JP2003299977A - タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法 - Google Patents

タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法

Info

Publication number
JP2003299977A
JP2003299977A JP2002105626A JP2002105626A JP2003299977A JP 2003299977 A JP2003299977 A JP 2003299977A JP 2002105626 A JP2002105626 A JP 2002105626A JP 2002105626 A JP2002105626 A JP 2002105626A JP 2003299977 A JP2003299977 A JP 2003299977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
tantalum
niobium
crushing
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002105626A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Kataoka
英二 片岡
Yukio Oda
幸男 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cabot Supermetals KK
Original Assignee
Cabot Supermetals KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cabot Supermetals KK filed Critical Cabot Supermetals KK
Priority to JP2002105626A priority Critical patent/JP2003299977A/ja
Publication of JP2003299977A publication Critical patent/JP2003299977A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細で表面積が大きく、かつ、固体電解コン
デンサのアノード原料に適した純度のタンタル粉末また
はニオブ粉末を生産性良く提供する。 【解決手段】 タンタル粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕
工程において、少なくとも表面にタンタル層を有する粉
砕メディアを備えた粉砕機を使用する。ニオブ粗粉末を
粉砕機で粉砕する粉砕工程において、少なくとも表面に
タンタル層、ニオブ層、タンタルーニオブ合金層のいず
れかを有する粉砕メディアを備えた粉砕機を使用する。
このような方法によって、固体電解コンデンサのアノー
ド原料に適したタンタル粉末またはニオブ粉末が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サのアノード電極原料に好適なタンタル粉末またはニオ
ブ粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタルまたはニオブからなる固体電解
コンデンサのアノード電極は、空孔率が70容量%程度
のタンタル多孔質焼結体またはニオブ多孔質焼結体から
形成されている。これら多孔質焼結体を製造するために
は、まず、タンタル塩やニオブ塩を希釈塩中でナトリウ
ム還元する方法や、タンタル塩化物やニオブ塩化物を水
素還元する方法などでタンタルまたはニオブのプライマ
リーパウダーを得る。次に、このプライマリーパウダー
を必要に応じて洗浄する酸・水洗浄工程を行った後、プ
ライマリーパウダーを1000℃以上の高温で熱処理し
て、凝集させる熱処理工程を行う。そして、熱処理工程
で得られた凝集粒から過剰の酸素を除去する脱酸素工程
を行うことによって、直径が数十から数百μmで、硬い
スポンジ状のタンタルまたはニオブの凝集粒が得られ
る。多孔質焼結体は、こうして得られた凝集粒をプレス
成形した後、焼結することによって得られる。
【0003】一方、近年、電子機器と電子回路の小型
化、高周波化に伴い、高容量の固体電解コンデンサが求
められるようになってきている。コンデンサの容量はア
ノード電極の表面積に比例する。そのため、アノード電
極の原料には、なるべく表面積の大きな凝集粒を使用す
る必要があり、このような凝集粒を製造するためには、
凝集粒を形成するプライマリーパウダーが微細で高表面
積であることが必要となる。このように微細で高表面積
のプライマリーパウダーを製造するためには、例えば、
タンタル塩やニオブ塩を希釈塩中でナトリウム還元する
場合、ここで使用する希釈塩の割合を大きくする方法が
ある。このように希釈率を高めて還元反応を行うことに
よって、比較的微細なプライマリーパウダーを生成させ
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、希釈塩
の使用量が増加すると、希釈塩のコストが高まるうえ、
プライマリーパウダーの収率も不十分となり、生産性に
問題があった。その他に、微細で高表面積のプライマリ
ーパウダーを製造する方法としては、セラミックやベア
リング銅(焼き入れ銅)などからなるビーズやボールな
どの粉砕メディアを備えたビーズミル、ボールミルなど
を使用して、プライマリーパウダーを粉砕する方法があ
る。ところが、このような方法では、得られるタンタル
粉末またはニオブ粉末に、粉砕メディア由来の不純物が
多く混入してしまう場合が多い。このように不純物を多
く含むタンタル粉末やニオブ粉末を使用すると、最終的
に得られる固体電解コンデンサの漏れ電流などの性能が
低下してしまうという問題があった。粉砕メディア由来
の不純物を除去するために、得られた粉末を酸洗浄する
方法もあるが、工程数が増加して生産性が低下するう
え、このような方法では十分に不純物を除去できなかっ
た。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、微細で表面積が大きく、かつ、固体電解コンデンサ
のアノード原料に適した純度のタンタル粉末またはニオ
ブ粉末を生産性良く提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のタンタル粉末の
製造方法は、タンタル粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕工
程を有するタンタル粉末の製造方法であって、前記粉砕
機は、少なくとも表面にタンタル層を有する粉砕メディ
アを備えていることを特徴とする。本発明のニオブ粉末
の製造方法は、ニオブ粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕工
程を有するニオブ粉末の製造方法であって、前記粉砕機
は、少なくとも表面にタンタル層、ニオブ層、タンタル
ーニオブ合金層のいずれかを有する粉砕メディアを備え
ていることを特徴とする。前記粉砕メディアは、表面硬
化処理されていることが好ましい。本発明のタンタル粉
末は、前記の製造方法で製造されたことを特徴とする。
本発明のニオブ粉末は、前記の製造方法で製造されたこ
とを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [実施形態例1]本発明のタンタル粉末の製造方法は、
タンタル粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕工程を有するも
のであって、この粉砕工程では、少なくとも表面にタン
タル層を有する粉砕メディアを備えた粉砕機を用いて、
タンタル粗粉末を粉砕する。ここでタンタル粗粉末とし
ては、より微細に粉砕される必要のあるタンタルの粉末
であれば特に制限はなく、例えば、タンタル化合物を還
元して得られたタンタルのプライマリーパウダーなどが
挙げられる。このような、例えばタンタルの平均粒径
0.5〜30μmの粗粉末を粉砕して微細化および高表
面積化したタンタル粉末は、タンタル固体電解コンデン
サのアノードの原料などに好適に使用されるものであ
る。また、タンタル粗粉末は水素化処理などにより、粉
砕されやすく処理されたものであってもよい。
【0008】本発明のタンタル粉末の製造方法は、この
ようなタンタル粗粉末を、粉砕メディアを備えた粉砕機
で粉砕する粉砕工程を有する。ここで粉砕機としては、
円筒、円錐などの中空の粉砕容器内に粉砕メディアとし
て多数のボールを備えたボールミルや、同様の粉砕容器
内に粉砕メディアとして複数のビーズを備えたビーズミ
ルなどの、いわゆる媒体撹拌型の粉砕機を使用する。こ
のような粉砕機の粉砕容器内に、粉砕対象物であるタン
タル粗粉末と粉砕メディアとを投入して密封した後、こ
の粉砕容器を、その円筒または円錐の軸線を中心として
回転させることによって、タンタル粗粉末を粉砕するこ
とができる。このような媒体撹拌型の粉砕機を使用する
と、粉砕メディアが繰り返し落下することによる衝撃
と、多数の粉砕メディアと対象物とが繰り返し接触する
ことによるすりつぶし効果とにより、粉砕対象物を効果
的に粉砕できる。
【0009】そして、ここでは、粉砕メディアとして少
なくとも表面にタンタル層を有するものを使用する。こ
のような粉砕メディアを備えた粉砕機でタンタル粗粉末
を粉砕すると、純度の高いタンタル粉末が得られる。す
なわち、ボール、ビーズなどの粉砕メディアを使用する
と、粉砕工程中に粉砕メディアの表面が摩耗し、粉砕メ
ディアの表面を形成している物質が、得られる粉末中に
混入してしまうことが多い。しかしながら、粉砕メディ
アの表面を形成している物質と、粉末とが同じ物質であ
れば、粉砕メディア表面由来の物質が粉末に混入して
も、その粉末の純度は実質的には低下しない。よって、
タンタル粗粉末を粉砕する場合に、粉砕メディアの表面
がタンタル層からなるものを使用すると、高純度のタン
タル粉末が得られる。
【0010】ここでタンタル層の厚みは、粉砕工程の時
間、粉砕対象物であるタンタル粗粉末の硬度、目的とす
るタンタル粉末の粒径などに応じて設定することが好ま
しい。すなわち、粉砕工程が長く、タンタル粗粉末の硬
度が大きく、目的とするタンタル粉末の粒径が小さいほ
ど、粉砕メディア表面の摩耗の度合いは大きくなる。こ
の場合には、タンタル層の厚みを大きくしで、粉砕工程
中でタンタル層がすべて摩耗してしまわないように設定
することが必要である。なお、タンタル層の内側の材質
は、粉砕メディアとしての硬度を有するものであれば、
セラミック、焼き入れ銅、アルミナ、ジルコニアなど特
に制限はない。さらに粉砕メディアの表面だけでなく、
内側もタンタルから形成すると、粉砕メディアの摩耗が
激しいような粉砕条件で粉砕工程を行った場合でも、高
純度のタンタル粉末を得ることができ好ましい。また、
粉砕メディアとしては、一般的には球状のボールやビー
ズを用いるが、その形状は特に限定されない。
【0011】なお、粉砕工程は、粉砕容器内に水、エタ
ノールなどのアルコールを添加して行う湿式法でも、こ
れらを添加しない乾式法でもよいが、作業性、安全性の
面からは湿式法が望ましい。また、粉砕容器の材質には
制限はなく、セラミック、ベアリング銅、アルミナ、ジ
ルコニアなどから形成された通常のものが使用できる
が、少なくとも内壁がタンタル層から形成されたものを
使用すると、この内壁に由来するタンタルがタンタル粉
末に混入しても、タンタル粉末の純度を高く維持できる
ため好ましい。
【0012】さらに、粉砕メディアの表面は、表面硬化
処理されていることが好ましい。表面硬化処理された粉
砕メディアは摩耗しにくいので、長期間の使用が可能と
なり、粉砕工程のコストを低下させることができる。表
面硬化処理としては、タンタル層の表面を窒素化する方
法が挙げられる。窒素化の具体的な方法としては、一般
的はガス窒化あるいはイオン窒化などが例示でき、特に
限定されない。
【0013】このように粉砕工程において、少なくとも
表面にタンタル層を有する粉砕メディアを備えた粉砕機
を使用することによって、従来のようにタンタル化合物
を還元する際に大量の希釈塩の使用したり、あるいは、
粉砕して得られたタンタル粉末を酸などで洗浄する不純
物除去工程を行ったりしなくても、微細で表面積が大き
く、高純度のタンタル粉末を生産性良く製造することが
できる。こうして、平均粒径が約0.4〜0.1μm
で、BET法による表面積が約0.9〜3.6m2/g
のタンタル粉末を製造すると、このタンタル粉末は、高
容量のタンタル固体電解コンデンサのアノード電極原料
に最適である。また、このような粉砕工程によれば、得
られるタンタル粉末中に含まれる、主に粉砕容器などに
由来すると考えられる不純物量は70ppm以下まで低
減できる。さらに、粉砕機の粉砕容器として、少なくと
もその内壁がタンタル層から形成されたものを使用する
ことによって、不純物量は10ppm以下までさらに低
減できる。
【0014】タンタル粉末を原料としてアノード電極を
製造し、タンタル固体電解コンデンサを製造する方法と
しては特に制限はなく、公知の方法で行えばよい。すな
わち、タンタル粉末に対して、熱処理、脱酸素、徐酸化
安定化処理等の前処理を行った後、この粉末を成形、焼
結して多孔質焼結体を製造する。熱処理は、通常、タン
タル粉末を真空中で1000〜1600℃で、0.5〜
2時間加熱して行う。また、金属に対して10〜300
ppm程度のリン、ホウ素等をあらかじめ添加しておく
ことによって、タンタル粉末の一次粒子同士の融合成長
を抑え、高表面積を維持しながら凝集させることができ
る。
【0015】ついで、熱処理されたケーキ状の粉体を、
大気中または不活性ガス中で解砕した後マグネシウム等
の還元剤を加え、粒子中の酸素と還元剤を反応させ、脱
酸素を行うことができる。脱酸素はアルゴン等の不活性
ガス雰囲気中で、還元剤の融点以上の温度で、1〜3時
間行う。そして、その後の冷却中にアルゴンガスに空気
を導入して窒素含有金属粉末の徐酸化安定化処理を行っ
た後、粉末中に残留しているマグネシウム、酸化マグネ
シウム等の還元剤由来の物質を酸洗浄して除去する。
【0016】このようにして熱処理、脱酸素、徐酸化安
定化処理を行ったタンタル粉末に、バインダーとして3
〜5質量%程度のショウノウ(C1016O)等を加えて
プレス成形し、ついで、1100〜1800℃で0.3
〜1時間程度加熱して焼結し、多孔質焼結体を製造す
る。この多孔質焼結体をアノード電極として使用する場
合には、タンタル粉末をプレス成形する前に、この粉末
中にリード線を埋め込んでプレス成形し、焼結して、リ
ード線を一体化させる。そして、これを例えば温度30
〜90℃、濃度0.1重量%程度のリン酸、硝酸等の電
解溶液中で、40〜80mA/gの電流密度で所定電圧
まで昇圧して1〜3時間処理し、化成酸化を行って、固
体電解コンデンサ用のアノード電極とする。さらに、公
知の方法で二酸化マンガン、酸化鉛や導電性高分子等の
固体電解質層、グラファイト層、銀ペースト層を多孔質
焼結体上に順次形成し、ついでその上に陰極端子をパン
ダ付けなどで接続した後、樹脂外被を形成することによ
り、高容量で、漏れ電流が低く、耐電圧特性の優秀な固
体電解コンデンサが得られる。
【0017】[実施形態例2]実施形態例1では、タン
タル粉末の製造方法について説明したが、ここではニオ
ブ粉末の製造方法について説明する。本発明のニオブ粉
末の製造方法は、ニオブ粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕
工程を有するものであって、この粉砕工程においては、
少なくとも表面にタンタル層、ニオブ層、タンタルーニ
オブ合金層のいずれかを有する粉砕メディアを備えた粉
砕機を用いて、ニオブ粗粉末を粉砕する。ここでニオブ
粗粉末としては、上記実施形態例1で説明したタンタル
の場合と同様に、より微細に粉砕される必要のあるニオ
ブの粉末であれば特に制限はなく、例えば、ニオブ化合
物を還元して得られたニオブのプライマリーパウダーな
どが挙げられる。このようなニオブの平均粒径0.5〜
30μmの粗粉末を粉砕すると、高容量のニオブ固体電
解コンデンサ原料に好適なニオブ粉末が得られる。
【0018】本発明のニオブ粉末の製造方法において
は、このようなニオブのプライマリーパウダー等のニオ
ブ粗粉末を、粉砕メディアを備えた粉砕機で粉砕する粉
砕工程を有する。粉砕機としては、実施形態例1の場合
と同様に媒体撹拌型のものを、同様の方法で使用できる
が、ニオブ粉末の場合には、粉砕メディアとして、少な
くとも表面にニオブ層、タンタル層、ニオブータンタル
合金層のいずれかを有するものを使用する。
【0019】これらの層のうち、ニオブ層が表面に形成
された粉砕メディアを使用すると、得られるニオブ粉末
中には、粉砕メディア由来の物質としてニオブしか混入
しないので、実質的に高純度のニオブ粉末が得られる。
また、ニオブとタンタルとは、周期律表において同族で
あるので、ニオブ粉末に、タンタルが混入しても、ニオ
ブ粉末の特性を大きく変化させることがない。特に、そ
のニオブ粉末が固体電解コンデンサのアノード電極原料
として使用される場合、ニオブ粉末にタンタルが混入し
ても、最終的に得られるコンデンサの漏れ電流などの性
能は大きくは変わらない。よって、ニオブ粗粉末を粉砕
する場合に、粉砕メディアの表面に、タンタル層、ニオ
ブ−タンタル合金層のいずれかを有するものを使用する
と、タンタルをある程度含有するものの固体電解コンデ
ンサの原料に好適なニオブ粉末が得られる。ここでニオ
ブ層、タンタル層、ニオブ−タンタル合金層の厚み、粉
砕メディアの形状などは実施形態例1の場合と同様であ
り、また、この場合でも、これらの層の表面は、表面硬
化処理されていることが好ましい。
【0020】このように粉砕工程において、少なくとも
表面にタンタル層、ニオブ層、タンタル−ニオブ合金層
のいずれかを有する粉砕メディアを備えた粉砕機を使用
することによって、従来のようにニオブ化合物を還元す
る際に大量の希釈塩の使用したり、あるいは、粉砕して
得られたニオブ粉末を酸などで洗浄する不純物除去工程
を行ったりしなくても、微細で表面積が大きく、少なく
ともタンタル以外の不純物は低減された高純度のニオブ
粉末を生産性良く製造することができる。こうして、平
均粒径が約0.4〜0.1μmで、BET法による表面
積が約1.75〜7.0m2/gのニオブ粉末を製造す
ると、この粉末は、高容量のニオブ固体電解コンデンサ
のアノード電極原料に最適である。また、ごのような粉
砕工程によれば、得られるゴオブ粉末中に含まれる、主
に粉砕容器などに由来すると考えられるタンタル以外の
不純物量を110ppm以下まで低減できる。さらに、
粉砕機の粉砕容器として、少なくともその内壁がタンタ
ル層、ニオブ層、タンタル−ニオブ合金層のいすれかか
ら形成されたものを使用することによって、さらにタン
タル以外の不純物量を20ppm以下まで低減できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。 [実施例1]水素化処理されたタンタル粗粉末(325
mesh以下、平均粒径0.9μm、BET法による表
面積0.41m2/g)を次のようにして粉砕した。粉
砕機は、直径0.6mmのタンタルビーズを表面窒化処
理したものからなる粉砕メディアと、標準的なステンレ
ス鋼容器とから構成されたビーズミルを使用した。そし
て、このタンタル粗粉末の表面積がおよそ2m2/gと
なるまで粉砕した。その結果、得られたタンタル粉末中
の不純物量は、鉄:50ppm、ニッケル<5ppm、
クロム<5ppm、ケイ素<3ppmであった。なお、
不純物量はICPで測定した。このように得られたタン
タル粉末は不純物が非常に少ないため、漏れ電流特性の
良好なタンタル固体電解コンデンサの製造に適している
ことが示唆された。
【0022】[比較例1]粉砕メディアとして直径0.
5mmのジルコニアビーズからなるものを使用した以外
は、実施例1と同様に表面積がおよそ2m2/gとなる
まで粉砕し、タンタル粉末を得た。得られたタンタル粉
末中の不純物量は、鉄:310ppm、ニッケル<5p
pm、クロム:30ppm、ケイ素:6ppm、ジルコ
ニウム:345ppmであった。このように得られたタ
ンタル粉末は、不純物が非常に多いためタンタル固体電
解コンデンサの製造には適していないことが示唆され
た。
【0023】[比較例2]粉砕メディアとして直径0.
5mmのベアリング銅(SUJ2)からなるものを使用
した以外は、実施例1と同様に表面積がおよそ2m2
gとなるまで粉砕し、タンタル粉末を得た。得られたタ
ンタル粉末中の不純物量は、鉄:1730ppm、ニッ
ケル:9ppm、クロム:77ppm、ケイ素:18p
pmであった。このように得られたタンタル粉末は、不
純物が非常に多いためタンタル固体電解コンデンサの製
造には適していないことが示唆された。
【0024】[実施例2]水素化処理されたニオブ粗粉
末(325mesh以下、平均粒径5.4μm、BET
法による表面積0.13m2/g)を次のようにして粉
砕した。粉砕機は、直径0.6mmのタンタルビーズを
表面窒化処理したものからなる粉砕メディアと、標準的
なステンレス鋼容器とから構成されたビーズミルを使用
した。そして、このニオブ粗粉末の表面積がおよ4m2
/gとなるまで粉砕した。その結果、得られたニオブ粉
末中の不純物量は、鉄:90ppm、ニッケル:5pp
m未満、クロム:10ppm、ケイ素:3ppm、タン
タル:0.5%であった。なお、不純物量はICPで測
定した。このように得られたニオブ粉末は、タンタル以
外の不純物が非常に少ないため、漏れ電流特性の良好な
ニオブ固体電解コンデンサの製造に適していることが示
唆された。
【0025】[実施例3]粉砕メディアとして直径0.
6mmのニオブビーズを表面窒化したものを使用した以
外は、実施例2と同様に表面積がおよそ4m2/gとな
るまで粉砕し、ニオブ粉末を得た。得られたニオブ粉末
中の不純物量は、鉄:70ppm、ニッケル<5pp
m、クロム:7ppm、ケイ素<23ppmであった。
このように得られたニオブ粉末は、タンタル以外の不純
物が非常に少ないため、漏れ電流特性の良好なニオブ固
体電解コンデンサの製造に適していることが示唆され
た。
【0026】[実施例4]粉砕メディアとして直径0.
6mmのタンタル−ニオブ合金ビーズを表面窒化処理し
たものを使用した以外は、実施例2と同様に表面積がお
よそ4m2/gとなるまで粉砕し、ニオブ粉末を得た。
得られたニオブ粉末中の不純物量は、鉄:85ppm、
ニッケル<5ppm、クロム:8ppm、ケイ素<3p
pm、タンタル:0.2%であった。このように得られ
たニオブ粉末は、タンタル以外の不純物が非常に少ない
ため、漏れ電流特性の良好なニオブ固体電解コンデンサ
の製造に適していることが示唆された。
【0027】[比較例3]粉砕メディアとして直径0.
5mmのジルコニアビーズからなるものを使用した以外
は、実施例2と同様に表面積がおよそ4m2/gとなる
まで粉砕し、ニオブ粉末を得た。得られたニオブ粉末中
の不鈍物量は、鉄:700ppm、ニッケル:7pp
m、クロム:77ppm、ケイ素:16ppm、ジルコ
ニウム:738ppmであった。このように得られたニ
オブ粉末は、不純物が非常に多いためニオブ固体電解コ
ンデンサの製造には適していないことが示唆された。
【0028】[比較例4]粉砕メディアとして直径0.
5mmのベアリング銅(SUJ2)からなるものを使用
した以外は、実施例2と同様に表面積がおよそ4m2
gとなるまで粉砕し、ニオブ粉末を得た。得られたニオ
ブ粉末中の不純物量は、鉄:3820ppm、ニッケ
ル:13ppm、クロム:140ppm、ケイ素:33
ppmであった。このように得られたニオブ粉末は、不
純物が非常に多いためニオブ固体電解コンデンサの製造
には適していないことが示唆された。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のタンタル
粉末の製造方法またはニオブ粉末の製造方法によれば、
従来のようにタンタル化合物またはニオブ化合物を還元
する際に大量の希釈塩の使用したり、あるいは、得られ
たタンタル粉末またはニオブ粉末を粉砕した後、酸など
で洗浄して不純物除去工程を行ったりしなくても、微細
で表面積が大きく、固体電解コンデンサのアノードの原
料に適した純度のタンタル粉末またはニオブ粉末を生産
性良く製造することができる。こうして得られた本発明
の固体電解コンデンサは、高容量であり、漏れ電流特性
が低く、高性能である。
フロントページの続き (72)発明者 小田 幸男 福島県河沼郡河東町大字東長原字長谷地 111 キャボットスーパーメタル株式会社 内 Fターム(参考) 4D063 FF37 GA07 GB01 GB07 4K017 AA02 BA07 CA07 DA08 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンタル粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕
    工程を有するタンタル粉末の製造方法であって、 前記粉砕機は、少なくとも表面にタンタル層を有する粉
    砕メディアを備えていることを特徴とするタンタル粉末
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記粉砕メディアは、表面硬化処理され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のタンタル粉末
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 ニオブ粗粉末を粉砕機で粉砕する粉砕工
    程を有するニオブ粉末の製造方法であって、 前記粉砕機は、少なくとも表面にタンタル層、ニオブ
    層、タンタル−ニオブ合金層のいずれかを有する粉砕メ
    ディアを備えていることを特徴とするニオブ粉末の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記粉砕メディアは、表面硬化処理され
    ていることを特徴とする請求項3に記載のニオブ粉末の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2の製造方法で製造され
    たことを特徴とするタンタル粉末。
  6. 【請求項6】 請求項3または4の製造方法で製造され
    たことを特徴とするニオブ粉末。
JP2002105626A 2002-04-08 2002-04-08 タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法 Withdrawn JP2003299977A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105626A JP2003299977A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105626A JP2003299977A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003299977A true JP2003299977A (ja) 2003-10-21

Family

ID=29390249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002105626A Withdrawn JP2003299977A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003299977A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006038720A1 (ja) 2004-10-06 2006-04-13 Showa Denko K.K. ニオブ粉、ニオブ造粒物、ニオブ焼結体及びコンデンサ並びにそれらの製造方法
JP2016519210A (ja) * 2013-03-13 2016-06-30 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 薄片粉末を製造するための低エネルギーの粉砕

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006038720A1 (ja) 2004-10-06 2006-04-13 Showa Denko K.K. ニオブ粉、ニオブ造粒物、ニオブ焼結体及びコンデンサ並びにそれらの製造方法
EP1808244A1 (en) * 2004-10-06 2007-07-18 Showa Denko Kabushiki Kaisha Niobium powder, niobium granules, niobium sinter and capacitor, and production processes thereof
EP1808244A4 (en) * 2004-10-06 2009-08-05 Showa Denko Kk NIOBIUM POWDER, NIOBIUM PELLETS, SINTERED PART AND NIOBIUM CONDENSATORS, AND PROCESS FOR THE PRODUCTION THEREOF
JP2016519210A (ja) * 2013-03-13 2016-06-30 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 薄片粉末を製造するための低エネルギーの粉砕

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112105471B (zh) 含有球形粉末的阳极和电容器
EP1082739B2 (en) Nitrided niobium powders and niobium electrolytic capacitors
EP1194256B1 (en) High capacitance niobium powders and electrolytic capacitor anodes
JP2014222776A (ja) タンタル粉末およびその製造方法
TWI596215B (zh) A fine tantalum powder and its preparation method
JP2003055702A (ja) 窒素含有金属粉末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ
CN104841929A (zh) 一种微细铌粉及其制造方法
JP6412251B2 (ja) コンデンサグレード粉末の製造方法及び前記方法から得られたコンデンサのグレード粉末
WO2006129850A1 (en) Metal powder and manufacturing methods thereof
WO2002011932A1 (fr) Procede de production de poudre de tantale, poudre de tantale correspondante et condensateur electrolytique au tantale
JP4217667B2 (ja) ニオブ亜酸化物をベースとするキャパシタアノードの製造方法、ニオブ亜酸化物を有する粉末混合物、アノード構造体を製造するための粉末、粉末混合物及び粉末凝集体、及び固体電解質キャパシタ
JPWO2013058018A1 (ja) コンデンサの陽極体の製造方法
KR20220006079A (ko) Ti-Zr 합금 분말 및 이를 함유하는 애노드
JPH02310301A (ja) タンタル粉末及びその製造法
JP2003299977A (ja) タンタル粉末またはニオブ粉末の製造方法
JP6977021B2 (ja) 薄片状タンタル粉末およびその調製方法
JP2005325448A (ja) タンタル粉末およびこれを用いた固体電解コンデンサ
WO2015123851A1 (zh) 一种钽粉的湿式球磨方法及由该方法制备的钽粉
JP2010265549A (ja) コンデンサ用ニオブ粉
JP6258222B2 (ja) ニオブコンデンサ陽極用化成体及びその製造方法
JP2008095200A (ja) 窒素含有金属粉末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ
CN117047096A (zh) 一种高压钽粉、其制备方法以及电容器阳极
JP2009275289A (ja) 窒素含有金属粉末の製造方法
JP2505343B2 (ja) タンタル粉末及びその製造方法
JP2009007675A (ja) 窒素含有金属粉末およびそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705