JP6867668B2 - コラーゲン産生促進剤および該コラーゲン産生促進剤を含有する皮膚化粧料 - Google Patents

コラーゲン産生促進剤および該コラーゲン産生促進剤を含有する皮膚化粧料 Download PDF

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本発明は、コラーゲンの産生を促進する作用を有するコラーゲン産生促進剤および該コラーゲン産生促進剤を含有する皮膚化粧料に関し、さらに詳しくは、アミノ酸平均重合度が3〜10であり、かつコラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの量が5質量%以下であるコラーゲン加水分解物の炭素数8〜18の脂肪酸N−アシル化誘導体である、N−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩からなり、皮膚の肌荒れを防止し、シワの発生や皮膚の弾力低下を防止する効果を有するコラーゲン産生促進剤、および、該コラーゲン産生促進剤を含有する皮膚化粧料に関する。
ヒトの皮膚は、主に、表皮層及び真皮層から構成され、真皮層は皮膚の90%以上の体積を占め、皮膚を支える働きを担っている。この真皮層が皮膚表面のはりやシワなどの表面形態に大きな影響を与えている。この真皮層は加齢と共に薄くなることが知られており、真皮層が薄くなり、衰えてくるとことが皮膚のシワやたるみなどの老化現象の要因となると言われている。そのため、皮膚の老化の予防や改善することが求められていて、皮膚老化防止のための種々のコラーゲン産生促進物質が使用され、また、提案されている。
コラーゲン産生促進物質としては、植物抽出物、糖誘導体、タンパク質及びその誘導体などについての多くの報告があり、これらのうちタンパク質関連では、例えば、タンパク質を用いたもの(特許文献1など)、比較的分子量の大きいタンパク質加水分解物を用いたもの(特許文献2など)、低分子のタンパク質加水分解物を用いたもの(特許文献3など)がある。また、コラーゲン産生促進効果を有する合成ペプチドの報告(特許文献4など)もあり、コラーゲンタンパク質構成の主アミノ酸であるグリシンとプロリンとアラニンを混合したアミノ酸混合物を用いたものもある(特許文献5)。さらに、タンパク質の誘導体では、アシル化誘導体を用いたもの(特許文献6、7及び8など)がある。
このように、タンパク質関連物質だけでも数多くの報告、提案があるものの、使用者を充分に満足させるものは少なかった。特異なタンパク質を用いたものとして、乳タンパク中の特殊なタンパク質の酵素分解物をコラーゲン産生促進剤として使用する提案もあるが(特許文献8など)、特殊なタンパク質をクロマトグラフィーで分離精製する必要があり、製造工程が煩雑で高いコストを要するなどの問題がある。また、コラーゲン産生促進効果を有する合成ペプチド及びその誘導体(特許文献4、6及び7など)でも、ペプチドは固相法や液相法で合成していて、同様に高コストになるという問題があった。
特開2002−212069号公報 特許第375894号公報 特開2003−137807号公報 特許第4033877号公報 特許第3159419号公報 特開2011−042613号公報 特開2016−027034号公報 特許第5937465号公報
従って、本発明は、上記のような事情に鑑み、製造が容易で、かつ、優れたコラーゲン産生促進効果を発揮するコラーゲン産生促進剤の提供と、該コラーゲン産生促進剤を含有する、皮膚の肌荒れを防止し、シワの発生や皮膚の弾力低下を防止する効果を有する皮膚化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、コラーゲン加水分解物のアシル化物であって、コラーゲン加水分解物のアミノ酸平均重合度が3〜10であり、かつ、コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの量が固形分換算で、コラーゲン加水分解物の全量を100として5質量%以下であるコラーゲンの加水分解物の炭素数8〜18の脂肪酸アシル化物である、N−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩が高いコラーゲン産生促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、コラーゲン加水分解物のアシル化物であって、コラーゲン加水分解物のアミノ酸平均重合度が3〜10であり、かつ、コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの存在量が固形分換算で、コラーゲン加水分解物の全量を100として5質量%以下であるコラーゲンの加水分解物の炭素数8〜18の脂肪酸アシル化誘導体である、N−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩からなるコラーゲン産生促進剤である。
そして、コラーゲンの中でも、皮膚化粧料に配合した際のにおいの点から、魚鱗由来のコラーゲンを用いるのがより好ましい化粧料とすることができるため、コラーゲンが魚鱗由来のコラーゲンである請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤を請求項2に係わる発明とする。
請求項3に関する発明は、請求項1または2に記載のN−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩からなるコラーゲン産生促進剤を0.001〜5質量%含有する、皮膚の肌荒れやシワの発生や皮膚の弾力低下を防止できる皮膚化粧料である。
製造が容易で、かつ、コラーゲン産生を促進する効果を有するコラーゲン産生促進剤であり、化粧料として皮膚に適用した際には、皮膚の肌荒れ、皮膚の弾力低下、皮膚のかさつきなどを防止する効果を発揮する。
本明細書で用いるアミノ酸平均重合度は、コラーゲン分解物の総窒素量とアミノ態窒素量との比から求めたものであり、総窒素量はケルダール法やデュマ法で測定することができ、アミノ態窒素量は、ヴァン・スライク(Van Slyke)法やホルモール窒素測定法で測定できる。なお、アミノ酸重合度の計算では、正確には塩基性アミノ酸の存在量を加味してアミノ態窒素量を補正する必要があるが、コラーゲンでは、塩基性アミノ酸の存在量が少ないこともあり、本明細書のアミノ酸平均重合度の計算では、塩基性アミノ酸存在量に応じた補正計算は行っていない。なお、コラーゲンの加水分解物は、分子量の異なる(アミノ酸重合度の異なる)ペプチドの混合物として得られるため、総窒素量とアミノ態窒素量の測定値から算出したアミノ酸平均重合度は、整数になるとは限らない。
本発明のコラーゲン産生促進剤は、アミノ酸平均重合度が3〜10であり、かつ、コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの存在量が固形分換算で、コラーゲン加水分解物の全量の5質量%以下であるコラーゲンの加水分解物の炭素数8〜18の脂肪酸アシル化誘導体またはその塩からなるが、原料となるコラーゲンとしては、牛、豚などの哺乳動物の皮や骨、鶏などの鳥類の皮や骨、魚類の皮や鱗、貝類の貝柱や斧足部などを利用でき、特に制限はない。また、コラーゲンを変性したゼラチンも使用できる。ただ、本発明のコラーゲン産生促進剤は、主に皮膚化粧料や皮膚外用剤に配合することを目的とするため、加水分解後のにおいが弱い海産動物由来、特に魚鱗由来のコラーゲンを用いるのが好ましい。
アシル化誘導体の原料となるコラーゲン加水分解物は、コラーゲンまたはゼラチンを加水分解したものであり、加水分解は、無機酸や有機酸などによる酸分解、アルカリ金属などによるアルカリ分解、蛋白質分解酵素による酵素分解、およびそれらの組み合わせによる分解法など、公知の方法で行うことができる。ただ、分解後の着色や着臭の少なさから、蛋白質分解酵素を利用するのが好ましい。
コラーゲンの分解では、酵素量や酸、アルカリの量を調整して、分解物のアミノ酸平均重合度がはぼ3〜10になるよう使用する酵素、酸、アルカリ剤の量を調整するが、分解終了時には遊離のアミノ酸やジペプチドも生じている。そのため、次の脱遊離アミノ酸の工程でアミノ酸を除去すると計算上重合度は大きくなる。従って、コラーゲンの分解では、分解終了時のアミノ酸重合度を、目的とするアミノ酸重合度よりやや小さめまで分解しておくのが好ましい。
コラーゲンをアミノ酸平均重合度が10以下になるなるように分解すると、遊離のアミノ酸やジペプチドも生じているが、本発明のコラーゲン産生促進剤の原料となるコラーゲン加水分解物では、この遊離アミノ酸とジペプチドの存在量を、固形分換算で、コラーゲン加水分解物全量中5質量%以下にしておく必要がある。これは、コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸やジペプチドの存在量が5質量%を超えると、細胞毒性を起こすためか、コラーゲン産生促進効果が低下するか、あるいは、その効果が見られなくなるためである。なお、アミノ酸のN−アシル化誘導体を用いたコラーゲン産生促進剤の報告もあるが、本発明者らはやや異なった結果を得ている。
遊離アミノ酸の除去は、一般的に脱塩のために用いられている電気透析装置で行うことができ、アミノ酸の種類やペプチドの電荷状態によってはジペプチドも除去することができる。また、イオン交換樹脂でもアミノ酸やジペプチドを樹脂に吸着させて分離することができる。さらに、透析膜を用いて水に対して透析処理を行うことでもアミノ酸や低分子量のペプチドを除くことができるが、透析膜では、アミノ酸やジペプチドだけでなく、トリペプチドやテトラペプチドなどの本発明のコラーゲン産生促進剤であるN−アシル化加水分解コラーゲンの原料となる加水分解コラーゲンの主成分のペプチドまで除去されてしまうものが多く、経済性の面や工場での作業性の面で他の方法より劣るため、電気透析やイオン交換樹脂処理による方法が好ましい。
コラーゲン加水分解物は、アミノ酸平均重合度が3〜10になるようにする必要があるが、これは、アミノ酸平均重合度が3未満でも、10を超えてもコラーゲン産生を促進する効果が低下するためである。そのため、アミノ酸平均重合度が4〜8の範囲にあるとより好ましい結果が得られる。また、アミノ酸平均重合度が3〜10のものが、全ペプチド中、95質量%を超える必要があるが(コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸およびジペプチドの存在量が5質量%以下)、これは、遊離アミノ酸やジペプチドの存在量が5質量%を超えると、コラーゲン産生を促進する効果が低下するためである。
遊離のアミノ酸量は、アミノ酸自動分析装置(オートアナライザー)で定量でき、ジペプチド類もコラーゲンに含まれるアミノ酸から生じるジペプチドでは大部分を定量することができる。アミノ酸自動分析装置では、アミノ酸や低分子ペプチドはイオン交換樹脂で分離され、アミノ酸や既知のペプチドなどを標準試料として先に分析しておくことで、試料を定量分析することができる。低分子量ペプチド用のサイズ排除クロマトグラフィー(ゲル濾過クロマトグラフィー)用カラムやODSカラムを用いた液体クロマトグラフィーでも、一定量の分子量以上あるいは一定量の分子量以下のペプチドの全体に占める存在割合を推測することは可能であるが、サイズ排除用カラムやODSカラムを用いたクロマトグラフィーでは、リテンションタイムが遅くなる程クロマトピークはブロードになり、その位置での標準試料があっても、各種アミノ酸や低分子量ペプチドの分離が困難なため定量性に乏しく、遊離アミノ酸や遊離のジペプチドの存在量の算出には不向きである。
次に、上記のようにして得られたコラーゲン加水分解物を脂肪酸と反応させてN−アシル化誘導体にするが、N−アシル化反応は、Shotten−Baumann法などの公知の方法で行うことができる。すなわち、コラーゲン加水分解物のN末端アミノ基を脂肪酸のハロゲン変性誘導体に対して求核反応させることによってN−アシル化加水分解コラーゲンが得られる。より具体的には、pHを9〜11に調整したコラーゲン加水分解物を含む水溶液を40〜60℃に加温し、攪拌しながら脂肪酸クロライドを滴下して反応させることでN−アシル化加水分解コラーゲンが得られる。
コラーゲン加水分解物のN−アシル化反応に用いる脂肪酸としては、炭素数が8〜18個の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和または不飽和の脂肪酸およびそれらの混合物であり、具体的には、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸などが挙げられる。
用いる脂肪酸の炭素数を8〜18としているのは、脂肪酸の炭素数が前記範囲より大きくなると、加水分解コラーゲンのN−アシル化誘導体の塩が水溶性を保つことができなくなって、化粧料に配合しにくくなるためであり、また、脂肪酸の炭素数が前記範囲より小さい場合は、コラーゲン産生促進作用が低下するか、あるいはコラーゲン産生促進作用が見られないためである。従って、用いる脂肪酸の炭素数の範囲は8〜18であり、炭素数12〜16のものがより好ましい。
N−アシル化の方法としては、脂肪酸ハライドによる方法のほか、150℃〜200℃の高温、高圧下、ペプチドと脂肪酸または脂肪酸の低級アルコールエステルを処理し、脱水縮合、脱アルコール縮合させる方法や、高級脂肪酸を例えばN−オキシコハク酸イミドエステル、N−フタルイミドエステルなどのカルボキシ基活性誘導体とした上で、ペプチド類と反応させる方法もあるが、脂肪酸ハライド法に比べて工程が煩雑な上、反応性が脂肪酸ハライド法ほど高くはなく、脂肪酸ハライド法が反応性、容易性、経済性の面で優れている。
いずれの方法によるにせよ、得られたアシル化物は、好ましくは塩酸、硫酸などの強酸の水溶液中に放出して遊離物を浮遊沈殿として採取し、これを水洗して精製し、各種溶媒に好ましい濃度に溶かすか、或いは、水洗して精製後、中和して塩の形にして水またはエタノール、多価アルコールなどの溶剤に溶かして好ましい濃度の溶液状にし、コラーゲン産生促進剤として使用する。また、得られたN−アシル化加水分解コラーゲンの溶液を乾燥して粉末状にし、コラーゲン産生促進剤として使用してもよい。
上記のように、遊離アミノ酸やジペプチドを除去処理したペプチド液をアシル化して得られたコラーゲン加水分解物のN−アシル化誘導体は、下記の一般式(I)
Figure 0006867668
〔式中、RCOは炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸残基を表し、Rはコラーゲンを構成するアミノ酸の側鎖を示し、mは1〜8で、Mは一価もしくは二価の金属原子(二価の金属原子の場合は1/2当量)、NHまたは有機アミン化合物のオニウムを示す〕で表されるか、この一般式(I)と、下記一般式(II)
Figure 0006867668
〔式中、RCO、RおよびMは上記一般式(I)に同じで、nは0又は1である〕で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンの混合物であり、アシル化反応に用いるコラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの存在割合が5質量%以下のため、計算上、一般式(II)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンの存在量が固形分換算で、一般式(I)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンと一般式(II)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンの合計質量を100として、12質量%以下であると推測される。
上記一般式(I)および一般式(II)において、Mは一価もしくは二価の金属原子(ただし、二価の金属原子の場合は1/2当量)、NHまたは有機アミン化合物のオニウムであり、上記一価の金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が挙げられ、二価の金属原子としては、例えば、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、マグネシウムなどが挙げられる。ただし、二価の金属原子を用いる場合は、1金属原子が2分子のアシル化加水分解コラーゲンと中和塩を形成するので、上記一般式(I)や上記一般式(II)におけるMとしては、その1/2当量を使用することになる。NHはアンモニアに由来するものであり、また、オニウムを形成しうる有機アミン化合物としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどのアルカノールアミン、リシン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸、グアニジン、アミドアミンなどが挙げられる。
そして、上記N−アシル化誘導体の塩の好適な具体例としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩などが挙げられる。
本発明の皮膚化粧料は、コラーゲン加水分解物のアシル化物であって、コラーゲン加水分解物のアミノ酸平均重合度が3〜10であり、かつ、コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの量が固形分換算でコラーゲン加水分解物の全量を100として5質量%以下であるコラーゲン加水分解物の、炭素数8〜18の脂肪酸アシル化誘導体またはその塩からなるコラーゲン産生促進剤を0.001〜5質量%含有させて構成されるが、該コラーゲン産生促進剤は、上記一般式(I)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲン誘導体、または、一般式(I)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲン誘導体と一般式(II)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンの混合物であり、アシル化反応に用いるコラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの存在割合が5質量%以下のため、計算上、一般式(II)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンの存在量が固形分換算で、一般式(I)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンと一般式(II)で表されるN−アシル化加水分解コラーゲンの合計質量を100として、12質量%以下であると推測される。
そして、皮膚化粧料としては、例えば、皮膚用クリーム類、乳液、洗顔液、クレンジング化粧料、スキンケアジェル、美容液、化粧水などが挙げられる。なお、本明細書でいう皮膚化粧料には、化粧料の範疇に入らない皮膚外用剤も含まれる。
本発明の皮膚化粧料には、コラーゲン産生促進剤の特性を損なわない範囲で、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、増粘剤、植物抽出物、ポリサッカライド又はその誘導体、コラーゲン以外の動植物及び微生物由来のタンパク質の加水分解物およびその誘導体類、アミノ酸類、湿潤剤、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、シリコーン類、各種染料や顔料、防腐剤、香料、金属封鎖剤などを添加することができる。
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の製造例、実施例および比較例で用いる%は、いずれも質量%である。また、以下の製造例や実施例で使用する総窒素量は、改良デュマ法による窒素・炭素測定装置〔(株)住化分析センター製のSUMIGRAPH NC−22A(商品名)〕を用いて測定し、アミノ態窒素量はVan Slyke法で測定したものである。また、遊離アミノ酸量とジペプチド量は、(株)日立製の高速アミノ酸分析計L−8800(商品名)〕を用いて定量分析したが、帰属不明なピークは、Gly−Alaを標準試料として定量した。
実施例に先立って、実施例や比較例に用いるN−アシル化加水分解コラーゲンの原料となるコラーゲン加水分解物の製造例、N−アシル化加水分解コラーゲンの塩の製造例、比較品として用いるN−アシル化加水分解コラーゲンの塩の製造例を記す。なお、以下で用いる「脱アミノ酸処理」の語は、脱アミノ酸と脱ジペプチドの両方を含んだ処理を意味している。
〔コラーゲン加水分解物の製造例1:アミノ酸平均重合度5.1〕
2リットルのビーカーに水900mLを入れ、水酸化ナトリウム6.6gを溶解し、60℃に加温し、攪拌しながら魚鱗由来のゼラチン600gを添加して溶解した。このゼラチン溶液の温度を50℃にまで下げ、タンパク質分解酵素である長瀬産業(株)製の力価80万単位/gのプロテアーゼ原末(商品名)を54mg添加し、45〜55℃で18時間攪拌を続けて分解し、次いで、水酸化ナトリウムを45g添加し、液温を65℃に上げて3時間攪拌分解した。冷却後この分解液を濾過して不溶物を除去し、18%塩酸水溶液を添加しpHを4に調整して室温で一晩放置した。生じた濁りを濾過で除去し、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7にし、濃縮して固形分濃度を40%に調整して、コラーゲン加水分解物水溶液を1450g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量を測定してアミノ酸の平均重合度を求めたところ、アミノ酸平均重合度は5.1であった。この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、帰属不明のピークが多く、やや不正確であるが、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり約17質量%存在していた。
〔コラーゲン加水分解物の製造例2:アミノ酸平均重合度5.4、脱アミノ酸処理〕
上記コラーゲン加水分解物の製造例1で得られたコラーゲン加水分解物溶液1000gを分取し、電気透析装置で約5時間処理し、脱塩・脱アミノ酸処理操作を行った。処理中、時々pHを確認し、18%塩酸水溶液又は25%水酸化ナトリウム水溶液で、溶液のpHが6.5〜7.5になるようにした(コラーゲン加水分解物は、等電点が酸性側にあるため、対塩が除去されると溶液は酸性側に傾く)。電気透析処理後、溶液を濾過して濁り等を除去し、濃縮して固形分濃度40%のコラーゲン加水分解物の水溶液を770g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量を測定してアミノ酸の平均重合度を求めたところ、アミノ酸平均重合度は5.4であった。また、この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり3.3質量%であり、その他に、帰属不明の、ジペプチドと思われるピークが約0.2%(Gly−Alaを基準量として)存在していた。
〔コラーゲン加水分解物の製造例3:アミノ酸平均重合度5.6、脱アミノ酸処理2回〕
上記コラーゲン加水分解物の製造例2で得られたコラーゲン加水分解物水溶液から400gを強酸性イオン交換樹脂のAmberlite IR−120B〔オルガノ(株)製、商品名)を50mL充填したカラムに通し、遊離のアミノ酸やジペプチドを吸着させて除去した。カラム通過液を5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、濃縮して固形分濃度40%のコラーゲン加水分解物の水溶液を365g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量から求めたアミノ酸平均重合度は5.6であり、アミノ酸分析装置での測定では、遊離のアミノ酸やジペプチドは、定量できるほどの量は検出されなかった。
〔コラーゲン加水分解物の製造例4:アミノ酸平均重合度9.7〕
2リットルのビーカーに水750mLを入れ、水酸化ナトリウム5.5gを溶解し、60℃に加温し、攪拌しながら魚鱗由来のゼラチン500gを添加して溶解した。このゼラチン溶液の温度を50℃にまで下げ、タンパク質分解酵素の力価80万単位/gのプロテアーゼ原末〔長瀬産業(株)製、商品名〕を48mg添加し、45〜55℃で3.5時間攪拌を続けて分解した。冷却後この分解液を濾過して不溶物を除去し、18%塩酸水溶液を添加しpHを4に調整して室温で一晩放置した。生じた濁りを濾過で除去し、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7にし、固形分濃度を40%に調整して、コラーゲン加水分解物水溶液を約1230g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量を測定してアミノ酸の平均重合度を求めたところ、アミノ酸平均重合度は9.7であった。この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり約12質量%であった。
〔コラーゲン加水分解物の製造例5:アミノ酸平均重合度9.9、脱アミノ酸処理〕
上記コラーゲン加水分解物の製造例4で得られたコラーゲン加水分解物溶液500gを分取し、電気透析装置で約5時間処理し、脱塩・脱アミノ酸処理操作を行った。処理中、時々pHを確認し、18%塩酸水溶液又は25%水酸化ナトリウム水溶液で、溶液のpHが6.5〜7.5になるようにした。電気透析処理後、溶液を濾過して濁り等を除去し、濃縮して濃度を調整し、固形分濃度40%のコラーゲン加水分解物の水溶液を377g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量を測定してアミノ酸の平均重合度を求めたところ、アミノ酸平均重合度は9.9であった。また、この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり3.5質量%であり、その他に、帰属不明の、ジペプチドと思われるピークが約0.1%(Gly−Alaを基準量として)存在していた。
〔コラーゲン加水分解物の製造例6:アミノ酸平均重合度18.1〕
2リットルのビーカーに水600mLを入れ、水酸化ナトリウム13gを溶解し、60℃に加温し、攪拌しながら魚鱗由来のゼラチン400gを添加して溶解し、次いで溶液の温度を80℃まで上げて、1時間攪拌分解した。冷却後、濾過して不溶物を除去し、18%塩酸水溶液を添加してpHを4に調整し、室温で一晩放置した。生じた濁りを濾過で除去し、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7にし、濃縮して濃度を調整して、固形分濃度40%のコラーゲン加水分解物水溶液を950g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量を測定してアミノ酸の平均重合度を求めたところ、アミノ酸平均重合度は18.1であった。また、この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、帰属不明のピークが多く、やや不正確であるが、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり約15質量%であった。
〔コラーゲン加水分解物の製造例7:アミノ酸平均重合度18.5、脱アミノ酸処理〕
上記コラーゲン加水分解物の製造例6で得られたコラーゲン加水分解物水溶液から450gを分取し、電気透析装置で約5時間処理し、脱塩・脱アミノ酸処理操作を行った。処理中、時々pHを確認し、18%塩酸水溶液又は25%水酸化ナトリウム水溶液で、溶液のpHが6.5〜7.5になるようにした。電気透析処理後、溶液を濾過して濁り等を除去し、濃度を調整して、固形分濃度40%のコラーゲン加水分解物の水溶液を350g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量を測定してアミノ酸の平均重合度を求めたところ、アミノ酸平均重合度は18.5であった。また、この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり3.2質量%であり、その他に、帰属不明の、ジペプチドと思われるピークが約0.2%(Gly−Alaを基準量として)存在していた。
〔コラーゲン加水分解物の製造例8:アミノ酸平均重合度3.1〕
2リットルのビーカーに水600mLを入れ、水酸化ナトリウム1.1gを溶解し、65℃に加温し、攪拌しながら魚鱗由来のゼラチン400gを添加して溶解した。このゼラチン溶液の温度を50℃にまで下げ、タンパク質分解酵素である長瀬産業(株)製の力価80万単位/gのプロテアーゼ原末(商品名)を40mg添加し、45〜50℃で18時間攪拌を続けて分解した。次いで、水酸化ナトリウムを84g添加し、液温を65℃に上げて3時間攪拌分解した。冷却後、この分解液を濾過して不溶物を除去し、18%塩酸水溶液を添加しpHを4に調整して室温で一晩放置した。生じた濁りを濾過で除去し、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7にし、濃縮して濃度を調整して、固形分濃度40%のコラーゲン加水分解物水溶液を950g得た。この溶液のアミノ態窒素量と総窒素量から求めたアミノ酸の平均重合度は3.1であった。また、この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したが、帰属不明のピークが非常に多く、不正確であるが、遊離のアミノ酸とジペプチド量は全ペプチド当たり20質量%以上と考えられた。
〔コラーゲン加水分解物の製造例9:アミノ酸平均重合度3.2、脱アミノ酸処理〕
上記コラーゲン加水分解物の製造例8で得られたコラーゲン加水分解物水溶液400gを電気透析装置で約5時間処理し、脱塩・脱アミノ酸処理操作を行った。処理中、時々pHを確認し、18%塩酸水溶液又は25%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に保つようにした。電気透析処理後、溶液を濾過して濁り等を除去し、濃縮して濃度を調整し、固形分濃度40%のゼラチン分解液を220g得た。アミノ態窒素量と総窒素量を測定して求めたアミノ酸平均重合度は3.2であった。また、この分解液をアミノ酸分析装置で遊離アミノ酸量を測定したところ、遊離のアミノ酸とジペプチド量はコラーゲン加水分解物全量の4.1%であった。
〔コラーゲン産生促進剤の製造例1:N−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度5.6)のカリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例3で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、ヤシ油脂肪酸クロライド34g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。ヤシ油脂肪酸クロライドの滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は97%であった。反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、アシル化物を浮遊沈殿として未反応のペプチドと分離した。浮遊沈殿は、ほぼ同量の5%食塩水で2回洗浄後、アシル化物とほぼ同量の水で水洗した。次いで、20%水酸化カリウム水溶液でpHを7に調整し、濃度調整してN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンのカリウム塩の30%水溶液を310g得た。
〔コラーゲン産生促進剤の製造例2:N−オクタノイル加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度5.4)のカリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例2で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、オクタノイルクロライド23.8g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。オクタノイルクロライドの滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は92.8%であった。反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、アシル化物を浮遊沈殿として未反応のペプチドと分離した。浮遊沈殿は、ほぼ同量の5%食塩水で2回洗浄後、アシル化物とほぼ同量の水で水洗した。次いで、20%水酸化カリウム水溶液でpHを7に調整し、濃度調整してN−オクタノイル加水分解コラーゲンのカリウム塩の30%水溶液を280g得た。
〔コラーゲン産生促進剤の製造例3:N−ラウロイル加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度9.9)のナトリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例5で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、ラウリン酸クロライド18.5g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。ラウリン酸クロリドの滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は96.5%であった。アシル化反応後、反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、アシル化物を浮遊沈殿として未反応のペプチドと分離した。浮遊沈殿は、水洗後、20%水酸化ナトリウム水溶液で中和してpHを7に調整し、濃度を調整してN−ラウロイル加水分解コラーゲンのナトリウム塩の30%水溶液を233g得た。
〔コラーゲン産生促進剤の製造例4:N−イソステアロイル加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度3.2)のアミノメチルプロパンジオール塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例8で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに移し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、溶液を攪拌しながらコラーゲン加水分解物のN末端のアミノ基のモル数に対して1当量のイソステアリン酸クロライド77gを2時間かけて滴下した。その間溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。イソステアリン酸クロライドの滴下終了後さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は90.8%であった。反応物のpHを希硫酸で約2に調整し、反応物と同量のイソブタノールを添加して攪拌してアシル化物をイソブタノール層に移行させ、水相を除去した。得られらイソブタノールは同量の5%食塩水で2回洗浄後、イオン交換水で1回洗浄し、減圧濃縮によりイソブタノールを除去した。この溶液を2−アミノ−2−メチル1,3−プロパンジオールでpH7に調整し、水とエタノールを加えて濃度を調整し、N−イソステアロイル加水分解コラーゲンの2−アミノ−2−メチル1,3−プロパンジオール塩の50%水溶液とエタノールとの質量比1:1の混合液を570g得た。
〔比較品の製造例1:N−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度5.1)のカリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例1で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、ヤシ油脂肪酸クロライド36g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。ヤシ油脂肪酸クロリドの滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は97%であった。反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、アシル化物を浮遊沈殿として未反応のペプチドと分離した。浮遊沈殿は、ほぼ同量の5%食塩水で2回洗浄後、アシル化物とほぼ同量の水で水洗した。次いで、20%水酸化カリウム水溶液でpHを7に調整し、濃度調整してN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンのカリウム塩の30%水溶液を278g得た。
〔比較品の製造例2:N−ラウロイル加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度9.7)のナトリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例4で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、ラウリン酸クロライド20.5g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。ラウリン酸クロライドの滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は96.5%であった。アシル化反応後、反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、アシル化物を浮遊沈殿として未反応のペプチドと分離した。浮遊沈殿は、水洗後、20%水酸化ナトリウム水溶液で中和してpHを7に調整し、濃度を調整してN−ラウロイル加水分解コラーゲンのナトリウム塩の30%水溶液を266g得た。
〔比較品の製造例3:N−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度18.5)のカリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例7で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、ヤシ油脂肪酸クロライド10.7g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。ヤシ油脂肪酸クロライドの滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は97%であった。反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、アシル化物を浮遊沈殿として未反応のペプチドと分離した。浮遊沈殿は、ほぼ同量の5%食塩水で2回洗浄後、アシル化物とほぼ同量の水で水洗した。次いで、20%水酸化カリウム水溶液でpHを7に調整し、濃度調整してN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンのカリウム塩の30%水溶液を244g得た。
〔比較品の製造例4:N−アセチル加水分解コラーゲン(アミノ酸平均重合度5.5)のカリウム塩〕
コラーゲン加水分解物の製造例2で得たコラーゲン加水分解物水溶液200gを1リットルのビーカーに入れ、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8〜9.5に調整した。液温を50℃に保ち、攪拌しながら、アセチルクロライド78g(コラーゲン加水分解物のアミノ基のモル数に対し1当量)を2時間かけて滴下した。その間、溶液のpHが9付近になるように25%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加した。アセチルクロライドの滴下終了後、、さらに1時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応前後でのアミノ態窒素量から求めた反応率は96%であった。反応液を希硫酸でpHを約2に調整し、反応物と同量のイソブタノールを添加して攪拌してアシル化物をイソブタノール層に移行させ、水相を除去した。得られらイソブタノールは同量の5%食塩水で2回洗浄後、イオン交換水で1回洗浄し、減圧濃縮によりイソブタノールを除去した。得られたアシル化物に水を加え、20%水酸化カリウム水溶液でpHを7に調整し、濃度調整してN−アセチル加水分解コラーゲンのカリウム塩の30%水溶液を269g得た。
〔コラーゲン産生促進評価試験〕
コラーゲン産生促進剤の製造例1〜4のN−アシル化加水分解コラーゲンの塩を実施例1〜4とし、比較品の製造例1〜4のN−アシル化加水分解コラーゲンの塩を比較例1〜4とし、さらに、市販品のアシルアミノ酸である、N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウムを比較例5とし、それぞれのコラーゲン産生促進作用を下記の方法で評価した。
コラーゲン産生促進評価試験法は、正常ヒト皮膚線維芽細胞を5%牛胎児血清(以下、FBSと言う)含有D−MEM培地を用いて、96穴プレートに2.5×10cells/wellで播種し、37℃で、5%CO下で24時間培養を行い、培養後、培地を除去し、試料が所定の濃度になるように添加調整したD−MEM培地を各ウェルに添加し、さらに48時間培養した。培養終了後、培養上清中のI型コラーゲンをELISA assayで測定した。N−アシル化加水分解コラーゲンを用いていないコントロール群のコラーゲン産生促進量を100%として、各被検培養液中のコラーゲン量を算出した。その試験結果を表1に示す。なお、各実施例および各比較例の添加濃度は固形分換算での濃度である。
Figure 0006867668
実施例1〜4はいずれも脱遊離アミノ酸処理をした加水分解コラーゲン液を用いてN−アシル化したものであるが、アミノ酸の平均重合度が5.6(実施例1)、重合度が5.5(実施例2)、平均重合度が9.9(実施例3)、重合度が3.2(実施例4)のいずれもコラーゲン産生促進効果が見られた。一方比較例では、遊離のアミノ酸が多い場合、アミノ酸重合度が5付近でも(比較例1)、アミノ酸重合度10付近でも(比較例2)効果が認められず、アミノ酸重合度が20近くでは脱アミノ酸処理液でも効果が見られなかった(比較例3)。また、脱遊離アミノ酸処理をしたアミノ酸重合度が5付近の加水分解コラーゲン液を用いても、アセチル基のようなアシル基の炭素数が小さいアシル化加水分解コラーゲンではコラーゲン産生促進効果は見られず(比較例4)、さらに、アシルアミノ酸では効果が確認できなかった(比較例5)。
これらの結果から、以下のことが分かる。
1.N−アシル化アミノ酸では、アシル基がヤシ油脂肪酸の場合コラーゲン産生効果は認 められない。
2.平均アミノ酸重合度が3〜10の加水分解コラーゲン液から得られたN−アシル化加 水分解コラーゲンでは、遊離アミノ酸量が5質量%以下の加水分解コラーゲン液を用い た場合はコラーゲン産生促進効果が認められるが、脱遊離アミノ酸処理をしていないコ ラーゲン加水分解物を用いた場合はコラーゲン産生促進効果が認められない。
3.加水分解コラーゲンのアミノ酸重合度では、重合度約10の脱遊離アミノ酸処理液で のアシル化物はコラーゲン産生促進効果が認められるが、重度度が20近くになると、 脱遊離アミノ酸処理していてもコラーゲン産生促進効果は認められない。
すなわち、コラーゲン産生促進効果を有するアシル化加水分解コラーゲンは、加水分解コラーゲン部分のアミノ酸重合度が3〜10であり、加水分解コラーゲン物中の遊離アミノ酸やジペプチド存在量が5質量%以下であり、アシル基の炭素数が8以上である必要があることになる。
次に皮膚化粧料としての実施例や応用例を示すが、配合量は質量%で示しており、配合成分が固形分でないものについては括弧内に有効成分濃度を示している。
実施例5および比較例6:乳液
表2に示す組成の乳液を調製し、2ヶ月間の連続使用後の皮膚のはり、弾力、かさつきの少なさを評価した。実施例5ではコラーゲン産生促進剤の製造例1のN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン(アミノ酸重合度5.6)のカリウム塩を用い、比較例6では、比較品の製造例1のN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン(アミノ酸重合度5.1、非脱アミノ酸処理)のカリウム塩を用いている。
Figure 0006867668
上記乳液による試験は、10人の被験者に、実施例、比較例を明らかにせず、乳液AおよびBとして、毎日二度(朝晩)、顔面の左右の頬の部分にAまたはBの乳液をそれぞれ約0.2g塗布させ(Aの塗布面、Bの塗布面は常に同じにする)、その適用試験を2ヶ月間続けた。2ヶ月の連続使用試験終了後、各被験者に、頬のはり、弾力、かさつきの少なさについて、乳液のA、Bのどちらを使用した方が優れているかを自己評価させた。その結果を表3に、実施例5の乳液を塗布した側が優れていると答えた人数、比較例6の乳液を塗布した側が優れていると答えた人数で示す。なお、上記のように被験者には、乳液A、Bのどちらが実施例かは明らかにしていないが、表3では、実施例5の乳液、比較例6の乳液と記している。
Figure 0006867668
表3に示したように、コラーゲン産生促進剤の製造例1のN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンのカリウム塩を配合した実施例5の乳液の塗布を続けた肌は、比較品の製造例1のN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンのカリウム塩を配合した比較例6の乳液を連続適用した肌に比べ、肌のはり、弾力、かさつきの少なさのいずれの評価対象でも大多数の被験者が優れていると答えていて、実施例5の乳液に配合したコラーゲン産生促進剤の製造例1のN−ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンのカリウム塩は皮膚に対してコラーゲン産生促進効果を有しているものと考えられた。
実施例6および比較例7:化粧水
表4に示す組成の化粧水を調製し、2ヶ月の連続使用後の皮膚のはり、弾力、かさつきの少なさを評価した。実施例6はコラーゲン産生促進剤の製造例3のN−ラウロイル加水分解コラーゲン(アミノ酸重合度9.9)のナトリウム塩を用い、比較例7では、比較品の製造例2のN−ラウロイル加水分解コラーゲン(アミノ酸重合度9.7、非脱アミノ酸処理)のナトリウム塩を用いている。
Figure 0006867668
上記化粧水による試験も、実施例5と実施例6の試験と同様に、10人の被験者に、実施例、比較例を明らかにせず、化粧水AおよびBとして、毎日二度、左右の頬にAまたはBの化粧水をそれぞれ約0.2g塗布させ、これを2ヶ月間続けた。2ヶ月の連続適用終了後、各被験者に、頬のはり、弾力、かさつきの少なさについて、化粧水A、Bのどちら塗布した方が優れているかを自己評価させた。その結果を表5に、実施例6の化粧水を塗布した側が優れていると答えた人数、比較例7の化粧水を塗布した側が優れていると答えた人数で示す。なお、この試験でも、被験者には、化粧水A、Bのどちらが実施例かは明らかにしていないが、表5では、実施例6の化粧水、比較例7の化粧水と表記する。
Figure 0006867668
表5に示したように、コラーゲン産生促進剤の製造例3のN−ラウロイル加水分解コラーゲンのナトリウム塩を配合した実施例6の化粧水の塗布を続けた肌は、比較品の製造例2のN−ラウロイル加水分解コラーゲンのナトリウム塩を配合した比較例7の化粧水を連続使用した肌に比べ、肌のはり、弾力、かさつきの少なさのいずれも、被験者の大多数が優れていると答えていて、実施例6の化粧水に配合したコラーゲン産生促進剤の製造例3のN−ラウロイル加水分解コラーゲンのナトリウム塩は皮膚に対してコラーゲン産生促進効果を有しているものと考えられた。
本発明のN−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩からなるコラーゲン産生促進剤は、皮膚のはり、弾力、かさつきの改善を目的として化粧品に配合して利用できるが、以下に化粧品応用例として、本発明のコラーゲン産生促進剤を配合した化粧品の処方例を示す。
化粧品応用例1〔クリーム〕
(配合成分) (%)
実施例のN−アシル化加水分解コラーゲン又はその塩(固形分量) 0.001〜5.0
地黄抽出エキス水溶液(10%)*2 2.50
イソステアリン酸イソプロピル 5.50
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.00
イソステアリン酸グリセリル 0.50
ホホバ油 0.50
セタノール 1.00
ジメチコン 0.25
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40E.O.) 1.70
ステアリン酸 10.00
トリエタノールアミン 1.00
防腐剤 適量
精製水 計 100になる量
化粧品応用例2〔ジェル〕
(配合成分) (%)
実施例のN−アシル化加水分解コラーゲン又はその塩(固形分量) 0.001〜5.0
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウ 2.50
リンナトリウム)コポリマーを含むゲル状の乳化増粘剤*3
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.30
ジメチコン 4.00
濃グリセリン 40.00
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
プロピレングリコール 5.00
防腐剤 適量
精製水 計 100になる量
上記実施例や応用例で使用した成分のうち*印を付したものは下記の通りである。
*1:(株)成和化成のSeisept−H(商品名)
*2:(株)成和化成の地黄エキス(商品名)
*3:セピック社(フランス)製のシマルゲル NS(商品名)

Claims (3)

  1. コラーゲン加水分解物のアシル化物であって、コラーゲン加水分解物のアミノ酸平均重合度が3〜10であり、かつ、コラーゲン加水分解物中の遊離アミノ酸とジペプチドの量が固形分換算でコラーゲン加水分解物の全量を100として5質量%以下であるコラーゲン加水分解物の、炭素数8〜18の脂肪酸アシル化誘導体である、N−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩からなることを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
  2. コラーゲンが魚鱗由来のコラーゲンである、請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤。
  3. 請求項1または2に記載のN−アシル化加水分解コラーゲンまたはその塩からなるコラーゲン産生促進剤を0.001〜5質量%含有することを特徴とする皮膚化粧料。
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