JP3065561B2 - 吸音材及び吸音パネル - Google Patents

吸音材及び吸音パネル

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JP3065561B2
JP3065561B2 JP9132827A JP13282797A JP3065561B2 JP 3065561 B2 JP3065561 B2 JP 3065561B2 JP 9132827 A JP9132827 A JP 9132827A JP 13282797 A JP13282797 A JP 13282797A JP 3065561 B2 JP3065561 B2 JP 3065561B2
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貴 三神
豊 原田
守弘 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速道路、一般道
路、トンネル内などの交通騒音、機械工場などの屋内の
騒音等の各種騒音を低下させるために使用する吸音材及
び吸音パネルに関し、特に、斜入射音に対して効果的な
吸音特性を有する吸音材及びその吸音材を備えた吸音パ
ネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天井や壁面等に設ける吸音材とし
て、ロックウール、ガラスウール等の繊維マット板が使
用されている。この繊維マット板は、繊維(通常、短繊
維)を水平に配置されているネットコンベア上に堆積さ
せながらバインダーを吹き付け、そのバインダーを硬化
させながら堆積繊維を板状に成形することで製造された
ものである。このため、繊維マット板内の繊維は、主と
して繊維マット板の表裏面に平行な面内では二次元方向
にランダムに配列されているが、厚さ方向にはほとんど
配列しておらず、繊維を水平に寝かせた状態で厚さ方向
に重ねて積層したような形態となっている。本明細書に
おいて、この形態の繊維マット板を繊維積層体と称し、
繊維が二次元方向にランダムに配列されている面(繊維
マット板の表裏面に平行な面)を繊維積層面と称する。
【0003】従来、繊維マット板を吸音材として使用す
る場合には、その繊維マット板の表面及び全体を保護す
る目的で、フッ素樹脂フィルムやガラスクロス、金属製
有孔板材等で覆い、その繊維マット板を、その表面が吸
音面(音が入射する面)となるように配置していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この繊
維マット板を取り付けた吸音構造は、必ずしも満足すべ
き程には吸音効果を発揮しておらず、特に、吸音面に対
して斜め方向から入射する音波(斜入射音)で且つ周波
数の低い領域(1000Hz程度以下)のものに対する
吸音効果が低く、斜入射音の反射が多いという問題があ
った。
【0005】最近、道路側壁や道路面上方に設置した庇
構造部分の表面に対し、角度を持って斜めに入射してく
る音波、特に高架道路の裏面部分に対して、下部道路か
ら発生して斜め方向に直進し、裏面で反射して伝播して
行く車の走行騒音の効果的吸音構造が求められてきてい
るが、上記したように繊維マット板は斜入射音の吸音効
果が低いため、この用途にはあまり好ましいと言えなか
った。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、吸音効果が高く、特に広い周波数域の斜入
射音に対する吸音効果の高い吸音材を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
を解決すべく鋭意検討の結果、繊維積層体を吸音材とし
て使用する際、その繊維の配列方向と入射音の方向とが
吸音効果に影響しており、吸音面に対して繊維積層面を
直角に配列した時に、吸音効果が高くなり、特に低周波
数域の斜入射音に対する吸音効果が高くなることを見出
し、本発明を完成させたものである。
【0008】すなわち、本発明の吸音材は、繊維積層面
が音入射側の表面に対して直角方向に配列されている板
状の繊維積層体からなる吸音材であって、前記繊維積層
体が、表裏面に平行な繊維積層面を有する板状の繊維積
層体を、その繊維積層面に直角方向に且つ設定長幅でカ
ットして直方体ブロックを形成し、その直方体ブロック
を多数、繊維積層面が互いに平行となるように並べ、全
体を板状に形成した構造を有することを特徴とするもの
である。
【0009】この構成の吸音材も、従来の繊維マット板
をそのまま使用した吸音材と同様に、入射音波を受けた
繊維積層体において、音エネルギーから繊維振動エネル
ギーへエネルギー変換を行うことで吸音を行うものであ
るが、従来の繊維マット板をそのまま使用した吸音材に
比べて吸音効果が、特に斜めから入射する音に対する吸
音効果が高いという特性を有している。この理由ははっ
きりしないが、本発明の吸音材における吸音面は、従来
の繊維マット板の場合のように繊維が二次元方向にラン
ダム配置されたものではなく、このため繊維密度が低く
なっていて入射しようとする音が反射しにくく、容易に
内部に進入して吸音されるため、或いは、吸音面から直
角方向に続いた空隙が多く、これが吸音に効果的である
ためなどと考えられる。更に、吸音材を構成する繊維積
層体は、表裏面に平行な繊維積層面を有する板状の繊維
積層体を、繊維積層面に直角方向に且つ設定長幅でカッ
トして直方体ブロックを形成し、その直方体ブロックを
多数、繊維積層面が互いに平行となるように並べ、全体
を板状に形成した構造であるので、容易に製造すること
ができる。
【0010】また、本発明の吸音パネルは、上記した吸
音材の表裏面をパネル板で覆って、サンドイッチ構造の
パネルとし、且つ吸音面側のパネル板を多孔構造として
音を容易に入射させるように構成したものである。この
ように吸音材をパネル構造とすることにより、取り扱い
が容易となり、運搬、保管、施工等が容易となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態
による吸音材1を示すもので、(a)はその概略側面
図、(b)はその概略斜視図である。この吸音材1は、
繊維積層体の直方体ブロック2を多数、その繊維積層面
が平行となるように並べて接着し、厚さwの板状に形成
した繊維積層体からなるもので、一方の表面1aが音の
入射する吸音面となり、繊維積層面はその吸音面1aに
対して直角となるように配列されている。
【0012】図2はこの吸音材1を製造する手順を説明
するものである。図2(a)に示すように、まず厚さt
の板状の繊維積層体即ち繊維マット板3を用意する。こ
の繊維マット板3は公知の方法で製造されたものであ
り、繊維積層面は水平方向に配列されており、従って繊
維マット板3の表裏面3aに平行となっている。次に、
この繊維マット板3を二点鎖線4で示す位置で、すなわ
ち、繊維積層面に直角方向に且つ設定長幅wでカット
し、図2(b)に示す複数の直方体ブロック2を形成す
る。次いで、図2(c)に示すように、多数の直方体ブ
ロック2を切り出した状態から90°回転させ、繊維積
層面が互いに平行となるように並べ、接着させることで
全体を板状に形成する。以上により、図1に示す吸音材
1が作られる。そして、この吸音材1は、表面1aが音
の入射する吸音面となるように配置することで、良好な
吸音特性を発揮でき、特に斜入射音に対する良好な吸音
効果を発揮できる。
【0013】ここで、吸音材1の厚さwは、吸音率のみ
ならず吸音周波数にも関連している。従って、要求され
る吸音率、吸音周波数特性等を考慮して実験及び/又は
計算で厚さwを定めればよい。この厚さwは、図2
(a)に示すように繊維マット板3を切断する時の設定
幅長wに等しいので、この設定幅長wを所望の長さとす
ることで、所望厚さwの吸音材1を容易に製造できる。
吸音材1に用いる繊維積層体としては、ロックウール、
グラスウール、金属繊維等を挙げることができる。
【0014】図3は本発明の第二の実施の形態による吸
音材1Aを示している。この吸音材1Aも、図2で説明
した直方体ブロック2と同様な、繊維積層体からなる直
方体ブロック2A、2Bを、繊維積層面が互いに平行に
なるように並べて接着し、板状としたものであるが、こ
こで使用した直方体ブロック2A、2Bは互いに繊維密
度の異なるものである。この構成により、板状の繊維積
層体からなる吸音材1Aには、吸音面1a内における繊
維密度の分布が形成されている。繊維積層体の繊維密度
は吸音周波数に影響するので、直方体ブロック2A、2
Bによる吸音周波数特性は互いに異なっており、このた
めこの吸音材1Aでは広い吸音周波数特性を発揮するこ
とができる。なお、繊維密度の異なる直方体ブロック
は、図示した2種類を用いる場合に限らず、3種類以上
としてもよいことは言うまでもない。
【0015】図4は本発明の第三の実施の形態による吸
音材1Bを示している。この吸音材1Bも、繊維積層体
からなる直方体ブロック2Cを、繊維積層面が互いに平
行になるように並べて接着し、板状としたものである
が、ここで使用した直方体ブロック2Cは、その内部に
繊維密度が異なる領域2a、2bを有している。このた
め、吸音材1Bも図3の吸音材1Aと同様に、吸音面1
a内における繊維密度の分布が形成されており、広い吸
音周波数特性を発揮することができる。この吸音材1B
は、図5に示すように、厚さ方向に異なる繊維密度分布
を持った繊維マット板3Aを製造し、それを設定幅長w
に切断して直方体ブロック2Cを形成し、その直方体ブ
ロック2Cを並べて板状に形成することで製造できる。
なお、この吸音材1Bにおいても、内部に密度分布を持
った直方体ブロック2Cのみで作る場合に限らず、密度
分布のない直方体ブロックと組み合わせるとか、密度分
布の異なる直方体ブロックを適当に組み合わせる等の変
形を行ってもよい。
【0016】図6は本発明の第四の実施の形態による吸
音材1Cを示している。この吸音材1Cは、繊維積層体
からなる直方体ブロック2(図1に示す直方体ブロック
2と同様のもの)を、繊維積層面が互いに平行になるよ
うに並べて接着し、板状としたものであるが、直方体ブ
ロック2の隣接同志の間に膜材7を挟持させたことを特
徴とする。ここで使用する膜材7は共振膜として作用す
るものであり、膜材7の具体例としては、ポリフッ化ビ
ニル、ポリエチレン等のプラスチックフィルム或いはプ
ラスチックシート、高密度のガラスクロス、不織布等の
薄手のシート材などを挙げることができる。この膜材7
を配置しておくと、これが入射してきた音波、特に斜入
射音に共振して音エネルギーを吸収し、特に中低周波数
帯の吸音効果を増加させるためのダンピング材として効
果的に作用する。
【0017】直方体ブロック2の間に膜材7を挟持させ
る方法は、直方体ブロック2を並べて接合する際に、そ
の間に膜材7を配置する方法を採ってもよいが、その代
わりに、図7に示すように、図2(a)に示す繊維マッ
ト板3を製造した後、その表面に膜材7を接着剤にて接
着し、その後、全体を設定長幅wで切断して、膜材7付
の直方体ブロック2を形成し、この直方体ブロック2を
繊維積層面及び膜材7が互いに平行となるように並べて
板状とする方法を採用することが好ましい。この方法を
採用すると、薄くて取り扱いにくい膜材7を簡単に直方
体ブロック2の間に挟持させることができ、吸音材1C
の製造が容易となる。
【0018】図8は本発明をパネルに適用した実施の形
態を示すもので、10は吸音パネルである。この吸音パ
ネル10は、図6に示す構成の吸音材1Cの両面にパネ
ル板11、12を配置して補強し、サンドイッチ構造の
パネル形態としたものである。ここで、パネル板11、
12の少なくとも一方(吸音面となる側のもの)は、吸
音材1Cに面する領域に多数の穴13を形成した有孔構
造としており、音が良好にパネル板11を通り抜けて吸
音材1C内に進入し、吸音されるように構成している。
以下、穴13を有するパネル板を有孔板という。有孔板
22としては、通常鋼板が用いられるが、その他にも、
アルミニウム板、亜鉛鉄板等の金属板、或いはプラスチ
ック板、FRP(繊維強化プラスチック)板等を用いて
もよい。この有孔板22は、斜入射音の高吸音性能を引
き出すため、板厚が0.5〜1.0mmで、穴径が3〜
10mm、開口率が30〜60%の範囲とすることが望
ましい。有孔板11を配置した側の吸音材1Cの表面
は、目止め材14で被覆し、有孔板11の穴13から内
部の吸音材1Cの繊維が脱落しないようにしている。こ
こで、目止め材14としては、通常ガラス繊維メッシュ
を用いるが、その他にも適当なネット、寒冷紗或いはガ
ラス繊維不織布等を用いてもよく、更には薄いフィルム
を用いてもよい。
【0019】吸音面の反対側に配置されるパネル板12
には、通常穴の無い板材が使用され、遮音板として作用
する。以下、このパネル板12を遮音板という。遮音板
12は、設置場所の必要遮音量により、厚さが0.5〜
3.2mmの鋼板を用いる。斜入射音の吸音が主体で、
遮音の重要性がない場合は、厚さを0.5〜1.0mm
に設定し、パネルとして製品化した場合、40kg/m
2 以下の軽量構造物が得られる。なお、遮音板12とし
ても、鋼板に限らず、アルミニウム板、亜鉛鉄板等の金
属板、或いはプラスチック板、FRP(繊維強化プラス
チック)板等を用いてもよい。また、この吸音パネル1
0を積層した使用する場合もあり、その場合には、裏面
のパネル板12も有孔構造とし、音が通過しうる構成と
する。
【0020】図9は、図8で示した吸音材10の吸音表
面側の垂直に対し、音波が角度θをもって有孔板11の
穴13より入射し、吸音される状態を示している。吸音
面に対して直角方向に繊維積層面を持った繊維積層体か
らなる吸音材1Cに対して斜め方向に入射する音波は、
表面であまり反射することなく吸音材1C内に進入し、
周波数帯に対応した繊維振動の最も生じやすい状況の
下、繊維振動エネルギーとして変換され吸音される。ま
た、繊維積層体間に挟持された膜材7も中低周波数帯の
吸音効果を増加させるダンピング機能を果たしている。
これにより、斜入射音に対する良好な吸音効果が得られ
る。なお、図8、図9に示す吸音パネル10は、図6に
示す吸音材1Cを用いているが、この吸音材1Cに代え
て、本発明による他の形態の吸音材(例えば、図1〜図
5に示す吸音材)を用いてもよいことは言うまでもな
い。
【0021】図10は、本発明の吸音材をパネルとして
製品化した場合の実施の形態を示す概略断面図、図11
はその概略平面図である。全体を参照符号20で示す吸
音パネルは、表面側のパネル板即ち有孔板21と、裏面
側のパネル板即ち遮音板22と、その間に収容された吸
音材23と、その両端に配置された補強連結用芯材24
等を備えている。ここで、有孔板21及び遮音板22は
それぞれ、図8の吸音パネル10で説明した有孔板11
及び遮音板22と同様な板材で構成されており、図10
に示すように組み立てた時、両端に互いに嵌合可能な凹
凸を形成する形状に作られている。内部に収容された吸
音材23は、本発明の任意の形態の吸音材を使用可能で
あり、ここでは、図6に示す吸音材1Cと同様な構成の
もの、即ち、多数の繊維積層体の直方体ブロック2を膜
材7をはさんで且つ繊維積層面が平行となるように並べ
て接着したものが使用されている。なお、図示は省略し
ているが、吸音材23の吸音側表面には、意匠を加味し
たガラス繊維網(例えば、繊維径0.25mm程度のガ
ラス繊維を用いたガラス繊維網)を用いた目止めメッシ
ュが被着されている。補強連結用芯材24には、適度な
強度と適度な吸音性を有するものが使用され、例えば、
ケイ酸カルシウム、ロックウール及びロックウール成型
板等が用いられる。
【0022】次に、この吸音パネル20の製造過程を説
明する。繊維積層面が水平に配列された厚さtの繊維マ
ット板を用意し、その上面側に膜材7を被着させ(図7
参照)、それを幅wで設定長幅カットして、膜材7を被
着した直方体ブロック2を形成する。次いで、この直方
体ブロック2を90°回転させ、積層繊維面及び膜材7
が互いに平行となるように並べて密接させ、遮音板22
の上に固着する。次いで、多数並べた直方体ブロック2
の表面に目止めメッシュを被着させ、その上から有孔板
21を装着し、有孔板21と遮音板22で挟まれた空間
の両端部に補強連結用芯材24を内設し、全体を一体化
する。以上により、有孔板21と遮音板22で繊維積層
体からなる吸音材23をはさみ込んだサンドイッチ構造
の吸音パネル20が得られる。
【0023】この吸音パネル20はパネル形態であるの
で、取り扱い、施工等が容易であり、また、両端に互い
に嵌合させるための凹凸を備えているので、多数の吸音
パネル20を両端の凹凸を嵌合させることで容易に取り
付けることができ、吸音特性の優れた、特に斜入射音に
対する吸音特性の優れた吸音壁を形成できる。なお、図
10において、27はパッキンである。
【0024】図12は本発明の他の実施の形態による吸
音パネル20Aを示すものである。この吸音パネル20
Aは、図10に示す吸音パネル20において遮音板22
があった位置に有孔板21Aを、有孔板21があった位
置に遮音板22Aを配置したもので、その他の構成は吸
音パネル20と同様である。図12の吸音パネル20A
も有孔板21A側を音入射側として使用される。
【0025】図13は本発明の更に他の実施の形態によ
る吸音パネル20Bを示すものである。この実施例の吸
音パネル20Bは、有孔板21Bと遮音板22Bとで形
成されるパネルの断面形状を台形状としたものであり、
その他の構成は図10に示す吸音パネル20と同様であ
る。
【0026】図14は本発明の更に他の実施の形態によ
る吸音パネル20Cを示すものである。この実施例の吸
音パネル20Cは、有孔板21Cと遮音板22Cとで形
成されるパネルの一端に凸部のみを、他端にその凸部に
嵌合する凹部のみを形成したものであり、その他の構成
は図10に示す吸音パネル20と同様である。
【0027】図15は本発明の更に他の実施の形態によ
る吸音パネル30を示すものである。この吸音パネル3
0は、第一吸音パネル20Dと第二吸音パネル20Fと
を重ね合わせて構成したものである。第一吸音パネル2
0Dは、その両面に有孔板21D、21Eを配置してパ
ネルを構成したものであり、内部の構成は図10に示す
吸音パネル20と同様である。第二吸音パネル20F
は、片面に有孔板21Fを、他方の面に遮音板22Fを
配置してパネルを構成したものであり、内部の構成は図
10に示す吸音パネル20と同様である。この構成の吸
音パネル30では、第一吸音パネル20Dと第二吸音パ
ネル20Fとを積層したので強度が増すと共に吸音性能
が向上し、特に、第一吸音パネル20Dと第二吸音パネ
ル20Fとの厚さ(従って、内部に収容している吸音材
の繊維積層体の厚さ)を異ならせておくことにより、各
吸音材の吸音周波数特性が異なり、広い周波数域で吸音
性能が向上する利点が得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の吸音材及び吸音パネルについ
て吸音特性を測定した結果を説明する。
【0029】〔実施例1〕 図1に示す構成の吸音材1(実施例1)を次の仕様で
作成した。 材質 ロックウール(繊維積層面が吸音面に垂直) 密度 80kg/m3 厚さ(w) 100mm
【0030】比較例として、通常のロックウールをそ
のまま使用した吸音材((繊維積層面を吸音面に平行と
したまま)を作成した。この比較例の吸音材の仕様も実
施例1と同様に次のように設定した。 材質 ロックウール(繊維積層面が吸音面に平行) 密度 80kg/m3 厚さ(w) 100mm
【0031】この実施例1及び比較例の吸音材につい
て、斜入射吸音率の測定を行った(測定機関:九州芸術
工科大学)。その結果を、表1及び図16に示す。な
お、測定は、入射角度を0度(垂直入射)、15度(π
/12)、30度(π/6)、45度(π/4)の4種
類に設定して行い、それぞれの測定値の平均を取って吸
音率とした。また、測定周波数範囲は、400〜400
0Hzの1/3オクターブバンドとした。表1中の吸音
率の単位は%である。
【0032】
【表1】
【0033】表1及び図16の結果から明らかなよう
に、繊維積層面を吸音面に対して平行に配置した吸音材
(比較例)では、1000Hz以下の低周波数域におい
て、斜入射吸音率が大きく減少しているが、繊維積層面
を吸音面に対して垂直に配置した本発明の実施例1は、
低周波数域での斜入射吸音率の低下がきわめて小さくな
っており、同一密度、同一厚さの比較例に対して、低周
波数域での斜入射吸音率が大幅に向上することが確認さ
れた。
【0034】〔実施例2〕 図10、図11に示す形態の吸音パネル(実施例2)
を次の仕様で作成した。 有孔板21:着色亜鉛メッキ鋼板 厚さ 0.5mm 穴26の口径×ピッチ 9φmm×12mm (開孔率 50.9%) 遮音板22:着色亜鉛メッキ鋼板 厚さ 0.5mm 吸音材23:材質 ロックウール(繊維積層面が吸音面に垂直) 密度 80kg/m3 厚さ(w) 100mm 但し、膜材7は使用せず。 吸音材表面ガラス繊維メッシュ: PVC被覆ガラス繊維 線径 0.25mm メッシュ 18×12/sq.in 補強連結用芯材24:ロックウール(密度 150kg/m3 ) 吸音パネルサイズ:厚さ100mm×幅950mm×長さ2.4m
【0035】この吸音パネルについて、斜入射吸音率
の測定を行った(測定機関:財団法人 小林理学研究
所)。その結果を、表2及び図17に示す。なお、測定
は、入射角度を0度(垂直入射)、15度(π/1
2)、30度(π/6)、45度(π/4)の4種類に
設定して行い、それぞれの測定値の平均を取って吸音率
とした。測定周波数範囲は、400〜4000Hzの1
/3オクターブバンドとした。表2中の吸音率の単位は
%である。
【0036】
【表2】
【0037】表2の結果に、道路交通騒音に対する補
正を加味し、且つ全周波数域での平均斜入射吸音率を求
めたところ、90.6%であった。
【0038】この吸音パネルについて、重量測定並び
に強度測定を行い、次の結果を得た。 吸音パネル重量 15.9kg/m2 強度(許容風荷重) 197kgf/m2 (但し、標準
支点間距離2m)
【0039】以上の結果を、高架道路裏面に使用する
吸音パネルに関する建設省建設技術評価基準に比較し
て、表3に示す。表3より明らかなように、実施例2に
よる吸音パネルは、建設省建設技術評価基準を十分満た
しており、従って、高架道路裏面に設置する吸音パネル
として良好に使用可能である。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、音が
入射する吸音面に対して繊維積層面が直角となっている
繊維積層体の採用により、吸音特性が向上し、特に吸音
面に対して角度を持って直進してきた斜入射音で且つ低
周波数域の音に対する吸音特性が向上するという効果を
有している。
【0042】更に、本発明の吸音材は、表裏面に平行な
繊維積層面を有する板状の繊維積層体を、繊維積層面に
直角方向に且つ設定長幅でカットして直方体ブロックを
形成し、その直方体ブロックを多数、繊維積層面が互い
に平行となるように並べ、全体を板状に形成した構造と
したことにより、容易に製造することができる。
【0043】ここで、本発明の吸音材を構成する繊維積
層体内に、2種類以上の密度の異なる領域を形成してお
くと、吸音周波数特性の異なる吸音が可能となり、広い
帯域の斜入射音の効果的吸音作用を発揮させることがで
きる。
【0044】また、繊維積層体の間に吸音面に直角に膜
材を配置しておくと、その膜材が、共振による中低周波
数帯の吸音を増加させるためのダンピング材として作用
し、一層効果的な吸音が可能となる。
【0045】更に、本発明の吸音材の両面にパネル板を
配置し、且つ少なくとも一方のパネル板の前記吸音材を
覆う領域を有孔構造とすると共に、その有孔構造の下に
位置する吸音材の表面を目止め材で覆った構成とするこ
とにより、吸音性能を損なうことなく吸音材の表面を保
護し且つ全体をパネル化することができ、運搬、保管等
の取り扱いや施工が容易となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による吸音材を示す
もので、(a)はその概略側面図、(b)はその概略斜
視図
【図2】(a)、(b)、(c)は図1に示す吸音材を
製造する工程を説明する概略側面図
【図3】本発明の第二の実施の形態による吸音材を示す
概略側面図
【図4】本発明の第三の実施の形態による吸音材を示す
概略側面図
【図5】図4に示す吸音材を製造するための繊維マット
板を示す概略側面図
【図6】本発明の第四の実施の形態による吸音材を示す
概略側面図
【図7】図6に示す吸音材を製造するための繊維マット
板を示す概略側面図
【図8】本発明の実施の形態による吸音パネルの概略斜
視図
【図9】図8に示す吸音パネルに音が入射する状態を説
明する概略断面図
【図10】本発明の吸音材をパネルとした場合の実施の
形態を示す概略断面図
【図11】図10に示す吸音パネルの概略平面図
【図12】本発明の他の実施の形態による吸音パネルの
概略断面図
【図13】本発明の更に他の実施の形態による吸音パネ
ルの概略断面図
【図14】本発明の更に他の実施の形態による吸音パネ
ルの概略断面図
【図15】本発明の更に他の実施の形態による吸音パネ
ルの概略断面図
【図16】実施例1及び比較例の吸音率測定結果を示す
グラフ
【図17】実施例2の吸音率測定結果を示すグラフ
【符号の説明】
1、1A、1B、1C 吸音材 1a 吸音面 2、2A、2B、2C 直方体ブロック 3 繊維マット板 7 膜材 10 吸音パネル 11 パネル板(有孔板) 12 パネル板(遮音板) 13 穴 14 目止め材 20、20A、20B、20C、20D、20F 吸音
パネル 21、21A、21B、21C、21D、21E、21
F 有孔板 22、22A、22B、22C、22F 有孔板 23 吸音材 24 補強連結用芯材
フロントページの続き (72)発明者 三神 貴 埼玉県所沢市中新井1−41−2 日東紡 寮 (72)発明者 原田 豊 兵庫県尼崎市杭瀬南新町4−8−14 (72)発明者 松本 守弘 大阪府大阪市東淀川区菅原6−19−7 (72)発明者 吉田 昇 兵庫県西宮市南甲子園3−4−26−212 (56)参考文献 特開 昭61−83743(JP,A) 特開 平5−346790(JP,A) 実開 昭51−112310(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/86 G10K 11/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維積層面が音入射側の表面に対して直
    角方向に配列されている板状の繊維積層体からなる吸音
    材であって、前記繊維積層体が、表裏面に平行な繊維積
    層面を有する板状の繊維積層体を、その繊維積層面に直
    角方向に且つ設定長幅でカットして直方体ブロックを形
    成し、その直方体ブロックを多数、繊維積層面が互いに
    平行となるように並べ、全体を板状に形成した構造を有
    することを特徴とする吸音材。
  2. 【請求項2】 前記吸音材を構成する複数の直方体ブロ
    ックが、少なくとも2種類の異なる繊維密度のもので構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の吸音材。
  3. 【請求項3】 前記吸音材を構成する複数の直方体ブロ
    ックの少なくとも一部のものが、内部に繊維密度分布を
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の吸音材。
  4. 【請求項4】 前記直方体ブロックの隣接同志の間に膜
    材を挟持したことを特徴とする請求項1から3のいずれ
    か1項記載の吸音材。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    吸音材と、その吸音材の表裏面をそれぞれ覆うように配
    置されたパネル板とを有し、少なくとも一方のパネル板
    の前記吸音材を覆う領域を有孔構造とすると共に、その
    有孔構造の下に位置する吸音材の表面を目止め材で覆っ
    たことを特徴とする吸音パネル
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