JP2002158483A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2002158483A
JP2002158483A JP2000354253A JP2000354253A JP2002158483A JP 2002158483 A JP2002158483 A JP 2002158483A JP 2000354253 A JP2000354253 A JP 2000354253A JP 2000354253 A JP2000354253 A JP 2000354253A JP 2002158483 A JP2002158483 A JP 2002158483A
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JP2000354253A
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Katsumi Okayama
克巳 岡山
Junichi Toyoda
準一 豊田
Yoshihiro Kato
義寛 加藤
Satoshi Sugimoto
諭 杉本
Koichiro Inomata
浩一郎 猪俣
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Sony Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields
    • H05K9/0073Shielding materials
    • H05K9/0081Electromagnetic shielding materials, e.g. EMI, RFI shielding
    • H05K9/0088Electromagnetic shielding materials, e.g. EMI, RFI shielding comprising a plurality of shielding layers; combining different shielding material structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q17/00Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 的確な材料および構造の選定が可能で、高周
波の電磁波に対して吸収性能が高く、より薄型化された
電波吸収体を提供する。 【解決手段】 単層の磁性層における電磁波の入射面に
対する反対面に、導体が固着された構造をなす電波吸収
体において、磁性層の複素比透磁率の実部μ'と虚部μ"
の値が、インピーダンスの不整合領域外でμ"≧mμ'−
n(m:m>0の実数、n:n≧0の実数)を満たすよ
うにする。また、磁性層を含む電波吸収層における電磁
波の入射面に対する反対面に、導体を固着した構造をな
す電波吸収体において、磁性層の複素比透磁率の実部
μ'と虚部μ"の値が、インピーダンスの不整合領域外で
μ"≦mμ'−n(m:m>0の実数、n:n≧0の実
数)を満たすようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インピーダンス整
合型の電波吸収体に関し、特に、高周波の電磁波を吸収
するための薄型の電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の扱う信号の高周波化に
ともない、これらの電子機器が発する不要輻射の問題が
顕著になっている。電子機器からの不要輻射を抑制する
方法としては、回路の設計変更、対策部品の使用等が考
えられるが、これらの方法は、製品スパンの短期間化、
コスト増大等の理由により、ますます困難になりつつあ
る。このため、高い周波数の電磁波に対しても磁気損失
を有する複合軟磁性体をシート化した対策シート等を用
いる方法がとられるようになっている。
【0003】また近年、無線LAN(Local Area Netwo
rk)や高速道路自動課金システム等、高周波電波を用い
る通信システムが開発されているが、これらのための電
波使用機器においては、目的の信号電波以外の電波は妨
害波となるため、発生される妨害波を吸収して通信を円
滑に行うために電波吸収体の開発が要望されている。例
えば、2.45GHz帯域の電磁波は、電子レンジ、携
帯情報端末、無線LAN、Bluetooth等の様々
な電子機器に使用されており、これらの電子機器が相互
に誤動作することなく円滑に通信を行うことが重要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電波吸収体は、入射し
た電波のエネルギーを熱に変換して吸収するが、このエ
ネルギー変換には、電波吸収体の比誘電率の損失項ε"
(複素比誘電率の虚数成分)および比透磁率の損失項
μ"(複素比透磁率の虚数成分)が関係する。このよう
に損失を有する材料に電波が入射した場合、電波のエネ
ルギーは以下に示す式(1)にしたがって熱に変換さ
れ、吸収される。
【0005】
【数1】
【0006】式(1)によれば、損失の大きい材料ほど
電波吸収能力が大きい。しかし、波源からの距離がλ/
6(λ:電磁波の波長)以上となる、比較的遠方の電磁
界における平面波の場合、通常、このような材料に電波
が1度だけ入射した程度では、電波のエネルギーを完全
に吸収して熱に変換することは不可能である。これは、
電波吸収体の前面では、空気と電波吸収体との間でイン
ピーダンスが異なるために、反射するからである。
【0007】このため、平面波を吸収する電波吸収体で
は、電波吸収体の裏面を導体で裏打ちして、この界面に
おける反射波と、電波吸収体の前面における反射波の位
相を制御し、反射波を相殺することによって電波を吸収
する方法がとられている。このような方法による電波吸
収体は、インピーダンス整合型と呼ばれている。通常、
インピーダンス整合型の電波吸収体では、電波のエネル
ギーを99%吸収する値である反射減衰量20dBを目
標にすることが多い。
【0008】1GHz以上の高周波帯域に用いるインピ
ーダンス整合型の電波吸収体では、高い比透磁率と高い
電気抵抗を有することが必要であるが、従来ではこのよ
うな電波吸収体として、例えば、ゴムフェライトが広く
使用され、その他、カルボニル鉄や発泡スチロールカー
ボン等が使用されている。インピーダンス整合型の電波
吸収体では、材料の定数が定まると整合周波数と整合厚
さが決定されるが、2.45GHzの電磁波に対して
は、ゴムフェライト等を使用した場合、厚さが約1cm
となり、従来はこの厚さの電波吸収体が使用されてい
た。しかし、例えば携帯情報端末等の電子機器は小型化
が進んでおり、機器の大きさに占める電波吸収体の大き
さを小さくするには、電波吸収体のさらなる薄型化が必
要であり、比透磁率のより高い材料を用いることで、電
波の吸収性能を維持しながら薄型軽量化がなされた電波
吸収体の開発が望まれている。
【0009】一方、高周波帯域まで高い比透磁率を有す
る材料としては、Coを含む薄膜材料が知られており、
例えば特開平10−241938号公報に開示されてい
る。これによれば、Co−Ni−Al−O薄膜等におい
て、粒径が4〜7nm程度に制御された磁性微粒子とそ
れを取り囲むごく薄いセラミックス膜の粒界との2種類
以上の微細構造からなるグラニュラー構造をとることに
よって、高い透磁率と高い電気抵抗とを両立している。
しかし、この場合はスパッタ装置を用いた薄膜として作
製され、電波吸収体としての実用材料とはなり得なかっ
た。
【0010】また、インピーダンス整合型の電波吸収体
としては、上記の材料による磁性層を含む多層構造をな
す電波吸収体が用いられることもある。例えば、上記の
ように導体で裏打ちされた磁性層の前面に誘電層が形成
された構造等が考えられる。このような多層構造の電波
吸収体は、単層構造のものと比較して、入射面のインピ
ーダンスが空間インピーダンスに近づくことで反射量が
抑制され、反射波の位相の整合が取りやすくなるという
利点を持つ反面、製造コストが上昇してしまうという欠
点を持っている。このため、インピーダンス整合型の電
波吸収体を作製する際は、上記の利点および欠点を考慮
して材料および構造の選定を行う必要があるが、その判
断は容易ではなかった。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、的確な材料および構造の選定が可能で、高
周波の電磁波に対して吸収性能が高く、より薄型化され
た電波吸収体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、インピーダンス整合型の電波吸収体にお
いて、複素比透磁率の実部μ'および虚部μ"の値がイン
ピーダンスの不整合領域外でμ"≧mμ'−n(m:m>
0の実数、n:n≧0の実数)を満たす厚さ1mm以下
の磁性層と、前記磁性層における電磁波の入射面に対す
る反対面に固着された導体と、によって構成されること
を特徴とする電波吸収体が提供される。
【0013】このような電波吸収体では、単層の磁性層
における電磁波の入射面に対する反対面に、導体が固着
された構造をなし、磁性層の複素比透磁率の実部μ'と
虚部μ"の値が、インピーダンスの不整合領域外でμ"≧
mμ'−n(m:m>0の実数、n:n≧0の実数)を
満たすようにすることで、磁性層の厚さが1mm以下の
場合にも、高周波の電磁波に対する良好な吸収特性を示
す。例えば、周波数が2.4〜2.5GHzの電磁波に
対しては、磁性層の比誘電率が15以下のとき、4≦m
≦6、n≦30とした場合に反射減衰量が20dB以上
となり、1.2≦m≦1.5、n≦10とした場合に反
射減衰量が10dB以上となる。また、磁性層の比誘電
率が50以下のとき、4≦m≦6、n≦100とした場
合に反射減衰量が20dB以上となり、1.2≦m≦
1.5、n≦30とした場合に反射減衰量が10dB以
上となる。この磁性層は例えば、粒径が1〜100nm
に制御された微細組織構造を有する磁性材料を粉末状と
して、高分子材料等に分散させて形成される。
【0014】また、本発明では、インピーダンス整合型
の電波吸収体において、複素比透磁率の実部μ'および
虚部μ"の値がインピーダンスの不整合領域外でμ"≦m
μ'−n(m:m>0の実数、n:n≧0の実数)を満
たす磁性層を含む多層構造をなし、厚さ1mm以下であ
る電波吸収層と、前記電波吸収層における電磁波の入射
面に対する反対面に固着された導体と、によって構成さ
れることを特徴とする電波吸収体が提供される。
【0015】このような電波吸収体では、磁性層を含む
電波吸収層における電磁波の入射面に対する反対面に、
導体を固着した構造をなし、磁性層の複素比透磁率の実
部μ'と虚部μ"の値が、インピーダンスの不整合領域外
でμ"≦mμ'−n(m:m>0の実数、n:n≧0の実
数)を満たすようにすることで、磁性層の厚さが1mm
以下の場合にも、高周波の電磁波に対する良好な吸収特
性を示す。例えば、周波数が2.4〜2.5GHzの電
磁波に対しては、磁性層の比誘電率が15以下のとき、
4≦m≦6、n≦30とした場合に反射減衰量が20d
B以上となり、1.2≦m≦1.5、n≦10とした場
合に反射減衰量が10dB以上となる。また、磁性層の
比誘電率が50以下のとき、4≦m≦6、n≦100と
した場合に反射減衰量が20dB以上となり、1.2≦
m≦1.5、n≦30とした場合に反射減衰量が10d
B以上となる。この磁性層は例えば、粒径が1〜100
nmに制御された微細組織構造を有する磁性材料を粉末
状として、高分子材料等に分散させて形成される。ま
た、電波吸収層には、磁性層の他に例えば、セラミック
スを高分子材料に混練して形成された誘電層が形成され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。まず、図1に単層の磁性層によっ
て構成される電波吸収体の構造を示す。
【0017】本発明において提供される電波吸収体は、
磁性層等で構成される電波吸収層の裏面を導体で裏打ち
した構造をなす、インピーダンス整合型の電波吸収体で
ある。このような構造の電波吸収体は、電波吸収層の厚
さを調節し、空間インピーダンスと電波吸収層のインピ
ーダンスとを整合させることで、電波吸収層と導体との
界面における反射波と、電波吸収層の前面における反射
波の位相を制御して、反射波を相殺することによって電
波を吸収する。この電波吸収体は、波源からの距離がλ
/6以上となる、比較的遠方の電磁界における平面波を
吸収する。図1では、インピーダンス整合型の電波吸収
体の1例として、単層の磁性層11と、この磁性層11
における電波の入射方向の反対面に、導体12として金
属板が裏打ちされた構造をなす電波吸収体10を示して
いる。このような単層構造の電波吸収体10は、後述す
る多層構造の電波吸収体と比較して製造工程数を少なく
できるため、製造コストを抑制できるという利点を有す
る。
【0018】一般に、インピーダンス整合型の電波吸収
体では、材料定数を次に示す式(2)を満たすように設
計し、かつ電波吸収層の厚みを制御することによって、
目的の周波数における無反射を実現する。
【0019】
【数2】
【0020】そこで、以下、式(2)を満たすような材
料定数の探索を行う。まず、図2は、図1に示した単層
の電波吸収体10において、磁性層11の厚さを変化さ
せた場合に必要な比透磁率を示すグラフである。
【0021】図2では、例として、2.45GHzの電
磁波に対して、反射減衰量が20dBとなる複素比透磁
率の実部μ'および虚部μ"の値を示している。この2.
45GHzの帯域では、電子レンジ、携帯情報端末、無
線LAN等の様々な電子機器によって使用されており、
これらの電子機器が相互に誤動作することなく円滑に通
信を行うことができるよう要望されている電磁波帯域で
ある。なお、磁性層11の比誘電率はε=1としてい
る。図2において、半楕円状で示された境界の内側が、
上記の条件を満たす整合領域であり、上からそれぞれ厚
さ50μm、100μm、150μm、200μm、2
50μm、300μm、およびそれ以上の場合である。
この図2より、吸収量−20dBを満たすために必要な
磁性層11の比透磁率は、磁性層11の厚さを薄くする
につれて大きくなることがわかる。なお、図中に示した
点線については後述する。
【0022】次に、図3は、磁性層11の厚さを固定
し、比誘電率εを変化させた場合に必要な比透磁率μを
示すグラフである。図3では、図2と同じく単層の電波
吸収体10を用い、磁性層11の厚さを200μmとし
て比誘電率εを変化させた場合について示し、不整合領
域31の外側において示された円の内部が、2.45G
Hzの電磁波に対して反射減衰量20dBとなる複素比
透磁率の実部μ'および虚部μ"の値を示している。ま
た、このような条件を満たす領域を示す円は、複素比誘
電率の実部ε'の値を15から1000まで変化させ、
さらに各値について虚部ε"の値を変化させ、ε"=0.
5、50、100の場合をそれぞれ実線、破線、点線の
円で示している。
【0023】測定の結果、図中において半円形で示した
不整合領域31の内部は、比誘電率εをどんな値に制御
したとしても、−20dB以上の吸収特性が得られない
領域となり、この不整合領域31に含まれる複素比透磁
率の実部μ'および虚部μ"の値をとる材料を用いたとし
ても、条件を満たす良好な電波吸収体を作製することは
できない。また、上記の吸収特性を得るためには、比誘
電率が高くなるにしたがって必要な比透磁率の値は低下
することがわかる。例えば図3より、磁性層11として
比誘電率が300程度の磁性材料を用いれば、厚さ20
0μmの薄型電波吸収体を作製するのに必要な複素比透
磁率はμ=60−40j程度でよいことがわかる。
【0024】本発明においては、上記の不整合領域内の
比透磁率を示す磁性材料を用いると良好な電波吸収体が
作製できないことから、次にこの不整合領域の境界につ
いて検討することにする。図4は、磁性層11の厚さを
変化させた場合に必要な比透磁率μを示すグラフであ
る。
【0025】図4では、同様に単層の電波吸収体10を
用い、ターゲットの電磁波の周波数を2.45GHzと
し、磁性層11の厚さを100〜300μmの範囲で変
化させた場合に、−20dB以上の吸収が得られない不
整合領域の境界がどのように変化するかを示している。
この結果、磁性層11の各厚さにおいて、図3で得られ
たものと同様の形状である半楕円状の不整合領域が得ら
れた。この図4より、磁性層11の厚さが薄くなるほど
不整合領域は大きくなり、大きな比透磁率が要求される
ということがわかる。
【0026】また、図5は、磁性層11の厚さを固定
し、ターゲットの電磁波の周波数を変化させた場合に必
要な比透磁率μを示すグラフである。図5では、同様に
単層の電波吸収体10を用い、磁性層11の厚さを20
0μmに固定し、ターゲットの電磁波の周波数を2〜3
GHzの範囲で変化させた場合に、−20dB以上の吸
収特性が得られない不整合領域の境界がどのように変化
するかを示している。この結果、各周波数の電磁波に対
して、図3で得られたものと同様の形状である半楕円状
の不整合領域が得られた。この図5より、ターゲットの
電磁波に対して良好な吸収特性を得るには、周波数が低
いほど高い比透磁率が要求されることがわかる。
【0027】以上の結果、磁性層11の厚さが1mm以
下となる薄型の単層構造の電波吸収体10を構成するた
めには、図3および図4に示したような不整合領域を計
算し、比透磁率の値が不整合領域の外側の値をとるよう
な材料を用いて設計する必要があるという指針が得られ
る。
【0028】次に、上記の吸収性能を有する薄型の電波
吸収体として、電波吸収層が磁性層を含む多層構造とな
っているものについての検討を行う。まず、この1例と
して、図6に、多層構造の電波吸収層によって構成され
る電波吸収体の構造を示す。
【0029】図6に示す電波吸収体20は、電波吸収層
として電磁波の入射面側から、誘電材料を用いた誘電層
21および磁性層22が積層され、これに導体23が裏
打ちされた構造となっている。この電波吸収体20で
は、裏打ちされた導体23側に比透磁率の高い磁性層2
2を設け、電磁波の入射面側に誘電層21を設けること
によって、入射面のインピーダンスを空間インピーダン
スに近づけて反射量が抑制され、反射波の位相の整合が
とりやすくなっている。なお、多層構造の電波吸収体の
構造は、これに限ったものではなく、磁性層あるいは誘
電層が複数設けられる等の構造でも可能である。
【0030】次に、図7は、図6に示した多層構造の電
波吸収体20において、誘電層21の比誘電率および厚
さを変化させた場合に必要な比透磁率μを示すグラフで
ある。図7では、電波吸収体20において、誘電層21
と磁性層22を加えた厚さが200μmとなるように保
ち、磁性層22の複素比誘電率の実部ε'および虚部ε"
の値がそれぞれ15、0.5で、誘電層21の複素比透
磁率の実部μ'と虚部μ"の値がそれぞれ1、0、複素比
誘電率の虚部ε"=0とし、誘電層21の複素比誘電率
の実部ε'および厚さd2を変化させたときに、−20
dB以上の吸収が得られる比透磁率の領域が円によって
示されている。図7によると、左下に示された半円状の
範囲は、この範囲でどのような比透磁率の値をとっても
上記の吸収特性を得ることができない不整合領域71と
なり、その外側においては、誘電層21の比誘電率の値
や厚さを変化させることにより、さまざまな比透磁率の
値の磁性層22を用いることが可能であることがわか
る。
【0031】以上の検討結果に基づいて使用する材料を
選定することにより、本発明の電波吸収体が実現され
る。前述の通り、本発明の電波吸収体としては、電波吸
収層が磁性層のみの単層構造をとるものと、磁性層を含
む多層構造をとるものの2通りの実現方法が考えられる
が、単層構造の場合は、複数の層を貼り合わせる多層構
造と比較して製造工程数を少なくすることができ、また
厚さの制御が容易なことから、製造コストを抑制するこ
とができる利点がある。そこで、電波吸収体の最適な設
計を行うためには、どのような条件が必要となるかにつ
いて検討する。
【0032】図8は、磁性層の比透磁率に対する材料の
最適な選定条件を示すグラフである。図8では1例とし
て、ターゲットの電磁波の周波数を2.45GHzと
し、電波吸収層の厚さを200μm以下としたときに、
−20dB以上の吸収が得られる領域を示している。左
下に示された半楕円状の範囲は不整合領域81で、磁性
層の比透磁率がこの領域内の場合には、単層構造および
多層構造ともに良好な吸収性能を得ることができない。
【0033】ここで、図2を参照すると、単層構造の場
合、−20dBの吸収特性が得られる比透磁率の領域
は、磁性層の厚さが薄くなるにつれて減少していくが、
その領域は図中において、原点を通りある傾きとなる線
より複素比透磁率の虚部μ"の値が大きい領域、すなわ
ちμ"≧mμ'−n(m:m>0の実数、n≧0の実数)
を満たす領域内に存在しており、図2の条件の場合、m
の値は約5、nの値は約0である。したがって、単層構
造の電波吸収体が、高周波帯域において、ある周波数の
電磁波に対して良好な吸収特性を有するためには、磁性
層の複素比透磁率の実部μ'および虚部μ"の値にμ"≧
mμ'−nという条件を満たさなければならない。一
方、図7を参照すると、多層構造の場合、誘電層の比誘
電率や厚さを制御することによって、磁性層の比透磁率
は基本的に、不整合領域81を除くほぼ全領域の値をと
ることが可能である。
【0034】以上のことから、図8に示すように、不整
合領域81を除く領域において、良好な吸収特性を得ら
れる電波吸収体が作製可能となるためには、磁性層の複
素比透磁率を用いて、μ"=mμ'−n(m:>0の実
数、n:n≧0の実数)を示す直線を設計の判断基準と
することができ、μ"≧mμ'−nの領域では単層構造の
電波吸収体を作製するようにし、これ以外の領域では多
層構造の電波吸収体を作製するのが有利であると判断す
ることができる。そこで次に、上式のmおよびnの値に
ついて検証することにする。
【0035】まず、単層構造の電波吸収体において−2
0dBの吸収特性を得るための、磁性層の材料選定の指
針について検証する。図9は、磁性層の比誘電率εが1
5の場合における整合領域を示す図である。また図10
は、比誘電率εが50の場合における整合領域を示す図
である。以下、図2、図9および図10を用いて、−2
0dBの吸収特性を満たすmおよびnの値を検証する。
【0036】図2、図9および図10では、ターゲット
の電磁波の周波数を2.45GHzとし、磁性層の厚さ
dを変化させた場合に−20dBの吸収特性が得られる
整合領域を、磁性層の比誘電率εの値ごとに示してい
る。磁性層の比誘電率εの値は、図2で1、図9で1
5、図10で50としており、各図において、磁性層の
厚さdが50μm、100μm、200μm、250μ
m、300μm、およびそれ以上の場合の整合領域が、
ほぼ楕円形の線内として示されている。
【0037】図9および図10では、前述した図2の場
合と同様に、吸収量−20dBを満たすために必要な磁
性層の比透磁率εが、厚さdを薄くするにつれて大きく
なっており、その整合領域は各図において、ある傾きを
有する直線の左側に現れている。このような直線を、図
2、図9および図10では直線L1、L2およびL3と
して点線で示している。各直線L1、L2およびL3を
μ"=mμ'−nとして表すと、比誘電率εが1の場合
は、図2よりm=5、n=0、比誘電率εが15の場合
は、図9よりm=4.3、n=25、比誘電率εが50
の場合は、図10よりm=5.1、n=75となってい
る。
【0038】以上の結果より、単層構造のインピーダン
ス整合型の電波吸収体において、ターゲットの周波数
2.4〜2.5GHzの電磁波に対して20dB以上の
反射減衰量を得るための指針は、磁性層の材料の複素比
透磁率の実部μ'および虚部μ"の関係がμ"≧mμ'−n
で、磁性層の比誘電率εが15以下の場合、4≦m≦
6、n≦30とし、また、磁性層の比誘電率εが50以
下の場合、4≦m≦6、n≦100という値を目安とす
ることができる。このように、磁性層の比誘電率εの値
が増加すると、傾きであるmの値は大きく変化しない
が、原点からの距離であるnの値は次第に増加してい
き、整合可能な領域が大きくなる。また、上記の指針に
よって、電子レンジ、携帯情報端末、無線LAN等の多
くの電子機器によって使用される2.45GHzの周波
数帯における不要な電波に対して、−20dB以上の吸
収特性を有し、厚さ1mm以下の薄型電波吸収体の設計
条件を得ることが可能となる。
【0039】また、一般に−10dB以上となれば電波
吸収体としての効果が認められることになることから、
次に、上記と同様な電波吸収体において、−10dB以
上の吸収特性を得るための磁性層の材料選定の指針につ
いて検証する。図11は、磁性層の比誘電率εが15の
場合における整合領域を示す図である。また図12は、
比誘電率εが50の場合における整合領域を示す図であ
る。さらに図13は、比誘電率εが50の場合における
整合領域を示す図である。以下、図11、図12および
図13を用いて、−10dBの吸収特性を満たすmおよ
びnの値を検証する。
【0040】図11、図12および図13では、−20
dBの吸収特性を目標とする場合と同様に、吸収量−1
0dBを満たすために必要な磁性層の比透磁率μが、厚
さdを薄くするにつれて大きくなっており、その整合領
域は各図において、ある傾きを有する直線の左側に現れ
ている。このような直線を、図11、図12および図1
3では直線L4、L5およびL6として点線で示してい
る。各直線L4、L5およびL6をμ"=mμ'−nとし
て表すと、比誘電率εが1の場合は、図11よりm=
1.4、n=0、比誘電率εが15の場合は、図12よ
りm=1.3、n=5、比誘電率εが50の場合は、図
13よりm=1.4、n=25となっている。
【0041】以上の結果より、単層構造のインピーダン
ス整合型の電波吸収体において、ターゲットの周波数
2.4〜2.5GHzの電磁波に対して10dB以上の
反射減衰量を得るための指針は、磁性層の材料の複素比
透磁率の実部μ'および虚部μ"の関係がμ"≧mμ'−n
で、磁性層の比誘電率εが15以下の場合、1.2≦m
≦1.5、n≦10とし、また、磁性層の比誘電率εが
50以下の場合、1.3≦m≦1.5、n≦30という
値を目安とすることができる。このように、磁性層の比
誘電率εの値が増加すると、mの値に大きな変化はない
が、nの値は次第に増加し、整合可能な領域が大きくな
っていく。また、−10dBのように目的とする吸収特
性のレベルを下げて設計を行う場合には、mの値が減少
することにより、炭層構造の電波吸収体による整合領域
が拡大し、設計に対する許容値は大きくなる。
【0042】次に、以上の設計条件に基づいて実現され
る電波吸収体の具体例について説明する。ここでは、
2.45GHz帯域の電磁波に対して−20dBの吸収
特性を示し、厚さが1mm以下となることを目的とす
る。
【0043】まず、磁性層に使用する材料は、高周波数
帯域まで高い比透磁率を有することが必要である。高透
磁率を示すためには、一般的に飽和磁束密度が大きいこ
とが必要となるが、このような材料としてFeCo系合
金が知られている。本発明では、このFeCo系合金を
用い、さらに、粒径を1〜100nmに制御した磁性微
粒子と、析出等によってこの磁性微粒子を取り囲む、A
23をはじめとするセラミックス等の高抵抗物質によ
るごく薄い粒界とによって微細な組織形態をなすナノグ
ラニュラー構造を維持することによって、高い透磁率と
高い電気抵抗とを得ることができた。
【0044】このようなFeCo系金属軟磁性体は、例
えば、一般的な高分子材料と複合してシート化すること
により、電波吸収体として用いることが可能となる。こ
の方法では、前述した磁性材料を、ナノグラニュラー構
造を有する粉末材料として用意する。粒子の直径は、粉
末への充填を考慮すると10〜50μmが適当であり、
また、粒界の厚さはスキンデプス以下とすることが望ま
しく、スキンデプスが1μm程度であることから厚さ
0.1〜3μm程度とする。すなわち、アスペクト比で
は最大50/0.1=500で、最小10/3=0.3
程度となる。このような粉末材料を、体積充填率30〜
60%の割合で高分子材料に分散させ、3本ロールによ
って混練してペースト状の試料を生成し、これをドクタ
ーブレード法によって所定の厚さに調整してシート状に
加工する。高分子材料としては、塩素化ポリエチレン、
ゴム系材料、ABS樹脂、生分解性を有するポリ乳酸等
を用いることができ、また熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂
等を用いて硬化させてもよい。さらに、高分子の代わり
にコンクリートやセラミックス等を用いてもよい。
【0045】このようなシート状材料を用い、第1の実
施例として、図1に示したような単層構造の電波吸収体
を作製した。これによると、磁性層の複素比透磁率の実
部μ'および虚部μ"がそれぞれ5、80の値をとる試料
を得ることができ、磁性層の厚さを従来と比較してはる
かに薄い200μmとして良好な吸収特性を得ることが
できた。図14に、第1の実施例における電波吸収特性
を示す。
【0046】図14に示すように、第1の実施例では、
周波数2.45GHzの周辺帯域において、前面からの
TEM波(Transverse Electric Magnetic wave)に対
して−20dB以上の吸収特性が得られており、これに
よって99%以上の反射減衰率となり、電子レンジ、携
帯情報端末、無線LAN等の多くの電子機器によって使
用される帯域では、不要な電波を効果的に除去すること
ができる。また、一般に電波吸収体としての効果が認め
られることになる−10dB以上の吸収特性について
は、第1の実施例では約2〜3GHzの広帯域におい
て、このような吸収特性が得られている。なお、磁性層
の裏打ち導体にはアルミ箔を用いた。この導体として
は、これ以外にカーボン膜、ITO(酸化インジウムす
ず)膜、および他の金属膜等を用いることが可能で、こ
れらは蒸着膜、スパッタ膜として生成されてもよく、ま
た、この電波吸収体が設置される構造物の金属面が、こ
の裏打ち導体に相当するように構成してもよい。
【0047】次に、上記の材料を用い、第2の実施例と
して図6に示したような、誘電層および磁性層の多層構
造よりなる電波吸収層を有する電波吸収体を作製した。
この第2の実施例では、高分子材料を母材としてBaO
−TiO2系セラミックスを分散させてシート状材料と
して誘電層を生成し、この誘電層と、第1の実施例と同
様の材料を用いた磁性層とを所定の厚さに作製して圧着
し、アルミ箔で裏打ちした。裏打ちした導体としてはア
ルミ箔の他に、第1の実施例と同様に他の材料および製
法を用いてもよい。このような材料を用いることによ
り、誘電層の比誘電率が300、磁性層の比誘電率が1
5、複素比透磁率の実部μ'および虚部μ"の値がそれぞ
れ80、50となる試料を得て、誘電層および磁性層の
厚さをそれぞれ30μm、120μm、合計150μm
としたとき、2.45GHzの電磁波に対して−20d
B以上の吸収特性を得ることができた。
【0048】以上のような電波吸収体は、高周波の電磁
波に対して良好な吸収特性を有するために、従来では厚
さ約1cm以上が必要であったところを、1mm以下と
して実現することが可能となる。このような電波吸収体
を、例えば携帯情報端末等の小型の電子機器に組み込ん
だ場合、薄型化および軽量化がなされ、きわめて有効で
ある。また、上記の生成方法による電波吸収体は、シー
ト状に生成した電波吸収シートの他、電波吸収パネルや
電波吸収筐体に応用することが可能である。例えば、上
述したように、磁性材料を高分子材料に混練させて電波
吸収体を生成する方法では、磁性材料の体積充填率を制
御することにより、ペースト状や液状の試料を生成し、
これをパネル状の物体や、電子機器の筐体等の表面にス
プレー等を用いた塗装を行うことにより、薄型の電波吸
収体を容易に形成することが可能となる。
【0049】なお、磁性層に用いられる磁性材料には上
記の材料に限らず、Fe、Co、Niのうち1つ以上を
含む合金、化合物等の材料、またはMmAl、CnzM
nAl、MnBi等のMnを含む合金のいずれかを用い
てもよい。また、誘電層に用いられる誘電材料として
は、上述したBaO−TiO2系セラミックスの他に、
PbTiO3−PbZrO3系(PZT系)、PbO2
Li23−ZrO2−TiO2系(PLTZ系)、MgT
iO3−CaTiO3系、BaMg1-xTax3系、BZ
1-xTax3系、Ba2TiO2系、Zr1-xSnxTi
4系、BaO−Nd 23−TiO2系、Pb1-xCax
rO3系、PbTiO3−PrZrO3−PbB 1(1-x)
2(x)3系をはじめとするセラミックス等を用いてもよ
い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電波吸収
体では、単層の磁性層における電磁波の入射面に対する
反対面に、導体が固着された構造をなし、磁性層の複素
比透磁率の実部μ'と虚部μ"の値が、インピーダンスの
不整合領域外でμ"≧mμ'−n(m:m>0の実数、
n:n≧0の実数)を満たすようにすることで、磁性層
の厚さが1mm以下の場合にも、高周波の電磁波に対す
る良好な吸収特性を持たせることが可能となる。
【0051】また、本発明の電波吸収体では、磁性層を
含む電波吸収層における電磁波の入射面に対する反対面
に、導体を固着した構造をなし、磁性層の複素比透磁率
の実部μ'と虚部μ"の値が、インピーダンスの不整合領
域外でμ"≦mμ'−n(m:m>0の実数、n:n≧0
の実数)を満たすようにすることで、磁性層の厚さが1
mm以下の場合にも、高周波の電磁波に対する良好な吸
収特性を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層の磁性層によって構成される電波吸収体の
構造を示す図である。
【図2】単層の電波吸収体において、磁性層の厚さを変
化させた場合に必要な比透磁率を示す図である。
【図3】磁性層の厚さを固定し、比誘電率εを変化させ
た場合に必要な比透磁率μを示す図である。
【図4】磁性層の厚さを変化させた場合に必要な比透磁
率μを示す図である。
【図5】磁性層の厚さを固定し、ターゲットの電磁波の
周波数を変化させた場合に必要な比透磁率μを示す図で
ある。
【図6】多層構造の電波吸収層によって構成される電波
吸収体の構造を示す図である。
【図7】多層構造の電波吸収体において、誘電層の比誘
電率および厚さを変化させた場合に必要な比透磁率μを
示す図である。
【図8】磁性層の比透磁率に対する材料の最適な選定条
件を示すグラフである。
【図9】単層構造の電波吸収体において、磁性層の比誘
電率εが15の場合における整合領域を示す図である。
【図10】単層構造の電波吸収体において、磁性層の比
誘電率εが50の場合における整合領域を示す図であ
る。
【図11】単層構造の電波吸収体において、磁性層の比
誘電率εが15の場合における整合領域を示す図であ
る。
【図12】単層構造の電波吸収体において、磁性層の比
誘電率εが50の場合における整合領域を示す図であ
る。
【図13】単層構造の電波吸収体において、磁性層の比
誘電率εが50の場合における整合領域を示す図であ
る。
【図14】第1の実施例における電波吸収特性を示す図
である。
【符号の説明】
10……電波吸収体、11……磁性層、12……導体、
20……電波吸収体、21……誘電層、22……磁性
層、23……導体、L1、L2、L3、L4、L5、L
6……直線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 義寛 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉02 東北大 学大学院工学研究科 (72)発明者 杉本 諭 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉02 東北大 学大学院工学研究科 (72)発明者 猪俣 浩一郎 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉02 東北大 学大学院工学研究科 Fターム(参考) 5E040 AA11 AA14 AA19 AA20 BB01 BB03 CA13 NN01 5E321 AA04 BB23 BB25 BB33 BB51 BB53 BB60 CC30 GG12 5J020 EA02 EA07 EA10 5K052 BB01 BB21 BB31 DD01 FF36

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インピーダンス整合型の電波吸収体にお
    いて、 複素比透磁率の実部μ'および虚部μ"の値がインピーダ
    ンスの不整合領域外でμ"≧mμ'−n(m:m>0の実
    数、n:n≧0の実数)を満たす厚さ1mm以下の磁性
    層と、 前記磁性層における電磁波の入射面に対する反対面に固
    着された導体と、 によって構成されることを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層の比誘電率が15以下で、周
    波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射減
    衰量が20dB以上となるとき、4≦m≦6、n≦30
    であることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層の比誘電率が50以下で、周
    波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射減
    衰量が20dB以上となるとき、4≦m≦6、n≦10
    0であることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】 前記磁性層の比誘電率が15以下で、周
    波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射減
    衰量が10dB以上となるとき、1.2≦m≦1.5、
    n≦10であることを特徴とする請求項1記載の電波吸
    収体。
  5. 【請求項5】 前記磁性層の比誘電率が50以下で、周
    波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射減
    衰量が10dB以上となるとき、1.2≦m≦1.5、
    n≦30であることを特徴とする請求項1記載の電波吸
    収体。
  6. 【請求項6】 前記磁性層は、粒径が1〜100nmに
    制御された微細組織構造を有する磁性材料を含むことを
    特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  7. 【請求項7】 前記磁性材料は、Fe、Co、Niのう
    ち1つ以上を含む材料、またはMnを含む合金のいずれ
    かを含むことを特徴とする請求項6記載の電波吸収体。
  8. 【請求項8】 前記磁性層は、粉末状の前記磁性材料
    を、高分子材料、コンクリート、セラミックスのいずれ
    かの中に分散させて形成されることを特徴とする請求項
    6記載の電波吸収体。
  9. 【請求項9】 インピーダンス整合型の電波吸収体にお
    いて、 複素比透磁率の実部μ'および虚部μ"の値がインピーダ
    ンスの不整合領域外でμ"≦mμ'−n(m:m>0の実
    数、n:n≧0の実数)を満たす磁性層を含む多層構造
    をなし、厚さ1mm以下である電波吸収層と、 前記電波吸収層における電磁波の入射面に対する反対面
    に固着された導体と、によって構成されることを特徴と
    する電波吸収体。
  10. 【請求項10】 前記磁性層の比誘電率が15以下で、
    周波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射
    減衰量が20dB以上となるとき、4≦m≦6、n≦3
    0であることを特徴とする請求項9記載の電波吸収体。
  11. 【請求項11】 前記磁性層の比誘電率が50以下で、
    周波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射
    減衰量が20dB以上となるとき、4≦m≦6、n≦1
    00であることを特徴とする請求項9記載の電波吸収
    体。
  12. 【請求項12】 前記磁性層の比誘電率が15以下で、
    周波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射
    減衰量が10dB以上となるとき、1.2≦m≦1.
    5、n≦10であることを特徴とする請求項9記載の電
    波吸収体。
  13. 【請求項13】 前記磁性層の比誘電率が50以下で、
    周波数2.4〜2.5GHzの前記電磁波に対する反射
    減衰量が10dB以上となるとき、1.2≦m≦1.
    5、n≦30であることを特徴とする請求項9記載の電
    波吸収体。
  14. 【請求項14】 前記磁性層は、粒径が1〜100nm
    に制御された微細組織構造を有する磁性材料を含むこと
    を特徴とする請求項9記載の電波吸収体。
  15. 【請求項15】 前記磁性材料は、Fe、Co、Niの
    うち1つ以上を含む材料、またはMnを含む合金のいず
    れかを含むことを特徴とする請求項14記載の電波吸収
    体。
  16. 【請求項16】 前記磁性層は、粉末状の前記磁性材料
    を、高分子材料、コンクリート、セラミックスのいずれ
    かの中に分散させて形成されることを特徴とする請求項
    14記載の電波吸収体。
  17. 【請求項17】 前記電波吸収層には、誘電材料を含む
    誘電層が形成されたことを特徴とする請求項9記載の電
    波吸収体。
  18. 【請求項18】 前記誘電層は、前記誘電材料としてB
    aO−TiO2系、PZT系、PLTZ系、MgTiO3
    −CaTiO3系、BaMg1-xTax3系、BZn1-x
    Tax3系、Ba2TiO2系、Zr1-xSnxTiO
    4系、BaO−Nd23−TiO2系、Pb1-xCaxZr
    3系およびPbTiO3−PrZrO3−PbB1(1-x)
    2(x)3系のいずれかのセラミックスを、高分子材料
    に混練して形成されることを特徴とする請求項17記載
    の電波吸収体。
  19. 【請求項19】 請求項1または9記載の電波吸収体に
    よって構成されることを特徴とする電波吸収シート。
  20. 【請求項20】 請求項1または9記載の電波吸収体に
    よって構成されることを特徴とする電波吸収パネル。
  21. 【請求項21】 請求項1または9記載の電波吸収体に
    よって構成されることを特徴とする電波吸収筐体。
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