JP2005325448A - タンタル粉末およびこれを用いた固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】タンタル固体電解コンデンサのアノードとして使用した場合に、静電容量が大きく、漏れ電流の少ないタンタル固体電解コンデンサを得ることができるタンタル粉末の提供。
【解決手段】タンタル粉末の比表面積が大きい場合、タンタル粉末の嵩密度を適正化することで、大きな静電容量でかつ漏れ電流の少ない固体電解コンデンサが得られる。嵩密度が0.1〜1.0g/cmであり、比表面積が4m/g超10m/g以下であるタンタル粉末を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解コンデンサ(solid electrolyte capacitor)のアノード電極原料(anode material)に好適なタンタル粉末(tantalum powder)、および該タンタル粉末を焼結させた電解コンデンサ用アノード(anode)ならびに該アノードを用いた固体電解コンデンサに関する。
近年、電子集積回路(electric integrated circuits)は、より低電圧での作動、高周波数化、低ノイズ化が求められている。固体電解コンデンサについても、ESR(等価直列抵抗equivalent series resistance)の低減、ESL(等価直列インダクタンスequivalent series inductance)の低減の要求が高まってきている。固体電解コンデンサのアノード材料に好適に用いられる金属粉末としては、例えば、タンタル、ニオブ、チタン、タングステン、モリブデン等が挙げられる。これらの中で特にタンタルが使用された固体電解コンデンサは、ESRも低く、かつ静電容量(capacitance)も大きいため、携帯電話(cell phone)やパソコン(personal computer)等の部品として急速に普及した。最近では、コンデンサのより一層の高容量化と低ESR化が求められている。コンデンサの静電容量をより大きくするために、そのアノード材料として、比表面積(specific surface area)が大きく微細なタンタル粉末が開発されている。
特許文献1には、窒素を含有させたタンタル粉末の好適なスコット密度(apparent bulk density measured by Scott Volumeter)(嵩密度(apparent (bulk) density))が約25〜40g/in(約1.5〜2.4g/cm)であることが開示されている。しかしながら、タンタル粉末のBET法による比表面積と嵩密度との関係について開示はない。また公報の実施例に記載されているタンタル粉末のBET比表面積は0.37〜2.74m/gと小さな値であり、BET比表面積が2.74m/gより大きな場合、例えば4m/g以上のものについての開示は見当たらない。特許文献2には、電解コンデンサ用タンタル焼結体を製造するのに、ナトリウム還元法等によって得られた還元タンタルを不活性雰囲気(inert atmosphere)下で1000〜1500℃で高温熱処理した後に粉砕して得た嵩密度が0.50〜1.85g/cmのタンタル粉末を使用すると開示されている。しかしながら、BET比表面積の違いによる最適なタンタル粉末の嵩密度に関する開示はなく、上記の手順により得られる還元タンタル粉末のBET比表面積は0.8〜4m/gであると開示されている。従来のタンタル粉末の比表面積は、せいぜい大きくても4m/gでしかなかった。
特表2003−525850号公報 特開2002−60803号公報
ところで、タンタル固体電解コンデンサは、タンタル粉末を焼結後、この焼結体を化成処理(anodic oxidation)し、その表面に誘電性酸化膜(dielectric oxide film)を形成することにより作製される。よってタンタル固体電解コンデンサの静電容量(capacitance)はタンタル粉末の比表面積と関係し、比表面積が大きい程、大きい静電容量のコンデンサが得られることが知られている。しかしながら、本発明者らは、タンタル粉末の比表面積が大きくなると、焼結体を作る際のタンタル粉末の嵩密度の違いによっては大きい静電容量で、かつ漏れ電流(leakage current)の少ないコンデンサが得られなくなることを見出した。さらに、本発明者らは、特にタンタル粉末のBET比表面積が4m/g超になると、この傾向が顕著であることを見出した。
即ち、本発明者らは、固体電解コンデンサのアノードとしてタンタル粉末を使用した場合に、静電容量が大きく、漏れ電流の少ないタンタル固体電解コンデンサを得ることを目的としている。この目的を達成するために、比表面積が大きいタンタル粉末、および、これを用いた固体電解コンデンサ用アノード、ならびに該アノードを用いた固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意研究を行い、タンタル粉末の比表面積が大きい場合、タンタル粉末の嵩密度を適正化することで、大きい静電容量で、かつ漏れ電流の少ない固体電解コンデンサ用のタンタル粉末を得ることができるという知見を得て、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、嵩密度が0.1〜1.0g/cmであり、比表面積が4m/g超10m/g以下であることを特徴とするタンタル粉末を提供する。以下、本発明の比表面積は、BET法で測定された比表面積をいう。
本発明はさらに、本発明のタンタル粉末を用いた固体電解コンデンサ用アノードおよび該アノードを使用した固体電解コンデンサを提供する。
本発明のタンタル粉末は、嵩密度が0.1〜1.0g/cmであって、かつ比表面積が4m/g超、10m/g以下であることにより、タンタル粉末の焼結体を固体電解コンデンサのアノードとして使用した場合に、静電容量が大きく、かつ漏れ電流を少なくおさえることができる。
したがって、本発明のタンタル粉末の焼結体をアノードとして使用した固体電解コンデンサは、静電容量が大きく、かつ漏れ電流が少ない信頼性の高い固体電解コンデンサである。特に、静電容量200000μFV/g以上、漏れ電流1.0nA/μFV以下のタンタル固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明の固体電解コンデンサは、静電容量が大きいため、小型の、より好ましくは薄型のコンデンサとすることができ、電気機器(electric equipment)、電子機器の小型化に大いに寄与する。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)本発明のタンタル粉未の比表面積:4m/g超10m/g以下
嵩密度:0.1g/cmから1.0g/cm以下
本発明のタンタル粉末は、比表面積が4m/g超10m/g以下である。上記したように、使用するタンタル粉末の比表面積が大きいほど、タンタル固体電解コンデンサの静電容量が大きくなることが知られている。しかしながら、比表面積が4m/g超である場合、タンタル粉末の嵩密度を適正化しないと、期待通りの静電容量が大きく漏れ電流の少ない固体電解コンデンサを得ることができない。なお、本発明の比表面積は、BET法により測定された比表面積の値を用いる。
このため、本発明のタンタル粉末は、比表面積が上記の範囲であることに加えて、嵩密度が0.1〜1.0g/cmであることが必要である。本発明において、嵩密度はJISZ−2504法によって測定した値をいう。
嵩密度が1.0g/cm超では、固体電解コンデンサの静電容量が低下し、漏れ電流が増加する。一方、嵩密度が0.1g/cm未満であると、タンタル粉末を取り扱う際の設備が過大となり、経済性の観点から現実的ではない。タンタル粉末の嵩密度は、さらに好ましくは、0.3〜1.0g/cmである。
比表面積が4m/g以下であると、固体電解コンデンサの漏れ電流を低くおさえる効果が目立っては発現されず、得られる固体電解コンデンサの静電容量が十分に大きくならない。これは、誘電性酸化被膜に欠陥が生じやすいためと考えられる。一方、比表面積が10m/g超であると、タンタル粉末の表面活性が極めて高くなり、発火の危険性があるため、ハンドリングが困難になる。また、固体電解コンデンサのアノードとして使用するには、粉末の粒径が小さすぎるおそれがある。すなわち、固体電解コンデンサのアノードとして使用する場合、タンタル粉末は、焼結させた後、化成処理して酸化被膜を形成する。この際に、タンタルが酸化膜となって消費されて、酸化されず残るタンタルの量が減少する。比表面積が10m/g超で、タンタル粉末の粒径が小さすぎると、化成処理後、酸化されずに残るタンタルの量が少なくなる。したがって、電極面積が減少し、静電容量が大きい固体電解コンデンサを製造することが困難になる。タンタル粉末の比表面積は、より好ましくは4〜8.5m/gである。さらに好ましくは、4.5〜8.0m/gである。
なお、タンタル粉末は、葡萄の房、あるいは珊瑚状にお互いの粒子が二次集合体を形成していることが多い。よって本発明のタンタル粉末の好適な粒径は、本発明を好適に実施するためには、BET換算径(BET比表面積から求められる)で36nm〜90nmが好ましい。あるいは、走査型電子顕微鏡SEM(scanning electron microscope)の目視で一次粒子が20nm〜150nmが好ましい。このBET換算径およびSEMを用いた目視による一次粒子の径の下限値は化成工程ですべて酸化物になり容量に寄与しなくなるという理由で規定し、上記の上限値は、大きな容量が得られなくなるというの理由で規定した。
(2)タンタル粉末の製造方法
上記した本発明のタンタル粉末を製造するには、比表面積が大きいタンタル粉末が得られる限り、公知の製造方法から広く選択することができる。好ましくは比表面積が4〜10m/gのタンタル粉末である。
このような製造方法としては、具体的には、フッ化タンタル酸カリウムのナトリウム還元法、酸化タンタルのマグネシウム還元法、五塩化タンタルの気相水素還元法(Gas Phase Hydrogen Reduction Process)、タンタル金属の粉砕法等が挙げられる。
但し、上記した製造方法には、比表面積が4m/g超のタンタル粉末を製造するのが困難なものも含まれている。例えば、タンタル金属の粉砕法では、所望の比表面積を得られるまで、タンタル金属を細かく粉砕することは困難である。また、フッ化タンタル酸カリウムのナトリウム還元法および酸化タンタルのマグネシウム還元法は、800℃以上の高温に加熱する工程を伴い、しかも得られるタンタル粉末の酸素含有量が高いため、不活性雰囲気下における1200℃以上での加熱処理を伴う。このため、比表面積が4m/g以上のタンタル粉末を得ることが困難である。
したがって、本発明のタンタル粉末を得るには、上記した製造方法の中でも五塩化タンタルの気相水素還元法が好ましい。五塩化タンタルの気相水素還元法とは、プラズマCVD(plasma chemical vapor deposition)法を使用し、アルゴンプラズマ中に、五塩化タンタルおよび水素を導入し、このアルゴンプラズマ中で気相水素還元反応を行い、タンタル粉末を得る方法である。
五塩化タンタルの気相水素還元法は、プラズマアーク中で還元反応を行うため、反応が短時間で終了することから、比表面積の大きい、すなわち比表面積が4m/g超のタンタル粉末を得るのに好都合である。
プラズマCVD法により製造されるタンタル粉末の比表面積は、プラズマ用アルゴンガス流量、還元用水素ガス流量、五塩化タンタル導入量を調整することで制御可能である。
具体的には、Ar(mol)/TaCl(mol)=3〜90、H(mol)/TaCl(mol)=5〜400の範囲が好ましい。より好ましくは、Ar(mol)/TaCl(mol)=5〜90、H(mol)/TaCl(mol)=10〜400の範囲である。
(3)タンタル粉末の嵩密度の調整処理
タンタル粉末の嵩密度を0.1〜1.0g/cmにするのは、五塩化タンタルの気相水素還元法で得られるタンタル粉末の粒度を制御することであってもよい。但し、嵩密度の調整が容易であることから、五塩化タンタルの気相水素還元法で得られたタンタル粉末を粉砕して、所望の嵩密度を得ることが好ましい。この場合、タンタル粉末を粉砕する方法は特に限定されず、メノウ乳鉢による解砕であってもよく、または各種粉砕機、解砕機を使用しても良い。これらの方法により、途中嵩密度を測定しつつ、タンタル粉未を粉砕し、所望の嵩密度が得られるまで粉砕し続ける。
(4)タンタル粉末を用いた固体電解コンデンサの製造方法
次に本発明のタンタル粉末を用いて固体電解コンデンサを製造する。図1に固体電解コンデンサの縦断面図を模式的に示す。固体電解コンデンサ10は、タンタル焼結体11、酸化タンタル12、固体電解質層13、グラファイト層14、銀層15が積層された構造となっている。
この固体電解コンデンサ10の製造工程は、以下のとおりである。
まず始めに、上記で得られたタンタル粉末に、バインダーを合計で3〜5質量%添加して、充分に混合させた後、プレス成形し、長さ2.4mm、幅3.4mm、厚さ1.8mmの直方体のぺレットに調製する。プレス時の荷重は、3〜15MN(Mega Newton)/m、プレス体の嵩密度は、3200〜4000kg/mが好ましい。好ましいバインダーとして、ショウノウ、ステアリン酸、ポリビニルアルコール、ナフタレン等から選ばれる少なくとも1種を例示できる。
該ぺレットを、炉内圧力1×10−3Pa以下の真空中で、約1000〜1400℃で0.3〜1時間程度加熱して焼結させる。なお、焼結温度は、比表面積に応じて適宜設定できる。これにより、多孔性のタンタルの焼結体が得られる。
得られたタンタルの焼結体を化成処理して、焼結体の表面に酸化被膜を形成させ、アノードを作成する。化成処理とは、例えば、温度80℃、濃度0.6質量%のリン酸水溶液で、140A/gの電流密度で10〜20Vまで昇圧して6時間処理するものである。
次に、該焼結体の表面上にポリピロール(polypyrrole)、ポリチオフェン(polythiophen)等の固体電解質層13、グラファイト層14、銀層15をこの順で順次形成する。
最後にタンタルの焼結体11に外部端子18(アノード)を接続し、銀層15に導電性接着剤16を介して外部端子19(カソード)を接続する。
最後に、全体を樹脂17で被覆し、エージング(aging)を行うことにより、固体電解コンデンサ10が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
出力20kWのDCプラズマCVD装置に電極ガス(electrode working gas)としてアルゴン20NL(Normal Litter)/minを供給し、大気圧下でプラズマアークを発生させた。このプラズマアーク中に、350℃で気化させた五塩化タンタルのガス(五塩化タンタルの重量換算で15g/min)をアルゴン15NL/minに同伴させた混合ガスと水素ガス90NL/minを導入し、気相水素還元反応を行いタンタル粉末を得た。
このタンタル粉末を、メノウ乳鉢で解砕した。10分後に得られたタンタル粉末の比表面積をBET法で測定し、嵩密度をJISZ−2504法で測定した。その結果、比表面積4.8m/gであり、嵩密度は0.5g/cmであった。
このタンタル粉末の電気特性について、日本電子機械工業規格(Standard of Electronic Industries Association of Japan)のEIAJ RC−2361Aの100,000CV粉末の試験条件に準拠して、タンタル焼結素子を製造し、漏れ電流および静電容量を測定した。その結果、焼結温度1250℃での漏れ電流は0.5nA/μFV、静電容量は220,000μFV/gであった(表1参照)。なお、EIAJ RC−2361Aは、タンタル電解コンデンサ用タンタル焼結素子の試験方法(Test method of tantalum sintered anodes for electric capacitors)(2002年2月改正)である。
(実施例2〜3)、(比較例1〜2)
タンタル粉末の解砕条件、具体的には解砕時間を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に実施した。なお、比較例2で解砕時間0分とあるのは、解砕を実施していないことを意味する。結果を表1に示す。
本発明の範囲の実施例1および実施例2〜3は、いずれも漏れ電流は、0.5nA/μFV以下、静電容量は、220,000μFV/g以上が得られた。一方、嵩密度が本発明の範囲を外れている比較例1〜2は、実施例1〜3に比べ、大きな漏れ電流と小さな静電容量となった。
(実施例4)
出力20kWのDCプラズマCVD装置に電極ガスとしてアルゴン20NL/minを供給し、大気圧下でプラズマアークを発生させた。このプラズマアーク中に、350℃で気化させた五塩化タンタルのガス(五塩化タンタルの重量換算で10g/min)をアルゴン10NL/minに同伴させた混合ガスおよび水素ガス80NL/minをプラズマアーク中に導入し、気相水素還元反応を行いタンタル粉末を得た。
このタンタル粉末を、途中、嵩密度をJISZ−2504法で測定しながら、メノウ乳鉢で5分間解砕した。得られたタンタル粉末の比表面積をBET法で測定し、嵩密度をJISZ−2504法で測定した。その結果、比表面積7.5m/gであり、嵩密度は0.4g/cmであった。
このタンタル粉末の電気特性について、日本電子機械工業規格のEIAJ RC−2361Aの100,000CV粉末の試験条件に準拠して、タンタル焼結素子を製造し、漏れ電流および静電容量を測定した。その結果、焼結温度1250℃での漏れ電流は0.8nA/μFV、静電容量は370000μFV/gであった(表2参照)。
(実施例5〜6)、(比較例3)
タンタル粉末の解砕条件、具体的には解砕時間を表2に示すように変えたこと以外は実施例4と同様に実施した。なお、比較例3で解砕時間0分とあるのは、解砕を実施していないことを意味する。結果を表2に示す。
本発明の範囲の実施例4および実施例5〜6は、いずれも漏れ電流は、0.8nA/μFV以下、静電容量は、360,000μFV/g以上が得られた。一方、嵩密度が本発明の範囲を外れている比較例3は、実施例4〜6に比べ、大きな漏れ電流と小さな静電容量となった。
(比較例4)
出力40kWのDCプラズマCVD装置に電極ガスとしてアルゴン20NL/minを供給し、大気圧下でプラズマアークを発生させた。このプラズマアーク中に、350℃で気化させた五塩化タンタルのガス(五塩化タンタルの重量換算で20g/min)をアルゴン7NL/minに同伴させた混合ガスおよび水素ガス85NL/minをプラズマアーク中に導入し、気相水素還元反応を行いタンタル粉末を得た。このタンタル粉末を途中嵩密度をJISZ−2504法で測定しながら、メノウ乳鉢で10分間解砕した。得られたタンタル粉末の比表面積をBET法で測定し、嵩密度をJISZ−2504法で測定した。その結果、比表面積2.8m/gであり、嵩密度は0.9g/cmであった。
このタンタル粉末の電気特性について、日本電子機械工業規格のEIAJ RC−2361Aの100,000CV粉末の試験条件に準拠して、タンタル焼結素子を製造し、漏れ電流および静電容量を測定した。その結果、焼結温度1250℃での漏れ電流は0.4nA/μFV、静電容量は123,000μFV/gであった(表3参照)。
比較例4は、嵩密度が本発明の範囲に入っているが、比表面積が本発明の範囲をはずれており、大きな漏れ電流と、小さな静電容量となった。
(比較例5〜8)
タンタル粉末の解砕条件、具体的には解砕時間を表3に示すように変えたこと以外は比較例4と同様に実施した。なお、比較例8で解粋時間0分とあるのは、解砕を実施していないことを意味する。結果を表3に示す。
比表面積が本発明の範囲をはずれている比較例4および比較例5〜8は、嵩密度が本発明の範囲に入っているか否かに関わらず、漏れ電流は小さいが、大きな静電容量を得ることが出来なかった。
(実施例7)
実施例5と比較例3のタンタル粉末を使って、漏れ電流の経時変化を1000時間まで測定した結果を図2に示す。その結果、本発明の実施例5の固体電解コンデンサの漏れ電流は長期間にわたって、経時変化が小さく非常に信頼性があることが示された。
一方、比較例3の場合は、試験開始直後から漏れ電流が増加し始めていることが分かった。
Figure 2005325448
Figure 2005325448
Figure 2005325448
図1は、固体電解コンデンサの模式的断面図である。 図2は、漏れ電流の経時変化を示した図である。
符号の説明
10 固体電解コンデンサ
11 タンタル焼結体
12 酸化タンタル
13 固体電解質層
14 グラファイト層
15 銀層
16 導電性接着剤
17 樹脂
18 外部端子(アノード)
19 外部端子(カソード)

Claims (3)

  1. 嵩密度が0.1〜1.0g/cmであり、比表面積が4m/g超10m/g以下であるタンタル粉末。
  2. 請求項1に記載のタンタル粉末を用いた固体電解コンデンサ用アノード。
  3. 請求項2に記載の固体電解コンデンサ用アノードを含む固体電解コンデンサ。
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