JP4432139B2 - ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工対象物等を移動するためのステージ装置及び該ステージ装置を備えた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、又は薄膜磁気ヘッド等の製造に使用される露光装置には、レチクル(又はフォトマスク等)又はウエハ(又はガラスプレート等)を位置決めするためのステージ装置としてレチクルステージ又はウエハステージが使用される。最近では、レチクル及びウエハを投影光学系に対して同期走査することにより、レチクルのパターンを逐次ウエハ上に転写するステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光型の露光装置も使用されているが、斯かる走査露光型のステージ装置では、レチクル及びウエハを一定速度で高精度に走査する機能も求められている。
【0003】
そして、露光装置用のレチクルステージ及びウエハステージには、位置決め又は走査に際しステージの位置を精密に測定するために、レーザ干渉計(レーザ光波干渉方式測長器)が備えられている。レーザ干渉計は、ステージに固定された移動鏡にレーザビームを照射し、移動鏡から反射されたレーザビームを受光することによりステージの位置を計測するものである。この場合、レーザビームの光路上に空気の揺らぎがあると、レーザ干渉計の測定値に誤差が生じる。このような空気の揺らぎは、気流の乱れや光路近傍の環境温度の変化により生ずる場合が多く、光路近傍の気流の乱れや温度変化を極力少なくするための方策が求められてきた。
【0004】
ところで、レチクルステージやウエハステージには、最近ステージを高速且つ非接触に駆動するための駆動機構としてリニアモータが使用されつつある。リニアモータは、ベース部材に固定された固定子と、そのベース部材に対して移動する部材上に固定された可動子とからなり、固定子がコイルを含むときは、可動子は磁石等の発磁体を含み、固定子が発磁体を含むときは、可動子はコイルを含む。そして、発磁体が可動子に含まれ、コイルが固定子側に含まれているものをムービング・マグネット型のリニアモータといい、コイルが可動子に含まれ、発磁体が固定子側に含まれるものをムービング・コイル型のリニアモータという。
【0005】
これらのリニアモータは、ムービング・マグネット型、ムービング・コイル型共に通常の回転型のモータ(ロータリモータ)と比較して、構造的にコイルと発磁体とのギャップを広くとる必要があるため、回転型のモータと比較して、効率が悪く、発熱量が多いという傾向がある。
【0006】
そして、リニアモータに使用される駆動用のコイルは、そのまま空気中に露出した構造になっている場合が多く、コイルからの熱が周辺の空気温度の変化の要因となっていた。そのため、レチクルステージやウエハステージの位置を計測するレーザ干渉計のレーザビームの光路周辺の空気に揺らぎが生じ、レーザ干渉計の計測値に誤差が生じる場合があり、最近では益々半導体素子等の集積度が向上して露光装置に要求される位置決め精度が高まっているため、そのような部分的な空気の揺らぎ等に起因する計測誤差を低減することが求められている。
【0007】
そのため、最近では発熱量の多いコイルの周囲を筒状の容器で覆い、筒状の容器中に温度調節機(以下、「温調機」という)により冷却液を流してコイルの発熱による温度の上昇を防ぐ方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のものは発熱部分に冷却液を単純に流すだけの方法であるため、レーザ干渉計のレーザビームの光路周辺の温度変化をなくして、光路周辺の部分的な空気の揺らぎを十分に防止することはできなかった。
【0009】
即ち、冷却液は発熱部分からの熱を吸収して温度が徐々に上昇するから、単純に冷却液を流通させるのみでは、冷却液の流れ方向に沿って温度勾配が生じ、近傍に空気の揺らぎ(屈折率の変動)が発生する。また、ステージの駆動部とその周辺部分の雰囲気等との間に温度差があると、この部分にやはり空気の揺らぎが発生する。
【0010】
ここで、近時においては、露光装置の生産性の向上のため、ステージの高速度化、高加速度化が要請されており、ステージの駆動装置としてのリニアモータにも高推力が要請されている。推力を大きくするためには、コイル電流を大きくする必要があり、これに伴い発熱量が増大することになり、上記の問題はさらに顕著になる。
【0011】
このような問題の対策として、冷却液の流量を増大すべく、流路断面積を大きくし、あるいは高流速化することが考えられる。しかし、冷却液の流路はコイルと発磁体の間に配置されるので、流路断面積を大きくすると、コイルと発磁体間のギャップが広くなり、一方、高流速化するためには、流路壁面(筒状の容器)の耐圧を大きくすべくその厚さを増大する必要があり、やはりコイルと発磁体間のギャップが広くなって効率が低下するとともに、装置の大型化を招くため、得策ではない。
【0012】
また、マスクや感光基板を移動するためのステージ装置を備えた露光装置においては、ステージの位置決めや移動の精度が低いと、露光精度が低下し、品質の高いマイクロデバイスを製造することができない場合があるという問題があった。
【0013】
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、効率の低下や装置の大型化を招くことなく、駆動部の発熱による空気の揺らぎを十分に抑え、ステージの位置を高精度に計測して、ステージを正確に位置決め又は移動できるステージ装置を提供することを目的とする。また、高品質なマイクロデバイスを製造できる露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以下、この項に示す説明では、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施の形態の図に示す参照符号を付して説明するが、本発明の各構成要件は、これら参照符号によって限定されるものではない。
【0015】
本発明に係るステージ装置は、ステージ(1)を駆動装置(M)により駆動するステージ装置であって、前記駆動装置は前記ステージの駆動に応じて発熱する部分(21)を有しており、前記発熱する部分を冷却するために流体(29)を供給する流体供給装置(7,9A〜9D)と、前記流体の流れる方向を選択的に切り替える切替装置(8)とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る露光装置は、パターンが形成されたマスクを介して感光基板を露光する露光装置であって、前記マスク及び前記感光基板の少なくとも一方を、前記第1のステージ装置により移動することを特徴とする。この場合において、露光処理の後、次の露光処理を行うまでの間に、前記流体の流れ方向の切替を実施するよう前記切替装置を制御する制御装置(10)を設けることができる。
【0017】
流体を一方向に流し続けると、流体は駆動装置の発熱する部分の熱を吸収することにより徐々に温度が上昇し、駆動装置の流体の導入側における流体の温度と、排出側における流体の温度との間に温度差が発生し、流体の流れ方向に沿って温度勾配が生じるが、本発明では、切替装置によって流体の流れる方向を選択的に切り替えるようにしたので、流れ方向を逆転させる時期を適宜に選定することにより、流体の流れ方向に平行する方向の温度勾配は平均化され、流体の導入側(一端側)と排出側(他端側)の温度差を縮小することができる。
【0018】
これにより、流体の流量を増大しなくても、近傍における空気の揺らぎの発生が抑制され、干渉計等による計測値がより正確となるから、ステージの位置決め又は移動の精度を向上することができる。また、このようなステージ装置を備えた本発明の露光装置によれば、ステージ装置の位置決め又は移動の精度が高いので、高精度、高品質なマイクロデバイスを製造することができる。なお、流体は液体でも気体でもよい。
【0019】
本発明のステージ装置は、ステージ(1)を駆動装置(M)により駆動するステージ装置であって、前記駆動装置は前記ステージの駆動に応じて発熱する部分(21)を有しており、前記発熱する部分を包囲する隔壁(22)と、前記隔壁の内部に流体(29)を流す流体供給装置(7,9A〜9D)と、前記隔壁の複数の部分にそれぞれ独立して設けられ、それぞれ異なる熱量を発生して前記隔壁を加熱し、前記隔壁表面の温度を一様にする加熱装置(32)とを備えたことを特徴とする。この場合において、前記隔壁の温度を検出する温度検出装置(31,11)と、前記温度検出装置により検出された温度に基づき、前記隔壁が所定の温度となるように前記加熱装置の作動を制御する制御装置(12)とを設けることができる。
【0020】
また、本発明の露光装置は、パターンが形成されたマスクを介して感光基板を露光する露光装置であって、前記マスク及び前記感光基板の少なくとも一方を、前記本発明のステージ装置により移動することを特徴とする。
【0021】
本発明によると、流体が流通される隔壁を加熱する加熱装置を設けているので、流体の温度と加熱装置の作動量(発熱量)を適宜に調整することにより、該隔壁をその周辺部分の雰囲気等と同様の温度に自在に調整することが可能となり、その周辺部分の雰囲気の温度分布の一様性を向上することができる。
これにより、近傍における空気に揺らぎの発生が防止され、干渉計等による計測値がより正確となるから、ステージの位置決め又は移動の精度を向上することができる。また、このようなステージ装置を備えた本発明の露光装置によれば、ステージ装置の位置決め又は移動の精度が高いので、高精度、高品質なマイクロデバイスを製造することができるようになる。なお、流体は液体でも気体でもよい。
【0022】
また、本発明のリニアモータは、コイル(21)と磁石(26)とを有し、前記コイルと前記磁石との間で駆動力を発生するリニアモータ(M)において、前記コイルを包囲する隔壁(22)と、前記隔壁に設けられ、前記隔壁の複数の部分をそれぞれ独立して加熱して前記隔壁温度を一様にする加熱装置(13)と、前記隔壁の温度を計測する温度センサ(11)とを備えることを特徴とする。
また、本発明のステージ装置(1)は、駆動装置(M)によって駆動され、移動可能なステージ装置において、前記駆動装置として本発明のリニアモータ(M)を備えることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、パターンが形成されたマスクを介して感光基板を露光する露光装置であって、前記マスク及び前記感光基板の少なくとも一方を、本発明のステージ装置により移動することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は1軸用のステージ装置の概略構成を説明するための図、図2は図1のステージ装置のリニアモータの断面図である。
【0024】
図1において、1は移動すべき試料(ウエハやマスク等)を保持するためのステージであり、ステージ1は不図示のステージベース上に移動自在に支持されている。ステージ1はムービング・マグネット型の一対のリニアモータMにより駆動される。なお、以下の説明では、ステージ1の表面に平行な平面上であって、ステージ1の移動方向(図1で紙面に沿う左右方向)にY軸をとり、これに直交する方向(図1で紙面に直交する方向)にX軸をとり、これらに直交する方向(図1で紙面に沿う上下方向)にZ軸をとって説明する。
【0025】
一対のリニアモータMはステージベース上にX方向に離間して互いに対向するように配置されている。リニアモータMは、ステージベース上にY軸に平行に設置された固定子(ステータ)2と、固定子2を上部から挟むようにして架設された可動子(スライダ)3とから構成され、可動子3の上面とステージ1の対応する端部の上面とが不図示の固定用フレームを介して連結されている。
【0026】
固定子2に内蔵されたコイルへ電流を流すことにより、発磁体を含む可動子3を固定子2上に浮かせた状態で駆動し、可動子2とステージ1とに固定された固定用フレームを介してステージ1をY方向に移動する。一対のリニアモータMは通常の場合、ステージ1に同方向の駆動力を与えるように電流の方向が制御される。
【0027】
ステージ1の−Y方向の端部には移動鏡6が固定されている。ステージベースの端部で、移動鏡6に対向する位置に設置されたステージ1(試料)の位置検出装置であるレーザ干渉計4からレーザビーム5が移動鏡6に照射され、移動鏡6から反射された反射ビームを再びレーザ干渉計4で受光して、ステージ1のY方向の位置を計測する。また、レーザビーム5の光路の近傍には、その光路周辺の空気温度を計測するための不図示の温度センサが設置されている。この温度センサの計測結果は、本実施の形態のステージ装置の周囲に温調された空気を供給する不図示の空調系に供給されている。
【0028】
また、本実施の形態のステージ装置は、リニアモータMの温度を調節するための流体温調系及び加熱温調系を備えている。流体温調系は、流体の温度を調節するための温調機7、流れ方向切替機8、配管9A,9B,9C,9D及び流体温調系を全体的に制御する流体制御装置10等を備えて構成される。温調機7で温度が調節(以下、単に「温調」という)された流体29(図2参照)は、配管9A,9B,9C,9Dを通じてリニアモータMのコイルを含む固定子2の一端部(+Y方向の端部又は−Y方向の端部)からそれらの内部に供給され、他端部(−Y方向の端部又は+Y方向の端部)から排出されて温調機7に戻り循環されるようになっている。配管9Aと9B、及び配管9Cと9Dの間には、流れ方向切替機8が介装されている。
【0029】
図2は、図1のリニアモータの断面図であり、この図2において、リニアモータMの可動子3は、断面形状がコの字型の磁石支持部(ヨーク)27の内側に一対の磁石26を固定して構成されている。そして固定子2は、固定子支持体28上に断面形状の外形が矩形の筒状のステンレス(SUS27等)又はアルミニウム等からなるジャケット22を固定し、このジャケット22の内側に接着した上下一対の樹脂からなる支持体24に、両面にコイル21をそれぞれ装着した支持板23を固定して構成されている。コイル21を囲む筒状のジャケット22内の流路25を温調用の流体29が流れ、コイル21からの発生熱を吸収する。
【0030】
加熱温調系は、図1に示されているように、温度検出装置11、ヒータ制御装置12及び一対のシートヒータ13等を備えて構成されている。シートヒータ13は、図2に示されているように、リニアモータMの固定子2のジャケット22の両面にそれぞれ接着されている。このシートヒータ13は、図3に示されているように、フィルム状の絶縁層33の内層(中間層)に、薄膜白金抵抗体からなる温度センサ31、アルミ等の薄膜電気抵抗体からなるヒータ(発熱回路)32、及び配線パターンP1,P2,S1〜S4をパターンニングして構成されている。シートヒータ13としては、一般に市販されているものを用いることができ、例えば、厚さ100〜150μm程度のものを用いることができる。
【0031】
シートヒータ13の温度センサ31に接続された配線パターンS1〜S4は、温度検出装置11に接続されており、温度検出装置11は温度センサ31の抵抗値の変化に基づきジャケット22の温度を検出する。温度検出装置11により検出されたジャケット22の温度はヒータ制御装置12に送られ、ヒータ制御装置12は配線パターンP1,P2を介してシートヒータ13のヒータ32に通電して、リニアモータMの周辺雰囲気の温度として仕様上予め決められた所定の温度(例えば、前記空調系によるレーザ干渉系4のレーザビーム5の光路の近傍の空気温度の制御目標値)に一致するようにヒータ32による発熱量を調整制御する。
【0032】
なお、ヒータ32による発熱量は、仕様上決められた所定の温度に一致するように制御する以外に、レーザ干渉系4のレーザビーム5の光路の近傍の空気温度を検出する温度センサによる検出温度に一致するように制御するようにしてもよい。
【0033】
図4は、流れ方向切替機8の構成を示す図であり、(a)は順方向の送りを、(b)は逆方向の送りを示している。同図において、8A,8Bは、流体温調系の流体制御装置10からの制御信号に応じて作動される3ポートの電磁弁である。
【0034】
電磁弁8Aは温調機7の流体が吐出される配管9AとリニアモータM(ジャケット22)の一端部(+Y方向の端部)へ接続された配管9BとリニアモータM(ジャケット22)の他端部(−Y方向の端部)へ接続された配管9Cに接続された連絡管8Cの交差部に介装されており、配管9Aと配管9B又は配管9Aと配管9C(連絡管8C)を流体制御装置10による制御に基づき選択的に連通する。一方、電磁弁8Bは温調機7の流体が吸入される配管9Dと配管9Bに接続された連絡管8Dと配管9Cの交差部に介装されており、配管9Cと配管9D又は配管9B(連絡管8D)と配管9Dとを流体制御装置10による制御に基づき選択的に連通する。
【0035】
これらの電磁弁8A,8Bを、図4(a)又は(b)に示されているように、同時に切り替えることにより、流体の流通方向を正方向又は逆方向に自在に切り替えることができるようになっている。
【0036】
しかして、流体制御装置10は、流れ方向切替機8の電磁弁8A,8Bを図4(a)の状態に設定して、温調機7を作動すると、温調機7から温調された流体29が配管9Aに吐出され、流体29は電磁弁8Aにより配管9Bに導かれ、固定子2のジャケット22の一端側(+Y方向の端部側)の流出入口を介してジャケット22の内部に供給される。流体29はジャケット22の内部でコイル21の熱を吸収して昇温され、ジャケット22の他端側(−Y方向の端部側)の流出入口から配管9Cに排出され、電磁弁8Bにより配管9Dに導かれて、温調機7に戻り、再度温調されて、以下同様の経路で循環される。
【0037】
流体制御装置10は予め決められたスケジュールに従って、所定の時間が経過した時点で、流れ方向切替機8の電磁弁8A,8Bを図4(b)の状態に切り替える。これにより、流体29の流れ方向が逆転される。
【0038】
即ち、温調機7からの温調されて配管9Aに吐出された流体29は、電磁弁8Aにより連絡管8Cを介して配管9Cに導かれ、固定子2のジャケット22の一端側(−Y方向の端部側)の流出入口を介してジャケット22の内部に供給される。流体29はジャケット22の内部で逆方向に流通してコイル21の熱を吸収して昇温され、ジャケット22の他端側(+Y方向の端部側)の流出入口から配管9Bに排出され、連絡管8Dを介して電磁弁8Bにより配管9Dに導かれて、温調機7に戻り、再度温調されて、以下同様の経路で循環される。
【0039】
流体制御装置10は前記スケジュールに従って、所定の時間が経過した時点で、同様に流れ方向切替機8を制御して、流体29の流れ方向の切り替えを一定時間間隔で順次繰り返す。
【0040】
配管9Aに通ずる温調機7の吐出口には、リニアモータMに供給される流体29の温度を検出するための温度センサ(不図示)が、配管9Aに挿設する形で設置されている。同様に、配管9Dの温調機7への流入口には、コイル21の熱で昇温された流体29の温度を検出するための温度センサ(不図示)が配管9Dに挿設されている。これらの温度センサの測定結果は流体制御装置10に供給されており、流体制御装置10は、これらの温度センサの測定結果に基づいて、流体29の温度及び流量を制御する。なお、流体29の温度を制御するための温度センサは、流体29の流通経路中の他の位置、例えば、リニアモータMの流体29の一端側及び他端側の流出入口の近くに設けてもよい。また、流体29の流通経路中に流量制御弁を設けて、流体29の流量を制御することによりリニアモータMのコイル21の表面温度を制御するようにしてもよい。
【0041】
なお、流体29としてはコイル21の絶縁性が良好な場合には、例えば純水等純度の高い水が使用できる。また、ヘリウム(He)等の不活性ガスも使用できる。但し、流体29としてはコイル21及びジャケット22等に対する腐食性がなく、導電性が小さく、伝熱性に優れ、且つ化学的に不活性な液体が望ましい。流体29として、具体的には例えば商品名がフロリナート(住友スリーエム(株)製造)等のフッ素系の不活性液体を使用することができる。
【0042】
次に、本実施の形態のステージ装置の動作について説明する。本実施の形態では、図1のステージ1が駆動されている間、不図示の温度センサによりレーザ干渉計4のレーザビーム5の光路周辺の温度T を常時計測する。この温度センサの計測温度T は、不図示の空調系に送られる。その空調系では、計測された温度Tが目標温度Tに近づくように供給する空気の温度を制御する。
【0043】
また、温調機7には予めその制御温度Tが設定されている。そして、温調機7は、リニアモータMに供給される前の流体29の温度、即ち配管9Aに設けられた温度センサで計測される温度Tがその制御温度Tと等しくなるように制御しながら温調機7に内蔵されたポンプを駆動して、流体29をリニアモータMに供給する構成となっている。
【0044】
加熱温調系11〜13を作動させない場合には、制御温度Tは目標温度Tと等しくなるように設定する。一方、加熱温調系11〜13を作動させる場合には、制御温度Tは目標温度Tよりも低くなるように設定し、加熱温調系によって目標温度Tとなるように加熱制御する。
【0045】
なお、温調機7では、配管9Dに設けられた温度センサで計測されるリニアモータMを通過した後の流体29の温度が高くなり過ぎる場合には、例えば流体29の流量を増加して過度の温度上昇を防止している。
【0046】
特に、物理的な要因により気流が乱される場合を除き、レーザ干渉計4のレーザビーム5の光路上の気流の乱れはステージ装置及びステージ装置周辺の環境温度の位置による温度差(以下、「位置温度差」という)により発生する。即ち、位置温度差により空気の流れが生じ、レーザビーム5の光路の周辺に空気の流れに抵抗する障害物があれば、そこで気流の乱れが発生し、光路上の空気に揺らぎが生じる。
【0047】
そのため、本実施の形態においては、発生熱の大きなリニアモータMの固定子2に含まれるコイル21を覆うジャケット22を設け、このジャケット22内に所定の温度に制御された流体29を流すことで、コイル21を冷却することに加えて、流体29の流通方向を適宜に逆転することにより、リニアモータMに沿って温度勾配が生じることを抑制するようにしている。これにより、レーザビーム5の光路上の空気の揺らぎが抑えられ、レーザ干渉計4によりステージ1の位置を正しく計測することができる。そして、そのレーザ干渉計4の計測値に基づいてステージ1を正確に位置決めできる。
【0048】
さらに、本実施の形態では、リニアモータMの固定子2のジャケット22の表面温度が、シートヒータ13の温度センサ31及び温度検出装置11により検出され、ヒータ制御装置12はシートヒータ13のヒータ32に通電して、リニアモータMの周辺環境の温度として仕様上予め決められた所定の温度に一致するようにヒータ32による発熱量を調整制御するようにしている。
【0049】
このように、流体29が流通されるジャケット22の壁面をヒータ32により周辺環境温度と一致するように加熱するようにしたので、ジャケット22の壁面はその周辺の環境温度と同様の温度となり、その近傍の温度分布が一様となる。従って、リニアモータMの周辺環境における空気に揺らぎの発生が防止され、レーザ干渉計4による計測値がより正確となり、ステージの位置決め又は移動の精度が向上する。
【0050】
なお、シートヒータ13はこの実施の形態では、ジャケット22の両面にそれぞれ設けているが、このリニアモータMは左右対称なので、いずれか一方の面にのみ設けるようにしてもよい。また、温度センサ31はジャケット22の一の面に対して単一である必要はなく、複数箇所に設けてもよい。さらに、ヒータ32はジャケット22の一の面を全体的に加熱するもののみならず、独立して設けた複数のヒータによりそれぞれ部分的に異なる加熱量で加熱することにより全体としての温度を一様に制御するようにしてもよい。
【0051】
上述した実施の形態においては、前記流体温調系による流体29の流通方向の切替制御及び前記加熱温調系によるヒータ32の発熱量の制御の双方を行うようにしているが、いずれか一方のみを採用するようにしてもよい。
【0052】
また、上述した実施の形態においては、予め決められた所定のスケジュールに従って、流体29の流通方向を逆転させるようにしているが、リニアモータM(ジャケット22)の一端側と他端側の温度を検出して、その温度差が予め決められた所定の値となったときに、流体29の流通方向を逆転させるようにしてもよい。
【0053】
図5は本発明の他の実施の形態の露光装置の概略構成を示す図である。この露光装置はステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置である。
【0054】
図5において、照明光学系51は、エキシマレーザ光を射出する露光光源、照度分布均一化用のフライアイレンズ又はロッド・インテグレータ等のオプチカルインテグレータ(ホモジナイザー)、照明系開口絞り、レチクルブラインド(可変視野絞り)、及びコンデンサレンズ系等から構成されている。転写すべきパターンが形成されたフォトマスクとしてのレチクルRは、レチクルステージRS上に吸着保持されており、照明光学系51により露光光ILがレチクルステージRS上のレチクルRに照射される。
【0055】
レチクルRの照明領域内のパターンの像は、投影光学系PLを介して縮小倍率1/α(αは例えば5、又は4等)で、露光対象としてのフォトレジストが塗布されたウエハWの表面に投影される。
【0056】
レチクルステージRSは、この上に吸着保持されたレチクルRをXY平面内で位置決めする。レチクルステージRSは、図1に示した1軸用のステージ装置と同様のステージ装置を2台組み合わせて、2軸用としたステージ装置である。レチクルステージRSの位置はレーザ干渉計によって計測され、この計測値及び主制御系52からの制御情報によってレチクルステージRSの動作が制御される。
【0057】
一方、ウエハWは、不図示のウエハホルダ上に真空吸着により保持され、このウエハホルダは試料台(ウエハテーブル)WT上に同じく真空吸着されることにより着脱可能に保持されている。試料台WTはウエハステージWS上にZ方向に変位する複数のアクチュエータ(不図示)などを介して設置されている。試料台WTは、オートフォーカス方式でウエハWのフォーカス位置(光軸AX方向の位置)、及び傾斜角を制御することによって、ウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合わせ込む。
【0058】
ウエハステージWSは、ウエハベースWS上に載置されており、ウエハWをXY平面内で位置決めする。ウエハステージWSは、図1に示した1軸用のステージ装置と同様のステージ装置を2台組み合わせて、2軸用としたステージ装置である。試料台WTにはウエハの位置検出装置であるレーザ干渉計の移動鏡(反射鏡)54(図1の移動鏡6に相当)が固定されており、この移動鏡54及び移動鏡54に対向して配置されたレーザ干渉計55(図1のレーザ干渉計4に相当)によって試料台WTのX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値がステージ制御系56及び主制御系52に供給されている。ステージ制御系56は、レーザ干渉計55による計測値及び主制御系52からの制御情報に基づいて、ウエハステージWSのリニアモータなどの動作を制御する。
【0059】
主制御系52は、図1の流体温調系の流体制御装置10及び加熱温調系のヒータ制御装置12の上位の制御装置であり、これらの流体制御装置10、ヒータ制御装置12及びステージ制御系56は主制御系52からの指令に従って、各種の装置を制御する。
【0060】
ウエハステージWSによりウエハW上の露光対象のショット領域を順次露光位置に位置決めした後、レチクルステージRSにより所定の位置に設定されたレチクルRのパターン領域に対して、照明光学系51よりエキシマレーザ光等の露光光ILを照射することで、パターン領域内のパターンを縮小倍率1/αで縮小した像がショット領域に転写される。
【0061】
このようにしてウエハW上の各ショット領域にパターンの縮小像を順次転写露光した後、ウエハWの現像を行って、エッチング等のプロセスを実行することによって、ウエハW上の各ショット領域に半導体デバイスのあるレイヤの回路パターンが形成される。
【0062】
次に、この露光装置に採用したウエハステージWSの詳細構成について、図6を参照して説明する。なお、レチクルステージRSについては、ウエハステージWSとほぼ同様の構成のステージ装置を採用するものとし、その説明は省略することにする。
【0063】
このウエハステージWSはX軸及びY軸の2軸のステージ装置であり、ウエハベースWB上をX方向に駆動されるXステージ61、Xステージ61上をY方向に駆動されるYステージ62、及び試料台(ウエハテーブル)WT等により構成されている。
【0064】
試料台WTの+Y方向の端部には移動鏡63(図1の移動鏡6に相当)が固定されている。ウエハベースWBの+Y方向の端部で、移動鏡63に対向する位置に設置されたレーザ干渉計64(図1のレーザ干渉系4に相当)からレーザビームが移動鏡63に照射され、移動鏡63から反射された反射ビームを再びレーザ干渉計64で受光することにより、試料台WT(ウエハW)のY方向の位置が計測される。また、試料台WTの−X方向の端部には移動鏡65が固定されており、ウエハベースWBの−X方向の端部で、移動鏡65に対向する位置に設置されたレーザ干渉計66からレーザビームが移動鏡65に照射され、移動鏡65から反射された反射ビームを再びレーザ干渉計66で受光することにより試料台WT(ウエハW)のX方向の位置が計測される。
【0065】
Xステージ61は、固定子2及び可動子3からなる一対のリニアモータMXによりウエハベースWB上をX方向に駆動される。Yステージ62は、同じく固定子2及び可動子3からなる一対のリニアモータMYによりXステージ61上をY方向に駆動される。これらのリニアモータMX,MYは、図2に示したリニアモータMと同様のムービング・コイル型のリニアモータであるので、その詳細な説明は省略することにする。なお、Y軸のリニアモータMYは、図2のリニアモータMの全体を横倒したような状態で設置されているが、構成的には同様である。
【0066】
X軸のリニアモータMXのそれぞれのコイルを含む固定子2は共にウエハベースWB上のY方向の両端に沿って固定され、可動子3はそれぞれ固定板69を介してXステージ61に固定されている。また、Y軸のリニアモータMYのそれぞれのコイルを含む固定子2は共にXステージ61の両側部に固定され、可動子3は直接Yステージ62の側面に固定されている。
【0067】
各固定子2の外面には、図2のリニアモータMと同様に、内部をコイルの熱を吸収するための流体が循環するジャケット(22)が設けられ、外部に設置された温調機7から流れ方向切替機8を介して、温調された流体が各固定子2に並列に供給されている。図6では、流体を循環するための配管を線(一点鎖線)で示し、流体の正方向の流れを矢印で示している。なお、温調機7及び流れ方向切替機8の構成は図1と同様であるので、その説明は省略する。また、この実施の形態では、各リニアモータMX,MYについて、図1に示した加熱温調系11〜13に相当する温調系は設けていないものとする。
【0068】
温調機7で温調された流体は、温調機7の吐出配管9Aに流入する。初期状態では、流れ方向切替機8は配管9Aと9Bを接続し、配管9Cと9Dを接続するように設定されており、温調された流体は配管9Bに導入される。配管9Bは2つの配管70X,70Yに分岐しており、これら2つの配管70X,70Yはそれぞれ更に2つの枝管に分岐している。
【0069】
配管9Bから配管70Xに流入した流体は配管70Xから分岐された2つの枝管を経由して、それぞれXステージ61の2つの固定子2のジャケット(22)の流出入口に流入する。Xステージ61の2つの固定子2のコイルの熱をそれぞれ吸収した流体は、ジャケットの反対側の流出入口から排出され、それぞれのジャケットに接続された枝管を経由した後に合流されて、配管71Xを介して配管9Cに導入され、さらに流れ方向切替機8を介して配管9Dに導入され、温調機7に戻される。
【0070】
同様に、配管9Bから配管70Yに流入した流体は配管70Yから分岐された2つの枝管を経由して、それぞれYステージ62の2つの固定子2のジャケット(22)の流出入口に流入する。Yステージ62の2つの固定子2のコイルの熱をそれぞれ吸収した流体は、ジャケットの反対側の流出入口から排出され、それぞれのジャケットに接続された枝管を経由して合流されて、配管71Yを介して配管9Cに合流され、同様に温調機7に戻される。温調機7に戻された流体は温調機7で所定の温度に調整され、再び各固定子2の温調のために循環される。
【0071】
予め決められた所定のスケジュール(主制御系52の記憶装置に格納されているものとする)に従って所定の時間が経過すると、主制御系52が流体制御装置10に対して流体の流通方向の切替指令を送る。流体制御装置10は流れ方向切替機8の電磁弁(8A,8B)を作動させて、配管9Aと9Bの接続を遮断して配管9Aと9Cを接続するとともに、配管9Cと9Dの接続を遮断して配管9Bと9Dを接続する。これにより、流体は切替前と逆の流通方向に流通されることになる。
【0072】
即ち、温調機7で温調された流体は、温調機7の吐出配管9Aに流入する。切替後の状態では、流れ方向切替機8は配管9Aと9Cを接続し、配管9Bと9Dを接続するように設定されており、温調された流体は分配管8Cを介して配管9Cに導入される。流体は図6中の矢印方向と反対方向に流れ、2つの配管71X,71Yに分配される。
【0073】
配管9Cから配管71Xに流入した流体は配管71Xから分岐された2つの枝管を経由して、それぞれXステージ61の2つの固定子2のジャケット(22)の流出入口に流入する。Xステージ61の2つの固定子2のコイルの熱をそれぞれ吸収した流体は、ジャケットの反対側の流出入口から排出され、それぞれのジャケットに接続された枝管を経由した後に合流されて、配管70Xを介して配管9Bに導入され、流れ方向切替機8の分配管8Dを介して配管9Dに導入され、温調機7に戻される。
【0074】
同様に、配管9Cから配管71Yに流入した流体は配管71Yから分岐された2つの枝管を経由して、それぞれYステージ62の2つの固定子2のジャケット(22)の流出入口に流入する。Yステージ62の2つの固定子2のコイルの熱をそれぞれ吸収した流体は、ジャケットの反対側の流出入口から排出され、それぞれのジャケットに接続された枝管を経由して合流されて、配管70Yを介して配管9Bに合流され、同様に温調機7に戻される。温調機7に戻された流体は温調機7で所定の温度に調整され、再び各固定子2の温調のために循環される。
【0075】
流体の流通方向の流れ方向切替機8による切り替えは、一のショット領域に対する露光処理が終了した後、次のショット領域に対する露光処理を開始する前までのステップ移動中、あるいはウエハWの交換中に行うようにすることが望ましい。流体の流通方向の切替直後は、流体の流れが不安定になり、振動等が生じることがあり得るので、露光処理中に行うと露光精度が低下する恐れがあるからである。
【0076】
なお、Xステージ61を駆動する一対のリニアモータMXの各固定子2、Yステージ62を駆動する一対のリニアモータMYの各固定子2に、それぞれ図1に示した加熱温調系(11〜13)と同様の温調系を設け、主制御系52からの指令に基づき、ヒータ制御装置12が作動されて、各固定子2のジャケット(22)の温度を制御するようにしてもよい。この場合には、リニアモータMX,MYの周辺の雰囲気温度(目標温度又は検出温度)よりも低くなるように、温調機7により流体を温調して、ヒータ31により当該雰囲気温度に一致するように加熱制御する。
【0077】
図1の場合と同様に、各固定子2の流出入口の近くに流体の温度を測定するための温度センサを個別に設けるようにしてもよい。また、各固定子2のジャケットに接続する枝管内に流量制御弁を個別に設けて、各固定子2への流体の流量を個別に制御するようにしてもよい。
【0078】
本実施の形態のウエハステージWSは静圧空気軸受式のステージであり、Xステージ61とリニアモータMXとの間に案内面となるエアガイド72が設けられ、Xステージ61のエアガイド72に対向する側面に静圧気体軸受け73が設けられている。この静圧気体軸受け73の吹出口から所定の圧力に調整された空気をエアガイド72の対応する側面に吹き出すと共に、吹出口に併設された吸引口から空気を吸引する。空気の吹出口と吸引口とはXステージ61の側面全体に交互に設けられており、空気吹き出しによる反発力と、真空吸引力との釣り合いにより、Xステージ61とエアガイド72との間に一定の隙間が保たれるようになっている。また、Xステージ61の底面側にも同様に静圧気体軸受けが設けられており、Xステージ61とウエハベースWBとの間に一定の隙間が保持されるようになっているが、本発明と直接関係しないので詳細説明は省略する。
【0079】
上述した他の実施の形態によると、リニアモータMX,MYの各固定子2を冷却するための流体の流通方向を所定のスケジュールに従って逆転させるようにしたので、各リニアモータMX,MYの各固定子2のコイルの発熱によりリニアモータMX,MYの長手方向に生じる温度勾配が平均化されることにより小さくなる。
【0080】
これにより、流体の流量を増大しなくても、リニアモータMX,MYの近傍における空気の揺らぎの発生が抑制され、レーザ干渉計64,66による計測値がより正確となるから、ステージ61,62の位置決め又は移動の精度を向上することができる。従って、このような高精度なステージ装置を備えた露光装置を用いることにより、高精度、高品質なマイクロデバイスを製造することができる。
【0081】
なお、マイクロデバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを制作するステップ、上述の他の実施の形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0082】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0083】
例えば、上述の実施の形態及び他の実施の形態においては、ムービング・マグネット型のリニアモータM,MX,MYを使用したが、本発明は、可動子側にコイルを含み、固定子に発磁体を含むムービング・コイル型のリニアモータを使用する場合にも同様に適用できる。また、ステージを駆動する駆動装置としてリニアモータを例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、その他の形式のモータ、例えば、いわゆる平面モータを駆動装置とするステージ装置にも適用することができる。
【0084】
平面モータは、ステージをX方向及びY方向に移動するとともに、Z方向に微動し、さらに、X軸、Y軸及びZ軸周りに微少回転することができ、全部で6自由度を有する駆動装置である。平面モータは、詳細な図示は省略するが、概略以下のような構成である。
【0085】
即ち、平面モータは、強磁性体からなる底部ヨークの上面に複数の駆動ユニットを配設し、該駆動ユニットから上部に離間して、強磁性体からなる上部ヨークを配置する。駆動ユニットは強磁性体からなるコアに適宜に複数のコイルを配置して構成され、該駆動ユニットと該上部ヨークの間に、磁石板を有するウエハステージを配置する。これにより、ウエハステージは浮遊した状態で保持され、駆動ユニットに適宜に通電することにより、所望の方向に推力を発生することで、かかる6自由度を実現している。
【0086】
駆動ユニット(コイル)は発熱するため、これの冷却に上述の流体温調系(7,8,9A〜9D,10等)と同様の温調系を設けて、駆動ユニットの近傍に温調された流体を流通させ、該流体の流通方向を適宜に切り替えることにより、該流体の流路に沿って生じる温度勾配が平均化されて小さくなり、ステージ位置の計測精度等を向上できる。
【0087】
さらに、上述の他の実施の形態においては、レチクルとウエハとを静止させた状態でレチクルパターンの全面に露光用照明光を照射して、そのレチクルパターンが転写されるべきウエハ上の1つの区画領域(ショット領域)を一括露光するステップ・アップ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパー)を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、マスクやウエハを移動するためにステージ装置を用いるあらゆる形式の露光装置に適用することができる。
【0088】
例えば、レチクルとウエハとを同期移動して、矩形その他の形状のスリット光で走査・照明してウエハ上のショット領域を逐次露光し、順次ウエハを移動して他のショット領域に対して走査・露光を繰り返すステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型走査露光装置(スキャニング・ステッパー)にも同様に本発明を適用することができる。この場合において、流体温調系によるリニアモータMX,MYに対する流体の流通方向の切り替えは、同期精度等に悪影響を与えないように、露光動作中を含むスキャニング動作中以外の例えばステップ移動中、あるいはウエハの交換動作中等に行うようにするとよい。
【0089】
露光用照明光としては、水銀ランプから射出される輝線(例えばg線、i線)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fレーザ(波長157nm)、Arレーザ(波長126nm)又はYAGレーザなどの高調波のいずれであってもよい。また、露光用照明光として、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0090】
さらに、例えば5〜15nm(軟X線領域)に発振スペクトルを有するEUV(Extreme Ultra Violet)光を露光用照明光とし、反射マスク上での照明領域を円弧スリット状に規定するとともに、複数の反射光学素子(ミラー)のみからなる縮小投影光学系を有し、縮小投影光学系の倍率に応じた速度比で反射マスクとウエハとを同期移動して反射マスクのパターンをウエハ上に転写するEUV露光装置などにも、本発明を適用することができる。
【0091】
加えて、半導体素子、液晶ディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCD等)の製造に用いられる投影露光装置だけでなく、レチクル、又はマスクを製造するために、ガラス基板、又はシリコンウエハ等に回路パターンを転写する投影露光装置にも本発明を適用できる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によると、効率の低下や装置の大型化を招くことなく、駆動部の発熱による空気の揺らぎを十分に抑え、ステージの位置を高精度に計測して、ステージを正確に位置決め又は移動できるステージ装置を提供することができるという効果がある。また、高品質なマイクロデバイスを製造できる露光装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のステージ装置の概略構成を示す図である。
【図2】 図1のステージ装置のリニアモータの構成を示す断面図である。
【図3】 図1のステージ装置のリニアモータに取り付けるシートヒータの構成を示す図である。
【図4】 図1のステージ装置の流れ方向切替機の構成を示す図であり、(a)は流体を正方向に流す場合を、(b)は流体を逆方向に流す場合を示している。
【図5】 本発明の他の実施の形態の露光装置の全体の概略構成を示す図である。
【図6】 図5の露光装置に用いたステージ装置の詳細構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
M,MX,MY…リニアモータ
1,61,62…ステージ
2…固定子
3…可動子
4,55,64,66…レーザ干渉計
5…レーザビーム
6,54,63,65…移動鏡
7…温調機
8…流れ方向切替機
8A,8B…電磁弁
8C,8D…連絡管
9A〜9D,70X,70Y,71X,71Y…配管
10…流体制御装置
11…温度検出装置
12…ヒータ制御装置
13…シートヒータ
21…駆動用コイル
22…ジャケット
25…流路
26…磁石
29…流体
31…温度センサ
32…ヒータ
R…レチクル
W…ウエハ
RS…レチクルステージ
WS…ウエハステージ
WT…試料台
PL…投影光学系
51…照明光学系
52…主制御系

Claims (11)

  1. ステージを駆動装置により駆動するステージ装置であって、
    前記駆動装置は前記ステージの駆動に応じて発熱する部分を有しており、
    前記発熱する部分を包囲する隔壁と、
    前記隔壁の内部に流体を流す流体供給装置と、
    前記隔壁の複数の部分にそれぞれ独立して設けられ、それぞれ異なる熱量を発生して前記隔壁を加熱し、前記隔壁表面の温度を一様にする加熱装置とを備えたことを特徴とするステージ装置。
  2. 前記隔壁の温度を検出する温度検出装置と、
    前記温度検出装置により検出された温度に基づき、前記隔壁が所定の温度となるように前記加熱装置の作動を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記制御装置は、前記加熱装置の前記複数の部分の発熱量を独立して制御し、前記隔壁表面の温度を一様にすることを特徴とする請求項2記載のステージ装置。
  4. パターンが形成されたマスクを介して感光基板を露光する露光装置であって、
    前記マスク及び前記感光基板の少なくとも一方を、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のステージ装置により移動することを特徴とする露光装置。
  5. コイルと磁石とを有し、前記コイルと前記磁石との間で駆動力を発生するリニアモータにおいて、
    前記コイルを包囲する隔壁と、
    前記隔壁に設けられ、前記隔壁の複数の部分をそれぞれ独立して加熱して前記隔壁温度を一様にする加熱装置と、
    前記隔壁の温度を計測する温度センサとを備えることを特徴とするリニアモータ。
  6. 前記加熱装置は、個別に加熱可能な複数のヒータを有し、前記複数のヒータに対応して複数の温度センサが設けられたことを特徴とする請求項5記載のリニアモータ。

  7. 前記隔壁と前記コイルとで形成され、流体が流動可能な流路を有することを特徴とする請求項5記載のリニアモータ。
  8. 前記加熱装置は、前記隔壁の壁面に沿って設けられた薄膜状の加熱装置であることを特徴とする請求項5記載のリニアモータ。
  9. 駆動装置によって駆動され、移動可能なステージ装置において、
    前記駆動装置として請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載のリニアモータを備えることを特徴とするステージ装置。
  10. 前記温度センサの検出結果に基づいて、前記加熱装置の加熱量を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項9記載のステージ装置。
  11. パターンが形成されたマスクを介して感光基板を露光する露光装置であって、
    前記マスク及び前記感光基板の少なくとも一方を、請求項10に記載のステージ装置により移動することを特徴とする露光装置。
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