JP2007326869A - 魚鱗由来加水分解コラーゲン - Google Patents

魚鱗由来加水分解コラーゲン Download PDF

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Abstract

【課題】 化粧品に配合した際に、従来の牛皮や豚皮由来の加水分解コラーゲンと同様に、毛髪に対して艶、潤い、なめらかさや良好な櫛通り性を付与し、皮膚に対して優れた保湿性やなめらかさを付与し、しかも従来の動物由来加水分解コラーゲンのような動物臭がほとんどない魚鱗由来加水分解コラーゲンを提供する。
【解決手段】魚鱗をアルカリ剤で加水分解し、得られた加水分解液を濾過後、濾液を蛋白質分解酵素で加水分解して数平均分子量が200〜5,000の魚鱗由来加水分解コラーゲンを得、その魚鱗由来加水分解コラーゲンを化粧品用原料として用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、魚鱗由来加水分解コラーゲンに関し、さらに詳しくは、化粧品用原料として適した魚鱗由来加水分解コラーゲンに関する。
従来から、コラーゲン、ケラチン、シルク、大豆、小麦などの天然物由来の蛋白質を加水分解することによって得られる加水分解ペプチドやその誘導体を化粧品に配合することが行われてきている。これは、それらの加水分解ペプチドやその誘導体が毛髪や皮膚への収着性がよく、毛髪の損傷を防止し、損傷した毛髪を回復させたり、毛髪や皮膚に保湿感を付与する作用を有し、しかも、その加水分解ペプチドやその誘導体が天然蛋白質由来であって、毛髪や皮膚に対する刺激が少なく、安全性が高いという理由によるものである。
上記の蛋白源の中でも、コラーゲンは構成アミノ酸にヒドロキシプロリンを多量に含み、その加水分解ペプチドは毛髪や皮膚に保湿性を付与する作用が優れ、しかも優れた造膜作用を有していることから、毛髪や皮膚の保護効果や毛髪への艶の付与効果が高く、各種化粧品に広く用いられている。
しかしながら、従来用いられていた加水分解コラーゲンは、牛や豚の皮や骨を原料としたものであるため、動物由来蛋白質加水分解物特有の動物臭があり、その効果を充分に発現させる量を化粧品に配合することが困難であった。また、動物愛護の風潮や牛伝達性海綿状脳症の発生から、消費者動向は有蹄類動物由来原料を忌避する傾向にあり、牛や豚由来の加水分解コラーゲンに代わる蛋白質加水分解物が求められている。
化粧品用基材として用いられる蛋白源としては、コラーゲン以外にも、ケラチン、シルク、ミルク、コンキオリンなどの動物由来のもの、大豆蛋白、小麦蛋白などの植物由来のものが利用されているが、皮膜形成性、保湿性、艶やなめらかさの付与作用といった機能面では、加水分解コラーゲンに代わるものがないのが現状である。
そのため、牛や豚由来以外のコラーゲン源が求められ、海綿動物や魚類からのコラーゲンの製造方法が提案されていて、魚類由来のコラーゲンの製造方法としては、魚皮由来のもの(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4など)や魚鱗由来のもの(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7など)の製造方法が提案されている。しかしながら、コラーゲン源として、品質が一定な原料を確保することが困難な上に、魚皮では色素の除去、魚鱗では脱灰処理などが必要で、製造工程の煩雑さなどから、一定品質でかつ比較的高品質が要求される化粧品用原料とするには高価格になりすぎ、化粧品にはほとんど利用されていない。
さらに、一般に化粧品に用いられる加水分解コラーゲンは、毛髪や皮膚への収着性、造膜性、滑らかな感触の付与作用などの機能面から、数平均分子量が200〜5,000程度、特に350〜2,000程度のものが主であるが、上記の公報に記載された魚類由来コラーゲンの製造方法は、いずれもコラーゲンあるいはその変成物であるゼラチンの製造方法に関するものであり、化粧品用原料として使用できるようにするには、魚皮や魚鱗からコラーゲンを抽出し、その後、化粧品に見合った分子量の200〜5,000程度に加水分解する必要があった。
特開平9−278639号公報 特開2000−256398号公報 特許第2722014号公報 特許第2864459号公報 特開平5−93000号公報 特開平5−125100号公報 特開平5−155900号公報
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、化粧品に配合した際に毛髪や皮膚に対して従来の牛や豚の皮や骨を原料とした加水分解コラーゲンと同様の作用を発揮し、しかも従来の加水分解コラーゲンのような動物臭がほとんどない加水分解コラーゲンを、魚鱗から容易にかつ高収率に製造し、化粧品原料として適した魚鱗由来加水分解コラーゲンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、魚鱗を弱アルカリで加水分解し、得られた加水分解液を濾過後、濾液を蛋白質分解酵素で加水分解することによって、化粧品用原料として適した加水分解コラーゲンを容易かつ高収率に製造することができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、魚鱗から、脱灰工程やコラーゲンの抽出工程を経ることなく、毛髪や皮膚に対して従来の動物由来加水分解コラーゲンと同様の作用を発揮し、しかも従来の動物由来加水分解コラーゲンのような動物臭がほとんどない加水分解コラーゲンを容易かつ高収率に製造し、化粧品用原料として適した数平均分子量が200〜5,000の魚鱗由来加水分解コラーゲンを提供したものである。
本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、化粧品に配合した際に、毛髪や皮膚に対して従来の牛や豚の皮や骨を原料とした加水分解コラーゲンと同等の作用、すなわち、毛髪に対して、艶、潤い、なめらかさや良好な櫛通り性を付与し、皮膚に対しては優れた保湿性やなめらかさを付与する作用を発揮し、しかも従来の動物由来加水分解コラーゲンのような動物臭がほとんどないという優れた特性を有していた。
本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンの原料となる魚鱗としては、海水魚、淡水魚などの魚種を問わずいずれも使用可能であるが、入手のしやすさや取り扱いの容易さから、大型の魚で多量の鱗を有する魚、例えば、鯛、鮭、鰺、テラピア、鯉、鮒などの鱗が好ましい。一般に天日乾燥した魚鱗は、その成分の約15質量%が水分、約30質量%がカルシウムを主成分とする灰分、約55質量%が蛋白質で、その蛋白質のほとんどがコラーゲンであり、魚種による大きな違いはない。鯛(海水魚)、テラピア(淡水魚)などの鱗のアミノ酸分析の結果の一例を牛皮、豚皮由来のコラーゲンのアミノ酸分析結果と比較して表1に示すが、魚鱗由来の蛋白質のアミノ酸組成は、牛や豚などより得られるコラーゲンと大差はない。魚鱗に含まれる蛋白質は、その構成アミノ酸の約33モル%がグリシン、約12モル%がアラニン、プロリン+ヒドロキシプロリンが約20モル%であって、かつヒドロキシリシンを含むというコラーゲンの特徴を示している。ただし、魚鱗のアミノ酸分析結果では、ハーフシスチンが検出されていて、コラーゲン以外の蛋白質が若干含まれているようである。
Figure 2007326869
本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンを得るには、まず、魚鱗を弱アルカリ水溶液で加水分解するが、魚類から分離した魚鱗には魚肉や魚皮などが付着していることがあるので、それを水洗して付着物を除去した後に弱アルカリ水溶液での加水分解に供することが好ましい。また、本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、魚鱗の脱灰処理を行うことなく、水洗した魚鱗をそのまま弱アルカリ水溶液での加水分解に供して製造することができる。なお、魚鱗は粉砕したものを用いてもよい。
弱アルカリ水溶液での加水分解に使用できるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどの無機アルカリが挙げられる。また、アンモニア、有機アミンなどの有機アルカリも使用できるが、加水分解に時間を要するので、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリが好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は1〜10質量%が好ましく、2〜7.5質量%がより好ましい。すなわち、アルカリ水溶液の濃度が1質量%より低い場合は魚鱗がほとんど分解せず、また逆にアルカリ水溶液の濃度が10質量%より高い場合は魚鱗コラーゲンがアミノ酸や小ペプチドに分解して、化粧品用原料として適した数平均分子量の加水分解コラーゲンの収率が低下するおそれがある。また、魚鱗に対するアルカリ水溶液の量は少なすぎると魚鱗コラーゲンが充分に加水分解せず、逆に多すぎると加水分解後の精製工程で、濃縮や脱塩に時間を要し、作業効率が低下するので、魚鱗に対するアルカリ水溶液の量は質量比で1.1〜2.2倍程度が好ましい。
弱アルカリ水溶液での加水分解時の温度としては、50〜120℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。すなわち、加水分解時の温度が低すぎる場合は魚鱗の分解が充分に起こらず、加水分解時の温度が高すぎる場合は魚鱗コラーゲンがアミノ酸や小ペプチドに分解したり、溶液が黒くなって加水分解コラーゲンとしての商品価値が低下するおそれがある。また、加水分解時間としては、加水分解時の温度などによっても異なるが、1〜12時間が好ましく、3〜5時間がより好ましい。ただし、加水分解時の温度や時間は、原料の魚鱗の大きさや量、アルカリ水溶液のアルカリ濃度や量などによっても変わるため、魚鱗コラーゲンの分解度に応じて適した条件を選択することが好ましい。
魚鱗を弱アルカリで加水分解することによって得られた加水分解液は、濾過により分解残渣を除去するが、この際にカルシウムを主成分とする灰分の大部分が除去される。濾液は、使用する蛋白質分解酵素の至適pHに調整後、蛋白質分解酵素で加水分解するが、蛋白質分解酵素としては、例えば、パパイン、ブロメライン、サーモライシン、トリプシン、プロナーゼ、キモトリプシン、ズブチリシン、スタフィロコッカスプロテアーゼなどの中性ないしアルカリ性蛋白質分解酵素が主に用いられる。また、ペプシン、プロクターゼA、プロクターゼBなどの酸性蛋白質分解酵素も使用することができる。
酵素加水分解での分解溶液のpH、温度や時間などは、使用する酵素の種類や量により異なるが、加水分解温度としては、30〜60℃が好ましく、40〜55℃がより好ましい。また、加水分解時間は、使用する酵素の種類や量、目的とする加水分解コラーゲンの分子量の大きさなどにより異なるが、一般に1〜36時間が好ましく、12〜20時間がより好ましい。ただし、これらの酵素加水分解条件も、使用する酵素の種類や量、原料の魚鱗量などによって変わるため、得ようとする魚鱗由来加水分解コラーゲンの分子量に応じて適した条件を選択することが好ましい。
酵素加水分解後、酵素を失活させ、塩析や酸析によって水に難溶、不溶の成分を除去し、ついで、イオン交換樹脂処理、半透膜による透析処理、電気透析処理などで脱塩精製した後、pHや濃度を調整して魚鱗由来加水分解コラーゲンが得られる。また、pHを調整後、噴霧乾燥、凍結乾燥することにより、粉体化して魚鱗由来加水分解コラーゲン粉末を得ることもできる。
上記の方法で得られた魚鱗由来加水分解コラーゲンは、毛髪や皮膚に対する作用(すなわち、毛髪に対して艶、潤い、なめらかさや良好な櫛通り性を付与し、皮膚に対しては優れた保湿性やなめらかさを付与する作用など)が従来の牛や豚の皮や骨由来のコラーゲンを加水分解して得られた加水分解コラーゲンとほとんど変わらず、しかも従来の動物由来加水分解コラーゲンのような動物臭がほとんどなく、化粧品用原料として適している。
そして、本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、分子量が数平均分子量で200〜5,000の範囲内にあるものである。これは、本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンも、一般に化粧品に用いられている加水分解コラーゲンについて前述したように、この分子量範囲のものが毛髪や皮膚への収着性、造膜性、滑らかな感触の付与作用などの機能面が優れているからであり、上記範囲内で特に数平均分子量が300以上のものが好ましい。
本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、前記のように、毛髪化粧品、皮膚化粧品を問わず、各種の化粧品に配合することができるが、その対象となる化粧品としては、例えば、毛髪化粧品では、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、毛髪セット剤、整髪剤、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用剤、染毛剤、染毛料などが挙げられ、皮膚化粧品では、皮膚用クリーム、ファンデーション、化粧水、メイクアップ化粧品、乳液、ボディーシャンプーなどが挙げられる。
そして、上記化粧品に、本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンと併用して配合できる成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤類、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーなどの合成ポリマー、半合成ポリマー類、動植物油、炭化水素類、エステル油、高級アルコール類、シリコーン油などの油剤、天然多糖類、保湿剤、低級アルコール類、アミノ酸類、魚鱗以外の動植物および微生物由来の蛋白質を加水分解した加水分解ペプチドおよびそれらの四級化誘導体、エステル誘導体、アシル化誘導体およびその塩類、シリル化誘導体、動植物抽出物、防腐剤、香料などを挙げることができるが、それら以外にも本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンの有する作用を損なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例などにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%はいずれも質量%である。
実施例1
内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナトリウム70gを入れ、攪拌しながら洗浄した後、乾燥した鯛鱗910g(粗蛋白質量として約500g)を添加し、80℃で5時間攪拌を続けて鯛鱗を加水分解した。得られた加水分解液を室温まで冷却し、濾過により不溶物を除いた後、濾液を18%塩酸でpH9に調整した。この溶液にナガセ生化学工業(株)製ナガセプロテアーゼ原末(商品名)(蛋白質分解酵素)を0.2g添加し、50℃で18時間攪拌して加水分解した。酵素加水分解後、加水分解液を80℃で1時間攪拌して酵素を失活させた。この加水分解液を室温まで冷却した後、18%塩酸300gを加えて溶液のpHを3.5に調整して不溶物を析出させた。生じた不溶物を濾過により除去し、濾液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整した。ついで、この溶液を電気透析により脱塩精製し、pHを6.5に調整後、濃縮により濃度を調整し、0.45μmのメンブランにより除菌濾過して、鯛鱗由来加水分解コラーゲンの30%水溶液を1530g得た。
得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンの原料の鯛鱗に対する収率は50.4%であったが、前記のように、乾燥鯛鱗中の約30%は灰分、約15%は水分で、粗蛋白質量は約55%であるから、粗蛋白質量に対する収率(以下、「蛋白回収率」と記す)は91.7%になる。また、上記のようにして得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンの窒素量とアミノ態窒素量を測定し、数平均分子量を求めたところ510であった。
さらに、得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンを6mol/l塩酸で加水分解し、アミノ酸分析を行ったところ、その主なアミノ酸の組成は、グリシンが34.3モル%、アラニンが13.7モル%、プロリンが12.1モル%、ヒドロキシプロリンが8.0モル%で、原料の鯛鱗コラーゲンのアミノ酸組成とほぼ同じであって、コラーゲンの組成比を維持していた。
なお、本明細書中における数平均分子量は、加水分解コラーゲンの総窒素量値をアミノ態窒素量値で割った加水分解コラーゲンの平均重合度と、コラーゲンのアミノ酸分析による各種アミノ酸の存在比から求めたアミノ酸の平均分子量とを基に算出した値であり、下記の式より算出される。
Figure 2007326869
上記計算式において、平均アミノ酸分子量より「18」を引いているのは、ペプチド結合をしている場合、一つのアミノ酸につき水一分子(HO)が脱水されることになるので、「18」を引き、また、最後に「18」を足しているのは、末端COOHの「OH」の分子量「17」と末端NHの「H」の分子量「1」を足すためである。
コラーゲンの平均アミノ酸分子量は、アミノ酸の存在割合をアミノ酸分析により求め、これに各アミノ酸の分子量を掛けて合計することにより求めたもので、本明細書においては、魚鱗由来コラーゲンも牛皮や豚皮由来のコラーゲンも共にこの平均アミノ酸分子量を108としている。
実施例2
内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナトリウム40gを入れ、攪拌しながら水洗した後、乾燥したテラピア鱗910gを添加し、60℃で5時間攪拌を続けてテラピア鱗を加水分解した。得られた加水分解液を室温まで冷却し、濾過により不溶物を除いた後、濾液を18%塩酸でpH8.5に調整した。この溶液にナガセ生化学工業(株)製ナガセプロテアーゼ原末(商品名)(蛋白質分解酵素)を0.06g添加し、40℃で24時間攪拌して加水分解した。酵素加水分解後、加水分解液を80℃で1時間攪拌を続けて酵素を失活させた。この加水分解液を室温まで冷却した後、18%塩酸170gを加えて溶液のpHを3.5に調整して不溶物を析出させた。生じた不溶物を濾過により除去し、濾液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した。ついで、この溶液を電気透析により脱塩精製し、pHを6.5に調整後、濃縮により濃度を調整し、0.45μmのメンブランにより除菌濾過して、テラピア鱗由来加水分解コラーゲンの30%水溶液を1360g得た。
得られたテラピア鱗由来加水分解コラーゲンの原料のテラピア鱗に対する収率は44.8%で、蛋白回収率は81.5%であった。また、上記のようにして得られたテラピア鱗由来加水分解コラーゲンの窒素量とアミノ態窒素量を測定し、数平均分子量を求めたところ1009であった。
さらに、得られたテラピア鱗由来加水分解コラーゲンを6mol/l塩酸で加水分解し、アミノ酸分析を行ったところ、その主なアミノ酸の組成は、グリシンが31.6モル%、アラニンが12.4モル%、プロリンが12.7モル%、ヒドロキシプロリンが8.3モル%で、原料のテラピア鱗コラーゲンのアミノ酸組成とほぼ同じであって、コラーゲンの組成比を維持していた。
比較例1
水洗後乾燥した鯛鱗910gを5リットルの0.5mol/l塩酸水溶液に24時間浸漬して脱灰し、濾過により鯛鱗を分離し、水洗後乾燥した。つぎに、内容積5リットルのビーカーに0.5mol/lの酢酸水溶液を2500g入れ、攪拌しながら脱灰した鯛鱗を添加し、30℃で24時間攪拌を続けて鯛鱗コラーゲンを抽出した。抽出液を濾過により抽出残渣と分離し、濾液に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。つぎに、この鯛鱗コラーゲン水溶液にナガセ生化学工業(株)製ナガセプロテアーゼ原末(商品名)(蛋白質分解酵素)を0.2g添加し、50℃で18時間攪拌して加水分解した。酵素加水分解後、加水分解液に水酸化ナトリウム70gを添加し、65℃で3時間攪拌を続けてアルカリ加水分解を行った。アルカリ加水分解後、加水分解液を室温まで冷却した後、18%塩酸300gを加えて溶液のpHを3.5に調整して不溶物を析出させた。生じた不溶物を濾過により除去し、濾液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した。ついで、この溶液を電気透析により脱塩精製し、pHを6.5に調整後、濃縮により濃度を調整し、0.45μmのメンブランにより除菌濾過して、鯛鱗由来加水分解コラーゲンの30%水溶液を960g得た。
得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンの原料の鯛鱗に対する収率は31.6%で、蛋白回収率は56.5%であった。また、上記のようにして得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンの窒素量とアミノ態窒素量を測定し、数平均分子量を求めたところ393であった。
さらに、得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンを6mol/l塩酸で加水分解し、アミノ酸分析を行ったところ、その主なアミノ酸の組成は、グリシンが32.7モル%、アラニンが12.4モル%、プロリンが11.8モル%、ヒドロキシプロリンが8.8モル%で、原料の鯛鱗コラーゲンのアミノ酸組成とほぼ同じで、コラーゲンの組成比を維持していた。
比較例2
内容積5リットルのビーカーに0.5mol/l酢酸水溶液を2500g入れ、攪拌しながら水洗した後、乾燥したテラピア鱗910gを添加し、50℃で24時間攪拌を続けてテラピア鱗コラーゲンを抽出した。抽出液を濾過により抽出残渣と分離し、濾液に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。つぎに、このテラピア鱗コラーゲン水溶液にナガセ生化学工業(株)製ナガセプロテアーゼ原末(商品名)(蛋白質分解酵素)を0.06g添加し、50℃で18時間攪拌して加水分解した。酵素加水分解後、加水分解液に水酸化ナトリウム40gを添加し、65℃で3時間攪拌を続けてアルカリ加水分解を行った。アルカリ加水分解後、分解液を室温まで冷却した後、18%塩酸170gを加えて溶液のpHを3.5に調整して不溶物を析出させた。生じた不溶物を濾過により除去し、濾液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した。ついで、この溶液を電気透析により脱塩精製し、pHを6.5に調整後、濃縮により濃度を調整し、0.45μmのメンブランにより除菌濾過して、テラピア鱗由来加水分解コラーゲンの30%水溶液を430g得た。
得られたテラピア鱗由来加水分解コラーゲンの原料のテラピア鱗に対する収率は14.2%で、蛋白回収率は25.8%であった。また、上記のようにして得られたテラピア鱗由来加水分解コラーゲンの窒素量とアミノ態窒素量を測定し、数平均分子量を求めたところ796であった。
さらに、得られたテラピア鱗由来加水分解コラーゲンを6mol/l塩酸で加水分解し、アミノ酸分析を行ったところ、その主なアミノ酸の組成は、グリシンが32.8モル%、アラニンが13.3モル%、プロリンが10.4モル%、ヒドロキシプロリンが9.3モル%で、原料のテラピア鱗コラーゲンのアミノ酸組成とほぼ同じで、コラーゲンの組成比を維持していた。
〔実施例の魚鱗由来加水分解コラーゲンと比較例の魚鱗由来加水分解コラーゲンの比較〕
表2に実施例1〜2および比較例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲンを比較して示す。
Figure 2007326869
表2に示すように、実施例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、魚鱗のアルカリ分解、濾過、pH調整・酵素分解、酵素失活、塩酸処理(酸析)、濾過、中和、電気透析、pH調整、濃縮、メンブラン濾過と、11工程で製造されているが、比較例1の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、魚鱗の脱灰、濾過、コラーゲンの抽出、濾過の工程が増え、酵素分解後の酵素失活工程が減るため工程数が14で製造されている。また、比較例2の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、脱灰を行わずにコラーゲン抽出を行っているため、コラーゲンの抽出、濾過の工程が増え、酵素分解後の酵素失活工程が減るので工程数が12で製造されている。このように、本発明の実施例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、比較例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲンより、少ない工程数で製造することができた。
また、本発明の実施例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、原料魚鱗中の蛋白回収率(粗蛋白質量に対する窒素回収率)が80%以上と非常に高く製造することができたが、比較例1の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、工程数が多いことやコラーゲンを一度抽出分離し、その後加水分解することによって製造するため、蛋白回収率は50%程度と低くなっていた。また、比較例2の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、脱灰処理を行わないためコラーゲン抽出割合が非常に低く、従って得られる加水分解コラーゲン量も極端に少なくなった。なお、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2は、それぞれ魚鱗源が同じで、コラーゲンの分解に使用した酵素量も同じであるが、それにも拘わらず、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2とでは、得られる魚鱗由来加水分解コラーゲンの数平均分子量に違いが生じた。これは、比較例1や比較例2では、脱灰工程やコラーゲンの抽出工程で既に蛋白回収率が低下しているため、蛋白質に対する酵素量比が、実施例1や実施例2に比べて大きくなったことによるものであると考えられる。
また、実施例1〜2の製造方法で得られた魚鱗由来加水分解コラーゲン水溶液中のマグネシウム残存量やカルシウム残存量は、いずれも低く、原料の鯛鱗中のマグネシウム存在量が2352.6ppm、カルシウム存在量が169807.4ppmで、テラピア鱗中のマグネシウム存在量が2029.8ppm、カルシウム存在量が97648.6ppmであったことから、本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンでは、魚鱗の分解前に脱灰処理を施さなくてもマグネシウムやカルシウムを充分に除去した状態で製造できることが明らかであった。一方、比較例1の魚鱗由来加水分解コラーゲンでは、魚鱗コラーゲンの抽出前に脱灰処理をしたため、得られた魚鱗由来加水分解コラーゲン中のマグネシウム残存量やカルシウム残存量は実施例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲン中のマグネシウム残存量やカルシウム残存量よりやや多い程度であったが、脱灰処理をしていない魚鱗からコラーゲンを抽出して加水分解することによって製造した比較例2の魚鱗由来加水分解コラーゲンでは、魚鱗由来加水分解コラーゲン中に残存するマグネシウム量やカルシウム量が非常に多く、実施例1〜2の魚鱗由来加水分解コラーゲンに比べて品質が劣っていた。
〔毛髪への残留性試験〕
上記実施例1で得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンの毛髪表面への残留性を、比較例1で得られた鯛鱗由来加水分解コラーゲンおよび従来の牛皮由来加水分解コラーゲン(数平均分子量500)の毛髪表面への残留性と比較した。
試験用の毛束としては、あらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水の流水中でゆすいで室温で風乾した重さ約1gで長さ10cmの毛束を3本用意した。この毛束の質量を精秤した後、それらの毛束をそれぞれ実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンの10%水溶液50g中、比較例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンの10%水溶液50g中および従来の牛皮由来加水分解コラーゲンの10%水溶液50g中に40℃で5分間浸漬し、室温で10分間ハンガーに吊るして過剰の溶液を落下させて除去した後、80℃の恒温槽中で1時間乾燥した。乾燥後の毛束の質量を精秤し、処理前後の質量の変化を比較した。なお、比較対照(ブランク)にはイオン交換水を用いた。その結果を表3に示すが、数値はそれぞれ3回ずつ試験した結果の平均値である。
Figure 2007326869
*1;成和化成(株)製 プロモイスW−32R(商品名)
表3に示すように、実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンで処理した毛束の質量の増加率は5.16%であり、従来法に相当する方法で製造した比較例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンで処理した毛束の質量の増加率や牛皮由来加水分解コラーゲンで処理した毛束の質量の増加率とほとんど差がなく、本発明の製造方法で製造した鯛鱗由来加水分解コラーゲンは、従来の製造方法で製造した鯛鱗由来加水分解コラーゲンや従来の牛皮由来加水分解コラーゲンと同等の毛髪への収着力を有していることが明らかであった。なお、ブランク試験で処理後の毛束の質量が処理前に比べて減少しているのは、水での処理で毛髪中の蛋白成分が溶出したためである。
〔皮膜強度試験〕
上記実施例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンの皮膜強度を、比較例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンおよび従来の豚皮由来加水分解コラーゲン(数平均分子量1000)の皮膜強度と比較した。
試験は、JISの塗料一般試験中の鉛筆引っかき試験法(JIS K 5400、6.14)に準じて行った。すなわち、有効成分濃度が10%になるように調整した試料5gを直径9cmの円形ステンレス皿に均一に塗布し、70℃で4時間乾燥した後、さらに25℃で相対湿度59%の恒湿槽中に24時間保存して形成した皮膜を試験用膜とした。この試験用膜をJIS9H〜9Bの硬度の異なる鉛筆で、加重30g、速度1mm/秒で引っかき、傷がつかなかった最も硬い鉛筆硬度をその膜の膜強度とした。なお、試験は25℃で相対湿度58%の雰囲気中で行った。試験の結果を表4に示す。
Figure 2007326869
*2;成和化成(株)製、プロモイスW−42R(商品名)
表4に示すように、実施例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンは、比較例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンに比べて強度の高い皮膜を形成することができ、従来の豚皮由来加水分解コラーゲンと同程度の強度を有する皮膜を形成できることが明らかであった。
〔においの比較試験〕
上記実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンのにおいを、比較例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンおよび従来の牛皮由来加水分解コラーゲン(数平均分子量500)のにおいと比較した。
試験では、それぞれ有効成分濃度が20%になるように調整した試料50gをそれぞれ直径5cmで内容積100ミリリットルのビーカーに入れ、それらのビーカーをラップで覆い、50℃の湯浴上で10分間加熱した。加熱後、各ビーカーは室温まで冷却し、その後、ラップを外し、10人のパネラーににおいの強さを比較させた。その結果を表5に示すが、評価は、最もにおいの良いものを2点とし、次ににおいの良いものを1点とし、最もにおいの悪いもの(強いもの)を0点とし、評価値は10人の平均値で示す。上記の評価基準から明らかなように、評価値の高いものほど、においが良いことを示す。
Figure 2007326869
*3;成和化成(株)製、プロモイスW−32(商品名)
表5に示すように、実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンは、においの評価値が最も高く、最もにおいが良かった。これに対して、比較例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンは、実施例1と同様に鯛燐由来加水分解コラーゲンであるが、パネラーの大多数が酢酸臭がすると答え、また、牛皮由来加水分解コラーゲンはパネラーの全員が動物臭が強いと答えていて、本発明の魚鱗由来加水分解コラーゲンは、動物臭が少なく、かつ、魚鱗から酢酸によるコラーゲンの抽出工程を経ていないので、従来法による魚鱗由来加水分解コラーゲンや従来の牛皮由来加水分解コラーゲンに比べて、においの少ないことが明らかであった。
〔化粧品への応用例1〕
表6に示す組成の3種類の化粧水(実施品1および比較品1〜2の化粧水)を調製し、皮膚に適用したときの皮膚の潤い感、なめらかさおよび残臭の少なさについて評価した。なお、表6中の各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示している。これらは、応用例2の組成を示す表8においても同様である。
実施品1の化粧水には実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンを含有させ、比較品1の化粧水には実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンに代えて数平均分子量が約450の従来の牛皮由来加水分解コラーゲンを含有させ、比較品2の化粧水は加水分解コラーゲンを含有させていないブランク品である。
Figure 2007326869
*4;成和化成(株)製、プロモイスW−32R(商品名)
*5;成和化成(株)製、セイセプトH(商品名)
上記実施品1および比較品1〜2の化粧水の評価は次に示すように行った。すなわち、10人の女性パネラーの手の甲にそれぞれの化粧水を塗布し、乾燥後の皮膚の潤い感およびなめらかさについて、10人の女性パネラーに、最も良いものを2点とし、2番目に良いものを1点とし、悪いものを0点として評価させた。
また、処理後の皮膚の残臭の少なさについては、10人の女性パネラーに比較品2(ブランク品)との比較で評価させた。評価基準は下記の通りであり、評価値3はブランク品と同程度の残臭を意味し、評価値が高いほど残臭が少ないことを示している。
残臭の少なさの評価基準
残臭がブランク品とほぼ同じ 3
残臭がブランク品に比べてやや多い 2
残臭がブランク品に比べて多い 1
残臭がブランク品に比べて非常に多い 0
これらの評価試験の結果を表7に10人の平均値で示す。
Figure 2007326869
表7に示すように、処理後の皮膚の潤い感やなめらかさについては、実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンを含有する実施品1の化粧水で処理した場合も、従来の牛皮由来加水分解コラーゲンを含有する比較品1の化粧水で処理した場合とほぼ同程度の評価値であったが、残臭の少なさについては、実施例1の鯛鱗由来加水分解コラーゲンを含有する実施品1の化粧水で処理した場合は、従来の牛皮由来加水分解コラーゲンを含有する比較品1の化粧水で処理した場合に比べて評価値が高く、実施例1の鯛鱗由来魚類加水分解コラーゲンは、化粧水に含有させた場合、従来の牛皮由来加水分解コラーゲンより皮膚への動物臭の残臭が少ないことが明らかであった。
〔化粧品への応用例2〕
表8に示す組成の3種類のヘアリンス(実施品2および比較品3〜4のヘアリンス)を調製し、それぞれのヘアリンスをシャンプーで洗浄した毛髪に使用して、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性および処理後の毛髪の残臭の少なさについて評価した。
実施品2のヘアリンスには実施例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンを含有させ、比較品3のヘアリンスには実施例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンに代えて数平均分子量約1000の豚皮由来加水分解コラーゲンを含有させ、比較品4のヘアリンスは加水分解コラーゲンを含有させていないブランク品である。
Figure 2007326869
*6;成和化成(株)製、プロモイスW−42R(商品名)
上記ヘアリンスによる処理に先立ち、試験用毛束として、長さ15cmで重さ1gの毛束を3本用意し、それらの毛束を加水分解ペプチドやその誘導体を含まない市販のシャンプーで洗浄し、お湯でゆすいでおいた。この洗浄後の毛束に対して、上記実施品2および比較品3〜4のヘアリンスをそれぞれ2gずつ用いて処理し、お湯でゆすいだ。このシャンプー洗浄とヘアリンス処理を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性および残臭の少なさを応用例1と同様の評価基準で10人の女性パネラーに評価させた。その結果を表9に10人の平均値で示す。
Figure 2007326869
表9に示すように、実施例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンを含有する実施品2のヘアリンスで処理した毛髪は、従来の豚皮由来加水分解コラーゲンを含有する比較品3のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、なめらかさについての評価値が高く、艶、潤い感および櫛通り性については同等かまたはやや高い評価値であり、実施例2のテラピア鱗由来加水分解コラーゲンが従来の豚皮由来加水分解コラーゲンに比べて遜色のない効果を毛髪に付与できることが明らかであった。そして、処理後の毛髪の残臭の少なさについては、実施品2のヘアリンスで処理した場合は比較品3のヘアリンスで処理した場合に比べて評価値が高く、パネラーの大多数が、実施品2のヘアリンスで処理した毛髪は、比較品3のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、動物臭が少ないと答えていた。

Claims (1)

  1. 魚鱗をアルカリ剤で加水分解し、得られた加水分解液を濾過後、濾液を蛋白質分解酵素で加水分解して得られた数平均分子量が200〜5,000であることを特徴とする魚鱗由来加水分解コラーゲン。
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