JP2003299339A - リニアモータおよびステージ装置並びに露光装置 - Google Patents

リニアモータおよびステージ装置並びに露光装置

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JP2003299339A
JP2003299339A JP2002099333A JP2002099333A JP2003299339A JP 2003299339 A JP2003299339 A JP 2003299339A JP 2002099333 A JP2002099333 A JP 2002099333A JP 2002099333 A JP2002099333 A JP 2002099333A JP 2003299339 A JP2003299339 A JP 2003299339A
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Osamu Ishikawa
修 石川
Shige Morimoto
樹 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却媒体の流路を形成する部材が一端側で締
結固定された場合でも、表面温度の分布を均一にする。 【解決手段】 相対移動する2つの部材の一方34aに
設けられたコイル体63と、コイル体63の周囲を囲む
包囲部材65と、包囲部材65とコイル体63との間に
形成され温度調整用媒体が流動する流路66とを備え
る。流路66は包囲部材65の温度分布に基づいて断面
形状が決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイル体及び発磁
体を有するリニアモータおよびこれを備えたステージ装
置並びに露光装置に関し、特に温度調整用媒体を用いて
コイル体の温度を調整する際に用いて好適なリニアモー
タおよびこれを備えたステージ装置並びに露光装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの製造工程の
1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレ
チクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パ
ターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガ
ラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用
いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置と
しては、近年における集積回路の高集積化に伴うパター
ンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レ
チクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小
転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0004】上記のレチクルやウエハは、レチクルステ
ージやウエハステージ等のステージに保持され、レーザ
干渉計によって計測されたステージの位置情報に従って
所定方向に駆動されるが、これらステージに対する駆動
用アクチュエータとしては、非接触で駆動されるため、
摩擦が生じず、位置制御性に優れている等の利点からリ
ニアモータが多く用いられている。
【0005】図9に、従来技術によるリニアモータの構
成例を示す。この図に示すリニアモータは、発磁体とし
て一対の磁石61、61が間隔をあけて対向配置された
固定子62と、コイルを合成樹脂で固めて平板状のコイ
ル体に整形したモールドコイル63を有する可動子64
とを主体として構成されたムービングコイル型のリニア
モータ(トリムモータ)である。可動子64において
は、モールドコイル63の周囲はキャン65で囲まれ、
モールドコイル63とキャン65との間には温度調整用
の冷却媒体を図9の紙面と直交する方向に流動させるた
めの流路66がほぼ一定の幅(断面積)で形成されてい
る。モールドコイル63及びキャン65は基端部におい
て互いに当接した状態で基盤67に締結固定されてい
る。
【0006】このリニアモータは、モールドコイル63
(のコイル)に通電することにより、磁石61から生じ
る磁束密度との間で電磁力が発生することで駆動状態と
なり、固定子62に対して可動子64を相対移動させた
り、可動子64を介して伝達された力を相殺するように
可動子64に推力を付与することが可能になる。
【0007】ところで、リニアモータを駆動させる際に
は、モールドコイル63に通電させることによりモール
ドコイル63は発熱するが、発生した熱は流路66に冷
却媒体を流動させることで吸収される構成になってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来技術には、以下のような問題が存在する。
モールドコイル63の発熱は一様であり、流路66の断
面積も一定であるため、冷却媒体を介してキャン65の
表面に伝達される熱はほぼ一定であり、従って、キャン
65の表面温度分布もほぼ均一になる。ところが、モー
ルドコイル63及びキャン65が基盤67に締結されて
いる構成を採った場合、モールドコイル63で生じた熱
は基盤67を介してキャン65に伝達されるとともに、
モールドコイル63とキャン65との当接部からも直接
伝達される。
【0009】そのため、キャン65の基端部側の表面温
度が先端部側に比べて局所的に高くなり、温度分布が不
均一になるという問題があった。このような不均一な温
度分布は、局所的に温度が上がるばかりではなく、キャ
ン65表面の平均温度上昇も招くことになり、半導体露
光装置等の装置内に上記リニアモータが使用された場
合、過度の温度上昇によりレーザ干渉計に対して揺らぎ
等を起こすため、正確な計測が実施できないという問題
を生じさせる。
【0010】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、冷却媒体の流路を形成する部材が一端側で
締結固定された場合でも、表面温度の分布を均一にでき
るリニアモータおよびこれを備えたステージ装置並びに
露光装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図7に対応
付けした以下の構成を採用している。本発明のリニアモ
ータは、相対移動する2つの部材の一方(34a)に設
けられたコイル体(63)と、コイル体(63)の周囲
を囲む包囲部材(65)と、包囲部材(65)とコイル
体(63)との間に形成され温度調整用媒体が流動する
流路(66)とを備えたリニアモータにおいて、流路
(66)は包囲部材(65)の温度分布に基づいて断面
形状が決定されることを特徴とするものである。
【0012】従って、本発明のリニアモータでは、例え
ばコイル体(63)と包囲部材(65)とが締結された
一端側で温度が局所的に高くなる個所近傍において流路
(66)の断面積を相対的に大きくすることで、温度調
整用媒体の流動抵抗を小さくすることができる。そのた
め、この個所において温度調整用媒体が単位時間あたり
多く流動することになり、他の個所よりも多くの熱を吸
収して表面の温度分布を均一にできる。
【0013】また、本発明のステージ装置は、平面内を
移動可能なステージ(5)と、ステージ(5)を駆動す
る駆動手段(34)とからなるステージ装置(7)にお
いて、駆動手段(34)が請求項1から請求項6のいず
れか1項に記載されたリニアモータであることを特徴と
するものである。
【0014】従って、本発明のステージ装置では、ステ
ージ(5)の駆動に伴って駆動手段(34)が発熱して
も、駆動手段(34)の表面温度を均一にできる。
【0015】そして、本発明の露光装置は、マスクステ
ージ(2)に保持されたマスク(R)のパターンを基板
ステージ(5)に保持された基板(W)に露光する露光
装置(1)において、マスクステージ(2)と基板ステ
ージ(5)との少なくとも一方のステージとして、請求
項7に記載されたステージ装置(7)が用いられること
を特徴とするものである。
【0016】従って、本発明の露光装置では、マスクス
テージ(2)や基板ステージ(5)の駆動に伴って駆動
手段(34)が発熱しても、駆動手段(34)の表面温
度を均一にできる。そのため、不均一な温度分布に起因
する過度の温度上昇を抑制することができ、干渉計に対
する揺らぎ等を防止して正確な計測を実施できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリニアモータおよ
びステージ装置並びに露光装置の第1の実施形態を、図
1ないし図6を参照して説明する。ここでは、例えば露
光装置として、レチクルとウエハとを同期移動しつつ、
レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンを
ウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを使用す
る場合の例を用いて説明する。また、この露光装置にお
いては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用
し、また本発明のリニアモータをウエハステージのステ
ップ移動時の反力を床に伝達する際に用いられるボイス
コイルモータに適用するものとする。なお、これらの図
において、従来例として示した図9と同一の構成要素に
は同一符号を付し、その説明を簡略化する。
【0018】図1に示す露光装置1は、光源(不図示)
からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩
形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明
する照明光学系IUと、レチクルRを保持して移動する
レチクルステージ(マスクステージ)2および該レチク
ルステージ2を支持するレチクル定盤3を含むステージ
装置4と、レチクルRから射出される照明光をウエハ
(基板、感光基板)W上に投影する投影光学系PLと、
ウエハWを保持して移動するウエハステージ(基板ステ
ージ)5および該ウエハステージ5を保持するウエハ定
盤6を含むステージ装置7と、上記ステージ装置4およ
び投影光学系PLを支持するリアクションフレーム8と
から概略構成されている。なお、ここで投影光学系PL
の光軸方向をZ方向とし、このZ方向と直交する方向で
レチクルRとウエハWの同期移動方向をY方向とし、非
同期移動方向をX方向とする。また、それぞれの軸周り
の回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0019】照明光学系IUは、リアクションフレーム
8の上面に固定された支持コラム9によって支持され
る。なお、露光用照明光としては、例えば超高圧水銀ラ
ンプから射出される紫外域の輝線(g線、i線)および
KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外
光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長19
3nm)およびF2レーザ光(波長157nm)等の真
空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0020】リアクションフレーム8は、床面に水平に
載置されたベースプレート10上に設置されており、そ
の上部側および下部側には、内側に向けて突出する段部
8aおよび8bがそれぞれ形成されている。
【0021】ステージ装置4の中、レチクル定盤3は、
各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8a
に防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており
(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せ
ず)、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン
像が通過する開口3aが形成されている。なお、レチク
ル定盤3の材料として金属やセラミックスを用いること
ができる。防振ユニット11は、内圧が調整可能なエア
マウント12とボイスコイルモータ13とが段部8a上
に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニ
ット11によって、ベースプレート10およびリアクシ
ョンフレーム8を介してレチクル定盤3に伝わる微振動
がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている(G
は重力加速度)。
【0022】レチクル定盤3上には、レチクルステージ
2が該レチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支
持されている。レチクルステージ2の底面には、複数の
エアベアリング(エアパッド)14が固定されており、
これらのエアベアリング14によってレチクルステージ
2がレチクル定盤3上に数ミクロン程度のクリアランス
を介して浮上支持されている。また、レチクルステージ
2の中央部には、レチクル定盤3の開口3aと連通し、
レチクルRのパターン像が通過する開口2aが形成され
ている。
【0023】レチクルステージ2について詳述すると、
図2に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定
盤3上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸
方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステー
ジ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のX
ボイスコイルモータ17Xと一対のYボイスコイルモー
タ17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動される
レチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている
(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示
している)。
【0024】各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3
上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エ
アパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる
固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連
結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定さ
れた可動子21とから構成されている。このため、運動
量保存の法則により、レチクル粗動ステージ16の+Y
方向の移動に応じて、固定子20は−Y方向に移動す
る。この固定子20の移動によりレチクル粗動ステージ
16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の
変化を防ぐことができる。
【0025】なお、固定子20は、レチクル定盤3上に
代えて、リアクションフレーム8に設けてもよい。固定
子20をリアクションフレーム8に設ける場合には、エ
アベアリング19を省略し、固定子20をリアクション
フレーム8に固定して、レチクル粗動ステージ16の移
動により固定子20に作用する反力をリアクションフレ
ーム8を介して床に逃がしてもよい。
【0026】レチクル粗動ステージ16は、レチクル定
盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定
されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によっ
てY軸方向に案内されるようになっている。また、レチ
クル粗動ステージ16は、これらYガイド51、51に
対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持さ
れている。
【0027】レチクル微動ステージ18には、不図示の
バキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持され
るようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y
方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動
鏡52a、52bが固定され、また、レチクル微動ステ
ージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面
ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そし
て、これら移動鏡52a、52b、53に対して測長ビ
ームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)
が各移動鏡との距離を計測することにより、レチクルス
テージ2のX、Y、θZ(Z軸回りの回転)方向の位置
が高精度に計測される。なお、レチクル微動ステージ1
8の材質として金属やコージェライトまたはSiCから
なるセラミックスを用いることができる。
【0028】図1に戻り、投影光学系PLとして、ここ
では物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両
方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や
蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)から
なる1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が使
用されている。このため、レチクルRに照明光が照射さ
れると、レチクルR上の回路パターンのうち、照明光で
照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射
し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの
像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像
される。これにより、投影された回路パターンの部分倒
立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW
上の複数のショット領域のうち、1つのショット領域表
面のレジスト層に縮小転写される。
【0029】投影光学系PLの鏡筒部の外周には、該鏡
筒部に一体化されたフランジ23が設けられている。そ
して、投影光学系PLは、リアクションフレーム8の段
部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に支持され
た鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸方向をZ方
向として上方から挿入されるとともに、フランジ23が
係合している。なお、鏡筒定盤25として、高剛性・低
熱膨張のセラミックス材を用いてもよい。
【0030】フランジ23の素材としては、低熱膨張の
材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、
マンガン0.25%、および微量の炭素と他の元素を含
む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。このフ
ランジ23は、投影光学系PLを鏡筒定盤25に対して
点と面とV溝とを介して3点で支持する、いわゆるキネ
マティック支持マウントを構成している。このようなキ
ネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの
鏡筒定盤25に対する組み付けが容易で、しかも組み付
け後の鏡筒定盤25および投影光学系PLの振動、温度
変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという
利点がある。
【0031】防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コ
ーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットにつ
いては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント26
とボイスコイルモータ27とが段部8b上に直列に配置
された構成になっている。これら防振ユニット24によ
って、ベースプレート10およびリアクションフレーム
8を介して鏡筒定盤25(ひいては投影光学系PL)に
伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようにな
っている。
【0032】ステージ装置7は、図1から明らかなよう
に、ステージ装置4と投影光学系PLとから分離してベ
ースプレート10上に設けられている。ステージ装置7
は、ウエハステージ5、このウエハステージ5をXY平
面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤
6、ウエハステージ5と一体的に設けられウエハWを吸
着保持する試料台ST、これらウエハステージ5および
試料台STを相対移動自在に支持するXガイドバーXG
を主体に構成されている。ウエハステージ5の底面に
は、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エ
アパッド)28が固定されており、これらのエアベアリ
ング28によってウエハステージ5がウエハ定盤6上
に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上
支持されている。
【0033】ウエハ定盤6は、ベースプレート10の上
方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されて
いる。防振ユニット29は、ウエハ定盤6の各コーナー
に配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては
図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント30とウエ
ハ定盤6に対して推力を付与するボイスコイルモータ3
1とがベースプレート10上に並列に配置された構成に
なっている。これら防振ユニット29によって、ベース
プレート10を介してウエハ定盤6に伝わる微振動がマ
イクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0034】図3に示すように、XガイドバーXGは、
X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向両
端には電機子ユニットからなる可動子36,36がそれ
ぞれ設けられている。これらの可動子36,36に対応
する磁石ユニットを有する固定子37,37は、ベース
プレート10に突設された支持部32、32に設けられ
ている(図1参照、なお図1では可動子36および固定
子37を簡略して図示している)。そして、これら可動
子36および固定子37によってムービングコイル型の
リニアモータ33、33が構成されており、可動子36
が固定子37との間の電磁気的相互作用により駆動され
ることで、XガイドバーXGはY方向に移動するととも
に、リニアモータ33、33の駆動を調整することでθ
Z方向に回転移動する。すなわち、このリニアモータ3
3によってXガイドバーXGとほぼ一体的にウエハステ
ージ5(および試料台ST、以下単にウエハステージ5
と称する)がY方向およびθZ方向に駆動されるように
なっている。なお、ウエハステージ5は、Y方向の移動
にはガイド部材を有さないガイドレスステージとなって
いるが、ウエハステージ5のX方向の移動に関しても適
宜ガイドレスステージとすることができる。
【0035】ウエハステージ5は、XガイドバーXGと
の間にZ方向に所定量のギャップを維持する磁石および
アクチュエータからなる磁気ガイドを介して、Xガイド
バーXGにX方向に相対移動自在に非接触で支持・保持
されている。また、ウエハステージ5は、Xガイドバー
XGに埋設された固定子35aを有するXリニアモータ
35による電磁気的相互作用によりX方向に駆動され
る。なお、Xリニアモータの可動子は図示していない
が、ウエハステージ5に取り付けられている。
【0036】ウエハステージ5の上面には、ウエハホル
ダ41を介してウエハWが真空吸着等によって固定され
る(図1参照、図3では図示略)。また、ウエハステー
ジ5のX方向の位置は、投影光学系PLの鏡筒下端に固
定された参照鏡42を基準として、ウエハステージ5の
一部に固定された移動鏡43の位置変化を計測するレー
ザ干渉計44によって所定の分解能、例えば0.5〜1
nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。なお、
上記参照鏡42、移動鏡43、レーザ干渉計44とほぼ
直交するように配置された不図示の参照鏡、レーザ干渉
計および移動鏡によってウエハステージ5のY方向の位
置が計測される。なお、これらレーザ干渉計の中、少な
くとも一方は、測長軸を2軸以上有する多軸干渉計であ
り、これらレーザ干渉計の計測値に基づいてウエハステ
ージ5(ひいてはウエハW)のXY位置のみならず、θ
回転量あるいはこれらに加え、レベリング量をも求める
ことができるようになっている。
【0037】また、図4に示すように、XガイドバーX
Gの−X方向側には、ボイスコイルモータで構成された
Xトリムモータ(リニアモータ)34の可動子(一方の
部材)34aが取り付けられている。Xトリムモータ3
4は、Xリニアモータ35の固定子としてのXガイドバ
ーXGとリアクションフレーム8との間に介装されてお
り、間隔をあけて配置された一対の磁石61、61を有
する固定子34bはリアクションフレーム8に設けられ
ている。このため、ウエハステージ5をX方向に駆動す
る際の反力は、Xトリムモータ34によりリアクション
フレーム8に伝達され、さらにリアクションフレーム8
を介してベースプレート10に伝達される。なお、実際
にはXトリムモータ34は、リニアモータ33を挟んだ
Z方向両側に配置されているが、図1、図3では便宜上
+Z側のXトリムモータ34のみ図示している。
【0038】可動子34aは、XガイドバーXGにZ方
向に沿って取り付けられる基盤67と、図5に示すよう
に、基端部63aを基盤67に締結固定され当該基盤6
7からXY平面に沿って−X方向に突設されたモールド
コイル(コイル体)63と、モールドコイル63の周囲
を囲みモールドコイル63との間に冷却媒体(温度調整
用媒体)を流動させるための流路66を形成するキャン
(包囲部材)65とから概略構成されている。
【0039】キャン65は、両端部においてパッキン等
のシール部材68を介して取付ネジ等の締結部材69
(図4参照)により基盤67に締結固定されている。モ
ールドコイル63は、図6に示す平面視0字状のコイル
70と、コイル70を固めて整形するエポキシ樹脂等の
合成樹脂で構成されるモールド体71とから構成されて
おり、基端部63aにおいて冷却媒体の漏洩を防ぐシー
ル部材72、72を介在させてキャン65と当接状態で
締結されている。
【0040】また、モールドコイル63は、長さ方向
(Y方向)に沿って、基端部63a側のキャン65との
当接部を始端とする長さSに亘って流路66に臨む表面
が、コイル70が露出しない程度に欠落した凹条73を
有している。そして、流路66においては、凹条73に
よって構成されモールドコイル63とキャン65との間
の流路幅が拡がった断面形状の主流路部66aと、主流
路部66aよりも先端側(−X側)で流路幅の狭い副流
路部66bとが形成されている。なお、以下の説明で
は、モールドコイル63とキャン65との間の隙間長を
単に流路幅と称する。
【0041】この主流路部66aは、流路66の流路幅
が一定の場合にキャン65の表面温度分布の高温部分に
配置されるため、その断面形状は上記表面温度分布に基
づいて決定される。ここでは、予め行った実験やシミュ
レーションの結果に基づいて、長さSがモールドコイル
63の全幅の1/3程度に設定されている(従って、主
流路部66aの長さSと副流路部66bの長さは、約
1:2に設定されている)。なお、これら流路幅は、モ
ールドコイル63の両面から互いに所定間隔で突設され
る複数の支持部74(図6参照)がキャン65に当接・
支持することで所定の値に保持される。また、主流路部
66aの断面形状は、長さSの範囲内において一定の流
路幅を有する断面形状に限られず、例えば上記表面温度
分布に基づいて、基端部63a側の流路幅が広く、先端
側(−X側)に向かうに従って漸次流路幅が減少する断
面形状としてもよい。
【0042】また、可動子34aには、冷却媒体を供給
・排出するための配管75(図4参照;この図では供給
側のみ図示)がY方向両端側に接続されている。そし
て、配管75を介して供給・排出される冷却媒体の流入
口76及び流出口77は、いずれも主流路部66aに臨
ませて形成されている。また、流入口76及び流出口7
7を通じて供給、排出される冷却媒体は、不図示の温調
機により温度及び流量を調整されて、可動子34aに供
給される。なお、冷却媒体としては、HFE(ハイドロ
・フルオロ・エーテル)やフロリナートを用いることが
可能だが、本実施の形態では地球温暖化係数が低く、オ
ゾン破壊係数がゼロであるため、地球環境保護の観点か
らHFEを用いている。
【0043】図1に戻り、投影光学系PLのフランジ2
3には、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が、ウ
エハ定盤6とのZ方向の相対位置を検出するための検出
装置として固定されている(ただし、図1においてはこ
れらのレーザ干渉計のうち1つが代表的に示されてい
る)。各レーザ干渉計45に対向する鏡筒定盤25の部
分には、開口25aがそれぞれ形成されており、これら
の開口25aを介して各レーザ干渉計45からZ方向の
レーザビーム(測長ビーム)がウエハ定盤6に向けて照
射される。ウエハ定盤6の上面の各測長ビームの対向位
置には、反射面がそれぞれ形成されている。このため、
上記3つのレーザ干渉計45によってウエハ定盤6の異
なる3点のZ位置がフランジ23を基準としてそれぞれ
計測される(図1においては、測長ビームがウエハステ
ージ5の手前を通過する状態を示している)。なお、ウ
エハステージ5の上面に反射面を形成して、この反射面
上の異なる3点のZ方向位置を投影光学系PLまたはフ
ランジ23を基準として計測する干渉計を設けてもよ
い。
【0044】次に、上記のように構成された露光装置の
中、まずステージ装置7の動作について説明する。リニ
アモータ33、35の駆動によりウエハステージ5が移
動した際には、レーザ干渉計44等の計測値に基づい
て、ウエハステージ5の移動に伴う重心の変化による影
響をキャンセルするカウンターフォースを防振ユニット
29に対してフィードフォワードで与え、この力を発生
するようにエアマウント30およびボイスコイルモータ
31を駆動する。また、ウエハステージ5とウエハ定盤
6との摩擦が零でない等の理由で、ウエハ定盤6の6自
由度方向の微少な振動が残留した場合にも、上記残留振
動を除去すべく、エアマウント30およびボイスコイル
モータ31をフィードバック制御する。
【0045】そして、ウエハステージ5のX方向の移動
に伴う反力は、Xトリムモータ34を介してリアクショ
ンフレーム8に伝達される。このとき、Xトリムモータ
34では、上記反力に相当する推力を出力するために可
動子34aのコイル70に通電されることでコイル70
を介してモールドコイル63が発熱する。モールドコイ
ル63で生じた熱は、流入口76から流入して流路66
を流動する冷却媒体によって吸収(吸熱)され、冷却媒
体が流出口77から流出することで排熱されるが、その
一部は冷却媒体を介してキャン65に伝熱される。
【0046】また、モールドコイル63で生じた熱は、
基端部63a近傍においてキャン65に直接伝熱される
とともに、基盤67を介して間接的にキャン65に伝熱
される。そのため、キャン65に伝熱される熱量は、先
端部に比較して基端部63a側の方が相対的に大きくな
る。ここで、冷却媒体が流動する流路66は、主流路部
66aが副流路部66bに対して流路幅が拡がっている
ため、冷却媒体の流動抵抗が小さくなる。そのため、主
流路部66aにおいて単位時間当たりに流動する冷却媒
体の量が副流路部66bに比較して多くなり、結果とし
て副流路部66bよりも多くの熱量を吸収することがで
きる。従って、基端部63a側の方がキャン65に伝熱
される熱量が大きくなる場合でも、主流路部66aを流
動する冷却媒体による吸熱量も上記伝熱量に応じて大き
くすることで、キャン65の表面温度分布を均一にでき
る。
【0047】続いて、露光装置1における露光動作につ
いて説明する。ここでは、予め、ウエハW上のショット
領域を適正露光量(目標露光量)で走査露光するための
各種の露光条件が設定されているものとする。そして、
いずれも不図示のレチクル顕微鏡およびオフアクシス・
アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、
ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライ
メントセンサを用いたウエハWのファインアライメント
(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント
等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列
座標が求められる。
【0048】このようにして、ウエハWの露光のための
準備動作が完了すると、アライメント結果に基づいてレ
ーザ干渉計44の計測値をモニタしつつ、リニアモータ
33、35を制御してウエハWの第1ショットの露光の
ための走査開始位置にウエハステージ5を移動する。そ
して、リニアモータ15、33を介してレチクルステー
ジ2とウエハステージ5とのY方向の走査を開始し、両
ステージ2、5がそれぞれの目標走査速度に達すると、
照明光学系IUからの露光用照明光により、レチクルR
上の所定の矩形状の照明領域が均一な照度で照明され
る。この照明領域に対してレチクルRがY方向に走査さ
れるのに同期して、この照明領域と投影光学系PLに関
して共役な露光領域に対してウエハWを走査する。
【0049】そして、レチクルRのパターン領域を透過
した照明光が投影光学系PLにより1/5倍あるいは1
/4倍に縮小され、レジストが塗布されたウエハW上に
照射される。そして、ウエハW上の露光領域には、レチ
クルRのパターンが逐次転写され、1回の走査でレチク
ルR上のパターン領域の全面がウエハW上のショット領
域に転写される。この走査露光時には、レチクルステー
ジ2のY方向の移動速度と、ウエハステージ5のY方向
の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あ
るいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、
リニアモータ15、33を介してレチクルステージ2お
よびウエハステージ5が同期制御される。
【0050】レチクルステージ2の走査方向の加減速時
の反力は、固定子20の移動により吸収され、ステージ
装置4における重心の位置がY方向において実質的に固
定される。また、レチクルステージ2と固定子20とレ
チクル定盤3との3者間の摩擦が零でなかったり、レチ
クルステージ2と固定子20との移動方向が僅かに異な
る等の理由で、レチクル定盤3の6自由度方向の微少な
振動が残留した場合には、上記残留振動を除去すべく、
エアマウント12およびボイスコイルモータ13をフィ
ードバック制御する。また、鏡筒定盤25においては、
レチクルステージ2、ウエハステージ5の移動による微
振動が発生しても、6自由度方向の振動を求め、エアマ
ウント26およびボイスコイルモータ27をフィードバ
ック制御することによりこの微振動をキャンセルして、
鏡筒定盤25を定常的に安定した位置に維持することが
できる。
【0051】以上のように、本実施の形態では、キャン
65の表面温度分布に基づいて流路66の断面形状を設
定することで流動抵抗の異なる複数の流路を形成してい
るので、伝熱量が大きく温度分布が高温となる虞がある
基端部63a側を流動する冷却媒体の量を多くする等、
キャン65の表面温度分布に応じて吸熱量を調整するこ
とが可能になり、キャン65の表面温度分布を容易に均
一化できる。その結果、温度分布の不均一に起因するキ
ャン65の平均温度上昇を抑制することができ、温度上
昇により揺らぎが生じて計測精度が低下することを防止
できる。
【0052】また、流路幅を大きくして主流路部66a
を形成するためには、キャン65の流路66側表面を欠
落させたり、キャン65が部分的に外側にオフセットし
た形状を持たせることも考えられるが、前者の場合は冷
却媒体による圧力でキャン65が外側に膨出する虞があ
り、後者の場合も部分的にZ方向の厚さが大きくなる。
そのため、固定子34b(の磁石61)とのギャップを
一定に維持するために磁石61、61間の距離が大きく
なり、リニアモータとしての効率が低下する可能性があ
るが、本実施の形態では主流路部66aをモールドコイ
ル63の表面を欠落させた凹条73で形成しているの
で、固定子34bとのギャップを大きくする必要がな
く、モータの効率低下を回避できる。
【0053】図7は、本発明の第2の実施形態を示す図
である。この図において、図1乃至図6に示す第1の実
施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付
し、その説明を省略する。第1の実施形態では主流路部
66aを凹条73によって形成したが、第2の実施形態
では冷却媒体の流入側及び流出側端部に設けたテーパ形
状によって、冷却媒体の流動する方向に沿って断面形状
が変化する流路を形成している。
【0054】即ち、図7に示すように、モールドコイル
63は、冷却媒体の流動方向(Y方向)の端部におい
て、当該端部に向かうに従って漸次薄くなるテーパ部7
8a、78bが形成されることで主流路部66aが構成
され、図中、二点鎖線で示すように、端部にテーパが形
成されない矩形断面のモールドコイル63により副流路
部66bが構成される。なお、このテーパ部78a、7
8bは、図5に示す長さSの範囲に亘って形成される。
【0055】上記の構成では、副流路部66bにおける
流路幅は一定であるが、主流路部66aにおける流路幅
はテーパ部78a、78bにおいて副流路部66bより
も大きくなる。そのため、主流路部66aは、副流路部
66bに比較して流路66に流入した冷却媒体の流動抵
抗が小さくなり、単位時間当たりに流動する冷却媒体の
量が多くなる。その結果、上記第1の実施形態と同様の
作用・効果が得られることに加えて、モールドコイル6
3を欠落させる範囲が凹条のように長さ方向に亘るので
はなく部分的なので、モールドコイル63の強度低下を
防止できるとともに、製造上、広範囲に凹条を形成する
のが困難な場合にも容易に主流路部を形成することが可
能である。
【0056】なお、上記第2の実施形態では、モールド
コイル63の端部に傾斜面を有するテーパ部78a、7
8bを設けることで主流路部を形成したが、端部に向か
うに従って漸次流路幅が大きくなる構成であれば、傾斜
面ではなく断面円弧形状の円弧面であってもよく、さら
に角部に面取りを設ける構成としてもよい。また、上記
実施の形態では、モールドコイル63に凹条やテーパ部
を設けることで主流路部を形成したが、上述したよう
に、リニアモータとしての効率低下の対策を採った場合
には、キャン65の流路66側表面を欠落させたり、キ
ャン65が部分的に外側にオフセットした形状を持たせ
ることで流路幅を拡げた主流路部を形成することも可能
である。さらに、モールドコイル63に欠落部(または
凹部)を形成することなく、モールドコイル63とキャ
ン65との間隔を一定に保つ支持部74の配置密度を異
ならせることで、冷却媒体の流動抵抗を調整して主流路
部を形成する構成としてもよい。
【0057】また、上記実施の形態では、ウエハステー
ジ5の移動に伴う反力を伝達するためのXトリムモータ
34に本発明のリニアモータを適用する構成としたが、
これに限定されるものではなく、例えばウエハステージ
5を走査方向に駆動するためのリニアモータ33にも適
用可能である。さらに、本発明のリニアモータ及びステ
ージ装置をウエハステージ側に適用したが、レチクルス
テージ2に対しても適用可能である。また、本発明のリ
ニアモータは、上記実施の形態で採用したムービングコ
イル型に限られず、ムービングマグネット型にも適用可
能である。そして、上記実施の形態では、本発明のステ
ージ装置を露光装置におけるウエハステージに適用した
構成としたが、露光装置以外にも転写マスクの描画装
置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機
器にも適用可能である。
【0058】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディス
プレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用の
セラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマス
クまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)
等が適用される。
【0059】露光装置1としては、レチクルRとウエハ
Wとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光す
るステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、
レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRの
パターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させる
ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステ
ッパー)にも適用することができる。
【0060】露光装置1の種類としては、ウエハWに半
導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用
の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置
や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチ
クルなどを製造するための露光装置などにも広く適用で
きる。
【0061】また、露光用照明光の光源として、超高圧
水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h
線(404.7nm)、i線(365nm))、KrF
エキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線
を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよい
し、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形
成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体
レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0062】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系
PLを用いることなく、レチクルRとウエハWとを密接
させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ
露光装置にも適用可能である。
【0063】ウエハステージ5やレチクルステージ2に
リニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)
を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型お
よびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮
上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5
は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを
設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0064】各ステージ2、5の駆動機構としては、二
次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二
次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電
磁力により各ステージ2、5を駆動する平面モータを用
いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニット
とのいずれか一方をステージ2、5に接続し、磁石ユニ
ットと電機子ユニットとの他方をステージ2、5の移動
面側(ベース)に設ければよい。
【0065】以上のように、本願実施形態の露光装置1
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0066】半導体デバイスは、図8に示すように、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設
計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するス
テップ202、シリコン材料からウエハを製造するステ
ップ203、前述した実施形態の露光装置1によりレチ
クルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ
204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、
ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検
査ステップ206等を経て製造される。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では包囲部
材とコイル体とが締結状態にあっても包囲部材の表面温
度分布を容易に均一化できるとともに、揺らぎによる計
測精度の低下を防止できるという効果を奏する。また、
本発明では、モータの効率低下を回避できるとともに、
容易に主流路部を形成できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の概略構成図である。
【図2】 同露光装置を構成するレチクルステージの
外観斜視図である。
【図3】 同露光装置を構成するウエハ側ステージ装
置の外観斜視図である。
【図4】 ウエハステージを構成するXトリムモータ
の概略構成図である。
【図5】 Xトリムモータを構成する可動子の断面斜
視図である。
【図6】 同可動子の平面図である。
【図7】 第2の実施形態の可動子の部分断面図であ
る。
【図8】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフ
ローチャート図である。
【図9】 従来技術によるリニアモータの一例を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク) W ウエハ(基板) 1 露光装置 2 レチクルステージ(マスクステージ) 5 ウエハステージ(基板ステージ、ステージ) 7 ステージ装置 34 Xトリムモータ(リニアモータ、駆動手段) 34a 可動子(一方の部材) 63 モールドコイル(コイル体) 65 キャン(包囲部材) 66 流路 66a 主流路部 70 コイル 71 モールド体 73 凹条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/68 H02K 9/19 B H02K 9/19 41/03 A 41/03 H01L 21/30 503A (72)発明者 森本 樹 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 5F031 CA02 CA05 HA01 HA53 JA06 KA06 KA07 LA03 LA04 LA07 LA08 MA27 5F046 AA23 BA05 CC01 CC02 CC03 CC18 DA26 5H609 BB08 BB11 PP02 PP09 QQ05 QQ10 RR31 5H641 BB06 BB15 BB16 BB17 BB18 GG03 GG07 GG11 GG12 GG26 GG29 HH02 JA05 JA09 JB05 JB10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動する2つの部材の一方に設け
    られたコイル体と、該コイル体の周囲を囲む包囲部材
    と、前記包囲部材と前記コイル体との間に形成され温度
    調整用媒体が流動する流路とを備えたリニアモータにお
    いて、 前記流路は、前記包囲部材の温度分布に基づいて断面形
    状が決定されることを特徴とするリニアモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリニアモータにおい
    て、 前記断面形状は、前記温度分布の温度の高さに応じて前
    記コイル体と前記包囲部材との間隔を拡げた形状である
    ことを特徴とするリニアモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリニアモータにおい
    て、 前記断面形状は、前記コイル体と前記包囲部材との少な
    くとも一方の前記流路に臨む個所に形成された凹条で構
    成された主流路部を有し、 前記主流路部は、前記温度分布における高温部分に配置
    されることを特徴とするリニアモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のリニアモータ
    において、 前記主流路部は、前記コイル体と前記包囲部材との当接
    部近傍に形成されることを特徴とするリニアモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載
    のリニアモータにおいて、 前記断面形状は、前記温度調整用媒体が流動する方向に
    沿って前記流路の断面積が変化することを特徴とするリ
    ニアモータ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のリニアモータにおい
    て、 前記コイル体はコイルと該コイルを固めて整形するモー
    ルド体とからなり、 前記断面形状は、前記コイル体の前記温度調整用媒体の
    流入側と流出側との少なくとも一方の端部を、当該端部
    に向かうに従って漸次前記モールド体の厚さを減じて、
    前記断面積を変化させることを特徴とするリニアモー
    タ。
  7. 【請求項7】 平面内を移動可能なステージと、前記
    ステージを駆動する駆動手段とからなるステージ装置に
    おいて、 前記駆動手段は、請求項1から請求項6のいずれか1項
    に記載されたリニアモータであることを特徴とするステ
    ージ装置。
  8. 【請求項8】 マスクステージに保持されたマスクの
    パターンを基板ステージに保持された基板に露光する露
    光装置において、 前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも
    一方のステージとして、請求項7に記載されたステージ
    装置が用いられることを特徴とする露光装置。
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