JP5222438B1 - タングステン細粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、タングステン粉を鉱酸水溶液中で撹拌しながら電解酸化し、タングステン粉の表面に生じた酸化膜をアルカリ水溶液で除去するタングステン粉の細粉化方法、前記細粉化方法を含む工程によりタングステン細粉を得るタングステン粉の製造方法、及び平均粒子径が0.04〜0.4μmであり、かつ平均粒子径d(μm)と真密度M(g/cm3)とBET比表面積S(m2/g)との積(dMS)が6±0.4の範囲内であるタングステン粉に関する。

Description

本発明は、タングステン細粉の製造方法に関する。さらに詳しく言えば、タングステン粉を電解コンデンサ用として有用な、より細かな粒径を有するタングステン粉に加工する方法、及びその方法を用いたタングステン細粉の製造方法に関する。
携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器の形状の小型化、高速化、軽量化に伴い、これらの電子機器に使用されるコンデンサは、より小型で軽く、より大きな容量、より低いESR(等価直列抵抗)が求められている。
このようなコンデンサとしては、陽極酸化が可能なタンタルなどの弁作用金属粉末の焼結体からなるコンデンサの陽極体を陽極酸化して、その表面にこれらの金属酸化物からなる誘電体層を形成した電解コンデンサが提案されている。
弁作用金属としてタングステンを用い、タングステン粉の焼結体を陽極体とする電解コンデンサは、同一粒径のタンタル粉を用いた同体積の陽極体、同化成電圧で得られる電解コンデンサに比較して、大きな容量を得ることができるが、漏れ電流(LC)が大きく電解コンデンサとして実用に供されなかった。このことを改良するために、タングステンと他の金属との合金を用いたコンデンサが検討されているが漏れ電流は幾分改良されるものの十分ではなかった(特開2004−349658号公報(US6876083):特許文献1)。
特許文献2(特開2003−272959号公報)には、WO3、W2N、WN2から選択される誘電体層が形成されたタングステン箔の電極を用いたコンデンサが開示されているが、前記漏れ電流について解決したものではない。
また、特許文献3(国際公開第2004/055843号(US7154743))には、タンタル、ニオブ、チタン、タングステンから選択される陽極を用いた電解コンデンサを開示しているが、明細書中にタングステンを用いた具体例の記載はない。
タングステン粉を成形後、焼結した電解コンデンサ用陽極体では、同一体積であれば、タングステン粉の粒径が小さなほど容量の大きな陽極体を作製することができるので、原料タングステン粉の粒径は小さいほど好ましいが、市販のタングステン粉の平均粒径は0.5〜20μmである。
タングステン粉は、タングステンの酸化物、ハロゲン化物、アンモニウム塩等を原料として水素のような還元剤で処理して作製できる。ただし、還元速度を速くすると複合酸化物が生成する等の問題がある。そのため、より細かい粉体を作製するためには還元速度を遅くしなければならず、生産効率が低下しコスト高となる。また、高価な制御装置を有する煩雑な工程によって作製する必要があり、さらに水素ガスのような爆発範囲が広い材料を扱わねばならないという問題もあった。
特開2004−349658号公報 特開2003−272959号公報 国際公開第2004/055843号パンフレット
本発明の課題は、タングステンを陽極とするコンデンサ(以下、タングステンコンデンサ)の原料となる粒径のより小さいタングステン粉末を得るタングステン粉の加工方法、及びその方法を用いたタングステン細粉の製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、現在入手できるタングステン粉の表面を電解酸化することにより、タングステンコンデンサにより好適なタングステン細粉が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のタングステン粉の細粉化方法、及びタングステン粉の製造方法に関する。
[1]電解液中でタングステン粉を撹拌しながら電解酸化することにより、タングステン粉の粒子表面に酸化膜を形成させ、前記酸化膜をアルカリ水溶液で除去することを特徴とするタングステン粉の細粉化方法。
[2]前記酸化膜のアルカリ水溶液での除去が、タングステン粉の粒子表面の反応生成物を機械的に除去することを含む前項1に記載のタングステン粉の細粉化方法。
[3]電解液が鉱酸の水溶液である前項1または2に記載のタングステン粉の細粉化方法。
[4]鉱酸が、燐酸、硝酸、塩酸、ホウ酸及び硫酸から選択される前項3に記載のタングステン粉の細粉化方法。
[5]鉱酸が、燐酸またはホウ酸である前項4に記載のタングステン粉の細粉化方法。
[6]酸化剤を含有する水溶液中にタングステン粉を分散することにより、タングステン粉の粒子表面に酸化膜を形成させ、前記酸化膜をアルカリ水溶液で除去した後に、前項1〜5の方法を適用するタングステン粉の細粉化方法。
[7]前項1〜6の方法を含む工程により平均粒子径0.04〜0.4μmのタングステン粉を得ることを特徴とするタングステン細粉の製造方法。
[8]前項1〜6の方法を含む工程により、平均粒子径(μm)と真密度(g/cm3)とBET比表面積(m2/g)との積が6±0.4の範囲内であるタングステン粉を得ることを特徴とするタングステン細粉の製造方法。
[9]平均粒子径が0.04〜0.4μmであり、かつ平均粒子径d(μm)と真密度M(g/cm3)とBET比表面積S(m2/g)との積(dMS)の値が6±0.4の範囲内であるタングステン粉。
本発明によれば、現在市販されているタングステン粉、あるいは公知の方法で製造できるタングステン粉から、電解コンデンサ用として好適な、細かな粒径を有し、粒子形状がほぼ球形のタングステン粉を製造することができる。
本発明により得られるタングステン粉は、細かな粒径を有するので得られるコンデンサの容量が大きくなる。また、粒子形状がより球形に近くなるので、タングステン粉の流動性が良好となる。そのため、造粒粉作製工程等での粉体の取扱いが容易になる。
[原料タングステン粉]
本発明で細粉化の対象となる原料タングステン粉は、平均粒径が0.1〜10μmの範囲のものが好ましい。
原料タングステン粉を得る方法としては、市販品の他、公知の方法により製造されるもの、例えば、三酸化タングステン粉を水素雰囲気下で粉砕する方法、あるいはタングステン酸やハロゲン化タングステンを水素やナトリウム等で還元する方法等を適宜選択することによって得ることができる。また、タングステン含有鉱物から直接または複数の工程を経て、還元条件を選択することによって得たものでもよい。
ただし、これらの方法では粒子径の小さい原料タングステン粉を得ることが難しいので、後述するように化学酸化法による前処理を行ったタングステン粉を原料タングステン粉として用いるか、あるいは本発明の方法を適用して得たタングステン粉を原料タングステン粉として用いてもよい。これら細粉化処理を行ったタングステン粉を原料タングステン粉として用いることにより、さらに粒子径の小さいタングステン粉が得られる。例えば、本発明の方法の適用を繰り返すと、平均粒径0.04μm以下のタングステン粉を得ることもできる。
ただし、陽極酸化により誘電体層を形成する場合、コンデンサに好ましく利用できる粉体の粒径には下限がある。コンデンサに用いるタングステン粉の粒径の下限値は、形成しようとする誘電体層の厚みの2倍以上である。例えば、定格電圧が1.6Vの場合、0.04μm以上である。このような粒径未満であると、陽極酸化をしたときに、導電性のタングステン部分が十分残らず、電解コンデンサの陽極を構成することが困難となる。
特に、定格電圧が低い高容量のコンデンサに用いる場合、タングステン粉の粒子径を0.04〜0.4μmとすることが好ましく、0.08〜0.2μmとすることがさらに好ましい。
なお、本発明の方法で使用される原料タングステン粉は、コンデンサ特性が劣化しない範囲で不純物を含んでも良く、あるいはコンデンサ特性の改良のためにケイ素、窒素、炭素、ホウ素、リン、酸素などの元素を含むように加工したものでもよい。ただし、後述するケイ化、窒化、炭化、あるいはホウ化処理等の粒子表面の加工は、本発明を適用した後の工程で行うことが好ましい。
本発明では、原料タングステン粉の粒子表面を酸化した後、表面の酸化膜を除去して細粉化したタングステン粉を得る。タングステン粉の粒子表面の酸化は、化学的酸化または電解酸化により行えるが、電解酸化を用いて細粉化する方法(以下、電解酸化法)は、酸化膜の生成量を電解酸化時の印加電圧を調整するだけで制御できるので、化学酸化を用いて細粉化する方法(以下、化学的酸化法)に比べて容易に操作できる。そのため、電解酸化法は、酸化膜の生成量をより正確に制御することが必要な、より細かいタングステン粉の製造に好ましく適用できる。
タングステン粉の細粉化は電解酸化法のみで行ってもよいが、比較的大きい粒子(例えば、平均粒子径1μm以上)を細粉化する場合は、化学的酸化による前処理を行ってある程度細粉化(例えば、平均粒子径0.5μm以下)してから電解酸化法を適用した方が、電解酸化時の印加電圧を低く抑えられるので、操作がし易くなる。
(1)電解酸化法
タングステン粉の粒子表面の酸化:
電解液としては、鉱酸やその塩の水溶液など、電解質溶液を使用できるが、酸化後の洗浄が容易であることから鉱酸水溶液が好ましい。鉱酸としては、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、ホウ酸等が挙げられるが、比較的欠陥のある酸化皮膜が得られやすく後のアルカリ水溶液で除去されやすい点で燐酸またはホウ酸水溶液が好ましい。鉱酸水溶液の濃度としては0.1〜5質量%が好ましい。濃度が濃くなると、後工程であるタングステン粉の洗浄が面倒になる。
電解酸化は、例えば原料タングステン粉を、電解液を収容した金属製の容器に投入し、金属製の撹拌棒を陽極とし、容器を陰極として、撹拌下に所定の電圧を印加し、好ましくは室温〜水溶液の沸点温度、さらに好ましくは30〜80℃の温度にて、好ましくは10分〜100時間、さらに好ましくは1〜10時間通電し酸化する。この時必要により蒸発で消失する溶媒成分を補給しながら行う。
なお、印加する電圧は、所望する細粉化の程度に応じて設定すればよい。印加電圧をより高くすると、酸化膜量が増加し、粒子径をより小さくすることができる。具体的電圧は予備実験で求められる。ただし、高電圧での電解酸化には時間がかかるので、印加電圧を好ましくは100V以下、より好ましくは50V以下とし、必要であれば細粉化の操作を繰り返してもよい。
電解酸化終了後は、液をデカンテーション等で除去する操作を繰り返し、タングステン粉を水等の溶媒で洗浄する。この状態のタングステン粉は黒色から黄色がかった青色に変色する。
酸化膜の除去:
上記で得られた表面が酸化されたタングステン粉の酸化膜を、アルカリ水溶液で処理し、少なくとも化学的に除去する。好ましくは、ホモジナイザーなどの強い撹拌ができる装置により、タングステン粒子表面に生成した生成物を機械的にも除去しながら前記撹拌を行う。
アルカリ溶液としては、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水等が用いられ、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が好ましい。
具体的には、表面が酸化されたタングステン粉にアルカリ水溶液を加え、撹拌した後に静置し、デカンテーションで液を除去した後に、水等の溶媒を投入し、撹拌した後に静置し、デカンテーションする一連の操作を数回繰り返す。これらの操作によりタングステン粉は黒色となり、表面に形成された酸化物は除去される。その後、真空乾燥機(例えば、104〜102Paに減圧下、50〜180℃の温度)で乾燥し、室温まで冷却する。次に、発火しないように徐々に空気を入れ、空気中に取り出すことにより、原料タングステン粉に比べて粒径が小さい細粉化されたタングステン粉を得ることができる。
(2)化学酸化法
所望により前処理として実施される化学酸化では、原料のタングステン粉を、酸化剤水溶液中で撹拌等をすることにより分散させ、所定時間保持することにより表面を酸化する。良好な分散状態を保ち、表面を早く酸化させるために、ホモジナイザー等の強い撹拌のできる装置を使用することが好ましい。また、高温で酸化させると早く酸化が進む。
酸化剤としては、例えば、過マンガン酸塩などのマンガン(VII)化合物;三酸化クロム、クロム酸塩、二クロム酸塩などのクロム(VI)化合物;過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸及びそれらの塩などのハロゲン酸化合物;過酸化水素、過酸化ジエチル、過酸化ナトリウム、過酸化リチウム等の過酸化物;過酢酸、過硫酸塩等のペルオキソ酸及びそれらの塩などが挙げられる。特に、扱い易さと酸化剤としての安定性、水に易溶性であることから、過酸化水素及び過硫酸アンモニウムが好ましい。
水溶液中の酸化剤濃度は、1%程度から酸化剤の飽和溶解度となる範囲である。酸化剤濃度は予備的な実験により適宜決められる。
酸化時間は1時間〜1000時間、好ましくは1時間〜100時間であり、酸化温度は室温から溶媒の沸点温度、好ましくは50℃〜溶液の沸点温度である。
酸化反応後、タングステン粉末を酸化反応溶液からデカンテーションなどの操作で分取し、溶媒に投入、撹拌、静置、デカンテーションの一連の操作を繰り返して洗浄する。この状態のタングステン粉は原料の黒色が黄色がかった青色に変色しており、表面が酸化されたことを目視でも確認できる。
なお、本発明の各工程で用いる溶媒は、粉体の分散性やデカンテーションにかかる時間などから、水だけでなく、水溶性有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール等)との混合水溶液を選択してもよい。
上記で得られた表面が酸化されたタングステン粉の酸化膜の除去は、前述の電解酸化法での酸化膜の除去と同様に行う。
本発明の方法によれば、原料タングステン粉の粒子形状が特に異方性の高いものでない限り、ほぼ球状のタングステン粒子粉が得られる。粒子が球形であることは得られたタングステン粉の平均粒子径(d)(μm)と真密度(M)(g/cm3)とBET比表面積(S)(m2/g)の値が下記の式を満たすことで確認できる。
Figure 0005222438
すなわち、得られたタングステン粉の平均粒子径d(μm)と真密度M(g/cm3)とBET比表面積S(m2/g)の積(d×S×M)(dSMと略記)の値が6の値に近ければ得られたタングステン粉の粒子はほぼ球形であると言える。本発明により得られるタングステン粉のdMSの値は、通常6±0.4の範囲内となる。さらに、本発明の方法を適用して得たタングステン粉を原料タングステン粉として用い、さらに真球に近い粒子からなるタングステン粉を得ることもできる。
球形に近い粒子の表面に形成される誘電体層は、ほぼ一様な曲率を有し、応力が集中しやすい小さな曲率で屈曲する部分がないので劣化が少ない。その結果、LC特性がより良好なコンデンサが得られる。
本発明の方法で製造されたタングステン粉は、これを直接焼結して焼結体としてもよいが、あるいは10〜300μm程度の顆粒に造粒した粉を焼結して焼結体としてもよい。造粒した方が取扱いがしやすく、ESRを低く抑えやすい。
さらに、本発明の方法で製造されたタングステン粉に、ケイ化、窒化、炭化、あるいはホウ化処理をして、タングステン粒子表面の一部を、ケイ化タングステン、窒化タングステン、炭化タングステン、及びホウ化タングステンから選択される少なくとも1つを含有するタングステン粉としてもよい。また、これら処理を造粒粉あるいは焼結体となった段階で適用することもできる。この焼結体を一方の電極(陽極)とし、対電極(陰極)との間に介在する誘電体とにより電解コンデンサが作製される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、下記の記載により本発明は何ら限定されるものではない。
本発明において、粒子径と比表面積と真密度は以下の方法で測定した。
粒子径は、マイクロトラック社製HRA9320−X100を用い、粒度分布をレーザー回折散乱法で測定し、その累積体積%が、50体積%に相当する粒径値(D50;μm)を平均粒子径(d)とした。なお、この測定法は2次粒子径の測定法ではあるが、タングステン粉の分散性はある程度良好なので、測定結果は1次粒子径に近い値が得られる。そのため、測定結果を実質的に1次粒子径とみなして、前述の式(1)に適用し、粒子形状を判断してもよい。
比表面積(S;m2/g)は、NOVA2000E(SYSMEX社)を用いBET法で測定した。
真密度(M;g/cm3)は、ピクノメーター法(20℃)で測定した。
実施例1:
タングステン酸アンモニウムを水素還元して得た平均粒径1μmのタングステン粉200gを5質量%の過硫酸アンモニウムが溶解した蒸留水500mLに投入し、(株)マイクロテック・ニチオン社製のホモジナイザーNS−51を用いて50℃で24時間撹拌した。その間、蒸発する水を補給し続けた。室温で17時間放置して粉を沈降させた後に液をデカンテーションで除去し、さらに200mLの蒸留水を加えて同ホモジナイザーで5分撹拌し数時間放置後液をデカンテーションで除去した。この蒸留水投入、撹拌、静置、デカンテーションの一連の操作を4回繰り返した。この状態のタングステン粉は黄色がかった青色に変色し、表面が酸化されたことが分かった。次に5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を100mL加え、同上ホモジナイザーで1時間撹拌した。前記したように、静置、デカンテーションで液を除去した後に、蒸留水投入、撹拌、静置、デカンテーションの一連の操作を4回繰り返した。この状態のタングステン粉は黒色で表面に形成された酸化物は除去されていた。また、このタングステン粉の平均粒径は0.5μmであった。
次に、別途用意したステンレス製の容器に、デカンテーション後の水を含んだタングステン粉(粉単独で100g)を移し、さらに電解液として1質量%燐酸水溶液を300mL投入した。容器の上にステンレス製の撹拌棒(長さ4cmのステンレス製の羽が棒の下部に4枚、各90度離れて設置されている。)を電解液中に入れ、さらに撹拌棒を陽極とし、容器を陰極として20V印加して、50℃で5時間、回転速度100rpmで撹拌しながら電解酸化を行った。その間、蒸発する水を補給し続けた。室温で40時間放置して粉を沈降させた後に液をデカンテーションで除去し、さらに200mLの蒸留水を加えて同撹拌棒で20分撹拌し20時間放置後液をデカンテーションで除去した。この蒸留水投入、撹拌、静置、デカンテーションの一連の操作を4回繰り返した。この状態のタングステン粉は黄色がかった青色に変色し表面が酸化されていることが分かった。
次に5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を100mL加え、同上撹拌棒で1時間撹拌した。前記したように、静置、デカンテーションで液除去した後に、蒸留水投入、撹拌、静置、デカンテーションの一連の操作を4回繰り返した。この状態のタングステン粉は黒色で表面に形成された酸化物は除去されていた。その後粉の一部を真空乾燥機に移し、減圧下50℃で乾燥後室温に戻した。次に、発火しないように徐々に空気を入れ、空気中に取り出した。作製した粉は、平均粒径(d)0.2μm、比表面積(S)1.5m2/g、真密度(M)19.3であった。得られた粉の平均粒径、比表面積、及び真密度の積(dMS)は5.8であった。
実施例2:
実施例1の電解液を、1質量%燐酸水300mLの代わりに、1.5質量%ホウ酸のメタノール100mLと水350mLの混合溶液とした。デカンテーション液を前記同量比のメタノールと水の混合液とした。また、電解酸化中に蒸発するメタノールを補給し続けた。これら以外は実施例1と同様にしてタングステン粉を得た。作製した粉は、平均粒径(d)0.16μm、比表面積(S)2.0m2/g、真密度(M)19.3であった。得られた粉の平均粒径、比表面積、及び真密度の積(dMS)は6.2であった。
実施例1及び2共に、平均粒径、比表面積、及び真密度の積(dMS)は、ほぼ6±0.2の範囲内となっており、粒子形状がほぼ球形であることが確認された。

Claims (8)

  1. 電解液中でタングステン粉を撹拌しながら電解酸化することにより、タングステン粉の粒子表面に酸化膜を形成させ、前記酸化膜をアルカリ水溶液で除去することを特徴とするタングステン粉の細粉化方法。
  2. 前記酸化膜のアルカリ水溶液での除去が、タングステン粉の粒子表面の反応生成物を機械的に除去することを含む請求項1に記載のタングステン粉の細粉化方法。
  3. 電解液が鉱酸の水溶液である請求項1または2に記載のタングステン粉の細粉化方法。
  4. 鉱酸が、燐酸、硝酸、塩酸、ホウ酸及び硫酸から選択される請求項3に記載のタングステン粉の細粉化方法。
  5. 鉱酸が、燐酸またはホウ酸である請求項4に記載のタングステン粉の細粉化方法。
  6. 酸化剤を含有する水溶液中にタングステン粉を分散することにより、タングステン粉の粒子表面に酸化膜を形成させ、前記酸化膜をアルカリ水溶液で除去した後に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法を適用するタングステン粉の細粉化方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を含む工程により平均粒子径0.04〜0.4μmのタングステン粉を得ることを特徴とするタングステン細粉の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を含む工程により、平均粒子径(μm)と真密度(g/cm3)とBET比表面積(m2/g)との積が6±0.4の範囲内であるタングステン粉を得ることを特徴とするタングステン細粉の製造方法。
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