JP2003310202A - 加工食品用耐熱性さつまいもフィリング及びその製造方法 - Google Patents
加工食品用耐熱性さつまいもフィリング及びその製造方法Info
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Abstract
やザラ付き等の弊害が生じないで、良好な食味を保持す
ると共に、生地との間の剥がれや、生地から押し出され
るという障害が生ずることのない、耐熱性に優れたサツ
マイモフィリング及びその製造方法を提供することであ
る。 【解決手段】さつまいもに油脂を投入して加熱混合し、
この混合物を70〜80℃の温度状態に保ち卵タンパク
質及びマンナンを投入し、これを充填包装して後、その
中心温度が40℃以下となるように30分間以内で冷却
することを特徴とするサツマイモフィリングの製造方法
である。
Description
イ、饅頭などの加工食品用のさつまいもフィリング、及
びその製造方法に関するものである。
工食品用に使用されるさつまいもフィリングは、さつま
いもに卵、砂糖や水飴等の甘味成分及び呈味成分等を添
加し、これを加熱練合したものであるのが一般的であ
る。このようなさつまいもフィリングは菓子やパン、パ
イ、饅頭、その他の生地に包み込んだ状態で、焼成等の
加熱工程を経て製品化される。
フィリングについては焼成時における耐熱性が要求され
る。即ち、焼成時にさつまいもフィリングの焼成時の目
減りや流れ出しを防止すると共に、焼成後においてもさ
つまいもフィリングが柔軟な性状を保持することにより
商品価値を高めることができるからである。
のさつまいもフィリングについては、さつまいもに生餡
や小麦粉乃至でんぷん、卵、安定剤等を添加して混合
し、加熱殺菌後、充填包装して製品化されていた。
た従来のさつまいもフィリングの成分組成及び製造工程
によれば、柔らかな状態を維持し耐熱性を必要とした場
合、その配合組成のさつまいもフィリングについては固
さや耐熱性の点で限界がある。
量を増加させた場合、耐熱性を高めることができるが、
さつまいもフィリングを得る際の加熱時に卵の蛋白質が
変性し、製品の仕上がりと焼成後の状態がバサついたも
のになり、食味の点で卵によるザラつきが発生し滑らか
なペースト状の食感とは異質の物となってしまう欠点が
ある。また、生餡やでんぷん、安定剤等の配合量を増加
させた場合には、粘りや状態が硬くなり過ぎて柔らかな
状態を維持できない等の問題がある。
図3に示すように、例えば、製品パイBでは、焼成時に
さつまいもフィリングdに含まれている水分が蒸発して
生地bの内面から剥がれて空洞fが生じたり、さつまい
もフィリングdのように生地bから押し出しeのように
流れ出てしまうという欠点がある。cは生地cの表面の
切り込みである。このさつまいもフィリングdの剥がれ
fや押し出しeが生じると、焼成後の生地bとの内面に
空洞fが生じることになる。さつまいもフィリングdが
生地bから流出してしまうと、加工食品を安定した状態
で得ることを困難となり、また空洞fの発生は商品価値
を低下させる。
ングにおける欠点を解消し、さつまいもフィリングに加
熱時のザラつきの発生を防止し、焼成後においても本来
の柔わらかさを保持させると共に、加工食品を得るため
の焼成時において、さつまいもフィリングが生地から剥
がれたり、生地からの流出することのない、良好な食味
の加工食品用耐熱性さつまいもフィリング、及びその製
造方法を提供することを目的とした。
ため、本発明の加工食品用耐熱性さつまいもフィリング
は、さつまいも、油脂、卵タンパク質及びマンナンを必
須原料とすることを特徴とする。
よれば、配合した卵タンパク質とマンナンの投入時の温
度管理を行うことで、さつまいもフィリングを得るため
の加熱によっても、さつまいもフィリング本来の柔軟性
と滑らかさを維持し、かつ良好な食味を保持させること
ができる。さらに、さつまいもフィリングが包含されて
いる加工食品を焼成する際にも、さつまいもフィリング
の焼き減りや、流れ出しの発生を防止できる。
おけるさつまいもの種類、形態については、特に限定さ
れるものものではなく、皮つき、皮なし、乱切り、ダイ
スカット、裏ごしたもの等を使用することができる。こ
のさつまいもについては、一度、焼き工程あるいは蒸し
工程が入ったものであることが好ましい。さつまいもが
焼き工程や蒸し工程を経ることにより加熱不足が解消さ
れ、充分に加熱することによりその食味も向上するから
である。
グ、バター等の固型油脂、サラダ油、菜種油、大豆油、
パーム油等の液体油脂等を使用することができる。油脂
を配合することにより、食味となめらかさを向上できる
からである。
乾燥卵白等を使用することができ、これらを併用するこ
ともできる。マンナンは、精製、未精製のいずれのもの
も使用することができる。
は、本発明の性能を損ねることのない範囲内でさつまい
もフィリングの食味を高めるために、任意成分として、
甘味成分、香味成分等を添加することができる。この甘
味成分としては砂糖、マルトース、液糖、コーンシロッ
プ、異性化糖等の甘味料のほか、糖アルコール等も使用
できる。呈味成分としては、乳製品等を挙げることがで
きる。
各配合成分はさつまいも40〜65重量%、油脂3〜8
重量%、卵蛋白質0.3〜1.1重量%、及びマンナン
0.05〜0.1重量%の配合量であることが好まし
い。
あると、さつまいもフィリングの性状が柔らかくなり過
ぎたり、また65重量%を超える量であると、さつまい
もフィリングの性状が硬くなり本来の滑らかな状態がな
くなることがある。また卵タンパク質の配合量が0.3
重量%未満の量であると、さつまいもフィリングの耐熱
性が低下し、また1.1重量%を超える量であると硬く
なり、ボソボソした食感となることがあるからである。
もフィリングを得る本発明の製造方法は、さつまいもに
油脂、甘味料、呈味料等を投入して加熱混合し、この混
合物を70〜80℃の温度状態に保ち卵タンパク質とマ
ンナンを投入攪拌し、包装充填した後、その中心温度が
40℃以下となるように30分間以内で冷却することを
特徴とする。
物に対する卵タンパク質とマンナンの投入温度が70℃
未満であると、得られるさつまいもフィリングの保存性
が低下することがある。またこの投入温度が80℃を超
えると、ザラつきが発生する。
ナンを投入し攪拌して後、直ちに包装充填することが好
ましい。得られるさつまいもフィリングの保存性を高め
るためである。この包装は、樹脂フィルム等で密閉状態
で行うことが好ましい。包装することにより、製品の冷
却効果を高めるためである。
℃以下に30分間以内で冷却することが好ましい。この
冷却までの時間が30分間を超えると、包装したさつま
いもフィリングが変質してしまいザラつきが発生するか
らである。
たさつまいもに砂糖とマーガリンを混合し攪拌を行いな
がら、100℃で5分間保持し、これを80℃まで冷却
して包装充填して対象区を得た。
たさつまいもに、砂糖、マーガリン及び乾燥卵白を混合
し、100℃で5分間保持し、これを80℃まで冷却し
て包装充填した。これを試験例1〜8の試料とした。
たさつまいもに、砂糖、マーガリン及びマンナンを混合
し、100℃で5分間保持し、これを80℃まで冷却し
て包装充填して試験例9〜16の試料とした。
耐熱性及び食味について試験を行い、その結果を表2及
び表3に示した。
mmの高さに円柱状に30g絞り出して、これを200
℃のオーブンで20分間焼成した後、その高さを測定し
た。この高さが25mm以上あったものを最良で○、2
0mm以上のとき良で△、20mm未満を不良で×、と
した。
ラー10名で試食を行い、8名以上の者が食味差なしと
判断した物を○とし、7〜5名であるとき△、5名未満
であるとき×とした。
ナン単体での使用では、効果のある傾向は示すが満足い
く結果は得られなかった。これは耐熱性もさることなが
ら、仕込み時に全てを添加して加熱を行ったために、卵
由来のタンパク質が熱変性しザラつきが発生したからで
ある。そこで、次に卵由来のタンパク質とマンナンとの
併用、及びその添加時期の検討を行った。
マーガリン、乾燥卵白及びマンナンを混合し、100℃
で5分間保持し、これを80℃まで冷却して包装充填し
た。これを試験例17〜23の試料とした。
めにはマンナンが0.03重量%以上、乾燥卵白が0.
3以上必要であることが好ましいことが分る。
て、加熱混合後の乾燥卵白及びマンナンの投入温度を6
0〜90℃の温度状態に保ち、充填包装して中心温度が
40℃以下となるように30分間以内で冷却して、それ
ぞれの耐熱性、食味及び保存性について試験を行い、そ
の結果を表5に示した。
で保管して30日経過した物を検査した。検査方法は標
準平板菌数測定法を用いて結果を確認した。30日経過
後で結果が良好な物を○、30日経過未満で腐敗、変敗
が発生したものを×とした。
0.3重量%未満であるか、マンナンの配合量が0.0
5重量%未満である場合には、耐熱性を維持することが
困難であることが分かる。
ると共に、マンナンの配合量が0.05重量%以上であ
り、しかも加熱後の投入時の品温が70〜80℃の範囲
であると、耐熱性、食味及び保存性について、いずれも
良好なさつまいもフィリングを得ることができることが
分かる。
試料を加熱攪拌後の品温を80℃に保ち、これに乾燥卵
白とマンナンを投入攪拌して容器に充填し、その後冷却
時における中心温度と時間を試験した結果を表6に示し
た。
の投入時の温度は70〜80℃であり、その包装充填後
の冷却温度と時間は30分以内に中心温度が40℃以下
にしたものが好ましい結果を得た。
40℃以下であると耐熱性も良好で、食味も滑らかな状
態となるが、冷却時に中心温度が40℃を超える場合に
は、耐熱性は良好であるが、食味が劣りザラつきやバサ
つきが発生する欠点があることが分かる。
づき、試験例19の試料をさつまいもフィリングとし
た。即ち、配合原料の全てを加熱攪拌しその品温を80
℃に保ち、その後中心温度を40℃以下に冷却してさつ
まいもフィリングを得て、このさつまいもフィリングを
パイ生地に包み込んでパイの製造を行った。
により作成した。
パイ生地60gを正方形に展開し、これにさつまいもフ
ィリング30gを充填包装内から絞り出し、図1に示す
態様で、パイ生地を折り返して包み込んだ。これを20
0℃、20分間の条件で焼成し、製品パイを得た。製品
パイAは、図1及び図2に示すように、生地bの内部に
さつまいもフィリングaを包み込んだ形態となってお
り、生地bの表面に切り込みcが設けられている。
前記した対象区のさつまいもフィリングを同様に包み込
んで、これを200℃、20分間の条件で焼成し得たも
のである。
て、パイにおける耐熱性を前記同様に評価して表8に示
した。食味は対象区を基準として、パネラー10名で試
食を行い、7名以上が良好と判断したとき◎、良好と判
断した者が7〜5名であるとき○、5名以下であるとき
×とした。
て、実施例1の製品パイAはさつまいもフィリングaの
柔軟な性状を保持し、ザラつき等の障害を生じることな
く良好な状態で包含し、その耐熱性及び食味が良好なも
のであった。しかも、図1及び図2に示す形態で得ら
れ、生地bの内部に剥がれや、さつまいもフィリングa
が押し出されることもなかった。
熱性さつまいもフィリング及びその製造方法が構成され
るので次のような効果が発揮される。即ち、本発明の加
工食品用耐熱性さつまいもフィリングは、従来のさつま
いもフィリングとは異なり、高い耐熱性を保持し、食感
及び風味を含む食味に優れているので、利用価値が高
く、蒸し菓子、パン、パイ、饅頭などの多様な種類の加
工食品のさつまいもフィリングとして最適である。
て得られたパイの斜視図である。
グを包んで焼成して得られたパイの縦断面図である。
得られたパイの縦断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】さつまいも、油脂、卵タンパク質及びマン
ナンを必須原料とすることを特徴とする加工食品用耐熱
性さつまいもフィリング。 - 【請求項2】さつまいも40〜65重量%、油脂3〜8
重量%、卵タンパク質0.3〜1.1重量%、及びマン
ナン0.05〜0.1重量%の配合量である請求項1に
記載された加工食品用耐熱性さつまいもフィリング。 - 【請求項3】さつまいもに油脂を投入して加熱混合し、
この混合物を70〜80℃の温度状態に保ち卵タンパク
質及びマンナンを投入し、これを充填包装して後、その
中心温度が40℃以下となるように冷却することを特徴
とする加工食品用耐熱性さつまいもフィリングの製造方
法。 - 【請求項4】充填包装物の中心温度が40℃以下の状態
で、30分間以内で冷却する請求項3に記載された加工
食品用耐熱性さつまいもフィリングの製造方法。
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KR20180057102A (ko) * | 2016-11-21 | 2018-05-30 | 농업회사법인 (주)한길웰바이오 | 황금색을 띄는 앙금의 제조방법과 상기 제조방법으로 제조된 황금색을 띄는 앙금 및 상기 황금색을 띄는 앙금을 포함하는 식품 |
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