面が
共有結合を介して修飾されている多孔性シリカが得られ
る。式(1)のA(アミノ酸残基)のC末端は、式
(2)に示されるように、加水分解によりカルボキシル
基となっている。図4には、図3の(1)に属する界面
活性物質を用いた場合を例に、シリカ骨格の細孔内表面
に、加水分解により疎水部(長鎖アルキル鎖)が選択除
去された界面活性物質が共有結合を介して固定されてい
る構造が模式的に示されている(図4のIII)。
【0031】本発明に従い界面活性物質の疎水部を選択
除去するための還流工程に用いられる加水分解触媒とし
ては、有機化合物の加水分解の触媒作用をする酸、塩基
または酵素が使用できるが、好ましいのは塩酸である。
また、還流工程において用いられる有機溶媒は、加水分
解触媒を溶解し、且つ、加水分解後に生じる脂肪族炭化
水素または芳香族炭化水素(式(3)のYに由来する)
に対する溶解性も良好なものが好ましい。この点から好
適な有機溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)が挙
げられる。この還流工程に要する時間は、一般に、6〜
12時間程度である。還流終了後は、常法に従い、得ら
れた固体をろ取し、乾燥することにより白色粉末として
生成物を得ることができる。
【0032】以上のようにして本発明に従えば、ナノメ
ートルのオーダーから数十ナノメートルのオーダー(一
般に1〜50nm)の直径の細孔を有する多孔性シリカ
(メソポーラスシリカ)の細孔内表面の全体にわたっ
て、式(1)で一般的に表わされ、また、図4の(II
I)に具体的に例示されるように、外側にアミノ酸また
はペプチド構造を有する修飾基が共有結合を介して強固
に固定されたシリカ構造体が得られる。特に、本発明に
よれば、図5に示されるような、従来のシリカ構造体で
は珍しいキュービック相から成る表面修飾された多孔性
シリカを得ることもできる。このような構造や特性は、
X線回折分析(XRD)、赤外分光法(FT−IR)、
電子顕微鏡、NMRなどの手段を用いて解析することに
より確認することができる(後述の実施例参照)。
【0033】かくして、既述の式(1)であらわされる
修飾基により細孔内表面が修飾された多孔性シリカ(メ
ソポーラスシリカ)は、該修飾基を構成している特定の
アミノ酸またはペプチドと特異的に反応する物質を細孔
内に取り込み吸着させることにより、それらの物質を検
出するセンサー、またはそれらの物質を分離する分離剤
等としての用途が期待される。
【0034】さらに、本発明は、以上のような還流によ
る加水分解後の最終生成物としての多孔性シリカのみな
らず、加水分解により疎水部を除去する前の中間体とし
ても有用な多孔性シリカを提供するものである。すなわ
ち、既述の式(5)で表わされる修飾基によりシリカの
細孔内表面が共有結合を介して修飾されている多孔性シ
リカ(メソポーラスシリカ)も、従来の界面活性物質
(界面活性剤)を鋳型とするメソポーラスシリカとは異
なる有用な特性を示す。従来得られているメソポーラス
シリカでは、鋳型となっている界面活性剤はシリカ骨格
に静電的な相互作用で、固定化されているだけであるの
で、この界面活性剤/シリカのハイブリッドは、安定性
の高いものではない。例えば、薄い酸を含むエタノール
などで洗浄すると界面活性剤は除去される。一方、本発
明により得られるメソポーラスシリカでは、界面活性剤
がシリカ壁に共有結合を介して固定化されるため、この
ような処理では界面活性剤成分は全く除かれない。つま
り、本発明に従い中間体として得られるメソポーラスシ
リカと界面活性剤のハイブリッドは、極めて安定に界面
活性剤の集合構造を保持したものである。界面活性剤の
作る集合構造は、疎水的な生体関連物質を吸着させるの
に適当な場であり、このような構造を極めて安定に保持
したメソポーラスシリカは、疎水性の生体関連物質や毒
物などを選択的に認識、あるいは、除去し得る材料とな
り得る。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の特徴をさらに具体的に明ら
かにするため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例
によって制限されるものではない。なお、本明細書およ
び図面中の化学構造式においては、慣用的な表現法に従
い、炭素原子や水素原子を省略して示していることもあ
る。実施例1:キュービック相メソポーラスシリカの製造 界面活性物質(界面活性剤)として図3の(1)におい
てm=1、R=CH3、n=16に相当する界面活性剤
を用いた。界面活性剤、水、テトラメトキシシラン(T
MOS)、0.5N NaOHを重量比(0.041/1.0/0.0
76/0.27g)すなわち、モル比(界面活性剤/水/TM
OS/NaOH=0.12/141/1/0.27)で混合し、室温
下で約4時間ゾルゲル反応させ、生じた固体をろ過によ
って分離した。このゾルゲル反応の後にろ過によって得
られた固体のXRDパターンを図6(a)に示すが、典
型的なキュービック相のパターンを示している。また、
この固体のFT−IRデータを図7(a)に示すが、界
面活性剤に由来するピークが、2925cm-1(νas(C
H2)、アルキル鎖)、1742cm-1(ν(CO)、エステ
ル)、1685cm-1(ν(CO)、アミド)に見られる。し
たがって、この固体は、界面活性剤がシリカ骨格に共有
結合で固定化されたメソポーラスシリカと界面活性剤の
ハイブリッドである(図4のII)ことが確認された。
【0036】次に、上記のゾルゲル反応後の固体(粉
末)をTHF(20ml)中に分散させ、濃塩酸0.5gを
加えて8時間還流させ加水分解に供した。得られた固体
をろ取し乾燥して白色粉末とした。この加水分解後の固
体(白色粉末)のXRDパターンを図6(b)に示す
が、キュービック相のパターンは保持されていることが
理解される。また、この固体のFT−IRデータを図7
(b)に示すが、アルキル鎖に由来する2925νas(C
H2))付近のピークが消失しているが、1681cm-1(ν
(CO))にアミド結合に由来するピークは保持されてい
る。このことは、加水分解操作によってアルキル鎖部分
のみが除去されていることを意味している。また、1742
cm-1のピークが1734cm-1にシフトしたことも、加水
分解によりエステル部がカルボン酸に変換されたことを
意味している。なお、窒素吸着法によると、如上の加水
分解後の固体生成物は、約1.0 〜 2.0nmの細孔を有し
ていることが示された。このように、還流による加水分
解工程で、界面活性剤のエステル部分が選択的に加水分
解し、アルキル鎖がシリカ骨格外に洗い流され、その結
果、メソポーラスシリカ表面には、共有結合で固定化さ
れたアミノ酸残基が残り、内表面がアミノ酸残基で密に
修飾されたメソポーラスシリカが得られることが確認さ
れた。なお、シリカ骨格自体の安定性を検討するため
に、この固体を500℃で6時間焼成した。それらの結果
を図6(c)と図7(c)に示した。焼成操作によっ
て、界面活性剤の有機成分は除かれたが、キュービック
相のXRDパターンは保持されていた。したがって、得
られたシリカの骨格自体も充分な強度を持つものである
ことが確認できた。
【0037】実施例2:ヘキサゴナル相メソポーラスシ
リカの製造 基本的な操作は、実施例1のキュービック相のメソポー
ラスシリカを作製する場合と同様であるが、ゾルゲル反
応の条件を変えることにより、ヘキサゴナル相メソポー
ラスシリカとそれを修飾したものを得ることができた。
まず、テトラエトキシシラン(TEOS)、水、エタノ
ール、HClをモル比(1/4/3/0.01)で混合し、70
℃で2時間反応させることにより、ゾル液を得た。この
ゾル液と、界面活性剤、水、濃塩酸を重量比(0.20/0.
042/0.82/0.43g)すなわち、最終的なモル比(界面
活性剤/水/TMOS/HCl/エタノール=1/0.13
/127/9/3)で混合し、室温下で約4時間ゾルゲル反応
させ、界面活性剤がシリカ骨格に共有結合で固定化され
たメソポーラスシリカと界面活性剤のハイブリッドを得
た。還流条件下の加水分解によるアルキル鎖(疎水部)
の除去は、実施例1に示したキュービック相の場合と同
様にして行った。XRDパターン(図8)とFT−IR
データ(図9)から、キュービック相と同様なメソポー
ラスシリカの修飾がなされていることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる界面活性物質の親水部を構
成するのに好ましい官能基または原子団の例の化学構造
式を示す。
【図2】本発明で使用される界面活性物質の疎水部を構
成するのに好ましい官能基または原子団の例の化学構造
式を示す。
【図3】本発明で使用される界面活性物質として好適な
例の化学構造式を示す。
【図4】本発明に従い、表面修飾された多孔性シリカ
(メソポーラスシリカ)を作製する過程を界面活性物質
の1例に沿って模式的に示す。
【図5】本発明によって得られるキュービック相の多孔
性シリカの構造を模式的に示す。
【図6】本発明に従い表面修飾されたキュービック相の
多孔性シリカを作製する各過程において測定したX線回
折パターンを示す。
【図7】本発明に従い表面修飾されたキュービック相の
多孔性シリカを作製する各過程において測定したFT−
IRスペクトルを示す。
【図8】本発明に従い表面修飾されたヘキサゴナル相の
多孔性シリカを作製する各過程において測定したX線回
折パターンを示す。
【図9】本発明に従い表面修飾されたヘキサゴナル相の
多孔性シリカを作製する各過程において測定したFT−
IRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部 晃博 千葉県習志野市谷津1−23−23−207 (72)発明者 相田 卓三 東京都文京区本駒込1−11−9−504 Fターム(参考) 4G072 AA25 AA38 AA41 BB05 BB15 GG02 HH28 HH30 JJ47 LL01 QQ09 QQ20 RR05 RR07 4J002 AA001 DJ016 FB096 FB116 FB146 FD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表わされる修飾基
    によりシリカの細孔内表面が共有結合を介して修飾され
    ていることを特徴とする多孔性シリカ。 【化1】 〔式(1)中、aは1〜3の整数、bはa+b=3を満
    たす整数であり、Zは炭素数1〜4のアルキル基を表わ
    し、Xはカチオン性または非イオン性の親水性官能基ま
    たは原子団を表わし、Aは下記の式(2)で表わされる
    アミノ酸残基またはその修飾体を表わす。〕 【化2】 〔式(2)中、Rは−NH−CH−CO−とともにアミ
    ノ酸残基を構成する官能基または原子団を表わし、mは
    1から10の整数である。〕
  2. 【請求項2】 キュービック相を呈していることを特徴
    とする請求項1に記載の多孔性シリカ。
  3. 【請求項3】 Xが第4級アンモニウムイオンを含むカ
    チオン性官能基または原子団であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の多孔性シリカ。
  4. 【請求項4】 請求項1の多孔性シリカを製造する方法
    であって、(i)下記の式(3)で表わされる界面活性
    物質、シリカ源、ゾルゲル反応触媒および水を含む反応
    溶液を調製してゾルゲル反応を行い、生じた固体をろ過
    した後、乾燥して粉末にする工程、および(ii)加水分
    解触媒を加えた有機溶媒中に前記粉末を分散させて還流
    する工程、を含むことを特徴とする方法。 【化3】 〔式(3)中、Z1、Z2およびZ3の少なくとも1つは
    炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を表わ
    し、該アルコキシ基またはハロゲン原子でないZ1、Z2
    およびZ3はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル
    基を表わし、Yは脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素
    から成る疎水性の官能基または原子団を表わし、A’は
    下記の式(4)で表わされるアミノ酸残基またはその修
    飾体を表わし、Xは上記式(1)に関して定義したもの
    と同じである。〕 【化4】 〔式(4)中、Rは−NH−CH−CO−とともにアミ
    ノ酸残基を構成する官能基または原子団を表わし、mは
    1から10の整数である。〕
  5. 【請求項5】 工程(i)において界面活性物質として
    式(3)のXが第4級アンモニウムイオンを含むカチオ
    ン性官能基または原子団であり、Yが炭素数12〜18
    のアルキル鎖であるものを用い、シリカ源としてアルコ
    キシドを用い、ゾルゲル反応触媒として水酸化ナトリウ
    ムまたは塩酸を用いることを特徴とする請求項4に記載
    の多孔性シリカの製造方法。
  6. 【請求項6】 工程(ii)において加水分解触媒として
    塩酸を用い、有機溶媒としてテトラヒドロフランを用い
    ることを特徴とする請求項4または5に記載の多孔性シ
    リカの製造方法。
  7. 【請求項7】 下記の一般式(5)で表わされる修飾基
    によりシリカの細孔内表面が共有結合を介して修飾され
    ていることを特徴とする多孔性シリカ。 【化5】 〔式(5)中、a、b、ZおよびXは上記式(1)に関
    して定義したものと同じであり、A’およびYは上記式
    (3)に関して定義したものと同じである。〕
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