JP4808360B2 - 農業用被覆材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせた積層体で、その少なくとも1つの層間に有色層を設けた積層体を割繊してフラットヤーンとし、これを製織した織物からなる農業用被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、農業用被覆材としてはポリ塩化ビニルフイルム、ポリエチレンフイルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が価格面での有利性から汎用されているが、ポリビニルアルコール系樹脂フイルム、特に二軸延伸フイルムも紫外線透過遮断性に優れていることから多方面で応用が試みられている。
【0003】
そして、かかるポリビニルアルコール系樹脂フイルムは夜間のハウス内の保温性には優れるものの、昼間の強い太陽熱を遮断しハウス内の過度の温度上昇を防止する点では難点があるため、該フイルムを単層で用いることは少なく、疎水性樹脂のフイルム、織物、不織布等をポリウレタン系接着剤で貼り合わせた積層体として使用されることが多い(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照。)。
ところが、かかる積層体でも防曇性や収縮安定性に問題が残るため、例えば一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フイルムを、配向軸が交差するように積層する工夫がなされている(例えば、特許文献4参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭56−67251号公報
【特許文献2】
特開昭62−282931号公報
【特許文献3】
特開昭63−319148号公報
【特許文献4】
特公昭57−135167号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等が検討したところ、かかるポリビニルアルコール系樹脂フイルムを用いた公知の積層体は生産性が低い上、特に昼間と夜間の湿度差の変動を長期間にわたって受け続けると、可撓性不足によるクラックの発生等の問題点があることが明らかとなった。
【0006】
そこで、本発明ではこのような背景下において、ハウス内の温度上昇防止効果、湿度変化に対する劣化防止効果に優れた農業用被覆材を提供することを目的とするものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】
しかるに、本発明者等がかかる課題について鋭意研究をした結果、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせてなり、その少なくとも1つの層間に有色層を設けた積層体を割繊してフラットヤーンとし、これを製織した織物からなる農業用被覆材が、上記目的に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明では、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせてなり、その少なくとも1つの層間に有色層を設けた積層体を割繊してフラットヤーンとし、これを製織した織物からなることに大きな特徴があり、上記の効果とともにフラットヤーンを製造する時の割繊性とカール性が、単層の着色フイルムに比較して遥かに優れるという顕著な効果も期待できるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられる二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの原料としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールのいずれでもよく、該ポリビニルアルコールは酢酸ビニルを単独重合し、更にそれをケン化して製造される。又、変性ポリビニルアルコールは酢酸ビニルと他の不飽和単量体との重合体をケン化して製造されたり、ポリビニルアルコールを後変性して製造される。
【0010】
上記で他の不飽和単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミドー1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
又、後変性の方法としては、ポリビニルアルコールをアセト酢酸エステル化、アセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、オキシアルキレン化する方法等が挙げられる。
【0012】
かかるポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ケン化度が80モル%以上のものが好ましく、更には90〜100モル%、特には99〜100モル%が有利である。かかるケン化度が80モル%未満では、耐水性が低下する。
【0013】
又、4重量%水溶液の粘度は2.5〜100mPa・s(20℃)が好ましく、更には2.5〜70mPa・s(20℃)、特には2.5〜60mPa・s(20℃)が有利である。該粘度が2.5mPa・s(20℃)未満では、フイルム強度等の機械的物性が劣ることがあり、一方100mPa・s(20℃)を越えるとフイルムへの製膜性が悪くなり好ましくない。
尚、上記粘度はJIS K6726に準じて測定されるものである。
【0014】
更に、かかるポリビニルアルコール系樹脂はフイルムの着色防止、強度低下防止のために樹脂中に含有される酢酸ナトリウムの量を0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下に調整するのが有利である。かかる酢酸ナトリウムの含有量の調整については、メタノール等のアルコール又は水により洗浄する方法等が一般的である。
【0015】
ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製造するに当たっては、ドラム、エンドレスベルト等の金属面上にポリビニルアルコール系樹脂溶液を流延してフイルムを形成したり、あるいは押出機により溶融押出される。
通常は製膜用の原液として、ポリビニルアルコール系樹脂濃度が15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%のポリビニルアルコール系樹脂−水の組成物を調製する。
【0016】
又、必要に応じてエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類の可塑剤やフェノール系、アミン系等の抗酸化剤、リン酸エステル類等の安定剤、着色料、香料、増量剤、消包剤、剥離剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤等の通常の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
又、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のポリビニルアルコール系樹脂以外の他の水溶性樹脂を混合してもよい。
【0017】
上記で調製したポリビニルアルコール系樹脂−水の組成物は製膜機(押出機)に連動させるか、あるいは一旦ペレット化、フレーク化してから後製膜機に供給され押出製膜される。
【0018】
尚、ポリビニルアルコール系樹脂−水の組成物の調製と製膜操作を同一の押出機を用いて行うこともできるが、L/Dを大きくしたり、多軸押出機を使用したり、ギアポンプを利用する等、均一な混和と製膜安定性に留意する必要がある。
【0019】
ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの製膜法については、特に限定されないが、上記原液を押出機に供給して溶融混練した後、Tダイ法、インフレーション法により押出し製膜し、乾燥する方法が好ましい。
【0020】
押出機内での溶融混練温度は55〜140℃が好ましく、更には55〜130℃が好ましい。かかる温度が55℃未満ではフイルム肌の不良を招き、140℃を越えると発泡現象を招き好ましくない。製膜後のフイルムは乾燥され製品化される。
かかる乾燥については、70〜110℃、更には80〜100℃で行うことが好ましい。
【0021】
本発明では、上記ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを二軸延伸したものを用いることが必要であり、好ましくは逐次二軸延伸を施し、耐水性、可撓性、機械的強度等の物性を付与することが有利である。
【0022】
かかる延伸については、縦方向の延伸倍率が1.5〜5.0倍、横方向の延伸倍率が2.0〜5.0倍であることが好ましく、より好ましくは縦方向の延伸倍率が3.0〜4.5倍、横方向の延伸倍率が3.0〜5.0倍である。該縦方向の延伸倍率が1.5倍未満では延伸による物性向上が得難く、5.0倍を越えるとフイルムが縦方向へ裂けやすくなり好ましくない。又、横方向の延伸倍率が2.0倍未満では延伸による物性向上が得難く、5.0倍を越えるとフイルムが破断することとなり好ましくない。
【0023】
かかる逐次二軸延伸を行うに当たっては、上記ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの含水率を5〜30重量%、好ましくは20〜30重量%に調整しておくことが好ましく、上記で得られた乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂フイルムを引き続き乾燥して含水率を調整したり、含水率5重量%未満のポリビニルアルコール系フイルムを水に浸漬あるいは調湿等を施して含水率を調整したりする方法等がある。
【0024】
かかる含水率が5重量%未満では延伸倍率を充分に高めることができず、30重量%を越えると同様に延伸工程で縦横の延伸倍率を高めることができなくなり好ましくない。
【0025】
更に、逐次二軸延伸を施した後は、熱固定を行うことが好ましく、かかる熱固定の温度は、ポリビニルアルコール系樹脂の融点ないし融点より40℃低い温度までの範囲から選択することが好ましい。融点より40℃低い温度より低い場合は寸法安定性が悪く、収縮率が大きくなり、一方融点より高い場合はフイルムの厚み変動が大きくなり好ましくない。ポリビニルアルコール系樹脂が酢酸ビニル単独重合体のケン化物である場合の熱固定温度は、例えば160〜230℃である。又、熱固定時間は1〜30秒間であることが好ましく、より好ましくは5〜10秒間である。
【0026】
得られた二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムは膜厚8〜50μm、好ましくは10〜40μmで積層される。
【0027】
本発明の農業用被覆材は、(1)二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合せてなり、その少なくとも1つの層間に有色層を設けた積層体からなる場合、(2)該積層体を割繊してフラットヤーンを得、それを製織した織物からなる場合の二つの態様のうち、(2)の態様のものである。以下順次説明する。
【0028】
(1)二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルム積層体
貼り合せる二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムは、カール等の防止の点で同一のものが好ましいが、必要に応じてケン化度、4重量%水溶液粘度、酢酸ナトリウム含有量等の異なる品種のポリビニルアルコール系樹脂の使用、フイルムの延伸倍率や厚さが異なるもの等、異種のポリビニルアルコール系樹脂フイルムの積層も可能である。
【0029】
又、本発明では、かかる二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムは、貼り合わされるポリビニルアルコール系樹脂フイルムのすべてが二軸延伸フイルムであるために、収縮によるカールの発生抑制に優れるものである
【0030】
更に、本発明においては、上記二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせてなり、その少なくとも1つの層間に有色層を設けるわけである。かかる有色層は、2枚以上重ねた二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムが保有するハウス内の温度上昇防止効果に更に寄与することができる。
有色層は、有色の接着剤層として設けても良いし、有色の印刷層として設けても良く、又、両方を併用して設けても良い。尚、有色の印刷層として設ける場合は、別途接着剤を用いて貼り合わせることが望まれる。
【0031】
本発明において、有色の接着剤層を設ける場合、接着剤中に染料あるいは顔料を混合すればよく、使用される染料や顔料(無機系顔料、有機系顔料)は特に限定されるものではない。これら染料あるいは顔料の含有量についても特に限定されることはなく、用いる染料や顔料の種類により適宜選択される。
【0032】
上記接着剤としては、特に限定されないが、例えばポリウレタン系接着剤、特には、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの積層で良く用いられるポリエーテル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂を主剤としウレタン系硬化剤を混合して使用される接着剤や、市販のエポキシ系接着剤等も好適に用いられる。
【0033】
又、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムよりなる積層体の透湿性を重視して水系の接着剤を用いることも好ましく、水系接着剤としては酢酸ビニル樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン等のビニル樹脂系エマルジョン、特に保護コロイドとしてポリビニルアルコールを使用したものが好適である。
【0034】
又、水溶性高分子水溶液、特にポリビニルアルコール系樹脂水溶液が有用である。かかるポリビニルアルコール系樹脂は、前述した本発明の積層体用のポリビニルアルコール系樹脂フイルムで用いられる原料と同様のものである。
【0035】
即ち、ケン化度が80モル%以上のものが好ましく、更には90〜100モル%、特には99〜100モル%が有利であり、かかるケン化度が80モル%未満では、耐水接着性が低下する。
又、4重量%水溶液の粘度については塗工性などの点から2.5〜100mPa・s(20℃)が好ましく、更には2.5〜70mPa・s(20℃)、特には2.5〜60mPa・s(20℃)が有利である。
【0036】
その他の水系接着剤としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水溶液、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の水溶液が挙げられ、これ単独で又はポリビニルアルコール系樹脂と併用して使用される。
【0037】
本発明において、有色の印刷層を設ける場合、積層する前の二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの表面に、グラビア印刷やフレキソ印刷等の連続的な塗布方法によって、市販されている有色インキを有色層として塗布することが一般的であるが、この方法に限定されるものではない。
有色インキとしては、市販されるもの以外にポリビニルアルコール水溶液に染料あるいは顔料を分散させたものも好適に用いられる。
尚、有色層として印刷層を設ける場合は、別途、上記の接着剤を用いて貼り合わせることが望まれる。
【0038】
本発明において、有色層の色については、特に限定されないが彩度が低いほうがより好ましい。特に、Lab表記法で表した場合、L値については特に制限されないが、a値で−3〜+3、特には−1〜+1の範囲であることが好ましく、b値で−10〜+10、特には−7〜+7の範囲であることが好ましい。即ち、上記範囲以外の色がフイルムに付くと作業環境に影響を及ぼしたり、害虫などが近寄ってくる等の可能性もあり好ましくない。
【0039】
かくして本発明では、少なくとも1つの層間に有色層を設けるように、上記二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせるのであるが、かかる貼り合わせに当たっては、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムのいずれか一方又は両方の面に、上記の接着剤を浸漬法、塗布法、噴霧法等の周知の手段で塗工したり、上記の有色印刷層を形成したりした後、貼り合わせて乾燥すればよい。
かかる接着剤の場合、その塗工量は固形分換算で0.01〜10g/m2、特には0.05〜5g/m2が適当である。
【0040】
又、本発明では、得られる積層体がカールを起こしたり層間剥離が発生するのをできるだけ防止するため、得られる積層体の両外側が同じ状態であることが好ましく、特に農業用被覆材として使用することを考慮すると、両最外層は二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムのままであることが好ましい。
【0041】
(2)二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルム積層体(フラットヤーン)の織物
フラットヤーンの製造は、あらかじめ上記の通り作製された二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムの積層体を圧搾空気吹き付け法、切除法、摩擦法等の任意の手段で割繊し、幅が1〜10mm程度になるように実施される。
これを縦糸の全部又は一部に使用して、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ビニロン等の繊維を横糸としてラッセル織り、平織り等の周知の編織手段で布状体とされる。
本発明では農業用被覆材の用途が特に重要である。
【0042】
本発明の農業用被覆材は、ビニルハウスにおける保温、過湿防止、水滴落下防止等の利用に有効であり、通常ビニルハウスの外側をポリエチレン、ガラス等で覆い、その内側に本発明の被覆材を配置して二重ハウス(保温用カーテン)として使用するのに有用である。
【0043】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
【0044】
参考例
シリンダー温度を60〜150℃に設定した二軸押出機(スクリューL/D=40)のホッパーからポリビニルアルコール(4%水溶液の粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%、日本合成化学工業社製「ゴーセノールNH−17Q」)と水を(ポリビニルアルコール/水の重量比は40/60)定量ポンプにより供給し、混練し吐出量500kg/hrの条件で吐出した。
【0045】
この吐出物を直ちに一軸押出機(スクリューL/D=30)に圧送し、温度85〜140℃にて混練後、Tダイより5℃のキャストロールに押出し、90℃の熱風乾燥機で30秒間乾燥し、含水率25%のフイルム(A)(厚み150μm)を作製した。引き続き、かかるフイルム(A)を縦方向に4.2倍延伸した後、テンターで横方向に4.2倍延伸し、次いで220℃で8秒間熱固定し、二軸延伸フイルム(B)(厚み14μm)を得た。
【0046】
次に、ポリビニルアルコール(4%水溶液の粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%、日本合成化学工業社製「ゴーセノールNH−17Q」)の10%水溶液を調製した。更に、この水溶液の固形分100部に対し30部の酸化チタン(石原産業社製「タイペーク CR95」)を混合して有色接着剤を得た。
有色接着剤の色は、Lab表記法において、L値45.1、a値0.8、b値5.1であった(日本電色社製の「色差計SZ−Σ90」により透過光で測定した。)
【0047】
上記のポリビニルアルコール二軸延伸フイルム(B)に、上記ポリビニルアルコール有色接着剤を固形分換算で0.8g/mとなる割合で塗布し、同じ二軸延伸フイルム(B)と貼り合わせ120℃で乾燥して、農業用被覆材を得た。
【0048】
上記農業用被覆材について以下の性能を測定し、結果を表1に示した。
(ビニルハウス内の温度上昇防止効果)
ビニルハウス(横80cm、縦80cm、高さ100cm)外の高さ150cmの位置にデイライト(温度上昇し易いライト)を配置し、屋根部から10cm離れた室内に設けた金属枠(170mm×70mm)に上記被覆材を固定し、照射開始時、20分後、40分後、60分後の地表面の温度を測定した。
【0049】
(湿度変化に対する劣化防止効果)
サンシャインウェザーメーターにより上記被覆材を、降雨8時間、照射32時間の繰り返し条件に1000時間さらし、被覆材の状態を観察した
・被覆材の可撓性の状態
○:しなやかさに全く変化がない
△:可撓性が多少低下し手で揉むと少し破壊が認められた
×:可撓性が著しく低下し手で揉むと容易に破壊が認められた
・被覆材クラックの発生状態
○:クラックの発生は全くない
△:クラック発生が少し見られる
×:大きなクラックの発生が見られる
・被覆材(100mm×100mm)の面積収縮状態
◎:面積収縮率が5%未満
○:面積収縮率が5%以上、10%未満
△:面積収縮率が10%以上
【0050】
参考例
参考例1において、有色接着剤として、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(保護コロイドとしてポリビニルアルコールを使用、コニシ社製「S−200」)の50%水分散液を調製し、この水分散液の固形分100部に対し5部の白色有機性顔料(日本化薬社製、「Kayaphor AS150」)を混合して得た有色接着剤を用いた以外は同様に行い、農業用被覆材を得た。
有色接着剤の色は、Lab表記法において、L値45.6、a値0.6、b値4.9であった(参考例1と同様の方法で測定した)。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0051】
参考例
参考例1において、有色接着剤として、ポリエステル系/イソシアネート二液型ポリウレタン系接着剤(武田薬品社製「タケラックA−3210」/「タケネートA−3072」=3/1(固形分重量比)」)を用い、この接着剤の固形分100部に対し30部の酸化チタン(石原産業社製「タイペーク CR95」)を混合して得た有色接着剤を用いた以外は同様に行い、農業用被覆材を得た。
有色接着剤の色は、Lab表記法において、L値41.5、a値0.9、b値6.3であった(参考例1と同様の方法で測定した)。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0052】
参考例
参考例1において使用したポリビニルアルコール二軸延伸フイルム(B)の表面に版深35μmのグラビアコータを用いて、有色インク(大日本インキ工業社製「ユニピアA793」)を固形分換算で0.3g/m2となるように塗布し、100℃にて5分間乾燥し、これを3回繰り返して着色されたフイルム(B)を得た。
有色インクの色は、Lab表記法において、L値68、a値0.5、b値3.8であった(参考例1と同様の方法で測定した)。
この着色されたフイルム(B)の着色面同士を、ポリエステル系/イソシアネート二液型ポリウレタン系接着剤(ロックペイント社製「ロックボンドJ RU−50」/「硬化剤H−5」=10/1(固形分重量比)」)にて、固形分換算で0.8g/m2となる割合で塗布し、貼り合わせ、120℃で乾燥して、農業用被覆材を得た。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0053】
参考例
参考例1において、原料ポリビニルアルコールとして4%水溶液の粘度が40mPa・s、ケン化度が99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量が0.5%のポリビニルビニルアルコール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールN−300」)を用いた以外は同様に行い、農業用被覆材を得た。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0054】
参考例
参考例1において、使用したポリビニルアルコール二軸延伸フイルム(B)を、縦方向の延伸倍率を3.5倍、横方向の延伸倍率を4.2倍にしたポリビニルアルコール二軸延伸フイルムに変更した以外は同様に行い、農業用被覆材を得た。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0055】
参考例
参考例1において、二軸押出機に更にグリセリン(ポリビニルアルコール系樹脂に対して15%)を供給して得たポリビニルアルコール系樹脂フイルム(A)を使用した以外は同様に行い、農業用被覆材を得た。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0056】
実施例1〜3
参考例1において使用したポリビニルアルコール二軸延伸フイルム(B)の積層体(実施例)、及び参考例5(実施例)、参考例6(実施例)の積層体を縦方向に割繊して幅7mmのフラットヤーンを製造し、これとポリエチレンのモノフイラメントを交互に縦糸とし、横糸にはポリエチレンのモノフイラメントを使用して、織物に製織し、農業用被覆材を得た。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0057】
比較例1
参考例1において使用したポリビニルアルコール系樹脂フイルム(A)を一軸延伸に6.0倍延伸したものを、ポリビニルアルコール(4%水溶液の粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%、日本合成化学工業社製「ゴーセノールNH−17Q」)の10%水溶液よりなる接着剤を用いて直交して貼り合わせ、120℃で乾燥して、農業用被覆材を得た。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
【0058】
比較例2
参考例1において使用したポリビニルアルコール二軸延伸フイルム(B)の表面に版深35μmのグラビアコータを用いて、有色インク(大日本インキ工業社製「ユニピアA793」)を固形分換算で0.3g/m2となるように塗布し、100℃にて5分間乾燥し、これを3回繰り返して着色されたフイルム(B)よりなる農業用被覆材を得た。
有色インクの色は、Lab表記法において、L値68、a値0.5、b値3.8であった(参考例1と同様の方法で測定した)。
得られた農業用被覆材について参考例1と同様の評価を行った。
尚、得られた農業用被覆材は、カールが発生し実用性に劣るものであった。
参考例、実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0059】
[表1]
地表面の温度変化(℃) 劣化防止性
開始時 20分後 40分後 60分後 可撓性 クラック 収縮状況
参考例1 20 21 23 25 ○ ○ ○
参考例2 20 21 22 25 ○ ○ ○
参考例3 19 20 22 25 ○ ○ ○
参考例4 20 20 21 24 ○ ○ ○
参考例5 21 21 23 24 ○ ○ ○
参考例6 20 21 22 25 ○ ○ ○
参考例7 21 20 22 24 ○ ○ ○
実施例1 20 21 22 23 ○ ○ ◎
実施例2 19 21 22 24 ○ ○ ◎
実施例3 19 21 23 24 ○ ○ ◎
比較例1 21 24 26 28 ○ × △
比較例2 20 21 23 25 ○ × ○
【0060】
【発明の効果】
本発明では、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせてなり、その少なくとも1つの層間に有色層を設けた積層体を割繊してフラットヤーンとし、これを製織した織物からなる農業用被覆材は、ハウス内の温度上昇防止効果、湿度変化に対する劣化防止効果に優れ、昼間と夜間の湿度差の変動を長期間にわたって受け続けても、可撓性不足によるクラックの発生や収縮等がない優れた効果を発揮し、上記の効果とともにフラットヤーンを製造する時の割繊性が、単層の二軸延伸フイルムの使用に対して遥かに優れるという顕著な効果も期待できるのである。

Claims (5)

  1. 二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを2枚以上貼り合わせてなり、その少なくとも1つの層間に有色層を設けた積層体を割繊してフラットヤーンとし、これを製織した織物からなることを特徴とする農業用被覆材。
  2. 有色層が、有色の接着剤及び/又は有色の印刷層であることを特徴とする請求項1記載の農業用被覆材。
  3. Lab表記法において、有色層の色が、a値で−3〜+3の範囲であり、b値で−10〜+10の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の農業用被覆材。
  4. 二軸延伸ポリビニルアルコール系フイルムの縦方向の延伸倍率が1.5〜5.0倍、横方向の延伸倍率が2.0〜5.0倍であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の農業用被覆材。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂として、平均ケン化度が80モル%以上、4重量%水溶液の粘度が2.5〜100mPa・s(20℃)、酢酸ナトリウム含有量が0.8重量%以下のものを用いることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の農業用被覆材。
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