JP2003272959A - コンデンサ - Google Patents

コンデンサ

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JP2003272959A
JP2003272959A JP2002072541A JP2002072541A JP2003272959A JP 2003272959 A JP2003272959 A JP 2003272959A JP 2002072541 A JP2002072541 A JP 2002072541A JP 2002072541 A JP2002072541 A JP 2002072541A JP 2003272959 A JP2003272959 A JP 2003272959A
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capacitor
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tungsten
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tungsten electrode
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JP2002072541A
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Mutsumi Yano
睦 矢野
Kazuhiro Takatani
和宏 高谷
Mamoru Kimoto
衛 木本
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で大容量のコンデンサが得られるように
する。 【解決手段】 この発明のコンデンサにおいては、WO
3 ,W2 N,WN2 から選択される1種の誘電体層が形
成されたタングステン電極を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明はコンデンサに係り、特に、高容
量のコンデンサが得られるようにした点に特徴を有する
ものである。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に伴って、小型
で大容量のコンデンサの開発が要望されるようになっ
た。
【0003】そこで、近年においては、特開平11−1
2601号公報等に示されるように、電極材料にタンタ
ルを用いた固体電解コンデンサが開発されている。
【0004】そして、このような固体電解コンデンサに
おいては、一般に、タンタルをアノード酸化させて、タ
ンタル電極の表面にTa2 5 からなる誘電体層を形成
した後、この誘電体の表面に化学重合又は電解重合によ
りポリピロール又はポリチオフェンからなる導電性高分
子層を形成し、さらにこの導電性高分子層の上にカーボ
ンからなる陰極を設けるようにしている。
【0005】ここで、コンデンサの容量Cは、C=εs
・ε0 ・S/d(εs :比誘電率、ε0 :真空の誘電
率、S:表面積、d:電極間距離)で表され、誘電体の
誘電率が大きいほど高い容量が得られる。
【0006】しかし、上記のようにタンタルをアノード
酸化させて得たTa2 5 からなる誘電体層はその誘電
率が小さく、十分な容量をもつコンデンサを得るために
は、その体積を大きくしなければならず、小型で大容量
のコンデンサを得ることが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、コンデン
サにおける上記のような問題を解決し、小型で大容量の
コンデンサが得られるようにすることを課題とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明におけるコンデ
ンサにおいては、上記のような課題を解決するため、W
3 ,W2 N,WN2 から選択される1種の誘電体層が
形成されたタングステン電極を用いるようにしたのであ
る。
【0009】そして、この発明におけるコンデンサのよ
うに、タングステン電極に、WO3,W2 N,WN2
ら選択される1種の誘電体層を形成すると、これらの誘
電体層の誘電率が、上記のTa2 5 からなる誘電体層
の誘電率に比べて非常に高いため、小型で大容量のコン
デンサが得られるようになる。
【0010】ここで、この発明におけるコンデンサにお
いて、タングステン電極にWO3 からなる誘電体層を設
けるにあたっては、タングステンをアノード酸化させる
ことによって形成することができる。
【0011】また、タングステン電極にW2 Nからなる
誘電体層を設けるにあたっては、タングステンを窒素雰
囲気中で2500℃以上に加熱処理することにより形成
することができる。
【0012】また、タングステン電極にWN2 からなる
誘電体層を設けるにあたっては、タングステンをアンモ
ニアガス中で800℃以上に加熱処理することにより形
成することができる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例に係るコンデンサに
ついて具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発
明の実施例におけるコンデンサにおいては高い容量が得
られることを明らかにする。なお、この発明におけるコ
ンデンサは、下記の実施例に示したものに限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することができるものである。
【0014】(実施例1)実施例1においては、厚さが
100μmのタングステン箔を、液温を50℃に保持し
た0.05重量%燐酸アンモニウム水溶液中に浸漬さ
せ、100Vの定電圧でアノード酸化させて、タングス
テン箔からなるタングステン電極の表面にWO3 からな
る誘電体層を形成した。なお、このようにWO3 からな
る誘電体層が形成されたタングステン電極をSEMによ
り観察した結果、上記の誘電体層の厚みは約200nm
になっていた。
【0015】そして、このようにWO3 からなる誘電体
層が形成されたタングステン電極を陽極に用い、図1に
示すように、ビーカ1に収容させた2重量%のホウ酸水
溶液からなる測定液2中に上記の陽極3を浸漬させると
共に、この陽極3の周囲を覆うようにして、活性炭で構
成された円筒状の陰極4をこの陽極3と接触しないよう
にして上記の測定液1中に浸漬させて、実施例1の試験
用コンデンサを作製した。
【0016】(実施例2)実施例2においては、厚さが
100μmのタングステン箔を、窒素雰囲気中において
2500℃で1時間加熱処理し、タングステン箔からな
るタングステン電極の表面にWN2 からなる誘電体層を
形成した。なお、このようにしてタングステン電極の表
面に形成したWN2 からなる誘電体層の厚みは約200
nmになっていた。
【0017】そして、このようにWN2 からなる誘電体
層が形成されたタングステン電極を陽極に用い、上記の
実施例1の場合と同様にして、実施例2の試験用コンデ
ンサを作製した。
【0018】(実施例3)実施例3においては、厚さが
100μmのタングステン箔を、アンモニアガス中にお
いて800℃で1時間加熱処理し、タングステン箔から
なるタングステン電極の表面にW2 Nからなる誘電体層
を形成した。なお、このようにしてタングステン電極の
表面に形成したW2 Nからなる誘電体層の厚みは約20
0nmになっていた。
【0019】そして、このようにW2 Nからなる誘電体
層が形成されたタングステン電極を陽極に用い、上記の
実施例1の場合と同様にして、実施例3の試験用コンデ
ンサを作製した。
【0020】(比較例1)比較例1においては、厚さが
100μmのタンタル箔を、液温を50℃に保持した
0.05重量%燐酸アンモニウム水溶液中に浸漬させ、
100Vの定電圧でアノード酸化させて、タンタル箔か
らなるタンタル電極の表面にTa2 5 からなる誘電体
層を形成した。なお、このようにしてタンタル電極の表
面に形成したTa2 5 からなる誘電体層の厚みは約2
00nmになっていた。
【0021】そして、このようにTa2 5 からなる誘
電体層が形成されたタンタル電極を陽極に用い、上記の
実施例1の場合と同様にして、比較例1の試験用コンデ
ンサを作製した。
【0022】(比較例2)比較例2においては、厚さが
100μmのタングステン箔を、窒素雰囲気中において
2300℃で1時間加熱処理した。そして、このように
加熱処理したタングステン箔からなるタングステン電極
の表面をSEMにより観察したところ、WN2 からなる
誘電体層は形成されていなかった。
【0023】そして、上記のように処理したタングステ
ン電極を陽極に用い、上記の実施例1の場合と同様にし
て、比較例2の試験用コンデンサを作製した。
【0024】(比較例3)比較例3においては、厚さが
100μmのタングステン箔を、アンモニアガス中にお
いて750℃で1時間加熱処理した。そして、このよう
に加熱処理したタングステン箔からなるタングステン電
極の表面をSEMにより観察したところ、W2 Nからな
る誘電体層は形成されていなかった。
【0025】そして、上記のように処理したタングステ
ン電極を陽極に用い、上記の実施例1の場合と同様にし
て、比較例3の試験用コンデンサを作製した。
【0026】次に、上記のようにして作製した実施例1
〜3及び比較例1〜3の各試験用コンデンサを用い、J
IS C 5101に準拠し、測定周波数120Hzで
各試験用コンデンサの静電容量を測定し、実施例1の試
験用コンデンサの静電容量を100として、各試験用コ
ンデンサの静電容量の指数を求め、その結果を下記の表
1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】この結果から明らかなように、WO3 ,W
2 N,WN2 から選択される1種の誘電体層が形成され
たタングステン電極を陽極に用いた実施例1〜3の各試
験用コンデンサは、Ta2 5 からなる誘電体層が形成
されたタンタル電極を陽極に用いた比較例1の試験用コ
ンデンサや、WO3 ,W2 N,WN2 から選択される誘
電体層が形成されていないタングステン電極を陽極に用
いた比較例2,3の試験用コンデンサに比べて静電容量
が著しく高くなっていた。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
コンデンサにおいては、タングステン電極にWO3 ,W
2 N,WN2 から選択される1種の誘電体層を形成する
ようにしたため、これらの誘電体層の誘電率が、従来の
タンタル電極に形成されているTa2 5 からなる誘電
体層の誘電率に比べて非常に高いため、小型で大容量の
コンデンサが得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製した
試験用コンデンサの概略説明図である。
【符号の説明】
1 ビーカ 2 測定液 3 陽極 4 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 WO3 ,W2 N,WN2 から選択される
    1種の誘電体層が形成されたタングステン電極を用いた
    ことを特徴とするコンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコンデンサにおいて、
    タングステンがアノード酸化されてWO3 からなる誘電
    体層が形成されてなることを特徴とするコンデンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のコンデンサにおいて、
    タングステンが窒素雰囲気中で2500℃以上に加熱処
    理されてWN2 からなる誘電体層が形成されてなること
    を特徴とするコンデンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のコンデンサにおいて、
    タングステンがアンモニアガス中で800℃以上に加熱
    処理されてW2 Nからなる誘電体層が形成されてなるこ
    とを特徴とするコンデンサ。
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