JP2003306417A - 消臭剤 - Google Patents

消臭剤

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JP2003306417A JP2002115905A JP2002115905A JP2003306417A JP 2003306417 A JP2003306417 A JP 2003306417A JP 2002115905 A JP2002115905 A JP 2002115905A JP 2002115905 A JP2002115905 A JP 2002115905A JP 2003306417 A JP2003306417 A JP 2003306417A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】服用し口臭をも安全に消臭でき,消臭作用が強
く,容易に入手可能な,少なくとも消臭成分化合物であ
る2-エチルヘキサノールを含有する消臭剤を提供するこ
と。 【解決手段】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
( 学名:Coriandrum) 属植物を原材料とし,該植物全体
から成る生体の該原材料から,所定の裁断手段により確
保した,小片形状の生体である消臭剤であって,該原材
料が,所定の同定手段で同定した,少なくとも消臭成分
化合物である2-エチルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3
CH(C2H5)CH2OH)を含有する事を特徴とする消臭剤を確保
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,服用し口臭をも安
全に消臭でき,消臭作用が強く,容易に入手可能な,少
なくとも消臭成分化合物である2-エチルヘキサノールを
含有する消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の消臭剤は,各種の消臭剤があ
るが,服用し口臭をも安全に消臭でき,容易に入手可能
な,植物製消臭剤としては,緑茶があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の消臭剤で,
服用し口臭をも安全に消臭でき,容易に入手可能な,植
物製消臭剤としては,緑茶があったが,消臭作用が弱
く,例えば,ニンニク等の特定の口臭を完全に消臭する
には,多量の緑茶を服用しなければならない,問題点が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために,本発明の消臭剤は,セリ( 学名:Umbellifer-a
e)科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物に属する,
コリアンダー( 英名:Coriander,学名:Coriandrum Sativ
um L.) の原材料から, 所定の抽出精製手段により消臭
活性を示す消臭成分を分離し主要消臭成分化合物とし
て,所定の同定手段を用いて,同定した化合物が,2-エ
チルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)で
あることを確証した事を特徴とする。
【0005】本発明の消臭剤は,請求項1,2,3そし
て4に対応する,試料1,2,3そして4を作成し,豚
臓器の悪臭,おろしニンニク臭,ニンニク食後の口
臭,,歯槽膿漏などの口臭,糞便臭,オムツの悪臭,生
ゴミ臭,魚臭,そしてキッチン臭及び体臭等への消臭効
果の評価結果通じて,著しい消臭作用を有する事を立証
する事を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に対応する消臭
剤は,セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学
名:Coriandrum) 属植物を原材料とし,生葉, 花, 茎,
根等の該植物全体から成る生体の該原材料から,所定の
裁断手段により確保した,小片形状の生体である事を特
徴とする。
【0007】本発明の請求項2に対応する消臭剤は,セ
リ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Corian
drum) 属植物を原材料とし,生葉, 花, 茎, 根等の該植
物全体から成る生体の該原材料を,乾燥し,そして粉末
形状に粉砕する,所定の乾燥粉砕手段により確保した,
乾燥粉末である事を特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に対応する消臭剤は,セ
リ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Corian
drum) 属植物を原材料とし,生葉, 花, 茎, 根等の該植
物全体から成る生体の該原材料から,所定の抽出精製手
段により,消臭活性を示す消臭成分を分離して確保し
た,特定の物性・化学的特性を有する,消臭成分化合物
である事を特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に対応する消臭剤は,消
臭活性を示す消臭成分である,常温で液体状態の化合
物:2-エチルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)
CH2OH)の,消臭機能を呈する少なくとも所定の量を含有
する消臭剤であって,該化合物:2-エチルヘキサノール
は,セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:
Coriandrum) 属植物に属する, エンサイ( 和名) とも呼
ぶコリアンダー( 英名:Coriander,学名:Coriandrum Sat
ivum L.) の原材料から, 所定の抽出精製手段により消
臭活性を示す消臭成分を分離して確保し,特定の物性・
化学的特性を有する主要消臭成分化合物として,所定の
同定手段を用いて,同定した化合物と同一成分である事
を特徴とする。
【0010】本発明の請求項1,請求項2,そして請求
項3に対応する消臭剤において,セリ( 学名:Umbellif
erae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物には,
少なくともエンサイ( 和名) とも呼ぶコリアンダー( 英
名:Coriander, 学名:Coriand-rum Sativum L.)が属し,
該コリアンダーは,コエンドロとも呼ばれるが, 茎長
は,約60cm, 一次分枝は6-8 本あり,節数は12前後であ
る。葉は羽状複葉であり,上部になるにしたがって葉の
切り込みが深くなり, 皮針形を呈する。複散形花序であ
り,3-6 本の大花柄に10-15 の小花柄があり,そこに小
さな桃色がかった花が咲く。若菜には,独特の香りがあ
り,未熟な果実は,カメムシに似た異様な匂いがある。
多くの国で, 香辛野菜の一つとして食べられており, 人
体に対して, 無害であり,外用や服用でも利用上, 全く
問題がない。
【0011】本発明の請求項3に対応する消臭剤におい
て,原材料として,セリ( 学名:Um-belliferae)科コエ
ンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物全体から成る乾燥粉
末を用いる事も出来る。
【0012】本発明の請求項3に対応する消臭剤におい
て,所定の抽出精製手段は,先ず溶媒抽出工程(S1)
において,セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ(
学名:Coriandrum) 属植物の原材料の生体及び乾物か
ら, 蒸留水で溶媒抽出できるが,エタノール等の有機溶
媒を用いると抽出効率は増加する。この様にして,消臭
成分を含有する,所定の抽出溶液を確保した該抽出溶液
は,次に吸着工程(S2)において,ガスクロマトグラ
フ充填剤である,複数の微極性ポーラスポリマービーズ
を用いて, 含有消臭成分を吸着濃縮し,次の成分溶出工
程(S3)において,複数の該ビーズを,最初に蒸留水
でよく水洗いし,そしてジエチルエーテルで溶出し,濃
縮した該消臭成分を含有するジエチルエーテル溶出液を
確保する。該ジエチルエーテル溶出液は,次に薄層クロ
マトグラフィー精製工程(S4)において,薄層プレー
トを用いて,該消臭成分を分離精製する。該薄層プレー
トは,ガラス板上にシリカゲルを被覆し,展開溶媒中
に,該薄層プレート下端部を浸して,鉛直に立設し,そ
して該薄層プレートの展開溶媒液面から所定の高さに,
水平に引いた原線を定め,該原線から該薄層プレート上
端部近傍までを10等分に分画し,該原線上に,消臭成
分を含有する該ジエチルエーテル溶出液を滴下する。該
展開溶媒は,該薄層プレート下端より上端に向けて,毛
細管現象によって展開すると共に,該原線上の消臭成分
も,その親和性により,上部に展開する。各分画に含ま
れる,溶出成分の消臭活性を,所定の評価例で調べたと
ころ,溶媒展開上端部(10/10分画,すなわちRf
=1.0)に最も強い消臭活性が得られ,これらの成分
は,ほとんど無臭である。この10/10分画のシリカ
ゲルに含まれる消臭成分は,次に濾紙吸着工程(S5)
において,同分画のシリカゲルを掻きとり,含有する該
消臭成分をジエチルエーテルで溶出させ,そのジエチル
エーテル溶出液を濾紙に滴下し,ジエチルエーテルを揮
発させた後, 該消臭成分を吸着した吸着濾紙を確保し,
抽出物の消臭剤とする事も出来る。
【0013】本発明の請求項3に対応する消臭剤におい
て,所定の抽出精製手段は,上記,薄層クロマトグラフ
ィー精製工程(S4)の代わりに,ガス・クロマトグラ
フィー(GC)精製工程を用いる事も出来る。
【0014】本発明の請求項4に対応する消臭剤におい
て,消臭活性を示す消臭成分である,化合物:2-エチル
ヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)は,常
温で無色液体で,溶解度は,水に0.07%(25
℃),そしてアルコール,エーテル等多くの有機溶剤に
溶け,蒸気圧:0.048 kPa, 引火点73℃を有する
物理・化学的性質を持ち, 市販の薬品を使用することも
でき,また安価であり,気化した2-エチルヘキサノール
が,無臭で,高い感覚的消臭作用を有し,瞬時に人間の
悪臭への感知を鈍らす作用を有する。
【0015】本発明の請求項4に対応する消臭剤におい
て,化合物:2-エチルヘキサノールが,コリアンダーの
原材料の主要消臭成分化合物と同一成分であることを同
定する,所定の同定手段は,抽出精製手段の薄層クロマ
トグラフィー精製工程(S4)において,薄層プレート
を用いて,溶媒展開上端部(10/10分画,すなわち
Rf=1.0)の最も強い消臭活性成分を再溶出後, 分
取GC試料とし,分取ガスクロマトグラフ(GC)分析におい
て,液相が所定の極性を有するキャピラリカラムの注入
口から注入し, 搬送ガスと共に該キャピラリカラムに流
入させ,該試料に含有する成分は,該キャピラリカラム
中の液相との親和性の高低によって,該キャピラリカラ
ムから流出する時間が異なり分離でき, 流出成分は, 所
定の割合で,検出器と補集用カラムに流入し,該検出器
では,含有成分の濃度検出を行い, 分取GC分析スペクト
ルで同時に確保される成分は,所定の時間の分画で該補
集用カラム内で補集し, 各分画に含まれる成分は,消臭
検定試料とし,その消臭活性を,所定の評価例で調べた
結果, 特定の分画に強力な消臭活性が認められ, 該分画
に含まれる特定の成分を, ガスクロマトグラフ(GC)- 質
量分析(MS)にて同定し, 該成分の消臭成分化合物は,2-
エチルヘキサノールであると同定する事が出来る。
【0016】本発明の請求項4に対応する消臭剤におい
て,2-エチルヘキサノールの10μg重量に相当する,
同等の消臭作用を付与する,コリアンダー乾燥粉末は,
約1gである事を特徴とする。
【0017】本発明の消臭剤は,豚臓器の悪臭,おろし
ニンニク臭,ニンニク食後の口臭,歯槽膿漏などの口
臭,糞便臭,オムツの悪臭,生ゴミ臭,魚臭,そしてキ
ッチン臭及び体臭等への消臭効果の評価結果を通じて,
従来技術の消臭剤である緑茶に較べて,著しい消臭作用
を有する。
【0018】本発明の消臭剤は,身近かに在り,安価に
入手が容易で,人体に無害で服用することもできるので
安全性を有し,且つその消臭作用は,含有する消臭成分
化合物:2-エチルヘキサノールに起因し,無臭で,高い
感覚的消臭作用を有し,瞬時に人間の悪臭への感知を鈍
らす作用を有し,従来技術の消臭剤である緑茶の約数千
倍の消臭作用を有する。
【0019】本発明の消臭剤は,歯槽膿漏等の口臭を,
所定の時間,消臭できる作用を有する。
【0020】本発明の消臭剤は,腋臭や足の臭い,その
他の体臭等に対して,著しい消臭作用を有する。
【0021】本発明の消臭剤は,冷蔵庫臭も含むキッチ
ン臭に対して,著しい消臭作用を有する。
【0022】本発明の消臭剤は,消臭成分をゼラチンで
固め,グミ等のお菓子状にしたものを食べることによ
り,各種の口臭が消臭できる作用を有する。
【0023】
【実施例】この発明の実施例の図面において,図1は,
本発明の実施例を示す,消臭剤の試料分類の詳細であっ
て,請求項1,2そして3に対応する,セリ科コエンド
ロ属植物であるコリアンダーを原材料とする消臭剤の実
施例の試料を,試料1,2そして3とし,そして請求項
4に対応する化合物:2-エチルヘキサノールを原材料と
する消臭剤の実施例の試料を,試料4とし,且つ該実施
例の試料を比較評価するために,従来技術による比較例
の比較試料をも示す。図2は,セリ科コエンドロ属植物
であるコリアンダーを原材料とする消臭剤の,請求項3
に対応する実施例の試料3に用いる,抽出精製手段の消
臭成分抽出精製工程である。図3は,本発明の実施例を
示す,消臭剤の評価例に用いる,消臭効果評価基準であ
る。図4は,本発明の実施例を示す,消臭剤の評価例
1:おろしニンニク食後の口臭への消臭評価である。図
5は,同じく消臭剤の評価例2:生ゴミ臭への消臭評価
である。図6は,セリ科コエンドロ属植物であるコリア
ンダーの原材料から消臭成分抽出精製工程を用いて確保
した,コリアンダー抽出物の分取ガスクロマトグラフ分
析スペクトルである。図7において,(A)は請求項3
に対応するコリアンダー抽出物の分取ガスクロマトグラ
フ分析スペクトルにおける,図6のβ分画成分中のa成
分の質量分析スペクトル,そして(B)は,請求項4に
対応する化合物:2-エチルヘキサノールの質量分析スペ
クトルである。
【0024】この発明の実施例を以下説明すると,請求
項1に対応する試料1の消臭剤は,図1に示すように,
セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Cori
andr-um)属植物に属する, エンサイ( 和名) とも呼ぶコ
リアンダー( 英名:Coriander, 学名:Coriandrum Sativu
m L.) を原材料(1)とし,その生葉の該原材料から,
所定の裁断手段により確保した,幅:数mm程度の小片
形状の生葉である事を特徴とする。
【0025】本発明の実施例の請求項2に対応する試料
2の消臭剤は,図1に示すように,セリ( 学名:Umbell
iferae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物に属
する, エンサイ( 和名) とも呼ぶコリアンダー( 英名:C
oriander, 学名:CoriandrumSativum L.) を原材料と
し,生葉, 花, 茎, 根等の該植物全体から成る生体の該
原材料を乾燥し,そして粉末形状に粉砕する,所定の乾
燥粉砕手段により確保した,径:0.1-2 mm程度の乾燥粉
末である事を特徴とする。
【0026】本発明の実施例の請求項3に対応する試料
3の消臭剤は,図1に示すように,セリ( 学名:Umbell
iferae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物に属
する, エンサイ( 和名) とも呼ぶコリアンダー( 英名:C
oriander, 学名:CoriandrumSativum L.) を原材料と
し,生葉, 花, 茎, 根等の該植物全体から成る生体の該
原材料から,所定の抽出精製手段により消臭活性を示す
消臭成分を分離して確保し,特定の物性・化学的特性を
有する,濾紙に吸着した消臭成分化合物である事を特徴
とする。
【0027】本発明の実施例の請求項4に対応する試料
4の消臭剤は,図1に示すように,消臭活性を示す消臭
成分である,常温で液体状態の化合物:2-エチルヘキサ
ノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)の,消臭機能
を呈する少なくとも所定の量を含有する消臭剤であっ
て,該化合物:2-エチルヘキサノールは,セリ( 学名:
Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植
物に属する, エンサイ (和名) とも呼ぶコリアンダー(
英名:Coriander, 学名:Coriandrum Sativum L.)の原材
料から, 所定の抽出精製手段により消臭活性を示す消臭
成分を分離して確保し,特定の物性・化学的特性を有す
る主要消臭成分化合物として,所定の同定手段を用い
て,同定した化合物と同一成分である事を特徴とする。
【0028】本発明の実施例の試料1,試料2,試料
3,そして試料4の消臭効果を評価するために,図1に
示すように,従来技術による比較例の比較試料を同時に
評価し,消臭効果を比較した。該比較試料は,従来技術
により広く知られた,消臭活性を示す緑茶フラボノイド
を含有する,緑茶乾燥粉末を使用した。
【0029】本発明の実施例の請求項3に対応する試料
3の消臭剤において,所定の抽出精製手段は,図2に示
すように,先ず溶媒抽出工程(S1)において,コリア
ンダー( 英名:Coriander, 学名:Coriandrum Sativum
L.) の原材料(1)の生体及び乾物から蒸留水で,溶媒
抽出できるが,エタノール等の有機溶媒を用いると抽出
効率は増加する。この様にして,消臭成分を含有する,
所定の抽出溶液(2)を確保した。
【0030】本発明の実施例の請求項3に対応する試料
3の消臭剤における,所定の抽出精製手段において,上
記消臭成分を含有する抽出溶液(2)は,図2に示すよ
うに,次に吸着工程(S2)において,ガスクロマトグ
ラフ充填剤である,Ethylvin-ylbenzeneとDivinylbenze
neをベースにした,複数の微極性ポーラスポリマービー
ズを用いて, 含有消臭成分を吸着収集し,次の成分溶出
工程(S3)において,複数の該ビーズを,最初に蒸留
水でよく水洗いし,そしてジエチルエーテルで溶出し,
濃縮した該消臭成分を含有するジエチルエーテル溶出液
を確保する。
【0031】本発明の実施例の請求項3に対応する試料
3の消臭剤における,所定の抽出精製手段において,上
記消臭成分を含有するジエチルエーテル溶出液は,図2
に示すように,次に薄層クロマトグラフィー精製工程
(S4)において,薄層プレートを用いて,該消臭成分
を分離精製する。該薄層プレートは,ガラス板(20cm 正
方形状) 上にシリカゲルを被覆し,展開溶媒(容積比と
して,ペンタン:ジエチルエーテル=8:2)中に,該
薄層プレート下端部を浸して,鉛直に立設し,そして該
薄層プレートの展開溶媒液面から約2cmの高さに,水
平に引いた原線を定め,該原線から該薄層プレート上端
部近傍までを10等分に分画し,該原線上に,消臭成分
を含有する該ジエチルエーテル溶出液を滴下する。該展
開溶媒は,該薄層プレート下端より上端に向けて,毛細
管現象によって展開すると共に,該原線上の消臭成分
も,その親和性により,上部に展開する。各分画に含ま
れる,溶出成分の消臭活性を,所定の評価例で調べたと
ころ,溶媒展開上端部(10/10分画,すなわちRf
=1.0)に最も強い消臭活性が得られた。これらの成
分は,ほとんど無臭である。
【0032】本発明の実施例の請求項3に対応する試料
3の消臭剤における,所定の抽出精製手段において,上
記,10/10分画(Rf=1.0)のシリカゲルに含
まれる消臭成分は,図2に示すように,次に濾紙吸着工
程(S5)において,同分画のシリカゲルを掻きとり,
含有する該消臭成分をジエチルエーテルで溶出させ,そ
のジエチルエーテル溶出液を濾紙(2cmx4cm) に滴下し,
ジエチルエーテルを揮発させた後, 該消臭成分を吸着し
た吸着濾紙(3)を確保した。
【0033】本発明の実施例の請求項4に対応する試料
4の消臭剤において,消臭活性を示す消臭成分である,
化合物:2-エチルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C
2H5)CH2OH)は,含有量:99%以上の市販の薬品を使用
した。
【0034】本発明の実施例の請求項4に対応する試料
4の消臭剤において,化合物:2-エチルヘキサノール
が,コリアンダーの原材料の主要消臭成分化合物と同一
成分であることを同定する,所定の同定手段は,図2に
示す,抽出精製手段の薄層クロマトグラフィー精製工程
(S4)において,薄層プレートを用いて,溶媒展開上
端部(10/10分画,すなわちRf=1.0)の最も
強い消臭活性成分を,ジエチルエーテル:15 ml を用い
て再溶出後, 約50μl まで濃縮し, 分取GC試料とし,分
取ガスクロマトグラフ(GC)分析に供した。該分取GC試料
を,液相が所定の極性を有するキャピラリカラムの注入
口から,注入し, 該注入口で気化された試料は,搬送ガ
ス:He と共に該キャピラリカラムに流入する。該試料に
含有する成分は,該キャピラリカラム中の液相との親和
性の高低によって,該キャピラリカラムから流出する時
間が異なり, 親和性の高い成分は遅く, 親和性の低い成
分は早く流出する。流出成分は,1:20 の割合で,水素炎
イオン化(FID) 検出器と補集用カラムに流入する。FID
検出器では,含有成分の濃度検出が行われ, 図6に示す
様な,分取GC分析スペクトルを確保する。該分取GC分析
スペクトルで同時に確保される成分は,所定の時間の分
画( 例えば, 図6のα, β, γ等の分画) で,該補集用
カラム内で補集する事が出来る。該補集用カラム内で補
集した各分画に含まれる成分は,ジエチルエーテルで流
し出し, 消臭検定試料とし,その消臭活性を,所定の評
価例で調べた。この結果, 図6に示すβ分画に強力な消
臭活性が認められた。このβ分画に含まれる成分:a及び
b を, 再び分取GC分析して分離し,所定の評価例で調べ
たところ,a 成分が強力な消臭効果を有していた。次
に,a成分を,ガスクロマトグラフ(GC)- 質量分析(MS)に
て,同定したところ,図7(A)に示す, 質量分析スペ
クトルを確保した。このa 成分の質量分析スペクトル
は,図7(B)に示す,2-エチルヘキサノールの質量分
析スペクトルの主要質量数ピーク並びにその分岐比とも
一致した。従って,該a 成分の消臭成分化合物は,2-エ
チルヘキサノールであると同定した。なお,b 成分は,
カプリンアルデヒド( 英名:decanal, 化学式:CH3(CH2)8
CHO)と判明し, 消臭効果は認められなかった。
【0035】本発明の実施例の試料1,試料2, 試料
3,そして試料4の消臭効果を評価するために,従来技
術による比較例の比較試料を同時に評価し,消臭効果
を,複数の評価者が,図3に示すように,消臭効果評価
基準記載の評価内容に対応する,評価点数を基に評価
し,その平均値を四捨五入した整数を,評価結果として
採用した。
【0036】本発明の実施例の試料1,試料2,試料
3,試料4,そして比較例の比較試料の評価例1は,図
4に示すように,おろしニンニク食後の口臭への消臭評
価を目的とし,検体者を21歳男性4人とし,該検体者
におろしニンニク5gを添加したコンソメ(0.5g固
形)スープ100ml(約85℃)を全量飲ませる。3
0分後,8人(21─25歳迄の,男性4人,女性4人
の合計8人)の評価者が,直接該検体者の口元から20
cm離れた位置で,強く吐き出す呼気の臭いを嗅ぎ,呼
気中に含まれるニンニク臭の強度を記憶した後,該検体
者に,試料1:コリアンダー生葉1g,試料2:コリア
ンダー乾燥粉末1g,試料3:コリアンダー生葉2gか
ら抽出精製手段により,抽出精製した,消臭成分を吸着
した吸着濾紙(3),試料4:2-エチルヘキサノール:
10μl そして比較試料:緑茶粉末1gを服用させ,3
0分後に,該評価者が再び,該検体者の呼気の臭いを嗅
ぎ,コリアンダーのニンニク臭への消臭効果を評価し
た。図4の評価例1が示す様に,従来技術の比較試料:
緑茶粉末に較べて,コリアンダーを原材料とする試料
1,試料2,試料3, そして2-エチルヘキサノールの試
料4は,著しい消臭効果を示した。
【0037】本発明の実施例の試料1,試料2,試料
3,試料4,そして比較例の比較試料の評価例2は,図
5に示すように,生ゴミ臭への消臭評価を目的とし,一
般家庭6軒から生ゴミ用袋に,ほぼ満杯になった生ゴミ
に直接,試料1:コリアンダー生葉1g,試料2:コリ
アンダー乾燥粉末2g,試料3:コリアンダー生葉2g
から抽出精製手段により,抽出精製した,消臭成分を吸
着した吸着濾紙(3),試料4:2-エチルヘキサノー
ル:10μl そして比較試料:緑茶粉末2gを添加し,
上記と同じように,8人の評価者が臭いを嗅ぎ,消臭効
果を評価した。図5の評価例2が示す様に,従来技術の
比較試料:緑茶粉末に較べて,試料1,試料2,試料
3,そして試料4は,著しい消臭効果を示した。
【0038】本発明の実施例の試料2,試料4そして比
較例の比較試料の評価例3は,これらの消臭効果比の評
価を目的とし,100ml のビーカに,おろしニンニク
1gを入れ,試料2:コリアンダー乾燥粉末,試料4:
2-エチルヘキサノール,そして比較試料:緑茶粉末を,
1ngから100mgまで,7通りの重量を変えて添加
し,添加30分後のニンニク臭を,8人の評価者が臭い
を嗅ぎ,消臭効果を評価した。消臭効果比の評価によれ
ば,試料2:コリアンダー乾燥粉末の10μgに相当す
る,同等の消臭効果を付与する,比較試料:緑茶粉末の
重量は,約50mgであった。従って,試料2:コリア
ンダー乾燥粉末:重量当たりの消臭効果は,比較試料:
緑茶粉末:重量当たりの消臭効果の約5000倍であっ
た。更に,試料4:2-エチルヘキサノールの100ng
に相当する,同等の消臭効果を付与する,試料2:コリ
アンダー乾燥粉末の重量は,約10mgであった。従っ
て,試料2:コリアンダー乾燥粉末:1g重量当たりの
消臭効果は,試料4:2-エチルヘキサノール:10μg
重量当たりの消臭効果とほぼ同等であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は,以上説明した様な形態で実施
され,以下に記載される様な効果を有する。
【0040】本発明の消臭剤は,身近かに在り,安価に
入手が容易で,人体に無害で服用することもできるので
安全性を有し,且つその消臭作用は,含有する消臭成分
化合物:2-エチルヘキサノールに起因し,無臭で,高い
感覚的消臭作用を有し,瞬時に人間の悪臭への感知を鈍
らす効果を有し,そして豚臓器の悪臭,おろしニンニク
臭,ニンニク食後の口臭,歯槽膿漏などの口臭,糞便
臭,オムツの悪臭,生ゴミ臭,魚臭,そしてキッチン臭
及び体臭等に対し,従来技術の消臭剤である緑茶に較べ
て,著しい消臭効果を有する。
【0041】本発明の消臭剤は,歯槽膿漏等の口臭を,
所定の時間,消臭できる効果を有する。
【0042】本発明の消臭剤は,腋臭や足の臭い,その
他の体臭等に対して,著しい消臭効果を有する。
【0043】本発明の消臭剤は,冷蔵庫臭も含むキッチ
ン臭に対して,著しい消臭効果を有する。
【0044】本発明の消臭剤は,消臭成分をゼラチンで
固め,グミ等のお菓子状にしたものを食べることによ
り,各種の口臭が消臭できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す,消臭剤の試料分類の詳
細であって,請求項1,2そして3に対応する,セリ科
コエンドロ属植物であるコリアンダーを原材料とする消
臭剤の実施例の試料を,試料1,2そして3とし,そし
て請求項4に対応する化合物:2-エチルヘキサノールを
原材料とする消臭剤の実施例の試料を,試料4とし,且
つ該実施例の試料を比較評価するために,従来技術によ
る比較例の比較試料をも示す。
【図2】本発明の実施例を示す,セリ科コエンドロ属植
物であるコリアンダーを原材料とする消臭剤の,請求項
3に対応する実施例の試料3に用いる,抽出精製手段の
消臭成分抽出精製工程。
【図3】本発明の実施例を示す,消臭剤の評価例に用い
る,消臭効果評価基準。
【図4】本発明の実施例を示す,消臭剤の評価例1:お
ろしニンニク食後の口臭への消臭評価。
【図5】本発明の実施例を示す,消臭剤の評価例2:生
ゴミ臭への消臭評価。
【図6】本発明の実施例に用いる,セリ科コエンドロ属
植物であるコリアンダーの原材料から消臭成分抽出精製
工程を用いて確保した,コリアンダー抽出物の分取ガス
クロマトグラフ分析スペクトル。
【図7】本発明の実施例に用いる,(A)は請求項3に
対応するコリアンダー抽出物の分取ガスクロマトグラフ
分析スペクトルにおける,図6のβ分画成分中のa成分
の質量分析スペクトル,そして(B)は,請求項4に対
応する化合物:2-エチルヘキサノールの質量分析スペク
トル。
【符号の説明】
1 原材料 2 抽出溶液 3 吸着濾紙
フロントページの続き (72)発明者 早田 保義 広島県高田郡甲田町高田原1429─1 サン ハイツ甲田C−101 (72)発明者 河塚 寛 広島県広島市東区戸坂山根二丁目2番30─ 510号 Fターム(参考) 4B014 GB07 GG09 GG12 GK12 4C080 AA06 AA07 BB02 CC01 HH01 JJ01 KK08 LL02 MM15 MM31 4C083 AA111 AA112 AC091 CC17 CC41 EE18 EE34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
    ( 学名:Coriandr-um)属植物を原材料とし,該植物全体
    から成る生体の該原材料から,所定の裁断手段により確
    保した,小片形状の生体である事を特徴とする消臭剤。
  2. 【請求項2】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
    ( 学名:Coriandr-um)属植物を原材料とし,該植物全体
    から成る生体の該原材料を,所定の乾燥手段により確保
    した,乾燥粉末である事を特徴とする消臭剤。
  3. 【請求項3】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
    ( 学名:Coriandr-um)属植物を原材料とし,該植物全体
    から成る生体の該原材料から,所定の抽出精製手段によ
    り,消臭活性を示す消臭成分を分離して確保した,特定
    の物性・化学的特性を有する,消臭成分化合物である事
    を特徴とする消臭剤。
  4. 【請求項4】化合物:2-エチルヘキサノール( 化学式:C
    H3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)の,消臭機能を呈する少なくと
    も所定の量を含有する事を特徴とする消臭剤。
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