JP4064798B2 - 電波音波吸収パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波吸収能と音波吸収性能とを同時に兼ね備える電波音波吸収パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
道路交通の発達に伴い、車両の走行などによる騒音が社会問題の一つとなっている。このため、音波を吸収して吸音性能を有する防音壁(吸音壁や遮音壁)を道路脇などに設け、騒音を抑制する試みが従来よりなされている。従来の防音壁においては、グラスウールやロックウールをパネル状(板状)に成形してなる防音パネルを複数個、断面H字状の支柱を介して並設し、壁状としたものが一般的に用いられていた。
【0003】
また近年、ITS(Intelligent Transport Systems;高度道路交通システム)に代表される交通インフラの情報化に伴い、ETC(Electronic Toll Collection;ノンストップ自動料金収受)システムやAHS(Advanced cruise-assist Highway System;走行支援道路システム)、DSRC(Dedicated Short Range Communication System;狭域通信システム)、双方向道路情報システムなど、ミリ波、マイクロ波などの電波の使用による無線通信技術を応用したシステムの導入が拡大している。これらのシステムでは、路面などで使用電波が反射することによる通信領域内での電波の乱反射が、システムの誤作動を引き起こす原因となっており問題とされている。この乱反射した電波(不要電波)による問題を解決すべく、当該システム近傍の道路脇、高架、料金所の天井などに、電波吸収特性を有する電波吸収体を、設置する試みが従来よりなされてきた。電波吸収体は、例えば、ゴムやプラスチックなどのバインダーに導電性カーボンの粉末やフェライトの粉末などの電波損失材を混合し、これをシート状(板状)に成形してなる電波吸収層に、電波の入射を意図する側とは反対側に反射層として金属板や金属箔を張り合わせてなるものが一般に用いられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−102428号公報
【特許文献2】
特開2001−193020号公報
【特許文献3】
特開2001−193021号公報
【特許文献4】
特公平6−32417号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、騒音対策と不要電波対策とを同時に行わなければならない箇所においては、上記防音壁と電波吸収体とを道路脇に並設しようとすると、道路近傍の設置空間を有効に利用できなかったり、防音壁の音波吸収特性および電波吸収体の電波吸収特性を有効に活用できないといった問題があった。
また、防音壁の表側(道路側)または裏側(道路の外側)に上記の如き電波吸収体を貼り付けることも考えられる。しかし、防音壁の表側に上記の電波吸収体を貼り付けた場合においては、電波吸収体の表面で音が反射し、さらには電波吸収体の反射層においても音が反射してしまうため、防音壁による防音効果が充分に発揮できない問題があった。逆に、防音壁の裏側に上記の電波吸収体を貼り付けた場合においては、電波が防音壁に遮られたり反射されるので、電波吸収体まで電波が届きにくく、電波吸収体の電波吸収能が充分に発揮できないというような問題があった。
【0006】
これらの問題は、従来、騒音対策のみを目的とする防音パネルと、不要電波対策のみを目的とする電波吸収体とが、別個の製品として存在することに起因するものであり、電波吸収特性と音波吸収性とを同時に兼ね備える電波音波吸収体の開発が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、電波吸収能と音波吸収能とを兼ね備える構造物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)電波および音波の入射を意図する側からみて電波吸収層、吸音層の順で配置された積層構造を有し、かつ上記電波吸収層がカーボンで被覆された繊維からなる繊維集合体である電波音波吸収パネルであって、
上記繊維集合体が、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって順に連続的または断続的に高くなるように形成されたものである電波音波吸収パネル。
(2)電波吸収層の吸音層が配置される側とは反対側に、さらに保護層を有する、上記(1)に記載の電波音波吸収パネル。
(3)保護層は、5.8GHz帯の電波に対する誘電率の実部が2.5〜4.5であり、かつ開口率が1%〜40%となるような貫通孔が設けられている上記(2)に記載の電波音波吸収パネル。
(4)吸音層の電波吸収層が配置される側とは反対側に、空気層を介して音波反射層が設けられている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
(5)上記音波反射層の形状が、積層方向に対して凹凸を有するものである、上記(4)に記載の電波音波吸収パネル。
(6)電波吸収層と吸音層との間にセパレートフィルムが介在されたものである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
(7)上記繊維集合体が、1000デニール〜4000デニールの太さの繊維、100デニール〜900デニールの太さの繊維、1デニール〜90デニールの太さの繊維から選ばれる少なくとも2種類の繊維を互いに絡ませると共に互いに結合させたものである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
(8)上記繊維集合体が、カーボンで被覆された多種類の太さの極性ポリマーからなる繊維を、各種繊維が少なくとも5重量%以上含有されるように互いに絡ませるとともに互いに結合させて形成されたものである、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好ましい一例の電波音波吸収パネル1を簡略化して示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は正面図である。なお図1(a)は、図1(b)の切断面線IB−IBからみた断面図である。本発明の電波音波吸収パネル1は、少なくとも電波吸収層2と吸音層3とを有する積層構造体であって、平板状、換言すれば厚み方向Zに対して略垂直な二つの主面(厚み方向一方Z1側の主面1a、および厚み方向他方Z2側の主面1b)を有する形状を有するものである。本明細書中においては、電波音波吸収パネル1の厚み方向一方Z1側の主面1aが、電波および音波の入射を意図する面であるものとする。
本発明の電波音波吸収パネル1は、〔1〕電波吸収層2がカーボンで被覆された繊維で形成された繊維集合体であり、かつ電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって繊維密度が連続的または断続的に高くなるように形成されたものであること、ならびに〔2〕電波および音波の入射を意図する側からみて電波吸収層2、吸音層3の順で配置された積層構造を有すること、をその特徴とするものである。
【0009】
本発明の電波音波吸収パネルにおいては、まず、〔1〕の繊維集合体を用いてなる構成により、入射する電波を反射することなく吸収し、かつ入射する音波を透過させるという性質を有する電波吸収層を形成できる。また、上記繊維集合体を用いた電波吸収層では、従来の電波吸収体のような電波反射層(金属板や金属箔)を設ける必要もなく、この点からも、電波吸収層における音波の反射を防ぐ。加えて、上記〔2〕のように電波吸収層と吸音層とを配置させた構成により、電波吸収層を透過した音波を、吸音層にて吸収させることができる。すなわち、電波および音波が入射した場合、電波については電波吸収層2で吸収させ、音波については電波吸収層2を透過させた後に吸音層3にて吸収させることができる。このような電波音波吸収パネル1は、吸音のみを目的とした従来の防音壁、電波吸収のみを目的とした従来の電波吸収体とは異なり、これらと同程度の占有面積(電波および音波の入射を意図する側の表面の面積)にて、優れた電波吸収能と音波吸収能とを兼ね備えるパネルを実現できる。このような本発明の電波音波吸収パネルは、騒音対策と不要電波対策とを同時に行わなければならない箇所において、道路近傍の設置空間を有効に利用しつつ、優れた電波吸収能および音波吸収能を発揮することができる。
なおここでいう「優れた電波吸収能」とは、電波吸収層の厚みを25mm程度とした場合に、アーチ法にて測定された周波数5.8GHz帯の円偏波(斜入射角:0°〜50°)の反射減衰量が20dB以上(好適には、25dB以上)であり、入射角が50°を越えて80°以下の電波の反射減衰量が15dBであることをいう。またここでいう「優れた音波吸収能」とは、JIS A 1409に記載の残響室法にて測定された400Hzでの吸音率が0.5以上0.7未満であり、かつ1000Hzの吸音率が0.8以上であること、または、400Hzでの吸音率が0.7以上であり、かつ1000Hzの吸音率が0.6以上0.8未満であること(好適には、400Hzでの吸音率が0.7以上であり、かつ1000Hzでの吸音率0.8以上であること)をいう。
【0010】
以下、本発明の電波音波吸収パネルの上記〔1〕、〔2〕の特徴について詳述する。
〔1〕電波吸収層が、カーボンで被覆された繊維で形成された繊維集合体であり、かつ電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって繊維密度が連続的または断続的に高くなるように形成されたものであること
本発明における電波吸収層は、カーボンで被覆された繊維で形成された繊維集合体であり、かつ電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって繊維密度が連続的(傾斜的)または断続的(階段的)に高くなるように形成された密度勾配型であればよい。換言すれば、上記繊維集合体の繊維密度が、電波吸収層2の厚み方向一方Z1側(電波および音波の入射を意図する側)において比較的に粗であり、厚み方向他方Z2側において比較的に密であることが好ましい。
繊維集合体に用いる繊維としては、無機繊維やポリマー繊維などが挙げられる。無機繊維としては、ガラス繊維やセラミック繊維などが挙げられ、中でも不燃性に優れ、繊維密度の傾斜構造(上記電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって繊維密度が連続的(傾斜的)に高くなる構造)の形成が容易であるという理由から、グラスウールが好ましい。また、ポリマー繊維としては、極性を有する繊維(極性ポリマー繊維)であれば特に制限はない。極性ポリマー繊維は、無機繊維と比較して曲げやすい点(加工しやすい点)、カーボンが付着しやすい点、太さの異なる繊維を得やすい点などにおいて優れている。特に、極性ポリマー繊維の中でも、難燃性に優れ、繊維密度の傾斜構造の形成が容易であるという点から、ポリ塩化ビニリデン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維が好ましい。
【0011】
本発明においては、上記繊維をカーボンにて被覆してなるものが用いられる。ここで、本発明におけるカーボンは、従来公知の導電性カーボンであれば、特に制限なく使用することができる。導電性カーボンとしては、たとえば、黒鉛、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。上記繊維のカーボン被覆は、カーボン及びバインダーとしてのポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどの接着剤を適当な溶媒、例えばトルエン、キシレンなどの炭化水素やメタノール、エタノールなどのアルコールに溶解または分散させたものをスプレー塗布などの手段にて塗布することによって行われる。カーボン被覆の厚みは、5μm〜500μmであるのが好ましく、10μm〜300μmであるのがより好ましく、20μm〜100μmであるのが特に好ましい。当該カーボン被覆の厚みが5μm未満であると、充分な電波吸収能を発揮し得ない傾向にあるためであり、またカーボン被覆の厚みが500μmを越えても、顕著には電波吸収能が向上しない傾向にあるためである。
【0012】
本発明の繊維集合体は、上記各種繊維を互いに絡ませると共に互いに結合させてマット状に形成すると、電波吸収層の形状保持性に優れるため好ましい。具体的には、各繊維を互いに絡ませた状態でそのままほぐれてしまうことを防止すべく接着剤などで解離しないように結合させ、マット状に形成して電波吸収層とする。接着方法は任意であるが、好適な方法としては例えば繊維を絡ませた状態のマット体にスプレー接着剤を噴射し、繊維同士が重なり合う箇所において接着を図る方法などが挙げられる。なお、本発明における電波吸収層の厚みは任意であるが、省スペースの点、密度勾配が付けやすい点で、10mm〜50mmの厚みが好ましい。
【0013】
なお、広帯域の電波吸収に優れた電波吸収特性を得るためには、電波吸収層に入射する電波を、電波吸収層の電波の入射を意図する側の面において反射させないようにする必要がある。一般に、電波が空間を伝搬する場合、急激に導電度が変化する点に遭遇すると電波はその点で反射され易くなる。電波吸収層も導電体であるため、電波を反射する作用も有すると考えられる。よって、繊維密度が一定な電波吸収層であると、電波を反射してしまう度合は大きくなる。
そこで本発明においては、繊維集合体の繊維密度をその厚み方向に関して連続的(傾斜的)または断続的(階段的)に変化させることにより、広帯域の電波を吸収し得るようにしている。具体的には、マット状に形成した繊維集合体において厚み方向一方側の面の繊維密度を粗として減衰を少なくし、かつ、厚み方向他方側の面を密として減衰を大きくし、上記繊維密度が粗である側を電波の入射を意図する側に向けて配設することにより、電波入射面の導電度を低くして(繊維密度を粗として)、空気との導電度の差を小さくし、電波の入射面における反射を少なくして電波を電波吸収層の内部へ取り込み易くするとともに、その内部において電波が良好に吸収し得るようにしたものである。さらに、吸音層と接している面の密度を「密」とすることで電波を反射させ(電波反射層としての役割)、入射してくる電波を相殺させることができる。例えば、電波入射面付近で0.02g/cm3、吸音層側で0.10g/cm3となるように密度を連続的に変化させれば5.8GHz帯の電波を良好に吸収する。
【0014】
このように繊維密度が一方側から他方側へ向けて変化する繊維集合体は、例えば、上記多種類の太さの繊維のうち、太さの大きい繊維については繊維密度を粗にしたい側に多目に配合し、太さの小さい繊維については繊維密度を密にしたい側に多目に配合することで、形成することが可能となる。
【0015】
本発明における電波吸収層2は、太さが1000デニール(d)〜4000デニール(d)の繊維、太さが100デニール(d)〜900デニール(d)の繊維、太さが1デニール(d)〜90デニール(d)の繊維から選ばれる少なくとも2種(好ましくは3種以上)の繊維からなる繊維集合体であるのが、密度勾配をつけやすい点で好ましい。たとえば、太さが1000dの繊維を70重量%、太さが120dの繊維を15重量%、太さが50dの繊維を15重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させてなるものを絡ませて形成した繊維集合体が挙げられる。
さらに上記繊維集合体は、カーボンで被覆された多種類の太さの極性ポリマーからなる繊維を、各種繊維が少なくとも5重量%含有されるように互いに絡ませると共に互いに結合させて形成された繊維集合体であることが好ましい。各種繊維が少なくとも5重量%含有されるように互いに絡ませることで、後述のように電波吸収層に繊維の密度勾配を形成しやすくなるという利点がある。
【0016】
〔2〕電波および音波の入射を意図する側からみて電波吸収層、吸音層の順で配置された積層構造を有すること
本発明の電波音波吸収パネル1は、上記〔1〕の要件を満たす電波吸収層を備え、かつ電波の入射を意図する側からみて電波吸収層、吸音層の順で配置された積層構造を有する。図1の例においては、厚み方向一方Z1側より電波吸収層2、吸音層3の順で積層してなる例を示している。本発明においては、上記の順にて電波吸収層2および吸音層3が配置されているならば、電波吸収層2と吸音層3とが互いに隣接するように形成されてもよいし、間に他の層を介在させるように形成されてもよいが、より優れた電波吸収能と音波吸収能とを兼ね備える電波音波吸収パネルを実現し得る観点からは、これらが互いに隣接するように形成されるのが好ましい。
【0017】
本発明の電波音波吸収パネルにおける吸音層3を形成する材料としては、例えば、グラスウール、ロックウールなどの多孔質材料や、合板、石膏ボードなどの建築用ボード類に貫通孔を設けた成形吸音板など、音波吸収能を有する公知の材料を特に制限なく使用することができる。また後述するような空気層を形成することで吸音率が良好な周波数範囲を広げることができる観点からは、グラスウールを主体材料とする吸音層が好ましい。グラスウールを使用した場合、例えば、25mm厚のグラスウール製の吸音層に後述の空気層を設けなかった場合には、吸音率が0.7以上の周波数域は600Hz〜3000Hzであったが、当該グラスウール製の吸音層の厚み方向他方Z2側に100mm厚の空気層を設けることで、吸音率が0.7以上の周波数域を250Hz〜3000Hzに広げることができる。
【0018】
吸音層3は、上記グラスウールを使用する場合、例えば、ガラス繊維化(遠心法)によって、溶解したガラスを綿状の繊維(短繊維)にし、前記綿状の繊維を結合剤とともに所望の大きさとなるように押し固めて、層状に形成する。
【0019】
本発明における電波吸収層は、概ね均一な厚みを有するように形成されるのが好ましい。当該電波吸収層の好適な厚みは、吸収させる電波の周波数域によって適宜選択される。例えば、本発明が対象としている電波の周波数域である5.8GHz帯では、電波吸収層の厚みは10mm〜50mmであるのが好ましく、20mm〜30mmであるのがより好ましい。この場合、電波吸収層の厚みが10mm未満であったり、50mmを越えたりすると、電波吸収能が低下してしまう虞がある。
【0020】
なお本発明においては、吸音特性からの必要に応じ、電波吸収層に音透過用の孔を設けるようにしてもよい。
【0021】
また、本発明における吸音層も、概ね均一な厚みを有するように形成されるのが好ましい。当該吸音層の好適な厚みは、吸音層に用いる材料や吸音層の構造によって異なり、適宜選択すればよい。例えば上記グラスウールにて吸音層を形成する場合、その厚みは25mm〜75mmであるのが好ましく、40mm〜60mmであるのがより好ましい。当該吸音層の厚みが25mm未満であると、吸音対象の周波数域が広い場合に騒音を充分に防止することができない虞がある(このような場合には、吸音層の厚み方向他方側に空気層を設ける必要がある。)。また当該吸音層の厚みが75mmを越えると、吸音性能には影響はないものの、製品としての寸法が大きくなるので、布設場所が限定されてしまう虞がある。
【0022】
図1のように電波吸収層2と吸音層3とが互いに隣り合うように形成される場合、これらの層の間は、接着剤を用いたり、単に機械的に挟み込むようにして接合すればよい。接着剤としては、電波の吸収および音波の吸収に悪影響を与えないものであれば特に制限はない。
【0023】
図2は、本発明の好ましい他の例の電波音波吸収パネル11を簡略化して示す断面図である。なお図1に示した例の電波音波吸収パネル1と同様の構成を有する部分には、同一の参照符を付し、説明を省略する。
本発明の電波音波吸収パネルは、図2に示す例のように、電波吸収層2の吸音層3が配置される側とは反対側(図2に示す例では、電波吸収層2の厚み方向一方Z1側)に、さらに保護層12を有するのが好ましい。保護層12をさらに有することで、汚れ、埃りなどが電波吸収層2に混入することを防止し得るとともに、電波音波吸収パネルへの外界からの衝撃から保護することができる。
【0024】
保護層12は、電波吸収層2よりも電波および音波の入射側に配置されるものであるが、電波音波吸収パネル1が上述した「優れた電波吸収特性」および「優れた音波吸収特性」を有するためには、電波に対しては電波音波吸収パネル1の電波の斜入射特性を向上させ得るものであるとともに、音波に対しては反射させることなく透過させ得るものであることが好ましい。かかる観点から、本発明における保護層12は、誘電率の実部が好ましくは2.5〜4.5(より好ましくは3.0〜4.0)であり、かつ、開口率(保護層の厚み方向一表面の面積に対する開口の面積の総計)が好ましくは1%〜40%(より好ましくは、5%〜15%)となるような貫通孔が設けられたものであることが好ましい。上記誘電率が2.5未満である場合、また4.5を越える場合には、電波吸収能が低下する傾向にある。また、上記開口率が1%未満であると、保護層で音波が反射してしまい吸音層までに音波が届かず吸音性能が低下する傾向にあり、上記開口率が40%を越えると、電波吸収能(特に斜入射特性)の低下、吸音性能が低下する傾向にあるためである。
上記保護層12の誘電率(実部)は、従来公知の手法である空洞共振器法により測定できる。
【0025】
保護層12を形成する材料は、5.8GHz帯の電波に対する誘電率の実部が2.5〜4.5のものであれば特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート樹脂(誘電率(実部):2.73)、アクリル樹脂(誘電率(実部):2.6)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(誘電率(実部):3.2)、その他、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など、およびそれらの樹脂材料のFRP(繊維強化樹脂)からなる板部材が適用され、板厚が薄くても強度がある点で、上記樹脂材料のFRPが好ましい。特には、電波吸収特性(斜入射特性)、吸音特性を向上させる点で、フェノール樹脂系FRP(誘電率:3.1)、不飽和ポリエステル系FRP(誘電率:3.9)が好ましい。
【0026】
保護層12の厚みとしては、その形成材料により異なるが、0.3mm〜3mmであるのが好ましく、0.5mm〜1.2mmであるのがより好ましい。保護層12の厚みが0.3mm未満であると、強度や電波吸収能が低下する傾向にあるためであり、また3mmを越えると、電波吸収能が低下する傾向にあるためである。
【0027】
また本発明の電波音波吸収パネルは、上記の〔1〕、〔2〕の要件を兼ね備えるならば、電波吸収層と吸音層のみが互いに隣接してなるような二層構造で実現されてもよいし、これらの層以外の層を備えるように実現されてもよいが、吸音層の電波吸収層が配置される側とは反対側に、必要に応じ、空気層を介在するようにして音波反射層が設けられてなるのが好ましい。
図1および図2には、電波音波吸収パネル1の厚み方向他方Z2側における最外層に、吸音層3との間に空隙をあけて空気層4を形成するようにして音波反射層5が設けられてなる例を示す。空気層4は、例えば、その外周を単に鋼板などからなる筐体で覆うなどして、保持すればよい。
【0028】
このように、電波および音波の入射を意図する側からみて、吸音層3よりも奥行き側にさらに空気層4を介在させて音波反射層5を設けることで、電波吸収層2、吸音層3を通過した音を音波反射層5にて反射させ、空気層4内で共鳴を起こさせることで入射音と反射音とを相殺させることができ、さらに音波吸収能の向上された電波音波吸収パネル1を実現することができる。
【0029】
空気層4の厚みは、当該空気層4と音波反射層5とによって吸音を意図する音の周波数に応じて適宜設定すればよい。例えば、周波数域が250Hz〜3000Hzの音波の吸音を意図する場合、吸音層(材料:グラスウール、厚み:25mm)の厚み方向他方Z2側に100mm厚の空気層を設ければよい。
【0030】
音波反射層としては、公知の音を遮音するものであればよい。かかる音波反射層の形成材料としては、例えば、鋼板、鉛板などが例示される。中でも、強度のある鋼板が好ましく、その表面に公知の適宜の防食(防錆)加工が施されているものが特に好ましい。音波反射層の形状に特に制限はないが、パネル強度を出すために、積層方向に対して凹凸を有する形状であることが好ましい。図2には、厚み方向Zに対し凹凸を有する形状である場合の音波反射層13を示している。
【0031】
また本発明の電波音波吸収パネルは、図2に示す例のように、電波吸収層2と吸音層3との間に、セパレートフィルム14が介在されたものであることが好ましい。このようなセパレートフィルム14が電波吸収層2と吸音層3との間に介在されることで、電波吸収層を通過してしまった電波を反射させることで電波吸収能を安定化させることができ、かつ、電波吸収層2を通過した音波によって該フィルムを振動させて、音のエネルギーを振動エネルギーに変換することができ、吸音効果を向上させることができる。
【0032】
本発明におけるセパレートフィルム14としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの樹脂材料にて形成されたフィルムや、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉄などの金属材料にて形成されたフィルム(箔)、また上記樹脂フィルム上に上記金属材料が蒸着されたフィルムなどが挙げられる。中でも、汎用性、軽量化、電波吸収能、吸音性能の向上という観点から、アルミニウムフィルム(アルミニウム箔)が好ましい。
【0033】
セパレートフィルム14の厚みに特に制限はないが、1μm〜50μmであるのが好ましく、5μm〜20μmであるのがより好ましい。セパレートフィルム14の厚みが1μm未満であると、破れ易くなってしまう傾向にあるためであり、また厚みが50μmを越えると、電波吸収能、吸音特性が低下してしまう虞があるためである。
【0034】
なお、電波吸収層2と吸音層3との間にセパレートフィルム14を設ける手段としては、▲1▼電波吸収層2と吸音層3との間にフィルムを介在させた状態でこれらを密着させる、▲2▼吸音層3をフィルムで包装し、これを電波吸収層2と密着させる、などの手段が挙げられる。また、上記▲1▼、▲2▼を併せた方法、すなわち、吸音層3をセパレートフィルムで包装し、かつ別のセパレータフィルムを電波吸収層2との間に介在させた状態でこれらを密着させてもよい。中でも、吸音層3を汚れや雨水の浸入から防ぐことができる、電波吸収能と吸音性能の安定化の観点から、上記▲2▼の手段によりセパレートフィルム14を設けるのが好ましい。
【0035】
図3は、本発明の電波音波吸収パネルの設置の一例を簡略化して示す斜視図である。図3には、図1に示した電波音波吸収パネル1を使用する場合を示している。本発明の電波音波吸収パネル1は、例えば、従来の吸音壁と同様にして設置すればよい。図3には、図1に示した電波音波吸収パネル1を複数枚並列に配列させて壁状に形成し(この壁状の電波音波吸収パネルの集合物を、便宜上、「電波音波吸収壁7」と呼ぶことがある。)、電波および音波の入射を意図する側が、不要電波や騒音を抑制したい領域に面するように設置した例を示す。各電波音波吸収パネル1は、当該電波音波吸収壁7の長手方向に関して、例えば断面H字状の支柱8を介在させ、該支柱8の溝に電波音波吸収パネル1の端部が嵌り込んだ状態でネジ留めするなどして、上記配置で固定される。このような電波音波吸収壁7においては、上記のような構成の電波音波吸収パネル1を用いてなることによって、同程度の音波吸収能を付与させつつ全体の厚みを従来の防音壁と同程度に実現することが可能である。このように実現された電波音波吸収壁7は、従来の吸音壁と同程度の空間の占有にて、電波および音波を同時に吸収できる構造物を得ることができる。また吸音壁、電波吸収体を使用していた従来と比較して、騒音対策、不要電波対策に講ずるコストを少なくできる。
また図4に示すように、断面H字状の支柱8’を用い、電波音波吸収パネルの端部に嵌合構造を設け、該支柱8’が電波の入射を意図する側に露出されないように電波音波吸収壁7’を実現すると、入射してくる電波および音波を支柱において反射してしまうことを防止でき好ましい。
【0036】
なお、従来の防音壁の電波および音波の入射を意図する側に、上記の〔1〕の構成の電波吸収層を、上記〔2〕の配置となるように設けたものも、本発明に包含される。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1〜16
電波吸収層、吸音層、保護層、セパレートフィルムとして下記のようなものを用意し、表1に示すように組み合わせて、電波および音波の入射を意図する側からみて保護層、電波吸収層、(セパレートフィルム)、吸音層、(空気層)、音波吸収層の順で配置された積層構造を有するように、実施例1〜16の電波音波吸収パネルを作製した。なお、以下の保護層の誘電率は、5.8GHz帯に対する誘電率の実部を指す。
〔保護層〕
・保護層A
厚み0.6mmのフェノール樹脂系FRP製の樹脂シート(日東紡社製、開口率:13.60%、誘電率:3.9)を使用した。
・保護層B
厚み0.6mmのフェノール樹脂系FRP製の樹脂シート(日東紡社製、開口率:9.18%、誘電率:3.9)を使用した。
・保護層C
厚み0.6mmのフェノール樹脂系FRP製の樹脂シート(日東紡社製、開口率:6.17%、誘電率:3.9)を使用した。
・保護層D
厚み0.6mmのフェノール樹脂系FRP製の樹脂シート(日東紡社製、開口率:29.60%、誘電率:3.9)を使用した。
・保護層E
厚み1.0mmの不飽和ポリエステル系FRP製の樹脂シート(日東紡社製、開口率:13.60%、誘電率:3.1)を使用した。
・保護層F
厚み1.0mmの不飽和ポリエステル系FRP製の樹脂シート(日東紡社製、開口率:6.17%、誘電率:3.1)を使用した。
・保護層G
厚み0.8mmのポリカーボネート樹脂シート(開口率:6.17%、誘電率:2.73)を使用した。
〔電波吸収層〕
・電波吸収層A
太さが1000dのポリ塩化ビニリデン繊維を70重量%、太さが120dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%、太さが50dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させたものを絡ませて厚み25mmに形成した繊維集合体であって、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって連続的に高くなるように形成されたもの(電波入射面側の繊維密度:0.03g/cm3、吸音層側の繊維密度:0.06g/cm3)を使用した。
・電波吸収層B
太さが1500dのポリ塩化ビニリデン繊維を60重量%、太さが250dのポリ塩化ビニリデン繊維を25重量%、太さが30dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させたものを絡ませて厚み25mmに形成した繊維集合体であって、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって連続的に高くなるように形成されたもの(電波入射面側の繊維密度:0.05g/cm3、吸音層側の繊維密度:0.08g/cm3)を使用した。
・電波吸収層C
太さが1200dのポリ塩化ビニリデン繊維を50重量%、太さが400dのポリ塩化ビニリデン繊維を30重量%、太さが50dのポリ塩化ビニリデン繊維を20重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させたものを絡ませて厚み50mmに形成した繊維集合体であって、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって連続的に高くなるように形成されたもの(電波入射面側の繊維密度:0.03g/cm3、吸音層側の繊維密度:0.06g/cm3)を使用した。
・電波吸収層D
太さが1000dのポリ塩化ビニリデン繊維を65重量%、太さが120dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%、太さが50dのポリ塩化ビニリデン繊維を20重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させたものを絡ませて厚み25mmに形成した繊維集合体であって、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって連続的に高くなるように形成されたもの(電波入射面側の繊維密度:0.08g/cm3、吸音層側の繊維密度:0.11g/cm3)を使用した。
・電波吸収層E
厚み10mmに形成した繊維密度0.03g/cm3の繊維集合体(太さが1000dのポリ塩化ビニリデン繊維を70重量%、太さが120dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%、太さが50dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させて絡ませたもの)と、厚み10mmに形成した繊維密度0.05g/cm3の繊維集合体(太さが1500dのポリ塩化ビニリデン繊維を60重量%、太さが250dのポリ塩化ビニリデン繊維を25重量%、太さが30dのポリ塩化ビニリデン繊維を15重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させて絡ませたもの)と、厚み10mmに形成した繊維密度0.08g/cm3の繊維集合体(太さが1200dのポリ塩化ビニリデン繊維を50重量%、太さが400dのポリ塩化ビニリデン繊維を30重量%、太さが50dのポリ塩化ビニリデン繊維を20重量%の割合で含有し、それぞれ導電性カーボンで被覆させて絡ませたもの)とを積層し、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって断続的に高くなるように形成されたものを使用した。
〔セパレートフィルム〕
・セパレートフィルムA
厚み20μmのPETフィルムを使用した。
・セパレートフィルムB
厚み12mのアルミニウム箔を使用した。
・セパレートフィルムC
厚み30μmのPETフィルムの片面にアルミニウムを5μmの厚みに蒸着し、アルミニウムの上に15μmのポリエチレンを貼り合わせたものを使用した。
〔吸音層〕
厚み50mmのグラスウールを使用した。
〔空気層〕
・空気層A
厚み10mmの空気層を設けた。
・空気層B
厚み20mmの空気層を設けた。
・空気層C
厚み40mmの空気層を設けた。
〔音波反射層〕
厚み1.2mmの亜鉛メッキ鋼板を音波反射層として用いた。
【0038】
【表1】
Figure 0004064798
【0039】
比較例1
電波吸収層として、塩素化ポリエチレン(100重量部)に電波損失剤としてカルボニル還元鉄粉(760重量部)を配合して、圧延加工した厚さ2mmのシートの片面にアルミニウム箔を貼り、さらに上述した実施例と同様の吸音層および音波反射層を設けて、電波音波吸収パネルとした。
【0040】
比較例2
比較例1の電波音波吸収パネルの電波吸収層の電波および音波の入射を意図する側に実施例で用いた保護層Cを設け、吸音層と音波反射層との間に厚み20mmの空気層を設けて、電波音波吸収パネルとした。
【0041】
〔評価試験〕
上記で得られた実施例1〜16、比較例1,2の各電波音波吸収パネルについて、下記の評価を行った。
(1)電波吸収特性
入射角度0°〜80°の範囲で、5.8GHz帯の円偏波を入射させ、アーチ法にて反射減衰量を測定し、下記の基準によって評価した。
・◎:0°〜50°の範囲での反射減衰量が25dB以上で、50°を越えて80°以下の範囲での反射減衰量が15dB以上
・○:0°〜50°の範囲での反射減衰量が20dB以上25dB未満で、50°を越えて80°以下の範囲での反射減衰量が15dB以上
・△:0°〜50°の範囲での反射減衰量が15dB以上20dB未満で、50°を越えて80°以下の範囲での反射減衰量が15dB以上
・×:0°〜50°の範囲、50°を越えて80°以下の範囲のうちの少なくともいずれかの反射減衰量が15dB未満
【0042】
(2)吸音特性
JIS A 1405に基づいて、100Hz〜1600HZの範囲の音波の吸音率を測定し、下記の基準によって評価した。
・◎:400Hzの吸音率が0.7以上、かつ1000Hzの吸音率が0.8以上
・○:400Hzの吸音率が0.5以上0.7未満で、かつ1000Hzの吸音率が0.8以上、または、400Hzの吸音率が0.7以上で、かつ1000Hzの吸音率が0.6以上0.8未満
・×:400Hzの吸音率が0.5未満、または、1000Hzの吸音率が0.6未満
【0043】
(3)電波音波吸収パネルの総合評価
(1)、(2)の結果より、下記の基準で実施例1〜16、比較例1,2の各電波音波吸収パネルの総合評価を行った。
・◎:電波吸収特性、吸音特性が共に◎
・○:電波吸収特性、吸音特性のいずれかの評価に×を含まないもの
・×:電波吸収特性、吸音特性のいずれかの評価が×を含むもの
結果を、表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004064798
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、電波吸収能と音波吸収性能とを兼ね備える構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一例の電波音波吸収パネル1の断面図を簡略化して示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は正面図である。
【図2】本発明の好ましい他の例の電波音波吸収パネル11の断面図を簡略化して示す断面図である。
【図3】本発明の電波音波吸収パネル1の設置の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の電波音波吸収パネル1の設置の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11 電波音波吸収パネル
2 電波吸収層
3 吸音層
4 空気層
5 音波反射層
12 保護層
14 セパレートフィルム

Claims (8)

  1. 電波および音波の入射を意図する側からみて電波吸収層、吸音層の順で配置された積層構造を有し、かつ上記電波吸収層がカーボンで被覆された繊維からなる繊維集合体である電波音波吸収パネルであって、
    上記繊維集合体が、繊維密度が電波および音波の入射を意図する側から吸音層側に向かって順に連続的または断続的に高くなるように形成されたものである電波音波吸収パネル。
  2. 電波吸収層の吸音層が配置される側とは反対側に、さらに保護層を有する、請求項1に記載の電波音波吸収パネル。
  3. 保護層は、5.8GHz帯の電波に対する誘電率の実部が2.5〜4.5であり、かつ開口率が1%〜40%となるような貫通孔が設けられている請求項2に記載の電波音波吸収パネル。
  4. 吸音層の電波吸収層が配置される側とは反対側に、空気層を介して音波反射層が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
  5. 上記音波反射層の形状が、積層方向に対して凹凸を有するものである、請求項4に記載の電波音波吸収パネル。
  6. 電波吸収層と吸音層との間にセパレートフィルムが介在されたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
  7. 上記繊維集合体が、1000デニール〜4000デニールの太さの繊維、100デニール〜900デニールの太さの繊維、1デニール〜90デニールの太さの繊維から選ばれる少なくとも2種類の繊維を互いに絡ませると共に互いに結合させたものである、請求項1〜6のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
  8. 上記繊維集合体が、カーボンで被覆された多種類の太さの極性ポリマーからなる繊維を、各種繊維が少なくとも5重量%以上含有されるように互いに絡ませるとともに互いに結合させて形成されたものである、請求項1〜7のいずれかに記載の電波音波吸収パネル。
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