JP2003311892A - ポリビニルアルコール系樹脂フイルム積層体およびその用途 - Google Patents

ポリビニルアルコール系樹脂フイルム積層体およびその用途

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JP2003311892A
JP2003311892A JP2002125850A JP2002125850A JP2003311892A JP 2003311892 A JP2003311892 A JP 2003311892A JP 2002125850 A JP2002125850 A JP 2002125850A JP 2002125850 A JP2002125850 A JP 2002125850A JP 2003311892 A JP2003311892 A JP 2003311892A
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alcohol resin
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    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度変化に対する劣化現象が防止され、例え
ばビニルハウス内で昼間と夜間の湿度差の変動を長期間
にわたって受け続けても、積層体がカールを起こしたり
層間剥離が発生する恐れが全くないポリビニルアルコー
ル系樹脂フイルム積層体を提供すること 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂フイルム特
に、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムでと
親水性スパンボンド系不織布望ましくは、JISK67
88に規定されるぬれ張力35mN/mのぬれ試験液の
液滴を静かに不織布上に垂らした時に、30秒以内に液
滴が吸収される性質を有し、かつ目付けが2〜70g/
2であるスパンボンド不織布を水系接着剤を用いて貼
り合わせたポリビニルアルコール系樹脂フイルム積層
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系樹脂フイルムと親水性スパンボンド系不織布と
を、水系接着剤を用いて貼り合わせた積層体に関するも
ので、特に農業用被覆材に有用な積層体を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用被覆材としてはポリ塩化ビ
ニルフイルム、ポリエチレンフイルム、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等が価格面での有利性から汎用されてい
るが、ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを原料とし
て製造されるフイルムも赤外線透過遮断性に優れている
ことから多方面で応用が試みられている。
【0003】そして、かかるポリビニルアルコール系樹
脂フイルムは夜間のハウス内の保温性には優れるもの
の、強度が不足する点、昼間の強い太陽熱を遮断しハウ
ス内の過度の温度上昇を防止する性能が不足するため、
該フイルムを単層で用いることは少なく、疎水性樹脂の
フイルム、織物、不織布等をポリウレタン系接着剤で貼
り合わせた積層体として使用されることが多い。かかる
技術については特開昭56−67251号公報、特開昭
62−282931号公報、特開昭63−319148
号公報等に開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が検討したところかかる公知の積層体でもハウス内の
湿度による影響を極めて受けやすく、特に昼間と夜間の
湿度差の変動を長期間にわたって受け続けると、積層体
がカールを起こしたり層間剥離が発生したりするという
劣化現象が発生したり、透湿性が低下する等の問題点が
あることが明らかとなった。
【0005】
【問題を解決するための手段】しかるに、本発明者はか
かる課題について鋭意研究をした結果、ポリビニルアル
コール系樹脂フイルムと親水性スパンボンド系不織布と
を、水系接着剤を用いて貼り合わせた積層体、特にポリ
ビニルアルコール系樹脂フイルムが二軸延伸フイルムで
ある積層体がかかる欠点を改善することを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明ではかかる効果を
得るためにポリビニルアルコール系樹脂フイルムと不織
布とを貼り合わせる時に、不織布として親水性を有する
スパンボンド系製品を用い、かつ貼り合わせの際に水系
の接着剤を用いるという、いわゆるウエットラミネーシ
ョン法を採用することを大きな特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の積層体について
具体的に述べる。本発明で用いられるポリビニルアルコ
ール系樹脂フイルムの原料としては、ポリビニルアルコ
ール、変性ポリビニルアルコールいずれでもよく、該ポ
リビニルアルコールは酢酸ビニルを単独重合し、更にそ
れをケン化して製造される。また変性ポリビニルアルコ
ールは酢酸ビニルと他の不飽和単量体との重合体をケン
化して製造されたり、ポリビニルアルコールを後変性し
て製造される。
【0007】上記で他の不飽和単量体としては、例えば
エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、
α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその
塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンス
ルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等
のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニ
ルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルア
ンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニル
ピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシ
エチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレ
ン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン
(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)
アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレ
ート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、
ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキ
シプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシア
ルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン
(1−(メタ)アクリルアミドー1,1−ジメチルプロ
ピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、
ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミ
ン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロ
ピレンビニルアミン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0008】又後変性の方法としては、ポリビニルアル
コールをアセト酢酸エステル化、アセタール化、ウレタ
ン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、オ
キシアルキレン化する方法等が挙げられる。
【0009】かかるポリビニルアルコール系樹脂の中で
も、ケン化度が80モル%以上のものが好ましく、更に
は90〜100モル%、特には99〜100モル%が有
利である。かかるケン化度が80モル%未満では、耐水
性が低下する。
【0010】又、4重量%水溶液の粘度は2.5〜10
0mPa・s(20℃)が好ましく、更には2.5〜7
0mPa・s(20℃)、特には2.5〜60mPa・
s(20℃)が有利である。該粘度が2.5mPa・s
(20℃)未満では、フイルム強度等の機械的物性が劣
ることがあり、一方100mPa・s(20℃)を越え
るとフイルムへの製膜性が悪くなり好ましくない。尚、
上記粘度はJIS K6726に準じて測定されるもの
である。
【0011】更にかかるポリビニルアルコール系樹脂は
フイルムの着色防止、熱劣化防止のために樹脂中に含有
される酢酸ナトリウムの量を0.8重量%以下、好まし
くは0.5重量%以下に調整するのが有利である。
【0012】ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製
造するに当たっては、ドラム、エンドレスベルト等の金
属面上にポリビニルアルコール系樹脂溶液を流延してフ
イルムを形成したり、あるいは押出機により溶融押出さ
れる。通常は製膜用の原液として、ポリビニルアルコー
ル系樹脂濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜50
重量%のポリビニルアルコール系樹脂−水の組成物を調
製する。
【0013】又、必要に応じてエチレングリコール、グ
リセリン、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール等の多価アルコール類の
可塑剤やフェノール系、アミン系等の抗酸化剤、リン酸
エステル類等の安定剤、着色料、香料、増量剤、消包
剤、剥離剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤等の
通常の添加剤を適宜配合しても差し支えない。又、澱
粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース等のポリビニルアルコール
系樹脂以外の他の水溶性樹脂を混合してもよい。
【0014】上記で調製したポリビニルアルコール系樹
脂−水の組成物は製膜機(押出機)に連動させるか、あ
るいは一旦ペレット化、フレーク化してから後製膜機に
供給され押出製膜される。尚、ポリビニルアルコール系
樹脂−水の組成物の調製と製膜操作を同一の押出機を用
いて行うこともできるが、L/Dを大きくしたり、多軸
押出機を使用したり、ギアポンプを利用する等均一な混
和と製膜安定性に留意する必要がある。
【0015】ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの製
膜法については、特に限定されないが、上記原液を押出
機に供給して溶融混練した後、Tダイ法、インフレーシ
ョン法により押出し製膜し、乾燥する方法が好ましい。
【0016】押出機内での溶融混練温度は55〜140
℃が好ましく、更には55〜130℃が好ましい。かか
る温度が55℃未満ではフィルム肌の不良を招き、14
0℃を越えると発泡現象を招き好ましくない。製膜後の
フイルムは乾燥され製品化される。かかる乾燥について
は、70〜110℃、更には80〜90℃で行うことが
好ましい。
【0017】更に本発明ではポリビニルアルコール系樹
脂フイルムは延伸処理、熱処理、他の基材との積層、耐
水処理、エンボス処理等の任意の後処理を実施し得る。
特に本発明では、得られるフイルムを更に二軸延伸好ま
しくは逐次二軸延伸を施すと耐水性、可撓性、機械的強
度や酸素遮断性等の物性を付与できる点で有利である。
【0018】かかる延伸については、縦方向の延伸倍率
が2.0〜5.0倍、横方向の延伸倍率が2.0〜4.
5倍であることが好ましく、より好ましくは縦方向の延
伸倍率が3.0〜4.5倍、横方向の延伸倍率が3.0
〜4.5倍である。該縦方向の延伸倍率が2.0倍未満
では延伸による物性向上が得難く、5.0倍を越えると
フイルムが縦方向へ裂けやすくなり好ましくない。又横
方向の延伸倍率が2.0倍未満では延伸による物性向上
が得難く、4.5倍を越えるとフイルムが破断すること
となり好ましくない。
【0019】かかる逐次二軸延伸を行うに当たっては、
上記ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの含水率を5
〜30重量%、好ましくは20〜30重量%に調整して
おくことが好ましく、上記で得られた乾燥前のポリビニ
ルアルコール系樹脂フイルムを引き続き乾燥して含水率
を調整したり、含水率5重量%未満のポリビニルアルコ
ール系フイルムを水に浸漬あるいは調湿等を施して含水
率を調整したりする方法等がある。
【0020】かかる含水率が5重量%未満では延伸倍率
を充分に高めることができず、30重量%を越えると同
様に延伸工程で縦横の延伸倍率を高めることができなく
なり好ましくない。
【0021】更に、逐次二軸延伸を施した後は、熱固定
を行うことが好ましく、かかる熱固定の温度は、ポリビ
ニルアルコール系樹脂の融点ないし融点より40℃低い
温度までの範囲から選択することが好ましい。融点より
40℃低い温度より低い場合は寸法安定性が悪く、収縮
率が大きくなり、一方融点より高い場合はフイルムの厚
み変動が大きくなり好ましくない。ポリビニルアルコー
ル系樹脂が酢酸ビニル単独重合体のケン化物である場合
の熱固定温度は、例えば160〜230℃である。又、
熱固定時間は1〜30秒間であることが好ましく、より
好ましくは5〜10秒間である。
【0022】得られたポリビニルアルコール系樹脂フイ
ルムは膜厚5〜100μm、好ましくは10〜50μm
で積層される。
【0023】本発明で使用する不織布は、保温性を維持
するため嵩高が大きくなければならないので、各種の不
織布のなかでもスパンボンド法により製造され、しかも
親水性を有していなければならない。例えばポリプロピ
レン、ポリエチレン等のポリオレフイン、ポリアミド、
ポリエステルの長繊維を含めた連続繊維を集合させたシ
ート状堆積物で、目付けが2〜70g/m2、好ましく
は10〜60g/m2であるのが有利である。目付けが
2g/m2未満では強度不足となり、70g/m2を越え
るとハウスの組み立てや取り壊し時の取り扱いが不便と
なる弊害が大きくなる。
【0024】しかも、該スパンボンド系不織布は親水性
でなければならない。本発明における親水性とは、JI
S K6788に規定されるぬれ性試験において使用さ
れる、ぬれ張力35mN/mのぬれ試験液の液滴を静か
に不織布上に垂らした時に、30秒以内に液滴が吸収さ
れる性質を意味する。かかる性質を有する市販製品とし
ては旭化成社製の「エルタスE05030」、東レ社製
の「アクスターG2040−1S」等が例示される。
【0025】本発明のもう一つの特徴は、積層体の製造
時に水系接着剤を使用する点である。従来法で用いられ
るポリウレタン系等の有機溶媒系の接着剤では、特に昼
間と夜間の湿度差の変動を長期間にわたって受け続ける
と、積層体がカールを起こしたり層間剥離が発生する。
水系接着剤としては酢酸ビニル樹脂エマルジョン、アク
リル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
エマルジョン等のビニル樹脂系エマルジョン、特に保護
コロイドとしてポリビニルアルコールを使用したものが
好適である。又水溶性高分子水溶液、特にポリビニルア
ルコール系樹脂水溶液が有用である。かかるポリビニル
アルコール系樹脂は前述した本発明の積層体用のポリビ
ニルアルコール系樹脂フイルムで用いられる原料と同じ
である。即ち、ケン化度が80モル%以上のものが好ま
しく、更には90〜100モル%、特には99〜100
モル%が有利である。かかるケン化度が80モル%未満
では、耐水性が低下する。
【0026】又、4重量%水溶液の粘度は2.5〜10
0mPa・s(20℃)が好ましく、更には2.5〜7
0mPa・s(20℃)、特には2.5〜60mPa・
s(20℃)が有利である。該粘度が2.5mPa・s
(20℃)未満では、フイルム強度等の機械的物性が劣
ることがあり、一方100mPa・s(20℃)を越え
ると粘度が高くなり過ぎ塗布操作に難点がでる。その他
の水系接着剤としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金
属の水溶液、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩
化カルシウム、塩化マグネシウム等の水溶液が挙げら
れ、これ単独で又はポリビニルアルコール系樹脂と併用
して使用される。
【0027】本発明の積層体を製造するには、ポリビニ
ルアルコール系樹脂フイルム、親水性スパンボンド系不
織布のいずれか一方又は両方に、水系接着剤を浸漬法、
塗布法、噴霧法等の周知の手段で塗工した後、両者を貼
り合わせ乾燥すればよい。水系接着剤の塗布量は固形分
換算で0.01〜10g/m2程度が適当である。
【0028】得られる積層体は食品を初めとし、その他
農薬、洗剤、土木用添加剤、殺菌剤、染料、顔料等の包
装用途に使用可能であるが、農業用被覆材の用途が特に
重要である。
【0029】つまり、ビニルハウスにおける保温、過湿
防止、水滴落下防止等の利用に有効であり、通常ビニル
ハウスの外側をポリエチレン、ガラス等で覆い、その内
側に本発明の積層体をポリビニルアルコール系樹脂フイ
ルム側が外側になるように覆って二重ハウス(保温用カ
ーテン)となるように配置して使用する。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない
限り重量基準を意味する。
【0031】実施例1 ジャケット温度を60〜150℃に設定した二軸押出機
型混練機(スクリューL/D=40)のホッパーからポ
リビニルアルコール(4重量%水溶液の粘度40mPa
・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量
0.3%、日本合成化学工業社製「ゴーセノールNH−
17Q」)と水を(ポリビニルアルコール/水の重量比
は40/60)定量ポンプにより供給し、混練し吐出量
500kg/hrの条件で吐出した。
【0032】この吐出物を直ちに一軸押出機(スクリュ
ーL/D=30)に圧送し温度85〜140℃にて混練
後、Tダイより5℃のキャストロールに押出し、90℃
の熱風乾燥機で30秒間乾燥し、含水率25%のフイル
ム(A)(厚み150μm)を作製した。引き続き、か
かるフイルム(A)を縦方向に4.2倍延伸した後、テ
ンターで横方向に4.2倍延伸し、次いで220℃で8
秒間熱固定し、二軸延伸フイルム(B)(厚み14μ
m)を得た。
【0033】次に、ポリビニルアルコール(4重量%水
溶液の粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、
酢酸ナトリウム含有量0.3%、日本合成化学工業社製
「ゴーセノールNH−17Q」)の15%水溶液を調製
した。目付け30g/m2の旭化成社製の親水性スパン
ボンド系不織布「エルタスE05030」(ぬれ張力3
5mN/mのぬれ試験液の液滴を静かに不織布上に垂ら
した時に、液滴が5秒で吸収される)に、上記ポリビニ
ルアルコール接着剤を固形分換算で5g/m2なる割合
で塗布し、二軸延伸フィルム(B)と貼り合わせ120
℃で5分乾燥して、積層体を得た。
【0034】上記積層体について以下の性能を測定し、
結果を表1に示した。 (ビニルハウス内の温度上昇防止効果)ビニルハウス
(横80cm、縦80cm、高さ100cm)外の高さ
150cmの位置にデイライト(温度上昇し易いライ
ト)を配置し、ハウス内の屋根部から10cm離れた所
に設けた金属枠(700mm×700mm)に上記積層
体をポリビニルアルコールフイルムがライト側になるよ
うに固定し、照射開始時、20分後、40分後、60分
後の地表面の温度を測定した。
【0035】(湿度変化に対する劣化防止効果)上記積
層体を60℃×60%RHの雰囲気下に12時間放置
し、続いて40℃×90%の雰囲気下に12時間放置し
た。この操作を20回繰り返し、積層体の状態を観察し
た ・積層体のカールの発生状態 ○:カールの発生は全くない △:積層体の端部に少しカールが見られる ×:積層体の中央付近までの大きなカールが見られる ・積層体の剥離の発生状態 ○:剥離の発生は全くない △:積層体の端部にすこし剥離が見られる ×:積層体の中央付近までの大きい剥離が見られる ・透湿度の測定(JIS Z0208「防湿包装材料の
透湿度試験方法(カップ法)」に基づく。ただし40℃
×90%RHで測定)
【0036】実施例2〜3 実施例1において、接着剤としてエチレン−酢酸ビニル
共重合体エマルジョン(保護コロイドとしてポリビニル
アルコールを使用、コニシ社製「S−200」)を用い
た(実施例2)、及びポリビニルアルコールを1%含有
する塩化リチウム30%水溶液を用いた(実施例3)以
外は、同例と同じ実験を行い評価した。結果を表1に示
した。
【0037】実施例4 実施例1において使用した二軸延伸フィルム(B)に変
えて4重量%水溶液の粘度40mPa・s、ケン化度9
9.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.5%のポリビ
ニルアルコール(日本合成化学工業社製「ゴーセノール
N−300」)の二軸延伸フィルムを使用した以外は、
同例と同じ実験を行った。結果を表1に示した。
【0038】実施例5 実施例1において使用した不織布に変えて、東レ社製の
目付け40g/m2の親水性スパンボンド系不織布「ア
クスターG2040−1S」(ぬれ張力35mN/mの
ぬれ試験液の液滴を静かに不織布上に垂らした時に、液
滴が3秒で吸収される)を使用した以外は、同例と同じ
実験を行った。結果を表1に示した。
【0039】実施例6 実施例1において使用した二軸延伸フィルム(B)に変
えて、グリセリンを15%含有させたポリビニルアルコ
ール系樹脂フィルム(A)を使用した以外は、同例と同
じ実験を行った。結果を表1に示した。
【0040】比較例1 実施例1において、目付け25g/m2の旭化成社製の
疎水性スパンボンド系不織布「エルタス」(ぬれ張力3
5mN/mのぬれ試験液の液滴を静かに不織布上に垂ら
した時に、液滴は30秒では吸収されない)を使用した
以外は、同例と同じ実験を行った。結果を表1に示し
た。
【0041】比較例2 実施例1において、ポリビニルアルコール接着剤に変え
て、ポリエステル系/イソシアネート二液型ポリウレタ
ン系接着剤(タケラックA−3210/タケネートA−
3072=3/1)を使用した以外は、同例と同じ実験
を行った。結果を表1に示した。
【0042】 [表1] 地表面の温度変化(℃) 劣化防止性 開始時 20分後 40分後 60分後 カール 剥離 透湿度* 実施例1 20 23 24 25 ○ ○ 420 実施例2 20 23 24 26 ○ ○ 400 実施例3 21 24 25 25 ○ ○ 410 実施例4 20 23 24 25 ○ ○ 400 実施例5 21 23 24 26 ○ ○ 390 実施例6 19 24 25 26 △ ○ 820 比較例1 20 23 25 26 ○ × 390 比較例2 20 23 25 26 △ △ 120 *g/m2・24hr
【0043】尚、参考までに積層体を使用しなかった
時、実施例1の二軸延伸フィルム(B)を単層で使用し
た時、実施例1の不織布を単層で使用した時の地表面の
温度変化を実施例1に準じて測定した結果を以下に示
す。 開始時 20分後 40分後 60分後 積層体なし 21 28 30 31 二軸延伸フィルム 20 26 27 28 不織布 20 25 26 27 (二軸延伸フィルムの透湿度は360g/m2・24hr)
【0044】
【発明の効果】本発明では、ポリビニルアルコール系樹
脂フイルム積層体を得る時に、親水性スパンボンド系不
織布および水系接着剤等を用いるウェットラミネーショ
ン法を採用することにより湿度変化に対する劣化現象が
防止され、ビニルハウス内で昼間と夜間の湿度差の変動
を長期間にわたって受け続けても、積層体がカールを起
こしたり層間剥離が発生する恐れが全くない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B024 DA04 DB01 DB03 DB07 2B029 EB12 EC04 EC14 EC19 4F100 AA18G AK11G AK21A AK21G DG06B DG15B EC18 EC182 EH17 EH172 EH46 EH462 EJ38 EJ381 EJ382 EJ86 EJ862 GB01 JA20B JB05B JD10 JK02B JM01G YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂フイルムと
    親水性スパンボンド系不織布とを、水系接着剤を用いて
    貼り合わせたことを特徴とするポリビニルアルコール系
    樹脂フイルム積層体。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系樹脂フイルムが
    二軸延伸フイルムであることを特徴とする請求項1記載
    のポリビニルアルコール系樹脂フイルム積層体。
  3. 【請求項3】 親水性スパンボンド系不織布が2〜70
    g/m2の目付けであり、かつJIS K6788に規
    定されるぬれ張力35mN/mのぬれ試験液の液滴を静
    かに不織布上に垂らした時に、30秒以内に液滴が吸収
    される性質を有するものであることを特徴とする請求項
    1〜2いずれか記載のポリビニルアルコール系樹脂フイ
    ルム積層体。
  4. 【請求項4】 水系接着剤がビニル樹脂系エマルジョ
    ン、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、アルカリ金属
    又はアルカリ土類金属の水溶液のいずれかであることを
    特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアル
    コール系樹脂フイルム積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載のポリビニル
    アルコール系樹脂フイルム積層体からなることを特徴と
    する農業用被覆材。
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