JP2003300854A - 皮膚化粧料 - Google Patents

皮膚化粧料

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JP2003300854A
JP2003300854A JP2002103407A JP2002103407A JP2003300854A JP 2003300854 A JP2003300854 A JP 2003300854A JP 2002103407 A JP2002103407 A JP 2002103407A JP 2002103407 A JP2002103407 A JP 2002103407A JP 2003300854 A JP2003300854 A JP 2003300854A
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derived
hydrolyzed collagen
skin
fish scale
collagen
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JP2002103407A
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Masato Yoshioka
正人 吉岡
Hiroshi Shintani
博 新谷
Takashi Adachi
敬 安達
Keiichi Uehara
計一 植原
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Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚に対して、従来の牛や豚の皮や骨を原料
とした加水分解コラーゲンと同等の作用、すなわち、皮
膚に対して、良好な艶、潤い感、なめらかさを付与し、
しかも従来の動物由来の加水分解コラーゲン配合皮膚化
粧料のような動物臭がほとんどない加水分解コラーゲン
またはその誘導体を含有する皮膚化粧料を提供する。 【解決手段】 魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその
誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有さ
せて皮膚化粧料を構成する。魚鱗由来加水分解コラーゲ
ンおよびその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の皮膚化粧料中の含有量は0.05〜30質量%で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローション、乳
液、クリーム、化粧水、パック剤、ボディーシャンプ
ー、洗顔料などの皮膚化粧料に関し、さらに詳しくは、
皮膚への親和性に優れ、皮膚に対して艶、潤い感、なめ
らかさを付与し、しかも動物臭の少ない皮膚化粧料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、コラーゲン、ケラチン、絹、
ミルク、大豆、小麦などの天然物由来の蛋白質を加水分
解することによって得られる加水分解ペプチドやその誘
導体を皮膚化粧料に配合することが行われている。これ
は、それらの加水分解ペプチドやその誘導体が皮膚に対
する親和性に優れ、皮膚に保湿性、なめらかさを付与す
る作用を有し、しかも、それらの加水分解ペプチドやそ
の誘導体が天然蛋白質由来であって、皮膚に対する刺激
が少なく、安全性が高いという理由によるものである。
【0003】上記の蛋白源の中でも、コラーゲンは構成
アミノ酸にヒドロキシプロリンを多量に含み、その加水
分解ペプチドは皮膚に保湿性を付与する作用が優れ、し
かも優れた造膜作用を有していることから、皮膚の保護
効果や艶の付与効果が高く、各種の皮膚化粧料に広く用
いられている。
【0004】しかしながら、従来用いられていた加水分
解コラーゲンは、牛や豚の皮や骨を原料としたものであ
るため、動物由来蛋白質加水分解物特有の動物臭があ
り、その効果を充分に発現させる量を化粧料に配合する
ことが困難であった。また、動物愛護の風潮や牛伝達性
海綿状脳症の発生から、消費者動向は有蹄類動物由来原
料を忌避する傾向にあり、牛や豚由来の加水分解コラー
ゲンに代わる蛋白質加水分解物を配合した皮膚化粧料が
求められている。
【0005】化粧品用基材に用いられる蛋白源として
は、コラーゲン以外にも、ケラチン、シルク、ミルク、
コンキオリンなどの動物由来のもの、大豆蛋白、小麦蛋
白などの植物由来のものが利用されているが、皮膜形成
性、保湿性、艶やなめらかさの付与作用といった機能面
では、加水分解コラーゲンに代わるものがないのが現状
である。
【0006】そのため、牛や豚由来以外のコラーゲン源
が求められ、海綿動物や魚類からのコラーゲンの製造方
法が提案されていて、魚類由来のコラーゲンの製造方法
としては、魚皮由来のもの(例えば、特開平9−278
639号公報、特開2000−256398号公報、特
許第2722014号公報、特許第2864459号公
報など)や魚鱗由来のもの(例えば、特開平5−930
00号公報、特開平5−125100号公報、特開平5
−155900号公報など)の製造方法が提案されてい
る。しかしながら、コラーゲン源として、品質が一定な
原料を確保することが困難な上に、魚皮では色素の除去
が必要で、魚鱗では脱灰処理などが必要であり、製造工
程の煩雑さなどから、一定品質でかつ比較的高品質が要
求される化粧品用原料とするには高価格になりすぎ、化
粧品にはほとんど利用されていない。
【0007】さらに、一般に化粧品に用いられている加
水分解コラーゲンは、毛髪や皮膚への収着性、造膜性、
滑らかな感触の付与作用などの機能面から、数平均分子
量が200〜5,000程度、特に350〜2,000
程度のものが主であるが、上記公報に記載された魚類由
来コラーゲンの製造方法は、いずれもコラーゲンまたは
その変性物であるゼラチンの製造方法に関するものであ
って、化粧品用原料として使用できるようにするには、
魚皮や魚鱗からコラーゲンを抽出し、その後、化粧品に
見合った分子量の200〜5,000程度に加水分解す
る必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記のような従来技術における問題点を解決し、皮膚に対
して従来の牛や豚の皮や骨を原料とした加水分解コラー
ゲンと同様の作用を発揮し、しかも従来の加水分解コラ
ーゲン配合皮膚化粧料のような動物臭がほとんどない魚
鱗由来加水分解コラーゲンおよびその誘導体を配合した
皮膚化粧料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、魚鱗を加水分解
して得られる魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその誘
導体は、そのいずれもが、従来の牛や豚の皮や骨を由来
とする加水分解コラーゲンやその誘導体と同様に、皮膚
に対して優れた艶、潤い感、なめらかさを付与し、しか
も従来の加水分解コラーゲン配合皮膚化粧料のような動
物臭がほとんどないことを見出し、本発明を完成するに
いたった。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の皮膚化粧料に使用する魚
鱗由来加水分解コラーゲンおよびその誘導体の原料とな
る魚鱗としては、海水魚、淡水魚などの魚種を問わずい
ずれも使用可能であるが、入手のしやすさや取り扱いの
容易さから、大型の魚で多量の鱗を有する魚、例えば、
鯛、鮭、鰺、テラピア、鯉、鮒などの鱗が好ましい。一
般に天日乾燥した魚鱗は、その成分の約15質量%が水
分、約30質量%がカルシウムを主成分とする灰分、約
55質量%が蛋白質で、その蛋白質のほとんどがコラー
ゲンであり、魚種による大きな違いはない。鯛(海水
魚)、テラピア(淡水魚)などの鱗のアミノ酸分析の結
果の一例を牛皮、豚皮由来のコラーゲンのアミノ酸分析
結果と比較して表1に示すが、魚鱗由来の蛋白質のアミ
ノ酸組成は、牛や豚などから得られるコラーゲンと大差
はない。魚鱗に含まれる蛋白質は、その構成アミノ酸の
約33モル%がグリシンで、約12モル%がアラニンで
あり、プロリン+ヒドロキシプロリンが約20モル%で
あって、かつヒドロキシリシンを含むというコラーゲン
の特徴を示している。ただし、魚鱗のアミノ酸分析結果
では、ハーフシスチンが検出されていて、コラーゲン以
外の蛋白質が若干含まれているようである。
【0011】
【表1】
【0012】本発明の皮膚化粧料には魚鱗由来加水分解
コラーゲンおよびその誘導体よりなる群から選ばれる少
なくとも1種を含有させるが、その魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンとしては、魚鱗コラーゲンを部分的に加水分解
して得られる魚鱗由来加水分解コラーゲンが挙げられ、
その魚鱗由来加水分解コラーゲンの誘導体としては、例
えば、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−第4級アンモ
ニウム誘導体、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−アシ
ル化誘導体またはその塩、魚鱗由来加水分解コラーゲン
のN−シリル化誘導体、魚鱗由来加水分解コラーゲンの
エステル誘導体などが挙げられる。そして、これらの魚
鱗由来加水分解コラーゲンやその誘導体は、それぞれ単
独で用いてもよいし、また2種以上併用してもよい。
【0013】本発明の皮膚化粧料に使用する魚鱗由来加
水分解コラーゲンは、前記の特許公報などに記載の方法
によって得られた魚鱗由来のコラーゲンを酸、アルカ
リ、酵素などで加水分解したものを用いてもよいが、魚
鱗を直接アルカリ剤で加水分解し、得られた加水分解液
を濾過後、濾液を蛋白質分解酵素で加水分解して得たも
のを用いる方が製造が容易であることから有利である。
【0014】この魚鱗から直接加水分解コラーゲンを得
る方法を詳しく説明すると、まず、魚鱗を弱アルカリ水
溶液で加水分解するが、魚類から分離した魚鱗には魚肉
や魚皮などが付着していることがあるので、それを水洗
して付着物を除去した後に弱アルカリ水溶液での加水分
解に供することが好ましい。弱アルカリ水溶液での加水
分解で使用できるアルカリ剤としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
カルシウムなどの無機アルカリが挙げられる。また、ア
ンモニア、有機アミンなどの有機アルカリも使用できる
が、加水分解に時間を要するので、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどの無機アルカリが好ましい。
【0015】アルカリ水溶液の濃度は1〜10質量%が
好ましく、2〜7.5質量%がより好ましい。すなわ
ち、アルカリ水溶液の濃度が1質量%より低い場合は魚
鱗がほとんど分解せず、また逆にアルカリ水溶液の濃度
が10質量%より高い場合は魚鱗コラーゲンがアミノ酸
や小ペプチドに分解して、本発明の皮膚化粧料に使用す
るのに適した数平均分子量の加水分解コラーゲンの収率
が低下するおそれがある。また、魚鱗に対するアルカリ
水溶液の量は少なすぎると魚鱗コラーゲンが充分に加水
分解せず、逆に多すぎると加水分解後の精製工程で、濃
縮や脱塩に時間を要し、作業効率が低下するので、魚鱗
に対するアルカリ水溶液の量は質量比で1.1〜2.2
倍程度が好ましい。
【0016】弱アルカリ水溶液での加水分解時の温度と
しては、50〜120℃が好ましく、60〜80℃がよ
り好ましい。すなわち、加水分解時の温度が低すぎる場
合は魚鱗の分解が充分に起こらず、加水分解時の温度が
高すぎる場合は魚鱗コラーゲンがアミノ酸や小ペプチド
に分解したり、溶液が黒くなって加水分解コラーゲンと
しての商品価値が低下するおそれがある。また、加水分
解時間としては、加水分解時の温度などによっても異な
るが、1〜12時間が好ましく、3〜5時間がより好ま
しい。ただし、加水分解時の温度や時間は、原料の魚鱗
の大きさや量、アルカリ水溶液のアルカリ濃度や量など
によっても変わるため、魚鱗コラーゲンの分解度に応じ
て適した条件を選択することが好ましい。
【0017】魚鱗を弱アルカリで加水分解することによ
って得られた加水分解液は、濾過により分解残渣を除去
するが、この際にカルシウムを主成分とする灰分の大部
分が除去される。濾液は、使用する蛋白質分解酵素の至
適pHに調整後、蛋白質分解酵素で加水分解するが、蛋
白質分解酵素としては、例えば、パパイン、ブロメライ
ン、サーモライシン、トリプシン、プロナーゼ、キモト
リプシン、ズブチリシン、スタフィロコッカスプロテア
ーゼなどの中性ないしアルカリ性蛋白質分解酵素が主に
用いられる。また、ペプシン、プロクターゼA、プロク
ターゼBなどの酸性蛋白質分解酵素も使用することがで
きる。
【0018】酵素加水分解での分解溶液のpH、時間や
温度などは、使用する酵素の種類や量により異なるが、
加水分解温度としては、30〜60℃が好ましく、40
〜55℃がより好ましい。また、加水分解時間は、使用
する酵素の種類や量、目的とする加水分解コラーゲンの
分子量の大きさなどにより異なるが、一般に1〜36時
間が好ましく、12〜20時間がより好ましい。ただ
し、これらの酵素加水分解条件も、使用する酵素の種類
や量、原料の魚鱗量などによって変わるため、得ようと
する魚鱗由来加水分解コラーゲンの分子量に応じて適し
た条件を選択することが好ましい。
【0019】酵素加水分解後、酵素を失活させ、塩析や
酸析によって水に難溶、不溶の成分を除去し、ついで、
イオン交換樹脂処理、半透膜による透析処理、電気透析
処理などで脱塩精製した後、pHや濃度を調整して本発
明の毛髪化粧料に使用したり、魚鱗由来加水分解コラー
ゲンの誘導体製造の原料として用いられるが、pHを調
整後、噴霧乾燥、凍結乾燥することにより、粉体化して
魚鱗由来加水分解コラーゲン粉末を得ることもできる。
【0020】魚鱗由来加水分解コラーゲンは、分解時の
アルカリ、酵素の量や加熱温度、分解時間などを変化さ
せることにより、生成する加水分解ペプチドの分子量を
コントロールすることができるが、本発明の皮膚化粧料
に含有させる魚鱗由来加水分解コラーゲンとしては、数
平均分子量が約200〜約5,000のものが好まし
く、約250〜約3,000のものがより好ましい。
【0021】これは、魚鱗由来加水分解コラーゲンの数
平均分子量が上記範囲より小さい場合は、皮膚への収着
性が低くなる上に、加水分解ペプチドの有する造膜作
用、艶、はり、なめらかさの付与作用などが充分に発揮
することができなくなるおそれがあり、魚鱗由来加水分
解コラーゲンの分子量が上記範囲より大きくなると、皮
膚につっぱり感を生じたり、高湿度下ではべたついたり
するおそれがあるからである。
【0022】上記の方法で得られた魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンは、皮膚や毛髪に対する作用(すなわち、皮膚
に対して優れた保湿性やなめらかさを付与し、毛髪に対
しては艶、潤い、なめらかさや良好な櫛通り性を付与す
る作用など)が従来の牛や豚の皮や骨由来のコラーゲン
を加水分解して得られる加水分解コラーゲンとほとんど
変わらず、しかも従来の動物由来加水分解コラーゲンの
ような動物臭がほとんどない。
【0023】上記魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−第
4級アンモニウム誘導体としては、例えば、下記の一般
式(I)
【0024】
【化1】
【0025】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜2
2のアルキル基または炭素数1〜22のアルケニル基、
あるいはR1 〜R3 のうち1個または2個が炭素数1〜
22のアルキル基または炭素数1〜22のアルケニル基
で、残りが炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル基またはベンジル基である。Aは炭
素数2〜3のアルキレン基または炭素数2〜3のヒドロ
キシアルキレン基で、R 4 は魚鱗コラーゲン由来のペプ
チドのアミノ酸側鎖を示し、aは2〜50であり、Xは
ハロゲン原子を示す〕で表されるものが挙げられ、この
魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−第4級アンモニウム
誘導体は、アルカリ条件下で魚鱗由来加水分解コラーゲ
ンと第4級アンモニウム化合物とを反応させることによ
って得られる。
【0026】上記第4級アンモニウム化合物の具体例と
しては、例えば、グリシジルステアリルジメチルアンモ
ニウムクロリド、グリシジルヤシ油アルキルジメチルア
ンモニウムクロリド、グリシジルラウリルジメチルアン
モニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウム
クロリドなどのグリシジルアンモニウム塩、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピルステアリルジメチルアンモニ
ウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルヤ
シ油アルキルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモニ
ウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエ
チルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドな
どの3−ハロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム
塩、2−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロリド
などの2−ハロゲンエチルアンモニウム塩、3−クロロ
プロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの3−ハ
ロゲンプロピルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0027】そして、この魚鱗由来加水分解コラーゲン
のN−第4級アンモニウム誘導体においても、そのペプ
チド部分の数平均分子量は、上記魚鱗由来加水分解コラ
ーゲンと同様の理由で、約200〜約5,000である
ことが好ましく、約250〜約3,000であることが
より好ましい。
【0028】上記魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−ア
シル化誘導体またはその塩としては、例えば、魚鱗由来
加水分解コラーゲンのN末端アミノ基または塩基性アミ
ノ酸の側鎖のアミノ基に、炭素数8〜32の直鎖または
分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸や樹脂酸などを縮合
させたN−アシル化魚鱗由来加水分解コラーゲンまたは
その塩が挙げられる。
【0029】このようなN−アシル化魚鱗由来加水分解
コラーゲンまたはその塩としては、例えば、魚鱗由来加
水分解コラーゲンのラウリン酸縮合物、ミリスチン酸縮
合物、ヤシ油脂肪酸縮合物、イソステアリン酸縮合物、
ウンデシレン酸縮合物、ラノリン脂肪酸縮合物、樹脂酸
縮合物、水素添加樹脂酸縮合物などや、それら酸縮合物
のカリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン
塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミ
ン塩などが挙げられる。
【0030】そして、この魚鱗由来加水分解コラーゲン
のN−アシル化誘導体またはその塩においても、そのペ
プチド部分の数平均分子量は、上記魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンと同様の理由で、約200〜約5,000であ
ることが好ましく、約250〜約3,000であること
がより好ましい。
【0031】上記魚鱗由来加水分解コラーゲンのシリル
化誘導体としては、例えば、下記一般式(II)
【0032】
【化2】
【0033】〔式中、R5 、R6 、R7 のうち少なくと
も一つは水酸基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル
基を示す。R8 は側鎖の末端にアミノ基を有する魚鱗コ
ラーゲン由来の塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く残
基を示し、R9 はR8 以外の魚鱗コラーゲン由来のアミ
ノ酸側鎖を示す。Bは結合手で、メチレン、プロピレ
ン、−CH2 OCH2 CH(OH)CH2 −または−
(CH23 OCH2 CH(OH)CH2 −で示される
基であり、bは0〜20、cは1〜50、b+cは2〜
50である(ただし、bおよびcはアミノ酸の数を示す
のみで、アミノ酸配列の順序を示すものではない)〕で
表される魚鱗由来加水分解コラーゲンのアミノ酸側鎖の
アミノ基を含むアミノ基にケイ素原子をただ一つ含む官
能基が結合したシリル化魚鱗由来加水分解コラーゲンが
挙げられ、このようなシリル化魚鱗由来加水分解コラー
ゲンは、例えば、特開平8−59424号公報、特開平
8−607608号公報、特開平7−228505号公
報などに記載の方法を利用することによって製造するこ
とができる。
【0034】そして、この魚鱗由来加水分解コラーゲン
のN−シリル化誘導体においても、そのペプチド部分の
数平均分子量は、上記魚鱗由来加水分解コラーゲンと同
様の理由で、約200〜約5,000であることが好ま
しく、約250〜約3,000であることがより好まし
い。
【0035】上記魚鱗由来加水分解コラーゲンのエステ
ル誘導体としては、上記魚鱗由来加水分解コラーゲンの
カルボキシル基における炭素数1〜22のアルコール類
とのエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ラウリ
ルエステル、セチルエステル、2−エチルヘキシルエス
テル、2−ヘキシルデシルエステル、ステアリルエステ
ル、イソステアリルエステル、オレイルエステルなどが
挙げられる。
【0036】そして、この魚鱗由来加水分解コラーゲン
のエステル誘導体においても、そのペプチド部分の数平
均分子量は、上記魚鱗由来加水分解コラーゲンと同様の
理由で、約200〜約5,000であることが好まし
く、約250〜約3,000であることがより好まし
い。
【0037】本発明の皮膚化粧料は、魚鱗由来加水分解
コラーゲンおよびその誘導体よりなる群から選ばれる少
なくとも1種を各種の皮膚化粧料に含有させることによ
って構成されるが、対象となる皮膚化粧料としては、例
えば、ハンドクリーム、栄養クリーム、モイスチャーク
リーム、クレンジングクリームなどのクリーム類、フェ
イスローション、アフターシェーブローションなどのロ
ーション類、化粧水、乳液、パック剤、メーキャップ化
粧品、日焼け止め化粧品、ボディーシャンプー、洗顔
料、各種石鹸などが挙げられる。
【0038】そして、魚鱗由来加水分解コラーゲンおよ
びその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
皮膚化粧料中での含有量(皮膚化粧料中への配合量)と
しては、皮膚化粧料の種類によっても異なるが、0.0
5〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより
好ましい。
【0039】魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその誘
導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の皮膚化粧
料中での含有量を上記のように規定しているのは、魚鱗
由来加水分解コラーゲンおよびその誘導体よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の皮膚化粧料中での含有量が
上記範囲より少ない場合は、皮膚に優れた艶、潤い感、
なめらかさを付与する作用が充分に発揮されないおそれ
があり、また逆に、魚鱗由来加水分解コラーゲンおよび
その誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の皮
膚化粧料中での含有量が上記範囲より多くなると、皮膚
につっぱり感やべたつき感を与えるおそれがあるためで
ある。
【0040】本発明の皮膚化粧料は、魚鱗由来加水分解
コラーゲンおよびその誘導体よりなる群から選ばれる少
なくとも1種を皮膚化粧料中に含有させることによって
構成されるが、魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその
誘導体を2種以上含有させる場合は、異なった種類のも
のを2種以上含有させてもよいし、同種でペプチドの分
子量が異なるものを2種以上含有させてもよい。
【0041】そして、本発明の皮膚化粧料中に、魚鱗由
来加水分解コラーゲンおよびその誘導体よりなる群から
選ばれる少なくとも1種と併用して配合できる成分とし
ては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面
活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、カチ
オン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーな
どの合成ポリマー、半合成ポリマー類、動植物油、炭化
水素類、エステル油、高級アルコール類、シリコーン油
などの油剤、天然多糖類、保湿剤、低級アルコール類、
アミノ酸類、増粘剤、動植物抽出物、魚鱗以外の動植物
および微生物由来の蛋白質を加水分解した加水分解ペプ
チドおよびそれらのペプチドエステル誘導体、第4級ア
ンモニウム誘導体、シリル化誘導体、アシル化誘導体お
よびその塩、シリコーン類、防腐剤、香料などが挙げら
れるが、それら以外にも本発明の皮膚化粧料の特性を損
なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の皮膚化粧料は、魚鱗由来加水分
解コラーゲンおよびその誘導体よりなる群から選ばれる
少なくとも1種を含有していて、皮膚に優れた艶、潤い
感、なめらかさを付与し、しかも従来の牛や豚の皮や骨
由来の加水分解コラーゲン配合皮膚化粧料のような動物
臭がほとんどない。
【0043】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、実施例に先立ち、以下の
実施例に用いる魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその
誘導体の製造例を参考例として示す。また、以下の参考
例、実施例、比較例などにおいて、溶液や分散液などの
濃度を示す%はいずれも質量%である。
【0044】参考例1〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
製造例−1〕 内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナ
トリウム70gを入れ、攪拌しながら、水洗後乾燥した
鯛鱗910g(粗蛋白質量として約500g)を添加
し、80℃で5時間攪拌を続けて鯛鱗を加水分解した。
得られた加水分解液を室温まで冷却し、濾過により不溶
物を除いて後、濾液を18%塩酸でpH9に調整した。
この溶液にナガセ生化学工業(株)製ナガセプロテアー
ゼ原末(商品名)(蛋白質分解酵素)を0.2g添加
し、50℃で18時間攪拌して加水分解した。酵素加水
分解後、加水分解液を80℃で1時間攪拌して酵素を失
活させた。この加水分解液を室温まで冷却した後、18
%塩酸300gを加えて溶液のpHを3.5に調整して
不溶物を析出させた。生じた不溶物を濾過により除去
し、濾液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に
調整した。ついで、この溶液を電気透析により脱塩精製
し、pHを6.5に調整後、濃縮により濃度を調整し、
0.45μmのメンブランにより除菌濾過して、魚鱗由
来加水分解コラーゲンの30%水溶液を1530g得
た。得られた魚鱗由来加水分解コーゲン水溶液の窒素量
とアミノ態窒素量を測定し、数平均分子量を求めたとこ
ろ510であった。
【0045】なお、本明細書中における数平均分子量
は、加水分解コラーゲンの総窒素量値をアミノ態窒素量
値で割った加水分解コラーゲンの平均重合度と、コラー
ゲンのアミノ酸分析による各種アミノ酸の存在比から求
めたアミノ酸の平均分子量とを基に算出した値であり、
下記の式より算出される。
【0046】
【0047】上記計算式において、平均アミノ酸分子量
より「18」を引いているのは、ペプチド結合をしてい
る場合、一つのアミノ酸につき水一分子(H2 O)が脱
水されることになるので、「18」を引き、また、最後
に「18」を足しているのは、末端COOHの「OH」
の分子量「17」と末端NH2 の「H」の分子量「1」
を足すためである。
【0048】コラーゲンの平均アミノ酸分子量は、アミ
ノ酸の存在割合をアミノ酸分析により求め、これに各ア
ミノ酸の分子量を掛けて合計することにより求めたもの
で、本明細書においては、魚鱗由来コラーゲンも牛皮や
豚皮由来のコラーゲンも共にこの平均アミノ酸分子量を
108としている。
【0049】参考例2〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
製造例−2〕 内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナ
トリウム40gを入れ、攪拌しながら、水洗後乾燥した
テラピア鱗910gを添加し、60℃で5時間攪拌を続
けてテラピア鱗を加水分解した。得られた加水分解液を
室温まで冷却し、濾過により不溶物を除いて後、濾液を
18%塩酸でpH8.5に調整した。この溶液にナガセ
生化学工業(株)製ナガセプロテアーゼ原末(商品名)
(蛋白質分解酵素)を0.06g添加し、40℃で24
時間攪拌して加水分解した。酵素加水分解後、加水分解
液を80℃で1時間攪拌を続けて酵素を失活させた。こ
の加水分解液を室温まで冷却した後、18%塩酸170
gを加えて溶液のpHを3.5に調整して不溶物を析出
させた。生じた不溶物を濾過により除去し、濾液を20
%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した。つい
で、この溶液を電気透析により脱塩精製し、pHを6.
5に調整後、濃縮により濃度を調整し、0.45μmの
メンブランにより除菌濾過して、テラピア鱗由来加水分
解コラーゲンの30%水溶液を1360g得た。得られ
たテラピア鱗由来加水分解コーゲン水溶液の窒素量とア
ミノ態窒素量を測定し、数平均分子量を求めたところ1
009であった。
【0050】参考例3〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
製造例−3〕 内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナ
トリウム40gを入れ、攪拌しながら、水洗後乾燥した
テラピア鱗910gを添加し、60℃で5時間攪拌を続
けてテラピア鱗を加水分解した。得られた加水分解液を
室温まで冷却し、濾過により不溶物を除いて後、濾液を
18%塩酸でpH8.5に調整した。この溶液にナガセ
生化学工業(株)製ナガセプロテアーゼ原末(商品名)
(蛋白質分解酵素)を0.1g添加し、40℃で24時
間攪拌して加水分解した。酵素加水分解後、加水分解液
を80℃で1時間攪拌を続けて酵素を失活させた。この
加水分解液を室温まで冷却した後、18%塩酸170g
を加えて溶液のpHを3.5に調整して不溶物を析出さ
せた。生じた不溶物を濾過により除去し、濾液を20%
水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した。ついで、
この溶液を電気透析により脱塩精製し、pHを6.5に
調整後、0.45μmのメンブランにより除菌濾過し、
スプレードライ装置で粉末化し、テラピア鱗由来加水分
解コラーゲン粉末を365g得た。得られたテラピア鱗
由来加水分解コーゲンの窒素量とアミノ態窒素量を測定
し、数平均分子量を求めたところ898であった。
【0051】参考例4〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
N−第4級アンモニウム誘導体の製造例−1〕 参考例1で製造した魚鱗由来加水分解コラーゲンの30
%水溶液100gを1リットルのビーカーに入れ、20
%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.5に調整
し、攪拌下加温して40℃に保ち、その中にグリシジル
トリメチルアンモニウムクロライドの75%水溶液9.
6g(魚鱗由来加水分解コラーゲンのアミノ態窒素量に
対して0.8当量)を30分かけて滴下し、滴下終了後
45℃で3時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応液
は希塩酸でpH7に調整し、電気透析によって脱塩した
後、濃縮により濃度を調整して、魚鱗由来加水分解コラ
ーゲンのN−(3−トリメチルアンモニオ−2−ヒドロ
キシプロピル)誘導体〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
N−第4級アンモニウム誘導体〕である塩化N−〔2−
ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕
魚鱗由来加水分解コラーゲンの30%水溶液を120g
得た。
【0052】参考例5〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
N−第4級アンモニウム誘導体の製造例−2〕 参考例2で得られた魚鱗由来加水分解コラーゲンの30
%水溶液100gを1リットルのビーカーに入れ、20
%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.5に調整
し、攪拌下加温して40℃に保ち、その中に3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピルジメチルヤシ油アルキルアン
モニウムクロライドの35%水溶液24.5g(魚鱗由
来加水分解コラーゲンのアミノ態窒素量に対して0.8
当量)を1時間かけて滴下した。この間20%水酸化ナ
トリウム水溶液を添加して反応液のpHが9.5になる
ように保った。滴下終了後さらに45℃で3時間攪拌を
続けて反応を完結させた。反応液は希塩酸でpH7に調
整し、濃縮により濃度を調整して、魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンのN−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニ
オ−2−ヒドロキシプロピル)誘導体〔魚鱗由来加水分
解コラーゲンのN−第4級アンモニウム誘導体〕である
塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメ
チルアンモニオ)プロピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲ
ンの30%水溶液を120g得た。
【0053】参考例6〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
N−アシル化誘導体の製造例〕 参考例1で得られた魚鱗由来加水分解コラーゲンの30
%水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、20
%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.5に調整
し、攪拌下加温して40℃に保ち、その中にヤシ油脂肪
酸クロライド27.8g(魚鱗由来加水分解コラーゲン
のアミノ態窒素量に対して1当量)を2時間かけて滴下
した。その間、20%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し
て反応液のpHを9に維持した。ヤシ油脂肪酸クロライ
ドの滴下終了後、反応液の温度を50℃に上げて2時間
攪拌を続けて反応を終了した。つぎに、反応混合物を5
%硫酸水溶液1リットル中に放出し、生成したアシル化
物を遊離の形(ペプチドのカルボン酸が塩でない−CO
OHの形)で浮遊させて分離し、水洗した後、20%水
酸化カリウム水溶液を加えて中和し、魚鱗由来加水分解
コラーゲンのN−アシル化誘導体であるヤシ油脂肪酸魚
鱗由来加水分解コラーゲンカリウムの35%水溶液を2
40g得た。
【0054】参考例7〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
N−シリル化誘導体の製造例〕 参考例2で得られた魚鱗由来加水分解コラーゲンの30
%水溶液50gと蒸留水50gを500ミリリットルの
ビーカーに入れて混合し、20%水酸化ナトリウム水溶
液を加えてpHを9.5に調整して55℃に加温した。
シリル化剤として、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン3.7g(魚鱗由来加水分解コラーゲン
のアミノ態窒素量に対して1当量)を水に15%水溶液
となるように溶解し、希塩酸でpHを3.5に調整して
50℃で15分間攪拌を続けてエトキシ基を加水分解し
て水酸基に変換させた。つぎに、55℃に加温した魚鱗
由来加水分解コラーゲンの水溶液を攪拌しながら、この
水酸基に変換させたシリル化剤を30分かけて滴下し
た。滴下終了後、55℃でさらに5時間攪拌を続けて反
応を完結させた。反応液を希塩酸でpHを6.5に調整
し、濃縮により濃度を調整して、魚鱗由来加水分解コラ
ーゲンのN−シリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロキ
シ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)
プロピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンの20%水溶液
を83g得た。
【0055】参考例8〔魚鱗由来加水分解コラーゲンの
エステル誘導体の製造例〕 参考例3で得られた魚鱗由来加水分解コラーゲン粉末1
00gを1リットルの三口フラスコに入れ、エタノール
を400g加えて攪拌しながら、濃硫酸2mlを滴下し
た。エタノールを沸点まで加熱し、冷却管を用いて還流
し、3時間還流を続けて反応を終了した。反応液を冷却
後、攪拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液を添加
して中和し、活性炭を加えて濾過することで脱色し、濃
縮により濃度を調整して、魚鱗由来加水分解コラーゲン
のエステル誘導体である魚鱗由来加水分解コラーゲンエ
チルエステルの25%エタノール溶液を405g得た。
【0056】実施例1および比較例1〜2 表2に示す組成の3種類のハンドクリームを調製し、そ
れぞれのハンドクリームを皮膚に塗布し、塗布後の皮膚
の艶、潤い感、なめらかさおよび残臭の少なさを評価し
た。なお、表1中の各成分の配合量はいずれも質量部に
よるものであり、配合量が固形分量でないものについて
は、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示してい
る。これらは、以降の組成を示す表4、表6、表8、表
10、表12、表14などにおいても同様である。
【0057】実施例1においては、参考例1で製造した
数平均分子量510の魚鱗由来加水分解コラーゲンを用
い、比較例1では魚鱗由来加水分解コラーゲンに代えて
数平均分子量約500の牛皮由来加水分解コラーゲンを
用い、比較例2は加水分解コラーゲンを用いていないブ
ランク品である。
【0058】
【表2】
【0059】上記実施例1および比較例1〜2のハンド
クリームの評価は下記のように行った。すなわち、10
人のパネラー(女性6人、男性4人)にそれぞれのハン
ドクリームを各1gずつ手の甲に塗布させ、乾燥後の皮
膚の艶、潤い感およびなめらかさについて、最も良いも
のを2点とし、2番目に良いものを1点とし、悪いもの
を0点として評価させた。
【0060】また、処理後の皮膚の残臭の少なさについ
ては、10人のパネラーに比較例2(ブランク品)と比
較評価させた。評価基準は下記の通りであり、評価値3
はブランク品と同程度の残臭を意味し、評価値が高いほ
ど残臭が少ないことを示している。
【0061】残臭の少なさの評価基準 残臭がブランク品とほぼ同じ 3 残臭がブランク品と比べてやや多い 2 残臭がブランク品と比べて多い 1 残臭がブランク品と比べて非常に多い 0
【0062】これらの評価試験の結果を表3に10人の
平均値で示す。
【0063】
【表3】
【0064】表3に示すように、魚鱗由来加水分解コラ
ーゲンを含有する実施例1のハンドクリームで処理した
場合は、牛皮由来加水分解コラーゲンを含有する比較例
1のハンドクリームで処理した場合と比べて、皮膚の
艶、潤い感は比較例1と同程度で、なめらかさにに関し
ては評価値がやや高く、魚鱗由来加水分解コラーゲンは
従来の牛皮由来加水分解コラーゲンと遜色のない効果を
皮膚に付与することが明らかであった。しかも、残臭の
少なさについては、魚鱗由来加水分解コラーゲンを含有
する実施例1のハンドクリームで処理した場合は、牛皮
由来加水分解コラーゲンを含有する比較例1のハンドク
リームで処理した場合に比べて評価値が高く、魚鱗由来
加水分解コラーゲンは、ハンドクリームに含有させた場
合、従来の牛皮由来加水分解コラーゲンより皮膚への残
臭が少ないことが明らかであった。
【0065】実施例2および比較例3〜4 表4に示す組成の3種類の乳液を調製し、それぞれの乳
液を使用して皮膚を処理し、使用後の皮膚の艶、潤い
感、なめらかさおよび残臭の少なさを評価した。
【0066】実施例2においては、参考例4で製造した
ペプチド部分の数平均分子量が510の魚鱗由来加水分
解コラーゲンのN−(3−トリメチルアンモニオ−2−
ヒドロキシプロピル)誘導体である塩化N−〔2−ヒド
ロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕魚鱗
由来加水分解コラーゲンを用い、比較例3では上記塩化
N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)
プロピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンに代えてペプチ
ド部分の数平均分子量が約500の牛皮由来加水分解コ
ラーゲンのN−(3−トリメチルアンモニオ−2−ヒド
ロキシプロピル)誘導体である塩化N−〔2−ヒドロキ
シ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕牛皮由来
加水分解コラーゲンを用い、比較例4は加水分解コラー
ゲンのN−第4級アンモニウム誘導体を用いていないブ
ランク品である。
【0067】
【表4】
【0068】上記実施例2および比較例3〜4の乳液の
評価は下記のように行った。すなわち、10人のパネラ
ー(女性6人、男性4人)にそれぞれの乳液を各1ml
ずつ手の甲に塗布させ、乾燥後の皮膚の艶、潤い感、な
めらかさおよび残臭の少なさを実施例1と同様の評価基
準で評価させた。その結果を表5に10人の平均値で示
す。
【0069】
【表5】
【0070】表5に示すように、塩化N−〔2−ヒドロ
キシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕魚鱗由
来加水分解コラーゲンを含有する実施例2の乳液で処理
した皮膚は、塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメ
チルアンモニオ)プロピル〕牛皮由来加水分解コラーゲ
ンを含有する比較例3の乳液で処理した皮膚に比べて、
艶、潤い感、なめらかさのいずれにおいても評価値が同
等またはやや高く、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−
(3−トリメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピ
ル)誘導体は従来の牛皮由来加水分解コラーゲンのN−
(3−トリメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピ
ル)誘導体と遜色のない効果を皮膚に付与することが明
らかであった。しかも、残臭の少なさについては、実施
例2の乳液で処理した皮膚は、比較例3の乳液で処理し
た皮膚に比べて評価値が高く、パネラーの大多数が、実
施例2の乳液で処理した皮膚は、比較例3の乳液で処理
した皮膚に比べて動物臭が少ないと答えていて、魚鱗由
来加水分解コラーゲンのN−(3−トリメチルアンモニ
オ−2−ヒドロキシプロピル)誘導体は、乳液に含有さ
せた場合、従来の牛皮由来加水分解コラーゲンのN−
(3−トリメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピ
ル)誘導体より皮膚への動物臭の残臭が少ないことが明
らかであった。
【0071】実施例3および比較例5〜6 表6に示す組成の3種類のエモリエントローションを調
製し、それぞれのエモリエントローションで皮膚を処理
し、処理後の皮膚の艶、潤い感、なめらかさおよび残臭
の少なさを評価した。
【0072】実施例3においては、参考例5で製造した
ペプチド部分の数平均分子量が1009の魚鱗由来加水
分解コラーゲンのN−(3−ヤシ油アルキルジメチルア
ンモニオ−2−ヒドロキシプロピル)誘導体である塩化
N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチル
アンモニオ)プロピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンを
用い、比較例5では塩化N−〔2−ヒドロキシ−3−
(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕魚鱗
由来加水分解コラーゲンに代えてペプチド部分の数平均
分子量が約1000の豚皮由来加水分解コラーゲンのN
−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒド
ロキシプロピル)誘導体である塩化−〔2−ヒドロキシ
−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピ
ル〕豚皮由来加水分解コラーゲンを用い、比較例6は加
水分解コラーゲンのN−第4級アンモニウム誘導体を用
いていないブランク品である。
【0073】
【表6】
【0074】上記エモリエントローションによる処理は
下記のように行った。すなわち、10人のパネラー(女
性6人、男性4人)にそれぞれの乳液を各1mlずつ前
腕部に塗布させ、乾燥後の皮膚の艶、潤い感、なめらか
さおよび残臭の少なさについて実施例1と同じ評価基準
で評価させた。その結果を表7に10人の平均値で示
す。
【0075】
【表7】
【0076】表7に示すように、塩化N−〔2−ヒドロ
キシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロ
ピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンを含有する実施例3
のエモリエントローションで処理した場合は、塩化N−
〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアン
モニオ)プロピル〕豚皮由来加水分解コラーゲンを含有
する比較例5のエモリエントローションで処理した場合
に比べて、艶、潤い感、なめらかさのいずれも評価値が
同等またはやや高く、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN
−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒド
ロキシプロピル誘導体である塩化N−〔2−ヒドロキシ
−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピ
ル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンは従来の豚皮由来加水
分解コラーゲンのN−(3−ヤシ油アルキルジメチルア
ンモニオ)−2−ヒドロキシプロピル誘導体である塩化
N−〔2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチル
アンモニオ)プロピル〕豚皮由来加水分解コラーゲンと
同等かまたはそれ以上の効果を皮膚に付与することが明
らかであった。しかも、残臭の少なさについては、実施
例3のエモリエントローションで処理した場合は、比較
例5のエモリエントローションで処理した場合に比べて
評価値が高く、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−(3
−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ
プロピル)誘導体である塩化N−〔2−ヒドロキシ−3
−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル〕魚
鱗由来加水分解コラーゲンは、エモリエントローション
に含有させた場合、従来の豚皮由来加水分解コラーゲン
のN−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ−2−
ヒドロキシプロピル)誘導体である塩化N−〔2−ヒド
ロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プ
ロピル〕豚皮由来加水分解コラーゲンより皮膚への残臭
が少ないエモリエントローションを製造できることが明
らかであった。
【0077】実施例4および比較例7 表8に示す組成の2種類のボディーシャンプーを調製
し、皮膚に使用後の皮膚の艶、潤い感、なめらかさおよ
び残臭の少なさについて評価した。
【0078】実施例4では参考例6で製造したペプチド
部分の数平均分子量が510の魚鱗由来加水分解コラー
ゲンのN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩であるヤシ
油脂肪酸魚鱗由来加水分解コラーゲンカリウムを用い、
比較例7では上記ヤシ油脂肪酸魚鱗由来加水分解コラー
ゲンカリウムに代えてペプチド部分の数平均分子量が約
450の牛皮由来加水分解コラーゲンのN−ヤシ油脂肪
酸誘導体のカリウム塩であるヤシ油脂肪酸牛皮由来加水
分解コラーゲンカリウムを用いている。
【0079】
【表8】
【0080】上記2種類のボディーシャンプーについ
て、10人のパネラー(男性5人、女性5人)に、毎日
一回、最初の5日間は比較例7のボディーシャンプーで
身体を洗浄させ、次の5日間は実施例4のボディーシャ
ンプーで身体を洗浄させた。
【0081】10日間の使用期間後(すなわち、実施例
4のボディーシャンプーの5日間使用後)、肌の艶、潤
い感、なめらかさ、洗浄後の残臭の少なさについて、比
較例7のボディーシャンプーを使用していた時より良く
なったか、悪くなったか、あるいは変わらなかったかを
回答させた。その結果を表9に、良くなったと答えた人
数、悪くなったと答えた人数、変わらないと答えた人数
で示す。
【0082】
【表9】
【0083】表9に示すように、ヤシ油脂肪酸魚鱗由来
加水分解コラーゲンカリウムを含有する実施例4のボデ
ィーシャンプーの使用後は、その使用前に比べて、皮膚
の艶、潤い感およびなめらかさについて、良くなったと
答えた人数と変わらないと答えた人数がほぼ同じで、ヤ
シ油脂肪酸魚鱗由来加水分解コラーゲンカリウムは従来
のヤシ油脂肪酸牛皮由来加水分解コラーゲンカリウムと
ほぼ同程度の皮膚に艶、潤い感やなめらかさを付与する
効果を有していることが明らかであった。しかも、残臭
については、パネラー全員が「残臭は少なくなった」と
答えていて、ヤシ油脂肪酸魚鱗由来加水分解コラーゲン
カリウムは従来ヤシ油脂肪酸牛皮由来加水分解コラーゲ
ンカリウムより残臭の少ないボディーシャンプーを調製
できることが明らかであった。
【0084】実施例5および比較例8 表10に示す組成の2種類のモイスチャージェルを調製
し、皮膚に使用したときの皮膚の艶、潤い感、なめらか
さおよび残臭の少なさについて評価した。
【0085】実施例5においては、参考例7で製造した
ペプチド部分の数平均分子量が1009の魚鱗由来加水
分解コラーゲンのN−シリル化誘導体であるN−〔2−
ヒドロキシ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロ
ポキシ)プロピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンを用
い、比較例8では上記N−〔2−ヒドロキシ−3−(3
−ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)プロピル〕魚
鱗由来加水分解コラーゲンに代えてペプチド部分の数平
均分子量が約1000の豚皮由来加水分解コラーゲンの
N−シリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロキシ−3−
(3−ジヒドロキシシリルプロポキシ)プロピル〕豚皮
由来加水分解コラーゲンを用いている。
【0086】
【表10】
【0087】上記2種類のモイスチャージェルについ
て、10人の女性パネラーに、毎日一回以上5日間にわ
たって、左右の手にそれぞれのモイスチャージェルを1
〜2g(塗布量はパネラーにより異なる)手の甲に取
り、手で擦り込むように塗布させた。
【0088】5日間の使用期間後、手の甲の肌の艶、潤
い感、なめらかさおよび残臭について実施例5のモイス
チャージェルと比較例8のモイスチャージェルのどちら
が優れているかを評価させた。その結果を表11に、実
施例5が優れていると答えた人数、比較例8が優れてい
ると答えた人数、両者に差はないと答えた人数で示す。
【0089】
【表11】
【0090】表11に示すように、魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンのN−シリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロ
キシ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキ
シ)プロピル〕魚鱗由来加水分解コラーゲンを含有する
実施例5のモイスチャージェルは、豚皮由来加水分解コ
ラーゲンのN−シリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロ
キシ−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキ
シ)プロピル〕豚皮由来加水分解コラーゲンを含有する
比較例8のモイスチャージェルに比べて、手の皮膚の
艶、潤い感、なめらかさの評価項目において、パネラー
の大多数が「優れている」あるいは「両者に差はない」
と答えていて、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−シリ
ル化誘導体であるN−〔2−ヒドロキシ−3−(3−ジ
ヒドロキシメチルシリルプロポキシ)プロピル〕魚鱗由
来加水分解コラーゲンは従来の豚皮由来加水分解コラー
ゲンのN−シリル化誘導体であるN−〔2−ヒドロキシ
−3−(3−ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)プ
ロピル〕豚皮由来加水分解コラーゲンと同程度かそれ以
上の効果を皮膚に付与することが明らかであった。しか
も、残臭の少なさに関しては、パネラー全員が実施例5
のモイスチャージェルが「優れている」と答えていて、
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3−ジヒドロキシメチル
シリルプロポキシ)プロピル〕魚鱗由来加水分解コラー
ゲンはN−〔2−ヒドロキシ−3−(3−ジヒドロキシ
メチルシリルプロポキシ)プロピル〕豚皮由来加水分解
コラーゲンより残臭の少ないモイスチャージェルを調製
できることが明らかであった。
【0091】実施例6および比較例9〜10 表12に示す組成の3種類の化粧水を調製し、皮膚に使
用したときの皮膚の艶、潤い感、なめらかさおよび残臭
の少なさについて評価した。
【0092】実施例6では参考例2で製造した数平均分
子量が1009の魚鱗由来加水分解コラーゲンを用い、
比較例9では魚鱗由来加水分解コラーゲンに代えて数平
均分子量が約1000の豚皮由来加水分解コラーゲンを
用い、比較例10は加水分解コラーゲンを用いていない
ブランク品である。
【0093】
【表12】
【0094】上記実施例6および比較例9〜10の化粧
水の評価は下記のように行った。すなわち、10人の女
性パネラーにそれぞれの化粧水を手の甲に塗布させ、乾
燥後の皮膚の潤い感、なめらかさおよび残臭の少なさに
ついて実施例1と同様の評価基準で評価させた。その結
果を表13に10人の平均値で示す。
【0095】
【表13】
【0096】表13に示すように、魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンを含有する実施例6の化粧水で処理した場合
は、豚皮由来加水分解コラーゲンを含有する比較例9の
化粧水で処理した場合に比べて、処理後の皮膚の艶、潤
い感、なめらかさについていずれも評価値が同等かやや
高く、魚鱗由来加水分解コラーゲンは従来の豚皮由来加
水分解コラーゲンと遜色のない皮膚に対する作用を有し
ていることが明らかであった。しかも、残臭の少なさに
ついては、魚鱗由来加水分解コラーゲンを含有する実施
例6の化粧水で処理した場合は、豚皮由来加水分解コラ
ーゲンを含有する比較例9の化粧水で処理した場合に比
べて評価値が高く、魚鱗由来加水分解コラーゲンは、化
粧水に使用した時には、従来の豚皮由来加水分解コラー
ゲンより皮膚上での残臭が少ないことが明らかであっ
た。
【0097】実施例7および比較例11 表14に示す組成の2種類クレンジングオイルを調製
し、皮膚に適用したときの皮膚の艶、潤い感、なめらか
さおよび残臭の少なさについて評価した。
【0098】実施例7では参考例8で製造したペプチド
部分の数平均分子量が898の魚鱗由来加水分解コラー
ゲンのエステル誘導体である魚鱗由来加水分解コラーゲ
ンエチルエステルを用い、比較例11では魚鱗由来加水
分解コラーゲンのエステル誘導体である魚鱗由来加水分
解コラーゲンエチルエステルに代えてペプチド部分のの
数平均分子量が約450の牛皮由来加水分解コラーゲン
のエステル誘導体である牛皮由来加水分解コラーゲンエ
チルエステルを用いている。
【0099】
【表14】
【0100】上記2種類のクレンジングオイルの評価は
下記のように行った。すなわち、毎日顔面に化粧を施す
10人の女性パネラーに、化粧落としの際、最初の5日
間は比較例11のクレンジングオイルで処理させ、次の
5日間は実施例7のクレンジングオイルで処理させた。
処理の方法は、各人の頬にクレンジングオイルを1〜2
g(塗布量はパネラーにより異なる)手で擦り込むよう
に塗布させ、ふき取り用紙または布で拭き取った後、市
販の化粧石鹸で洗顔させた。
【0101】10日間の使用期間後(すなわち、実施例
7のクレンジングオイルの5日間の使用後)、肌の艶、
潤い感、なめらかさおよび残臭の少なさについて、比較
例11のクレンジングオイルを使用していた時より良く
なったか、悪くなったか、あるいは変わらなかったかを
回答させた。その結果を表15に、良くなったと答えた
人数、悪くなったと答えた人数、変わらないと答えた人
数で示す。
【0102】
【表15】
【0103】表15に示すように、魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンエチルエステルを含有した実施例7のクレンジ
ングオイルの使用後は、牛皮由来加水分解コラーゲンエ
チルエステルを含有した比較例11のクレンジングオイ
ルを使用していた時に比べて、皮膚の艶、潤い感および
なめらかさについて、パネラーの全員が「良くなった」
あるいは「変わらない」と答えていて、魚鱗由来加水分
解コラーゲンエチルエステルは従来の牛皮由来加水分解
コラーゲンエチルエステルと同等あるいはそれ以上の皮
膚に艶、潤い感やなめらかさを付与する効果を有してい
ることが明らかであった。しかも、残臭の少なさについ
ては、パネラー全員が魚鱗由来加水分解コラーゲンエチ
ルエステルを含有する実施例7のクレンジングオイルで
処理した場合は、牛皮由来加水分解コラーゲンを含有す
る比較例11のクレンジングオイルで処理した場合に比
べて、残臭が少ないと答えていて、魚鱗由来加水分解コ
ラーゲンエチルエステルは、クレンジングオイルに使用
した時には、従来の牛皮由来加水分解コラーゲンエチル
エステルより使用後の残臭が少ないことが明らかであっ
た。
【0104】皮膚化粧料の臭の比較試験 実施例1、2、3、4、5、6の皮膚化粧料およびそれ
ぞれに対応する比較例1、3、5、7、8、9の皮膚化
粧料を40℃の恒温槽に1週間保存し、保存後の臭の強
弱を10人のパネラーに比較させた。試験した実施例
1、2、3、4、5、6の皮膚化粧料に含まれる魚鱗由
来加水分解コラーゲンまたはその誘導体とそれに対応す
る比較例1、3、5、7、8、9の皮膚化粧料中に含ま
れる従来の加水分解コラーゲンまたはその誘導体は表1
6〜17に示す通りである。なお、実施例7のクレンジ
ングオイルは、配合成分中にエタノールが多量含まれて
いてアルコール臭が強いため、臭の比較試験は行わなか
った。
【0105】
【表16】
【0106】
【表17】
【0107】試験では、それぞれの皮膚化粧料50gを
容量100mlのガラス瓶に入れ、密封して40℃の恒
温槽に1週間保存した。1週間の保存終了後、各試料の
臭を、実施例と比較例を比較してどちらが臭が弱いかを
10人のパネラー(女性5人、男性5人)に評価させ
た。評価方法は、実施例および比較例それぞれの試料を
0.5gずつ左右の手の甲に取り、指で広げてその臭を
嗅ぎ比べることによって行った。その結果を表18に、
実施例の方が臭が弱いと答えた人数、比較例の方が臭が
弱いと答えた人数、どちらとも言えないと答えた人数で
示す。
【0108】
【表18】
【0109】表18に示すように、パネラー全員が実施
例の方が臭が弱いと答えていて、実施例1、2、3、
4、5および6の魚鱗由来加水分解コラーゲンまたはそ
の誘導体を含有する皮膚化粧料は、いずれも、それぞれ
に対応する比較例1、3、5、7、8および9の従来の
牛皮や豚皮由来加水分解コラーゲンまたはその誘導体を
含有する皮膚化粧料に比べて、臭が弱いとの評価であ
り、パネラー全員が比較例1、3、5、7、8および9
の皮膚化粧料は実施例1、2、3、4、5および6の皮
膚化粧料より動物臭が強いと答えていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植原 計一 大阪府東大阪市布市町1丁目2−14 株式 会社成和化成内 Fターム(参考) 4C083 AA122 AC012 AC072 AC102 AC172 AC182 AC242 AC342 AC392 AC402 AC422 AC442 AC482 AC532 AC642 AC792 AD072 AD112 AD152 AD352 AD412 AD431 AD432 CC03 CC04 CC05 CC23 CC24 DD27 DD32 DD33 DD41 EE03 EE06 EE07 EE09 EE12 FF01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその
    誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする皮膚化粧料。
  2. 【請求項2】 魚鱗由来加水分解コラーゲンが、魚鱗を
    アルカリ剤で加水分解し、得られた加水分解液を濾過
    後、濾液を蛋白質分解酵素で加水分解して得られたもの
    である請求項1記載の皮膚化粧料。
  3. 【請求項3】 魚鱗由来加水分解コラーゲンおよびその
    誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量
    が0.05〜30質量%である請求項1または2記載の
    皮膚化粧料。
  4. 【請求項4】 魚鱗由来加水分解コラーゲンの誘導体
    が、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−第4級アンモニ
    ウム誘導体、魚鱗由来加水分解コラーゲンのN−アシル
    化誘導体またはその塩、魚鱗由来加水分解コラーゲンの
    N−シリル化誘導体および魚鱗由来加水分解コラーゲン
    のエステル誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1、2または3記載の皮膚化粧料。
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