JP4240363B2 - 積層型電波吸収体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2.2〜6GHzの広い周波数帯域において2.45GHz付近と5.2GHz付近で2つの電波吸収特性のピークを有する積層型電波吸収体に関する。また、TM波、TE波、TEM波と円偏波の両方に好適な高周波対応の積層型電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の電子機器の間で、無線LAN(Local Area Network)システムを構築してデータの送受信を行うことが行われ、IEEE802.11規格では、用いることができる無線周波数帯として2.45GHz帯が規定されている。また、近年5.2GHz帯も開放された。電波としてはTEM(Transverse Electromagnetic)波、TE(Transverse Electric)波、TM(Transverse Magnetic)波である。従って、電波吸収体に対しても2.45GHz帯と5.2GHz帯の2つの周波数帯に対応したものに対するニーズが大きくなった。無線LANは、建物内で無線を使用して電子機器間のネットワークを形成する。
また、これらの電子機器は自動車などに搭載され、ETC(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム)などで電子化された道路システムの中で使用されることが多くなった。将来的には携帯電話で道路通行料金の収受をすることになりそうである。このシステムでは5.8GHz帯の円偏波が用いられている。
【0003】
このような電波環境の中で、電波吸収体にも広い周波数帯域で優れた電波吸収特性を発揮することが求められる。
このニーズに応える一手段として、帯域幅を広げ且つ薄型の電波吸収体を構成するために、電波吸収特性の異なる複数の電波吸収層を積層した積層型電波吸収体によって反射減衰量のピークを2つにした双峰性のものが知られている(例えば、特許文献1)。
この発明は、電波入射側から、コンクリートでなる第1層と、空気でなる第2層と、コンクリートでなる第3層と、フェライト磁性体でなる第4層と、反射メッシュの第5層とを有し、反射減衰量のピークを有する双峰性特性を呈する積層型電波吸収体である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−261282号公報(図2 他)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の積層型電波吸収体(例えば、特許文献1記載)においては、VHF帯とUHF帯のせいぜい770MHz程度の周波数に対応するものであり、はるかに高周波の2.45GHz帯と5.2GHz帯のTM波、TE波、TEM波と、5.8GHz帯の円偏波が共に使用される電磁環境下における高周波対応の電波吸収体として反射減衰量が18dB以上の満足のゆく特性を発揮できるものでは無かった。
【0006】
そこで本発明は、2.45GHz帯と5.2GHz帯のTM波、TE波、TEM波と、5.8GHz帯の円偏波が共に使用される電磁環境下における高周波対応の電波吸収体として反射減衰量が18dB以上の積層型電波吸収体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1手段は、電波吸収特性の異なる複数の電波吸収層を積層した積層型電波吸収体において、単独の電波吸収特性として2.8〜3.8GHzに反射減衰量のピークを有する第1の電波吸収層20と、単独の電波吸収特性として5〜6GHzに反射減衰量のピークを有する第2の電波吸収層10とでなり、2.2〜2.8GHzと4.8〜5.5GHzに反射減衰量のピークを有する双峰性特性を呈することを特徴とする積層型電波吸収体である。
【0008】
本発明の第2手段は、前記第1の電波吸収層20を反射層30側に配置し、前記第2の電波吸収層10を電波入射側に配置したことを特徴とする第1手段記載の積層型電波吸収体である。
【0009】
本発明の第3手段は、電波入射側から、誘電率が5〜20で厚さが2mm以下の第1吸収層40と、誘電率が5以下で厚さが2〜10mmの第2吸収層50と、磁性体層からなる第3吸収層70と、反射層80とを有し、反射減衰量のピークに双峰性特性を呈する積層型電波吸収体である。
【0010】
本発明の第4手段は、電波入射側から、誘電率が5〜20で厚さが2mm以下の第1層61と、誘電率が5以下で厚さが2〜10mmの第2層62と、誘電率が10以下で厚さが2mm以下の第3層63と、磁性体層からなる第4層64と、反射層80とを有し、反射減衰量のピークに双峰性特性を呈する積層型電波吸収体である。
【0011】
本発明の第5手段は、2.4〜5.2GHzの入射電波に対して、前記第1層61における反射率が30〜95%である第3または第4手段記載の積層型電波吸収体である。
【0012】
本発明の第6手段は、2.2〜2.8GHz(2.45GHz付近)においてTM波、TE波、TEM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、4.8〜5.5GHz(5.2GHz付近)において、TM波、TE波、TEM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、かつ5.4〜6.2GHz(5.8GHz付近)において、円偏波に対する反射減衰量18dB以上である第1手段ないし第5手段のいずれかに記載の積層型電波吸収体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
(作用)
本発明者は、積層型電波吸収体において各層の単独の電波吸収特性が組合せによりピークが低周波側にシフトする現象を積極的に利用して、双峰性を持たせて広帯域化すると同時にITS,ETC,DSRCと無線LANの両方に有効な反射減衰量を満足できる構成を見出した。
例えば、2.45GHzに電波吸収能のピークを有する電波吸収層と、5.2GHzに電波吸収能のピークを有する電波吸収層とを単純に積層して積層型電波吸収体を構成した場合、両方のピークが重なり双峰性の電波吸収特性を呈するものの、そのピークは共に2GHzと4.5GHzとずれて、且つITS,ETC,DSRCと無線LANの両方を満足する特性が得られなくなることを見出した。
【0014】
本発明者らは、各層の吸収周波数特性の設計を高周波伝送式を設計基本式として複素誘電率や複素透磁率の周波数特性をデータベース化して設計できるシステムを確立している(日刊工業新聞社の雑誌「工業材料」2002年11月号p.42−45参照)。
本発明に係る積層型電波吸収体の設計にも応用して、本発明に係る技術的思想の具体的実現に活用した。
【0015】
本発明に係る積層型広帯域電波吸収体を、図1を用いて説明する。図1は本発明の一形態に係る広帯域の積層型電波吸収体を示す断面図である。電波の到来方向から、ゴムや樹脂に磁性粉を分散した第2の電波吸収層10、ゴムや樹脂に磁性粉を分散した第1の電波吸収層20を積層した。更に、導電性材料や樹脂に導電性材料を分散した電波反射層30を配設している。
ここで、電波反射層30を一体化して積層型電波吸収体を構成することもできるが、第1の電波吸収層20と第2の電波吸収層10とで積層型電波吸収体を部品として構成して、使用に際しては前記の積層型電波吸収体を導電性外壁などの電波反射層30として機能する部材に取付けて使用することもできる。
【0016】
第2の電波吸収層10を反射層30側に配置し、第1の電波吸収層20を電波入射側に配置することもできるが、単独の電波吸収特性として2.8〜3.8GHzに反射減衰量のピークを有する第1の電波吸収層20を反射層30側に、単独の電波吸収特性として5〜6GHzと第1の電波吸収層20よりも高周波側に反射減衰量のピークを有する第2の電波吸収層10を、電波入射側に配置した方が、より良好な電波吸収特性を得られる。反射しやすい高周波成分を、反射させることなく電波吸収体中に取り込んで熱エネルギーなどとして消散させる効果が高まるためと考えられる。
【0017】
電波反射層30は金属箔などの導電性材料や、樹脂に導電性材料を分散したもので構成できる。電波反射層30に分散する導電性を有する材料は、例えばカーボン繊維や金属繊維であって、これを可撓性樹脂中に分散させシート状に成形する。電波反射層30は面抵抗値を100kΩ□以下とするのが望ましい。100kΩ□を超えると電波が透過して効率よい吸収ができなくなるからである。
【0018】
電波吸収層10、20に分散する磁性粉は、比重が6.0以上の金属や合金で、例えばFe−Cr−Al系合金、カルボニル鉄合金、アモルファス合金、Fe−Si系合金、モリブデンパーマロイ、スーパーマロイなどが使用できる。
あるいはフェライトなどの金属酸化物でもよい。また、Fe−Cu−Nb−Si−B系からなるナノ結晶化合金から水アトマイズ法により粒形状粉をアトライタにて摩砕することにより製造した扁平形状粉であって、これを可撓性樹脂中に分散させシート状に成形してもよい。
これらの金属磁性粉の表面は、酸化防止剤が施されていることが好ましい。
【0019】
電波吸収層10、20に金属磁性体粉を用いる場合、その分散量は60〜90mass%が好ましい。60mass%未満であると吸収性能が低下し、90mass%を超えると材料代が高価になるばかりでなく、重量が重く、柔軟性、耐久性等が低下し実用上好ましくない。
【0020】
電波吸収層10、20にフェライトを用いる場合、その分散量は65〜92mass%が好ましい。65mass%未満であると吸収性能が低下し、92mass%を超えると生産性が悪くなり、重量が重く、柔軟性、耐久性等が低下し実用上好ましくない。
【0021】
電波吸収層10、20や電波反射層30のバインダとして用いる樹脂やゴムは、柔軟性があり、比重が1.5以下であり、耐候性を有する例えばアクリル樹脂、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂等である。
【0022】
電波反射層30、電波吸収層10、20の層厚さは、それぞれ0.5〜5mmが好ましい。0.5mm未満であると、吸収性能が低下し、5mmを超えると積層した場合の材料代が高価になるばかりでなく、重量が重く、柔軟性が低下し実用上好ましくない。
また積層した全体の厚さは3〜8mmとすることが好ましい。3mm未満であると、吸収性能が低下し、8mmを超えると積層した場合の材料代が高価になるばかりでなく、重量が重く、柔軟性が低下し実用上好ましくない。
【0023】
図2は、本発明に係る別の実施形態を示す断面図である。電波入射側から、誘電率が5〜20で厚さが2mm以下の第1吸収層40と、誘電率が5以下で厚さが2〜10mmの第2吸収層50と、磁性体層からなる第3吸収層70と、反射層80とを有し、反射減衰量のピークに双峰性特性を呈する積層型電波吸収体である。
【0024】
図2に示す実施形態では、第1吸収層40は、反射率が30〜95%の範囲内にあることが好ましく、例えば樹脂にカーボンや金属繊維を混合したものなどが使用できる。第2吸収層50は、例えば発泡ウレタンやスチレンなどを用いることができ、空気層としてもよい。第3吸収層70は、前述の電波吸収層10,20と同じ材質を用いることが出来る。
【0025】
第1吸収層40において所定範囲内の反射率を有する材料を用いる理由は、入射電波に対して、第1吸収層40で反射した電波と透過して下の層で反射した電波が逆位相となって相殺し吸収される効果を利用するためである。
第1吸収層40における反射率を30〜95%に限定する理由を説明する。反射率が30%未満だと反射した電波との相殺効果が減少し、反射率が95%を超えると電波が積層型電波吸収体に入射せず電波吸収体として利用できないからである。
【0026】
第1吸収層40の誘電率を5〜20、厚さを2mm以下とした理由、第2吸収層50の誘電率を5以下、厚さを2〜10mmとした理由は共に、この範囲外の組合せだとITS,ETC,DSRCと無線LANの両方を満足する所望の双峰性特性が得られなくなるからである。
【0027】
図3は、本発明に係る更に別の実施形態を示す断面図である。電波入射側から、誘電率が5〜20で厚さが2mm以下の第1層61と、誘電率が5以下で厚さが2〜10mmの第2層62と、誘電率が10以下で厚さが2mm以下の第3層63と、磁性体層からなる第4層64と、反射層80とを有し、反射減衰量のピークに双峰性特性を呈する積層型電波吸収体である。
【0028】
図3に示す実施形態では、第1層61は、反射率が30〜95%の範囲内にあることが好ましく、例えば樹脂にカーボンや金属繊維を混合したものなどが使用できる。第2層62は、例えば発泡ウレタンやスチレンなどを用いることができ、空気層としてもよい。第3層63は、例えば樹脂にカーボンや金属繊維を混合したものなどを用いることができる。第4層64は、前述の電波吸収層10,20において述べたものを用いることが出来る。
【0029】
第1層61の誘電率を5〜20、厚さを2mm以下とした理由、第2層62の誘電率を5以下、厚さを2〜10mmとした理由、第3層63の誘電率を10以下で厚さを2mm以下とした理由は共に、この組合せの範囲外だとITS,ETC,DSRCと無線LANの両方を満足する所望の双峰性特性が得られなくなるからである。
【0030】
本発明の第1,第2,第6手段に係る積層型電波吸収体は導電材料で裏打ちした2層型、本発明の第3,第5,第6手段に係る積層型電波吸収体は導電材料で裏打ちした3層型、本発明の第4,第5,第6手段に係る積層型電波吸収体は導電材料で裏打ちした4層型であり、共に電波吸収の周波数特性に双峰性を有する。
【0031】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0032】
(実施例1)
図1に示す電波反射層30として厚み0.1mmのアルミ箔を用いた。第1の電波吸収層20を、フェライト粉をクロロプレンゴム中に85mass%分散させ1.3mmの厚さにシート化し形成した。反射減衰量のピークが3.5GHzとなるように調製している。
第2の電波吸収層10を、カルボニル鉄粉をクロロプレンゴム中に78mass%分散させ2.5mmの厚さにシート化し形成した。反射減衰量のピークが5.4GHzとなるように調製している。
これら3種類のシートを順次積層し一体化することにより、図1に断面を模式的に示すように、全体の厚さが3.9mmの積層型電波吸収体を形成した。
この積層型電波吸収体の電波吸収性能を、入射角30度のタイムドメイン法で評価した結果、TM波と円偏波の両方に対して、おのおの表1、表2(単位は[dB])に示すように、2.2〜2.8GHz(2.45GHz付近)においてTM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、4.8〜5.5GHz(5.2GHz付近)において、TM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、かつ5.4〜6.2GHz(5.8GHz付近)において、円偏波に対する反射減衰量18dB以上という所望の電波吸収特性が得られた。なお、TM波のみならずTE波、TEM波についても同様に良好であった。
【0033】
【表1】
Figure 0004240363
【0034】
【表2】
Figure 0004240363
【0035】
(比較例1)
電波反射層30は実施例1と同じ厚み0.1mmのアルミ箔を用いた。第1の電波吸収層20を、フェライト粉をクロロプレンゴム中に88mass%分散させ1.3mmの厚さにシート化し形成した。反射減衰量のピークが2.45GHzとなるように調製している。第2の電波吸収層10を、カルボニル鉄粉をクロロプレンゴム中に82mass%分散させ2.5mmの厚さにシート化し形成した。反射減衰量のピークが5.2GHzとなるように調製している。
実施例1と同様に入射角30度のタイムドメイン法で評価した結果、表1、表2に示すように所望の電波吸収特性が得られなかった。
【0036】
(実施例2)
本発明に係る別実施例の断面図を図2に示す。電波反射層80は(実施例1)と同じく厚み0.1mmのアルミ箔を用いた。第1吸収層40は、誘電率が9で厚さ1.5mmであり、カーボン繊維を0.8mass%、クロロプレンゴムに混合したものを用いた。第2吸収層50は、誘電率が1.2で厚さが7mmの発泡スチレンを用いた。第3吸収層70は、厚さが1.5mmでカルボニル鉄粉をクロロプレンゴムに混合したものを用いた。
この積層型広帯域電波吸収体の電波吸収性能を評価した結果、TM波と円偏波の両方に対して、おのおの表3、表4(単位は[dB])に示すように、2.2〜2.8GHz(2.45GHz付近)においてTM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、4.8〜5.5GHz(5.2GHz付近)において、TM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、かつ5.4〜6.2GHz(5.8GHz付近)において、円偏波に対する反射減衰量18dB以上が得られた。なお、TM波のみならずTE波、TEM波についても同様に良好であった。
【0037】
【表3】
Figure 0004240363
【0038】
【表4】
Figure 0004240363
【0039】
(比較例2)
第2層50の厚さを12mmとした以外は(実施例2)と同一条件を用いた。この場合、表3、表4に示すように所望の電波吸収特性が得られなかった。
【0040】
(実施例3)
本発明に係る更に別実施例の断面図を図3に示す。図2を用いて説明した(実施例2)において更に第2層50と第4層70との間に第3層60を介装した。
電波反射層80は(実施例1)と同じく厚み0.1mmのアルミ箔を用いた。第1層61は、誘電率が9で厚さ1mmであり、カーボン繊維を0.8mass%、クロロプレンゴムに混合したものを用いた。第2層62は、誘電率が1.2で厚さが8.5mmの発泡スチレンを用いた。第3層63は、誘電率が9で厚さが1mmであり、カーボン繊維を0.8mass%、クロロプレンゴムに混合したものを用いた。第4層64は、厚さが2mmでカルボニル鉄粉をクロロプレンゴムに混合したものを用いた。
この積層型広帯域電波吸収体の電波吸収性能を評価した結果、TM波と円偏波の両方に対して、おのおの表5、表6(単位は[dB])に示すように、2.2〜2.8GHz(2.45GHz付近)においてTM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、4.8〜5.5GHz(5.2GHz付近)において、TM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、かつ5.4〜6.2GHz(5.8GHz付近)において、円偏波に対する反射減衰量18dB以上が得られた。なお、TM波のみならずTE波、TEM波についても同様に良好であった。
【0041】
【表5】
Figure 0004240363
【0042】
【表6】
Figure 0004240363
【0043】
(比較例3)
第2層62の厚さを12mmに換えた以外は(実施例3)と同じ条件を用いた。この場合、表5、表6に示すように所望の電波吸収特性が得られなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、積層型電波吸収体において単独の電波吸収特性が異なる各層の誘電率、厚さなどの条件を適切に組み合わせることによって双峰性で且つITS,ETC,DSRCと無線LANの両方に有効な反射減衰量を満足できる電波吸収体を提供できる。従って、インテリジェント交通システムに限らず、今後進展が期待されるコンビニエンスストアなどにおける料金収受システムなどITS,ETC,DSRCと無線LANの両方が共存するシステムへの発展に寄与は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の別実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の更に別実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
10:第2の電波吸収層
20:第1の電波吸収層
30:反射層
40:第1吸収層
50:第2吸収層
61:第1層
62:第2層
63:第3層
64:第4層
70:第3吸収層
80:反射層

Claims (6)

  1. 電波吸収特性の異なる複数の電波吸収層を積層した積層型電波吸収体において、単独の電波吸収特性として2.8〜3.8GHzに反射減衰量のピークを有する第1の電波吸収層と、
    単独の電波吸収特性として5〜6GHzに反射減衰量のピークを有する第2の電波吸収層とでなり、
    2.2〜2.8GHzと4.8〜5.5GHzに反射減衰量のピークを有する双峰性特性を呈することを特徴とする積層型電波吸収体。
  2. 前記第1の電波吸収層を反射層側に配置し、
    前記第2の電波吸収層を電波入射側に配置したことを特徴とする請求項1記載の積層型電波吸収体。
  3. 電波入射側から、
    誘電率が5〜20で厚さが2mm以下の第1吸収層と、
    誘電率が5以下で厚さが2〜10mmの第2吸収層と、
    磁性体層からなる第3吸収層と、
    反射層とを有し、
    反射減衰量のピークに双峰性特性を呈する積層型電波吸収体。
  4. 電波入射側から、
    誘電率が5〜20で厚さが2mm以下の第1層と、
    誘電率が5以下で厚さが2〜10mmの第2層と、
    誘電率が10以下で厚さが2mm以下の第3層と、
    磁性体層からなる第4層と、
    反射層とを有し、
    反射減衰量のピークに双峰性特性を呈する積層型電波吸収体。
  5. 2.4〜5.2GHzの入射電波に対して、前記第1層における反射率が30〜95%である請求項3または4記載の積層型電波吸収体。
  6. 2.2〜2.8GHz(2.45GHz付近)においてTM波、TE波、TEM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、4.8〜5.5GHz(5.2GHz付近)において、TM波、TE波、TEM波に対する反射減衰量が18dB以上であり、かつ5.4〜6.2GHz(5.8GHz付近)において、円偏波に対する反射減衰量18dB以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の積層型電波吸収体。
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