JP4283064B2 - 電波音波吸収体、電波音波吸収パネル及び不要電波音波抑制方法 - Google Patents

電波音波吸収体、電波音波吸収パネル及び不要電波音波抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、道路近傍から飛来する不要電波及び不要音波を抑制し、道路における電磁波環境及び音波環境を改善する電波音波吸収体、電波音波吸収パネル及び不要電波音波抑制方法に関するものである。
近年、高速道路等において自動料金収受(ETC(Electronic Toll Collection)とも呼ばれる。)システムや、走行支援道路(AHS(Advanced
Cruise-Assist Highway System)とも呼ばれる。)等の車両運行支援システムが発展してきている。これらのシステムでは、道路に設置された路側機と車に搭載された車載器との間で電波を利用して通信を行う狭域通信(DSRC(Dedicated
Short-Range Communication)とも呼ばれる。)が用いられている。そのため、これらのシステムの発展に伴い、道路における電磁波環境の改善が求められている。
そのため、特に車両の通行量の多い道路では、自動料金収受システムや車両運行支援システムを採用する場合に、道路における電磁波環境の改善のために、電波吸収機能を備えた電波吸収パネル等、電波吸収機能を有する駆体を設置することが考えられる。
例えば自動料金収受システムにおける路上側アンテナと車載器側アンテナとの双方向通信といった、電波を用いた通信又はセンシング時において、発生する不要な電波を抑制するための例えば電波吸収体を備えた電波吸収パネルといった、電波吸収体を道路付帯設備に取り付け、又は道路付帯設備の主要部を電波吸収体から形成することで不要な電波を抑制し、上記の如き問題点を解決できる方法が示されている。(例えば、特開2001−217645号公報)
特開2001−217645号公報
しかしながら、道路周辺は騒音源となるものが数多く存在し、例えば高架下などでは道路からの車輌の通行音が騒音として反響し、周囲への騒音公害の度合いは更に大きいものとなる。従来の特許文献1に記載される如き電波吸収体を取り付けるのみでは、電波障害は防止できるが騒音公害の解決には繋がらないものであり、騒音公害を防止するには別途吸音体を内蔵した吸音パネルを設置する方法が考えられるが、一般的な吸音パネルは電波吸収を阻害し、一般的な電波吸収体は音波吸収を阻害するために1つの部分に電波吸収機能と音波吸収機能を同時に持たせることは困難であった。
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、電波障害を防止し、騒音公害をも軽減できる電波音波吸収体、電波音波吸収パネル及び不要電波音波抑制方法を提供せんとするものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる電波音波吸収体は、電波および音波の到来方向から適当な面抵抗値を有する抵抗層と適当な厚さを有する第一の空気層とを交互に、少なくとも1組以上配置し、さらに電波反射層、吸音層、音波反射層が順に配置され、前記抵抗層が導電性格子、導電性メッシュまたは導電性膜を含み空孔を有する板状体からなり、前記電波反射層が導電性格子、導電性メッシュまたは導電性膜を含み空孔を有する板状体からなることを特徴とするものである。
さらに前記電波反射層から最も遠い抵抗層の、電波および音波の到来方向に適当な厚さを有する第二の空気層を介して、適当な厚さ及び音波透過性を有する誘電体層が備えられたことを特徴とするものである。
さらに前記第一の空気層の間には、導電性パターンを有する調整層が配置され、該導電性パターンは誘電体からなる格子またはメッシュに部分的に付加されたものであることを特徴とするものである。
また前記第一の空気層は、少なくとも1つ設けられた保持材により適当な厚さに保持されていることを特徴とするものである。
また本発明に係わる電波音波吸収パネルは、本発明請求項1〜4のいずれかに記載の電波音波吸収体が、金属枠体に取り付けられて形成されていることを特徴とするものである。
また本発明に係わる不要電波音波抑制方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の電波音波吸収体が道路付帯設備に取り付けられるか、または請求項5に記載の電波音波吸収パネルが道路付帯設備に取り付けられることで、道路周辺の不要電波及び不要音波を抑制することを特徴とするものである。
請求項1に記載の本発明に係わる電波音波吸収体によれば、電波到来方向から到来する不要電波が抵抗層、第一の空気層及び電波反射層により減衰されてその反射が抑制されると共に、同方向から到来する不要音波が第一の空気層、抵抗層及び電波反射層の格子間、メッシュ間、空孔を通過して吸音層に到来して吸収されることで、不要電波及び不要音波を共に抑制することができる。また抵抗層及び電波反射層は格子状、メッシュ状又は空孔を有するもので、且つ空気との組み合わせによるものであるから、電波音波吸収体の形成に要する材料を節減でき、形成の容易さやコストの低減に繋がる。
また請求項2の発明によれば、抵抗層と第一の空気層の厚みと、第二の空気層及び誘電体層の厚み、並びに誘電体層の誘電率とを所望の電波の入射角度や周波数に応じて設定することで、電波の到来側から電波方向を見込んだ入力インピーダンスを自由空間の特性インピーダンスに合致させられる範囲を広いものとでき、吸収の対象となる電波の周波数や入射角度の範囲を広げることができ好ましい。また誘電体層により抵抗層を保護でき、且つ誘電体層外面に種々の機能を具備させることができる点においても好ましい。
また請求項3の発明によれば、種々の導電性パターンを形成することにより、一方の偏波または両方の偏波または円偏波等の電波特性に対応して作用させ、電波吸収材料の薄型化や電波吸収特性の偏波特性調整を図ることができ好ましい。
また請求項4の発明によれば、保持材により第一の空気層の厚さを保持することで、風圧等により第一の空気層の厚さが変化するのを防止し、電波吸収特性を保持することができ好ましい。
また請求項5に記載の本発明に係わる電波音波吸収パネルによれば、枠体により電波音波吸収体が構造的に強固なものとなり、また不要電波及び不要音波の抑制の対象物への取り付けが容易なものとなり得る。
また請求項6に記載の本発明に係わる不要電波音波抑制方法によれば、不要電波と共に不要音波の吸収を、容易且つ低いコストで、更に少ないスペースで行うことができ、効率よく不要電波及び不要音波を抑制できる。
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1は、本発明に係わる電波音波吸収体の実施の一形態を示す説明図である。電波音波吸収体10は、電波到来方向αにパンチングにより空孔11が穿設された抵抗層1が配置され、金属からなる枠体Kにより周囲が保持されることでパネル状となされているものである。
図2は、図1のA−A断面を示す断面図である。電波音波吸収体10は、電波到来方向αから順に、抵抗層1、第一の空気層2、電波反射層3、吸音層4、音波反射層5が設けられたもので、抵抗層1及び電波反射層3は空孔11及び31により音波が透過可能となされ、電波到来方向αから到来する不要音波は吸音層4に到達するようになされている。吸音層4により減衰された音波は、更に金属枠体Kの背面により兼ねられた音波反射層5により電波到来方向αと反対側への到達が防止されると共に、電波到来方向α側に反射されて更に吸音層4により吸収されることで、不要音波は効果的に減衰される。
抵抗層1及び電波反射層3に穿設される空孔11及び31については、空孔が占める割合を表面積全体に対して20〜80%とするのが好ましく、開口率が20%未満となると音波が透過し難くなり、80%を上回ると抵抗層1及び電波反射層3の強度が十分なものでなくなり、また電波吸収性能に支障を来すようになる恐れがある。
抵抗層1や電波反射層3はスペーサー等を用いて配置してもよいが、構造体として強固な枠体Kに取り付けるのが好ましく、取り付けについては、枠体Kの周辺部分に孔を設けて、ビス、ボルト、ナットなどを用いてもよく、また金属や合成樹脂製のプレートを用いて、プレートと枠体Kとの間に、抵抗層1や電波反射層3を挟み込み、ビス、ボルト、ナットなどを用いてもよく、接着剤を用いたり、これらの手段を併用して取り付けてもよい。更にまた、抵抗層1や電波反射層3が金属からなる場合には、枠体Kの周辺部分に溶接によって取り付けてもよい。
抵抗層1は適当な面抵抗値を有し、第一の空気層2は適当な厚さを有するものであるが、適当な厚さおよび適当な面抵抗値とは、所望の電波の入射角度や周波数に応じて、電波の到来側から電波進行方向を見込んだ入力インピーダンスを、自由空間の特性インピーダンスに合わせることによって決定される厚さおよび面抵抗値である。また、電波反射層3は電波反射体として機能すべく、電波反射層3の面抵抗値は低抵抗である必要がある。例えば反射層による所望のシールド効果が20dB以上の場合には、電波反射層3の面抵抗値を20Ω□程度以下にする必要がある。その面抵抗値は所望の遮蔽性能によって決定される。所望のシールド効果が20dB以上の場合には、電波反射層3の面抵抗値を20Ω□程度以下にする必要がある。なお、前述の面抵抗値とは、空隙を有する電波反射層3及び抵抗層1が、一様な平面を有する薄膜であると仮定した場合の等価的な面抵抗値を意味している。
抵抗層1は、金属、金属酸化物、金属窒化物ないしはこれらの混合物をイオンプレーティング、蒸着、スパッタリング、塗布等により作成し、また前記金属、金属酸化物、金属窒化物は、銀、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、酸化錫、酸化亜鉛、窒化チタン等からなる抵抗皮膜であれば特に限定されるものではないが、断面の拡大図ロ)に示す如く合成樹脂等からなる板状体、フィルム等の誘電体Yに抵抗被膜を被着させることで形成すれば、その形状を保持する上で好ましい。また誘電体Yの電波到来方向αと反対側に被着させることで、誘電体Yにより抵抗皮膜が保護されるのでより好ましい。また、抵抗皮膜の表面に保護層Y2を形成すれば、電波到来方向αの反対側も保護されるのでより好ましい。また塗装を施して耐候性の向上や意匠の付加を行ってもよいし、さらに、雨天時にも所望の電波吸収性能を維持すべく撥水層や超親水性層を設けてもよく、セルフクリーン機能を付加すべく光触媒含有層等を設けてもよい。また、空孔11により生じる端面を誘電体で被覆するか、塗装を施すことによって保護しておくのが好ましく、さらに撥水層、超親水性層や光触媒含有層等を設けてもよい。
第一の空気層2は、吸音材を含んでいてもよい。前記吸音材を更に設けることで、吸音性能を向上させ同一の吸音性能を具備させるにおいて電波音波吸収体10を薄型化することが可能である。また、空気層2に吸音材を設けた場合には吸音層4に吸音材を配置せず、吸音性能を調整するための吸音性能調整用空気層として用いてもよい。
電波反射層3は、導電性薄膜であってよく、その導電性薄膜は、金属、金属酸化物、金属窒化物ないしはこれらの混合物をイオンプレーティング、蒸着、スパッタリング、塗布等により作成した膜であることが好ましく、更には前記金属、金属酸化物、金属窒化物は、銀、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、酸化錫、酸化亜鉛、窒化チタンからなる群から選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。抵抗層1と同様に、合成樹脂等からなる板状体、フィルム等の誘電体に導電性薄膜を被着させることで形成すれば、その形状を保持する上で好ましく、また導電性薄膜の一方の面を保護でき好ましい。また、導電性薄膜の他方の面に保護層を形成すれば、他方の面も保護されるのでより好ましい。また、電波反射層3を更なる誘電体で挟み込んで両面から保持したり、塗装を施すことによって耐候性の向上や意匠の付加を行ってもよいし、さらに、雨天時にも所望の電波吸収性能を維持すべく撥水層や超親水性層を設けてもよく、セルフクリーン機能を付加すべく光触媒含有層等を設けてもよい。また、空孔31により生じる端面を誘電体で被覆するか、塗装を施すことによって保護しておくのが好ましく、さらに撥水層、超親水性層や光触媒含有層等を設けてもよい。
吸音層4は、吸音材を含む層であってよい。また、吸音層4は、吸音材と吸音材の音波到来側、音波到来側とは反対側またはそれら両側に設けられた空気層からなってもよい。さらに、吸音層4内に設けられた空気層は、少なくとも1つ設けられた保持材により適当な厚さに保持されていてもよい。吸音材は、特に限定されるものではなくロックウール、グラスウール、フェルト、樹脂又はコンクリートの発泡体、金属繊維をバインダーを介して結合させたもの、金属粉末や粒子、セラミック粉末や粒子或いは金属短繊維等を焼結した焼結材からなるもの、発泡したモルトプレーン、発泡セラミックス、多孔質セラミックス、ポリエステル系繊維の集合体等の吸音材を用いることができる。またこれらの吸音材をフッ素樹脂フィルム等の保護フィルムで包装し、耐久性を高めたものを用いてもよい。
音波反射層5は、枠体Kにより兼ねられるものに限定されず、有機、無機材料を問わず音波の透過を防止できるものを用いることができ、金属、木材、コンクリート、樹脂やGFRP、CFRPなどの繊維強化プラスチック等を用いて形成することができるが、重量、強度およびコストのバランスを考慮すると金属からなることが好ましい。また金属を用いて枠体Kを形成し、音波反射体5を兼ねるものとする場合には、鉄鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属材料からなる板状体を切断及び折り曲げ加工して用いるのが好ましく、またそれらにめっき、フッ素フィルムの貼着等表面処理を施したものを用いてもよい。
抵抗層1及び電波反射層3は、空孔11及び31が形成されたパンチング板に限定されるものではなく、図3の如き導電性格子、導電性メッシュの平面形状であってもよい。棒状又は繊維状の導電体Dがイ)は縦横の格子状、ロ)は斜めの格子状、ハ)は斜め方向の煉瓦積み状となされたもので、導電体間の間隔が空隙Mとなされたものである。導電性格子または導電性メッシュの平面形状は、これらに限定されるものではなく様々なパターンを用いることが可能である。イ)〜ハ)のいずれの平面形状においても、導電体Dの間隔a、bは、抑制する電波の波長の4分の1以下とするのが好ましく、更に安定した電波吸収特性および電波遮蔽特性を実現すべくより好ましくは抑制する電波の波長の8分の1以下である。
導電性格子または導電性メッシュを構成する捧状体、糸状体、繊維状体またはこれらの集合体は、導電性材料を含む誘電体、誘電体からなる基体の表面に導電層を形成したもの、または金属からなるものであってよい。また、導電性メッシュは、不織布状のものであってもよく、前記誘電体は、樹脂またはガラスからなってよい。また、導電性格子または導電性メッシュの強度を向上させるべく、ガラス繊維を含んでいてもよい。
導電層は、導電性材料が混合された塗料の塗布によって形成してよく、金属、金属酸化物、金属窒化物ないしはこれらの混合物をイオンプレーティング、蒸着、スパッタリング、塗布等により形成してもよく、前記導電性材料は、カーボン、カーボンブラック、カーボン繊維、金属粉、金属繊維などから選ばれた少なくとも1つの材料であってよい。
また、導電性格子または導電性メッシュを構成する捧状体、糸状体または繊維の表面に耐候性を向上させるべく保護層を設けてもよいし、また耐候性の向上や意匠の付加を行うべく塗装を施してもよい。さらに、雨天時にも所望の電波吸収性能を維持すべく撥水層や超親水性層を設けてもよく、セルフクリーン機能を付加すべく光触媒含有層等を設けてもよい。
図4は、電波音波吸収体10の更に他の実施形態を示す断面図であり、イ)に示す如く抵抗層1及び第一の空気層2の組み合わせを複数配置し、抑制が必要な不要電波の波長に応じて第一の空気層2A及び2Bの厚みを設定することで、不要電波をより効率よく抑制することができる。またロ)に示す如く、第一の空気層2内に種々の導電性パターンを形成した調整層6を設けることで、一方の偏波または両方の偏波または円偏波等の電波特性に対応して作用させ、電波吸収材料の薄型化や電波吸収特性の偏波特性調整を図ることができる。
図5は、その導線性パターンを示す正面図である。調整層6は調整層6は棒状、糸状、繊維状またはこれらの集合体の誘電体61からなる格子又はメッシュに、導電体62が部分的に付加されたものであり、イ)は誘電体61の縦横格子の交差部の横方向、ロ)は誘電体61の縦横格子の交差部の縦横両方向、ハ)は誘電体61の縦横格子により形成される矩形部の間隔をおき且つ一部を切り欠いて、ニ)は誘電体61の斜め格子の交差部の右斜め下方向、ホ)は両斜め方向と横方向に配置された導電体61の右斜め下方向と横方向においてV字状に、それぞれ部分的に導電体62を付加したものである。
導電性パターンは、導電性材料を誘電体内に含有または内包したものであってもよく、金属、金属酸化物、金属窒化物から選ばれた少なくとも1つを用いて、誘電体61の表面に導電性薄膜を形成してもよい。また、導電性材料を含む塗料を用いて誘電体61の表面に導電性膜を形成してもよい。導電性材料は、カーボン、カーボンブラック、カーボン繊維、金属粉、金属繊維などから選ばれた少なくとも1つの材料であってよい。
図6は、電波音波吸収体10の、更に他の実施形態を示す断面図である。第一の空気層2内に保持材7が設けられ、保持材7により第一の空気層2の厚みが一定にされて電波吸収特性の変化が抑制されているものである。保持材7は、合成樹脂などの誘電体、誘電体からなる発泡体、電波吸収材等の電波反射の少ない材料から形成することで、設定した電波吸収性能に影響を及ぼす度合いを小さくでき好ましい。
図7は、電波音波吸収体10の、更に他の実施形態を示す断面図である。金属枠体Kは箱状の形状となされ、更に抵抗層1を備えた誘電体Yが箱状の形状となされて金属枠体Kと誘電体Yとが嵌合されるようになされたものである。かかる構造により、電波を反射する金属枠体Kの端縁K1が電波到来方向αから遠ざけられて、金属枠体Kの電波反射による更なる不要電波の発生を防止することができる。
図8は、電波音波吸収体10の、更に他の実施形態を示す断面図である。音波反射体5を挟んで両側に、それぞれ抵抗層1、第一の空気層2、電波反射層3及び吸音層4が設けられ、電波到来方向α及びβの両面から到来する不要電波及び不要音波を減衰させて抑制することができるものである。
図9は、電波音波吸収体10の、更に他の実施形態を示す断面図である。抵抗層1の電波到来方向α側には、更に適当な厚さを有する第二の空気層8が配置され、更に第二の空気層8の電波到来方向α側には適当な厚さ及び空孔91が穿設されて音波透過性を有するようになされた誘電体層9が備えられている。音波は第一の空気層2、第二の空気層8、空孔91、11及び31を透過して吸音層4に入射可能となされ、抵抗層1と第一の空気層2の厚みと、第二の空気層8及び誘電体層9の厚み、並びに誘電体層9の誘電率とを所望の電波の入射角度や周波数に応じて設定することで、電波の到来側から電波方向を見込んだ入力インピーダンスを自由空間の特性インピーダンスに合致させられる範囲を広いものとでき、吸収の対象となる電波の周波数や入射角度の範囲を広げることができ、電波吸収性能を高めることができるものである。
誘電体層9としては、空孔を有する合成樹脂板、空孔を有する独立気泡の発泡体や連続気泡発泡体を用いることができ、また外面に塗装を施して、耐候性や意匠性を向上させたり、撥水性層や超親水性層を設けて雨天時にも所望の電波吸収性能を維持するようにしたり、光触媒含有層を設けて自浄性を具備させたり等してもよい。
また、誘電体層9に穿設される空孔91についても、抵抗層1や電波反射層3と同様に空孔が占める割合は表面積全体に対して20〜80%が好ましく、開口率が20%未満となると音波が透過し難くなり、80%を上回ると誘電体層9の強度が十分なものでなくなり、また設定した電波吸収性能が発揮されなくなる恐れがある。
図10は、上述の如き電波音波吸収体10を用いた不要電波音波抑制方法の一例を示すもので、車両運行支援システムが設けられた高速道路における説明図である。上下の車線Sの辺縁には壁高欄Kが設けられ、壁高欄K上には防音壁Bと共に、車両運行支援システムに関する電波を放射するアンテナAが設置されている。かかるアンテナAより放射された電波Rが車線Sを走行する車両Cに搭載された車載器Fに受信されることで、車両Cの運行が支援される。
アンテナAから放射される電波Rは、車線Sにおける通信領域外に車載器Fが検知する強度のものが放射されないよう、領域及び強度は厳密に設定されており、通常の状態では運行支援の対象以外の車両Cの車載器Fに電波が放射されることはありえないが、車線Sに曲面を有する大型車Tが進入した場合、その曲面に当たった電波Rはほとんど減衰されることなく方向を変えて不要電波R1となり、通信領域外に放射される恐れがあり、更に車線S付近の道路付帯設備が金属等の電波反射体を用いて形成されていれば、その道路付帯設備により不要電波Rが反射することも考えられる。通信領域外において車両Cの車載器Fが不要電波R1を受信すると、本来全く無関係な運行支援が車両Cに対して行われることとなり、車両Cが極めて危険な挙動を示す恐れが出てくる。
アンテナA付近の壁高欄K、防音壁Bに電波音波吸収体10を取り付けるか、またはパネル状のものを用いたり、中央分離帯G上に設けられた基礎101より立設された支柱102に取り付け、支柱102にパネル状となされた電波音波吸収体10を取り付けることで、高速道路周辺に存在する不要電波R1や、中央分離帯G上を通過して反対車線に向かう不要電波R1は電波音波吸収体10により減衰されて抑制される。更に走行する車両CやトラックTから発生する不要音波も、電波音波吸収体10により減衰されて抑制されて、騒音の低減を図ることができる。不要電波は減衰されるので、金網等の電波反射材料を用いて形成したものの如き不要電波の更なる反射による不具合が発生する恐れもなくなる。
本発明に係わる電波音波吸収体の、実施の一形態を示す説明図である。 図1のA−A断面を示す断面図である。 抵抗層及び電波反射層の形状例を示す正面図である。 本発明に係わる電波音波吸収体の、他の実施形態を示す説明図である。 調整層の導電性パターンの例を示す正面図である。 本発明に係わる電波音波吸収体の、更に他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係わる電波音波吸収体の、更に他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係わる電波音波吸収体の、更に他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係わる電波音波吸収体の、更に他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係わる不要電波音波抑制方法の、実施の一形態を示す説明図である。
符号の説明
1 抵抗層
11 空孔
2 第一の空気層
3 電波反射層
31 空孔
4 吸音層
5 音波反射層
6 調整層
61 誘電体
62 導電体
7 保持材
8 第二の空気層
9 誘電体層
91 空孔
10 電波音波吸収体
K 金属枠体

Claims (6)

  1. 電波および音波の到来方向から適当な面抵抗値を有する抵抗層と適当な厚さを有する第一の空気層とを交互に、少なくとも1組以上配置し、さらに電波反射層、吸音層、音波反射層が順に配置され、前記抵抗層が導電性格子、導電性メッシュまたは導電性膜を含み空孔を有する板状体からなり、前記電波反射層が導電性格子、導電性メッシュまたは導電性膜を含み空孔を有する板状体からなることを特徴とする電波音波吸収体。
  2. さらに前記電波反射層から最も遠い抵抗層の、電波および音波の到来方向に適当な厚さを有する第二の空気層を介して、適当な厚さ及び音波透過性を有する誘電体層が備えられたことを特徴とする請求項1に記載の電波音波吸収体。
  3. さらに前記第一の空気層の間に導電性パターンを有する調整層が配置され、該導電性パターンは誘電体からなる格子またはメッシュに部分的に付加されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電波音波吸収体。
  4. 前記第一の空気層は、少なくとも1つ設けられた保持材により適当な厚さに保持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電波音波吸収体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電波音波吸収体が、枠体に取り付けられて形成されていることを特徴とする電波音波吸収パネル。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電波音波吸収体が道路付帯設備に取り付けられるか、または請求項5に記載の電波音波吸収パネルが道路付帯設備に取り付けられることで、道路周辺の不要電波及び不要音波を抑制することを特徴とする不要電波音波抑制方法。
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