JP3504205B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JP3504205B2 JP2000040976A JP2000040976A JP3504205B2 JP 3504205 B2 JP3504205 B2 JP 3504205B2 JP 2000040976 A JP2000040976 A JP 2000040976A JP 2000040976 A JP2000040976 A JP 2000040976A JP 3504205 B2 JP3504205 B2 JP 3504205B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚外用剤に関す
る技術分野の発明である。より具体的には、本発明は、
皮膚における抗老化効果やしわ抑制効果、さらには、細
胞増殖促進作用、コラーゲン産生促進作用、コラーゲン
糖化抑制作用が認められる皮膚外用剤に関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】人間の皮膚は、主に、外側から、表皮層
及び真皮層により構成される。特に、内側を構成する真
皮層は、皮膚の90%以上の体積を占め、皮膚を支える
働きを担っている。そして、この真皮層の状態が、皮膚
表面のはりや、表面形態に大きな影響を与えている。真
皮は加齢とともに薄くなることが知られており、皮膚の
しわやたるみなどの、皮膚の老化現象の要因となるの
は、真皮部分が薄くなり、衰えてくることが大きく関わ
っているものと考えられている。
【0003】このような、皮膚の老化を防ぐことを目的
として、従来から、皮膚に対してペプチド類を使用し
て、皮膚の状態を向上させる試みが、いくつかなされて
いる。例えば、ペプチド類の中でもオリゴペプチド類を
配合した化粧料は、皮膚への密着性が良好で、しわを抑
制する等の、皮膚の老化を防止することが知られている
(特開昭57−2213号公報)、特に、Arg−Gl
y−Asp−Ser及びArg−Gly−Aspの2種
類のペプチドは、皮膚の角質層に作用して、乾燥皮膚を
改善して、皮膚の老化を防止することが報告されている
(特開平2−178207号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、加齢
に伴う真皮の減少は、真皮のマトリックス成分を供給し
ている線維芽細胞の数や活性の減少による部分が大き
い。線維芽細胞が減少すると、マトリックス成分、特に
コラーゲンが減少する。また、残りのコラーゲンも加齢
とともに、糖化などの質的変化を受け、機能が低下す
る。それ故に、真皮部分に対する改善作用を発揮するこ
とが、しわを抑制し、肌にはりを与える等により、皮膚
老化の改善を目的とする皮膚外用剤においては、非常に
大切な条件である。
【0005】しかしながら、上述したオリゴペプチドの
作用は、皮膚の表面上に対するに止まっており、真皮に
対しては、十分に有効な作用を及ぼすには至っていな
い。
【0006】また、真皮に対して有効な作用を及ぼす試
みとして、いわゆる細胞成長因子(EGF やFGF など)
の、細胞増殖作用が知られているペプチド類を配合した
皮膚外用剤が提供されている(特開昭61−5006号
公報等)、その皮膚の老化の抑制効果は、必ずしも満足
の行くものではなく、さらに、多様な生理活性を有する
細胞成長因子を用いることによる、人体への影響等を、
特に配慮する必要があった。
【0007】そこで、本発明が解決すべき課題は、上述
のような問題点が解決された、真皮に対して作用し、優
れた皮膚の老化の防止作用を発揮し、かつ、安全性にも
優れる皮膚外用剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて、鋭意検討を行った。その結果、主に、コ
ラーゲンやゼラチンのコラゲナーゼによる分解物中に含
まれる、特定のペプチドに、皮膚における優れた抗老化
作用が認められることを見出して、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明者は、本願において、コ
ラーゲン又はゼラチンのコラゲナーゼによる分解物〔以
下、「コラゲナーゼ分解物」ともいう〕、特に、そのア
ミノ酸配列が、(Gly−X−Y)n (式中、Glyは
グリシン残基を表し、X,Yは、グリシン残基を除くア
ミノ酸残基を表し、互いに同一であっても、異なっても
よく、nは、正の整数を表す)で表され、かつ、平均分
子量が280〜20000であるペプチドが含まれてい
るコラーゲン又はゼラチンのコラゲナーゼによる分解物
を有効成分とする皮膚外用剤(以下、本発明皮膚外用剤
という)を提供する。
【0010】本発明皮膚外用剤は、具体的には、皮膚
における抗老化効果(作用)〔本明細書中で「抗老化効
果(作用)」と記載する場合には、この「皮膚における
抗老化効果(作用)」のことを意味するものとする〕が
認められる皮膚外用剤(この態様の本発明皮膚外用剤
を、特に、本発明抗老化用皮膚外用剤という)、しわ
抑制効果、すなわち、肌上のしわの発生を予防し、しわ
を抑制し得る効果が認められる皮膚外用剤(この態様の
本発明皮膚外用剤を、特に、本発明しわ抑制用皮膚外用
剤という)、細胞増殖促進作用が認められる皮膚外用
剤(この態様の本発明皮膚外用剤を、特に、本発明細胞
増殖促進皮膚外用剤という)、コラーゲン産生促進作
用が認められる皮膚外用剤(この態様の本発明皮膚外用
剤を、特に、本発明コラーゲン産生促進皮膚外用剤とい
う)、コラーゲンの糖化抑制作用が認められる皮膚外
用剤(この態様の本発明皮膚外用剤を、特に、本発明コ
ラーゲン糖化抑制皮膚外用剤という)としての態様をと
り得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 A.本発明皮膚外用剤の有効成分について 本発明皮膚外用剤の有効成分である、コラゲナーゼ分解
物の出発原料となる、コラーゲンは、特に限定されず、
I 型からXIII型のコラーゲンのいずれをも用いることが
可能であり、これらの混合物である混合型のコラーゲン
を用いることもできる。現実的には、コラーゲンは、各
種の動物や魚類から得られる、混合型のコラーゲンを用
いることが想定されるが、このコラーゲンの出所となる
動物(例えば、牛、豚等)や魚類(例えば、ヒラメ、サ
ケ、イワシ、マグロ等)の種類や、コラーゲンの抽出部
位も、骨、皮、腱、ウキブクロ(魚類)等が可能であ
る。
【0012】これらの成分からのコラーゲンの抽出・精
製は、通常公知の方法を用いて行うことができる。具体
的には、例えば、骨、皮、腱、ウキブクロ等のコラーゲ
ンを含有する組織を粉砕した後、水洗、希塩溶液による
抽出、酸若しくはアルカリ溶液による抽出、ペプシン,
トリプシンやヒアルロニダーゼ等の酵素による抽出し
て、塩析や透析等の公知の精製手段を施して、コラーゲ
ンを精製して得ることができる。また、通常公知の方法
により、「再生コラーゲン」として得ることも可能であ
る。また、市販のコラーゲンを、コラゲナーゼ分解物の
出発原料として用いることも可能である。
【0013】そして、ゼラチンは、上述のコラーゲン
を、水で加熱抽出して得られる水溶性タンパク質であ
る。本発明においては、通常公知の方法により製造した
ゼラチンを上記のコラゲナーゼ分解物の出発原料として
用いることも可能であり、市販品を用いることも可能で
ある。
【0014】コラゲナーゼ分解物は、上述のようにして
得られるコラーゲン又はゼラチンに、コラゲナーゼを作
用させて製造することができる(この製造工程、また、
得られるコラゲナーゼ分解物自体の内容については、特
開平9−176196号公報参照のこと)。
【0015】ここで用いられるコラゲナーゼは、特に限
定されないが、Clostridium histolyticum Streptomyce
s parvulus等の細菌、放線菌又は真菌等由来で、コラー
ゲン特有のアミノ酸配列〔(Gly−X−Y)n (式
中、Glyはグリシン残基を表し、X,Yは、グリシン
残基を除くアミノ酸残基を表し、互いに同一であって
も、異なってもよく、nは、正の整数を表す):以下、
このアミノ酸配列を、「特有アミノ酸配列」ともい
う)〕のグリシン残基のアミノ基末端側を、特異的に切
断するコラゲナーゼを用いることが、この特有アミノ酸
配列のペプチドを豊富に含むコラゲナーゼ分解物を得る
ことが可能であり、好ましい。
【0016】また、ここで用いるコラゲナーゼは、天然
物として得られるコラゲナーゼは勿論のこと、例えば、
タンパク工学的な手法で改変して得られる、上記の特異
性を有する改変コラゲナーゼであってもよい。
【0017】なお、上記のX,Yが採り得る、グリシン
残基を除くアミノ酸残基の種類は、特に限定されず、通
常は、天然に存在するアミノ酸(グリシンを除く)のア
ミノ酸残基、具体的には、アラニン残基、バリン残基、
ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、フェ
ニルアラニン残基、トリプトファン残基、メチオニン残
基、セリン残基、トレオニン残基、システイン残基、グ
ルタミン残基、アスパラギン残基、チロシン残基、リシ
ン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、アスパラギ
ン酸残基、グルタミン酸残基のいずれのアミノ酸残基を
も採ることができる(本明細書においては、特に断わら
ない限り、アミノ酸残基は、L型アミノ酸残基を意味す
る)。
【0018】また、本発明において用いられ得るコラゲ
ナーゼ分解物は、通常公知の方法、例えば、特開平7−
82299号公報に記載されている方法に準じて、遊離
又はキトバール等の固定化担体に固定化されたコラゲナ
ーゼを、バッチ法、カラム法又はこれらの方法を組み合
わせ、好ましくは、反応温度を40〜45℃に設定し
て、製造することができる。
【0019】このようにして製造され得る、特有アミノ
酸配列のペプチド、最も好ましくは、上記の正の整数n
が1であるトリペプチドを豊富に含むコラゲナーゼ分解
物(本発明の所期の効果を発揮させるためには、正の整
数nは、可能な限り小さいことが好ましい)は、ゼラチ
ンやコラーゲン特有の抗原性が著しく抑制されており、
これを皮膚外用剤に配合することにより、その皮膚外用
剤のアレルギー反応等に対する安全性を、さらに向上さ
せることができる。
【0020】なお、特有アミノ酸配列のペプチドを含む
コラゲナーゼ分解物の平均分子量は、280〜2000
0であることが、皮膚における抗老化作用や細胞増殖促
進作用を、本発明皮膚外用剤において発現させ得るとい
う点と、コラーゲン等に由来する抗原性を排除し、皮膚
に対する安全性をより高度に保つことが可能であるとい
う点において好ましい。この平均分子量の最低値である
280は、上述した正の整数nが1であるトリペプチド
を想定した分子量であり、前述したように、可能な限り
280付近の小さい値をとることが好ましい。
【0021】さらに、コラゲナーゼ分解物における、特
有アミノ酸配列のトリペプチド(正の整数nが1であ
る)の含有量は、コラゲナーゼ分解物に対して30〜1
00重量%であることが好ましく、特に好ましくは同7
0〜100重量%、非常に好ましくは85〜100重量
%、最も好ましくは95〜100重量%である。
【0022】上述した、コラゲナーゼ分解物の特定の平
均分子量の分解物の分取や、特有アミノ酸配列のトリペ
プチド(正の整数nが1である)の含有量が特定範囲の
分解物の分取は、通常公知の分取法、例えば、ゲル濾過
法や逆相クロマトグラフィー法等を、単独で、場合によ
っては組み合わせて用いることにより行うことができ
る。
【0023】コラゲナーゼ分解物は、上述の方法に従
い、これを製造して本発明皮膚外用剤に配合することも
可能であるが、市販品、例えば、商品名コラーゲン・ト
リペプチドMシリーズ (宮城化学工業株式会社製)等
を用いることも可能である。
【0024】本発明皮膚外用剤におけるコラゲナーゼ分
解物の配合量は、本発明皮膚外用剤の具体的な剤形や用
途等に応じて適宜選択することが可能であり、特に限定
されるべきものではない。一般的には、剤全体に対して
0.00001〜20.0重量%であることが好まし
く、特に好ましくは同0.0001〜10.0重量%、
最も好ましくは同0.001〜1.0重量%である。
【0025】この配合量が、剤全体に対して0.000
01重量%未満であると、皮膚の老化に対する抑制作用
や細胞増殖作用を十分に発揮することが困難であり好ま
しくなく、逆に、同20.0重量%を超えて配合して
も、配合量の増加に見合った、前記効果の増強を見込め
なくなる傾向が強くなり好ましくないばかりか、製剤に
おいても問題を生じることがある。
【0026】このようにして、コラゲナーゼ分解物を有
効成分とすることにより、皮膚のしわや、たるみに対
する優れた抑制作用に基づく抗老化効果を発揮する皮膚
外用剤、特に、皮膚のしわの発生の予防やしわの抑制
における優れた効果を発揮する皮膚外用剤、皮膚線維
芽細胞の増殖を促進し、真皮の減少を抑制し、皮膚のし
わやたるみに優れた効果を発揮する皮膚外用剤、真皮
におけるコラーゲンの産生を促進し、これにより、皮膚
のしわやたるみに優れた効果を発揮する皮膚外用剤及び
真皮において存在するコラーゲンが糖化により変質し
て、細胞外マトリックスにおける本来のコラーゲンの作
用が衰えることを抑制することにより、皮膚のしわやた
るみに優れた効果を発揮する皮膚外用剤(それぞれ、
本発明抗老化用皮膚外用剤、本発明しわ抑制用皮膚外
用剤、本発明細胞増殖促進皮膚外用剤、本発明コラ
ーゲン産生促進皮膚外用剤及び本発明コラーゲン糖化
抑制剤のことを意味する)が提供される。
【0027】また、コラゲナーゼ分解物として、特有ア
ミノ酸配列のトリペプチド(正の整数nが1である)の
含有量の多いものを選択することにより、ゼラチンやコ
ラーゲンの抗原性が著しく抑制された、上記の有効性だ
けではなく安全性にも、特に優れる皮膚外用剤が提供さ
れる。
【0028】B.本発明皮膚外用剤の具体的な態様につ
いて 本発明皮膚外用剤は、あらゆる皮膚外用剤(化粧料,医
薬品,医薬部外品)としての形態を採ることが可能であ
り、具体的には、化粧水,乳液,クリーム,軟膏,パッ
ク,エアゾル,水−油二層系剤.水−油−粉末三層系
剤,美容液,ジェル,ファンデーション,口紅,シャン
プー,リンス等に適用することが可能である。また、本
発明皮膚外用剤に、皮膚老化に対して有効な公知の成分
や、しわの抑制のために有効な公知の成分、さらには公
知の美白剤等を、具体的な用途や目的に応じて配合可能
である。具体的には、茶エキス、L−リジン、L−アル
ギニン、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキ
サム酸、トラネキサム酸誘導体、甘草抽出物、グラブリ
ジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種の生薬、酢酸ト
コフェロール、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘
導体、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウ
ム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸
等の美白剤;グルコース、フルクトース、マンノース、
ショ糖、トレハロース等の糖類;レチノイン酸、レチノ
ール、レチノール酢酸、レチノールパルミチン酸等のビ
タミンA誘導体類等を、上記の有効成分と共に、本発明
皮膚外用剤の具体的な態様に応じて配合することが可能
である。
【0029】これらの具体的な形態に応じて、種々の基
剤成分等、具体的には液体油脂、固体油脂、ロウ類、エ
ステル油、炭化水素油、シリコーン樹脂、シリコーン、
陰イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、陽イオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、低級アルコール、ステロール類、水溶性高分子、金
属イオン封鎖剤(エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナ
トリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等)、中和剤、
pH調整剤、抗菌剤、香料、色素等を、本発明の所期の
効果を損なわない範囲で本発明皮膚外用剤に配合するこ
と可能である。本発明皮膚外用剤の具体的な剤形は、後
述する実施例において説明する。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の技術的範囲が、これにより限定されるも
のではない。また、本実施例における配合量は、特に断
わらない限り、配合成分の配合対象に対する重量%で表
示する。
【0031】〔試験例〕 1.試料の調製 高純度ゼラチン50gを、1000mlの20mM Tris-HC
l 緩衝液(pH 7.4)/0.1 M NaCl に加温しながら溶解
後、50℃に冷却した。酵素分解用の固定化酵素とし
て、100mgのコラゲナーゼ酵素(ワシントン社製、高
純度品)を50g のキトパール(富士紡績社製)に2架
橋試薬を用いて結合させて調製した。この固定化酵素
を、2連式のカラム式バイオリアクターに充填し、20
mM Tris-HCl 緩衝液(pH 7.4)/ 0.1 M NaClで平衡化を
行った。上記工程を経て準備した高純度のゼラチンを、
上記工程で調製した、縦型2連式のコラゲナーゼ酵素固
定化カラムにアプライし、カラム法による酵素分解を行
った。
【0032】最終カラムから出てきた酵素反応終了液を
分取し、0.45μm のフィルターでろ過した。このろ液を
ゲル濾過法、あるいは逆相クロマトグラフィー法によ
り、分画し、それぞれ、平均分子量が20000以上の
もの、Gly-X-Y(Gly は、グリシン残基、X,Y は、アミノ
酸残基を表し、X,Y は、同一であっても異なってもよ
い。以下、同様である)含量が30〜85重量%のもの
(平均分子量約3000)、Gly-X-Y 含量が85〜10
0重量%のもの(平均分子量約300)の調製を行っ
た。分取後、凍結乾燥処理を、それぞれの分取物に施し
た。
【0033】ここで得られた分取物(後述するコラーゲ
ン由来の分取物を含む)を、以下に述べる試験例ないし
実施例において用いた。
【0034】なお、これらの分取物において、公知の手
法で、アナフィラキシーテストを行ったところ、いずれ
の分取物においても、抗原性が極めて低く、これらの分
取物は、皮膚における安全性において、非常に優れてい
ることが明らかになった(後述するコラーゲン由来の分
取物を含んだ結果である)。
【0035】2.細胞増殖促進試験 ヒト皮膚線維芽細胞を、10%FBS含有DMEM培地
で24時間培養した後、各試料を含んだ0.5%FBS
含有DMEM培地に交換して、さらに48時間培養し
た。培養終了時に、MTT 活性を測定し、細胞増殖の指標
とした。試料を加えない0.5%FBS含有DMEM培
地のみで培養した場合のMTT 活性を、100%として表
した。試料は、上記の例において調製した、Gly-X-Y 含
量が30〜85重量%の分取物、同85〜100重量%
の分取物の、2種類について検討した。なお、対照試料
としては、上記の例における、平均分子量が20000
以上のもの及びEGF (epidermal growthfactor) を用
いて、同様の試験を行った。この細胞増殖促進試験の結
果を、第1表に示す。
【0036】
【表1】 第 1 表 ──────────────────────────────────── 試 料 MTT活性(%対対照) ───────────────────────── 濃度0.001% 濃度0.01% 濃度0.1% ──────────────────────────────────── ゼラチン分解ペプチド 95% 110% 110% (平均分子量20000 以上) ──────────────────────────────────── Gly-X-Y 含量が 100% 110% 130% 30〜85重量%の分取物 ──────────────────────────────────── Gly-X-Y 含量が 110% 120% 150% 85〜100 重量%の分取物 ──────────────────────────────────── EGF 95% 95% 120% ──────────────────────────────────── 注)MTT活性とは、細胞内のミトコンドリアの呼吸により、色素が還元され着 色される反応を利用した生細胞測定値である。この値が高いほど、細胞増殖活性 が認められることを意味する。
【0037】第1表から、Gly-X-Y 含量が30重量%以
上の分取物の細胞増殖促進効果は、対照と比べて高いこ
とがわかった。また、Gly-X-Y 含量が85〜100重量
%であると、より一層、細胞増殖促進活性が向上するこ
とが明らかになった。
【0038】なお、前述の例におけるゼラチンの代わり
に、市販のコラーゲンを、同例において用いたコラゲナ
ーゼ酵素で酵素分解した後、これを、上記と同様の処理
を行って、Gly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物
(平均分子量約3000)及び同85〜100重量%の
分取物(平均分子量約300)の調製を行い、上記と同
様の細胞増殖促進試験を行った。その結果、これらのコ
ラーゲン由来の分取物は、両者共、対照よりも優れた細
胞増殖促進活性を有していた。また、また、Gly-X-Y 含
量が85〜100重量%であると、より一層、細胞増殖
促進活性が向上することも、前述のゼラチンに由来する
分取物についての結果と同様であった。
【0039】この結果により、本発明皮膚外用剤の有効
成分であるコラゲナーゼ分解物は、優れた細胞増殖促進
作用を有し、これにより、真皮の減少を抑制し、皮膚の
しわやたるみに対して優れた効果を発揮し得ることが明
らかになった。
【0040】3.コラーゲン産生促進試験 ヒト皮膚線維芽細胞を、10%FBS含有DMEM培地
で48時間培養した後、各試料を含んだ0.5%FBS
含有DMEM培地に交換して、さらに48時間培養し
た。培養終了後に、I型コラーゲン生合成能を測定する
ために培養上清を、細胞量を計測するために細胞を採取
した。試料は、上記の例において調製した、Gly-X-Y 含
量が30〜85重量%の分取物、同85〜100重量%
の分取物の、2種類について検討した。なお、対照試料
としては、優れたコラーゲン産生促進作用が知られてい
るビタミンCを用いて、同様の試験を行った。細胞のI
型コラーゲン生合成能は、培養上清中に分泌されるI型
プロコラーゲンのC端末ペプチド(Procollagen type I
C-peptide:PIPと略す。)量を測定することにより評
価した。具体的には、「Procollagen type IC-peptide
(PIP)測定キット(宝酒造株式会社:MK001 )」を
用いて測定した。細胞量は細胞のDNA量で推定するこ
ととし、DNA量は、Cesar Lsbarca らの方法(Analyt
ical Biochemisty、102 、344-352 、(1980))に準じて
Hoechst 33258 試薬を用いて測定した。このコラーゲン
産生試験の結果を第2表に示す。
【0041】
【表2】 第 2 表 ──────────────────────────────────── 試 料 PIP 量(%対対照) ───────────────────────── 濃度0.0001% 濃度0.001% 濃度0.01% ──────────────────────────────────── ゼラチン分解ペプチド 95% 98% 110% (平均分子量20000 以上) ──────────────────────────────────── Gly-X-Y 含量が 118% 126% 165% 30〜85重量%の分取物 ──────────────────────────────────── Gly-X-Y 含量が 120% 160% 185% 85〜100 重量%の分取物 ──────────────────────────────────── ビタミンC(濃度0.2mM ) 178% ────────────────────────────────────
【0042】第2表から、Gly-X-Y 含量が30重量%以
上の分取物は、コラーゲン産生促進効果に優れることが
明らかになった。また、Gly-X-Y 含量が85〜100重
量%であると、より一層、コラーゲン産生促進活性が向
上することが明らかになった。
【0043】この結果により、本発明皮膚外用剤の有効
成分であるコラゲナーゼ分解物は、優れたコラーゲン産
生促進作用を有し、これにより、皮膚のしわやたるみに
対して優れた効果を発揮し得ることが明らかになった。
【0044】4.コラーゲン糖化抑制試験 ヒト皮膚線維芽細胞によるコラーゲンゲル収縮活性を指
標とした糖化反応による架橋形成の阻害作用を評価し
た。コラーゲン溶液(コラーゲンは高研株式会社製品I
−ACを使用した。)を氷上にて作製後、細胞培養用1
2穴ウエルプレート(コーニング:25815)に加
え、37℃でコラーゲンをゲル化した。被験物質(コン
トロールとしては1,3−ブチレングリコールを用い
た。また、優れたコラーゲンの糖化抑制活性が認められ
ているL−リジンとL−アルギニンについても検討を行
った。濃度は重量%)含有グルコース−6−リン酸溶液
(最終濃度;100mM)を添加後、37℃にて7日間イ
ンキュベートすることにより糖化反応(グリケーショ
ン)を行った。
【0045】未反応のグルコース−6−リン酸を洗浄に
より除去後、1×l05 cells /mlの線維芽細胞をコラ
ーゲンゲル上に植えつけ、0.25%FBS/DMEM
培地を上載した。3時間後、シャーレ壁面からゲルを剥
離し、コラーゲン収縮を行った。48時間後、培地を吸
引して、コラーゲンゲルの直径を測定し、面積を算出し
た。その結果を第3表に示す。なお、収縮後のコラーゲ
ン面積は、小さい方が、コラーゲン架橋が正常に保たれ
ており、糖化反応によりコラーゲンが変性を受けていな
いことを意味する。
【0046】
【表3】 第 3 表 ──────────────────────────────────── グリケーション 被検物質 収縮後のコラーゲン面積(cm2 ) ──────────────────────────────────── なし コントロール 247.8 あり コントロール 379.9 あり Gly-X-Y 含量が 30 〜85 重量%の分取物(0.05%) 290.2 あり Gly-X-Y 含量が85〜100 重量%の分取物(0.05%) 268.5 あり L−リジン(0.5 %) 243.0 あり L−アルギニン(0.5 %) 241.2 ────────────────────────────────────
【0047】第3表から、Gly-X-Y 含量が30重量%以
上の分取物には、優れたコラーゲンの糖化抑制作用が認
められることが明らかになった。また、Gly-X-Y 含量が
85〜100重量%であると、より一層、コラーゲンの
糖化抑制作用に一層優れることが明らかになった。
【0048】この結果により、本発明皮膚外用剤の有効
成分であるコラゲナーゼ分解物は、優れたコラーゲン糖
化抑制作用を有し、これにより、皮膚のしわやたるみに
対して優れた効果を発揮し得ることが明らかになった。
このように、コラゲナーゼ分解物には、特に、真皮層に
おける主要な線維構造を構成するコラーゲンを、量的
(コラーゲンの産生促進活性)・質的(コラーゲンの糖
化による変性抑制作用)に維持・増強し得る作用が認め
られ、皮膚外用剤の有効成分として用いることにより、
皮膚構造にかかわる老化現象(典型的には、しわやたる
み)の予防・改善に有効であることが明らかになった。
【0049】5.皮膚老化改善効果試験 後述する実施例1ないし比較例1(実施例1の処方にお
けるGly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物を、イオン交
換水と置換して調製したもの)に示す化粧料(クリー
ム)について、以下に示す実使用試験を行った。
【0050】試験方法 無作為に抽出した、年齢25〜60歳の健常人(女性)
100名を被験者とし、試験品を、顔面の皮膚に、連日
1ヵ月間使用した後、シワに対する改善効果と、たるみ
に対する改善効果について検討した。
【0051】a)しわに対する効果の評価:目尻の状態
を、目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価
した。
【0052】評価基準 A:非常に改善された B:改善された C:やや改善された D:改善効果が認められない E:悪化した b)たるみに対する効果 顔全体の皮膚の状態を、目視により観察し、以下の評価
基準に基づいて評価した。
【0053】評価基準 A:非常に改善された B:改善された C:やや改善された D:改善効果が認められない E:悪化した これらの実使用試験の結果を、第4表に示す。
【0054】
【表4】 第 4 表 ──────────────────────────────────── しわに対する効果(人) たるみに対する効果(人) A B C D E A B C D E ──────────────────────────────────── 実施例1 19 32 38 11 0 22 28 32 18 0 比較例1 6 21 45 26 2 0 23 58 19 0 ────────────────────────────────────
【0055】第4表から、実施例1の本発明品であるク
リームを用いた場合には、比較例1のクリームを用いた
場合よりも、目尻のしわにおいても、皮膚のたるみにお
いても、明らかに改善されていることが認められる。こ
のことにより、上述の分取物を有効成分として配合した
皮膚外用剤は、皮膚において、抗老化効果、しわ抑制効
果等をもたらす外用剤であることが明らかになった。
【0056】以下、上述の実施例1を含めて、種々の剤
形の本発明皮膚外用剤の処方例を実施例として記載す
る。なお、実施例1以外の実施例についても、上述の実
使用試験を行ったところ、いずれの実施例においても、
非常に優れた皮膚の抗老化効果やしわ抑制効果が認めら
れた。
【0057】 〔実施例1〕 クリーム 配合成分 配合量(重量%) ステアリン酸 5.0 ステアリルアルコール 4.0 イソプロピルミリステート 18.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0 プロピレングリコール 10.0 Gly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物(ゼラチン由来) 0.01 KOH 0.2 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 防腐剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>イオン交換水に、プロピレングリコールと、分
取物及びKOHを加えて、溶解後、加熱し、70℃に保
った(水相)。この水相に、他の成分を加熱融解して7
0℃に保った油相を、徐々に添加し、全部加え終わって
から、しばらくその温度に保ち、反応させた。その後、
ホモミキサーで均一に乳化し、よく攪拌しながら、30
℃まで冷却して、クリームを得た。
【0058】 〔実施例2〕 クリーム 配合成分 配合量(重量%) ステアリン酸 2.0 ステアリルアルコール 7.0 水添ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 2−オクチルドデシルアルコール 6.0 ポリオキシエチレン(25モル) セチルアルコールエーテル 3.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 プロピレングリコール 5.0 Gly-X-Y 含量が85〜100 重量%の分取物(ゼラチン由来) 0.05 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 香料 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>イオン交換水に、プロピレングリコールを加
え、加熱して70℃に保った(水相)。この水相に、他
の成分を加熱融解して70℃に保った油相を添加し、予
備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく
攪拌しながら30℃まで冷却して、クリームを得た。
【0059】 〔実施例3〕 クリーム 配合成分 配合量(重量%) 固形パラフィン 5.0 ミツロウ 10.0 ワセリン 15.0 流動パラフィン 41.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 ポリオキシエチレン(20モル) ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0 石けん粉末 0.1 硼砂 0.2 Gly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物(コラーゲン由来) 0.5 ワレモコウエタノール抽出物 0.05 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 香料 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>イオン交換水に、石けん粉末と硼砂を加え、加
熱溶解して70℃に保った(水相)。この水相に、他の
成分を加熱融解して70℃に保った油相を、徐々に添加
し、反応させた。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳
化し、乳化後、よく攪拌しながら、30℃まで冷却し
て、クリームを得た。
【0060】 〔実施例4〕 乳液 配合成分 配合量(重量%) ステアリン酸 2.5 セチルアルコール 1.5 ワセリン 5.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレン(10モル) モノオレイン酸エステル 2.0 ポリエチレングリコール1500 3.0 トリエタノールアミン 1.0 カルボキシビニルポリマー 0.05 (商品名:カーボポール941, B.F.Goodrich Chemical company) Gly-X-Y 含量が85〜100 重量%の分取物(コラーゲン由来)10.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>イオン交換水に、プロピレングリコールを加
え、加熱して70℃に保った(水相)。この水相に、他
の成分を加熱融解して70℃に保った油相を、徐々に添
加し、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よく攪拌
しながら、30℃まで冷却して、乳液を得た。
【0061】 〔実施例5〕 ゼリー 配合成分 配合量(重量%) 95%エチルアルコール 10.0 ジプロピレングリコール 15.0 ポリオキシエチレン(50モル) オレイルアルコールエーテル 2.0 カルボキシビニルポリマー 1.0 (商品名:カーボポール940, B.F.Goodrich Chemical company) NaOH 0.15 L−アルギニン 0.1 Gly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物(ゼラチン由来) 0.0001 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン スルホン酸ナトリウム 0.05 エチレンジアミンテトラアセテート・ 3ナトリウム・2水 0.05 メチルパラベン 0.2 香料 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>イオン交換水に、カルボキシビニルポリマーを
均一に溶解し(水相)、これとは別に、95%エチルア
ルコールに、ポリオキシエチレン(50モル)オレイル
アルコールエーテルを溶解し、これを水相に添加した。
次いで、これに、その他の成分を加えた後、NaOHと
L−アルギニンで中和させ、増粘し、ゼリーを得た。
【0062】 〔実施例6〕 美容液 配合成分 配合量(重量%) (A相) 95%エチルアルコール 10.0 ポリオキシエチレン(20モル) オクチルドデカノール 1.0 パントテニールエチルエーテル 0.1 Gly-X-Y 含量が85〜100 重量%の分取物(ゼラチン由来) 1.5 メチルパラベン 0.15 (B相) KOH 0.1 (C相) グリセリン 5.0 ジプロピレングリコール 10.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 カルボキシビニルポリマー 0.2 (商品名:カーボポール940, B.F.Goodrich Chemical company) イオン交換水 残 余 <製法>A相、C相を、それぞれに均一に溶解し、C相
にA相を加えて可溶化した。次いで、B相を加えた後、
充填を行い、美容液を得た。
【0063】 〔実施例7〕 パック 配合成分 配合量(重量%) (A相) ジプロピレングリコール 5.0 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0 (B相) Gly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物(コラーゲン由来) 0.01 オリーブ油 5.0 酢酸トコフェロール 0.2 エチルパラベン 0.2 香料 0.2 (C相) 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 ポリビニルアルコール 13.0 (ケン化度90,重合度2000) エタノール 7.0 イオン交換水 残 余 <製法>A相,B相及びC相を、それぞれ均一に溶解
し、A相をB相に加えて可溶化した。次いで、これをC
相に加えた後、充填を行い、パックを得た。
【0064】 〔実施例8〕 固形ファンデーション 配合成分 配合量(重量%) タルク 43.1 カオリン 15.0 セリサイト 10.0 亜鉛華 7.0 二酸化チタン 3.8 黄色酸化鉄 2.9 黒色酸化鉄 0.2 スクワラン 8.0 イソステアリン酸 4.0 モノオレイン酸POEソルビタン 3.0 オクタン酸イソセチル 2.0 Gly-X-Y 含量が85〜100 重量%の分取物(コラーゲン由来)1.0 防腐剤 適 量 香料 適 量 <製法>タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分を、ブレンダー
で十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチ
ルの油性成分、分取物、防腐剤、香料を加え、良く混練
した後、容器に充填して成型し、固形ファンデーション
を得た。
【0065】 〔実施例9〕 乳化型ファンデーション(クリームタイプ) 配合成分 配合量(重量%) (粉体部) 二酸化チタン 10.3 セリサイト 5.4 カオリン 3.0 黄色酸化鉄 0.8 ベンガラ 0.3 黒色酸化鉄 0.2 (油相) デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5 流動パラフィン 4.5 ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0 (水相) イオン交換水 50.0 1,3−ブチレングリコール 4.5 Gly-X-Y 含量が30〜85重量%の分取物(ゼラチン由来) 1.5 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0 防腐剤 適 量 香料 適 量 <製法>水相成分を加熱攪拌後、これに、十分混合粉砕
した粉体部を添加して、ホモミキサー処理を行った。更
に、加熱混合した油相を加えて、ホモミキサー処理した
後、攪拌しながら香料を添加して、室温まで冷却して、
乳化型ファンデーションを得た。
【0066】
【発明の効果】本発明により、皮膚の抗老化効果、しわ
抑制効果、さらには、細胞増殖促進作用、コラーゲン産
生促進作用、コラーゲン糖化抑制作用が認められ、しか
も、安全性に極めて優れる皮膚外用剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 43/00 107 A61K 37/18 (56)参考文献 特開 平6−199626(JP,A) 特開2001−163799(JP,A) 特開 平2−121914(JP,A) 特開 昭62−22707(JP,A) 特開 昭59−110607(JP,A) 特開 平10−298054(JP,A) 特開 平2−231407(JP,A) 特開 平11−171721(JP,A) 特開 平9−30928(JP,A) 特開 昭59−152333(JP,A) 特開2001−64154(JP,A) 特開 平1−207220(JP,A) 特開2001−139448(JP,A) 特開 昭62−236499(JP,A) 特開 平9−278631(JP,A) 特開 平5−170636(JP,A) 特表 平6−506000(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 JICSTファイル(JOIS) CAPLUS(STN) BIOSIS/MEDLINE/WPID S(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(Gly−X−Y)n (式中、Glyは、
    グリシン残基を表し、X,Yは、グリシン残基を除くア
    ミノ酸残基を表し、互いにX,Yは同一であっても、異
    なってもよく、nは、正の整数を表す)で表されるペプ
    チドが含まれており、かつ、正の整数nが1である当該
    ペプチドGly−X−Yを30〜100重量%含有す
    る、コラーゲン又はゼラチンの、細菌、放線菌若しくは
    真菌由来のコラゲナーゼによる分解物を有効成分とする
    皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】Gly−X−Y(式中、Glyは、グリシ
    ン残基を表し、X,Yは、グリシン残基を除くアミノ酸
    残基を表し、互いにX,Yは同一であっても、異なって
    もよい)の分解物中の含有量が、分解物の85〜100
    重量%である、請求項1記載の皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】皮膚外用剤が、抗老化用皮膚外用剤であ
    る、請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】皮膚外用剤が、しわ抑制用皮膚外用剤であ
    る、請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】皮膚外用剤が、細胞増殖促進効果が認めら
    れる皮膚外用剤である、請求項1又は2記載の皮膚外用
    剤。
  6. 【請求項6】皮膚外用剤が、コラーゲン産生促進作用が
    認められる皮膚外用剤である、請求項1又は2記載の皮
    膚外用剤。
  7. 【請求項7】皮膚外用剤が、コラーゲン糖化抑制が認め
    られる皮膚外用剤である、請求項1又は2記載の皮膚外
    用剤。
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