JP2004175793A - 有機修飾基の無機系固体への結合方法 - Google Patents

有機修飾基の無機系固体への結合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多様な有機修飾基を結合させることができる有機修飾基の無機系固体への結合方法を提供すること。
【解決手段】不飽和炭化水素基12と有機修飾基13とを有し一般式(1)で表される有機シラン化合物1と,無機系固体2とを反応させ,有機シラン化合物1における不飽和炭化水素基が結合するSi原子と無機系固体2との間に共有結合を形成させる反応工程を行う。反応工程では,有機シラン化合物1と,無機系固体2とを接触させ加熱することが好ましい。さらに,無機系固体2はシリカであることが好ましい。
【化1】
Figure 2004175793

【選択図】図1

Description

本発明は,多様な有機修飾基を無機系固体に結合させることができる,有機修飾基の無機系固体への結合方法に関する。
従来より,シリカゲルやゼオライト等の固相に有機修飾基を結合させ,その化学的及び物理的特性を変化させる手法が行われていた。このような手法は,クロマトグラフィーの固定相を改質させる方法,又は有機触媒を固相に結合させることにより精密な反応サイトを構築させる方法等として利用されている。このような手法の例としては,例えば化学的に不活性なシリカゲルを固相とし,そのシリカゲル表面のシラノール基に,共有結合にて有機修飾基を結合させる方法等がある。
具体的には,アシロキシシリル基,アミノシリル基,ハロシリル基,又はアルコキシシリル基と所望の有機修飾基とを有する有機化合物を,シリカゲルと反応させる方法がある。この方法において,上記有機化合物は,反応性に富むアシロキシシリル基,アミノシリル基,ハロシリル基,又はアルコキシシリル基を有しているため,シリカゲル表面のシラノール基と反応し,両者の間で新たな共有結合を形成する。その結果,所望の有機修飾基が固相のシリカゲルに結合される。特にアルコキシシリル基を末端に導入した有機化合物を固相に結合させる方法は,1940年代後半の開発以来,半世紀以上に渡って広く用いられてきた。
上記アルコキシシリル基を用いた有機化合物の結合方法は,均一な細孔を有するメソポーラスシリカにも応用された(非特許文献1参照)。具体的には,メソポーラスシリカ(MCM−41)をトリメトキシメルカプトプロピルシランで処理することにより,細孔表面にモノレイヤーのメルカプトプロピル基を導入することが行われた。
しかしながら,上記従来の方法のように,アルコキシシリル基,アシロキシシリル基,アミノシリル基,ハロシリル基等を有する有機化合物を用いる方法においては,固相表面に結合できる有機修飾基が限定されてしまうという問題があった。即ち,上記アルコキシド基,アシロキシシリル基,アミノシリル基,ハロシリル基等を有する有機化合物は反応性に富むため,分子量が大きい有機修飾基を有する有機化合物の場合には,水分を含む空気中で容易に加水分解してしまう。これを防ぐためには,上記有機化合物が有する上記有機修飾基を分子量が小さいもの等に限定しなければならないのである。
一方,このような問題を解決するために,上記無機系固体への結合を二段階で行う方法が検討された。図16には,この具体的な例として,不斉配位子である(R)−又は(S)−2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)を,二段階の反応にてシリカゲルに結合させる例を示している。
即ち,上記した二段階で結合させる方法においては,図16に示すごとく,まず(3−クロロプロピル)トリメトキシシランをシリカゲルに結合する。続いて,結合させた(3−クロロプロピル)トリメトキシシランの末端の塩素原子を標的にして置換反応を行わせる。
しかし,この二段階で結合させる方法では,シリカゲル表面に未反応のクロロ末端が残ってしまうという不具合を生じる。その結果,BINAP等のように触媒活性を有する有機修飾基を結合させて,触媒反応等に用いる場合には,触媒反応時に未反応部分に起因して副反応を生じてしまうおそれがある。そのため,触媒活性を有する有機修飾基を結合させる場合等には,上記二段階で結合させる方法を用いることはできない。
また,上記BINAP等のように上記有機修飾基として触媒等の化学活性を有するものは,高純度の精製が要求される。そして,この精製には,通常シリカゲルを充填剤として用いたクロマトグラフィーが用いられる。
しかし,上記従来のアルコキシシリル基,アシロキシシリル基,アミノシリル基,ハロシリル基等を有する有機化合物は,上記クロマトグラフィーの充填剤と容易に反応してしまうため,クロマトグラフィーによる分離精製を行うことができない。したがって,上記従来の方法においては,クロマトグラフィーを用いずに分離精製ができるように有機化合物の有機修飾基を選定しなければならないという問題があった。
X.Feng,G.E.Fryxell,L.−Q.Wang,A.Y.Kim,J.Liu,K.M.Kemner,"Science",(米国),1997年,276巻,p.923−926
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,多様な有機修飾基を結合させることができる有機修飾基の無機系固体への結合方法を提供しようとするものである。
本発明は,Si原子に不飽和炭化水素基と3つの有機修飾基とを結合させてなる一般式(1)で表される有機シラン化合物と,無機系固体とを反応させ,上記有機シラン化合物における上記Si原子に上記有機修飾基の少なくとも1つを結合させたまま上記Si原子と上記無機系固体との間に共有結合を形成させる反応工程を行うことを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法にある(請求項1)。
Figure 2004175793
{但し,R1〜R3は,いずれもアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基以外の有機修飾基であり,R4〜R8は,水素,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イソプロピル基,ペンチル基,ヘキシル基,シクロヘキシル基,フェニル基(フェニル基のオルト,メタ,パラの置換基は,メチル基,エチル基,メトキシ基,エトキシ基,ヒドロキシ基,メルカプト基,イソプロピル基,フェニル基のいずれかである。)のいずれかである。}
本明細書及び特許請求の範囲において,上記不飽和炭化水素基は,下記の一般式(6)で表されるものである。一般式(6)において,R4〜R8は,水素,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イソプロピル基,ペンチル基,ヘキシル基,シクロヘキシル基,フェニル基(フェニル基のオルト,メタ,パラの置換基は,メチル基,エチル基,メトキシ基,エトキシ基,ヒドロキシ基,メルカプト基,イソプロピル基,フェニル基)のいずれかである。
Figure 2004175793
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の上記反応工程においては,不飽和炭化水素基を有する上記有機シラン化合物と無機酸化物よりなる無機系固体とを反応させている。
そのため,上記反応工程においては,上記有機シラン化合物の上記Si原子から上記不飽和炭化水素基が脱離すると共に,上記Si原子と上記無機系固体との間で新たな共有結合を形成することができる。その結果,上記有機シラン化合物が有する所望の有機修飾基を上記無機系固体に結合させることができる。
また,本発明においては,上記有機シラン化合物として,不飽和炭化水素基を有するものを用いており,また上記一般式(1)におけるR1〜R3は,いずれもアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基ではない。そのため,上記有機シラン化合物は,空気中で加水分解を起こすことがなく,上記従来の方法のように有機修飾基を特定なものに限定する必要もない。
さらに,上記のように不飽和炭化水素基を有する有機シラン化合物は,クロマトグラフィー等の充填剤等と反応することがほとんどない。そのため,上記有機シラン化合物は,その有機修飾基の種類にほとんど影響されることなく,クロマトグラフィー等により高純度の精製を容易に行うことができる。それ故,100%の純度にて合成できない有機シラン化合物であっても,クロマトグラフィー等の精製によりその純度を容易に上げることができるので,上記従来の方法のようにクロマトグラフィーによる精製が可能となるように有機修飾基を選定する必要がない。即ち,上記有機修飾基の種類にほとんど影響されることなく,上記有機シラン化合物を上記無機系固体に結合させることができる。
また,上記従来の方法のように二段階にて結合させる必要がなく,所望の有機修飾基を有する有機シラン化合物を用いて,1段階で上記有機修飾基を上記無機系固体に結合することができる。そのため,反応プロセスが簡単になると共に,上記した従来の二段階の結合を行うことによって生じる,上記副生成物の問題を回避することができる。
このように,本発明によれば,多様な有機修飾基を結合させることができる有機修飾基の無機系固体への結合方法を提供することができる。
本発明において,上記一般式(1)における上記R1〜R3は,いずれもアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基ではない。上記R1〜R3がアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基である場合には,上記一般式で表される有機シラン化合物が空気中にて加水分解を起こし易くなるおそれがある。また,シリカゲル等のクロマトグラフィー等の充填剤と室温で反応し易くなるため,精製が困難になるおそれがある。
上記R1〜R3を構成する有機修飾基としては,上記アシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基以外であれば,原則いかなる有機修飾基をも採用することができる。
また,上記一般式(1)において,R4〜R8は,水素,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イソプロピル基,ペンチル基,ヘキシル基,シクロヘキシル基,フェニル基(フェニル基のオルト,メタ,パラの置換基は,メチル基,エチル基,メトキシ基,エトキシ基,ヒドロキシ基,メルカプト基,イソプロピル基,フェニル基のいずれかである。R4〜R8がこれら以外の場合には,上記反応工程において,上記不飽和炭化水素基が脱離し難くなり,上記有機シラン化合物の上記Si原子と上記無機系固体との間に新たな結合が形成され難くなるおそれがある。
また,上記無機系固体としては,例えばシリカ,ゼオライト,アルミナ,チタニア,メソ多孔体,多孔質ガラス等の無機酸化物等よりなるものがある。好ましくは多孔体のものがよい。この場合には,上記無機系固体の表面積が大きくなるため,より多くの上記有機修飾基を結合することができる。また,上記多孔体としては,メソポーラスシリカゲル,アモルファスシリカゲル等がある。特に好ましくは,後述するごとく,メソ多孔体がよい。
また,上記有機シラン化合物は,上記不飽和炭化水素基がアリル基よりなる一般式(2)で表される化合物であることが好ましい(請求項2)。この場合には,上記有機シラン化合物がアリル基を有しているので,上記有機シラン化合物は,その立体障壁が小さくなる。これにより,例えばシラノール基を有する上記無機系固体と上記有機シラン化合物とを反応させる場合において,該有機シラン化合物のアリル基末端へのプロトン化と続いて起こるシリカゲル表面のシラノール酸素原子の求核攻撃が容易になるという効果をさらに得ることができる。
Figure 2004175793
(但し,R1〜R3は,いずれもアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基以外の有機修飾基である。)
また,上記反応工程では,上記有機シラン化合物と,上記無機系固体とを接触させ加熱することが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記有機シラン化合物と上記無機系固体とを効果的に反応させ,上記有機修飾基を上記無機系固体に容易に結合させることができる。
上記無機系固体はシリカであることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記有機シラン化合物とシリカとが反応し,上記有機シラン化合物のSi原子とシリカとの間に安定な結合を形成することができる。
次に,上記無機系固体は,その表面の少なくとも一部にシラノール基を有していることが好ましい(請求項5)。
この場合には,上記有機シラン化合物におけるSi原子と上記シラノール基(≡S−OH)の酸素原子との間で,安定なSi−O−Si結合が形成され易くなる。また,上記有機シラン化合物は,上記シラノール基と加熱により容易に反応することができる。そのため,上記有機シラン化合物の有機修飾基を,上記無機系固体に容易に結合させることができる。
上記有機シラン化合物とシラノール基との反応は,下記に示す反応機構によって進行すると推定される。図3にその一例を示す。
図3に示すごとく,上記無機系固体表面の酸性シラノールプロトンは,上記有機シラン化合物が上記不飽和炭化水素基としてアリル基を有する場合におけるアリル基の末端の炭素原子に付加し,β−silylcation中間体を形成する。この中間体にシラノール酸素原子が求核攻撃し,プロペンが脱離される。このようにして,シラノール基の酸素原子と上記有機シラン化合物のSi原子との間に新たな共有結合が形成され,有機修飾基が結合される。
また,上記反応機構は,例えばトルエン中で還流する高温条件では反応するが,室温では反応しない。そのため,上記有機シラン化合物を含む化合物を精製する際には,シリカゲルを充填剤としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いることも可能である。
次に,上記無機系固体は,1〜30nmの中心細孔直径を有するメソ多孔体よりなり,該メソ多孔体のX線回折パターンは,1nm以上かつ30nm以下のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを示すことが好ましい(請求項6)。
この場合には,上記無機系固体は,その表面積が大きくなっているため,多くの有機修飾基を結合することができる。さらに,上記中心細孔直径及び上記範囲のd値に相当する回折角度にピークを有するメソ多孔体は,比較的分子径の大きな有機シラン化合物であっても容易にその細孔内に入れることができる。そのため,上記有機シラン化合物は上記無機系固体の細孔内まで均一に接触することができ,上記無機系固体の表面全体に上記有機修飾基を均一に結合させることができる。
また,上記メソ多孔体は,例えば触媒反応の基質等に対しても高い吸着性を示すことができる。そのため,上記有機修飾基として触媒活性を有するものを用いてこれを上記無機系固体に結合させた場合には,この有機修飾基が結合した細孔内に,触媒の基質となる物質が充分に高濃度で導入されて反応速度に優れたものが得られる。さらに,このように微細な細孔内においては細孔壁からのファンデルワールス力が重なって3次元的に作用することによって強いポテンシャル場が形成される。そして,このポテンシャル場によって触媒反応はさらに向上する。
また,この場合には,上記無機系固体は,細孔が1nm以上の間隔で配列した規則的な構造を有する。そのため,上記無機系固体は,上記有機修飾基を充分かつ規則的に結合させることができる。
このようなメソ多孔体としては,トンネル状の細孔構造(2次元ヘキサゴナル構造)を有するFSM(或いはFSM−16),MCM−41,SBA−15,3次元チャネル構造(キュービックIa−3d構造)を有するMCM−48,3次元構造でかつキュービックPm−3n構造のSBA−1,SBA−16,KIT−1,及びラメラ構造のMCM−50等がある。このうち,FSMは,層状シリケート物質を原料に界面活性剤を作用させて合成され,細孔直径は1.5〜10nmの範囲で制御することができる。また,SBA−15はテトラエトキシシランを原料にトリブロックコポリマ界面活性剤を作用させて合成され,細孔直径は4〜30nmの範囲で制御できる。
上記メソ多孔体の中心細孔直径が1nm未満の場合には,結合可能な有機修飾基がその分子径の大きさにより選別されてしまうおそれがある。また,充分な有機修飾基を結合させることができないおそれがある。
一方,30nmを超える場合には,上記多孔体の細孔分布の均一さが低下し,また細孔の構造が不規則となるおそれがある。そのため,有機修飾基として触媒活性のあるものを用いるとき,上記のような触媒反応の向上という効果を得ることができないおそれがある。
上記中心細孔直径とは,細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径をいう。なお,細孔径分布曲線は,下記の方法により求めることができる。
即ち,多孔体を液体窒素温度(−196℃)にて冷却し,窒素ガスを導入して,定容量法または重量法によりその吸着量を求め,次いで導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ,各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし,吸着等温線を作製する。この吸着等温線を用いて,Cranston−Inklay法,Pollimore−Heal法,BJH法等の計算方法により細孔径分布曲線を求めることができる。例えば,細孔径分布曲線における最大ピークが3.00nmにある場合,中心細孔直径は3.00nmとなる。
次に,上記無機系固体は,1〜30nmの中心細孔直径を有するメソ多孔体よりなり,該メソ多孔体は,上記中心細孔直径の±40%以内の細孔直径を有す細孔を,全細孔容積に対して60%以上有することが好ましい(請求項7)。
具体的には,例えば上記中心細孔直径が3.00nmのとき,1.80〜4.20nmの範囲にある細孔の容積の総計が,全細孔容積(ガス吸着法で測定できる上限の50nm以下の孔径を備える細孔全体の容積)の60%以上を占めているということである。さらに換言すれば,上記細孔分布曲線における細孔直径1.80nm〜4.20nmにある細孔の細孔容積の積分値が,曲線の全積分値の60%以上を占めているということである。
この場合には,実質的に細孔直径が充分に均一となるため,上記無機系固体は,その細孔に基づいて所謂モレキュラーシーブとしての機能を発揮することができる。そのため,触媒反応の基質や生成物に対する高い選択性を発揮することができる。そして,このようなメソ多孔体としては,上述のFSMやSBA等がある。
上記メソ多孔体の中心細孔直径は,4〜10nmであることが好ましい(請求項8)
この場合には,上記メソ多孔体が,上記有機シラン化合物に対して高い吸着性を示し,上記有機修飾基が結合しやすくなる。
また,上記有機シラン化合物として触媒活性を有するものを用いてこれを結合させた場合には,上記メソ多孔体が触媒反応の基質に対してもさらに高い吸着性を示し,上記有機修飾基を有する細孔内に基質が充分に高濃度で導入されて反応速度が一層向上する。また,細孔内のポテンシャル場もより大きくなり,反応速度がさらに向上する。
次に,上記一般式(1)におけるR1〜R3は,いずれもアリル基以外の有機修飾基であることが好ましい(請求項9)。
この場合には,上記有機シラン化合物の1分子は,上記無機系固体との間に1つの共有結合を形成することができる。このように,1分子の有機シラン化合物が1つの共有結合を形成して上記無機系固体の表面に結合するため,該無機系固体に結合できる有機シラン化合物の量を増加させることができる。
次に,上記一般式(1)におけるR1〜R3のうちの1つ又は2つは,アリル基であることが好ましい(請求項10)。
この場合には,1分子の有機シラン化合物は,上記無機系固体との間に,2つ又は3つの共有結合を形成することができるようになる。即ち,この場合には,上記有機シラン化合物に結合されている上記不飽和炭化水素基と,アリル基であるR1〜R3のうちの1つ又は2つとが,上記反応工程において脱離し,上記無機系固体との間に共有結合を2つ又は3つ形成することができる。それ故,上記無機系固体と強固に結合することができる。さらに,上記不飽和炭化水素基がアリル基である場合,即ち上記有機シラン化合物が上記一般式(2)で表される化合物の場合には,上記有機シラン化合物は,上記Si原子に結合するアリル基を合計で2つ又は3つ有する。この場合においても,上記反応工程において,1分子の有機シラン化合物は,上記無機系固体との間に,2つ又は3つの共有結合を形成することができるようになる。それ故,上記無機系固体と強固に結合することができる。
例えば,上記一般式(2)におけるR2とR3とがアリル基であり,R1がアリル基以外の有機修飾基である有機シラン化合物と,無機系固体としてシリカゲルとを反応させた場合には,図4に示すごとく,安定なSi−O−Si結合が3つ形成される。
また,上記一般式(1)におけるR1〜R3のうち少なくとも1つ以上は,触媒活性を有する機能性有機基又は金属への配位子であることが好ましい(請求項11)。
この場合には,上記無機系固体に上記機能性有機基が有する触媒活性を持たせることができる。また,上記無機系固体に配位子を結合させることができると共に,該配位子に金属や金属イオンを結合させて触媒活性を持たせることができる。このような配位子としては,例えばBINAP等のように金属原子や金属イオン等と共に不斉反応を触媒する不斉配位子等がある。
次に,上記一般式(1)におけるR1〜R3のうち少なくとも1つ以上は,光学活性なビナフチル誘導体を有していることが好ましい(請求項12)。
この場合には,上記ビナフチル誘導体が有する不斉を制御する特性を,上記無形固体に持たせることができる。
上記ビナフチル誘導体は,例えば(R)−又は(S)−2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)等のように,2つのナフタレン骨格が互いに1及び1’位にて結合した基本骨格からなるものである。そして,上記ビナフチル誘導体は,上記の基本骨格を有するビナフチル誘導体のうち光学活性を有するものである。このような光学活性を有するビナフチル誘導体は,触媒としての金属を配位結合することにより,不斉反応の触媒となることができる。このような金属としては,Pd,Rh,Ru,Ni,Cu,Co,Fe,Pt,Au,Ir,Os,Re等がある。
また,上記ビナフチル誘導体は,一般式(3)で表されることが好ましい(請求項13)。
Figure 2004175793
{但し,R1及びR2は,炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,フェニル基,置換フェニル基(該置換フェニル基は,フェニル基が有する6個の炭素原子のうち1〜5個の炭素に水素原子以外の官能基が結合してなり,それぞれの官能基は同一又は異なっていてもよく,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,低級アルキルアミノ基,ハロゲン化低級アルキル基,及びフェニル基からなる群から任意に選ばれる。),低級アルキルナフチル基,ピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,フルフリル基,ベンゾフルフリル基,チエニル基,又はベンゾチエニル基を示す。}
この場合には,上記一般式(3)で表されるビナフチル誘導体が有する不斉配位子としての優れた機能を上記無機系固体に持たせることができる。
また,上記一般式(3)において,上記炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基としては,例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,i−プロピル基,シクロプロピル基,n−ブチル基,i−ブチル基,s−ブチル基,t−ブチル基,シクロブチル基,n−ペンチル基,シクロペンチル基,n−ヘキシル基及びシクロヘキシル基,n−へプチル基,シクロヘプチル基,n−オクチル基及びシクロオクチル基等がある。また,これらのアルキル基は,ハロゲン原子,フェニル基,又はハロゲン原子,アルキル基等で置換された置換フェニル基等で任意に置換されていても良い。
また,上記低級アルキル基,低級アルコキシ基等の低級とは,アルキル基やアルコキシ基等のうち炭素数の少ないものを意味する。具体的には,低級とは炭素数が1〜10のものをいう。
次に,上記一般式(3)において,R1及びR2の好ましい組み合わせを以下に示す。
(1)R1及びR2の片方あるいは両方がフェニル基。
(2)R1及びR2の片方あるいは両方がp−メチルフェニル基
(3)R1及びR2の片方あるいは両方がp−メトキシフェニル基
(4)R1及びR2の片方あるいは両方がp−トリフルオロメチルフェニル基
(5)R1及びR2の片方あるいは両方がシクロヘキシル基
(6)R1及びR2の片方あるいは両方が3,5−ビス(トリフルオロメチル)基
(7)R1及びR2の片方あるいは両方がキシリル基
(8)R1及びR2の片方あるいは両方がテトラフルオロフェニル基
(9)R1及びR2の片方あるいは両方が3,5−ジ(t−ブチル)基
(10)R1及びR2の片方あるいは両方が3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル基
(11)R1及びR2の片方あるいは両方が3,5−ジ(t−ブチル)−4−メトキシフェニル基
特に,上記(1)の組み合わせのとき,上記一般式(3)は,(R)−又は(S)−2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)となる。そのためこの場合には,様々な基質に対して不斉反応を行うことができるというBINAPの特性を,上記無機系固体に持たせることができる。
また,上記一般式(3)において,2つのナフチル基上の太線で示されている部分は,1及び1’位の結合軸を中心にナフタレン骨格が若干回転し,本明細書の紙面から手前に傾いている様子を示している。これは,例えば上記一般式(3)中の2つのリン原子同士が互いに障壁となる等して,上記一般式(3)における2つのナフタレン骨格間の1及び1’位の結合の回転を阻害すること等により生じるものである。
次に,上記ビナフチル誘導体は,一般式(4)で表されることが好ましい(請求項14)。
Figure 2004175793
{但し,R1及びR2は,炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,フェニル基,置換フェニル基(該置換フェニル基は,フェニル基が有する6個の炭素原子のうち1〜5個の炭素に水素原子以外の官能基が結合してなり,それぞれの官能基は同一又は異なっていてもよく,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,低級アルキルアミノ基,ハロゲン化低級アルキル基,及びフェニル基からなる群から任意に選ばれる。),低級アルキルナフチル基,ピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,フルフリル基,ベンゾフルフリル基,チエニル基,又はベンゾチエニル基を示す。}
この場合には,上記一般式(4)で表されるビナフチル誘導体が有する不斉配位子としての優れた機能を,上記無機系固体に持たせることができる。
上記一般式(4)の上記R1及びR2としては,上記一般式(3)における上記R1及びR2と同様のものを用いることができる。
また,上記一般式(4)において,2つのナフチル基上の太線で示されている部分は,上記一般式(3)と同様に,1及び1’位の結合軸を中心にナフタレン骨格が若干回転し,本明細書の紙面から手前に傾いている様子を示している。
次に,上記ビナフチル誘導体は,一般式(5)で表されることが好ましい(請求項15)。
Figure 2004175793
{但し,R1は,炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,フェニル基,置換フェニル基(該置換フェニル基は,フェニル基が有する6個の炭素原子のうち1〜5個の炭素に水素原子以外の官能基が結合してなり,それぞれの官能基は同一又は異なっていてもよく,ハロゲン原子,低級アルキル基,アルコキシ基,低級アルキルアミノ基,ハロゲン化低級アルキル基,及びフェニル基からなる群から任意に選ばれる。),低級アルキルナフチル基,ピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,フルフリル基,ベンゾフルフリル基,チエニル基,又はベンゾチエニル基を示す。Xは,水素原子,ヒドロキシル基,炭素数1〜20の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,炭素数1〜10の直鎖,分岐若しくは環状のアルコキシ基,又はメルカプト基を示す。}
この場合には,上記一般式(5)で表されるビナフチル誘導体が有する不斉配位子としての優れた機能を,上記無機系固体に持たせることができる。
上記一般式(5)における上記R1としては,上記一般式(3)における上記R1及びR2と同様のものを用いることができる。
また,上記一般式(5)において,炭素数1〜10の直鎖,分岐若しくは環状のアルコキシ基としては,例えば,メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,i−プロポキシ基,シクロプロポキシ基,n−ブトキシ基,i−ブトキシ基,s−ブトキシ基,t−ブトキシ基,及びシクロブトキシ基等がある。これらのアルコキシ基は,ハロゲン原子,フェニル基,又はハロゲン原子,アルキル基等で置換された置換フェニル基等で任意に置換されていても良い。
また,上記一般式(5)において,2つのナフチル基上の太線で示されている部分は,上記一般式(3)と同様に,1及び1’位の結合軸を中心にナフタレン骨格が若干回転し,本明細書の紙面から手前に傾いている様子を示している。
次に,上記ビナフチル誘導体は,該ビナフチル誘導体の5位,5’位,6位,6’位,7位,又は7’位に有機鎖を結合してなり,該有機鎖を介して上記有機シランのSi原子と結合していることが好ましい(請求項16)。
この場合には,上記ビナフチル誘導体は,その不斉配位子としての活性を損なうことなく,上記無機系固体に結合し易くなる。
(実施例1)
次に,本発明の実施例につき,図1〜図11を用いて説明する。
本例においては,図1に示すごとく,不飽和炭化水素基12としてのアリル基と有機修飾基13とを有し上記一般式(2)で表される有機シラン化合物1と,無機系固体2とを反応させる。そして,上記有機シラン化合物1における上記不飽和炭化水素基12が結合するSi原子と上記無機系固体との間に共有結合を形成させる。
特に本例では,後述するように,上記有機シラン化合物1が,上記無機系固体2に結合するときの上記有機シラン化合物の結合量を検討する。そのため,本例では,上記有機シラン化合物として,比較的簡単な構造の(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランを,上記無機系固体としてのメソポーラスシリカゲルに結合させる。
以下,本例の結合方法につき詳細に説明する。
まず,上記無機系固体2として,メソポーラスシリカゲル(FSM−16)を準備した。
本例で用いる無機系固体2は,図2に示すごとく,断面形状が六角形の細孔が規則正しく並んだオーダードメソポーラスシリカである。このオーダードメソポーラスシリカは,有機溶媒中で膨潤せず,ほとんどの溶媒に不溶である等のアモルファスシリカの特徴に加えて,シリカ表面が平らであり,表面積が非常に大きいこと等の優れた特徴を有しているため,担体として非常に優れている。本例では特に細孔径aがa=28ÅのFSM−16を用いた。
次に,上記無機系固体としてのメソポーラスシリカゲル(FSM−16)1gと上記有機シラン化合物としての(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシラン0.89g(5.0mmol)を乾燥トルエン30mlに加え15時間還流を行った(反応工程)。この反応工程においては,図1に示すごとく,上記有機シラン化合物1としての(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランが上記無機系固体2としてのメソポーラスシリカゲルのシラノール基と反応し,このシラノール基に,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシリル基が結合する。
また,上記の反応工程は,図3に示す反応機構によって進行すると推定される。
即ち,図3に示すごとく,上記無機系固体2としてのメソポーラスシリカゲル表面の酸性シラノールプロトンが,上記有機シラン化合物1が有するアリル基の末端の炭素原子に付加してβ−silylcation中間体を形成し,この中間体にシラノール酸素原子が求核攻撃してプロペンが脱離する。このとき,上記シラノール酸素原子と有機シラン化合物のSi原子との間に共有結合が形成されると推定される。
その後,メタノールにて24時間,続いてベンゼンで48時間ソックスレー抽出法により,吸着している未反応の(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシラン0.60gを取り除き,試料E1を得た。この試料E1を0.5mmHg,140℃にて24時間乾燥した。乾燥後の試料E1の質量は1.14gであった。このように,上記有機シラン化合物を担持した無機系固体は,1.14g得られており,本来1.17g得られることから計算すると,97%という高い回収率を示し,weight lossはほとんどなかった。
次に,上記試料E1における(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシリル基の結合量を測定した。この結合量の測定は,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシリル基の末端塩素原子の元素分析により求めた。その結果を表1に示す。
後述する表1より知られるごとく,試料E1中おける(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシリル基の結合量は,上記無機系固体としてのメソポーラスシリカゲル(FSM−16)1g中に1.3mmol/gであった。ここで,上記無機系固体としてのメソポーラスシリカゲルは,その表面積が966m2/gであり,またシラノール基を3.1groups/nm2で結合している。従って,結合に用いた(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランは,シラノール基と等量である。
さらに,上記有機シラン化合物1としての(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランの量,還流時間,及び上記無機系固体の種類を変えて上記試料E1と同様の反応工程を行い,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシリル基を上記無機系固体に結合させ,試料E2〜E6を作製した。各試料E2〜E6の作製条件を表1に示す。
また,上記有機シラン化合物としての(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランの代わりに,(3−クロロプロピル)トリ−2−プロペニルシランを用いて上記試料E1と同様の反応工程を行い,試料E7を作製した。この試料E7の作製条件を表1に示す。
なお,試料E7においては,上記有機シラン化合物として(3−クロロプロピル)トリ−2−プロペニルシランを用いているため,図4に示すごとく,上記有機シラン化合物1分子と上記無機系固体2の表面にある3つのシラノール基とが反応しうる。
続いて,上記試料E2〜E7について,上記試料E1と同様に,上記結合量を測定した。その結果を表1に示す。
なお,表1には各試料を作製したときの有機シラン化合物の種類及び量,還流時間,無機系固体の種類等の条件も示してある。また,表1中のsilicaとしては,100−200メッシュで細孔径が60Åのアモルファスシリカゲルを用いた。また,上記有機シラン化合物の種類については,表2に示す。
次に,アリル基を有する有機シラン化合物を用いて作製した上記試料E1〜試料E7と比較するために,従来の方法であるアルコキシ基を有する有機シラン化合物を用いて,無機系固体に有機修飾基を結合させた試料を作製した。
具体的には,図5及び図6に示すごとく,上記試料E1を作製した際に用いた,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランの代わりに,(3−クロロプロピル)メトキシジメチルシラン又は(3−クロロプロピル)トリメトキシシランを用いて,上記試料E1と同様の反応工程を行い,さらに乾燥を行って試料C1〜C7を作製した。各試料C1〜C7の作製に用いた有機シラン化合物の種類及び量,無機系固体の種類,及び還流時間を表1に示す。そして,上記試料C1〜C7についても,上記試料E1〜E7と同様に,上記有機シラン化合物の結合量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2004175793
Figure 2004175793
表1より知られるごとく,上記試料E1〜E5と上記試料C1〜C5とを,それぞれ同条件のもの同士で比較すると,上記試料E1〜E5は,1.3〜1.5倍の結合量を示すことがわかる。また,試料E1〜E4においては,FSM−16を用いて15時間の還流を行っており,各試料E1〜E4は,用いた有機シラン化合物の量が異なるものである。これらを比較すると,有機シラン化合物の量を3〜10mmolまで増加させた場合には,上記結合量は上昇しているが,10mmolを超えて用いても,その結合量はほとんど変化していないことがわかる。即ち,約10mmolの有機シラン化合物を用いたとき,無機系固体への結合量は最も大きくなり,最大のカバー面積を示すことがわかる。
また,48時間の還流時間で作製した試料E5と試料C5とを比較すると,試料C5においては,15時間の還流時間にて作製した試料C3よりも,結合量が1.3倍増加したが,試料E5においては,結合量は試料E3と比較してほとんど変化は見られなかった。
また,上記無機系固体としてアモルファスシリカゲルを用いた試料E6の結合量は,FSM−16を用いた試料E1〜E5及び試料E7よりも小さく,無機系固体としては,メソポーラスシリカゲルのFSM−16が特に優れていることがわかる。
また,試料E7は,有機シラン化合物の種類を変えた以外は試料E3と同様の条件にて作製した試料である。この試料E7と試料E3の結合量を比較すると試料E7の結合量は試料E3よりも小さい。これは,試料E7は上記有機シラン化合物として(3−クロロプロピル)トリ−2−プロペニルシランを用いて作製しているため,有機シラン化合物1分子あたり最大3つのシラノール基と反応してしまうためである。
次に,上記試料E1について,上記有機シラン化合物が上記無機系固体に結合していることを確認するために,NMRスペクトルによる解析を行った(例えば“Journal of the American Chemical Society”,2000年,122巻,p.3118参照)。
このNMRスペクトルは,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシリル基が結合されたFSM−16(試料E1)を測定試料として,29Si CP−MAS NMRスペクトルによって行った。その結果を図7に示す。
また,比較のために,無機系固体に結合していない(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランの29Si CP−MAS NMRスペクトル解析を行った。その結果を図8に示す。
図7に示すごとく,試料E1においては,≡SiOSi(CH32CH2CH2CH2Cl中の(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシラン由来の29Siに相当するピークが+15.0ppmに観測されている。これに対し,図8に示すごとく,無機系固体に結合されていない(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシラン中の29Siに相当するピークは+1.7ppmに観察される。
即ち,上記試料E1においては,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシラン由来の29Siに相当するピークが15.0ppmへ大きく低磁場シフトしていることがわかる。また,NMRによる測定結果を示していないが,トリメチルシリル基で修飾された無機系固体の29Siに相当するピークは15.4ppmにあることに知られており,これらのことから,15.0ppmへのシフトは,上記無機系固体と有機シラン化合物との間に化学結合が形成されたことによるものであることがわかる。なお,トリメチルシリル基で修飾された無機系固体の構造を図9に示す。
次に,上記試料E1について,13C CP−MASスペクトル解析を行った。その結果を図10に示す。また,上記した29Si CP−MAS NMRスペクトル解析と同様に,比較のため,無機系固体に結合していない(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランの13C CP−MAS NMRスペクトル解析も行った。その結果を図11に示す。
図10と図11を比較して知られるごとく,試料E1においては,(3−クロロプロピル)ジメチル−2−プロペニルシランのアリル基に対応する,23.11ppm,113.16ppm,及び134.56ppmのピークが消失し,また3−クロロプロピル基に対応するピークのすべてがシフトしていることがわかる。
また,図示していないが,上記13C CP−MAS NMRスペクトル及び29Si CP−MAS NMRスペクトルの結果は,アルコキシ基を有する有機シラン化合物を用いる,上記従来の方法にて作製した試料C1の結果と良く一致していた。
以上により,本例の結合方法によれば,上記有機シラン化合物の有機修飾基を無機系固体に結合できることがわかる。
(実施例2)
本例は,上記有機シラン化合物として,BINAPを有する有機シラン化合物を用いて,これを上記無機系固体に結合させた例である。
本例では,図12に示すごとく,上記有機シラン化合物1として,アリル基とBINAPを有する化合物を準備した。また,上記無機系固体2はシリカよりなり,中心細孔直径が2.8nmの多孔体である。また,この多孔体は,X線回折パターンにおいて,1〜4nmのd値に相当する回折角度に4本のピークを有し,1.68〜3.92nm内の細孔直径を有する細孔を全細孔容積に対して90%有している。本例においては,このような多孔体として,FSM−16(細孔径2.8nm)を適用した。
以下,本例の有機修飾基の無機系固体への結合方法につき,図13及び図14を用いて説明する。本例においては,図13及び図14に示すごとく,A工程〜E工程の5つの工程により上記有機シラン化合物1を作製し,その後,上記反応工程をおこない有機シラン化合物1を上記無機系固体2に結合する。
図13に示すA〜D工程としては,文献(Daniel J.Bayston,Joannne L.Fraser,Mark R.Ashton,Anthony D.Baxter,Mario E.C.Polywka,and Edwin Moses,“J.Org.Chem”,(米国),1998年,63巻,p.3137−3140)に示される公知の方法と同様の方法により行った。その結果,図13に示すごとく,中間化合物Dを得た。
次に,図14に示すごとく,上記反応工程においては,1.54g(2.18mmol)の上記中間化合物Dと,630mg(3.27mmol)のEDCIの塩酸塩と,590mg(4.36mmol)のHOBTとを300mLの二口フラスコに入れ,窒素置換した後,100mLの蒸留ジメチルホルムアミド(DMF)を加えて溶解した。この混合溶液に374mg(2.38mmol)の(3−アミノプロピル)アリルジメチルシランを加えて室温で26時間攪拌した。
その後,5%HClにてPHを3に調整した後,ジエチルエーテルで抽出し,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し,濃縮乾固して,2.17gの粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサン/酢酸エチル/=1/1組成の展開液を用いて,シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し,BINAPとアリル基を有する有機シラン化合物(化合物E)を,1.45g(1.71mmol)得た。なお,化合物Eが有するBINAPは(R)−BINAPであり,シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製の収率は78%であった。
次に,図14に示すごとく,反応工程においては,まず上記無機系固体として,3.5×10-5mmHg,120℃にて乾燥させたFSM−16(細孔径2.8nm)を準備した。このFSM−16の906mgを100mLの二口フラスコに入れて窒素置換した後,上記E工程にて得られた上記化合物Eの3.96g(4.7mmol)を14mLの蒸留トルエンに溶かした溶液を加えて,冷却管を取り付けた後,35時間還流した。
その後,ろ過し,ソックスレー抽出器を用いてメタノールで10時間,続いてベンゼンで10時間連続的に未反応有機物を抽出除去し,3.5mm×10-5Hg,120℃で16時間乾燥させ,BINAPを有する有機シラン化合物を結合したFSMを得た。これを試料E8とする。なお,試料E8の有機シラン化合物の結合量は,窒素の元素分析によりFSM1.0gに担持されたBINAPの量として計算し,0.26mmol/gであった。
次に,上記無機系固体としてのFSMの代わりに,SBA−15又はアモルファスシリカゲルを用いて,これらに上記化合物Eを結合させる。
まず,SBA−15としては,シリカよりなり,中心細孔直径が9.5nmのものを適用した。また,このSBA−15は,X線回折パターンにおいて,5〜100nmのd値に相当する回折角度に3本のピークを有し,5.7〜13.3nm内の細孔直径を有する細孔を全細孔容積に対して80%有するものである。
以下,SBA−15に(R)−BINAPを有する有機シラン化合物を結合させる方法について説明する。
まず,3.5×10-5mmHg,120℃にて乾燥させたSBA−15を準備した。このSBA−15の702mgを100mLの二口フラスコに入れて窒素置換した後,上記E工程にて得られた上記化合物Eの3.15g(3.50mmol)を14mLの蒸留トルエンに溶かした溶液を加えて,冷却管を取り付けた後,35時間還流した。
その後,ろ過し,ソックスレー抽出器を用いてメタノールで10時間,続いてベンゼンで10時間連続的に未反応有機物を抽出除去し,3.5×10-5mmHg,120℃で16時間乾燥させ,BINAPを有する有機シラン化合物を結合したSBAを得た。これを試料E9とする。なお,試料E9の有機シラン化合物の結合量は,窒素の元素分析によりSBA1.0gに担持されたBINAPの量として計算し,0.10mmol/gであった。
次に,アモルファスシリカゲルに(R)−BINAPを有する有機シラン化合物を結合させる方法について説明する。
まず,アモルファスシリカゲル{Merk Kieselgel 60(70−230メッシュ)}を濃塩酸と共に還流させてアモルファスシリカゲルを活性化し,その後充分に水洗を繰り返し,3.5×10-5mmHg,120℃で乾燥させた。この活性化させたアモルファスシリカゲル663mgを100mLの二口フラスコに入れて窒素置換した後,上記E工程にて得られた上記化合物E2.97g(3.30mmol)を12mLの蒸留トルエンに溶かした溶液を加えて,冷却管を取り付けた後,35時間還流した。
その後,ろ過し,ソックスレー抽出器を用いてメタノールで10時間,続いてベンゼンで10時間連続的に未反応有機物を抽出除去し,3.5×10-5mmHg,120℃で16時間乾燥させ,BINAPを有する有機シラン化合物を結合したアモルファスシリカゲルを得た。これを試料E10とする。なお,試料E3の有機シラン化合物の結合量は,窒素の元素分析によりシリカゲル1.0gに担持されたBINAPの量として計算し,0.14mmol/gであった。
(実験例)
次に,実施例2に示す方法で無機系固体に結合したBINAPが,BINAP本来の特性を示すことを確認するために,上記試料E8〜E10を用いて,パラジウムを触媒とする不斉アリル位アルキル化反応を行った。
(1)試料E8
まず,試料E8を用いた不斉アリル位アルキル化反応につき,図15を用いて説明する。
まず,51mgの試料E8と4mg(0.011mmol)の[PdCl(π−C35)]2とを20mLのシュレンクに入れて窒素置換した。そして,1.0mLの蒸留アセトニトリルを加え,20℃で3時間攪拌した。
その後,蒸留アセトニトリルで洗浄し上澄みを除き,(±)−1,3−ジフェニル−2−プロペニルアセテート63.2mg(0.25mmol)と蒸留アセトニトリル2.0mLとを加えた。この懸濁液に予め調製しておいた,水素化ナトリウム30mg(0.75mmol)とマロン酸ジメチル85μL(0.74mmol)のアセトニトリル溶液1.5mLを加え,20℃にて11時間攪拌した。シュリンク容器を遠心分離器にかけ上澄み液をデカンテーションで取り出した後,蒸留アセトニトリルで3回洗浄した上澄み液と混合し,濃縮乾固して得た粗生成物を分取TLC(薄層クロマトグラフィー)にて精製してアルキル化生成物を得た。
上記の不斉アリル基アルキル化反応の後,試料E8をアセトニトリルで洗浄し,上記と同様の操作を繰り返して合計3回の不斉アリル位アルキル化反応を行った。各回におけるアルキル化生成物の収率(%)及び光学純度(%e.e.)を測定し,その結果を表3に示す。なお,触媒の濃度,反応時間は,後述する表3に示すごとく,各回数ごとに変化させておこなった。
(2)試料E9
次に,試料E9を用いた不斉アリル位アルキル化反応につき,図15を用いて説明する。
まず,100mgの試料E9と3.3mg(0.0089mmol)の[PdCl(π−C35)]2とを20mLのシュレンクに入れて窒素置換した。そして,1.0mLの蒸留アセトニトリルを加え,20℃で3時間攪拌した。
その後,蒸留アセトニトリルで洗浄し上澄みを除き,(±)−1,3−ジフェニル−2−プロペニルアセテート52.4mg(0.21mmol)と蒸留アセトニトリル2.0mLとを加えた。この懸濁液に予め調製しておいた,水素化ナトリウム25.2mg(0.63mmol)とマロン酸ジメチル70μL(0.63mmol)のアセトニトリル溶液1.5mLを加え,20℃にて10時間攪拌した。シュリンク容器を遠心分離器にかけ上澄み液をデカンテーションで取り出した後,蒸留アセトニトリルで3回洗浄した上澄み液と混合し,濃縮乾固して得た粗生成物を分取TLC(薄層クロマトグラフィー)にて精製してアルキル化生成物を得た。
上記の不斉アリル基アルキル化反応の後の試料E9を,上記試料E8の場合と同様に,アセトニトリルで洗浄し,同様の操作を繰り返し,合計3回の不斉アリル位アルキル化反応を行った。各回におけるアルキル化生成物の収率(%)及び光学純度(%e.e.)を測定し,その結果を表3に示す。
(3)試料E10
次に,試料E10を用いた不斉アリル位アルキル化反応につき,図15を用いて説明する。
まず,70mgの試料E8と3.2mg(0.0087mmol)の[PdCl(π−C35)]2とを20mLのシュレンクに入れて窒素置換した。そして,1.0mLの蒸留アセトニトリルを加え,20℃で3時間攪拌した。
その後,蒸留アセトニトリルで洗浄し上澄みを除き,(±)−1,3−ジフェニル−2−プロペニルアセテート57.2mg(0.21mmol)と蒸留アセトニトリル2.0mLとを加えた。この懸濁液に予め調製しておいた,水素化ナトリウム27.6mg(0.69mmol)とマロン酸ジメチル80μL(0.69mmol)のアセトニトリル溶液1.5mLを加え,20℃にて11時間攪拌した。シュリンク容器を遠心分離器にかけ上澄み液をデカンテーションで取り出した後,蒸留アセトニトリルで3回洗浄した上澄み液と混合し,濃縮乾固して得た粗生成物を分取TLC(薄層クロマトグラフィー)にて精製してアルキル化生成物を得た。
上記の不斉アリル基アルキル化反応の後の試料E10を,上記試料E8及びE9の場合と同様に,アセトニトリルで洗浄し,同様の操作を繰り返し,合計3回の不斉アリル位アルキル化反応を行った。各回におけるアルキル化生成物の収率(%)及び光学純度(%e.e.)を測定し,その結果を表3に示す。なお,触媒の濃度,反応時間は,後述する表3に示すごとく,各回数ごとに変化させておこなった。
また,比較用として,無機系固体に結合させていないBINAP(試料C8)を準備して,試料E8〜E10と同様の不斉アリル位アルキル化反応を行った。
具体的には,まず4.74mg(12μmol)の(R)−BINAPと,1.10mg(3μmol)の[PdCl(π−C35)]2とを20mLのシュレンクに入れて窒素置換し,2.0mLの蒸留アセトニトリルを加えた。
この混合液に,予め調製しておいた,水素化ナトリウム27.6mg(0.69mmol)とマロン酸ジメチル80μL(0.69mmol)のアセトニトリル溶液1.5mLを加え,20℃にて12時間攪拌した。その後,飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後,ジエチルエーテルで抽出して,硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下に濃縮して得られた粗生成物を分取TLC(薄層クロマトグラフィー)で精製して,上記試料E8〜試料E10を用いたときと同様のアルキル化生成物を得た。このときのアルキル化生成物の収率(%)及び光学純度(%e.e.)を測定し,その結果を表3に示す。
Figure 2004175793
表3より知られるごとく,本発明の結合方法によって得られた上記試料E8〜E10は,いずれも試料Cに匹敵する高い反応性を示した。3回の再使用の結果においては,試料E1において若干の反応性の低下が起こった。
光学純度については,試料E8〜E10のいずれの場合でも,試料Cに匹敵する純度でR体を得ることができた。また,3回の再使用の結果においても,大きな低下はなく,安定的な不斉反応をおこなっていることがわかった。
なお,図1〜図16においては,図面作成の便宜のため,いくつかの略号を用いている。各略号はそれぞれ下記の官能基等を示す。
(1)Me:メチル基
(2)Ph:フェニル基
(3)Et:エチル基
(4)Tf:トリフルオロメタンスルホニル基(なお,Tf2Oは無水トリフルオロメタンスルホン酸を表す)
(5)dppe:1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
(6)EDCI:1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(7)HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(8)Ac:アセチル基
実施例1にかかる,上記有機シラン化合物と上記無機系固体との反応の様子を示す説明図。 実施例1にかかる,上記無機系固体における細孔の形状を示す説明図。 実施例1にかかる,上記有機シラン化合物が上記無機系固体に結合するときの反応機構を示す説明図。 実施例1にかかる,3つのアリル基を有する有機シラン化合物が上記無機系固体に結合する様子を示す説明図。 実施例1にかかる,アルコキシ基を有する有機シラン化合物を無機系固体に結合させる様子を示す説明図。 実施例1にかかる,3つのアルコキシ基を有する有機シラン化合物を無機系固体に結合させる様子を示す説明図。 実施例1にかかる,有機シラン化合物を結合した無機系固体を29Si CP−MAS NMRスペクトルにて解析したときの結果を示す説明図。 実施例1にかかる,有機シラン化合物を29Si CP−MAS NMRスペクトルにて解析したときの結果を示す説明図。 実施例1にかかる,トリメチルシリル基にて修飾された無機系固体の構造を示す説明図。 実施例1にかかる,有機シラン化合物を結合した無機系固体を13C CP−MAS NMRスペクトルにて解析したときの結果を示す説明図。 実施例1にかかる,有機シラン化合物を13C CP−MAS NMRスペクトルにて解析したときの結果を示す説明図。 実施例2にかかる,BINAPを有する有機シラン化合物を無機系固体に結合させる様子を示す説明図。 実施例2にかかる,上記A〜D工程における反応の様子を示す説明図。 実施例2にかかる,上記E工程及び反応工程における反応の様子を示す説明図。 実験例にかかる,不斉アリル基アルキル化反応を示す説明図。 従来技術にかかる,二段階で有機修飾基を結合させる方法を示す説明図。
符号の説明
1 有機シラン化合物
12 不飽和炭化水素基
13 有機修飾基
2 無機系固体

Claims (16)

  1. Si原子に不飽和炭化水素基と3つの有機修飾基とを結合させてなる一般式(1)で表される有機シラン化合物と,無機系固体とを反応させ,上記有機シラン化合物における上記Si原子に上記有機修飾基の少なくとも1つを結合させたまま上記Si原子と上記無機系固体との間に共有結合を形成させる反応工程を行うことを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
    Figure 2004175793
    {但し,R1〜R3は,いずれもアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基以外の有機修飾基であり,R4〜R8は,水素,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イソプロピル基,ペンチル基,ヘキシル基,シクロヘキシル基,フェニル基(フェニル基のオルト,メタ,パラの置換基は,メチル基,エチル基,メトキシ基,エトキシ基,ヒドロキシ基,メルカプト基,イソプロピル基,フェニル基のいずれかである。)のいずれかである。}
  2. 請求項1において,上記有機シラン化合物は,上記不飽和炭化水素基がアリル基よりなる一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
    Figure 2004175793
    (但し,R1〜R3は,いずれもアシロキシ基,アミノ基,ハロ基,及びアルコキシ基以外の有機修飾基である。)
  3. 請求項1又は2において,上記反応工程では,上記有機シラン化合物と,上記無機系固体とを接触させ加熱することを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記無機系固体はシリカであることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において,上記無機系固体は,その表面の少なくとも一部にシラノール基を有していることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記無機系固体は,1〜30nmの中心細孔直径を有するメソ多孔体よりなり,該メソ多孔体のX線回折パターンは,1nm以上かつ30nm以下のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを示すことを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において,上記無機系固体は,1〜30nmの中心細孔直径を有するメソ多孔体よりなり,該メソ多孔体は,上記中心細孔直径の±40%以内の細孔直径を有す細孔を,全細孔容積に対して60%以上有することを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  8. 請求項6又は7において,上記メソ多孔体の中心細孔直径は,4〜10nmであることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において,上記一般式(1)におけるR1〜R3は,いずれもアリル基以外の有機修飾基であることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において,上記一般式(1)におけるR1〜R3のうちの1つ又は2つは,アリル基であることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において,上記一般式(1)におけるR1〜R3のうち少なくとも1つ以上は,触媒活性を有する機能性有機基又は金属への配位子であることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において,上記一般式(1)におけるR1〜R3のうち少なくとも1つ以上は,光学活性なビナフチル誘導体を有していることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
  13. 請求項12において,上記ビナフチル誘導体は,一般式(3)で表されることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
    Figure 2004175793
    {但し,R1及びR2は,炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,フェニル基,置換フェニル基(該置換フェニル基は,フェニル基が有する6個の炭素原子のうち1〜5個の炭素に水素原子以外の官能基が結合してなり,それぞれの官能基は同一又は異なっていてもよく,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,低級アルキルアミノ基,ハロゲン化低級アルキル基,及びフェニル基からなる群から任意に選ばれる。),低級アルキルナフチル基,ピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,フルフリル基,ベンゾフルフリル基,チエニル基,又はベンゾチエニル基を示す。}
  14. 請求項12において,上記ビナフチル誘導体は,一般式(4)で表されることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
    Figure 2004175793
    {但し,R1及びR2は,炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,フェニル基,置換フェニル基(該置換フェニル基は,フェニル基が有する6個の炭素原子のうち1〜5個の炭素に水素原子以外の官能基が結合してなり,それぞれの官能基は同一又は異なっていてもよく,ハロゲン原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,低級アルキルアミノ基,ハロゲン化低級アルキル基,及びフェニル基からなる群から任意に選ばれる。),低級アルキルナフチル基,ピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,フルフリル基,ベンゾフルフリル基,チエニル基,又はベンゾチエニル基を示す。}
  15. 請求項12において,上記ビナフチル誘導体は,一般式(5)で表されることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
    Figure 2004175793
    {但し,R1は,炭素数1〜30の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,フェニル基,置換フェニル基(該置換フェニル基は,フェニル基が有する6個の炭素原子のうち1〜5個の炭素に水素原子以外の官能基が結合してなり,それぞれの官能基は同一又は異なっていてもよく,ハロゲン原子,低級アルキル基,アルコキシ基,低級アルキルアミノ基,ハロゲン化低級アルキル基,及びフェニル基からなる群から任意に選ばれる。),低級アルキルナフチル基,ピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,フルフリル基,ベンゾフルフリル基,チエニル基,又はベンゾチエニル基を示す。Xは,水素原子,ヒドロキシル基,炭素数1〜20の直鎖,分岐若しくは環状のアルキル基,炭素数1〜10の直鎖,分岐若しくは環状のアルコキシ基,又はメルカプト基を示す。}
  16. 請求項11〜15のいずれか1項において,上記ビナフチル誘導体は,該ビナフチル誘導体の5位,5’位,6位,6’位,7位,又は7’位に有機鎖を結合してなり,該有機鎖を介して上記有機シラン化合物のSi原子と結合していることを特徴とする有機修飾基の無機系固体への結合方法。
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