JP2003300992A - 新規零価ルテニウム錯体及びその製造方法 - Google Patents

新規零価ルテニウム錯体及びその製造方法

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JP2003300992A
JP2003300992A JP2002103671A JP2002103671A JP2003300992A JP 2003300992 A JP2003300992 A JP 2003300992A JP 2002103671 A JP2002103671 A JP 2002103671A JP 2002103671 A JP2002103671 A JP 2002103671A JP 2003300992 A JP2003300992 A JP 2003300992A
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Yasushi Furukawa
泰志 古川
Kensho Oshima
憲昭 大島
Kenichi Sekimoto
謙一 関本
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機合成、有機重合の触媒として期待されるル
テニウム錯体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】式5 RuL1 2(CO) 5 [式中L1は鎖状ジエンを示す。]で表されるルテニウ
ム錯体と、A・L2[L2はホスフィン又はジホスフィン
を示し、L2がホスフィンの場合はA=2、L2がジホス
フィンの場合はA=1である。]とを有機溶媒中で反応
させ、式5で表される錯体の配位子L1の1つとL2と
を交換させることを特徴とする、式1 RuL12 A(CO) 1 [式中L1、L2、Aは前記と同様である。]で表される
零価ルテニウム錯体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は還元、酸化、有機合
成および有機重合反応における触媒となり得る零価ルテ
ニウム錯体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遷移金属錯体を触媒とする有機合
成反応が数多く開発され、多くの目的のために活用され
てきた。このような反応として、RhCl(PPh33
錯体を用いた末端オレフィンの位置選択的水素化反応、
CoH(CO)4錯体、RhH(CO)4錯体等を用いた
オレフィンに合成ガスを反応させて炭素鎖数の一つ増加
した脂肪族アルデヒドを合成可能なヒドロホルミン化反
応等が挙げられる。その中で、VIII族遷移金属錯体
であるルテニウム錯体は、BINAP(2,2‘−ビス
(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)−
Ru錯体を触媒として用いた立体選択的水素化反応
(J.Chem.Soc.,Chem.Commu
n.,1985,922)のように特異的な触媒作用を
示すことが広く知られている。また、付加環化反応によ
る炭素−炭素結合形成のような有機合成反応において、
ルテニウム錯体は優れた触媒能を示す(有機合成化学協
会誌,Vol.60,No.1,2002)。
【0003】このようなルテニウム錯体として(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)(クロロ)ビス(カルボ
ニル)ルテニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)(クロロ)(1,5−シクロヘキサジエン)ルテニ
ウム等が挙げられる。これらは全て二価のルテニウム錯
体であり、二価−四価の酸化還元過程が有機合成反応の
推進力となっている。一方、零価ルテニウム錯体におい
ては、(1,5−シクロオクタジエン)(1,3,5−
シクロオクタトリエン)ルテニウムを用いた零価−二価
の酸化還元過程を推進力とした量論的炭素−炭素結合形
成反応が報告されている(J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.,1976,722)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の零価ルテニウム
錯体は、安定性に乏しく、有機合成等の触媒として必ず
しも適していなかった。本発明は、穏やかな条件で製造
可能であり、かつ還元、有機合成および有機重合触媒と
して期待できる安定な零価ルテニウム錯体およびその製
造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先の課題
を解決すべく検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、式1 RuL12 A(CO) 1 [式中L1は鎖状ジエンを示す。L2はホスフィン又はジ
ホスフィンを示し、L2がホスフィンの場合はA=2、
2がジホスフィンの場合はA=1である。]で表され
ることを特徴とする、零価ルテニウム錯体である。
【0006】また本発明は、式5 RuL1 2(CO) 5 [式中L1は前記と同様を示す。]で表されるルテニウ
ム錯体と、A・L2[L2、Aは前記と同様を示す。]と
を有機溶媒中で反応させ、式5で表される錯体の配位子
1の1つとL2とを交換させることを特徴とする、式1
で表される零価ルテニウム錯体の製造方法である。以下
に本発明を更に詳細に説明する。
【0007】本発明の零価ルテニウム錯体は、上述のと
おり式1で表されるものである。式1中のL2は、ホス
フィン又はジホスフィンを示すが、高い配位能を有して
いるものであれば特に限定されない。ホスフィン化合物
として、式2
【0008】
【化7】 [R1〜R3は同一又は相異なって水素、ハロゲン、炭素
数1〜6のアルキル、炭素数6〜7のアリール、または
炭素数6〜7のハロゲン化アリールを示す。]で表され
る化合物が好ましい。
【0009】R1〜R3として水素、塩素、臭素、フッ
素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ペン
タフルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブ
ロモフェニル基、p−フルオロフェニル基等が挙げられ
るが、水素、塩素、メチル基、エチル基、フェニル基、
シクロヘキシル基が好ましい。更に好ましくはメチル
基、フェニル基である。
【0010】一方ジホスフィン化合物としては、式3
【0011】
【化8】 [R4〜R7は同一又は相異なって水素、ハロゲン、炭素
数1〜6のアルキル、炭素数6〜7のアリール、または
炭素数6〜7のハロゲン化アリールを示す。Rは炭素数
1〜4のP−P間の架橋炭素鎖を示す。]で表される化
合物が好ましい。
【0012】このとき、Rとしては式6
【0013】
【化9】 又は−(CRABn−が好ましい。ここでnは1〜4
の整数を示す。RA、RBは、同一又は相異なって水素、
アルキル、アリール、架橋アルキル、又は架橋ジアルコ
キシルを示すが、nが2以上の場合には複数個存在する
A、RBはそれぞれがすべて同一の官能基を示さなくて
もよい。
【0014】R4〜R7として水素、塩素、臭素、フッ
素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ペン
タフルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブ
ロモフェニル基、p−フルオロフェニル基等が挙げられ
るが、水素、メチル基、フェニル基が好ましい。
【0015】ジホスフィン化合物として、特に式4
【0016】
【化10】 [式中R8〜R11は同一又は相異なって水素、ハロゲ
ン、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜7のアリ
ールを示す。R12〜R15は同一又は相異なって水素、ま
たは炭素数1〜6のアルキルを示す。]で表される化合
物が好ましい。特にR8〜R11としては、水素、塩素、
臭素、フッ素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル
基、ペンタフルオロフェニル基、p−クロロフェニル
基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基等
が挙げられるが、水素、メチル基、フェニル基が好まし
い。
【0017】またR12〜R15として水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、水素、メチ
ル基が好ましい。
【0018】このようなホスフィン化合物としては例え
ばメチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホス
フィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィ
ン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピル
ホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、トリ−n−
ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィ
ン、クロロジイソプロピルホスフィン、クロロジフェニ
ルホスフィン、ジクロロフェニルホスフィン、シクロヘ
キシルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニ
ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシク
ロヘキシルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホス
フィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリ
ルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ジフェニ
ル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4
−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロ
フェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)フェニルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン
等があげられる。
【0019】またジホスフィンとしては、例えばビス
(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジメ
チルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジクロロホス
フィノ)エタン、1,2−ビス(フェニルホスフィノ)
エタン、1,2−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)エ
タン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ン、(R)−(+)−1,2−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ブタン、(2S,3S)−(−)−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタン、(R)−(+)−BINAP、
(S)−(−)−BINAP、[(S,S)−DIO
P]、[(R,R)−DIOP]、(−)−ノルフォ
ス、(+)−ノルフォス等が挙げられる。
【0020】L2としては、特にトリフェニルホスフィ
ン又は1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンが
好ましい。
【0021】またL1の鎖状ジエンとしては、特に限定
されるものではなく、1,4−ヘキサジエン、1,5−
ヘキサジエン等の非共役ジエンでもよいが、共役ジエン
が好ましく、特に式7
【0022】
【化11】 [式中R16〜R19は、同一または相異なって水素、炭素
数1〜6のアルキル、エーテル、エステル、アルデヒ
ド、アルコール、ケトン、ハロゲン化アルキル、カルボ
ン酸、アミン、又はアミドを示す。]で表される共役ジ
エンが好ましい。
【0023】このようなR16〜R19として、水素、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、シクロヘキシル基、−CHO、−CH2
OH、−OC(=O)CH3、−CH2COOH、−C
(=O)OCH3、−C(=O)OCH2CH3、−C
(=O)CH3等が挙げられるが、水素、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基が好ましい。水素、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基がより好ま
しい。
【0024】このような共役ジエンとしては1,3−ヘ
キサジエン、2,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,
3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエ
ン、2,4−ヘキサジエナール、2,4−ヘキサジエン
−1−オル、1−アセトキシ−1,3−ブタジエン、
2,4−ヘキサジエン酸、2,4−ペンタジエン酸メチ
ル、2,4−ヘプタジエナール、2,6−ジメチル−
2,4,6−オクタトリエン、2,4−デカジエン酸エ
チル、ミルセン、2,4−オクタジエナール、ソルビン
酸エチル)、ソルビン酸メチル、2,4−ヘプタジエン
−6−オン等が挙げられる。特に2−メチル−1,3−
ペンタジエンが好ましい。
【0025】式1で表される錯体としては、L1が2−
メチル−1,3−ペンタジエン、L2がトリフェニルホ
スフィンの組み合わせ、又はL1が2−メチル−1,3
−ペンタジエン、L2が1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタンの組み合わせが特に好ましい。
【0026】式1で表される錯体は、上述のように式5
で表される錯体とL2とを反応させて製造することがで
きる。この時のL1,L2については前述と同様である。
【0027】原料として用いた上記式5で表される錯体
は、塩化ルテニウム・n水和物(nは1以上の数)と相
当するジエンとを亜鉛粉末存在下アルコール中で反応さ
せることにより得られる。この時、ジエンが不足の状態
になると金属ルテニウムが生成して収率が低下するため
ジエン過剰で反応させることが好ましく、塩化ルテニウ
ム・n水和物の10〜20倍モルのジエン量が好まし
い。亜鉛粉末は塩化ルテニウム・n水和物の還元を十分
に行なうため、10倍モル以上の過剰量が好ましい。ジ
エンとしては2−メチル−1,3−ペンタジエンが好ま
しい。
【0028】式1で表される錯体を製造する際の有機溶
媒は、室温(25℃)で液体であり、原料として使用す
るカルボニルビス(ジエン)ルテニウム錯体およびホス
フィン化合物を溶解可能であり、かつ配位能の低い化合
物であれば特に限定されない。ヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン等が好ましい。また、使用する有機溶媒は1種類
のみでなく、数種類の混合でもよい。反応温度は低温で
は反応速度が遅く、高温ではルテニウム錯体の分解が起
きるため、0〜100℃が好ましい。後処理は特に限定
しないが、一般的な方法として、反応混合液から、クロ
マトグラフィー、蒸留等により精製し、錯体が得られ
る。反応中に生成錯体が析出する場合にはろ過で、錯体
が得られる。
【0029】生成したルテニウム錯体には、C−C結合
形成等の有機合成、有機重合、不飽和化合物の還元、ケ
トンの還元、水素移動等の反応における触媒作用が期待
できる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例によって詳細に説明する
が、本発明はこの実施例によって限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 1000mlの4つ口フラスコに亜鉛粉末160gを入
れ、攪拌装置、滴下ロート、冷却管、温度計を取り付
け、フラスコ内をアルゴンで置換した。2−メチル−
1,3−ペンタジエン60mlを加えて攪拌して亜鉛粉
末を分散させた後、水浴で25℃以下に保ちながら滴下
ロートより塩化ルテニウム・n水和物10gをエタノー
ル400mlに溶解したものを1時間で滴下した。滴下
終了後、70℃に加熱して3時間攪拌した。反応後の溶
液から亜鉛粉末を濾過により除去し、減圧下でエタノー
ル等を除去して得られた泥状物をペンタンで抽出した。
抽出液をアルミナを充填剤、ペンタンを溶媒としたカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、溶媒除去後、カル
ボニルビス(2−メチル−1,3−ペンタジエン)ルテ
ニウムを黄色液体として9.99g(収率89%)得
た。
【0032】実施例2 アルゴン置換した冷却管付50mlシュレンク管にカル
ボニルビス(2−メチル−1,3−ペンタジエン)ルテ
ニウム295mg、ヘキサン20ml、トリフェニルホ
スフィン1.1gを入れ、80℃に加熱して2時間攪拌
した。反応後、析出した生成物をガラスフィルターを用
いてろ過して回収した。回収物をヘキサンを用いて洗浄
した後、減圧下でヘキサン等を除去し、カルボニル(2
−メチル−1,3−ペンタジエン)ビス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウムを淡黄色粉末として546mg
(収率74%)得た。
【0033】1H−NMR(CDCl3)δ7.31
(m,6H),7.23(m,6H),7.16(m,
12H),7.04(m,6H),4.88(d,1
H,J=6.0Hz),1.48(m,3H),1.3
5(m,3H),1.28(d,1H,J=5.0H
z),−0.83(dd,1H,J=7.5Hz,1
1.0Hz),−0.89(dq,1H,J=7.5H
z,6.5Hz)。13 C−NMR(CDCl3)δ208.43(CO),
139.33(C),139.04(C),138.9
2(CH),138.65(CH),133.97(C
H),133.87(CH),133.77(CH),
133.68(CH),128.81(CH),12
8.45(CH),127.81(CH),127.7
4(CH),127.49(CH),127.41(C
H),101.77(C),85.15(CH),5
1.55(CH),43.16(CH2),21.63
(CH3),20.14(CH3)。 IR 1904cm-1(CO)。
【0034】実施例3 アルゴン置換した冷却管付50mlシュレンク管にカル
ボニルビス(2−メチル−1,3−ペンタジエン)ルテ
ニウム304mg、トルエン15ml、1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン0.89gを入れ、8
0℃に加熱して2時間攪拌した。反応後の溶液から減圧
下でトルエン等を除去した後、ペンタン/クロロホルム
を用いて再結晶し、カルボニル(2−メチル−1,3−
ペンタジエン)(1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)エタン)ルテニウムを淡黄色粉末として404mg
(収率64%)得た。
【0035】1H−NMR(CDCl3)δ7.70
(m,5H),7.34(m,12H),7.07
(m,3H),5.09(d,1H,J=6.5H
z),2.74(m,1H),2.60(m,1H),
2.49(m,1H),2.22(m,1H),1.5
4(s,3H),1.47(s,3H),0.44
(d,1H,J=7.5Hz),−0.13(m,1
H),−1.46(m,1H)。13 C−NMR(CDCl3)δ207.01(CO),
137.38(C),137.11(C),133.8
5(CH),133.75(CH),131.38(C
H),131.31(CH),130.68(CH),
130.59(CH),129.91(CH),12
9.61(CH),128.53(CH),128.4
4(CH),96.54(C),86.77(CH),
47.93(CH),41.98(CH2),32.6
9(CH2),31.08(CH2),22.44(CH
3),23.80(CH3)。 IR 1890cm-1(CO)。
【0036】
【発明の効果】本発明により、還元、有機合成、有機重
合等の触媒作用が期待できる新規な零価ルテニウム錯体
を提供することができる。この錯体は本発明の製造方法
により製造することができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1 RuL12 A(CO) 1 [式中L1は鎖状ジエンを示す。L2はホスフィン又はジ
    ホスフィンを示し、L2がホスフィンの場合はA=2、
    2がジホスフィンの場合はA=1である。]で表され
    ることを特徴とする、零価ルテニウム錯体。
  2. 【請求項2】L2が式2 【化1】 [R1〜R3は同一又は相異なって水素、ハロゲン、炭素
    数1〜6のアルキル、炭素数6〜7のアリール、または
    炭素数6〜7のハロゲン化アリールを示す。]で表され
    ることを特徴をする、請求項1に記載の零価ルテニウム
    錯体。
  3. 【請求項3】L2が式3 【化2】 [R4〜R7は同一又は相異なって水素、ハロゲン、炭素
    数1〜6のアルキル、炭素数6〜7のアリール、または
    炭素数6〜7のハロゲン化アリールを示す。Rは炭素数
    1〜4のP−P間の架橋炭素鎖を示す。]で表されるこ
    とを特徴をする、請求項1に記載の零価ルテニウム錯
    体。
  4. 【請求項4】L2が式4 【化3】 [式中R8〜R11は同一又は相異なって水素、ハロゲ
    ン、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜7のアリ
    ールを示す。R12〜R15は同一又は相異なって水素、ま
    たは炭素数1〜6のアルキルを示す。]で表されること
    を特徴とする、請求項1又は3に記載の零価ルテニウム
    錯体。
  5. 【請求項5】L1が2−メチル−1,3−ペンタジエン
    であることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載
    の零価ルテニウム錯体。
  6. 【請求項6】L1が2−メチル−1,3−ペンタジエ
    ン、L2がトリフェニルホスフィンであることを特徴と
    する、請求項1,2,5いずれかに記載の零価ルテニウ
    ム錯体。
  7. 【請求項7】L1が2−メチル−1,3−ペンタジエ
    ン、L2が1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
    ンであることを特徴とする、請求項1,3,4,5いず
    れかに記載の零価ルテニウム錯体。
  8. 【請求項8】式5 RuL1 2(CO) 5 [式中L1は鎖状ジエンを示す。]で表されるルテニウ
    ム錯体と、A・L2[L2はホスフィン又はジホスフィン
    を示し、L2がホスフィンの場合はA=2、L2がジホス
    フィンの場合はA=1である。]とを有機溶媒中で反応
    させ、式5で表される錯体の配位子L1の1つとL2とを
    交換させることを特徴とする、式1 RuL12 A(CO) 1 [式中L1、L2、Aは前記と同様である]で表される零
    価ルテニウム錯体の製造方法。
  9. 【請求項9】L2が式2 【化4】 [R1〜R3は同一又は相異なって水素、ハロゲン、炭素
    数1〜6のアルキル、炭素数6〜7のアリール、または
    炭素数6〜7のハロゲン化アリールを示す。]で表され
    ることを特徴をする、請求項8に記載の零価ルテニウム
    錯体の製造方法。
  10. 【請求項10】L2が式3 【化5】 [R4〜R7は同一又は相異なって水素、ハロゲン、炭素
    数1〜6のアルキル、炭素数6〜7のアリール、または
    炭素数6〜7のハロゲン化アリールを示す。Rは炭素数
    1〜4のP−P間の架橋炭素鎖を示す。]で表されるこ
    とを特徴をする、請求項8に記載の零価ルテニウム錯体
    の製造方法。
  11. 【請求項11】L2が式4 【化6】 [式中R8〜R11は同一又は相異なって水素、ハロゲ
    ン、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜7のアリ
    ールを示す。R12〜R15は同一又は相異なって水素、ま
    たは炭素数1〜6のアルキルを示す。]で表されること
    を特徴とする、請求項8又は10に記載の零価ルテニウ
    ム錯体の製造方法。
  12. 【請求項12】L1が2−メチル−1,3−ペンタジエ
    ンであることを特徴とする、請求項8〜11いずれかに
    記載の零価ルテニウム錯体の製造方法。
  13. 【請求項13】L1が2−メチル−1,3−ペンタジエ
    ン、L2がトリフェニルホスフィンであることを特徴と
    する、請求項8,9,12いずれかに記載の零価ルテニ
    ウム錯体の製造方法。
  14. 【請求項14】L1が2−メチル−1,3−ペンタジエ
    ン、L2が1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
    ンであることを特徴とする、請求項8,10,11,1
    2いずれかに記載の零価ルテニウム錯体の製造方法。
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