JP2003311841A - 樹脂筒の嵌め込み方法及びそのためのダイス、繊維含有樹脂筒の成形方法及びその成形装置、繊維含有樹脂筒、並びに該樹脂筒を有する防振成形体 - Google Patents

樹脂筒の嵌め込み方法及びそのためのダイス、繊維含有樹脂筒の成形方法及びその成形装置、繊維含有樹脂筒、並びに該樹脂筒を有する防振成形体

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JP2003311841A JP2002125915A JP2002125915A JP2003311841A JP 2003311841 A JP2003311841 A JP 2003311841A JP 2002125915 A JP2002125915 A JP 2002125915A JP 2002125915 A JP2002125915 A JP 2002125915A JP 2003311841 A JP2003311841 A JP 2003311841A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短繊維を含有する樹脂筒7を該樹脂筒7の外径
よりも小径の取付孔3に嵌め込む。 【解決手段】樹脂筒7の短繊維を該樹脂筒7の軸方向に
配向させる。この樹脂筒7を、入口から出口に向かって
内径が漸次小さくなったダイスに通すことにより、樹脂
筒7の外径を縮小させて取付孔3に嵌め込み、樹脂筒7
をその弾性復元力によって取付孔3に密嵌状態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂筒の嵌め込み
方法及びそのためのダイス装置、繊維含有樹脂筒の成形
方法及びその成形装置、繊維含有樹脂筒、並びに該樹脂
筒を有する防振成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のサスペンションやエンジンマウ
ント等に使用される弾性ブッシュに関し、この弾性ブッ
シュの外筒を合成樹脂製とし、これを取付相手方である
筒状部材に圧入することは知られている。すなわち、こ
の圧入によって、外筒の径を弾性的に縮小させ、それに
よって弾性ブッシュのゴム弾性体に予圧縮を与える、と
いうものである。
【0003】例えば、実公昭54−29437号公報に
は、上記外筒の端部外周縁に面取り部を設けるととも
に、上記筒状部材の端部内周縁に面取り部を設け、この
面取り部同士の案内によって、弾性ブッシュの外筒を縮
小させて筒状部材に圧入することが記載されている。ま
た、特開2001−74080号公報には、上述の如き
圧入型弾性ブッシュの外筒を、ガラス短繊維が配合され
たポリアミドによって形成することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如き面
取り部の案内で圧入する方式では、上記外筒は、取付相
手方である筒状部材の面取り部を通過するときに径が急
激に絞られる(縮められる)から、この径の急変によっ
て割れ易い。特に、上述の如くガラス短繊維を含有する
外筒の場合、ガラス短繊維が縮径時の抵抗となって割れ
を生じ易い。
【0005】そこで、本発明は、合成樹脂によって形成
された樹脂筒を、その外径よりも孔径が小さい取付相手
方の取付孔に対して、割れを招くことなく嵌め込むこと
ができるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に係る発明は、樹脂筒を該樹脂筒の外径よりも孔径
が小さい取付相手方の取付孔に嵌め込む方法であって、
入口径は上記樹脂筒の外径よりも大きく、出口径は上記
取付孔の孔径よりも小さく、且つ当該入口から出口に向
かって径が漸次小さくなったダイスの出口を、上記取付
相手方の取付孔に対して同心になるように対向させ、上
記樹脂筒を、上記ダイスに通し、該ダイスを通過した部
分から上記取付孔に挿入していき、上記樹脂筒を上記ダ
イスから押し出すことによって上記取付孔に嵌め込むこ
とを特徴とする。
【0007】すなわち、上記樹脂筒は、上記ダイスに通
されることによって、先端にいくに従って外径が漸次縮
小した先細形状になされ、この先細になって上記ダイス
を通過した部分から上記取付孔に順次挿入されていく。
従って、樹脂筒は、取付孔に挿入されるときに、外径が
急激に絞られることがなくなり、つまり、樹脂筒に対し
て局部的に応力が集中することがなくなり、その割れが
防止される。そうして、樹脂筒の全長が上記ダイスを通
過すると、該樹脂筒はその弾性復元力によって外径が拡
大し上記取付孔に対して密嵌状態となる。
【0008】上記課題を解決する請求項2に係る発明
は、樹脂筒を該樹脂筒の外径よりも孔径が小さい取付相
手方の取付孔に嵌め込むためのダイス装置であって、入
口径は上記樹脂筒の外径よりも大きく、出口径は上記取
付孔の孔径よりも小さく、且つ当該入口から出口に向か
って径が漸次小さくなっており、上記取付孔と同心にな
るように該取付相手方に対向させて配置され、上記樹脂
筒を上記取付孔に嵌め込むために通過させることを特徴
とする。
【0009】従って、このようなダイス装置であれば、
樹脂筒を取付相手方の取付孔に対して、該樹脂筒の割れ
を招くことなく、スムースに嵌め込むことができる。
【0010】上記課題を解決する請求項3に係る発明
は、取付相手方の取付孔に外径を縮小させて嵌め込まれ
る繊維含有樹脂筒の成形方法であって、上記樹脂筒を成
形するための筒形状のキャビティに対して、上記樹脂筒
の上記取付孔に対する嵌め込み方向の先端とは反対側の
基端に対応する当該キャビティの一端近傍の全周囲よ
り、短繊維を含有する樹脂材料を同時に注入することを
特徴とする。
【0011】従って、キャビティではその一端近傍から
他端に向かって樹脂材料が流れ、その際に短繊維は樹脂
材料の流れ方向に、つまり、樹脂筒の軸方向に配向され
るとともに、ウェルドの発生が避けられる。
【0012】すなわち、本発明とは違って、樹脂材料を
例えばキャビティの一端近傍の周方向に間隔をおいた複
数箇所から該キャビティに注入すると、この樹脂材料の
一部はキャビティ内を周方向に流れることから、短繊維
の配向方向が乱れる。さらに、キャビティ内において樹
脂材料の流れが2つ以上生ずるから、それらの流れの融
合部にウェルド(樹脂材料同士が完全に融合しないとき
に生ずる線状のむら)を生じ易い。短繊維の配向が乱れ
た場合、樹脂筒を縮径させるとき、一部の短繊維が抵抗
になって樹脂筒の割れを招き易くなり、また、ウェルド
の部分も強度的弱点となり、縮径時の割れの原因にな
る。
【0013】本発明では、上述の如き短繊維の配向の乱
れを防止するとともに、上記ウェルドの発生を防止する
ために、キャビティの全周囲から樹脂材料を同時に注入
するようにしたものである。
【0014】そうして、キャビティに対してその一端近
傍から樹脂材料を注入すると、キャビティの一端と注入
口との間では短繊維の配向が乱れる。つまり、得られる
樹脂筒の基端部では短繊維の配向が乱れる。しかし、こ
の樹脂筒は、取付孔に対して短繊維の配向が軸方向に揃
った先端側から取付孔に挿入されるため、その挿入時に
外径が絞られても、樹脂筒の割れを生じ難い。これは、
短繊維が絞りに対して抵抗になることが避けられるから
である。
【0015】また、上述のダイスを用いて樹脂筒を取付
孔に嵌め込む場合でも、樹脂筒をダイスに対して基端側
から挿入していくと、この基端側では短繊維の配向が乱
れているから、樹脂筒の割れを招き易い。しかし、樹脂
筒をその先端からダイスに挿入していくと、最終的には
短繊維の配向が乱れた基端部の外径も絞られるものの、
それまでに樹脂筒の大部分が無理なく絞られているか
ら、当該基端部も大きな抵抗なく絞られ、樹脂筒の割れ
を招くことが避けられる。キャビティに対する樹脂材料
の注入位置は、キャビティの一端からキャビティ全長の
1/3程度までの範囲に設けること、さらには1/4程
度までの範囲に設けることが好ましい。
【0016】しかも、樹脂材料をキャビティの一端から
注入した場合、得られる樹脂筒の一端(基端)にバリを
生ずるが、そのバリを除去して端面をきれいに仕上げる
ことは難しい。これに対して、キャビティの一端近傍、
すなわち、キャビティの内周側又は外周側から樹脂材料
を注入するのであれば、バリを生じても、得られる樹脂
筒の内面研削又は外面研削によってバリを簡単に除去す
ることができ、仕上げが容易になる。
【0017】上記課題を解決する請求項4に係る発明
は、取付相手方の取付孔に外径を縮小させて嵌め込まれ
る繊維含有樹脂筒の成形金型であって、上記樹脂筒を成
形するための筒形状のキャビティと、上記キャビティに
短繊維を含有する樹脂材料を供給するランナとを備え、
上記ランナのゲートは、上記樹脂筒の上記取付孔に対す
る嵌め込み方向の先端とは反対側の基端に対応する上記
キャビティの一端近傍の全周囲より該キャビティに上記
樹脂材料が注入されるようにフィルムゲート形状に形成
されていることを特徴とする。
【0018】従って、短繊維を含有する樹脂材料は、キ
ャビティの一端近傍の全周囲より該キャビティに上記樹
脂材料が注入されることになり、一端近傍(基端近傍)
から他端(先端)に至る間の短繊維が軸方向に配向され
た樹脂筒が得られ、また、ウェルドの発生が防止され
る。
【0019】上記課題を解決する請求項5に係る発明
は、取付相手方の取付孔に外径を縮小させて嵌め込まれ
る繊維含有樹脂筒であって、筒形状のキャビティの一端
の全周囲より又は該一端近傍の全周囲より、短繊維を含
有する樹脂材料を該キャビティに注入されて形成され、
上記短繊維が樹脂筒一端より又は該一端近傍より他端に
向かって上記取付孔に対する嵌め込み方向に配向されて
いることを特徴とする。
【0020】従って、この樹脂筒を上記取付孔に外径を
縮小させて嵌め込む際の樹脂筒の割れが防止される。
【0021】上記課題を解決する請求項6に係る発明
は、請求項5に記載されている繊維含有樹脂筒の筒内に
防振ゴムが設けられていることを特徴とする防振成形体
である。
【0022】従って、この防振成形体を上記取付孔に樹
脂筒の外径を縮小させて嵌め込む際の樹脂筒の割れが防
止され、また、この嵌め込みにより、防振ゴムに予圧縮
を与えることができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、樹脂筒の外径よりも大きい入口から取付孔の孔径
よりも小さい出口に向かって径が漸次小さくなったダイ
スの出口を上記取付孔に対して同心になるように対向さ
せ、上記樹脂筒を、上記ダイスに通すことにより、該樹
脂筒の外径を先細形状となるように縮小させ、該ダイス
を通過した部分から上記取付孔に挿入していき、該樹脂
筒の全長が上記ダイスを通過した後の該樹脂筒の弾性的
復元力により該樹脂筒を上記取付孔に対して密嵌状態と
するようにしたから、樹脂筒を取付孔に対して、割れを
招くことなく、外径を縮小させて嵌め込むことができ
る。
【0024】請求項2に係る発明によれば、樹脂筒を該
樹脂筒の外径よりも孔径が小さい取付孔に嵌め込むため
のダイス装置であって、樹脂筒の外径よりも大きい入口
から取付孔の孔径よりも小さい出口に向かって径が漸次
小さくなっているから、樹脂筒を取付孔に対して、割れ
を招くことなく、外径を縮小させて嵌め込むことができ
る。
【0025】請求項3に係る発明によれば、短繊維を含
有する樹脂材料を筒形状のキャビティに対して該キャビ
ティの一端近傍の全周囲より同時に注入するようにした
から、ウェルドの発生を招くことなく短繊維が一端近傍
(基端近傍)から他端(先端)に至る間で軸方向に配向
された樹脂筒を得ることができ、割れを招くことなく外
径を縮小させて取付孔に嵌め込む上で有利になるととも
に、バリを簡単に除去することができ、仕上げが容易に
なる。
【0026】請求項4に係る発明によれば、筒形状のキ
ャビティと、該キャビティに短繊維を含有する樹脂材料
を供給するランナとを備え、該ゲートは、キャビティの
一端近傍の全周囲より該キャビティに当該樹脂材料が注
入されるようにフィルムゲート形状に形成されているか
ら、ウェルドの発生を招くことなく短繊維が一端近傍
(基端近傍)から他端(先端)に至る間で軸方向に配向
された樹脂筒を得ることができ、割れを招くことなく外
径を縮小させて取付孔に嵌め込む上で有利になるととも
に、バリを簡単に除去することができ、仕上げが容易に
なる。
【0027】請求項5に係る発明によれば、取付孔に外
径を縮小させて嵌め込まれる繊維含有樹脂筒であって、
筒形状のキャビティの一端の全周囲より又は該一端近傍
の全周囲より、短繊維を含有する樹脂材料を該キャビテ
ィに注入されて形成され、短繊維が樹脂筒一端より又は
該一端近傍より他端に向かって上記取付孔に対する嵌め
込み方向に配向されているから、上記取付孔に外径を縮
小させて嵌め込む際の樹脂筒の割れを防止する上で有利
になる。
【0028】請求項6に係る発明によれば、請求項5に
記載されている繊維含有樹脂筒の筒内に防振ゴムが設け
られている防振装置であるから、上記取付孔に樹脂筒の
外径を縮小させて嵌め込む際の樹脂筒の割れが防止され
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0030】<防振装置>図1及び図2に示すエンジン
のラバーマウント装置において、1は小取付孔2と大取
付孔3とが平行に設けられた金属製ブラケット(取付相
手方)である。小取付孔2にはパワープラント(エンジ
ン又はトランスミッション)に結合される内筒4が挿入
されていて、小取付孔2の内面と内筒4とは防振ゴム5
によって結合されている。大取付孔3には防振成形体6
が嵌め込まれている。防振成形体6は、短繊維を含有す
る樹脂筒7と、この樹脂筒7に挿入された内筒9と、こ
の樹脂筒7と内筒9とを結合する防振ゴム10とによっ
て構成されている。内筒9は自動車の車体(フレーム)
に結合される。
【0031】樹脂筒7のマトリックス樹脂には種々の合
成樹脂を採用することができるが、本実施形態ではナイ
ロン樹脂を採用している。短繊維にも種々の有機又は無
機の短繊維を採用することができるが、本実施形態では
ガラス短繊維を採用している。短繊維の配合量はマトリ
ックス樹脂の量の例えば10〜40質量%程度とすれば
よく、本実施形態では30質量%としている。樹脂筒7
の一端近傍から他端に至るまでの短繊維は該樹脂筒7の
軸方向(筒長方向)に配向されている。
【0032】短繊維は、樹脂筒7を補強する働きをする
とともに、ガラス短繊維の場合は樹脂筒7の吸水率を低
下させる働きをする。すなわち、樹脂筒7は、湿度の高
い環境下に置かれたり、雨水、塩水と接触したりする
と、吸水して劣化するとともに、防振ゴム10との接着
力が低下する。例えば、ナイロン樹脂の場合、吸水率は
7%程度になる。これに対して、樹脂筒7にガラス短繊
維を含有させると、その含有量に応じて樹脂筒7の吸水
率が低下し、ガラス短繊維含有量が30%程度になる
と、樹脂筒7の耐水性及びゴムとの接着性が良好にな
る。
【0033】<樹脂筒の成形>上記樹脂筒7は、図3に
示す金型を用いて製造することができる。この金型にお
いて、11は貫通孔を有する固定プレート、12は固定
プレート11に突き合わされた同じく貫通孔を有するス
トリッパプレートである。固定プレート11の貫通孔に
一方から固定側コアピン13が嵌められている。固定側
コアピン13とは反対側から可動側コアピン14がスト
リッパプレート12の貫通孔に嵌められて、固定プレー
ト11の貫通孔に突出している。これら固定プレート1
1、ストリッパプレート12及びコアピン13,14に
よって上記樹脂筒7を成形するための円筒状キャビティ
15が形成されている。
【0034】固定側コアピン13は貫通孔を有し、この
貫通孔にランナ部材16が嵌められている。ランナ部材
16にはスプル17及びランナ部18が形成されてい
る。このランナ部18は、固定側コアピン13と可動側
コアピン14との間の一定幅の隙間によって形成された
ランナ部19に続いている。このランナ部19の周縁が
上記キャビティ15の一端近傍の内周側に全周にわたっ
て開口したフィルムゲート20になっている。フィルム
ゲート20の開口幅は例えば0.2〜0.5mmとすれ
ばよい。なお、図3において、21は固定側コアピン1
3を固定プレート11に保持する保持プレートである。
【0035】樹脂筒7の成形にあたっては、短繊維を含
有する溶融樹脂(樹脂材料)を上記スプル17からラン
ナ部18,19に加圧供給し、フィルムゲート20から
キャビティ15に供給する。
【0036】従って、キャビティ15には、その一端近
傍の内周側から溶融樹脂が全周にわたって同時に供給さ
れることになるため、ウェルドの発生が避けられるとと
もに、溶融樹脂はキャビティ15の全周において上記一
端近傍から他端に向かって軸方向に流れるから、この一
端近傍から他端に至る間では短繊維が軸方向に配向され
ることになる。なお、上記一端近傍からキャビティ15
の一端に至る間では短繊維は必ずしも軸方向には配向さ
れない。
【0037】溶融樹脂がキャビティ15において冷却固
化した後、可動側コアピン14をストリッパプレート1
2と共に後退させて、樹脂筒7を固定プレート11から
離型させ、さらに可動側コアピン14をストリッパプレ
ート12に対して相対的に後退させることにより、樹脂
筒7を可動側コアピン14から離型させる。しかる後に
樹脂筒7に内面研削を施してバリを除去する。
【0038】<防振成形体のブラケットへの嵌め込み>
防振成形体6のブラケット1の大取付孔3への嵌め込み
は、図4に示すように金属製ダイス22を用いて行な
う。
【0039】防振成形体6の樹脂筒7及び大取付孔3
は、それぞれその全長にわたって同一径になるように形
成されており、しかも自由状態(外力が作用していない
状態)では、樹脂筒7の外径がブラケット1の大取付孔
3の孔径よりも大きく形成されている。例えば、樹脂筒
7は外径(直径)が68mmになるように形成され、大
取付孔3の孔径は65mmに形成されている。また、樹
脂筒7の厚さは1.5〜3mmである。
【0040】そこで、ダイス22を用いて防振成形体6
の樹脂筒7の外径を縮小させて大取付孔3に嵌め込むよ
うにしている。大取付孔3もダイス22は、その入口2
3の径が樹脂筒7の外径よりも大きく(例えば直径70
mm)、その出口24の径が大取付孔3の孔径よりも小
さく(例えば直径64mm)、且つ入口から出口に向か
って径が漸次小さくなっている。
【0041】当該嵌め込みにあたっては、図4(a)に
示すように、ダイス22とブラケット1とを、ダイス2
2の出口24が大取付孔3と同心になるように対向させ
る。本実施形態では両者1,22を当接させている。そ
うして、図4(b)に示すように、防振成形体6をダイ
ス22にその入口23から挿入し、出口24に向かって
押し込んでいく。この挿入にあたっては、樹脂筒7は、
キャビティ15の他端で成形された部位が先端となるよ
うにする。つまり、その短繊維の配向が軸方向になった
側の端が挿入方向の先端となるようにする。
【0042】防振成形体6の樹脂筒7は、ダイス22に
通されることにより、先細となるように外径が縮小され
る。そうして、防振成形体6のダイス22の出口24を
通過した部分はそのまま大取付孔3に挿入されていく。
【0043】樹脂筒7は、ダイス22に通されることに
より、外径が縮小するが、それは樹脂筒7の先端から漸
次小さくなっていくというものであるから、つまり、外
径が急激に絞られるのではないから、樹脂筒7の割れを
招くことが避けられる。また、樹脂筒7の先端が先に絞
られていくが、この先端は、短繊維の配向が軸方向に揃
っているから、この短繊維が当該絞りの大きな抵抗にな
ることはなく、樹脂筒7の割れを招くことが避けられ
る。また、最終的には樹脂筒7の短繊維の配向が乱れた
基端部も先端と同様に絞られるが、それまでに樹脂筒7
の大部分が無理なく絞られているから、当該基端部も大
きな抵抗なく絞られ、樹脂筒7の割れを招かない。
【0044】本実施形態の場合、樹脂筒7は、ダイス2
2を通過するときに外径が最大で6%程度縮小される
が、ガラス短繊維含有量がマトリックス樹脂量の10〜
40質量%程度であれば、外径を9%程度縮小しても樹
脂筒7の割れを招かない。すなわち、樹脂筒7の外径を
4〜9%程度縮小させて取付孔に嵌め込むことに有効で
ある。
【0045】ダイス22の出口24の径は大取付孔3の
孔径よりも小さいから、図4(c)に示すように、樹脂
筒7は抵抗なく大取付孔3に入る。図4(d)に示すよ
うに、防振成形体6の樹脂筒7は、その全長がダイス2
2を通過すると、該ダイス22による外力が解除される
から、その弾性的復元力によって外径が拡大し、大取付
孔3に密嵌された状態となる。但し、樹脂筒7の外径
は、自由状態にあるときよりも縮小されている。これに
より、防振成形体6の防振ゴム10に所定の防振特性を
得るための予圧縮が付与されている。
【0046】<別の実施形態>図5及び図6は、本発明
に係る別の実施形態を示す。すなわち、同図に示す防振
成形体6は、自動車のプロペラシャフト(取付相手方)
の筒孔(取付孔)に嵌め込んで、その振動を低減させる
ダイナミックダンパーとして働くものである。この防振
成形体6は、樹脂筒7と、この樹脂筒7の内部に設けら
れたマス25と、このマス25を樹脂筒7に揺動自在に
結合する防振ゴム10とによって構成されている。樹脂
筒7は、ガラス短繊維を含有するナイロン樹脂によって
形成され、また、先の実施形態と同様にフィルムゲート
を有する金型によって成形されている。
【0047】この防振成形体6の樹脂筒7は、自由状態
での外径がプロペラシャフトの筒孔径よりも大きい。そ
のため、先の実施形態と同様に防振成形体6は、入口か
ら出口に向かって口径が漸次小さくなったダイスに通し
てプロペラシャフトの筒孔に嵌め込むようにしている。
【0048】従って、防振成形体6では、樹脂筒7の外
径が縮小することにより、防振ゴムに予圧縮が付与さ
れ、これにより、当該ダイナミックダンパーとしての共
振周波数が調節されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る防振成形体の斜視図。
【図2】同防振成形体の正面図。
【図3】同防振成形体の樹脂筒を成形する金型を示す断
面図。
【図4】同防振成形体をブラケットの取付孔に嵌め込む
各ステップを示す断面図。
【図5】本発明の別の実施形態に係る防振成形体の正面
図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【符号の説明】
1 ブラケット(取付相手方) 3 取付孔 6 防振成形体 7 樹脂筒 9 内筒 10 防振ゴム 15 キャビティ 18 ランナ部 19 ランナ部 20 フィルムゲート 22 ダイス 23 入口 24 出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J059 AD02 AD05 BA42 BC04 BC06 EA14 GA02 GA09 4F202 AA29 AB25 AG08 AM33 AM36 CA11 CK06 4F211 AB11 AD05 AD12 AG08 AH16 AH17 TA13 TC07 TH02 TH30 TJ15 TJ22 TN79 TQ13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂筒を該樹脂筒の外径よりも孔径が小
    さい取付相手方の取付孔に嵌め込む方法であって、 入口径は上記樹脂筒の外径よりも大きく、出口径は上記
    取付孔の孔径よりも小さく、且つ当該入口から出口に向
    かって径が漸次小さくなったダイスの出口を、上記取付
    相手方の取付孔に対して同心になるように対向させ、 上記樹脂筒を、上記ダイスに通し、該ダイスを通過した
    部分から上記取付孔に挿入していき、 上記樹脂筒を上記ダイスから押し出すことによって上記
    取付孔に嵌め込むことを特徴とする樹脂筒の嵌め込み方
    法。
  2. 【請求項2】 樹脂筒を該樹脂筒の外径よりも孔径が小
    さい取付相手方の取付孔に嵌め込むためのダイスであっ
    て、 入口径は上記樹脂筒の外径よりも大きく、出口径は上記
    取付孔の孔径よりも小さく、且つ当該入口から出口に向
    かって径が漸次小さくなっており、上記取付孔と同心に
    なるように該取付相手方に対向させて配置され、上記樹
    脂筒を上記取付孔に嵌め込むために通過させる樹脂筒嵌
    め込み用ダイス。
  3. 【請求項3】 取付相手方の取付孔に外径を縮小させて
    嵌め込まれる繊維含有樹脂筒の成形方法であって、 上記樹脂筒を成形するための筒形状のキャビティに対し
    て、上記樹脂筒の上記取付孔に対する嵌め込み方向の先
    端とは反対側の基端に対応する当該キャビティの一端近
    傍の全周囲より、短繊維を含有する樹脂材料を同時に注
    入することを特徴とする繊維含有樹脂筒の成形方法。
  4. 【請求項4】 取付相手方の取付孔に外径を縮小させて
    嵌め込まれる繊維含有樹脂筒の成形金型であって、 上記樹脂筒を成形するための筒形状のキャビティと、 上記キャビティに短繊維を含有する樹脂材料を供給する
    ランナとを備え、 上記ランナのゲートは、上記樹脂筒の上記取付孔に対す
    る嵌め込み方向の先端とは反対側の基端に対応する上記
    キャビティの一端近傍の全周囲より該キャビティに上記
    樹脂材料が注入されるようにフィルムゲート形状に形成
    されていることを特徴とする繊維含有樹脂筒の成形金
    型。
  5. 【請求項5】 取付相手方の取付孔に外径を縮小させて
    嵌め込まれる繊維含有樹脂筒であって、 筒形状のキャビティの一端の全周囲より又は該一端近傍
    の全周囲より、短繊維を含有する樹脂材料を該キャビテ
    ィに注入されて形成され、 上記短繊維が樹脂筒一端より又は該一端近傍より他端に
    向かって上記取付孔に対する嵌め込み方向に配向されて
    いることを特徴とする繊維含有樹脂筒。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されている繊維含有樹脂
    筒の筒内に防振ゴムが設けられていることを特徴とする
    防振成形体。
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