以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1には、本発明に係る露光装置を含む一実施形態に係る基板処理システムの概略平面図が示されている。
この図1の基板処理システム100は、クリーン度がクラス100〜1000程度のクリーンルーム内に設置されている。この基板処理システム100は、クリーンルームの床面F上にX軸方向(図1における紙面内左右方向)に所定間隔を隔てて並べて配置された露光装置10及びコータ・デベロッパ(以下、「C/D」という)12並びにこれら露光装置10とC/D12とをインラインにて接続するインタフェース部14とを備えている。
前記露光装置10は、図1に示されるように、ローダチャンバ130と本体チャンバ120とを備えている。前記ローダチャンバ130内には、ウエハの搬送系(ローダ)等が収容されている。
前記本体チャンバ120内には、図2に示される露光装置本体10Aが収容されるとともに、露光装置本体10Aの+X側に近接して、デミナー51(これについては後で更に詳述する)と、リアラックと呼ばれる電気系部品を収納する棚13とが設けられている。
前記露光装置本体10Aは、図2に示されるように、照明系IOP、該照明系IOPからの露光用照明光(以下、「照明光」又は「露光光」と呼ぶ)ILにより照明されるレチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出された照明光ILを基板としてのウエハW上に投射する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、ウエハWが載置されるウエハステージWST及び露光のための計測に用いられる計測ステージMSTとを含むウエハステージ装置50、及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系IOPは、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号)などに開示される照明系と同様に構成され、不図示のレチクルブラインドで規定され、レチクルR上でX軸方向(図2における紙面直交方向)に細長く伸びるスリット状の照明領域IARを照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
前記レチクルステージRST上には、回路パターンなどがそのパターン面(図2における下面)に形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部11(図2では不図示、図6参照)によって、XY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図2における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置(Z軸回りの回転を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)116によって、移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。このレチクル干渉計116の計測値は、主制御装置20(図2では不図示、図6参照)に送られ、主制御装置20では、このレチクル干渉計116の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部11を介してレチクルステージRSTのX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の位置(及び速度)を制御する。
前記投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図2における下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、該鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子から成る投影光学系PLとを含んで構成されている。投影光学系PLとしては、例えばZ軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。この投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4倍又は1/5倍)を有する。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、「露光領域」とも呼ぶ)IAに形成される。
また、本実施形態の露光装置本体10Aでは、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子であるレンズ(以下、「先端レンズ」ともいう)191の近傍には、液浸装置32を構成する液体供給ノズル31Aと、液体回収ノズル31Bとが設けられている。
上記の液体としては、ここでは、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する超純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。超純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できると共に、ウエハ上のフォトレジストや光学レンズ等に対する悪影響がない利点がある。
ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44である。この水の中では、照明光ILの波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
前記液体供給ノズル31Aは、液体供給装置5(図2では不図示、図6参照)に接続され、前記液体回収ノズル31Bは、液体回収装置6(図2では不図示、図6参照)に接続されている。これらの液体供給装置5と液体回収装置6とは、主制御装置20によって制御される。主制御装置20は、液体供給装置5を制御することにより、液体供給ノズル31Aを介して先端レンズ191とウエハWとの間に水を供給するとともに、液体回収装置6を制御することにより、液体回収ノズル31Bを介して先端レンズ191とウエハWとの間から水を回収する。これにより、先端レンズ191とウエハWとの間に、一定量の水Lq(図2参照)が保持される。
なお、投影ユニットPU下方に計測ステージMSTが位置する場合にも、上記と同様に計測テーブルMTBと先端レンズ191との間に水を満たすことが可能である。
なお、上記の説明では、その説明を簡単にするため、液体供給ノズルと液体回収ノズルとがそれぞれ1つずつ設けられているものとしたが、これに限らず、例えば、国際公開第99/49504号パンフレットに開示されるように、ノズルを多数有する構成を採用することとしても良い。要は、投影光学系PLを構成する最下端の光学部材(先端レンズ)191とウエハWとの間に液体を供給することができるのであれば、その構成はいかなるものであっても良い。
前記投影ユニットPUの−Y側には、オフアクシス・アライメント系(以下、「アライメント系」と略述する)ALGが設けられている。このアライメント系ALGは、投影ユニットPUを保持する保持部材に保持されている。アライメント系ALGからの撮像信号は、図6の主制御装置20に供給されるようになっている。
前記ウエハステージ装置50は、ベース盤112と、該ベース盤112の上面の上方に配置されたウエハステージWST及び計測ステージMSTと、これらのステージWST、MSTの位置を計測する干渉計システム118(図6参照)と、ステージWST、MSTを駆動するステージ駆動部124(図6参照)と、を備えている。
ウエハステージWST及び計測ステージMSTの底面には、不図示の非接触軸受、例えば空気静圧軸受(すなわち、エアベアリング(エアパッドとも呼ばれる))が複数ヶ所に設けられており、これらの空気静圧軸受からベース盤112の上面に向けて噴出された加圧空気の静圧により、ベース盤112の上面の上方にウエハステージWST、計測ステージMSTが数μm程度のクリアランスを介して非接触で浮上支持されている。また、各ステージWST、MSTは、ステージ駆動部124によって、XY面内で互いに独立して駆動(θz回転を含む)されるようになっている。
これを更に詳述すると、ウエハステージWSTは、図2に示されるように、上記エアベアリングがその底面に設けられたウエハステージ本体91と、該ウエハステージ本体91上に不図示のZ・レベリング機構(例えばボイスコイルモータなどのアクチュエータを含んで構成される)を介して搭載され、ウエハステージ本体91に対してZ軸方向、X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向)に微小駆動されるウエハテーブルWTBとを備えている。
ウエハテーブルWTB上には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。また、ウエハテーブルWTBの上面には、中央部にウエハホルダ上に載置されるウエハWの外径より僅かに大きな内径の円形開口が形成されたほぼ矩形状の補助プレート(撥液プレート)128が設けられている。この補助プレート128は、その表面がウエハホルダによって吸着保持されたウエハWとほぼ面一となるように設定されている。
前記計測ステージMSTは、上記エアベアリングがその底面に設けられた計測ステージ本体92と、該計測ステージ本体92上に不図示のZ・レベリング機構を介して搭載された計測テーブルMTBとを備えている。
前記計測テーブルMTB(及び計測ステージ本体92)には、各種計測用部材が設けられている。この計測用部材としては、例えば、特開平5−21314号公報(対応する米国特許第5,243,195号)などに開示される複数の基準マークが形成された基準マーク領域FMや投影光学系PLを介して照明光ILを受光するセンサ(照度モニタ、照度むらセンサ、空間像計測器等)などが含まれている。
本実施形態では、投影光学系PLと水とを介して露光光(照明光)ILによりウエハWを露光する液浸露光が行われるのに対応して、照明光ILを用いる計測に使用される上記の照度モニタ、照度むらセンサ、空間像計測器では、投影光学系PL及び水を介して照明光ILを受光することとなる。また、各センサは、例えば光学系などの一部だけが計測テーブルMTB(及び計測ステージ本体92)に搭載されていても良いし、センサ全体が計測テーブルMTB(及び計測ステージ本体92)に配置されていても良い。
次に、ステージ駆動部124について説明する。図3の平面図に示されるように、ベース盤112の−X側、+X側には、Y軸方向に延びる一対のY軸固定子86、87がそれぞれ配置されている。これらY軸固定子86,87はその内部に複数のコイルを有する電機子ユニットによって構成されている。これらY軸固定子86、87には、X軸方向に伸びるX軸固定子80の長手方向の一端と他端とにそれぞれ設けられた一対のY軸可動子82,83が挿入状態でそれぞれ係合している。また、Y軸固定子86、87には、X軸方向に伸びるX軸固定子81の長手方向の一端と他端とにそれぞれ設けられた一対のY軸可動子84,85が挿入状態でそれぞれ係合している。Y軸可動子82、84、83、85のそれぞれは、複数の永久磁石を有する磁極ユニットによって構成されている。
すなわち、Y軸固定子86とY軸可動子82,Y軸可動子84のそれぞれとによって、Y軸可動子82,84のそれぞれをY軸方向に駆動するムービングマグネット型のY軸リニアモータがそれぞれ構成され、Y軸固定子87とY軸可動子83,Y軸可動子85のそれぞれとによって、Y軸可動子83,85のそれぞれをY軸方向に駆動するムービングマグネット型のY軸リニアモータがそれぞれ構成されている。以下においては、上記4つのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれのY軸可動子82、84、83、85と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ82、Y軸リニアモータ84、Y軸リニアモータ83及びY軸リニアモータ85と呼ぶものとする。
上記4つのY軸リニアモータのうち、2つのY軸リニアモータ82、83によって、X軸リニアモータ80と一体的に計測ステージMSTがY軸方向に駆動され、残り2つのY軸リニアモータ84、85によって、X軸リニアモータ81と一体的にウエハステージWSTがY軸方向に駆動されるようになっている。
前記X軸固定子80,81のそれぞれは、例えばX軸方向に沿って所定間隔で配置された電機子コイルをそれぞれ内蔵する電機子ユニットによって構成されている。一方のX軸固定子81は、ウエハステージWSTを構成するウエハステージ本体91(図3では不図示、図2参照)に形成された不図示の開口に挿入された状態となっている。ウエハステージ本体91の上記開口の内部には、例えば磁極ユニットから成る不図示のX軸可動子が設けられている。すなわち、X軸固定子81とX軸可動子とによりウエハステージWSTをX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下では、適宜、このX軸リニアモータを、その固定子であるX軸固定子81と同一の符号を用いて、X軸リニアモータ81と呼ぶ。
また、他方のX軸固定子80は、計測ステージMSTを構成する計測ステージ本体92(図3では不図示、図2参照)に形成された不図示の開口に挿入された状態となっている。この計測ステージ本体92の上記開口の内部には、磁極ユニットから成る不図示のX軸可動子が設けられている。すなわち、X軸固定子80とX軸可動子とによって、計測ステージMSTをX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下では、適宜、このX軸リニアモータを、その固定子であるX軸固定子80と同一の符号を用いて、X軸リニアモータ80と呼ぶ。
本実施形態では、Y軸リニアモータ82〜85及びX軸リニアモータ80,81、並びにウエハステージWST、計測ステージMSTがそれぞれ有するZ・チルト駆動機構によって、図6に示されるステージ駆動部124が構成されている。このステージ駆動部124を構成する上記各リニアモータが、図6に示される主制御装置20によって制御されるようになっている。
上記のようにして構成されるウエハステージWST及び計測ステージMSTの位置は、図6の干渉計システム118によって、ウエハテーブルWTB及び計測テーブルMTBの側面(鏡面加工された面)を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。干渉計システム118は、図2に示されるウエハステージWSTのY軸方向の位置を検出するためのY干渉計16、計測ステージMSTのY軸方向の位置を検出するためのY干渉計18の他、各ステージのX軸方向の位置を検出するための複数のX干渉計、ウエハテーブルWTBのZ軸方向の位置(θx方向(X軸回りの回転方向)及びθy方向(Y軸回りの回転方向)の位置を含む)を計測するためのZ干渉計等を含んで構成されている。干渉計システム118の計測値は、主制御装置20に送られ、主制御装置20では、この干渉計システム118の計測値に基づいてステージ駆動部124を介して各ステージWST,MSTのX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の位置(及び速度)及びウエハテーブルWTBのZ軸方向の位置(θx方向(X軸回りの回転方向)及びθy方向(Y軸回りの回転方向)の位置を含む)を制御する。なお、各テーブルの側面を鏡面加工するのに代えて、各テーブルに移動鏡を設けることとしても良い。
なお、干渉計システムによる計測とともに、又はこれに代えて、リニアエンコーダ等により各ステージの位置を検出することとしても良い。
なお、図3等では不図示ではあるが、実際には、ベース盤112及びY軸固定子86,87を取り囲む状態で、枠状のカウンタマスが設けられている。このカウンタマスは、例えば真空予圧型気体静圧軸受により床面F上で浮上支持されており、ウエハステージWST及び計測ステージMSTのXY2次元面内の移動による反力を受けて、自由運動するようになっている。カウンタマスには、該カウンタマスの位置決めを行うための、ボイスコイルモータ等から成るトリムモータTM(図3では不図示、図6参照)が設けられている。トリムモータTMは、不図示のセンサにより検出されるカウンタマスの位置情報に基づいて、主制御装置20により駆動制御されるようになっている。
さらに、本実施形態の露光装置本体10Aでは、図2等では不図示であるが、投影ユニットPUを保持する保持部材に取り付けられた照射系90a及び受光系90b(図6参照)から成る、例えば特開平6−283403号公報(対応米国特許第5,448,332号)等に開示されるものと同様の斜入射方式の多点焦点位置検出系が設けられている。
次に、本実施形態における、露光装置本体10Aに含まれるモータの冷却系について図4に基づいて説明する。図4には、本実施形態の冷却系110の構成が簡略化して示されている。
この図4に示される冷却系110は、同図から明らかなように、純水を所定量収容可能なタンク41からの純水を、モータの電機子ユニット(11,86,87,81,80、TM)それぞれに供給し、これらを冷却した後に、タンク41に純水を戻す循環系である。
この冷却系110は、前記タンク41、ポンプ43、冷却装置45、比抵抗値検出センサSR、ヒータ47a〜47e、流量制御弁49、デミナー51及び配管系等を備えている。
前記タンク41には、給水管26の一端が接続されている。この給水管26の他端側は、工場内に設置された超純水を製造する超純水製造装置(不図示)に接続されている。また、タンク41には、純水を循環する循環幹路28の一端部及び他端部(ただし、他端部側は後述する第1管路28a,第2管路28bに分岐された状態となっている)が接続されている。給水管26からは、循環幹路28を流れる水の流量(例えば、70〜80L/minの中の任意の流量)の1〜10%程度(例えば、1L/min)の流量の超純水が常時供給されるようになっている。
前記冷却装置45は、クーラー、純水の温度を検出する温度センサ、該温度センサによる検出結果に応じて、純水の温度が所定の温度になるようにクーラーを制御するコントローラ等を含んで構成されている。
前記比抵抗値検出センサSRは、冷却装置45を通過した純水の比抵抗値を検出し、図6の主制御装置20に出力する。循環幹路28は、比抵抗値検出センサSRを過ぎた後に5本の分岐路に分岐する。
前記ヒーター47a〜47eは、分岐路のそれぞれに設けられている。各ヒーターには温度センサが内蔵され、該温度センサの検出値に基づいて各分岐路を通る純水を加熱して、各モータの電機子ユニットを温調するために必要な温度にそれぞれ温調する。分岐路は、それぞれ各モータの発熱部分、すなわちリニアモータ及びボイスコイルモータを構成する電機子ユニットの筐体に接続され、各筐体内に純水が直接供給されるようになっている。すなわち、各モータの筐体が分岐路の一部を構成している。
5本の分岐路のそれぞれは、各モータの電機子ユニットの筐体を経由すると、合流して再び1本の循環幹路となる。循環幹路28は、その後2本に分岐し(ここでは、第1管路28a、第2管路28bと呼ぶ)、各管路の分岐したのとは反対側の端部が前述したタンク41に接続されている。
前記流量制御弁49は、その開度を調整することが可能な弁から成り、第2管路28bの途中に設けられている。この流量制御弁49の開度を調整することにより、循環幹路28を流れる水の流量と、第2管路28bを流れる水の流量を設定することが可能となっている。すなわち、流量制御弁49によって、第1管路28aと第2管路28bとを流れる水の流量の比を変更することが可能となっている。前記流量制御弁49は、10〜50L/minの間でデミナー51に流れる水の流量を設定でき、本実施形態においては一例として50L/minに設定している。
前記イオン除去装置(デミナー)51は、第2管路28bの途中に設けられ、その内部にイオン交換樹脂を含むことにより、純水中のイオン(例えばNa+,Cl-イオン)を除去する。
ここで、デミナー51を通った後の純水の比抵抗値は、理論上の純水に近いおよそ18(MΩ・cm)となるが、モータを冷却するために要求される比抵抗値は、例えば10(MΩ・cm)程度であるので、上述のように循環幹路28を通る純水の全てをデミナー51に通さなくても良い。なお、前記流量制御弁49がデミナー51に流す水の流量は必ずしも固定値に設定する必要はない。
すなわち、本実施形態においては、第1管路28aを通る純水と第2管路28bを通る純水とが合流し各モータの電機子ユニット(11,86,87,81,80、TM)に供給される段階での比抵抗値が10(MΩ・cm)となるように、主制御装置20が、比抵抗値検出センサSRの値に基づいて流量制御弁49の開度をフィードバック制御しても良い。具体的には、流量制御弁49の開度を所定開度とした状態での純水の比抵抗値を比抵抗値検出センサSRで検出し、該検出値が10(MΩ・cm)以下ならば流量制御弁49の開度を大きくすることで、より多くの純水をデミナー51に通して、検出値が10(MΩ・cm)程度となるようにし、検出値が10(MΩ・cm)以上ならば流量制御弁49の開度を小さくすることで、より少量の純水をデミナー51に通して、検出値が10(MΩ・cm)程度となるようにすることとする。
このようにすることにより、純水の全てをデミナー51に通す場合と比べて、デミナー51を通す純水の量を少なくすることができるので、デミナー51に内蔵すべきイオン交換樹脂の量を少なくすることができ、ひいてはデミナー51を小型化することが可能となっている。このように小型化したデミナー51は露光装置本体10Aと同一床面上に近接して配置することができるので、循環幹路28等の配管の距離を短くすることができ、配管に金属配管を用いる場合であってもその金属配管内でのイオンの溶出等によって純水の比抵抗値が低下するのを抑制することが可能となる。
ところで、循環幹路28は、更に、ポンプ43と冷却装置45との間で分岐する分岐路28cを有し、また、冷却装置45と比抵抗値検出センサSRとの間で分岐する分岐路28dを有している。
前記分岐路28cは、ファイン系と呼ばれる例えば投影ユニットPU等の光学系を温調するための水(以下、「循環水」と呼ぶ)を循環する循環系を構成するタンクに接続されている。従って、分岐路28cにより分岐される純水は、前記循環水と混合されるようになっている。このため、循環水を常時純水で置換できるので、塩素等の影響を受けることなく、投影ユニットPU内等で用いている樹脂等のOリングやパッキンの寿命を長く維持することが可能となっている。
前記分岐路28dは、前述した液浸のために用いられる水を供給するための液体供給装置5に接続されている。液体供給装置5に供給された純水は、液体供給装置5内に設けられた温調装置で、所定の温度(液浸に用いられる水(先端レンズ191とウエハWとの間に供給される水)を温調するのに最適な温度)に温調された後、図5に示されるジャケット73内を流れる。ジャケット73内には、図2の液体供給ノズル31Aがその先端に設けられた供給管77が挿入されており、供給管77を液浸に用いられる水が通る間に、該水が温調された純水とほぼ同一の温度に温調されるようになっている。なお、供給管77としては、例えばPFA(パーフルオロアルコキシエチレン)などの耐食性に優れた樹脂が用いられている。
なお、分岐路28cと分岐路28dとを通る純水の流量の合計は、循環幹路28を流れる水の流量(例えば、70〜80L/min)の1〜10%程度(例えば、1L/min)、すなわち、供給管26から供給される純水の量とほぼ同一の流量とすることができる。
図6には、露光装置10の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)から成る主制御装置20を中心として構成されている。主制御装置20には、CRTモニター、液晶モニター等から成る表示装置95が接続されている。
次に、本実施形態の基板処理システム100における処理動作を、露光装置本体10Aにおける露光動作を中心に説明する。図3には、ウエハステージWST上のウエハ(ロットの最終ウエハ)Wに対するステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われている状態が示されている。このとき、計測ステージMSTは、ウエハステージWSTと衝突しない所定の待機位置にて待機している。
上記の露光動作は、主制御装置20により、事前に行われた例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)などのウエハアライメントの結果及び最新のアライメント系ALGのベースラインの計測結果等に基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へウエハステージWSTが移動されるショット間移動動作と、各ショット領域に対するレチクルRに形成されたパターンを走査露光方式で転写する走査露光動作とを繰り返すことにより、行われる。なお、上記の露光動作は、先端レンズ191とウエハWとの間に水を保持した状態で行われる。
そして、ウエハステージWST側で、ウエハWに対する露光が終了した段階で、主制御装置20は、干渉計システム118の計測値に基づいてステージ駆動部124を制御して、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)を投影ユニットPU直下から退避させ、計測ステージMST(計測テーブルMTB)を投影ユニットPU直下まで移動させる。
なお、この移動に際しては、先端レンズ191とウエハWとの間の水を回収し、回収後に、各ステージを移動することとしても良いし、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとを接近又は接触させた状態で、水をウエハステージWST側から計測ステージMST側に受け渡すように移動することとしても良い。
次いで、主制御装置20は、ウエハステージWSTの位置を干渉計システム118の計測値に基づいてステージ駆動部124を制御して、所定のウエハ交換位置にウエハステージWSTを移動させるとともに次のロットの最初のウエハへの交換を行う。この場合、ウエハは図1のC/D12内のコータにおいて感光剤が塗布されたウエハであり、インタフェース部14及びローダを介して露光装置本体10A内に搬送されている。一方、露光が終了したウエハは、ローダ及びインタフェース部14を介して、C/D12内に搬送され、C/D12内のデベロッパにおいて現像工程が行われる。
また、ウエハ交換と並行して、計測ステージMSTを用いた所定の計測を必要に応じて実行する。この場合の所定の計測としては、例えばアライメント系ALGのベースライン計測が一例として挙げられる。
そして、上述した両ステージWST、MST上における作業が終了した段階で、主制御装置20は、干渉計システム118の計測値に基づいてステージ駆動部124を制御して、計測ステージMST(計測テーブルMTB)を投影ユニットPU直下から退避させ、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)を投影ユニットPU直下まで移動させる。
その後、主制御装置20では、新たなウエハに対してウエハアライメント、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を実行し、ウエハ上の複数のショット領域にレチクルパターンを順次転写する。以降、同様の動作を繰り返し行う。
なお、上記の説明では、計測動作として、ベースライン計測を行う場合について説明したが、これに限らず、ウエハステージWST側で各ウエハの交換を行っている間に、計測ステージMSTの計測器群を用いて、照度計測、照度むら計測、空間像計測、波面収差計測などの少なくとも一つを行い、その計測結果をその後に行われるウエハの露光に反映させることとしても良い。具体的には、例えば、計測結果に基づいて不図示の結像特性補正コントローラにより投影光学系PLの調整を行うこととすることができる。
ところで、主制御装置20では、デミナー51に入る直前の純水の比抵抗値を検出するセンサ101(図4では不図示、図6参照)の検出値に基づいて、デミナー51内のイオン交換樹脂の寿命を予測し、表示装置95に出力している。この場合のデミナー51の寿命の予測は以下のようにして行われる。
図7は、所定温度(例えば25℃)かつ所定量(毎分50リットル)の純水をデミナー51に通した場合における、デミナー51入口での純水の比抵抗値とデミナー51内のイオン交換樹脂の寿命との関係を示すグラフである。このグラフは、例えば実験やシミュレーション等を行うことにより得ることができる。このグラフに示されるように、例えばデミナー入口での比抵抗値が使用開始時点で約7.7(MΩ・cm)に維持されている場合には、使用開始から約180日後に寿命に達することが予測され、例えば、デミナー入口での比抵抗値が使用開始時点で約2.0(MΩ・cm)に維持されている場合には、使用開始から約30日後に寿命に達することが予測できるようになっている。この関係は、その水の量が2倍になると、純水内のイオン量が倍になるので、例えば、比抵抗値が約7.7(MΩ・cm)ならば、使用開始から約90日後に寿命に達し、比抵抗値が約2.0(MΩ・cm)ならば、使用開始から約15日後に寿命に達することになる。
なお、実際には、比抵抗値は一定ではないため、主制御装置20は、比抵抗値の変化に応じて、図7のグラフに基づく換算式を用いて、イオン交換樹脂の寿命を予測し、表示装置95に表示し、オペレータ等に知らせることとなる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置によると、露光装置本体10A内のモータの電機子ユニット(11,86,87,81,80、TM)に水を供給する循環幹路28と露光装置本体のモータとは異なる部分に純水の一部を供給する分岐路28c、28dとを備えていることから、投影ユニットPUを含むファイン系や、液浸に用いられる水の温調をイオンが除去された水で温調することが可能となる。これにより、モータの電機子ユニットを冷却することで、ウエハステージWST、計測ステージMST及びレチクルステージRST近傍のモータによる温度変化を防止し、干渉計等の揺らぎを抑制することができるのでステージの位置検出精度の向上及びステージの移動精度の向上を図ることができる、かつデミナー51によりイオンが除去された純水をモータに供給することで、水による絶縁性の問題も生じない。また、投影ユニットPUについては、投影ユニットPUの温調が可能であるとともに、投影ユニットPUに用いられているOリングやパッキンなどを長寿命とすることができる。更に、液浸に用いられる水の温調を純水を用いて行うことにより、液浸用の水を温調するのにヒーター等を用いる場合などと異なり金属イオンが水に溶出するのを抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、デミナーを通らない純水とデミナーを通る純水とを第1管路28a、第2管路28bで分岐し、各管路を流れる純水の流量を流量制御弁49を用いて制御するので、合流後に得られる純水の比抵抗値を所望の値に設定することが可能となる。また、デミナーを通す水の量を減らすことができるので、デミナーに含まれるイオン交換樹脂を小型化でき、ひいてはデミナーの小型化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の露光装置によると、露光装置本体10Aとデミナー51とを近接して配置することとしているので、デミナー51から各モータまでの管路の長さを短くすることができる。この場合、たとえ管路に金属配管等を用いる場合であっても、その金属配管から純水にイオンがほとんど溶出しないので、比抵抗値の高い純水を各モータに供給することができる。また上述のようにデミナーの小型化が図られているため、露光装置全体のフットプリントを小さくすることが可能となっている。
また、本実施形態の露光装置によると、デミナー51を通る水の比抵抗値をセンサ101により検出し、該検出結果に基づいて、デミナー51内のイオン交換樹脂の寿命を予測するので、寿命に達する前にイオン交換樹脂を交換することにより、イオンが多く含まれる水が各モータの電機子ユニットに供給されるのを防ぐことができる。
また、上記実施形態では、循環幹路28を循環する水の流量の1〜10%程度の流量の水が常時供給されているので、水質を常時高く維持することが可能である。
なお、上記実施形態では、冷却系が循環系であり、温調装置(冷却装置45及びヒータ47a〜47e)が循環系内に設けられた場合について説明したが、本発明がこれに限られることはなく、例えば、純水のタンクから各モータまでを連結する供給管を有し、該供給管の一部が分岐して、ファイン系や液浸に用いられる水を温調することとしても良い。この場合、外部で温調した純水を各モータに供給するようにしても良い。
なお、上記実施形態では、分岐路28c,28dを各モータの上流側で分岐させる場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、各モータの下流側で分岐させるようにしても良い。
なお、上記実施形態では、第1管路28aと第2管路28bとを流れる純水の流量を流量制御弁49により設定することとしたが、流量制御弁は第2管路28bの途中に限らず、第1管路28aの途中に設けることとしても良い。また、第1、第2管路28a、28bが分岐する部分に、各管路を流れる純水の流量の比を調整可能な流量調整弁を設けることとしてもよい。
また、例えば、分岐路28cを通る純水の流量を変更するために、分岐路28cの途中、又は分岐路28cと冷却装置45との間の循環幹路28の一部に流量制御弁を設けることとしても良いし、循環管路28と分岐路28cとが分岐する部分に、各路を流れる純水の流量の比を調整可能な流量調整弁を設けることとしても良い。また、例えば、分岐路28dを通る純水の流量を変更するために、分岐路28dの途中、又は分岐路28dとセンサSRとの間の循環幹路28の一部に流量制御弁を設けることとしても良いし、循環管路28と分岐路28dとが分岐する部分に、各路を流れる純水の流量の比を調整可能な流量調整弁を設けることとしても良い。
なお、上記実施形態では、純水の比抵抗値に基づいて、流量制御弁49の開度を調整する場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、純水(25℃)の比抵抗値とイオン濃度(ppb)との間には、図8に示されるような関係があることから、純水のイオン濃度に基づいて、流量制御弁49の開度を調整することとしても良い。
また、上記実施形態では、デミナー51入口における純水の比抵抗値に基づいてイオン交換樹脂の寿命を予測することとしたが、これに限らず、上記流量制御弁49の開度調整と同様に、イオン濃度に基づいてイオン交換樹脂の寿命を予測することとしても良い。この場合、図7の関係と図8の関係とにより導き出される、図9のグラフを基にして、イオン濃度からイオン交換樹脂の寿命を予測することが可能となる。
なお、上記実施形態では、ウエハステージ装置50が計測ステージMSTを備える場合について説明したが、計測ステージMSTを設けなくても良い。この場合、ウエハステージWST上に計測ステージMSTに設けられた計測装置等を設けることとしても良い。
また、上記実施形態の冷却系110をレチクルステージRSTを駆動するリニアモータの冷却に用いる際に、冷却系をウエハステージ装置50とレチクルステージRSTとで独立に設けることとしても良い。更に分岐路を利用して、レチクルRの照明領域を設定するレチクルブラインドの駆動部を冷却しても良い。
なお、上記実施形態では、液浸露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、通常のステッパ等に採用することも勿論可能である。この場合、分岐路28dを通った水を露光装置本体10Aのモータ以外の部分の温調に用いることとしても良いし、あるいは、分岐路28dを設けないこととしても良い。
なお、上記実施形態では、デミナー51を通る純水とデミナー51を通らない純水とに、第1、第2管路28a、28bで分岐する場合について説明したが、これに限らず、デミナー51に全ての純水を通すようにしても良い。
なお、上記実施形態では、5つのモータの電機子ユニットを純水で冷却する場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、このうちの少なくとも1つに純水を供給すれば良い。
また、上記実施形態では、ウエハステージ装置にカウンタマスが設けられた場合について説明したが、本発明がこれに限れるものではなく、レチクルステージ側にもカウンタマスを設けることとしても良く、該レチクル側のカウンタマスを移動するトリムモータを設ける場合には、該トリムモータを本実施形態の冷却系110で冷却することとしても良い。また、カウンタマスについては、いずれのステージ装置にも設けなくても良い。
また、上記実施形態では、投影光学系PLとして縮小系を用いる場合について説明したが、投影光学系は等倍系および拡大系のいずれでも良い。また、いわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射系を用いても良い。
なお、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、有機EL、マイクロマシン、DNAチップなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く適用できる。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
10A…露光装置本体、11…レチクルステージ駆動部(駆動装置)、20…主制御装置(予測装置)、28…循環管路(第1供給路)、28a…第1管路(第2供給路)、28c…分岐路(第2供給路)、28d…分岐路(第2供給路)、51…デミナー(イオン除去装置)、81、80…X軸固定子(駆動装置)、86,87…Y軸固定子(駆動装置)、101…センサ(検出器)、F…床面、TM…トリムモータ(駆動装置)、W…ウエハ(基板)。