JP2003306503A - ビニル単量体の乳化重合方法 - Google Patents
ビニル単量体の乳化重合方法Info
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- JP2003306503A JP2003306503A JP2002110529A JP2002110529A JP2003306503A JP 2003306503 A JP2003306503 A JP 2003306503A JP 2002110529 A JP2002110529 A JP 2002110529A JP 2002110529 A JP2002110529 A JP 2002110529A JP 2003306503 A JP2003306503 A JP 2003306503A
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- polymerization
- vinyl monomer
- emulsion polymerization
- phosphate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乳化重合時の反応器内壁等への重合体スケー
ルの付着を少なくする。 【解決手段】 ビニル単量体の重合を、式(I)のリン
酸エステル塩と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩の少なくとも1種とを
共存させたpHが5.5〜9の範囲内の重合系中で行う
ビニル単量体の乳化重合方法。 [R1-O(R2O)m]n-P(=O)-(OM)p (I) 〔R1はC10-18の直鎖または分岐アルキル基、R2はC2又は
3の直鎖又は分岐アルキレン基、Mはアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属、m=1-20、mが2以上の場合はR2として複
数の異なる基を有していてもよく、n=1又は2、p=1又は
2、n+p=3〕
ルの付着を少なくする。 【解決手段】 ビニル単量体の重合を、式(I)のリン
酸エステル塩と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩の少なくとも1種とを
共存させたpHが5.5〜9の範囲内の重合系中で行う
ビニル単量体の乳化重合方法。 [R1-O(R2O)m]n-P(=O)-(OM)p (I) 〔R1はC10-18の直鎖または分岐アルキル基、R2はC2又は
3の直鎖又は分岐アルキレン基、Mはアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属、m=1-20、mが2以上の場合はR2として複
数の異なる基を有していてもよく、n=1又は2、p=1又は
2、n+p=3〕
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応器内壁等への
重合体スケールの付着が少ないビニル単量体の乳化重合
方法に関する。
重合体スケールの付着が少ないビニル単量体の乳化重合
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル単量体の乳化重合は、反応熱の除
去が容易であることや重合反応の制御が自在であること
等の理由から、合成ゴム、プラスチック、塗料等の分野
において工業的に広く用いられている。
去が容易であることや重合反応の制御が自在であること
等の理由から、合成ゴム、プラスチック、塗料等の分野
において工業的に広く用いられている。
【0003】しかし、工業的に乳化重合を行う際の大き
な問題の一つに、反応器内壁や攪拌機、温度計等の突出
部への重合体スケールの付着がある。特に反応器内壁へ
スケールが付着すると伝熱係数が低下して重合熱が除去
できなくなり、円滑な重合反応を阻害し、また、付着し
たスケールの除去に多大な労働と時間を要するので、大
きな問題となっている。
な問題の一つに、反応器内壁や攪拌機、温度計等の突出
部への重合体スケールの付着がある。特に反応器内壁へ
スケールが付着すると伝熱係数が低下して重合熱が除去
できなくなり、円滑な重合反応を阻害し、また、付着し
たスケールの除去に多大な労働と時間を要するので、大
きな問題となっている。
【0004】反応器内壁等へのスケールの付着を防止す
る方策として、例えば、反応器内壁をグラスライニング
する方法が提案されている。この方法によれば、反応器
内壁が平滑になり、従来のステンレス製等の反応器に比
べてスケールの付着がある程度減少する。しかし、反応
器の制作費が高く、運転時あるいはスケール除去の為の
清掃時の衝撃により、破損しやすいという欠点が有る。
る方策として、例えば、反応器内壁をグラスライニング
する方法が提案されている。この方法によれば、反応器
内壁が平滑になり、従来のステンレス製等の反応器に比
べてスケールの付着がある程度減少する。しかし、反応
器の制作費が高く、運転時あるいはスケール除去の為の
清掃時の衝撃により、破損しやすいという欠点が有る。
【0005】また、重合器内壁面にポリ芳香族アミン等
のスケール付着防止剤をあらかじめ塗布しておく方法も
提案されている。しかし、この方法は、ある程度のスケ
ール付着防止効果を発現するものの、その効果がまだ不
十分である。
のスケール付着防止剤をあらかじめ塗布しておく方法も
提案されている。しかし、この方法は、ある程度のスケ
ール付着防止効果を発現するものの、その効果がまだ不
十分である。
【0006】特開平10−316707号公報には、水
に可溶なアルカリケイ酸塩を添加して乳化重合を行う方
法が提案されている。しかし、この方法は、ステンレス
鋼からなる反応器に適用する方法であり、その他の反応
器、例えばガラスライニングした反応器等には効果が無
い。
に可溶なアルカリケイ酸塩を添加して乳化重合を行う方
法が提案されている。しかし、この方法は、ステンレス
鋼からなる反応器に適用する方法であり、その他の反応
器、例えばガラスライニングした反応器等には効果が無
い。
【0007】特開昭63−221108号公報には、特
定のリン酸エステル塩と特定のアルカリ金属塩またはア
ルカリ土類金属塩とを共存させた状態で重合を行う方法
が提案されている。しかし、この方法は、ある程度のス
ケール付着防止効果を発現するものの、その効果はまだ
完全ではない。
定のリン酸エステル塩と特定のアルカリ金属塩またはア
ルカリ土類金属塩とを共存させた状態で重合を行う方法
が提案されている。しかし、この方法は、ある程度のス
ケール付着防止効果を発現するものの、その効果はまだ
完全ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した各
従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すな
わち、本発明の目的は、反応器内壁等への重合体スケー
ルの付着が少ないビニル系単量体の乳化重合方法を提供
することにある。
従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すな
わち、本発明の目的は、反応器内壁等への重合体スケー
ルの付着が少ないビニル系単量体の乳化重合方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々検討した結果、ビニル単量体を以下の
様な特殊な重合系で乳化重合することが非常に効果的で
あることを見出し、本発明を完成するに至った。
を達成すべく種々検討した結果、ビニル単量体を以下の
様な特殊な重合系で乳化重合することが非常に効果的で
あることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、ビニル単量体の重合
を、下記一般式(I) [R1−O(R2O)m]n−P(=O)−(OM)p (I) 〔一般式(I)において、R1は炭素数10〜18の直
鎖または分岐アルキル基を示し、R2は炭素数2または
3の直鎖または分岐アルキレン基を示し、Mはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属を示し、mは1〜20の整
数であり、mが2以上の場合にはR2として複数の異な
る基を有していてもよく、nは1または2であり、pは
1または2であり、p+nは3である。〕で表されるリ
ン酸エステル塩の少なくとも1種と、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩か
ら選ばれる少なくとも1種とを共存させたpHが5.5
〜9の範囲内の重合系中で行うことを特徴とするビニル
単量体の乳化重合方法である。
を、下記一般式(I) [R1−O(R2O)m]n−P(=O)−(OM)p (I) 〔一般式(I)において、R1は炭素数10〜18の直
鎖または分岐アルキル基を示し、R2は炭素数2または
3の直鎖または分岐アルキレン基を示し、Mはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属を示し、mは1〜20の整
数であり、mが2以上の場合にはR2として複数の異な
る基を有していてもよく、nは1または2であり、pは
1または2であり、p+nは3である。〕で表されるリ
ン酸エステル塩の少なくとも1種と、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩か
ら選ばれる少なくとも1種とを共存させたpHが5.5
〜9の範囲内の重合系中で行うことを特徴とするビニル
単量体の乳化重合方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の重合方法は、特定のリン
酸エステル塩を乳化剤として用い、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩から
選ばれる少なくとも1種とを共存させた重合系中で、ビ
ニル単量体の乳化重合を行う方法である。
酸エステル塩を乳化剤として用い、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩から
選ばれる少なくとも1種とを共存させた重合系中で、ビ
ニル単量体の乳化重合を行う方法である。
【0012】本発明に使用するリン酸エステル塩は、前
記一般式(I)で表される化合物である。一般式(I)
において、R1は、炭素数10〜18の直鎖または分岐
アルキル基を示す。アルキル基の炭素数は12以上であ
ることが好ましく、また16以下であることが好まし
い。R1としては、具体的には、n−ドデシル基、n−
トリデシル基、n−テトラデシル基、イソトリデシル基
が特に好ましい。
記一般式(I)で表される化合物である。一般式(I)
において、R1は、炭素数10〜18の直鎖または分岐
アルキル基を示す。アルキル基の炭素数は12以上であ
ることが好ましく、また16以下であることが好まし
い。R1としては、具体的には、n−ドデシル基、n−
トリデシル基、n−テトラデシル基、イソトリデシル基
が特に好ましい。
【0013】R2は、炭素数2または3の直鎖または分
岐アルキレン基を示す。具体的には、エチレン基、プロ
ピレン基が挙げられる。mが2以上の場合は、複数の−
(R 2O)−基が繰返し単位として存在することになる
が、この場合、R2として複数の異なる基を有していて
もよい。例えば、R2がエチレン基である−(R2O)−
と、R2がプロピレン基である−(R2O)−との両方を
有する場合がこれに該当する。
岐アルキレン基を示す。具体的には、エチレン基、プロ
ピレン基が挙げられる。mが2以上の場合は、複数の−
(R 2O)−基が繰返し単位として存在することになる
が、この場合、R2として複数の異なる基を有していて
もよい。例えば、R2がエチレン基である−(R2O)−
と、R2がプロピレン基である−(R2O)−との両方を
有する場合がこれに該当する。
【0014】Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属を示す。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム等が挙
げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシ
ウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム等が挙
げられる。これらの中では、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、バリウムが好ましく、さらにナトリウム、カ
リウムが特に好ましい。
属を示す。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム等が挙
げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシ
ウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム等が挙
げられる。これらの中では、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、バリウムが好ましく、さらにナトリウム、カ
リウムが特に好ましい。
【0015】mは1〜20の整数である。特に、3以上
の整数であることが好ましく、また10以下の整数であ
ることが好ましい。
の整数であることが好ましく、また10以下の整数であ
ることが好ましい。
【0016】nは1または2であり、pは1または2で
あり、p+nは3である。つまり、(n,p)=(1,
2)または(2,1)である。
あり、p+nは3である。つまり、(n,p)=(1,
2)または(2,1)である。
【0017】一般式(I)で表されるリン酸エステル塩
の具体例としては、モノ−n−ドデシルオキシヘキサオ
キシエチレンリン酸、ジ−n−ドデシルオキシヘキサオ
キシエチレンリン酸、モノ−n−テトラデシルオキシヘ
キサオキシエチレンリン酸、ジ−n−テトラデシルオキ
シヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−n−ヘキサデシ
ルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−n−ヘキサ
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、モノ−n−
ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−n−
ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、モノ−n
−デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−n−
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸等の直鎖アル
キルオキシポリオキシエチレンリン酸や、モノ−イソド
デシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−イソド
デシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−イソ
トリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−イ
ソトリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ
−イソテトラデシルオキシヘキサオキシエチレンリン
酸、ジ−イソテトラデシルオキシヘキサオキシエチレン
リン酸等の分岐アルキルオキシポリオキシエチレンリン
酸のアルカリ金属(Na、K等)塩あるいはアルカリ土
類金属(Ca、Ba等)塩が挙げられる。
の具体例としては、モノ−n−ドデシルオキシヘキサオ
キシエチレンリン酸、ジ−n−ドデシルオキシヘキサオ
キシエチレンリン酸、モノ−n−テトラデシルオキシヘ
キサオキシエチレンリン酸、ジ−n−テトラデシルオキ
シヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−n−ヘキサデシ
ルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−n−ヘキサ
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、モノ−n−
ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−n−
ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、モノ−n
−デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−n−
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸等の直鎖アル
キルオキシポリオキシエチレンリン酸や、モノ−イソド
デシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−イソド
デシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−イソ
トリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−イ
ソトリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ
−イソテトラデシルオキシヘキサオキシエチレンリン
酸、ジ−イソテトラデシルオキシヘキサオキシエチレン
リン酸等の分岐アルキルオキシポリオキシエチレンリン
酸のアルカリ金属(Na、K等)塩あるいはアルカリ土
類金属(Ca、Ba等)塩が挙げられる。
【0018】さらに、モノ−n−デシルオキシテトラオ
キシプロピレンリン酸、ジ−n−デシルオキシテトラオ
キシプロピレンリン酸、モノ−n−ドデシルオキシテト
ラオキシプロピレンリン酸、ジ−n−ドデシルオキシテ
トラオキシプロピレンリン酸、モノ−n−テトラデシル
オキシテトラオキシプロピレンリン酸、ジ−n−テトラ
デシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸等の直鎖ア
ルキルオキシポリオキシプロピレンリン酸や、モノ−イ
ソデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、ジ−イ
ソデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、モノ−
イソドデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、ジ
−イソドデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、
モノ−イソテトラデシルオキシテトラオキシプロピレン
リン酸、ジ−イソテトラデシルオキシテトラオキシプロ
ピレンリン酸等の分岐アルキルオキシポリオキシプロピ
レンリン酸のアルカリ金属(Na、K等)塩あるいはア
ルカリ土類金属(Ca、Ba等)塩が挙げられる。
キシプロピレンリン酸、ジ−n−デシルオキシテトラオ
キシプロピレンリン酸、モノ−n−ドデシルオキシテト
ラオキシプロピレンリン酸、ジ−n−ドデシルオキシテ
トラオキシプロピレンリン酸、モノ−n−テトラデシル
オキシテトラオキシプロピレンリン酸、ジ−n−テトラ
デシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸等の直鎖ア
ルキルオキシポリオキシプロピレンリン酸や、モノ−イ
ソデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、ジ−イ
ソデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、モノ−
イソドデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、ジ
−イソドデシルオキシテトラオキシプロピレンリン酸、
モノ−イソテトラデシルオキシテトラオキシプロピレン
リン酸、ジ−イソテトラデシルオキシテトラオキシプロ
ピレンリン酸等の分岐アルキルオキシポリオキシプロピ
レンリン酸のアルカリ金属(Na、K等)塩あるいはア
ルカリ土類金属(Ca、Ba等)塩が挙げられる。
【0019】これらリン酸エステル塩は、1種を単独で
用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】一般式(I)で表されるリン酸エステル塩
の添加量は、リン酸エステル塩および単量体の種類、重
合条件等に応じて適宜決めればよい。重合体スケールの
付着防止の為には、通常、その添加量は、単量体100
質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量
部以上がより好ましい。また、重合体への残存量を抑え
る為には、その添加量は、単量体100質量部に対して
10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好まし
い。
の添加量は、リン酸エステル塩および単量体の種類、重
合条件等に応じて適宜決めればよい。重合体スケールの
付着防止の為には、通常、その添加量は、単量体100
質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量
部以上がより好ましい。また、重合体への残存量を抑え
る為には、その添加量は、単量体100質量部に対して
10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好まし
い。
【0021】一般式(I)で表されるリン酸エステル塩
は、乳化剤として作用するが、さらに別の乳化剤を併用
しても構わない。重合体スケールの付着防止の為には、
併用する別の乳化剤の割合は、全乳化剤の50質量%以
下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。併用す
る乳化剤としては、アルキルフェニルポリオキシエチレ
ンリン酸塩等のリン酸塩系陰イオン界面活性剤が好まし
い。
は、乳化剤として作用するが、さらに別の乳化剤を併用
しても構わない。重合体スケールの付着防止の為には、
併用する別の乳化剤の割合は、全乳化剤の50質量%以
下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。併用す
る乳化剤としては、アルキルフェニルポリオキシエチレ
ンリン酸塩等のリン酸塩系陰イオン界面活性剤が好まし
い。
【0022】本発明に使用するアルカリ金属またはアル
カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩の具体例
としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。これらを
添加することにより、重合系のpHを良好に制御でき
る。
カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩の具体例
としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。これらを
添加することにより、重合系のpHを良好に制御でき
る。
【0023】アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩は、重合系のpHが5.5
〜9の範囲内となるように共存せしめる必要があり、特
に6〜8.5の範囲内となるように共存せしめることが
好ましい。上記各範囲の下限値は、重合体スケールの付
着防止などの点で意義が有り、上限値は、乳化重合の安
定性およびその安定性に基づく反応器内壁への重合体の
付着防止、ラテックス中に浮遊する凝集状の重合体の発
生防止などの点で意義が有る。
酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩は、重合系のpHが5.5
〜9の範囲内となるように共存せしめる必要があり、特
に6〜8.5の範囲内となるように共存せしめることが
好ましい。上記各範囲の下限値は、重合体スケールの付
着防止などの点で意義が有り、上限値は、乳化重合の安
定性およびその安定性に基づく反応器内壁への重合体の
付着防止、ラテックス中に浮遊する凝集状の重合体の発
生防止などの点で意義が有る。
【0024】本発明に使用するビニル単量体は、乳化重
合が可能な単量体であればよく、特に限定されない。本
発明で製造した重合体を、特に、ABS樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に添
加して、耐衝撃性、熱的特性、成型加工性等の樹脂特性
を改善する用途に使用する場合は、ビニル単量体は、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニ
ル化合物、ブタジエン、アクリロニトリルおよびメタク
リロニトリルから成る群より選ばれた少なくとも1種の
単量体を80質量%以上、特に90質量%以上含むこと
が好ましい。アクリル酸エステルとしては、例えば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。メ
タクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキ
シル等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
合が可能な単量体であればよく、特に限定されない。本
発明で製造した重合体を、特に、ABS樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に添
加して、耐衝撃性、熱的特性、成型加工性等の樹脂特性
を改善する用途に使用する場合は、ビニル単量体は、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニ
ル化合物、ブタジエン、アクリロニトリルおよびメタク
リロニトリルから成る群より選ばれた少なくとも1種の
単量体を80質量%以上、特に90質量%以上含むこと
が好ましい。アクリル酸エステルとしては、例えば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。メ
タクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキ
シル等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0025】上述した好ましいビニル単量体と、その他
のビニル単量体または重合体を併用して重合することも
できる。この場合、その他のビニル単量体は、共重合可
能または複合可能な重合体であればよく、特に制限され
ない。その具体例としては、メタクリル酸、アクリル
酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げ
られる。さらに、エチレングリコールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、アリルメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリ
ル、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル、フマル酸ジ
アリル、トリメリット酸トリアリル等の多官能性単量体
や、ポリテトラフルオロエチレンエマルション、ポリオ
ルガノシロキサンエマルション等の重合体エマルション
を用いることもできる。
のビニル単量体または重合体を併用して重合することも
できる。この場合、その他のビニル単量体は、共重合可
能または複合可能な重合体であればよく、特に制限され
ない。その具体例としては、メタクリル酸、アクリル
酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げ
られる。さらに、エチレングリコールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、アリルメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリ
ル、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル、フマル酸ジ
アリル、トリメリット酸トリアリル等の多官能性単量体
や、ポリテトラフルオロエチレンエマルション、ポリオ
ルガノシロキサンエマルション等の重合体エマルション
を用いることもできる。
【0026】これらビニル単量体の重合は、従来より知
られる乳化重合法に従って行えばよい。重合を開始する
方法も特に限定されないが、ラジカル重合開始剤として
は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化水素等の過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の過硫酸化合物、過塩素酸化合物、過ホウ酸化合
物、過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせ
から成るレドックス系開始剤などが挙げられる。ラジカ
ル重合開始剤の添加量は、ラジカル重合開始剤や単量体
の種類によって異なるが、通常、単量体100質量部に
対して0.01〜10質量部程度である。
られる乳化重合法に従って行えばよい。重合を開始する
方法も特に限定されないが、ラジカル重合開始剤として
は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化水素等の過酸化物、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の過硫酸化合物、過塩素酸化合物、過ホウ酸化合
物、過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせ
から成るレドックス系開始剤などが挙げられる。ラジカ
ル重合開始剤の添加量は、ラジカル重合開始剤や単量体
の種類によって異なるが、通常、単量体100質量部に
対して0.01〜10質量部程度である。
【0027】ビニル単量体および重合開始剤等の各成分
は、従来より知られる各種の方法で添加することができ
る。例えば、一括添加法、分割添加法、連続添加法、あ
るいはモノマー添加法、エマルション添加法などを用い
ることができる。
は、従来より知られる各種の方法で添加することができ
る。例えば、一括添加法、分割添加法、連続添加法、あ
るいはモノマー添加法、エマルション添加法などを用い
ることができる。
【0028】重合温度は、単量体の種類や組成等に応じ
て適宜決定すればよい。通常は0℃〜150℃であり、
20〜100℃が好ましい。
て適宜決定すればよい。通常は0℃〜150℃であり、
20〜100℃が好ましい。
【0029】乳化重合の条件によっては、分散安定剤と
してアルキルポリオキシエチレンオキシエタノールを使
用すると、乳化重合の安定性がより高くなる。重合反応
を円滑に進める為に、反応系を窒素置換してもよい。ま
た、残存単量体を除去する為に、反応終了後さらにラジ
カル重合開始剤を添加してもよい。また、重合の際に
は、所望に応じてメルカプタン類等の重合度調整剤を添
加してもよい。さらに、可塑剤、安定剤、着色剤等の各
種の添加剤も使用できる。
してアルキルポリオキシエチレンオキシエタノールを使
用すると、乳化重合の安定性がより高くなる。重合反応
を円滑に進める為に、反応系を窒素置換してもよい。ま
た、残存単量体を除去する為に、反応終了後さらにラジ
カル重合開始剤を添加してもよい。また、重合の際に
は、所望に応じてメルカプタン類等の重合度調整剤を添
加してもよい。さらに、可塑剤、安定剤、着色剤等の各
種の添加剤も使用できる。
【0030】ビニル単量体の乳化重合を行うと、重合体
ラテックスが得られる。この重合体ラテックス中の固形
分の量は、重合体の生産性を高くする為には、10質量
%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。ま
たラテックスの安定性を損なわない為には、60質量%
以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
ラテックスが得られる。この重合体ラテックス中の固形
分の量は、重合体の生産性を高くする為には、10質量
%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。ま
たラテックスの安定性を損なわない為には、60質量%
以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
【0031】例えば、この重合体ラテックスから重合体
を凝固してスラリーとし、これを洗浄して湿潤状の重合
体を回収し、乾燥することにより所望の重合体を得るこ
とができる。重合体を凝固してスラリーを得る方法とし
ては、一般的には、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の無機塩を添
加する方法、あるいは硫酸等の酸を添加する方法があ
る。スラリーを洗浄して湿潤状の重合体を回収する方法
としては、例えば、イオン交換水で希釈してから、加圧
脱水、真空脱水あるいは遠心脱水する方法、あるいはイ
オン交換水を吹きつけながら、真空脱水あるいは遠心脱
水する方法がある。回収した湿潤状の重合体の乾燥方法
としては、例えば、圧搾脱水機や熱風乾燥機を用いる方
法がある。
を凝固してスラリーとし、これを洗浄して湿潤状の重合
体を回収し、乾燥することにより所望の重合体を得るこ
とができる。重合体を凝固してスラリーを得る方法とし
ては、一般的には、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の無機塩を添
加する方法、あるいは硫酸等の酸を添加する方法があ
る。スラリーを洗浄して湿潤状の重合体を回収する方法
としては、例えば、イオン交換水で希釈してから、加圧
脱水、真空脱水あるいは遠心脱水する方法、あるいはイ
オン交換水を吹きつけながら、真空脱水あるいは遠心脱
水する方法がある。回収した湿潤状の重合体の乾燥方法
としては、例えば、圧搾脱水機や熱風乾燥機を用いる方
法がある。
【0032】本発明は、ビニル単量体を乳化重合して重
合体ラテックスを製造する方法に適しているが、特に、
重合体ラテックスにさらに単量体を添加して重合を行
い、多層構造グラフト共重合体を得る多段階の乳化重合
に好適である。
合体ラテックスを製造する方法に適しているが、特に、
重合体ラテックスにさらに単量体を添加して重合を行
い、多層構造グラフト共重合体を得る多段階の乳化重合
に好適である。
【0033】多層構造グラフト共重合体としては、例え
ば、内層が軟質、外層が硬質である2層構造のグラフト
共重合体、最内層が硬質、中間層が軟質、最外層が硬質
である3層構造のグラフト共重合体、最内層が半硬質、
中間層が軟質、最外層が硬質である3層構造のグラフト
共重合体が挙げられる。
ば、内層が軟質、外層が硬質である2層構造のグラフト
共重合体、最内層が硬質、中間層が軟質、最外層が硬質
である3層構造のグラフト共重合体、最内層が半硬質、
中間層が軟質、最外層が硬質である3層構造のグラフト
共重合体が挙げられる。
【0034】このような多層構造グラフト共重合体は、
例えば、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、メタクリル樹脂等に添加して、耐衝撃
性、熱的特性、成型加工性等を向上させる用途におい
て、非常に有用である。
例えば、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、メタクリル樹脂等に添加して、耐衝撃
性、熱的特性、成型加工性等を向上させる用途におい
て、非常に有用である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、
「%」は「質量%」をそれぞれ表す。
明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、
「%」は「質量%」をそれぞれ表す。
【0036】<実施例1>攪拌機、還流冷却器、窒素吹
き込み口、単量体追加口および温度計を備えたステンレ
ス鋼製反応器中に、脱イオン水240部、ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート(以下「SFS」とい
う)0.48部、硫酸第1鉄1.210-4部、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム3.610-4部、モノ−イソ
トリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸ナトリウ
ムとジ−イソトリデシルオキシヘキサオキシエチレンリ
ン酸ナトリウムとの1:1(質量比)の混合物(以下
「リン酸エステル塩(A)」という)0.4部、およ
び、炭酸ナトリウム0.032部を仕込んだ。
き込み口、単量体追加口および温度計を備えたステンレ
ス鋼製反応器中に、脱イオン水240部、ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート(以下「SFS」とい
う)0.48部、硫酸第1鉄1.210-4部、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム3.610-4部、モノ−イソ
トリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸ナトリウ
ムとジ−イソトリデシルオキシヘキサオキシエチレンリ
ン酸ナトリウムとの1:1(質量比)の混合物(以下
「リン酸エステル塩(A)」という)0.4部、およ
び、炭酸ナトリウム0.032部を仕込んだ。
【0037】次に、系を窒素置換しながら50℃に昇温
し、スチレン20部、アクリル酸ブチル80部、アリル
メタクリレート0.9部、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド0.3部、および、リン酸エステル塩(A)1.1
部から成る混合物(a−1)を2時間かけて投入し、1
時間保持して重合を完結させて、ラテックス(A−1)
を得た。このラテックス(A−1)の重合率は99%以
上であった。
し、スチレン20部、アクリル酸ブチル80部、アリル
メタクリレート0.9部、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド0.3部、および、リン酸エステル塩(A)1.1
部から成る混合物(a−1)を2時間かけて投入し、1
時間保持して重合を完結させて、ラテックス(A−1)
を得た。このラテックス(A−1)の重合率は99%以
上であった。
【0038】引き続き、ラテックス(A−1)中に、S
FS0.12部および脱イオン水4.0部から成る混合物
(a−2)を入れ、15分間保持した。その後、メタク
リル酸メチル57.0部、アクリル酸メチル3.0部、t
−ブチルハイドロパーオキサイド0.1部、n−オクチ
ルメルカプタン0.2部、および、リン酸エステル塩
(A)0.4部から成る混合物(a−3)を1.5時間か
けて滴下し、1時間保持して重合を完結させて、ラテッ
クス(A−3)を得た。このラテックス(A−3)の重
合率は99%以上であった。
FS0.12部および脱イオン水4.0部から成る混合物
(a−2)を入れ、15分間保持した。その後、メタク
リル酸メチル57.0部、アクリル酸メチル3.0部、t
−ブチルハイドロパーオキサイド0.1部、n−オクチ
ルメルカプタン0.2部、および、リン酸エステル塩
(A)0.4部から成る混合物(a−3)を1.5時間か
けて滴下し、1時間保持して重合を完結させて、ラテッ
クス(A−3)を得た。このラテックス(A−3)の重
合率は99%以上であった。
【0039】次に、ラテックス(A−3)を100メッ
シュの金網でろ過し、ろ別した凝集状の重合体を水洗
し、70℃で24時間乾燥してその重量を秤量した。ま
た、反応器内壁に付着したスケールも採取して、同様に
乾燥して秤量した。結果を表1に示す。
シュの金網でろ過し、ろ別した凝集状の重合体を水洗
し、70℃で24時間乾燥してその重量を秤量した。ま
た、反応器内壁に付着したスケールも採取して、同様に
乾燥して秤量した。結果を表1に示す。
【0040】<実施例2〜5、比較例1〜3>炭酸ナト
リウム0.032部の代わりに下記表1に示すアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩を使用したこと以外は、
実施例1と同様にしてラテックスを製造し、凝集状の重
合体とスケールを秤量した。結果を表1に示す。
リウム0.032部の代わりに下記表1に示すアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩を使用したこと以外は、
実施例1と同様にしてラテックスを製造し、凝集状の重
合体とスケールを秤量した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】<実施例6〜8、比較例4〜6>リン酸エ
ステル塩(A)の代わりに下記表2に示すリン酸エステ
ル塩(B)〜(G)を、リン酸エステル塩(A)と同一
添加量、即ち0.4部ずつ合計0.8部使用したこと以外
は、実施例1と同様にしてラテックスを製造し、凝集状
の重合体とスケールを秤量した。結果を表2に示す。
ステル塩(A)の代わりに下記表2に示すリン酸エステ
ル塩(B)〜(G)を、リン酸エステル塩(A)と同一
添加量、即ち0.4部ずつ合計0.8部使用したこと以外
は、実施例1と同様にしてラテックスを製造し、凝集状
の重合体とスケールを秤量した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2中のリン酸エステル塩B〜Gは、以下
の化合物を示す。
の化合物を示す。
【0045】「リン酸エステル塩(B)」: モノ−n−
ヘキサデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリ
ウムとジ−n−ヘキサデシルオキシテトラオキシエチレ
ンリン酸ナトリウムの1:1(質量比)の混合物 「リン酸エステル塩(C)」: モノ−n−ドデシルオキ
シテトラオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ド
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリウムの
1:1(質量比)の混合物 「リン酸エステル塩(D)」: モノ−n−デシルオキシ
テトラオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−デシ
ルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリウムの1:
1(質量比)の混合物 「リン酸エステル塩(E)」: モノ−n−ドコシルペン
タオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ドコシル
ペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムの1:1(質量
比)の混合物 「リン酸エステル塩(F)」: モノ−n−オクチルペン
タオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−オクチル
ペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムの1:1(質量
比)の混合物 「リン酸エステル塩(G)」: モノ−n−ブチルフェニ
ルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ブ
チルフェニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムの
1:1(質量比)の混合物
ヘキサデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリ
ウムとジ−n−ヘキサデシルオキシテトラオキシエチレ
ンリン酸ナトリウムの1:1(質量比)の混合物 「リン酸エステル塩(C)」: モノ−n−ドデシルオキ
シテトラオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ド
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリウムの
1:1(質量比)の混合物 「リン酸エステル塩(D)」: モノ−n−デシルオキシ
テトラオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−デシ
ルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリウムの1:
1(質量比)の混合物 「リン酸エステル塩(E)」: モノ−n−ドコシルペン
タオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ドコシル
ペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムの1:1(質量
比)の混合物 「リン酸エステル塩(F)」: モノ−n−オクチルペン
タオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−オクチル
ペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムの1:1(質量
比)の混合物 「リン酸エステル塩(G)」: モノ−n−ブチルフェニ
ルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ブ
チルフェニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウムの
1:1(質量比)の混合物
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ビニル系単量体を乳化重合する際に、反応器内壁等への
重合体スケールの付着を少なくすることができる。
ビニル系単量体を乳化重合する際に、反応器内壁等への
重合体スケールの付着を少なくすることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 大須賀 正宏
広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ
ン株式会社大竹事業所内
Fターム(参考) 4J011 EA02 EA04 EA07 KA05 KA15
KB05 KB25 KB29
Claims (2)
- 【請求項1】 ビニル単量体の重合を、下記一般式
(I)で表されるリン酸エステル塩の少なくとも1種
と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、
炭酸塩、炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1種とを共
存させたpHが5.5〜9の範囲内の重合系中で行うこ
とを特徴とするビニル単量体の乳化重合方法。 [R1−O(R2O)m]n−P(=O)−(OM)p (I) 〔一般式(I)において、R1は炭素数10〜18の直
鎖または分岐アルキル基を示し、R2は炭素数2または
3の直鎖または分岐アルキレン基を示し、Mはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属を示し、mは1〜20の整
数であり、mが2以上の場合にはR2として複数の異な
る基を有していてもよく、nは1または2であり、pは
1または2であり、p+nは3である。〕 - 【請求項2】 ビニル系単量体が、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、ブタ
ジエン、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルか
ら成る群より選ばれた少なくとも1種の単量体を80質
量%以上含む請求項1記載のビニル単量体の乳化重合方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002110529A JP2003306503A (ja) | 2002-04-12 | 2002-04-12 | ビニル単量体の乳化重合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002110529A JP2003306503A (ja) | 2002-04-12 | 2002-04-12 | ビニル単量体の乳化重合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003306503A true JP2003306503A (ja) | 2003-10-31 |
Family
ID=29393644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002110529A Pending JP2003306503A (ja) | 2002-04-12 | 2002-04-12 | ビニル単量体の乳化重合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003306503A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008280529A (ja) * | 2007-04-09 | 2008-11-20 | Kao Corp | 樹脂粒子 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5495689A (en) * | 1978-01-13 | 1979-07-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | Suspension polymerization of vinyl monomer |
JPS6172008A (ja) * | 1984-09-17 | 1986-04-14 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アクリル系単量体の乳化重合方法 |
-
2002
- 2002-04-12 JP JP2002110529A patent/JP2003306503A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5495689A (en) * | 1978-01-13 | 1979-07-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | Suspension polymerization of vinyl monomer |
JPS6172008A (ja) * | 1984-09-17 | 1986-04-14 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アクリル系単量体の乳化重合方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008280529A (ja) * | 2007-04-09 | 2008-11-20 | Kao Corp | 樹脂粒子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
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|
A977 | Report on retrieval |
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|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070912 |