JP2003298277A - 電波吸収複合材及びそれを用いた無線通信システム - Google Patents

電波吸収複合材及びそれを用いた無線通信システム

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JP2003298277A JP2002094958A JP2002094958A JP2003298277A JP 2003298277 A JP2003298277 A JP 2003298277A JP 2002094958 A JP2002094958 A JP 2002094958A JP 2002094958 A JP2002094958 A JP 2002094958A JP 2003298277 A JP2003298277 A JP 2003298277A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 到来電波を反射する部材90の平坦部に入射
した電波は、部材90に装着された電波吸収層10が理
想的なら電波は吸収されて反射波は無い。しかし、部材
90の端部では電波吸収層10で被覆されてない導電性
材料の反射層30に斜め入射した電波は反射して周辺の
電子システムに悪影響を及ぼす。端部での反射は挙動が
複雑で予測し難く、従って対策が取り難いという問題が
有る。 【解決手段】 端部で到来電波を反射する部材90の前
記端部を覆って前記到来電波を吸収する異種の電波吸収
層を複合した電波吸収複合材20。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波を吸収する電波
吸収材であって、複数の異種の吸収層を積層複合した電
波吸収複合材に関し、特に端部で電波を反射する部材に
用いられ端部での電波の反射を有効に且つ簡単に防止す
る電波吸収複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動料金収受システムETC(E
lectronic Toll Collection
System)、狭域通信システムDSRC(Ded
icated Short−Range Commun
ication)や高度道路交通システムITS(In
telligent Transport Syste
ms)の伸展には目を見張るものがある。自動料金収受
システムは料金所における料金自動収受業務を5.8G
Hzを中心周波数とするマイクロ波の無線通信により実
施するもので、通行車両は料金所で一時停止の必要がな
くなり、排気ガス及び発進加速に伴う騒音の低減など周
囲環境の改善や燃料節約、走行時間の短縮といった効果
が期待されている。このシステムは、料金所に設置され
た路側アンテナと、車両に搭載された車載器側アンテナ
との間で料金情報を無線で双方向通信して自動で料金を
徴収することにより、車両がノンストップ・ノンタッチ
で通行することを実現するものである。路側アンテナは
路上設置の表示器や料金所ゲートに取り付けられ、ゲー
トを通行する車両に対して上方から電波を発射する。
【0003】路側アンテナから発射された電波が道路面
と、路上設置の表示器、料金所ゲートあるいは料金所ボ
ックスとの間で多重反射して斜め入射し、車載器側アン
テナが受信できる閾値以上の電波の到達範囲が、設定し
た範囲よりも広がり、その到達範囲内に、同一あるいは
隣接レーンの車両が含まれ、システム誤動作の可能性が
ある。特に部材の端部における電波の反射は斜め入射の
複雑な挙動を呈する。また、自動料金収受システムが複
数のレーンで使用される場合、一つのレーンの路側アン
テナから発射された電波が隣のレーンに入り隣同士のレ
ーンで混信する可能性もある。同様に部材の端部におけ
る電波の反射は複雑な挙動を呈する。これらの不具合は
自動料金収受システムに限らず類似のシステムである狭
域通信システムや、それらを包括する高度道路交通シス
テムについても同様である。
【0004】前記誤動作あるいは混信の原因である多重
反射や端部での端部反射を低減するために、表示器、料
金所ゲートやその天井部あるいは料金所ボックスに電波
吸収材を貼付けることが行われている。平坦部ではパネ
ル貼付けが多いものの、端部ではパネル貼付けの施工性
が悪いため電波吸収塗料を塗布することも多い(特開平
3−223371号公報や特開平4−11645号公報
など参照)。
【0005】特開平8−340191号公報には、樹脂
にフェライトを分散し、このフェライトの共振作用によ
り斜め入射の電波にも対応できる電波吸収材が記載され
ている。また特開2000−349539公報には、複
数層のうち一部の層をハニカム構造の低比誘電率材とす
ることにより斜め入射の電波にも対応する電波吸収材が
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電波吸
収材において、到来電波を反射する部材の特に端部で下
記の少なくとも1つ以上の問題があった。
【0007】図5(A)は部材90に電波Wiが入射し
て反射(Wr)する様子を模式的に示す。平坦部に入射
した電波Wiは、部材90に装着された電波吸収層10
が理想的なら電波Wiは吸収されて反射波Wrは無い。
しかし、部材90の端部では電波吸収層10が被覆され
てない導電性材料の反射層30に斜め入射した電波Wi
は反射(Wr)して周辺の電子システムに悪影響を及ぼ
す。入射波Wiと反射波Wrとの合成により定在波が立
つ悪影響もある。なお、図5において部材90は、電波
反射対策を採らねばならない導電性材料の反射層30を
従来の電波吸収層10で被覆対策した場合を例示した。
部材90は、料金所ゲートの天井の鉄板や料金所ボック
スのスチール板など、導電性材料の反射層30のみで成
る場合も多い。いずれにせよ、平坦部のみならず端部で
も電波が反射して反射波Wrが周囲の電子システムを誤
動作させる恐れがある。特に端部での反射は挙動が複雑
で予測し難く、従って対策が取り難いという問題が有
る。
【0008】部材90の端部形状は鋭角や複雑な形状で
あり、ここにパネル状の電波吸収材を配設することは施
工性を悪くするという問題があった。
【0009】従来の電波吸収材は穴開け性などの加工性
が悪く、接着剤などによって部材90に現場で接着施工
しなければならない。従って、接着剤が硬化するまでの
時間による工事期間の遅延のみならず、電波吸収材パネ
ルの剥離や脱落などの問題もあった。信頼性の高い接着
剤(例えばエポキシ樹脂系)を用いても現場での接着剤
の取扱い不備による接着不良の問題もあった。排気ガス
に曝される過酷な屋外での耐久性にも問題があった。温
度変化による膨張率の相違から剥離する問題もあった。
【0010】また電波吸収塗料を端部に塗布する場合、
図5(B)に模式的に示すように塗料の垂れ落ちなどの
問題もある。塗料が固まるまでの養生期間が必須なため
に施工性の悪い問題もある。更に、電波吸収特性を上げ
るために銅粉やフェライト粉の充填量を上げると、塗着
力の低下などの問題があった。
【0011】そこで、本発明は、薄くて可撓性を有し、
部材90の端部における斜め入射の電波にも対応できる
電波吸収複合材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電波吸収複
合材を以下に記す。括弧内の符号は、参考までに付した
図面の符号である。
【0013】〔解決手段1〕本発明は、端部で到来電波
(Wi)を反射する部材(90)の前記端部を覆って前
記到来電波(Wi)を吸収する異種の電波吸収層(4
0,50)でなる電波吸収複合材(20,21)であ
る。
【0014】〔解決手段2〕本発明は、より好ましくは
酸化物磁性体粉をバインダ中に分散した第1吸収層(4
0,41,42)、金属磁性体粉をバインダ中に分散し
た第2吸収層(50,51,52)、及び導電性材料で
成る反射層(30)を順に積層した〔手段1〕記載の電
波吸収複合材(20,21)である。
【0015】〔解決手段3〕本発明は、より好ましくは
酸化物磁性体粉をバインダ中に分散した第1吸収層(4
0,41,42)と金属磁性体粉をバインダ中に分散し
た第2吸収層(50,51,52)とを積層した〔手段
1〕記載の電波吸収複合材(20,21)である。〔解
決手段2〕記載の反射層(30)として、本発明に係る
電波吸収複合材を施工する部材(90)が導体層を有す
る場合、反射層(30)は必須ではなく既存の導電材料
である反射層(30)に酸化物磁性体粉をバインダ中に
分散した第1吸収層(40,41,42)と金属磁性体
粉をバインダ中に分散した第2吸収層(50,51,5
2)を積層した電波吸収複合材を施工すれば足りる。
【0016】〔解決手段4〕本発明は、より好ましくは
開口(71,72,73)を有する〔手段1〕乃至〔手
段3〕のいずれかに記載の電波吸収複合材(20,2
1)である。
【0017】〔解決手段5〕本発明は、より好ましくは
前記端部を抱込むように被覆した〔手段1〕乃至〔手段
4〕のいずれかに記載の電波吸収複合材(20,21)
である。
【0018】〔解決手段6〕本発明は、より好ましくは
第1吸収層(40,41,42)、第2吸収層(50,
51,52)の一方または両方が、少なくとも2層以上
(41,42),(51,52)でなる〔手段1〕乃至
〔手段5〕のいずれかに記載の電波吸収複合材(20,
21)である。
【0019】〔解決手段7〕本発明はまた、各層間の少
なくとも1つ以上に接合層(61,62,63,64)
を介装した〔手段1〕乃至〔手段6〕のいずれかに記載
の電波吸収複合材(20,21)である。
【0020】〔解決手段8〕本発明はまた、〔手段1〕
乃至〔手段7〕のいずれかに記載の電波吸収複合材(2
0,21)を用いた自動料金収受システム、狭域通信シ
ステム、高度道路交通システムのいずれかの無線通信シ
ステムである。なお、自動料金収受システムはETCシ
ステム(Electronic Toll Colle
ction System)、狭域通信システムはDS
RCシステム(Dedicated Short−Ra
nge Communication Syste
m)、高度道路交通システムはITS(Intelli
gent Transport Systems)とも
呼ばれる。
【0021】本発明の〔解決手段1〕によると、従来か
ら電波吸収対策が困難であった部材(90)の端部にも
好適な電波吸収複合材(20,21)が提供できる。
【0022】本発明の〔解決手段2〕によると、可撓性
のある電波吸収複合材が容易に得られる。可撓性を有す
る高分子材料などをバインダとして磁性体粉末を分散し
たからである。
【0023】本発明の〔解決手段3〕によると、既存の
導電性材料を反射層(30)として利用して効率的な端
部の電波吸収体を提供する効果がある。
【0024】本発明の〔解決手段4〕によると、開口
(71,72,73)を用いて本発明に係る電波吸収複
合材を部材(90)に螺子止め,鋲止め,係合などの機
械的取付けで固定できるので、接着剤取付けによる施工
性低下や信頼性低下が無い。機械的な締結手段(81,
82,83)により本発明に係る電波吸収複合材20を
装着できるので、従来の接着と違って施工性,信頼性,
労働安全性などに優れた効果が有る。
【0025】本発明の〔解決手段5〕によると、端部を
抱込むようにシート状の電波吸収複合材20で被覆する
際に、予めR(コーナ部丸み)形状に加工した電波吸収
複合材20を用いることもでき、小さなRの場合でも容
易に対応できる効果がある。
【0026】本発明の〔解決手段6〕によると、2層以
上の吸収層の複素誘電率、複素透磁率、厚みを適当に選
択して、インピーダンスを徐々に傾斜的に変化させるこ
とにより、電波を自由空間のインピーダンス377Ωと
の相違を極力低減して電波を反射することなく効率的に
吸収できる効果がある。
【0027】本発明の〔解決手段7〕によると、接着剤
などの誘電体により接合層(61,62,63,64)
を介装するので、後述の繰返し反射による電波吸収効果
がある。
【0028】本発明の〔解決手段8〕によると、社会的
なニーズが高まっている自動料金収受システム、狭域通
信システム、高度道路交通システムであって信頼性の高
い無線通信システムを提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
詳細に説明する。図1(A)は入射波Wiが部材90の
端部で反射して反射波Wrとなって反射される状況の模
式図である。図1(B)は図1(A)よりも部材90の
厚みが薄くなって電波の波長λに近くなった状況を示
し、図1(C)は厚みが更に薄くなって電波の波長λの
約1/3程度になった状況を示す模式図である。譬えて
言うと、「電波の目」からは「見えなく」なった状況で
ある。なお、この譬えは奥行き方向(紙面に直角方向)
の広がりを一定値以下にした場合であり、広がりが一定
値を超える場合には反射が生じる。電波の波長λ(m)
と周波数f(MHz)との関係はλ=300/fで表さ
れる。800MHz携帯電話で波長38cm、1500
MHz携帯電話で波長20cm、PHS1900MHz
で波長16cm、ETCに用いられる5.8GHzでは
波長5cmである。例えば、ETCシステムにおいて部
材90の厚みが約2cmになると「電波の目」からは
「見えなく」なり、反射せずに通過するか回折する。図
1(D)は電波吸収複合材21で部材90の端部を被覆
しただけでなく、部材90の平坦部をも電波吸収複合材
22で被覆した実施態様を示す。電波の波長λに対応し
て本発明に係る電波吸収複合材21の形状、厚みなどを
適宜設計すれば、電波の波長λの約1/3以下の厚みの
部材90に電波障害対策をしなければならない場合で
も、到来電波を捕捉して吸収、無害化できる。
【0030】図2を用いて本発明に係る電波吸収複合材
20の構成を説明する。図2は電波吸収複合材20の断
面図を示す。図2(A)は電波到来方向から第1吸収層
40,第2吸収層50,反射層30を積層した本発明に
係る電波吸収複合材20の断面図を示す。図1(B)は
第1吸収層を2層(41,42)、第2吸収層も2層
(51,52)で構成した本発明に係る電波吸収複合材
20を示す。図1(C)は各層の間を接着剤による接合
層(61,62,63,64)で一体化した実施形態を
示す。
【0031】接着剤による接合層(61,62,63,
64)の電波吸収に及ぼす作用効果を説明する。誘電体
がその隣接する物質との界面において、電波をある程度
反射することは良く知られており、各層間に介装した接
着剤層(61,62,63,64)は、各層を互いに強
固に接合するとともに、接着剤の持つ誘電体特性により
入射波を繰返し反射させる。すなわち、電波吸収複合材
20に入射した電波が接着剤層(61,62,63,6
4)に到着すると、電波は接着剤層(61,62,6
3,64)内において、この接着剤を上下に挟む層との
界面において繰り返し反射して、電波の一部は電波到来
側の層に再入射し、電波到来側に吸収体層が有る場合は
吸収されて減衰し一部は電波磁吸収体から電波到来側に
出ていく。一方、それ以外の電波は接着剤から下層側に
入射し、反射層(30)側に吸収体層が有る場合は吸収
されて減衰する。
【0032】電波吸収材はコーナ(隅)部、湾曲部ある
いは凹部等にも貼付けできるようにするため、薄くて可
撓性を有することが必要である。また、電波吸収材への
電波の入射方向が垂直方向だけの場合は、電波吸収複合
材の設計は容易であるが、自動料金収受システムなどに
用いる電波吸収材においては垂直方向以外に種々の方向
から入射する斜め入射の電波にも対応する必要が有る。
入射方向が垂直方向の場合を入射角0度とすると、一般
に0〜60度の入射角において20dB以上の反射損失
が望まれる。更に、前記電波吸収複合材は屋外設置のた
め、直射日光や風雨に曝されるので耐候性を必要とす
る。本発明に係る電波吸収複合材20によると斜め入射
の電波にも対応でき耐候性も十分である。磁性体粉が耐
候性の良好な高分子材料中に分散して安定化されるから
である。
【0033】図2に示した本発明に係る電波吸収複合材
20が斜め入射の電波に対しても良好な吸収特性を発揮
する理由は解明中であるが、前述の繰返し反射による電
波の減衰が原因の一つと考えられる。また、バインダと
して分散させる材料が異なる第1吸収層40と第2吸収
層50を積層したことにより、電波吸収複合材20の表
面インピーダンスを自由空間のインピーダンス377Ω
に近づけることができる。従って、本発明に係る電波吸
収複合材20の表面での電波の反射が低減され、それら
を単独で用いる場合よりも良好な吸収特性を発揮しやす
いとも考えられる。電波が入射する層の誘電率が大きい
ほど電波が反射されやすく、特に電波の減衰が不充分な
電波到来側で、その傾向が顕著であるので、誘電率が小
さい第1吸収層40を電波到来側に配設して、誘電率が
大きい第2吸収層50を反射層30側に配設すれば良
い。
【0034】図2(C)に示した本発明に係る電波吸収
複合材をより詳細に説明する。電波吸収複合材20は、
導電性材料からなる反射層30と、その上に誘電体層で
ある接着剤などの接合層61,62,63,64を介し
て順次積層された、バインダである可撓性高分子材料に
酸化物磁性体粉を分散した複数層の第2吸収層51,5
2と、バインダである可撓性高分子材料に金属磁性体粉
を分散した複数層の第1吸収層41,42とを有する。
【0035】なお、図1(C)に示す実施形態では第1
吸収層40を2層(41,42)、第2吸収層50を2
層(51,52)の層数としたが、これに限定されず使
用する材料、条件等に応じ最適の層数とすれば良い。ま
た、過酷な屋内使用等でより十分な耐候性を必要とされ
る場合は、図示しない表面層を更に電波吸収複合材20
の表面に配設しても良い。図示しない表面層はインピー
ダンスを自由空間のインピーダンス377Ωにより近く
して電波を呼び込む効果を向上することも出来る。光触
媒を用いると汚れにくい電波吸収複合材20が実現出来
る。図示しない表面層には、各種の色を付すこともでき
ユーザの要望によって色を選択でき意匠性にも優れる。
【0036】図2に示す反射層30は、入射して第1吸
収層40,41,42および第2吸収層50,51,5
2を透過した電波を反射するためのものであり、第1吸
収層40,41,43および第2吸収層50,51,5
2,53は入射電波および反射層30で反射された電波
を吸収するためのものである。
【0037】図2に示す反射層30の一例は、アルミニ
ウムシートであり、厚さは5〜100μmであることが
望ましい。5μm未満では電波を反射する機能が不充分
となり、100μmを超えても反射機能は同じである反
面、材料費が高価となり原価高となる。反射層30はア
ルミニウムシートに限定されず銅板シート、樹脂膜に導
電性金属を蒸着したもの、あるいは樹脂膜に導電性金属
粉を含有させたものとしても良く、導電性を有する層で
あれば任意のものが使用できる。また、前記アルミニウ
ムシート等の導電性を有する層の反射層(30)側に厚
さ100μm程度の保護層を付加して反射層30を構成
しても良い。なお前記〔解決手段3〕の場合は、本発明
に係る電波吸収複合材20を施工しようとする部材90
の導電性材料を反射層30として利用するので、反射層
30は不要である。酸化物磁性体粉をバインダ中に分散
した第1吸収層40,41,42と金属磁性体粉をバイ
ンダ中に分散した第2吸収層50,51,52との積層
材を現場で装着施工できる。
【0038】図2に示した第1吸収層40,41,42
および第2吸収層50,51,52は、ゴムあるいはプ
ラスチック等の可撓性高分子材料をバインダとして電波
吸収機能を有する粉末(酸化物磁性体粉、金属磁性体粉
等)を分散し、且つ厚さ規制して長さ方向に連続して押
出すなどの製法によりシート化したものである。バイン
ダは磁性粉末の粒子間を電気的に絶縁して渦電流の発生
を防止すると共に、本発明に係る電波吸収複合材に可撓
性を与える。従って、本発明に係る電波吸収複合材20
は可撓性に富み施工性が極めて良好である。
【0039】本発明に係る電波吸収複合材20の製法と
しては、例えばロール圧延法、ドクターブレード法、押
出し法、射出成形法、ロールコータ法あるいはダイコー
タ法等がある。これらの製法により第1吸収層40,4
1,42、第2吸収層50,51,52、(更には反射
層30)を接着剤なしで一体成形することもできる。
【0040】バインダとして用いる可撓性高分子材料
は、有機物高分子材料で可撓性があり比重が1.5以下
で耐候性を有するものが好ましい。例えばクロロプレン
ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコン樹脂、塩化
ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等である。
前記可撓性高分子材料がシリコン樹脂、塩化ビニル樹
脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の場合は、その厚
さは0.2〜0.7mmが好ましい。0.2mm未満で
は前記電波吸収機能を有する粉末等を分散して電波吸収
複合材20とした場合の電波吸収性能が不足し、0.7
mmを超えると可撓性が不足する。より好ましい厚さは
0.25〜0.65mmである。前記可撓性高分子材料
がクロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム等のゴ
ムの場合は、その厚さの下限値は前記シリコン樹脂、塩
化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の場合
と同じであるが、上限値は前記シリコン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の場合よりも
大きくすることが可能であり、材料毎に可撓性を維持で
きる範囲で上限値を定めれば良い。
【0041】近年、安全性の面から難燃性が要求され、
且つ地球環境保護の観点からは、電波吸収複合材を焼却
処理する時に、塩素等を含む有害ガスが発生しないよう
にするため塩素、臭素等のハロゲン化合物を含有しない
所謂ハロゲンフリーの電波吸収複合材が求められる。難
燃性でハロゲンフリーの電波吸収複合材とするために
は、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー E
thylene Propylene Diene M
onomer)あるいはアクリル樹脂のバインダに水酸
化アルミニウム及び/又は赤燐の難燃化助剤を添加した
樹脂としても良い。この電波吸収複合材は難燃性である
とともに、塩素、臭素等のハロゲン化合物を含有しない
ため、電波吸収複合材を焼却処理する時に塩素等を含む
有害ガスが発生せず、地球環境保護の観点から好まし
い。またITSシステムにおいてトンネル内などで本発
明に係る電波吸収複合材を用いると、万一の火災の際に
も有害ガスの発生を極力阻止できる。
【0042】第1吸収層40,41,42は、前記可撓
性高分子材料に、酸化物磁性体粉を分散したものであ
り、酸化物磁性体粉は、例えばNi−Zn系、Mg−Z
n系、Mn−Zn系、Cu−Zn系、Mn−Mg系のフ
ェライト、又はこれらのうち何れか二種以上の混合組成
あるいは中間組成を有するフェライトが用いられる。粉
末の平均粒径は混合性、分散性、造粒性、および成形性
等を考慮すると0.5〜10μm程度が好ましい。酸化
物磁性体粉の分散量は60〜80mass%が好まし
い。60mass%未満であると吸収性能が低下し、8
0mass%を超えると材料代が高価になるばかりでな
く、重量が重く、可撓性、耐久性等が低下し実用上好ま
しくない。
【0043】前記可撓性高分子材料に、前記酸化物磁性
体粉を分散してシート化した第1吸収層40,41,4
2は、ETCシステムに使用する場合、周波数5.8G
Hzにおいてμ’(複素比透磁率の実数部)≧1.2且
つμ”(複素比透磁率の虚数部)≧0.5且つε’(複
素比誘電率の実数部)≧5且つε”(複素比誘電率の虚
数部)≧0.1であるのが望ましい。
【0044】Mg−Zn系フェライトとMn−Zn系フ
ェライトを例に取って、本発明に係る電波吸収複合材に
おける両者の使い分けの指針を説明する。電気磁気学で
良く知られたように表皮深さは抵抗率ρと透磁率μの比
ρ/μの平方根に比例する。Mg−Zn系フェライトで
は概略値の抵抗率ρ=100,000(Ωcm)と透磁
率μ=400に対して、Mn−Zn系フェライトの概略
値の抵抗率ρ=1(Ωcm)、透磁率μ=2,000で
ある。Mg−Zn系フェライトにおける表皮深さは、M
n−Zn系フェライトにおける表皮深さの約800倍も
ある。このことから、Mg−Zn系フェライトはMn−
Zn系フェライトよりも電波の吸込み性が良好であり、
本発明に係る電波吸収複合材の第1吸収層40として、
より好ましい。
【0045】第2吸収層50,51,52は前記可撓性
高分子材料に金属磁性体粉を分散したものである。前記
金属磁性体粉は、例えば比重が6.0以上の金属でFe
−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金から水アトマ
イズ法により粒形状粉を形成し、更にアトライタにて摩
砕することにより製造した平均粒径が0.1〜50μm
で平均厚さが3μm以下の扁平形状粉やカルボニル鉄、
アモルファス合金、Fe−Si系合金、モリブデンパー
マロイ、スーパーマロイ等の扁平形状粉を用いても良
い。あるいは平均粒径が50μm以下のFe−Cu−N
b−Si−B系ナノ結晶化合金、カルボニル鉄、アモル
ファス合金、Fe−Si系合金、モリブデンパーマロ
イ、スーパーマロイ等の粒形状粉を用いても良い。これ
らの金属磁性体粉は酸化され易いため、予め酸化防止剤
で表面処理するのが望ましい。
【0046】カルボニル鉄は圧粉鉄粉として従来から使
用されてきたものであり安価に入手できる割に、高周波
帯域における優れたQ値(尖鋭度)を有するために、本
発明に係る電波吸収複合材の第2吸収層50として、よ
り好ましい。
【0047】前記金属磁性体粉の分散量は60〜82m
ass%が好ましい。60mass%未満であると吸収
性能が低下し、80mass%を超えると材料代が高価
になるばかりでなく、重量が重く、可撓性、耐久性等が
低下し実用上好ましくない。前記可撓性高分子材料に、
前記金属磁性体粉を分散してシート化した第2吸収層5
0,51,52は、ETCシステムに使用する場合、周
波数5.8GHzにおいて、μ’(複素比透磁率の実数
部)≧1.0且つμ”(複素比透磁率の虚数部)≧0.
3且つε’(複素比誘電率の実数部)≧6且つε”(複
素比誘電率の虚数部)≧0.4であるのが望ましい。そ
して、第1吸収層40,41,42の誘電率は第2吸収
層50,51,52,53の誘電率よりも大きくなるよ
うにする。電波の吸込み性を良好にして且つ電波吸収効
率を良好にする為である。なお、電波の吸込み性とは電
波が反射を少なくして自由空間から電波吸収体に吸込ま
れる程度をいう。従って、本発明に係る電波吸収複合材
20によると、電波は吸込まれて内部で熱エネルギー等
として消耗されるので効率の良い電波吸収材を提供でき
る。
【0048】図示しない表面層を本発明に係る電波吸収
複合材20の表面に用いる場合、可撓性高分子材料は誘
電率が10以下とするのが好ましい。誘電率が10を超
えると電波吸収性能の広帯域性が低下する為実用上好ま
しくない。より好ましい誘電率は8以下である。また表
面層に用いる可撓性高分子材料にNi−Zn−Cu系、
Mg−Zn−Cu系及びMn−Zn系ソフトフェライト
粉砕粉を分散させると、電波の反射を低減でき好まし
い。表面層の厚さは50〜150μmであることが望ま
しい。50μm未満では耐候性が不足し、150μmを
超えると電波吸収複合材20の厚さ寸法が大きくなり、
可撓性が不充分となる。また、電波吸収性能の広帯域化
が失われる。より好ましい厚さは60〜120μmであ
る。
【0049】接着剤などの接合層61,62,63,6
4の厚さは70〜150μmが好ましい。70μm未満
では誘電体層としての特性が不足し、150μmを超え
ると接着剤としての好適な厚さを外れ接着不良等が懸念
される。より好ましい厚さは90〜120μmである。
接着剤などの接合層61,62,63,64の誘電率は
ε=3.5〜7が好ましい。3.5未満では誘電体層と
しての特性(電波を繰返し反射させる特性)が不足し、
7を超えると電波を反射し過ぎて、電波吸収体としての
特性にかえって悪影響を及ぼす。より好ましい誘電率は
4〜6である。なお、誘電体の接合層61,62,6
3,64は接着剤に限定されず例えば同程度の誘電率の
樹脂フィルムを熱圧着しても良い。
【0050】図3は図2に示した本発明に係る電波吸収
複合材20を部材90の端部(コーナ部、エッジ部、隅
部、端縁部、縁部)に螺子止めなどの機械的手段で装着
した実施形態を示す。この実施形態では略L字形の電波
吸収複合材20を部材90の端部に取り付けている。開
口71,72,73を利用して螺子などの締結手段8
1,82,83で止めている。螺子以外に鋲止め、ハト
メなどを用いることも出来る。本発明に係る電波吸収複
合材20は、高分子材料をバインダとして磁性体粉を分
散して固めたものであるからドリルによる穴開け加工は
容易である。締結手段81,82,83の直径φは、吸
収しようとする到来電波の波長λの約1/3以下にすれ
ば、電波吸収特性に悪影響を及ぼさない。なお、直径φ
は締結手段81,82,83が図3に例示した様な丸頭
のボルトを用いた場合である。六角頭や他の形状の頭の
ボルト、ねじ、鋲などを用いた場合には、その最大寸法
が前記直径φに相当する。
【0051】図3に、図1で説明した本発明に係る電波
吸収複合材20を部材90の端部の電波吸収に使用した
場合の実施態様を例示する。この実施態様では本発明に
係る電波吸収複合材20の被加工性に優れた特性が利用
されている。電波吸収複合材20は開口71,72,7
3を有しL字状をしている。電波吸収複合材20は螺子
などの締結手段81,82,83で部材90の端部に簡
単かつ十分な機械的強度で装着される。この実施態様で
は部材90の導電性材料である反射層30に螺子を形成
して締結に利用している。従って、従来の接着剤での結
合よりも信頼性が高く、施工も簡単である。また従来の
電波吸収塗料を塗布する場合に比べても施工性に優れ
る。なお、締結手段81,82,83のピッチPは吸収
しようとする電波の波長λの約1/3以上(但し、3φ
<P)にすれば電波の反射、散乱等の不具合は無い。
【0052】図4に、図2で断面図を例示した本発明に
係る電波吸収複合材20を部材90の端部の電波吸収に
使用した場合の実施態様を例示する。この実施態様では
本発明に係る電波吸収複合材20の可撓性に優れた特性
が充分に利用されている。電波吸収複合材20は可撓性
が良いのでテープの様に部材90の端部に容易に装着で
きる。装着接合には接着剤を用いても、図2で例示した
機械的な締結手段を用いても良い。
【0053】また図4に示した実施態様で、端部を抱き
込むようにシート状の電波吸収複合材20で被覆する際
に、予めR(コーナ部丸み)形状に加工した電波吸収複
合材20を用いることもでき、小さなRの場合でも容易
に対応できる。
【0054】次に(実施例1)、(実施例2)、及び
(比較例)により本発明を具体的に説明する。 (実施例1)図3に本発明に係る電波吸収複合材20
を、電波吸収を必要とする部材90の端部に装着した例
を示す。部材90の平坦部には既に電波吸収層10がパ
ネルとして貼り付けられていた。そこで、この実施例で
は端部を本発明に係る電波吸収複合材20で被覆した。
図2(C)で説明した反射層30のアルミニウムシート
として可撓性を有する厚さ15μmのアルミ箔を使用し
た。先ず第1吸収層40について説明する。バインダと
して可撓性を有するアクリル樹脂に、酸化物磁性体粉で
あるNi−Zn系フェライト粉末を66mass%(す
なわちアクリル樹脂100質量部に対しNi−Zn系フ
ェライト粉末200質量部)分散させて厚さ0.3mm
の第1吸収層41,42を製作した。前記Ni−Zn系
フェライト粉末は日立金属社製DL−2Sであり、平均
粒子径2〜3μmで初透磁率μI=2000のものであ
る。この第1吸収層41,42の透磁率および誘電率
は、自動料金収受システムに用いる為、周波数5.8G
Hzにおいてμ’(複素透磁率の実数部)=2.1且つ
μ”(複素透磁率の虚数部)=1.3且つε’(複素誘
電率の実数部)=9.5且つε”(複素誘電率の虚数
部)=0.2にした。次に第2吸収層51,52につい
て説明する。バインダとして可撓性を有するアクリル樹
脂に、金属磁性体粉であるカルボニル鉄粉を69mas
s%(すなわちアクリル樹脂100質量部に対しカルボ
ニル鉄粉225質量部)分散させて厚さ0.6mmの吸
収体層51,52を製作した。前記カルボニル鉄粉は、
BASF社製グレードESのものであり、平均粒子径
3.0〜4.5μmで、mass%成分はFe>97.
7、C<1.1、N<1.1、O<0.4であり、30
〜100MHzで高いQ値となる。この第2吸収層5
1,52の透磁率および誘電率は、自動料金収受システ
ムに用いる為、周波数5.8GHzにおいてμ’(複素
透磁率の実数部)=1.3且つμ”(複素透磁率の虚数
部)=0.7且つε’(複素誘電率の実数部)=11.
6且つε”(複素誘電率の虚数部)=1.0にした。接
合層61,62,63,64に用いる接着剤は、誘電率
5のアクリル系接着剤とし1層の厚さは略100μmと
した。アクリル系接着剤とした理由は、本実施形態にお
ける電波吸収複合材層がアクリル樹脂であるため、相性
を良くするため同系統の材質としたものであり、アクリ
ル系以外のものも適宜利用できる。この電波吸収複合材
の電波吸収性能を、タイムドメイン法を用いて評価した
結果、電波入射角0〜80度の広い入射角範囲において
20dB以上の優れた反射損失が得られた。
【0055】(実施例2)この実施例では部材90の端
部を本発明に係る可撓性の電波吸収複合材20で抱込む
様に覆った。第1吸収層41,42と第2吸収層51,
52のバインダに用いる可撓性高分子材料をアクリル1
00質量部に水酸化アルミニウム15質量部および赤燐
1質量部添加した難燃化され且つハロゲンフリーの樹脂
としたこと以外は、(実施例1)と同様な電波吸収複合
材を製作した。電波吸収性能をタイムドメイン法によっ
て評価した結果、実施例1とほぼ同様な電波吸収性能を
示すことが分かった。
【0056】(比較例)(実施例1)と同様な反射層3
0のアルミニウムシートとして可撓性を有する厚さ15
μmのアルミ箔を用い、その上にバインダとして可撓性
を有するアクリル樹脂に金属磁性体粉であるカルボニル
鉄粉を73mass%(すなわちアクリル樹脂100質
量部に対しカルボニル鉄粉275質量部)分散させて厚
さ2.1mmの吸収層を製作した。タイムドメイン法を
用いて評価した結果、この電波吸収複合材は電波入射角
が47度以上になると20dB以上の反射損失が得られ
ず、斜め入射の電波に対して電波吸収性能が不足するこ
とが分かった。
【0057】(実施例1)、(実施例2)では5.8G
Hzを中心周波数とする自動料金収受システム用の電波
吸収複合材について説明したが、本発明に係る電波吸収
複合材はこれに限定されず、他の周波数帯域用の電波吸
収複合材についても、それらに応じた寸法材質等を選定
することにより提供できる。例えば、2.45GHz用
の電波吸収複合材については、金属磁性体粉の量を多く
し第2吸収層50の層数を増やせば良い。
【0058】本発明に係る電波吸収複合材は、社会的ニ
ーズが高まっている自動料金収受システム、狭域通信シ
ステム、高度道路交通システムに好適ではあるものの、
用途を限定されるものではなく広く部材の端部での電波
反射を防止する電波吸収材として利用できる。例えばス
テルス(stealth)性の用途にレーダに対する有
効反射面積を低減する為に用いることも出来る。更に自
動車の電気システムの42ボルト化は、電磁干渉EMI
(Electromagnetic Interfer
ence)への厳しい対応を必要とし、電波を反射する
部材である自動車の端部における電波の吸収用途にも本
発明に係る電波吸収複合材は利用できる。
【0059】
【発明の効果】前記〔解決手段1〕〜〔解決手段8〕記
載の本発明によると、薄くて可撓性を有し斜め入射の電
波にも対応でき、且つ耐候性を有し、施工性、信頼性の
共に高い電波吸収複合材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波吸収複合材の作用を説明する
模式図である。
【図2】本発明に係る電波吸収複合材20の断面構造図
である。図2(A)は基本構成図、図2(B)は第1吸
収層と第2吸収層を各々2層で構成した図、図2(C)
異層界面に接合層61,62,63,64を介装した構
成を示す図である。
【図3】本発明に係る電波吸収複合材20を部材90の
端部に締結手段81,82,83によって装着した1実
施例を示す図である。
【図4】本発明に係る電波吸収複合材20を部材90の
端部に巻装した別の実施例を示す図である。
【図5】従来技術の問題点を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 電波吸収層 20,21,22 電波吸収複合材 30 反射層 40,41,42 第1吸収層 50,51,52 第2吸収層 61,62,63,64 接合層 71,72,73 開口 81,82,83 締結手段 90 部材 P ピッチ Wi 入射波 Wr 反射波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 義幸 群馬県多野郡吉井町多比良2977番地日立金 属機工株式会社内 (72)発明者 沼田 敏男 東京都港区芝浦一丁目2番1号日立金属株 式会社内 Fターム(参考) 5E321 AA41 BB25 BB33 BB44 BB51 CC16 GG05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部で到来電波を反射する部材の前記端
    部を覆って前記到来電波を吸収する異種の電波吸収層を
    複合したことを特徴とする電波吸収複合材。
  2. 【請求項2】 酸化物磁性体粉をバインダ中に分散した
    第1吸収層、金属磁性体粉をバインダ中に分散した第2
    吸収層、及び導電性材料で成る反射層を順に積層した請
    求項1記載の電波吸収複合材。
  3. 【請求項3】 酸化物磁性体粉をバインダ中に分散した
    第1吸収層と金属磁性体粉をバインダ中に分散した第2
    吸収層とを積層した請求項1記載の電波吸収複合材。
  4. 【請求項4】 開口を有する請求項1乃至3のいずれか
    に記載の電波吸収複合材。
  5. 【請求項5】 前記端部を抱込むように被覆した請求項
    1乃至4のいずれかに記載の電波吸収複合材。
  6. 【請求項6】 第1吸収層、第2吸収層の一方または両
    方が、少なくとも2層以上でなる請求項1乃至5のいず
    れかに記載の電波吸収複合材。
  7. 【請求項7】 各層間の少なくとも1つ以上に接合層を
    介装した請求項1乃至6のいずれかに記載の電波吸収複
    合材。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の電波
    吸収複合材を用いた自動料金収受システム、狭域通信シ
    ステム、高度道路交通システムのいずれかの無線通信シ
    ステム。
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