JP2003306417A - 消臭剤 - Google Patents
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Abstract
く,容易に入手可能な,少なくとも消臭成分化合物であ
る2-エチルヘキサノールを含有する消臭剤を提供するこ
と。 【解決手段】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
( 学名:Coriandrum) 属植物を原材料とし,該植物全体
から成る生体の該原材料から,所定の裁断手段により確
保した,小片形状の生体である消臭剤であって,該原材
料が,所定の同定手段で同定した,少なくとも消臭成分
化合物である2-エチルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3
CH(C2H5)CH2OH)を含有する事を特徴とする消臭剤を確保
する。
Description
全に消臭でき,消臭作用が強く,容易に入手可能な,少
なくとも消臭成分化合物である2-エチルヘキサノールを
含有する消臭剤に関する。
るが,服用し口臭をも安全に消臭でき,容易に入手可能
な,植物製消臭剤としては,緑茶があった。
服用し口臭をも安全に消臭でき,容易に入手可能な,植
物製消臭剤としては,緑茶があったが,消臭作用が弱
く,例えば,ニンニク等の特定の口臭を完全に消臭する
には,多量の緑茶を服用しなければならない,問題点が
あった。
ために,本発明の消臭剤は,セリ( 学名:Umbellifer-a
e)科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物に属する,
コリアンダー( 英名:Coriander,学名:Coriandrum Sativ
um L.) の原材料から, 所定の抽出精製手段により消臭
活性を示す消臭成分を分離し主要消臭成分化合物とし
て,所定の同定手段を用いて,同定した化合物が,2-エ
チルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)で
あることを確証した事を特徴とする。
て4に対応する,試料1,2,3そして4を作成し,豚
臓器の悪臭,おろしニンニク臭,ニンニク食後の口
臭,,歯槽膿漏などの口臭,糞便臭,オムツの悪臭,生
ゴミ臭,魚臭,そしてキッチン臭及び体臭等への消臭効
果の評価結果通じて,著しい消臭作用を有する事を立証
する事を特徴とする。
剤は,セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学
名:Coriandrum) 属植物を原材料とし,生葉, 花, 茎,
根等の該植物全体から成る生体の該原材料から,所定の
裁断手段により確保した,小片形状の生体である事を特
徴とする。
リ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Corian
drum) 属植物を原材料とし,生葉, 花, 茎, 根等の該植
物全体から成る生体の該原材料を,乾燥し,そして粉末
形状に粉砕する,所定の乾燥粉砕手段により確保した,
乾燥粉末である事を特徴とする。
リ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Corian
drum) 属植物を原材料とし,生葉, 花, 茎, 根等の該植
物全体から成る生体の該原材料から,所定の抽出精製手
段により,消臭活性を示す消臭成分を分離して確保し
た,特定の物性・化学的特性を有する,消臭成分化合物
である事を特徴とする。
臭活性を示す消臭成分である,常温で液体状態の化合
物:2-エチルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)
CH2OH)の,消臭機能を呈する少なくとも所定の量を含有
する消臭剤であって,該化合物:2-エチルヘキサノール
は,セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:
Coriandrum) 属植物に属する, エンサイ( 和名) とも呼
ぶコリアンダー( 英名:Coriander,学名:Coriandrum Sat
ivum L.) の原材料から, 所定の抽出精製手段により消
臭活性を示す消臭成分を分離して確保し,特定の物性・
化学的特性を有する主要消臭成分化合物として,所定の
同定手段を用いて,同定した化合物と同一成分である事
を特徴とする。
項3に対応する消臭剤において,セリ( 学名:Umbellif
erae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物には,
少なくともエンサイ( 和名) とも呼ぶコリアンダー( 英
名:Coriander, 学名:Coriand-rum Sativum L.)が属し,
該コリアンダーは,コエンドロとも呼ばれるが, 茎長
は,約60cm, 一次分枝は6-8 本あり,節数は12前後であ
る。葉は羽状複葉であり,上部になるにしたがって葉の
切り込みが深くなり, 皮針形を呈する。複散形花序であ
り,3-6 本の大花柄に10-15 の小花柄があり,そこに小
さな桃色がかった花が咲く。若菜には,独特の香りがあ
り,未熟な果実は,カメムシに似た異様な匂いがある。
多くの国で, 香辛野菜の一つとして食べられており, 人
体に対して, 無害であり,外用や服用でも利用上, 全く
問題がない。
て,原材料として,セリ( 学名:Um-belliferae)科コエ
ンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物全体から成る乾燥粉
末を用いる事も出来る。
て,所定の抽出精製手段は,先ず溶媒抽出工程(S1)
において,セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ(
学名:Coriandrum) 属植物の原材料の生体及び乾物か
ら, 蒸留水で溶媒抽出できるが,エタノール等の有機溶
媒を用いると抽出効率は増加する。この様にして,消臭
成分を含有する,所定の抽出溶液を確保した該抽出溶液
は,次に吸着工程(S2)において,ガスクロマトグラ
フ充填剤である,複数の微極性ポーラスポリマービーズ
を用いて, 含有消臭成分を吸着濃縮し,次の成分溶出工
程(S3)において,複数の該ビーズを,最初に蒸留水
でよく水洗いし,そしてジエチルエーテルで溶出し,濃
縮した該消臭成分を含有するジエチルエーテル溶出液を
確保する。該ジエチルエーテル溶出液は,次に薄層クロ
マトグラフィー精製工程(S4)において,薄層プレー
トを用いて,該消臭成分を分離精製する。該薄層プレー
トは,ガラス板上にシリカゲルを被覆し,展開溶媒中
に,該薄層プレート下端部を浸して,鉛直に立設し,そ
して該薄層プレートの展開溶媒液面から所定の高さに,
水平に引いた原線を定め,該原線から該薄層プレート上
端部近傍までを10等分に分画し,該原線上に,消臭成
分を含有する該ジエチルエーテル溶出液を滴下する。該
展開溶媒は,該薄層プレート下端より上端に向けて,毛
細管現象によって展開すると共に,該原線上の消臭成分
も,その親和性により,上部に展開する。各分画に含ま
れる,溶出成分の消臭活性を,所定の評価例で調べたと
ころ,溶媒展開上端部(10/10分画,すなわちRf
=1.0)に最も強い消臭活性が得られ,これらの成分
は,ほとんど無臭である。この10/10分画のシリカ
ゲルに含まれる消臭成分は,次に濾紙吸着工程(S5)
において,同分画のシリカゲルを掻きとり,含有する該
消臭成分をジエチルエーテルで溶出させ,そのジエチル
エーテル溶出液を濾紙に滴下し,ジエチルエーテルを揮
発させた後, 該消臭成分を吸着した吸着濾紙を確保し,
抽出物の消臭剤とする事も出来る。
て,所定の抽出精製手段は,上記,薄層クロマトグラフ
ィー精製工程(S4)の代わりに,ガス・クロマトグラ
フィー(GC)精製工程を用いる事も出来る。
て,消臭活性を示す消臭成分である,化合物:2-エチル
ヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)は,常
温で無色液体で,溶解度は,水に0.07%(25
℃),そしてアルコール,エーテル等多くの有機溶剤に
溶け,蒸気圧:0.048 kPa, 引火点73℃を有する
物理・化学的性質を持ち, 市販の薬品を使用することも
でき,また安価であり,気化した2-エチルヘキサノール
が,無臭で,高い感覚的消臭作用を有し,瞬時に人間の
悪臭への感知を鈍らす作用を有する。
て,化合物:2-エチルヘキサノールが,コリアンダーの
原材料の主要消臭成分化合物と同一成分であることを同
定する,所定の同定手段は,抽出精製手段の薄層クロマ
トグラフィー精製工程(S4)において,薄層プレート
を用いて,溶媒展開上端部(10/10分画,すなわち
Rf=1.0)の最も強い消臭活性成分を再溶出後, 分
取GC試料とし,分取ガスクロマトグラフ(GC)分析におい
て,液相が所定の極性を有するキャピラリカラムの注入
口から注入し, 搬送ガスと共に該キャピラリカラムに流
入させ,該試料に含有する成分は,該キャピラリカラム
中の液相との親和性の高低によって,該キャピラリカラ
ムから流出する時間が異なり分離でき, 流出成分は, 所
定の割合で,検出器と補集用カラムに流入し,該検出器
では,含有成分の濃度検出を行い, 分取GC分析スペクト
ルで同時に確保される成分は,所定の時間の分画で該補
集用カラム内で補集し, 各分画に含まれる成分は,消臭
検定試料とし,その消臭活性を,所定の評価例で調べた
結果, 特定の分画に強力な消臭活性が認められ, 該分画
に含まれる特定の成分を, ガスクロマトグラフ(GC)- 質
量分析(MS)にて同定し, 該成分の消臭成分化合物は,2-
エチルヘキサノールであると同定する事が出来る。
て,2-エチルヘキサノールの10μg重量に相当する,
同等の消臭作用を付与する,コリアンダー乾燥粉末は,
約1gである事を特徴とする。
ニンニク臭,ニンニク食後の口臭,歯槽膿漏などの口
臭,糞便臭,オムツの悪臭,生ゴミ臭,魚臭,そしてキ
ッチン臭及び体臭等への消臭効果の評価結果を通じて,
従来技術の消臭剤である緑茶に較べて,著しい消臭作用
を有する。
入手が容易で,人体に無害で服用することもできるので
安全性を有し,且つその消臭作用は,含有する消臭成分
化合物:2-エチルヘキサノールに起因し,無臭で,高い
感覚的消臭作用を有し,瞬時に人間の悪臭への感知を鈍
らす作用を有し,従来技術の消臭剤である緑茶の約数千
倍の消臭作用を有する。
所定の時間,消臭できる作用を有する。
他の体臭等に対して,著しい消臭作用を有する。
ン臭に対して,著しい消臭作用を有する。
固め,グミ等のお菓子状にしたものを食べることによ
り,各種の口臭が消臭できる作用を有する。
本発明の実施例を示す,消臭剤の試料分類の詳細であっ
て,請求項1,2そして3に対応する,セリ科コエンド
ロ属植物であるコリアンダーを原材料とする消臭剤の実
施例の試料を,試料1,2そして3とし,そして請求項
4に対応する化合物:2-エチルヘキサノールを原材料と
する消臭剤の実施例の試料を,試料4とし,且つ該実施
例の試料を比較評価するために,従来技術による比較例
の比較試料をも示す。図2は,セリ科コエンドロ属植物
であるコリアンダーを原材料とする消臭剤の,請求項3
に対応する実施例の試料3に用いる,抽出精製手段の消
臭成分抽出精製工程である。図3は,本発明の実施例を
示す,消臭剤の評価例に用いる,消臭効果評価基準であ
る。図4は,本発明の実施例を示す,消臭剤の評価例
1:おろしニンニク食後の口臭への消臭評価である。図
5は,同じく消臭剤の評価例2:生ゴミ臭への消臭評価
である。図6は,セリ科コエンドロ属植物であるコリア
ンダーの原材料から消臭成分抽出精製工程を用いて確保
した,コリアンダー抽出物の分取ガスクロマトグラフ分
析スペクトルである。図7において,(A)は請求項3
に対応するコリアンダー抽出物の分取ガスクロマトグラ
フ分析スペクトルにおける,図6のβ分画成分中のa成
分の質量分析スペクトル,そして(B)は,請求項4に
対応する化合物:2-エチルヘキサノールの質量分析スペ
クトルである。
項1に対応する試料1の消臭剤は,図1に示すように,
セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Cori
andr-um)属植物に属する, エンサイ( 和名) とも呼ぶコ
リアンダー( 英名:Coriander, 学名:Coriandrum Sativu
m L.) を原材料(1)とし,その生葉の該原材料から,
所定の裁断手段により確保した,幅:数mm程度の小片
形状の生葉である事を特徴とする。
2の消臭剤は,図1に示すように,セリ( 学名:Umbell
iferae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物に属
する, エンサイ( 和名) とも呼ぶコリアンダー( 英名:C
oriander, 学名:CoriandrumSativum L.) を原材料と
し,生葉, 花, 茎, 根等の該植物全体から成る生体の該
原材料を乾燥し,そして粉末形状に粉砕する,所定の乾
燥粉砕手段により確保した,径:0.1-2 mm程度の乾燥粉
末である事を特徴とする。
3の消臭剤は,図1に示すように,セリ( 学名:Umbell
iferae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植物に属
する, エンサイ( 和名) とも呼ぶコリアンダー( 英名:C
oriander, 学名:CoriandrumSativum L.) を原材料と
し,生葉, 花, 茎, 根等の該植物全体から成る生体の該
原材料から,所定の抽出精製手段により消臭活性を示す
消臭成分を分離して確保し,特定の物性・化学的特性を
有する,濾紙に吸着した消臭成分化合物である事を特徴
とする。
4の消臭剤は,図1に示すように,消臭活性を示す消臭
成分である,常温で液体状態の化合物:2-エチルヘキサ
ノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)の,消臭機能
を呈する少なくとも所定の量を含有する消臭剤であっ
て,該化合物:2-エチルヘキサノールは,セリ( 学名:
Umbelliferae) 科コエンドロ( 学名:Coriandrum) 属植
物に属する, エンサイ (和名) とも呼ぶコリアンダー(
英名:Coriander, 学名:Coriandrum Sativum L.)の原材
料から, 所定の抽出精製手段により消臭活性を示す消臭
成分を分離して確保し,特定の物性・化学的特性を有す
る主要消臭成分化合物として,所定の同定手段を用い
て,同定した化合物と同一成分である事を特徴とする。
3,そして試料4の消臭効果を評価するために,図1に
示すように,従来技術による比較例の比較試料を同時に
評価し,消臭効果を比較した。該比較試料は,従来技術
により広く知られた,消臭活性を示す緑茶フラボノイド
を含有する,緑茶乾燥粉末を使用した。
3の消臭剤において,所定の抽出精製手段は,図2に示
すように,先ず溶媒抽出工程(S1)において,コリア
ンダー( 英名:Coriander, 学名:Coriandrum Sativum
L.) の原材料(1)の生体及び乾物から蒸留水で,溶媒
抽出できるが,エタノール等の有機溶媒を用いると抽出
効率は増加する。この様にして,消臭成分を含有する,
所定の抽出溶液(2)を確保した。
3の消臭剤における,所定の抽出精製手段において,上
記消臭成分を含有する抽出溶液(2)は,図2に示すよ
うに,次に吸着工程(S2)において,ガスクロマトグ
ラフ充填剤である,Ethylvin-ylbenzeneとDivinylbenze
neをベースにした,複数の微極性ポーラスポリマービー
ズを用いて, 含有消臭成分を吸着収集し,次の成分溶出
工程(S3)において,複数の該ビーズを,最初に蒸留
水でよく水洗いし,そしてジエチルエーテルで溶出し,
濃縮した該消臭成分を含有するジエチルエーテル溶出液
を確保する。
3の消臭剤における,所定の抽出精製手段において,上
記消臭成分を含有するジエチルエーテル溶出液は,図2
に示すように,次に薄層クロマトグラフィー精製工程
(S4)において,薄層プレートを用いて,該消臭成分
を分離精製する。該薄層プレートは,ガラス板(20cm 正
方形状) 上にシリカゲルを被覆し,展開溶媒(容積比と
して,ペンタン:ジエチルエーテル=8:2)中に,該
薄層プレート下端部を浸して,鉛直に立設し,そして該
薄層プレートの展開溶媒液面から約2cmの高さに,水
平に引いた原線を定め,該原線から該薄層プレート上端
部近傍までを10等分に分画し,該原線上に,消臭成分
を含有する該ジエチルエーテル溶出液を滴下する。該展
開溶媒は,該薄層プレート下端より上端に向けて,毛細
管現象によって展開すると共に,該原線上の消臭成分
も,その親和性により,上部に展開する。各分画に含ま
れる,溶出成分の消臭活性を,所定の評価例で調べたと
ころ,溶媒展開上端部(10/10分画,すなわちRf
=1.0)に最も強い消臭活性が得られた。これらの成
分は,ほとんど無臭である。
3の消臭剤における,所定の抽出精製手段において,上
記,10/10分画(Rf=1.0)のシリカゲルに含
まれる消臭成分は,図2に示すように,次に濾紙吸着工
程(S5)において,同分画のシリカゲルを掻きとり,
含有する該消臭成分をジエチルエーテルで溶出させ,そ
のジエチルエーテル溶出液を濾紙(2cmx4cm) に滴下し,
ジエチルエーテルを揮発させた後, 該消臭成分を吸着し
た吸着濾紙(3)を確保した。
4の消臭剤において,消臭活性を示す消臭成分である,
化合物:2-エチルヘキサノール( 化学式:CH3(CH2)3CH(C
2H5)CH2OH)は,含有量:99%以上の市販の薬品を使用
した。
4の消臭剤において,化合物:2-エチルヘキサノール
が,コリアンダーの原材料の主要消臭成分化合物と同一
成分であることを同定する,所定の同定手段は,図2に
示す,抽出精製手段の薄層クロマトグラフィー精製工程
(S4)において,薄層プレートを用いて,溶媒展開上
端部(10/10分画,すなわちRf=1.0)の最も
強い消臭活性成分を,ジエチルエーテル:15 ml を用い
て再溶出後, 約50μl まで濃縮し, 分取GC試料とし,分
取ガスクロマトグラフ(GC)分析に供した。該分取GC試料
を,液相が所定の極性を有するキャピラリカラムの注入
口から,注入し, 該注入口で気化された試料は,搬送ガ
ス:He と共に該キャピラリカラムに流入する。該試料に
含有する成分は,該キャピラリカラム中の液相との親和
性の高低によって,該キャピラリカラムから流出する時
間が異なり, 親和性の高い成分は遅く, 親和性の低い成
分は早く流出する。流出成分は,1:20 の割合で,水素炎
イオン化(FID) 検出器と補集用カラムに流入する。FID
検出器では,含有成分の濃度検出が行われ, 図6に示す
様な,分取GC分析スペクトルを確保する。該分取GC分析
スペクトルで同時に確保される成分は,所定の時間の分
画( 例えば, 図6のα, β, γ等の分画) で,該補集用
カラム内で補集する事が出来る。該補集用カラム内で補
集した各分画に含まれる成分は,ジエチルエーテルで流
し出し, 消臭検定試料とし,その消臭活性を,所定の評
価例で調べた。この結果, 図6に示すβ分画に強力な消
臭活性が認められた。このβ分画に含まれる成分:a及び
b を, 再び分取GC分析して分離し,所定の評価例で調べ
たところ,a 成分が強力な消臭効果を有していた。次
に,a成分を,ガスクロマトグラフ(GC)- 質量分析(MS)に
て,同定したところ,図7(A)に示す, 質量分析スペ
クトルを確保した。このa 成分の質量分析スペクトル
は,図7(B)に示す,2-エチルヘキサノールの質量分
析スペクトルの主要質量数ピーク並びにその分岐比とも
一致した。従って,該a 成分の消臭成分化合物は,2-エ
チルヘキサノールであると同定した。なお,b 成分は,
カプリンアルデヒド( 英名:decanal, 化学式:CH3(CH2)8
CHO)と判明し, 消臭効果は認められなかった。
3,そして試料4の消臭効果を評価するために,従来技
術による比較例の比較試料を同時に評価し,消臭効果
を,複数の評価者が,図3に示すように,消臭効果評価
基準記載の評価内容に対応する,評価点数を基に評価
し,その平均値を四捨五入した整数を,評価結果として
採用した。
3,試料4,そして比較例の比較試料の評価例1は,図
4に示すように,おろしニンニク食後の口臭への消臭評
価を目的とし,検体者を21歳男性4人とし,該検体者
におろしニンニク5gを添加したコンソメ(0.5g固
形)スープ100ml(約85℃)を全量飲ませる。3
0分後,8人(21─25歳迄の,男性4人,女性4人
の合計8人)の評価者が,直接該検体者の口元から20
cm離れた位置で,強く吐き出す呼気の臭いを嗅ぎ,呼
気中に含まれるニンニク臭の強度を記憶した後,該検体
者に,試料1:コリアンダー生葉1g,試料2:コリア
ンダー乾燥粉末1g,試料3:コリアンダー生葉2gか
ら抽出精製手段により,抽出精製した,消臭成分を吸着
した吸着濾紙(3),試料4:2-エチルヘキサノール:
10μl そして比較試料:緑茶粉末1gを服用させ,3
0分後に,該評価者が再び,該検体者の呼気の臭いを嗅
ぎ,コリアンダーのニンニク臭への消臭効果を評価し
た。図4の評価例1が示す様に,従来技術の比較試料:
緑茶粉末に較べて,コリアンダーを原材料とする試料
1,試料2,試料3, そして2-エチルヘキサノールの試
料4は,著しい消臭効果を示した。
3,試料4,そして比較例の比較試料の評価例2は,図
5に示すように,生ゴミ臭への消臭評価を目的とし,一
般家庭6軒から生ゴミ用袋に,ほぼ満杯になった生ゴミ
に直接,試料1:コリアンダー生葉1g,試料2:コリ
アンダー乾燥粉末2g,試料3:コリアンダー生葉2g
から抽出精製手段により,抽出精製した,消臭成分を吸
着した吸着濾紙(3),試料4:2-エチルヘキサノー
ル:10μl そして比較試料:緑茶粉末2gを添加し,
上記と同じように,8人の評価者が臭いを嗅ぎ,消臭効
果を評価した。図5の評価例2が示す様に,従来技術の
比較試料:緑茶粉末に較べて,試料1,試料2,試料
3,そして試料4は,著しい消臭効果を示した。
較例の比較試料の評価例3は,これらの消臭効果比の評
価を目的とし,100ml のビーカに,おろしニンニク
1gを入れ,試料2:コリアンダー乾燥粉末,試料4:
2-エチルヘキサノール,そして比較試料:緑茶粉末を,
1ngから100mgまで,7通りの重量を変えて添加
し,添加30分後のニンニク臭を,8人の評価者が臭い
を嗅ぎ,消臭効果を評価した。消臭効果比の評価によれ
ば,試料2:コリアンダー乾燥粉末の10μgに相当す
る,同等の消臭効果を付与する,比較試料:緑茶粉末の
重量は,約50mgであった。従って,試料2:コリア
ンダー乾燥粉末:重量当たりの消臭効果は,比較試料:
緑茶粉末:重量当たりの消臭効果の約5000倍であっ
た。更に,試料4:2-エチルヘキサノールの100ng
に相当する,同等の消臭効果を付与する,試料2:コリ
アンダー乾燥粉末の重量は,約10mgであった。従っ
て,試料2:コリアンダー乾燥粉末:1g重量当たりの
消臭効果は,試料4:2-エチルヘキサノール:10μg
重量当たりの消臭効果とほぼ同等であった。
され,以下に記載される様な効果を有する。
入手が容易で,人体に無害で服用することもできるので
安全性を有し,且つその消臭作用は,含有する消臭成分
化合物:2-エチルヘキサノールに起因し,無臭で,高い
感覚的消臭作用を有し,瞬時に人間の悪臭への感知を鈍
らす効果を有し,そして豚臓器の悪臭,おろしニンニク
臭,ニンニク食後の口臭,歯槽膿漏などの口臭,糞便
臭,オムツの悪臭,生ゴミ臭,魚臭,そしてキッチン臭
及び体臭等に対し,従来技術の消臭剤である緑茶に較べ
て,著しい消臭効果を有する。
所定の時間,消臭できる効果を有する。
他の体臭等に対して,著しい消臭効果を有する。
ン臭に対して,著しい消臭効果を有する。
固め,グミ等のお菓子状にしたものを食べることによ
り,各種の口臭が消臭できる効果を有する。
細であって,請求項1,2そして3に対応する,セリ科
コエンドロ属植物であるコリアンダーを原材料とする消
臭剤の実施例の試料を,試料1,2そして3とし,そし
て請求項4に対応する化合物:2-エチルヘキサノールを
原材料とする消臭剤の実施例の試料を,試料4とし,且
つ該実施例の試料を比較評価するために,従来技術によ
る比較例の比較試料をも示す。
物であるコリアンダーを原材料とする消臭剤の,請求項
3に対応する実施例の試料3に用いる,抽出精製手段の
消臭成分抽出精製工程。
る,消臭効果評価基準。
ろしニンニク食後の口臭への消臭評価。
ゴミ臭への消臭評価。
植物であるコリアンダーの原材料から消臭成分抽出精製
工程を用いて確保した,コリアンダー抽出物の分取ガス
クロマトグラフ分析スペクトル。
対応するコリアンダー抽出物の分取ガスクロマトグラフ
分析スペクトルにおける,図6のβ分画成分中のa成分
の質量分析スペクトル,そして(B)は,請求項4に対
応する化合物:2-エチルヘキサノールの質量分析スペク
トル。
Claims (4)
- 【請求項1】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
( 学名:Coriandr-um)属植物を原材料とし,該植物全体
から成る生体の該原材料から,所定の裁断手段により確
保した,小片形状の生体である事を特徴とする消臭剤。 - 【請求項2】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
( 学名:Coriandr-um)属植物を原材料とし,該植物全体
から成る生体の該原材料を,所定の乾燥手段により確保
した,乾燥粉末である事を特徴とする消臭剤。 - 【請求項3】セリ( 学名:Umbelliferae) 科コエンドロ
( 学名:Coriandr-um)属植物を原材料とし,該植物全体
から成る生体の該原材料から,所定の抽出精製手段によ
り,消臭活性を示す消臭成分を分離して確保した,特定
の物性・化学的特性を有する,消臭成分化合物である事
を特徴とする消臭剤。 - 【請求項4】化合物:2-エチルヘキサノール( 化学式:C
H3(CH2)3CH(C2H5)CH2OH)の,消臭機能を呈する少なくと
も所定の量を含有する事を特徴とする消臭剤。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009057381A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-03-19 | Nishihara Group:Kk | 経口用消臭錠剤、経口用消臭粉末、経口用消臭錠剤の製造方法および経口用消臭粉末の製造方法 |
WO2009041640A1 (ja) | 2007-09-26 | 2009-04-02 | Takasago International Corporation | 植物抽出物及びその用途 |
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2002
- 2002-04-18 JP JP2002115905A patent/JP3661095B2/ja not_active Expired - Fee Related
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