JP2003308867A - 直接型液体燃料電池発電装置の検査方法、検査装置、及び直接型液体燃料電池発電装置 - Google Patents

直接型液体燃料電池発電装置の検査方法、検査装置、及び直接型液体燃料電池発電装置

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JP2003308867A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性を簡易に検査することのできる燃料電池
の検査方法の提供。 【解決手段】 この方法は、アノード触媒層を含むアノ
ード電極と、カソード触媒層を含むカソード電極と、前
記アノード電極および前記カソード電極の間に配置され
る電解質を備える起電部単位をN個備え、前記アノード
電極にメタノール水溶液および前記カソード電極に酸化
剤ガスを供給することにより発電をおこなう直接型メタ
ノール燃料電池発電装置の検査方法であって、発電中の
燃料電池発電装置中における任意の直列に連続した複数
の起電部に負荷される有限の電流密度I(mA/c
)を、10−5≦Δt≦0.5の条件を満足する時
間Δt(sec)の間に、0.2≦ΔI≦5の条件を満
足するΔIもしくは−ΔI(mA/cm)の電流密度
変化を発生させることにより生じる起電部1個の電圧V
の時間変化を計測して検査をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体燃料と酸化剤
とを供給して発電する直接型液体燃料電池発電装置の検
査方法、前記検査方法を用いた直接型液体燃料電池発電
装置検査装置、および前記燃料電池発電装置検査装置を
具備した直接型液体燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は化学エネルギー(燃焼反応の
自由エネルギー)を直接電気エネルギーに変える発電機
である。このため、火力発電などに比べて高い変換効率
が期待されている。また火力発電では小規模になると効
率が低下するのに対し、燃料電池による発電では効率が
低下しない。従って小規模な電力の発生にも適してい
る。この燃料電池の内、イオン交換樹脂膜を電解質とし
て用いる固体高分子型燃料電池は、電気自動車用の電源
や、住宅用の電源として、近年開発が加速されている燃
料電池である。この固体高分子型燃料電池は、アノード
側に水素を含むガス、カソード側に酸素ガスあるいは空
気を導入する。アノード・カソードにおいて、それぞ
れ、下記の化学式1、化学式2に示す反応がおこなわ
れ、起電力が発生する。
【0003】
【化1】
【0004】すなわち、アノード内部の触媒により、水
素から電子とプロトンが生成される。電子は外部回路に
より取り出されて発電に用いられる。プロトンは固体電
解質膜内を拡散により移動してカソードに到達する。そ
して、カソード内部の触媒により、発電に用いられた電
子とプロトンと酸素とが反応して水が生成される。この
ような電池反応によって発電が行われる。
【0005】一方、近年は直接型メタノール燃料電池が
注目を集めている。図1に、直接型メタノール燃料電池
の構造を示す。直接メタノール燃料電池の構成は、プロ
トン導電性電解質の膜(パーフルフルオロカーボンスル
ホン酸系イオン交換膜であり、デュポン社製Nafio
nなどが好ましく用いられる)をアノード電極とカソー
ド電極とで挟持したものとなっている。おのおのの電極
は、基板と触媒層とで構成されており、触媒層は、触媒
と前記プロトン導電性電解質の樹脂とで構成される。触
媒は一般に貴金属触媒あるいはその合金で、カーボンブ
ラックなどの担体に担持して用いられたり、あるいは担
持しないで用いられたりする。アノードの触媒としては
Pt−Ru合金、またカソードの触媒としてはPtが好
ましく用いられる。動作の際には、アノード側にメタノ
ールと水、カソードに酸素ガスあるいは空気を導入す
る。アノード・カソードそれぞれで下記の化学式3及び
化学式4に示す反応が生じている。
【0006】
【化2】
【0007】すなわち、アノード触媒層中の触媒によ
り、メタノールと水から電子とプロトンと二酸化炭素が
生成され、生成した二酸化炭素は大気中に放出される。
電子は外部回路により取り出されて発電に用いられる。
また、プロトンはプロトン導電性電解質膜を移動してカ
ソードに到達する。カソード触媒層中では、発電により
用いられた電子および酸素と反応して水が生成される。
この直接型メタノール燃料電池の作動温度は、一般的に
50℃ないし120℃となっている。
【0008】前述の固体高分子型燃料電池のように水素
を含んだガスを燃料に用いる場合には、一般にメタノー
ルや天然ガス、あるいはガソリンなどを改質して水素ガ
スを含有する燃料を得ているため、燃料電池システムに
改質機を備える必要があり、システム全体が大型になっ
てしまうという欠点があった。また改質プロセスは一般
的に250℃〜300℃という高温でおこなわれる。こ
れに対して直接型メタノール燃料電池の場合には、改質
機を必要としないため、システムそのものがコンパクト
になる。また、発電に必要なプロセスを比較的低い温度
でおこなうことが出来る。そのために近年、直接型メタ
ノール燃料電池のこのような長所に注目して、携帯用電
源や電気自動車用電源などとしての応用を目指した開発
がおこなわれている。
【0009】ところで、直接型メタノール燃料電池発電
装置において、メタノールと水とを燃料電池に送る方法
としては、メタノール水溶液を送る方法と、メタノール
と水とを気化させて送る方法とがある。このうち、メタ
ノールと水とを気化させて送る方法の場合には、気化装
置を燃料電池の補機として備える必要があるため、燃料
電池システム全体としては大きなものになってしまう。
これに対してメタノール水溶液を送液する場合には、気
化装置を必要としないためにシステムをより小さくする
ことができる。
【0010】しかしながら、このような直接型メタノー
ル燃料電池においても、固体高分子型燃料電池に比較し
て困難な課題が多い。その一つは、電極に供給された燃
料は、電極内部を移動し、プロトン導電性電解質内に入
って前記電解質内部を移動して触媒に到達し、ここで発
電に用いられる。プロトン導電性電解質は、含水される
ことによりプロトン導電性を示す。これまでの研究によ
り、メタノールが導入されるとプロトン導電性が低下す
ることが明らかになっている(たとえばT.?J.Ch
ou and A.Tanioka J.Phys.C
hem.B102(1998)129.)。燃料である
メタノール、水および酸素は触媒層中のプロトン導電性
電解質に含水された水に溶け込んで移動する。プロトン
導電性が低下すると、プロトンに引きずられて動く水の
拡散が悪くなる。このためアノード電極においては、水
の移動度および水と非常に良く混合するメタノールの拡
散が悪くなる。またカソード電極においては、アノード
電極に供給されたメタノールがプロトン導電性電解質膜
をとおり、カソード電極に到達してきたメタノールが存
在する。このため、カソード触媒層内部におけるプロト
ン導電性電解質中の水の拡散が悪くなる。酸素はプロト
ン導電性電解質中の水に溶け込んで電極内部を拡散する
ため、結果として酸素の拡散が悪くなる。すなわち、燃
料であるメタノール、水および酸素すべての拡散が悪く
なるという深刻な問題に直面する。従って、燃料の拡散
の度合いと密接に関連し、簡易に測定できる特性量を明
らかにすることが、実用化の上で必要不可欠である。
【0011】また、直接型メタノール燃料電池発電装置
を稼動する場合には、運転がおこなわれていない間に、
プロトン導電性電解質に含水された水が乾燥してしまう
ため、運転再開直後は燃料の拡散が悪く負荷変動に対す
る応答が非常に悪い状態で機器を駆動することになると
いう問題がある。特に携帯機器用発電装置や電気自動車
用発電装置など、断続運転が日常的におこなわれ、かつ
負荷変動が頻繁におこる発電装置の場合は、負荷変動に
対する応答が非常に悪くなり、機器駆動に支障が生じ
る。結果として、人命を左右しかねない深刻な事故につ
ながる危険性もある。従って、発電をおこなう前、およ
び発電をおこなっている最中に、負荷変動に対する応答
がどのようになっているのか、また電池性能はどの程度
かを確認する必要があるという問題もある。
【0012】さらに、パーフルオロカーボンスルホン酸
膜は、含水されることにより膨張する。メタノールを含
んだ場合には、膨張の仕方はより大きくなる。このため
何らかの原因で濃度の濃いメタノール水溶液が供給され
た場合には、プロトン導電性電解質膜や触媒層が過度に
膨張してダメージを与え、電池性能が大幅に低下してし
まう。このため、直接型メタノール燃料電池発電装置に
おいては、発電しながら簡易に電池性能を判定する手段
の開発の重要性も認識されていた。
【0013】このように、直接型メタノール燃料電池発
電装置においては、プロトン導電性電解質膜の状態、す
なわち燃料の拡散の状態によっては電池に決定的なダメ
ージを与えることがあり、常に燃料電池の状態を把握す
る検査方法が重要となっている。これまで、燃料電池の
特性評価は、一般に前記I−Vカーブの測定によりおこ
なわれることが多かった。しかしながらI−Vカーブの
場合には、触媒活性や内部抵抗などの、燃料拡散の度合
い以外の情報も含んだ結果が観測されてしまう。また、
I−Vカーブの測定をおこなうためには、広い電流密度
範囲において端子間電圧を測定する必要がある。特に、
長期にわたって定常運転をおこなっている燃料電池のI
−Vカーブを測定する場合には、当然のことながら定常
運転を止めなければならない。このため大変手間がかか
るし、評価や検査のために容易におこなえる手段とはな
りえなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、燃
料の拡散の度合いと密接に関連する情報を、燃料電池の
発電中に簡易に得られ、かつ性能特性を的確に判定でき
る直接型メタノール燃料電池発電装置の検査方法を提供
することを目的としている。また、この検査方法を実現
する簡便で精度の高い燃料電池発電装置検査装置、およ
び前記検査装置を具備した直接型メタノール燃料電池発
電装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、アノー
ド触媒層を含むアノード電極と、カソード触媒層を含む
カソード電極と、前記アノード電極および前記カソード
電極の間に配置される電解質を備える起電部単位を複数
個備え、前記アノード電極に液体燃料および前記カソー
ド電極に酸化剤ガスを供給することにより発電をおこな
う直接型液体燃料電池発電装置の検査方法において、発
電中の前記直接型液体燃料電池発電装置を構成する任意
数の直列に連続した起電部から取り出される電流密度I
(mA/cm)を、10−5≦Δt≦0.5の条件を
満足する時間Δt(sec)の間に、0.2≦ΔI≦5
の条件を満足するΔIもしくは−ΔI(ΔI(mA/c
)は正の量)の電流密度変化を発生させることによ
り生じる起電部単位1個の電圧V(V)の時間変化を観
測し、その結果を基に燃料電池の良否判定をおこなうこ
とを特徴とする直接型液体燃料電池発電装置の検査方法
である。
【0016】前記第1の本発明において、直接型メタノ
ール燃料電池発電装置の良否を判定する基準としては、
電流密度IにΔIの変化を発生させはじめてから、電圧
Vが最小の値をとるまでに経過した時間、もしくは電流
密度Iに−ΔIの変化を発生させはじめてから、電圧V
が最大の値をとるまでに経過した時間が予め定められた
時間内にあることによって判定を行うことができる。
【0017】第2の本発明は、アノード触媒層を含むア
ノード電極と、カソード触媒層を含むカソード電極と、
前記アノード電極および前記カソード電極の間に配置さ
れる電解質を備える起電部単位を複数個備え、前記アノ
ード電極に液体燃料および前記カソード電極に酸化剤ガ
スを供給することにより発電をおこなう直接型液体燃料
電池発電装置の検査装置において、前記直接型液体燃料
電池発電装置からの出力に接続され、出力電力を消費す
る負荷装置と、前記直接型液体燃料電池発電装置からの
出力に接続され、負荷を制御することによって、出力電
流密度を変化させる手段と、前記直接型液体燃料電池発
電装置からの出力の電圧を測定する手段と、前記電流密
度を制御する手段、および電圧検出手段に接続され、電
流密度変化を生起せしめた時間と、出力電圧の変化の測
定結果から、前記燃料電池発電装置の状態を判別するた
めの判断装置を備えたことを特徴とする直接型液体燃料
電池発電装置の検査装置である。
【0018】第3の本発明は、アノード触媒層を含むア
ノード電極と、カソード触媒層を含むカソード電極と、
前記アノード電極および前記カソード電極の間に配置さ
れる電解質を備える起電部単位を複数個備え、前記アノ
ード電極にメタノール水溶液および前記カソード電極に
酸化剤ガスを供給することにより発電をおこなう直接型
液体燃料電池発電装置と、前記直接型液体燃料電池発電
装置からの出力に接続され、出力電力を消費する負荷装
置と、前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力に接
続され、負荷を制御することによって、出力電流密度を
変化させる手段と、前記直接型液体燃料電池発電装置か
らの出力の電圧を測定する手段と、前記電流密度を制御
する手段、および電圧検出手段に接続され、電流密度変
化を生起せしめた時間と、出力電圧の変化の測定結果か
ら、前記燃料電池発電装置の状態を判別するための判断
装置を備えたことを特徴とする直接型液体燃料電池発電
装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により
詳細に説明する。[燃料電池]図1に、本発明を適用す
るのに適した燃料電池の1例を示す。図1に見られるよ
うに、この燃料電池は、アノード基板1、およびアノー
ド触媒層2を含むアノード電極3と、カソード触媒層
4、およびカソード基板5を含むカソード電極6と、前
記アノード電極3および前記カソード電極6の間に配置
されるプロトン導電性電解質膜7を備えた起電部単位を
複数個備え、その電極にそれぞれ図示しない端子部を取
り付け、さらに前記アノード電極にメタノール水溶液か
らなる燃料を、また前記カソード電極に酸化剤ガスを供
給する手段を配設した構成を有する直接型メタノール燃
料電池であり、前記端子部には、後述する検査装置およ
び外部負荷装置が接続されるようになっている。すなわ
ち、本発明を適用するのに適した燃料電池は、複数の起
電部単位と、この起電部単位にメタノール水溶液を供給
するための燃料タンクを含む燃料供給部、酸化剤供給
部、及び、この燃料電池発電部の電力端子部からなるも
のであるが、この燃料電池の起電部単位としては、図1
に示すもの以外にも、公知の構造及び材料の燃料電池を
採用することができる。
【0020】[検査方法]以下、本発明の検査方法の原
理を説明するためのグラフである図2を用いて説明す
る。図2(A)は、燃料電池に接続された負荷に流れる
電流密度に、ΔIの変化を発生させたときに生じる電圧
Vの時間Tに依存する変化を示すグラフである。負荷に
流れる電流密度に電流変化ΔIを発生させた直後、電圧
は急激に減少する。この電流変化は、時間の経過につれ
て減少の仕方は緩やかになり、T=T1において電圧は
最小値をとる。T>T1において電圧は単調に増加す
る。さらに時間が経過すると、電圧は一定の値に落ち着
く。この現象は、以下のようにして生じると考えられ
る。すなわち、T=0において電流密度が増加したため
に、触媒表面とその近傍において局所的に燃料不足が発
生する。このため、拡散分極により電圧が時間経過とと
もに降下する。一方、時間経過と共に不足した燃料が、
触媒とその近傍に供給され、燃料不足が解消される。こ
れに伴い、T=T1を境にして電圧は時間経過と共に増
加し、一定の値に落ち着くことになる。
【0021】図2(B)は燃料電池に接続された負荷を
流れる電流密度に、−ΔIの変化、すなわち、電流密度
を減少させたときに生じる電圧Vの時間Tに依存する変
化を示すグラフである。−ΔIの電流変化を発生させた
直後、電圧は急激に増加する。次いで、時間の経過につ
れて増加の仕方は緩やかになり、T=T1において電圧
は最大値をとる。T>T1において電圧は単調に減少す
る。さらに時間が経過すると、電圧は一定の値に落ち着
く。この現象は、以下のようにして生じると考えられ
る。すなわち、T=0において電流密度が減少したため
に、電極内部の触媒表面とその近傍において、燃料がそ
れまでと比較して過剰に存在することになる。このた
め、拡散分極が小さくなり、電圧が時間経過とともに増
加する。一方、時間経過と共に過剰な燃料が触媒とその
近傍から移動し、局所的な燃料過剰が解消される。これ
に伴い、T=T1を境にして電圧は時間経過と共に減少
し、一定の値に落ち着くことになる。
【0022】上記説明から明らかなように、図2(A)
および図2(B)に示した電流密度の変化に伴う起電圧
の変化は、燃料の拡散の度合いをあらわすため、これを
用いて簡易に燃料電池の検査ができる。すなわち、電流
変化によって引き起こされる電圧が、極小もしくは極大
の値を示す時間であるT1が、予め定められた時間より
も大きいことは、燃料の拡散が非常に悪いことを示し、
燃料電池の駆動時に負荷が変動した場合の起電力の追従
性にかける装置となってしまう。このように、電流変化
によって引き起こされる電圧変化を測定し、その極大値
もしくは極小値を示す時間が所定の範囲を越えるような
電池は、性能が劣る燃料電池となることは明かであり、
このような判定方法によれば、T1が設定時間内にある
ことを基準とすることにより、簡易で客観的な検査がで
きる。
【0023】本発明において、電流密度に変化を生じさ
せる時間であるΔtは、あまりにも長いと図2(A)お
よび図2(B)に示した挙動が鈍くなってしまうため、
正確な検査が出来なくなってしまう。一方、逆にあまり
にも短くしようとすると、検査装置の構造が複雑で高価
なものになってしまうために、実用上好ましくない。こ
の電流密度変化を生じさせる時間Δtの値が、10−5
≦Δt≦0.5の範囲であれば、図2(A)および図2
(B)に示した変化が、本発明で提供する検査が十分お
こなえる程度に明瞭に得られ、また、安価に検査装置が
作製できるため好ましい。さらに。10−5≦Δt≦2
×10−3の範囲内であれば、より明瞭に前記変化が観
測されるため、きわめて好ましい。
【0024】本発明において、電流密度変化であるΔI
は、あまりにも小さいと発生する電圧変化がきわめて小
さくなってしまうため検査が困難になる。一方、ΔIが
あまりにも大きい場合には、検査のためだけに燃料電池
発電装置が無駄な発電をするため燃料が無駄に消費され
たり、あるいは発電している状態が過度に乱されること
が生じたりするため、実用上好ましくない。0.2≦Δ
I≦5であれば好ましい。さらに0.2≦ΔI≦2であ
れば、発電状態にある燃料電池発電装置の乱れが大変少
なくなるため、特に好ましい。
【0025】上記図2(A)および図2(B)において
は、電流密度の変化を直線状に発生させる例を示した
が、電流密度を他のパターンで変化させてもかまわな
い。たとえば、曲線状に変化させたり、変化が2段階以
上の他段階なものであってもかまわないし、あるいは単
調な増加や単調な減少でなくても差し支えない。
【0026】本発明の検査方法は、燃料電池発電装置が
出力する電流密度Iが零ではない有限の値をとる過程の
みでおこなわれる必要がある。具体的に説明すると、図
3のグラフに見られるように、燃料電池に接続されてい
る負荷に流れる電流密度を0mA/cmから5mA/
cm、5mA/cmから10mA/cm、および
10mA/cmから15mA/cmまで変化させた
ときの電圧の時間変化を示す。電流密度を5mA/cm
から10mA/cmまで増加させた場合、および1
0mA/cmから15mA/cmまで変化させた場
合には、電流密度変化によって引き起こされる燃料電池
の出力電圧の極小値を示す時間であるT1は、4秒から
5秒の範囲にある。一方、電流密度を0mA/cm
ら5mA/cmまで増加させた場合には、このT1
は、78秒とはるかに長くなる。本発明者達が実験を繰
り返しおこなったところ、電流密度の変化過程に、電流
密度が0mA/cmである条件が1回以上存在した場
合には、電流密度が零である過程を1回も取らない場合
と比較して、はるかに長い電圧が極小もしくは極大にな
る時間T1が観測されることが明らかになった。このよ
うに、電圧変化が極小もしくは極大となる時間が長い
と、検査効率が低下し、かつ検査結果に対する信頼性が
損なわれるので、本発明が提供する検査方法は用いられ
ない。
【0027】従来、燃料電池発電装置の検査・評価に一
般に用いられている方法として、負荷装置と接続されて
いることによって生じている電流密度を、非常に短い時
間(一般に数μsecの程度)の間ゼロに変化させ、そ
の後再びゼロに落とす直前と同じ大きさの電流を負荷
し、前後に観測される電圧変化などから検査・評価をお
こなう電流遮断法としばしば表記される方法がある。当
然のことながら、この方法と本発明で提供する検査方法
とは全く異なるものである。なぜならこの場合には、電
流密度の変化過程が零を経由するものであり、前述のよ
うに検査結果が混乱し確度の高い検査が困難になるため
である。
【0028】燃料電池の良否判定の基準となる電圧が極
小もしくは極大となる時間T1の大きさについては、検
査する燃料電池に求められる特性、電極触媒層や電解質
膜の構造・触媒・電解質膜の組成、電極面積、燃料流量
や温度、燃料を流す流路板の構造、運転温度、IやΔI
などに依存して変化するため、これらの条件を考慮に入
れ適宜設定する事ができる。ただし、本発明者達が行っ
た実験によると、T1の設定時間は15秒より短い時間
となることが実用上きわめて好ましい。15秒を超える
場合には燃料電池の性能が著しく悪いため、このような
燃料電池を実用に用いることは困難となる。
【0029】[検査装置:第1の検査装置]本発明の検
査装置の1例を図8に示す。図8に示される検査装置1
7は、燃料電池11からの出力と接続された外部負荷装
置18と、燃料電池11の出力電圧を測定する電圧検出
装置14と、外部負荷装置18の負荷を制御し、かつ、
電圧検出装置14が測定する電圧変化を入力して判定を
行う判断装置15と、この判断装置15の判断結果を表
示するための指示装置16とからなっている。この検査
装置17において、外部負荷装置18は、燃料電池の出
力電力を消費する装置であって、かつ判断装置15から
の制御信号に基づき、負荷量を制御することができる装
置である。具体的には、市販の電子負荷装置(富士通電
装株式会社製EML−150L負荷モジュールとEML
−03Bフレームの組み合わせ)などを用いることがで
きる。電圧検出装置14は、燃料電池11が出力する電
力の電圧を信号処理可能な形態に変換する装置であり、
例えば、印加電圧をアナログディジタル変換装置によっ
てディジタル信号として出力する装置を用いることがで
きる。判断装置15は、外部負荷装置18の負荷量を制
御して、燃料電池11からの出力電力の電流密度を所定
の時間、及び所定の大きさで変化させ、これによって当
該燃料電池11の出力電圧を変化させるとともに、当該
電圧検出装置14からの出力電圧値をリアルタイムに入
力し、この変化に基づいて、検査対象である燃料電池の
性能の良否を判断する装置で、このような装置は1チッ
プコンピュータや、汎用マイクロコンピュータ、あるい
はロジック回路によって実現することができる。また、
指示装置16は、この判断装置15の結果を表示もしく
は、光、音響、振動などの手段で通知するもので、CR
T、液晶などのディスプレイ装置、LEDなどのランプ
類、スピーカなどの装置を用いることができる。図18
に示す燃料電池から出力される電力は、4端子で出力す
るよう示しているが、これは、正負極がそれぞれ1端子
の計2端子として構成することもできる。燃料電池に接
続されている外部負荷装置が大容量の電流の装置である
場合には、2端子で構成すると、電圧検出装置に印加さ
れる電力の電圧降下が大きく、検出結果に影響を及ぼす
こととなるため、このような場合には4端子とすること
が好ましい。
【0030】次に、上記検査装置を用いた場合の検査手
順を、その流れ図である図9を用いて説明する。図9に
おいて、検査開始後(S101)、検査対象である燃料
電池の良否判定基準となる電圧が極小もしくは極大を示
す最小限の時間T1min、電圧が極小もしくは極大を
示す最大限の時間T1max、及び電流密度Iおよび電
流密度変化±ΔIを設定する(S102)。ここで前記
1minおよびT1maxは、T1の最小許容時間お
よび最大許容時間を設定するものである。燃料電池を運
転して(S103)、燃料電池に負荷装置8を接続して
負荷電流を流し、負荷にかかる電圧の時間変化を記録す
る(S104)。この状態で負荷電流を変化させ(S1
05)、このときに発生した電圧変化を観測し、電圧が
極小値もしくは極大値を示す時間であるT1を決定する
(S106)。このT1が、予め定めた設定時間内にあ
るかどうかを判断し(S107)、設定時間内にない場
合には、指示装置にて不良品であることを警告して(S
108)、終了する(S109)。良品である場合に
は、良品であることを指示装置で指示して(S11
0)、終了する(S111)。なお、T1の設定範囲を
2個以上設定し、検査された燃料電池発電装置をより詳
しく分類し、より詳細に燃料電池の状態を判定すること
もできる。
【0031】[検査装置:第2の検査装置]また、本発
明の検査装置の他の例を図15に示す。この図15にお
いて、図8と同等の構成については同じ符号を用いてい
る。この装置は、前記図8とは異なり、燃料電池11か
らの電力出力は、これを消費する外部負荷装置12と、
本発明の検査のための検査負荷装置13の2つに分配さ
れる。そして、判断装置15は、外部負荷装置12及び
検査負荷装置13によって生じる負荷を測定すると共
に、検査負荷装置13を制御して、燃料電池にかかる負
荷を変化させ、出力電圧の変化を観測するものである。
このような本実施の形態の検査装置は、燃料電池の負荷
と、検査のための負荷を区分することが可能となり、よ
り汎用性の高い燃料電池発電装置が実現できる特徴を有
している。
【0032】すなわち、図15に見られるように、燃料
電池11にはメタノール水溶液と酸化剤燃料が供給され
ており、この燃料電池11の出力に接続された負荷12
により負荷電流が流れるようにして運転されている。本
実施例においては、検査装置17は、検査負荷装置13
と、電圧検出装置14と、判断装置15と、指示装置1
6とで構成されている。検査負荷装置13は、燃料電池
から流れる負荷電流を変化させるように負荷の値を変化
させるために用いる。また、図15の燃料電池において
も出力電力は、4端子で取り出されているが、これは2
端子でも良いことは、前述の図8と同様である。
【0033】次に、この検査装置を用いた場合の検査手
順を、その流れ図である図16を用いて説明する。図1
6のフローチャートに見られるように、開始後(S20
1)、負荷電流密度Iを読み取る(S202)。そして
このIに基づいて、T1mi 、T1maxおよび±Δ
Iを設定する(S203)。なお、Iを読み取らずに設
定することもできる。次いで、電圧検出装置4を用いて
電圧を検出し、時間変化を記録する(S204)。検査
負荷装置を用いて負荷電流密度に±ΔIの変化を加える
(S205)。T1を決定し(S206)、設定値の範
囲にあるか判定する(S207)。設定値の範囲外であ
れば指示装置を用いて警告し(S208)、安全の確保
等のために負荷を制御し(S209)、不良があると判
定して終わる(S210)。なお、負荷を制御しないほ
うが望ましい場合には、負荷を制御しなくとも良い。T
1が設定値の範囲内にあれば(S211)、問題のない
良品と判定して終わる(S212)。なお、T1の設定
範囲を2個以上設定し、検査された燃料電池発電装置を
より詳しく分類して負荷制御をおこなっても良い。
【0034】[燃料電池発電装置]本発明の燃料電池発
電装置は、前述の直接型メタノール燃料電池に前述の検
査装置を接続し、さらに外部負荷を接続できるようにし
たものである。本発明の燃料電池発電装置は、1つの筐
体に収容して発電装置とすることもできるし、さらに複
数の部材に分割し、相互に電気的あるいは機械的に接続
して発電装置とすることもできる。携帯用電子機器の電
源とするためには、筐体を一体化して発電装置とするこ
とが好ましい。この発電装置を駆動する電源は、燃料電
池自体から供給することもできるが、燃料電池の非運転
時にも燃料電池の状態を表示するなど、各種制御装置を
作動させる必要があり、他の電池を搭載することが好ま
しい。この燃料電池発電装置の検査方法手順は、検査装
置を構成する判断装置に組み込まれる不揮発性メモリに
書き込まれたプログラムによって実現することが好まし
い。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1:直接型メタノール燃料電池の組み立て)ま
ず、本発明の実施例に用いた燃料電池発電装置の起電部
である起電部単位の作製方法を述べる。公知の方法
(R.Ramakumar et al.J.Powe
r Sources69(1997)75.)により、
アノード用触媒(Pt:Ru=1:1)担持カーボンブ
ラックとカソード用触媒(Pt)担持カーボンブラック
を作製した。触媒担持量は、カーボン100に対して重
量比でアノードは30、カソードは15である。
【0036】アノード電極は、前記プロセスにおいて作
製したアノード用触媒担持カーボンブラックにパーフル
オロカーボンスルホン酸溶液(Dupont社 Naf
ion溶液SE−20092)とイオン交換水を加え、
前記触媒担持カーボンブラックを分散させてペーストを
作製した。このペーストを、撥水処理済カーボンペーパ
ーTGPH−120(E−TEK社製)の上に塗布して
乾燥させた。
【0037】カソード電極は、前記プロセスにおいて作
製したカソード用触媒担持カーボンブラックにパーフル
オロカーボンスルホン酸溶液(Dupont社 Naf
ion溶液SE−20092)とイオン交換水を加え、
前記触媒担持カーボンブラックを分散させてペーストを
作製した。このペーストを、撥水処理済カーボンペーパ
ーTGPH−090(E−TEK社製)の上に塗布して
乾燥させた。
【0038】図1に示す起電部単位は、市販のパーフル
オロカーボンスルホン酸膜(Dupont社 Nafi
on117)の両面に、前記プロセスで作製したアノー
ド電極とカソード電極をホットプレス(125℃、5分
間)により接合して作製した。
【0039】(実施例2:検査条件の決定1)上記方法
によって作成した起電部単位を、5個直列に接続し、メ
タノール水溶液供給手段および酸化剤供給手段を接続し
て燃料電池を組み立てた。この燃料電池を用いて、電流
密度を変化させるのに要する時間であるΔTの大きさ
を、変化させて電流密度を変化させて燃料電池を稼働さ
せた。この実験において、電流密度Iを145mA/c
、また電流密度差ΔIを5mA/cmとして、電
流密度を145mA/cmから150mA/cm
変化させた。アノード電極には、2Mのメタノール水溶
液を市販の送液ポンプを用いて送液した。カソード側に
は、市販のエアーポンプを用いて空気を送気した。空気
の流量は、市販のマスフローコントローラーを用いて調
整した。燃料電池の出力先である負荷としては、前述の
市販の電子負荷機を用いた。また、電圧検出手段には、
市販のデジタルマルチメーターを用いた。さらに、燃料
電池の駆動温度を70℃に制御して、電極面積10cm
の直接型メタノール燃料電池の運転をおこなった。以
上の稼働条件における燃料電池の発電試験の結果を、図
4に示す。図4は、電流密度変化に要する時間に対する
電圧の極小値もしくは極大値に至る時間をプロットした
ものである。図4中、実線はΔTを10−5秒、破線は
ΔTを0.5秒、また点線はΔTを3秒として電流密度
を変化させたものである。ΔTが3秒の結果は、ΔTが
10 −5秒およびΔTが0.5秒のものとは明確に異な
り、電圧降下およびその後におこる電圧増加が、きわめ
てゆるやかにおこっている。ΔTが10−5秒のときに
T1は5.3秒、ΔTが0.5秒のときにT1は5.5
秒、またΔTが3秒のときにT1は17秒の値が得られ
た。図5に、T1のΔT依存性を示す。T1は、ΔTが
0.5秒以下の範囲においてはほぼ一定の値をとるが、
一方、ΔTが0.5秒よりも大きいときには、ΔTの増
加と共にT1は単調に増加する。これより、ΔTが0.
5秒よりも大きくなってしまうと、本発明で提供する電
圧変化が鈍化してしまい、直接型メタノール発電装置の
検査に用いることができないことがわかる。従って、Δ
Tの上限を0.5秒と設定することが好ましいことが判
明した。
【0040】(実施例3:検査条件の決定2)上記実施
例2で用いたものと同じ燃料電池を用いて、電流密度の
変化量ΔIの大きさを変化させて、それによる電圧変化
の極小値もしくは極大値に至る時間T1について検討し
た。すなわち、電流密度Iを170mA/cmと設定
し、電流密度を−ΔIだけ変化させた。アノード電極に
は、2Mのメタノール水溶液を市販の送液ポンプを用い
て送液した。カソード側には、市販のエアーポンプを用
いて空気を送気した。空気の流量は、市販のマスフロー
コントローラーを用いて調整した。燃料電池に接続する
負荷としては、市販の電子負荷機を用いた。電圧検出手
段には、市販のデジタルマルチメーターを用いた。燃料
電池発電装置の稼働温度を80℃に制御して電極面積2
5cmの直接型メタノール燃料電池発電装置の運転を
おこなった。結果を図6に示す。図中で実線はΔIを
2、破線はΔIを0.1と設定したものである。ΔIが
2のときには電圧の極大値は明確であり、T1は6.5
秒と判定することができた。一方、ΔIが0.1の場合
には、電圧変化が極度に小さく、極大値を判別すること
ができず、電流密度の変化量ΔIが2のときのように明
確にT1を決定することができなかった。図7に、T1
のΔI依存性を示す。ΔIが0.2未満の場合は誤差棒
が大きくなりすぎるため、T1を正確に判定することが
困難であることがわかった。そこでΔIの下限を0.2
と設定することが好ましいことが判明した。
【0041】(実施例4:検査装置1)図8に示した燃
料電池発電装置を用いた燃料電池の検査を行った実施例
を以下に説明する。前記PC上で動作する市販のプログ
ラミング言語を用いて、判断装置および指示装置として
の動作をするプログラムを作製し、判断装置および指示
装置として用いた。作製条件の異なる下記の3種類の電
池を作製し、本発明による検査装置を用いて検査をおこ
なった。 電池1:実施例1で作製した起電部単位をそのまま用い
て、実施例2に記載した燃料電池を組み立てたものであ
る。 電池2:実施例1で作製した起電部単位を、30時間の
間4Mのメタノール水溶液に浸漬し、その後、実施例2
に記載した燃料電池を組み立てたものである。 電池3:実施例1で作製した起電部単位を、30時間の
間7Mのメタノール水溶液に浸漬し、その後、実施例2
に記載した燃料電池を組み立てたものである。
【0042】前記電池1ないし電池3を用いて、アノー
ド側に2Mのメタノール水溶液を0.6ml/min.
の流量で、市販の送液ポンプを用いて送液した。カソー
ド側には、市販のエアーポンプを用いて空気を60ml
/min.の流量で送気した。空気の流量は、市販のマ
スフローコントローラーを用いて調整した。負荷装置に
は市販の電子負荷機を用いた。電圧検出装置には、市販
のデジタルマルチメーターを用いた。PCにGPIBイ
ンターフェイスを装着し、前記インターフェイスに市販
のGPIBケーブルを用いて負荷と検査負荷および電圧
検出装置を接続した。
【0043】前記検査装置を用い、I=30mA/cm
、ΔI=5mA/cmとし、電流密度を30mA/
cmから35mA/cmに変化させた。Δt=10
−4とした。市販の電流計を用いて確認したところ、1
−4秒の間に負荷変化がおこっていることが確認され
た。T1minを1秒、T1maxは5秒と設定した。
【0044】指示装置には市販のブザーを用い、T1が
設定範囲にない場合には音が鳴るようにした。指示装置
には、ブザー、チャイムなど音の鳴るもの、LEDやラ
ンプなど光るもの、バイブレーターなどの振動するも
の、においのでるもの、あるいはこれらを2個以上組み
合わせたものなどを用いることが出来る。なお、指示装
置をつけなくとも良い。
【0045】図10に、負荷電流変化の前後における電
池1の電圧の時間変化を示す。この電池のT1は3個の
電池の中で最も小さく、2.3秒であった。この結果か
ら、電池1は良品と判定した。図11に、負荷電流変化
の前後における電池2の電圧の時間変化を示す。この電
池のT1は6.7秒であった。この結果から、電池2は
不良品と判定した。図12に、負荷電流変化の前後にお
ける電池3の電圧の時間変化を示す。この電池のT1は
140.5秒であった。この結果から、電池3は不良品
と判定した。図13に電池1と電池2および電池3のI
−Vカーブの測定結果、図14に対応する出力密度の電
流密度依存性を示す。本発明による検査結果のとおり、
電池1は最も性能が高かった。電池3は最も性能が悪
く、電池2はその中間の性能であった。これは、おのお
のに用いられたプロトン導電性電解質が受けたダメージ
の違いによるものである。電池3は3つの電池の中で最
も濃いメタノール水溶液に浸漬していたために最もダメ
ージが大きい。電池2は比較的薄いメタノール水溶液の
ためにダメージが小さく、電池3より良好な性能を示
す。電池1はダメージがないために、最も良好な性能を
示す。ダメージの程度の違いが、プロトン導電性電解質
内部における燃料の移動度に反映され、それが性能の差
につながったものと考えられる。
【0046】(実施例5:検査装置2)本実施例におい
ては、前述の燃料電池1ないし燃料電池3の起電部単位
を用い、電極面積50cmのセルを10個直列につな
いだ直接型メタノール燃料電池を用いた。アノード側に
は各セルに2Mのメタノール水溶液を0.6ml/mi
n.の流量で導入した。カソード側には、各セルに空気
を2000ml/min.の流量で導入した。市販のマ
スフローコントローラーを用いて空気流量を調整した。
I=20mA/cm、ΔI=5mA/cm、T
1min=0.5およびT1max=3と設定し、10
セルすべてに流れる電流を、50mA/cmから55
mA/cmに変化させた。6番目のセル(以後セル6
と表記)と8番目のセル(セル8と表記)の電圧変化を
検出した。指示装置には市販のライトを用い、T1が設
定範囲内にないときにはライトが点滅するようにした。
指示装置には、ブザー、チャイムなど音の鳴るもの、L
EDやランプなど光るもの、バイブレーターなどの振動
するもの、においのでるもの、あるいはこれらを2個以
上組み合わせたものなどを用いることが出来る。なお、
指示装置をつけなくとも良い。
【0047】図17に電圧の時間変化を示す。この結果
より、セル6は不良と判定され、ランプが点滅した。一
方セル8は良品と判定された。そこでI−Vカーブをと
ってみたところ、検査結果どおり、セル6の性能がセル
8に比べて悪くなっていることがわかった。それを図1
8に示す。図19には出力密度の電流密度依存性を示す
が、最高出力密度がセル8とセル6で大きく異なってい
る。
【0048】なお、上記各実施例においては、触媒はカ
ーボンブラック担体に担持させたものを用いたが、触媒
は他の担体、たとえば酸化チタンなどに担持させてもか
まわないし、担持させないで用いてもよい。また、プロ
トン導電性電解質にはNafion20092(Dup
ont社製)を用いたが、他のパーフルオロカーボンス
ルホン酸(ダウ・ケミカル社製膜、アシプレックス(旭
化成工業(株)、フレミオン(旭硝子(株)))や、さ
らにスルホン化トリフルオロスチレン重合体、ETFE
・FEP基材にスルホン化ポリスチレングラフト鎖を導
入したグラフト重合電解質、スルホン化スチレン−ブタ
ジエンランダムブロック共重合体、酸ドープポリベンズ
イミダゾール、耐熱性高分子(ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルキノキサレ
ン、ポリベンズイミダゾール、フッ素化ポリイミド)を
スルホン化したもの、あるいはイオン伝導性ビニルモノ
マー(ビニルスルホン酸ナトリウム、アルスルホン酸ナ
トリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸)を含むイオン導電樹脂などを用いたもので
も、本発明は適用できる。さらに本発明は、他の燃料、
たとえばエタノール、ジエチルエーテル、ジメトキシメ
タン、ホルムアルデヒド、ギ酸、ギ酸メチル、オルトギ
酸メチル、トリオキサン、1−プロパノール、2−プロ
パノール、3−プロパノール、エチレングリコール、グ
リオキサール、グリセリン、およびそれらの水溶液をア
ノード側に導入する燃料電池発電装置においても有効で
ある。また、本発明の検査方法、検査装置、および検査
方法を具備した電池は、燃料電池発電装置だけではな
く、電気化学的に水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金を
主成分とする水素吸蔵合金電極と、水酸化ニッケルを主
成分とするニッケル電極とを備えたニッケル水素蓄電池
や、リチウムイオンを可逆的に吸蔵放出する正極と負
極、および前記リチウムイオンを含む電解質を溶解させ
た有機電解液を具備し、前記正極および負極がセパレー
タを介して配置されたリチウムイオン二次電池などの二
次電池においても適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、簡易か
つ客観的に燃料電池の性能・過渡応答などの特性を検査
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 直接型メタノール燃料電池発電要素である起
電部単位の構造を示す概略断面図。
【図2】 本発明の検査方法の原理を示すグラフ。 (A)負荷されている電流を時間T=0において増加さ
せた場合にときに観測される、電圧の時間変化を示す
図。(B)負荷されている電流を時間T=0において減
少させた場合にときに観測される、電圧の時間変化を示
す図。
【図3】 本発明の実施例である電流密度変化に対応す
る電圧の時間変化を示すグラフ。負荷電流を0mA/c
から5mA/cm、5mA/cmから10mA
/cmおよび10mA/cmから15mA/cm
まで増加させたときの電圧の時間変化。
【図4】 電流密度を変化させる時間を変更した場合の
電圧の応答を示すグラフ。ΔTの大きさを10−5秒、
0.5秒、および3秒として負荷電流を変化させたとき
の、電圧の時間変化。
【図5】 本発明の実施例であるT1のΔT依存性を示
すグラフ。
【図6】 本発明の実施例であるΔIの大きさを変化さ
せたときに観測した電圧の時間変化を示すグラフ。
【図7】 本発明の実施例であるT1のΔI依存性を示
すグラフ。
【図8】 本発明の直接型メタノール燃料電池発電装置
検査装置の1例を示す概略図。
【図9】 本発明の直接型メタノール燃料電池発電装置
検査装置を用いて検査を行う手順を示すフローチャー
ト。
【図10】 負荷電流変化の前後における電池1の電圧
の時間変化を示すグラフ。
【図11】 負荷電流変化の前後における電池2の電圧
の時間変化を示すグラフ。
【図12】 負荷電流変化の前後における電池3の電圧
の時間変化を示すグラフ。
【図13】 電池1、電池2および電池3のI−Vカー
ブを示すグラフ。
【図14】 電池1、電池2および電池3における出力
密度の電流密度依存性を示すグラフ。
【図15】 本発明の直接型メタノール燃料電池発電装
置検査装置の他の例を示す概略図。
【図16】 本発明の直接型メタノール燃料電池発電装
置検査装置を用いて検査を行う手順を示すフローチャー
ト。
【図17】 負荷電流変化の前後におけるセル6とセル
8の電圧の時間変化を示すグラフ。
【図18】 本発明の他の実施例における燃料電池のI
−Vカーブを示すグラフ。
【図19】 本発明の他の実施例における出力密度の電
流密度依存性を示すグラフ。
【符号の説明】
1…燃料電池 2…外部負荷 3…検査負荷装置 4…電圧検出装置 5…判断装置 6…指示装置 7…検査装置 11…燃料電池 12…外部負荷装置 13…検査負荷装置 14…電圧検出装置 15…判断装置 16…指示装置 17…検査装置 18…外部負荷装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 義彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5H026 AA08 CX05 5H027 AA08 KK54 MM26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アノード触媒層を含むアノード電極と、カ
    ソード触媒層を含むカソード電極と、前記アノード電極
    および前記カソード電極の間に配置される電解質を備え
    る起電部単位を複数個備え、前記アノード電極に液体燃
    料および前記カソード電極に酸化剤ガスを供給すること
    により発電をおこなう直接型液体燃料電池発電装置の検
    査方法において、 発電中の前記直接型液体燃料電池発電装置を構成する任
    意数の直列に連続した起電部から取り出される電流密度
    I(mA/cm)を、10−5≦Δt≦0.5の条件
    を満足する時間Δt(sec)の間に、0.2≦ΔI≦
    5の条件を満足するΔIもしくは−ΔI(ΔI(mA/
    cm)は正の量)の電流密度変化を発生させることに
    より生じる起電部単位1個の電圧V(V)の時間変化を
    観測し、その結果を基に燃料電池の良否判定をおこなう
    ことを特徴とする直接型液体燃料電池発電装置の検査方
    法。
  2. 【請求項2】電流密度IにΔIの変化を発生させはじめ
    てから、電圧Vが最小の値をとるまでに経過した時間、
    もしくは電流密度Iに−ΔIの変化を発生させはじめて
    から、電圧Vが最大の値をとるまでに経過した時間が予
    め定められた時間内にあることを判定の基準として検査
    をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の直接型液
    体燃料電池発電装置の検査方法。
  3. 【請求項3】アノード触媒層を含むアノード電極と、カ
    ソード触媒層を含むカソード電極と、前記アノード電極
    および前記カソード電極の間に配置される電解質を備え
    る起電部単位を複数個備え、前記アノード電極に液体燃
    料および前記カソード電極に酸化剤ガスを供給すること
    により発電をおこなう直接型液体燃料電池発電装置の検
    査装置において、 前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力に接続さ
    れ、出力電力を消費する負荷装置と、 前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力に接続さ
    れ、負荷を制御することによって、出力電流密度を変化
    させる手段と、 前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力の電圧を測
    定する手段と、 前記電流密度を制御する手段、および電圧検出手段に接
    続され、電流密度変化を生起せしめた時間と、出力電圧
    の変化の測定結果から、前記燃料電池発電装置の状態を
    判別するための判断装置を備えたことを特徴とする直接
    型液体燃料電池発電装置の検査装置。
  4. 【請求項4】アノード触媒層を含むアノード電極と、カ
    ソード触媒層を含むカソード電極と、前記アノード電極
    および前記カソード電極の間に配置される電解質を備え
    る起電部単位を複数個備え、前記アノード電極にメタノ
    ール水溶液および前記カソード電極に酸化剤ガスを供給
    することにより発電をおこなう直接型液体燃料電池発電
    装置と、 前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力に接続さ
    れ、出力電力を消費する負荷装置と、 前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力に接続さ
    れ、負荷を制御することによって、出力電流密度を変化
    させる手段と、 前記直接型液体燃料電池発電装置からの出力の電圧を測
    定する手段と、 前記電流密度を制御する手段、および電圧検出手段に接
    続され、電流密度変化を生起せしめた時間と、出力電圧
    の変化の測定結果から、前記燃料電池発電装置の状態を
    判別するための判断装置を備えたことを特徴とする直接
    型液体燃料電池発電装置。
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