JP2000307287A - 電磁干渉抑制体 - Google Patents

電磁干渉抑制体

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JP2000307287A
JP2000307287A JP11114876A JP11487699A JP2000307287A JP 2000307287 A JP2000307287 A JP 2000307287A JP 11114876 A JP11114876 A JP 11114876A JP 11487699 A JP11487699 A JP 11487699A JP 2000307287 A JP2000307287 A JP 2000307287A
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Japan
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electromagnetic interference
soft magnetic
interference suppressor
conductive
sample
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JP11114876A
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English (en)
Inventor
Yoshio Awakura
由夫 粟倉
栄▲吉▼ ▲吉▼田
Eikichi Yoshida
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を付与された電磁干渉抑制体を提供す
ることにある。 【解決手段】 電磁波ノイズを抑止する電磁干渉抑制体
において,軟磁性粉末3と有機結合剤4とを含む複合磁
性体に,抗菌剤を含むマイクロカプセル12を含有した
樹脂21を塗布して抗菌層20を形成して抗菌性を付与
した。また,複合磁性体中に抗菌剤を含有させることも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,高周波領域におい
て不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制する
ために用いられる電磁干渉抑制体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,デジタル電子機器をはじめ高周波
を利用する電子機器類が普及しており,中でも準マイク
ロ波帯域を使用する通信機器類の普及がめざましい。例
えば,携帯電話に代表される移動体通信機器は,特に小
型化・軽量化の要求が顕著であり,高密度実装化が最大
の課題となっている。
【0003】したがって,過密に実装された電子部品類
やプリント配線には,信号処理速度の高速化も図られて
いるため,静電及び電磁結合による線間結合の増大化や
放射ノイズによる干渉などが生じ,電子機器類の正常な
動作を妨げる事態が少なからず生じている。このような
電子機器への悪影響は,いわゆる電磁波障害と呼ばれ
る。
【0004】従来,電磁波障害に対し,回路にローパス
フィルタを挿人したり,問題となる回路を遠ざけたり,
或いはシールディングを行うなどの手段を講じて電磁波
障害の原因となる電磁結合,不要輻射ノイズを抑制して
いる。また,能動素子自身を樹脂で封止した後に,導電
ペーストなどでシールドして不要輻射に対して能動素子
を遮蔽するという方策が考えられている。しかしなが
ら,従来の電磁波障害に対する対策は種々の欠点を備え
ており,必ずしも実用的ではなかった。
【0005】この欠点を解決するものとして,特開平7
−212079号公報(従来技術1と呼ぶ)に開示され
た複合磁性体及び電磁干渉抑制体がある。この電磁干渉
抑制体は,軟磁性粉末と有機結合剤とを含む複合磁性体
からなり,電磁波の透過に対しては,導電性のシールド
材と同等の遮蔽効果をもち,電磁波の反射に対しては,
少なくとも反射による電磁結合を助長させることがな
く,また,フィルタ等を用いる代わりに,電子装置その
ものを改良して,容易に配線基板から外部へ放射するノ
イズや配線基板内部での部品間の相互干渉や信号線間の
電磁誘導による誤動作を抑制することができるという利
点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで,前述した電
磁干渉抑制体を構成する複合磁性体に含有される有機結
合剤の選択によっては,細菌又はカビ等によって劣化や
変色し,電磁干渉抑制体の機能を損ね,寿命を短くする
というような欠点がある。
【0007】また,電磁干渉抑制体を使用する用途にお
いて,衛生性が必要とされるものがある。
【0008】従って,抗菌性を付与した電磁干渉抑制体
によって,携帯移動電話等や電話器等,その他,スイッ
チやリモートコントロール部品等の人の手に接触する部
位に用いる電子機器や衛生性が必要とされる部位に使用
することによって,電子機器そのものの寿命を延ばし,
使用部位の拡大を図り,電磁干渉抑制体の需要を増大す
ることができる。
【0009】それゆえに,本発明の技術的課題は,抗菌
性を付与された電磁干渉抑制体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,軟磁性
粉末と有機結合剤とを含む複合磁性体を用い,電磁波ノ
イズを抑止する電磁干渉抑制体において,前記複合磁性
体に抗菌性を付与したことを特徴とする電磁干渉抑制体
が得られる。
【0011】また,本発明によれば,前記電磁干渉抑制
体において,前記抗菌性は,前記複合磁性体の表面に形
成された抗菌層によって呈され,前記抗菌層は抗菌剤を
含むマイクロカプセルを合成樹脂にて固定したものから
実質的になることを特徴とする電磁干渉抑制体が得られ
る。
【0012】また,本発明によれば,前記電磁干渉抑制
体において,前記抗菌性は,前記複合磁性体の内部に含
有された抗菌剤によって呈されることを特徴とする電磁
干渉抑制体が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て,図面を参照して説明する。
【0014】図1は本発明の第1の実施の形態による電
磁干渉抑制体を示す断面図である。図1を参照すると,
本発明の第1の実施の形態による電磁干渉抑制体100
は,導電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性軟磁
性支持体)1と,この導電性支持体1の少なくとも一方
面(図1では両面)に設けられている絶縁性軟磁性体層
2とを有する点では,従来技術と同様である。
【0015】本発明の実施の形態による電磁干渉抑制体
100は,更に,表面に抗菌剤を含むマイクロカプセル
21を含有する合成樹脂22を塗布又は印刷形成した抗
菌層20を有する点で,従来技術によるものとは異な
る。
【0016】この電磁干渉抑制体100において,絶縁
性軟磁性体層2は扁平状または針状のうちの一方の形状
を呈する軟磁性体粉末3と,軟磁性体粉末3が均一に分
散されている有機結合剤4とを含む。
【0017】また,電磁干渉抑制体100において,導
電性支持体1を構成要素とする場合には,例えば,導電
性支持体1を導電体板,網目状導電体板,もしくは導電
性繊維の織物のうちの一つを選択して用いる。また,導
電性軟磁性支持体1を構成要素とする場合には,導電性
軟磁性支持体1を軟磁性金属板,網目状軟磁性金属板,
もしくは軟磁性金属繊維の織物のうちの一つを選択して
用いる。
【0018】図2は本発明の第2の実施の形態による電
磁干渉抑制体を示す断面図である。図2に示すように,
電磁干渉抑制体100は,導電性支持体(もしくは軟磁
性を有する導電性軟磁性支持体)1が,絶縁基材5とこ
の絶縁基材5の少なくとも一方の面に蒸着成膜された導
電性薄膜6とを含む。図2では,絶縁基材5の両面に蒸
着成膜された導電性薄膜6を例として示したが,絶縁基
材5の一方面に導電性薄膜6を蒸着成膜してもよい。な
お,導電性薄膜6上には,図1に示した絶縁性軟磁性体
層2と同様な絶縁性軟磁性体層2が設けられ,その表面
に夫々抗菌層20を有しているものである。
【0019】第3実施の形態の電磁干渉抑制体100を
図2に基ずき説明すると,電磁干渉抑制体100は,導
電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性軟磁性支持
体)1が,絶縁基材5とこの絶縁基材5の少なくとも一
方面に蒸看成膜された軟磁性金属薄膜7とを含む。図2
では,絶縁基材5の両面に蒸着成膜された軟磁性金属薄
膜7を例として示したが,絶縁基材5の一方面に軟磁性
金属薄膜7を蒸着成膜してもよい。なお,軟磁性金属薄
膜7上には,図1に示した絶縁性軟磁性体層2と同様な
絶縁性軟磁性体層2及び芳香層20を有しているもので
ある。
【0020】図3は本発明の第4の実施の形態による電
磁干渉抑制体100を示す断面図である。図3を参照す
ると,本発明の第4の実施の形態による電磁干渉抑制体
100は,導電性支持体1が導電性粉末8と有機結合剤
4とからなる。この導電性支持体1の少なくとも一方面
には,図1で示した絶縁性軟磁性体層2と同様な絶縁性
軟磁性体層と抗菌層20が設けられる。
【0021】図4は本発明の第5の実施の形態による電
磁干渉抑制体100を示す断面図である。図4に示すよ
うに,導電性支持体1が,絶縁基材5とこの絶縁基材5
の少なくとも一方の面上に設けられた導電体層9と,そ
の上に設けられた抗菌層20を有している。この導電性
支持体1の導電体9と他の面には,図1で示した絶縁性
軟磁性体層2と同様な絶縁性軟磁性体層が設けられる。
尚,導電体9上に,絶縁性軟磁性体層2と同様な絶縁性
軟磁性体層を設けた後,抗菌層20を絶縁基板面又は絶
縁性軟磁性体層の上に設けても良い。
【0022】図5及び図6は,第6及び第7の実施の形
態による電磁干渉抑制体100を夫々示す断面図であ
る。図5及び図6に示すように,電磁干渉抑制体100
は,導電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性軟磁
性支持体)1と,導電性支持体1の少なくとも一方面に
設けられた絶縁性軟磁性体層2と,絶縁性軟磁性体層2
の少なくとも一方面に設けられた誘電体層10と,その
上に設けられた抗菌層20を有している。
【0023】絶縁性軟磁性体層2は偏平状もしくは針状
を呈する軟磁性体粉末3と有機結合剤4とを含む。誘電
体層10は,誘電体粉末11と有機結合剤4とを含む。
即ち,図5に示す第6の実施の形態による電磁干渉抑制
体100は,導電性支持体1と誘電体層10との間に絶
縁性軟磁性体層2が介在されている。
【0024】図6は第7の実施の形態による電磁干渉抑
制体100を示す断面図である。図6に示す第7の実施
の形態による電磁干渉抑制体100は,導電性支持体1
と絶縁性軟磁性体層2との間に誘電体層10が介在され
ている。絶縁性軟磁性体層2の外側には,抗菌層20が
設けられている。
【0025】図7は,本発明の第8の実施の形態による
電磁干渉抑制体100を示す図である。図7に示すよう
に,第8の実施の形態による電磁干渉抑制体100は,
導電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性軟磁性支
持体)1と,この導電性支持体1の少なくとも一方面に
設けられた絶縁性軟磁性体層2と,その上に設けられた
抗菌層20を有している。絶縁性軟磁性体層2は,偏平
状もしくは針状を呈する軟磁性体粉末3,誘電体粉末1
1,及び有機結合剤4を含む。
【0026】上記各実施の形態において,導電性支持体
1としては,導電体板,網目状導電体板,もしくは導電
性繊維の織物のうちのーつを選択して使用できる。ま
た,導電性軟磁性支持体としては,軟磁性金属板,網目
状軟磁性金属仮,もしくは軟磁性金属繊維の織物のうち
の一つを選択して使用できる。
【0027】導電性支持体1の具体的な例としては,銅
薄板,ステンレス薄板,アルミニウム薄板等の金属薄
板,及びそれらに微細な穴開け加工を施した,いわゆる
パンチングメタル,或いは薄.仮に微細な切れ目を施し
た後に,延伸加工した,いわゆるエキスバンドメタル,
或いは細線状の導体を網目状に加工した金網などであ
る。
【0028】また,導電性軟磁性支持体1の具体的な例
としては,同様の形態にて材質のみが軟磁性を呈するパ
ーマロイ或いは鉄−珪素鋼等に代えればよい。この場
合,比較的低い周波数での高い電磁干渉抑制効果を期待
できる。いずれにしても,用途に応じて選択するのが望
ましい。
【0029】軟磁性体粉末3としては,高周波透磁率の
大きな鉄アルミ珪素合金(センダスト),鉄ニッケル合
金(パーマロイ)をその代表的素材として挙げることか
できる。軟磁性体粉末3は,微細粉末化され表面部分を
酸化して使用される。なお,軟磁性体粉末Bのアスペク
ト比は十分に大きい(おおよそ5:1以上)ことか望ま
しい。
【0030】有機結合剤4としては,ポリエステル系樹
脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,ポリビニルブチラール樹
脂,ポリウレタン樹脂,セルロース系樹脂,ニトリル−
ブタジエン系ゴム,スチレン−ブタジエン系ゴム等の熱
可塑性樹脂或いはそれらの共重合体,エポキシ樹脂,フ
ェノール樹脂,アミド系樹脂,イミド系樹脂等の熱硬化
性樹脂等を挙げることができる。
【0031】また,絶縁基材5として例えば,ポリイミ
ド基材等の片面もしくは両面に金属,磁性金属,導電性
カーボン,有機導電体等をスパッタ法,真空蒸看法,化
学蒸着(CVD)法等の蒸着法により成膜した導電性基
材もしくは導電性磁性基材も本発明に用いる導電性支持
体として用いることができる。
【0032】また銀粉,銅粉等の金属微粉末もしくは導
電性カーボンブラック,導電性酸化チタン等を有機結合
剤4とともに混練,分散しこれをシート化したもの,或
いは直接シート化せずにポリイミド基材等の絶縁基材5
の片面もしくは両面にドクターブレード法,グラビアコ
ート法或いはリバースコート法等の手段により成膜した
ものを導電性支持体(もしくは導電性軟磁性支持体)1
として使用できる。
【0033】さらに,第6の実施の形態で述べた本発明
のもう一つの構成要素である誘電体層10,もしくは絶
縁性軟磁性体層2に用いる誘電体粉末11としては,高
周波領域での誘電率が大ぎく,かつ誘電率の周波数特性
が比較的平坦なものが好ましい。一例として,チタン酸
バリウム系セラミック,チタン酸ジルコン酸系セラミッ
ク,チ夕ン酸ジルコン酸系セラミック,鉛ペロブスカイ
ト系セラミック等を挙げることができる。
【0034】また,抗菌層20を構成するマイクロカプ
セル21とこれらを含有する合成樹脂からなる。マイク
ロカプセル21は,特開平8−299422号公報に示
されているように,揮散性を有する抗菌剤のシクロデキ
ストリン包接化合物からなるか,あるいは,揮散性を有
する抗菌剤のシクロデキストリン包接化合物とACPと
からなる。このマイクロカプセルに用いられる抗菌剤と
しては,イソチオシアニン酸アリル,ヒノキチオール,
ヒバオイル,月桃オイル,ペニーローヤル,レモングラ
ス,レモン,スパイクラベンダー,ナツメグ,オレガ
ノ,セージ,ジンジャー,セーボリー,タイム,オール
スパイス,シダーウッド,シナモンバーク,クローブバ
ッズ,カユブテ,パイン,ティートゥリー,テルペン類
などが挙げられる。
【0035】これらのマイクロカプセル21は,高分子
樹脂,例えば,紫外線硬化性樹脂に含有させて,電磁干
渉抑制表面に塗布または印刷され,硬化させることによ
って,抗菌層20が形成される。
【0036】図8は本発明の第9の実施の形態による電
磁干渉抑制体を示す断面図である。図8を参照すると,
本発明の第9の実施の形態による電磁干渉抑制体100
は,導電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性軟磁
性支持体)1と,この導電性支持体1の少なくとも一方
面(図1では両面)に設けられている絶縁性軟磁性体層
25とを有する点では,従来技術と同様である。しか
し,本発明の第9の実施の形態による電磁干渉抑制体1
00は,絶縁軟磁性体層2中に抗菌剤30を含んだ絶縁
軟磁性体層25を構成している点で,従来技術によるも
のとは異なる。
【0037】この電磁干渉抑制体100において,絶縁
性軟磁性体層25は,扁平状または針状のうちの一方の
形状を呈する軟磁性体粉末3と,軟磁性体粉末3が均一
に分散されている有機結合剤4と,抗菌剤30とを含
む。
【0038】また,電磁干渉抑制体100において,導
電性支持体1を構成要素とする場合には,例えば,導電
性支持体1を導電体板,網目状導電体板,もしくは導電
性繊維の織物のうちの一つを選択して用いる。また,導
電性軟磁性支持体1を構成要素とする場合には,導電性
軟磁性支持体1を軟磁性金属板,網目状軟磁性金属板,
もしくは軟磁性金属繊維の織物のうちの一つを選択して
用いる。
【0039】図9は本発明の第10の実施の形態による
電磁干渉抑制体を示す断面図である。図9に示すよう
に,電磁干渉抑制体100は,導電性支持体(もしくは
軟磁性を有する導電性軟磁性支持体)1が,絶縁基材5
とこの絶縁基材5の少なくとも一方の面に蒸着成膜され
た導電性薄膜6とを含む。図9では,絶縁基材5の両面
に蒸着成膜された導電性薄膜6を例として示したが,絶
縁基材5の一方面に導電性薄膜6を蒸着成膜してもよ
い。なお,導電性薄膜6上には,図8に示した絶縁性軟
磁性体層25と同様な絶縁性軟磁性体層25が設けら
れ,その夫々抗菌性が付与されているものである。
【0040】第11の実施の形態の電磁干渉抑制体10
0を図9に基ずき説明すると,電磁干渉抑制体100
は,導電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性軟磁
性支持体)1が,絶縁基材5とこの絶縁基材5の少なく
とも一方面に蒸看成膜された軟磁性金属薄膜7とを含
む。図9では,絶縁基材5の両面に蒸着成膜された軟磁
性金属薄膜7を例として示したが,絶縁基材5の一方面
に軟磁性金属薄膜7を蒸着成膜してもよい。なお,軟磁
性金属薄膜7上には,図8に示した絶縁性軟磁性体層2
5と同様な抗菌剤30を含む絶縁性軟磁性体層25を有
しているものである。
【0041】図10は本発明の第12の実施の形態によ
る電磁干渉抑制体100を示す断面図である。図10を
参照すると,本発明の第12の実施の形態による電磁干
渉抑制体100は,導電性支持体1が導電性粉末8と有
機結合剤4とからなる。この導電性支持体1の少なくと
も一方面には,図8で示した絶縁性軟磁性体層25と同
様な抗菌剤を含む絶縁性軟磁性体層25が設けられる。
【0042】図11は本発明の第13の実施の形態によ
る電磁干渉抑制体100を示す断面図である。図11に
示すように,導電性支持体1が,絶縁基材5とこの絶縁
基材5の少なくとも一方の面上に設けられた導電体層9
とを有している。この導電性支持体1又は導電体9の少
なくとも一方の面には,図8で示した絶縁性軟磁性体層
25と同様な絶縁性軟磁性体層が設けられる。
【0043】図12及び図13は,第14及び第15の
実施の形態による電磁干渉抑制体100を夫々示す断面
図である。図12及び図15に示すように,電磁干渉抑
制体100は,導電性支持体(もしくは軟磁性を有する
導電性軟磁性支持体)1と,導電性支持体1の少なくと
も一方の面に設けられた絶縁性軟磁性体層25と,絶縁
性軟磁性体層25の少なくとも一方の面に設けられた誘
電体層26とを有している。
【0044】絶縁性軟磁性体層25は,偏平状もしくは
針状を呈する軟磁性体粉末3と有機結合剤4と,抗菌剤
30とを含む。誘電体層26は,誘電体粉末11と有機
結合剤4と抗菌剤30とを含む。即ち,図12に示す第
14の実施の形態による電磁干渉抑制体100は,導電
性支持体1と誘電体層26との間に絶縁性軟磁性体層2
5が介在されている。
【0045】図13は第15の実施の形態による電磁干
渉抑制体100を示す断面図である。図13に示す第1
5の実施の形態による電磁干渉抑制体100は,導電性
支持体1と絶縁性軟磁性体層25との間に誘電体層26
が介在されている。
【0046】図14は,本発明の第16の実施の形態に
よる電磁干渉抑制体100を示す図である。図14に示
すように,第16の実施の形態による電磁干渉抑制体1
00は,導電性支持体(もしくは軟磁性を有する導電性
軟磁性支持体)1と,この導電性支持体1の少なくとも
一方面に設けられた絶縁性軟磁性体層25とを有してい
る。絶縁性軟磁性体層25は,偏平状もしくは針状を呈
する軟磁性体粉末3,誘電体粉末11,有機結合剤4,
及び抗菌剤30を含む。
【0047】上記各実施の形態において,導電性支持体
1としては,導電体板,網目状導電体板,もしくは導電
性繊維の織物のうちのーつを選択して使用できる。ま
た,導電性軟磁性支持体としては,軟磁性金属板,網目
状軟磁性金属仮,もしくは軟磁性金属繊維の織物のうち
の一つを選択して使用できる。
【0048】導電性支持体1の具体的な例としては,銅
薄板,ステンレス薄板,アルミニウム薄板等の金属薄
板,及びそれらに微細な穴開け加工を施した,いわゆる
パンチングメタル,或いは薄.仮に微細な切れ目を施し
た後に,延伸加工した,いわゆるエキスバンドメタル,
或いは細線状の導体を網目状に加工した金網などであ
る。
【0049】また,導電性軟磁性支持体1の具体的な例
としては,同様の形態にて材質のみが軟磁性を呈するパ
ーマロイ或いは鉄−珪素鋼等に代えればよい。この場
合,比較的低い周波数での高い電磁干渉抑制効果を期待
できる。いずれにしても,用途に応じて選択するのが望
ましい。
【0050】軟磁性体粉末3としては,高周波透磁率の
大きな鉄アルミ珪素合金(センダスト),鉄ニッケル合
金(パーマロイ)をその代表的素材として挙げることか
できる。軟磁性体粉末3は,微細粉末化され表面部分を
酸化して使用される。なお,軟磁性体粉末Bのアスペク
ト比は十分に大きい(おおよそ5:1以上)ことか望ま
しい。
【0051】有機結合剤4としては,ポリエステル系樹
脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,ポリビニルブチラール樹
脂,ポリウレタン樹脂,セルロース系樹脂,ニトリル−
ブタジエン系ゴム,スチレン−ブタジエン系ゴム等の熱
可塑性樹脂或いはそれらの共重合体,エポキシ樹脂,フ
ェノール樹脂,アミド系樹脂,イミド系樹脂等の熱硬化
性樹脂等を挙げることができる。
【0052】また,絶縁基材5として例えば,ポリイミ
ド基材等の片面もしくは両面に金属,磁性金属,導電性
カーボン,有機導電体等をスパッタ法,真空蒸看法,化
学蒸着(CVD)法等の蒸着法により成膜した導電性基
材もしくは導電性磁性基材も本発明に用いる導電性支持
体として用いることができる。
【0053】また銀粉,銅粉等の金属微粉末もしくは導
電性カーボンブラック,導電性酸化チタン等を有機結合
剤4とともに混練,分散しこれをシート化したもの,或
いは直接シート化せずにポリイミド基材等の絶縁基材5
の片面もしくは両面にドクターブレード法,グラビアコ
ート法或いはリバースコート法等の手段により成膜した
ものを導電性支持体(もしくは導電性軟磁性支持体)1
として使用できる。
【0054】さらに,第6の実施の形態で述べた本発明
のもう一つの構成要素である誘電体層10,もしくは絶
縁性軟磁性体層2に用いる誘電体粉末11としては,高
周波領域での誘電率が大ぎく,かつ誘電率の周波数特性
が比較的平坦なものが好ましい。一例として,チタン酸
バリウム系セラミック,チタン酸ジルコン酸系セラミッ
ク,チ夕ン酸ジルコン酸系セラミック,鉛ペロブスカイ
ト系セラミック等を挙げることができる。
【0055】また,抗菌剤30としては,リン酸ジルコ
ニウム,セオライト,ヒドロキシアパタイト,シリカア
ルミナ,シリカゲル等を単体とした銀系無機抗菌剤を用
いることができるが,その他にCu系やZn系の無機抗
菌剤又は必要に応じて有機系抗菌剤を用いることもでき
る。
【0056】次に,電磁干渉抑制体100による抑制効
果の測定について以下に検証する。
【0057】本発明の実施の形態による電磁干渉抑制体
100の効果を検証するにあたっては,以下の抑制効果
の評価系を準備した。
【0058】図15及び図16は本発明の実施の形態に
よる電磁干渉抑制体100の効果を検証するための電磁
干渉抑制体100の特性評価系である。図8は,透過レ
ベル[dB]を測定するための評価系であり,図15
は,結合レベル[dB]を測定するための評価系であ
る。各々の場合とも,電磁界波源用発振器28及び電磁
界強度測定器(受信用素子)29には,ループ径2mm
以下の電磁界送信用微小ループアンテナ31,電磁界受
信用微小ループアンテナ32を用いている。透過レベル
もしくは結合レベルの測定にはスペクトラムアナライザ
(図示せず)を使用した。
【0059】[第1の試料]導電性支持体1として24
メッシュのステンレス網を用い,この導電性支持体1の
両面に乾燥,硬化後の全厚寸法が1.2mmとなるよう
に下記表1に示す第1の組成の配合からなる軟磁性体ペ
ーストをドクターブレード法により塗工し,85゜Cに
て24時間キュアリングを行い,更に,抗菌剤含有マイ
クロカプセルを紫外線硬化型樹脂に含有させてその表面
に塗布し,紫外線照射して乾燥させた第1の試料を得
た。なお,得られた第1の試料を振動型磁力計並びに走
査型電子顕微鏡を用いて解析したところ,磁化容易軸及
び磁性粒子配向方向は試料面内方向であった。
【0060】
【表1】
【0061】[第2の試料]図1の構成を有する導電性
支持体1として,第1の試料のステンレス網を用いる代
わりに軟磁性を有する24メッシュのパーマロイ(52
Ni−Fe)を用いた以外は,第1の試料と同様にして
第2の試料を得た。
【0062】[第3の試料]図2の構成を有する導電性
支持体1として75μmのポリイミドフィルムの両面に
厚さが3μmのアルミニウムをスパッタ成膜したものを
用いた以外は,試料1と同様にして,第3の試料を得
た。
【0063】[第4の試料]図2の構成を有する導電性
支持体1として75μmのポリイミドフィルムの両面に
下記表2の組成の銀ペーストを乾燥,硬化後の厚さが6
μmとなるようにドクターブレード方にて成膜したもの
を用いた以外は,第1の試料と同様にして第4の試料を
得た。
【0064】
【表2】
【0065】[第5の試料]導電性支持体として25メ
ッシュのステンレス網を用い,この両面に乾燥,硬化後
の全厚が1.0mmとなるように,以下表3に示す第3
の組成からなる軟磁性体ペーストをドクターブレード法
により塗工し,85℃にて24時間キュアリングを行っ
た。その後,得られた軟磁性体層上に以下の表4に示す
第4の組成からなる誘電体ペーストを乾燥,硬化後の厚
さが片面当たり100μmとなるように,ドクターブレ
ード法により塗工し,85゜Cにて24時間キュアリン
グを行い,さらに,表面に抗菌剤含有マイクロカプセル
を紫外線硬化型樹脂に含有させ,表面に塗布し,紫外線
照射して硬化させた第5の試料を得た。
【0066】なお,得られた第5の試料を振動型磁力計
並びに走査型電子顕微鏡を用いて解折したところ,磁化
容易軸及び磁性粒子配向方向は試料面内方向であった。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】[第6の試料]導電性支持体1として,2
4メッシュのステンレス網を用い,この両面に乾燥,硬
化後の全厚が1.2mmとなるように以下の表5に示す
第5の組成からなる誘電体粉末含有軟磁性体ペーストを
ドクターブレード法により塗工し,85℃にて24時間
キュアリングを行った後,抗菌剤含有マイクロカプセル
を紫外線硬化型樹脂に含有させて,表面に塗布し,紫外
線照射して硬化させた第6の試料を得た。
【0070】
【表5】
【0071】[第1の比較試料]厚さが100μmの銅
板の表面に抗菌剤含有マイクロカプセルを紫外線硬化型
樹脂に含有させて塗布し,硬化させて第1の比較試料と
した。
【0072】[第7の試料]導電性支持体1として,厚
さが35μmの銅板を用い,この両面に全厚が1mmと
なるように上記第1の組成の配合からなる軟磁性体ペー
ストをドクターブレード法により塗工し,85℃にて2
4時間キュアリングを行い,さらに,抗菌剤含有マイク
ロカプセルを紫外線硬化型樹脂に含有させて表面に塗布
し,紫外線照射して硬化させた第7の試料を得た。な
お,得られた第7の試料を振動型磁力計並びに走査型電
子顕微鏡を用いて解析したところ,磁化容易軸及び磁性
粒子配向方向は試料面方向であった。
【0073】[第8の試料]導電性支持体1として,第
1の試料の24メッシュのステンレス網を用いる代わり
に120メッシュのステンレス網を用いた以外は,第1
の試料と同じにして全厚が1mmの第8の試料を得た。
【0074】[第2の比較試料]略球状の形状を有し,
平均粒径が30μmの鉄粉80重量部をニトリルゴム2
0重量部に練り込み,厚さ1.2mmのシート状を形成
し,抗菌剤含有マイクロカプセルを紫外線硬化型樹脂に
含有させて表面に塗布し,紫外線照射して硬化させて,
第2の比較試料とした。
【0075】第1乃至第8の試料,第1及び第2の比較
試料の透過レベル及び結合レベルを図15及び図16に
示す評価系にて測定した結果を図17及び図18,図1
9及び図20に夫々示す。図17及び図18は,第1及
び第2の比較試料の電磁干渉抑制効果の周波数特性を示
し,図17は透過レベル[dB]の周波数f[GHz]
特性である。ここで,透過レベルの基準は,電磁干渉抑
制体100がない状態の電磁界強度とした。図18は結
合レベル[dB]の周波数f[GHz]特性である。こ
こで,結合レベルの基準は,電磁干渉抑制体100がな
い状態の電磁界強度とした。
【0076】図19及び図20は,第1乃至第8の試料
の電磁干渉抑制効果の周波数特性を示し,図19は透過
レベル[dB]の周波数f[GHz]特性である。ここ
で,透過レベルの基準は,電磁干渉抑制体100がない
状態の電磁界強度とした。
【0077】図20は結合レベル[dB]の周波数f
[GHz]特性である。ここで,結合レベルの基準は,
電磁干渉抑制体100がない状態の電磁界強度とした。
【0078】図21には,第1乃至第8の試料,第1及
び第2の比較試料の周波数800MHzにおける透過レ
ベル及び結合レベルを夫々示した。
【0079】図17及び図18からも判るように,導体
(銅箔板)のみの場合(第1の比較試料)では,透過レ
ベルは大幅に低下するものの,結合レベルが増大してし
まい問題である。
【0080】一方,第2の比較試料の軟磁性で形状異方
性のほとんどない球状鉄粉をゴムに分散させたもので
は,結合レベルが低下する傾向を示しているものの,透
過減衰がほとんどなく干渉抑制の効果は極めて薄い。
【0081】これら従来の電磁干渉抑制体の結果に対し
て,本発明の電磁干渉抑制体100(第1乃至第8の試
料)においては,図19,図20,及び図21からも明
白なように,透過レベルが十分低くなっているととも
に,結合レベルも増大することがない。
【0082】したがって,例えば,複数の電子部品を実
装する2つの配線基板が重ね合わされるように存在する
電子機器等において,各々の配線基板間に電磁干渉抑制
体100を挿入することで同一の2つの配線基板の電磁
干渉を抑制することが可能となる。
【0083】電磁干渉抑制体100は,不要輻射の反射
を増大化させることなく透過減衰を大きく確保すること
ができ,移動体通信機器をはじめとする高周波電子機器
類内での電磁干渉を抑止することが可能となる。
【0084】なお,上記実施の形態で示した電磁干渉抑
制体100は,その構成要素からわかるように容易に可
撓性を付与することが可能であり,複雑な形状への対応
や厳しい耐振動,衝撃要求への対応が可能である。
【0085】この電子装置への電磁干渉抑制体の効果の
検証する為に,上記と同様に,図15及び図16に示し
た特性評価系を用いた。
【0086】[第9の試料]電磁干渉抑制体100は,
図1に示した電磁干渉抑制体100と同じ構成であっ
て,導電性支持体1として120メッシュのステンレス
網を用い,この導電性支持体1の両面に乾燥,硬化後の
全厚寸法が0.5mmとなるように上記表1に示す第1
の組成の配合に抗菌剤を含有した軟磁性体ペーストをド
クターブレード法により塗工し,85℃にて24時間キ
ュアリングを行い第9の試料を得た。なお,得られた試
料を振動型磁力計並びに走査型電子顕微鏡を用いて解析
したところ,磁化容易軸及び磁性粒子配向方向は試料面
内方向であった。
【0087】[第10の試料]導電性支持体1として7
5μmのポリイミドフィルムの両面に厚さが3μmのア
ルミニウムをスパッタ成膜したものを用いた以外は,第
9の試料と同様にして第10の試料を得た。
【0088】[第11の試料]導電性支持体1として7
5μmのポリイミドフィルムの両面に上記第2の組成の
銀ペーストを乾燥,硬化後の厚さが6μmとなるように
ドクターブレード法にて成膜したものを用いた以外は,
第9の試料と同様にして第11の試料を得た。
【0089】比較試料としては,上記したように,厚さ
が100μmの銅板からなる第3の比較試料と,略球状
の形状を有し,平均粒径が30μmの鉄粉80重量部を
ニトリルゴム20重量部に練り込み,厚さ1.2mmの
シート状に形成した第4の比較試料を用いた。
【0090】第9乃至第11の試料,第3及び第4の比
較試料の透過レベル及び結合レベルを図15及び図16
に示し評価系にて測定した結果を図22,図23,図2
4及び図25に夫々示す。
【0091】図22及び図23は,第1及び第2の比較
試料の電磁干渉抑制効果の周波数特性を示している。図
22は透過レベル[dB]の周波数f[GHz]特性で
ある。ここで,透過レベルの基準は,電磁干渉抑制体1
00がない状態の電磁界強度とした。図23は結合レベ
ル[dB]の周波数f[GHz]特性である。ここで,
結合レベルの基準は,電磁干渉抑制体100がない状態
の電磁界強度とした。
【0092】図24及び図25は,第9乃至第11の試
料の電磁干渉抑制効果の周波数特性を示し,図17は透
過レベル[dB]の周波数f[GHz]特性である。こ
こで,透過レベルの基準は,電磁干渉抑制体100がな
い状態の電磁界強度とした。図25は結合レベル[d
B]の周波数f[GHz]特性である。ここで,結合レ
ベルの基準は,電磁干渉抑制体100がない状態の電磁
界強度とした。
【0093】図22及び図23からも判るように,導体
(銅箔板)のみの場合(第3の比較試料)では,透過レ
ベルは大幅に低下(−50dB以下)するものの,結合
レベルが増大(+7dB)してしまい問題である。
【0094】一方,第4の比較試料の軟磁性で形状異方
性のほとんどない球状鉄粉をゴムに分散させたもので
は,結合レベルが低下(−0dB)する傾向を示してい
るものの,透過減衰がほとんどなく(透過レベルが約−
1dB),干渉抑制の効果がほとんどない。
【0095】第3及び第4の比較試料の電磁干渉抑制体
の結果に対して,本発明の電磁干渉抑制体100(第9
乃至第11の試料)においては,図24,図25からも
明白なように,透過レベルが十分低く(−39dB以
下)なっているとともに,結合レベルも増大することが
ない(+1dB以下)。
【0096】これは,たとえば,電子部品をプリント配
線基板等に実装する電子機器等において,電子部品の下
面とプリント配線基板との間に,電磁干渉抑制体を配置
することによって,不要輻射による反射の影響を受ける
ことなく,電磁干渉を効果的に抑制することが可能とな
る。
【0097】したがって,電磁干渉抑制体100は不要
電磁波の反射を増大させることなく,相互干渉の抑制の
制御が可能となる。また,電磁干渉抑制体100は薄板
であるため,ノイズを抑制ずるための部品を含めた電子
装置全体として考えると,従来より小形かつ軽量で,安
価な電子装置が得られる。なお,電磁干渉抑制体100
は,その構成要素からわかるように,容易に可撓性をも
たせることが可能であり,複雑な形状への対応や厳し耐
振動や衝撃要求への対応が可能である。
【0098】次に,本発明の電磁干渉抑制体100を能
動素子及び受動素子等の実装部品の周囲を覆った場合を
想定した混成集積回路素子への電磁干渉抑制効果につい
て説明する。
【0099】[第12の試料]下記表6に示すの第6の
組成を有する第1の絶縁性軟磁性体層及び第2の絶縁性
軟磁性体層を下記表7に示す第7の組成を導電性支持体
1の両側に前記スラリー浸漬後に付着させて得た。
【0100】
【表6】
【0101】
【表7】
【0102】[第5の比較試料]また,厚さ75μmの
ポリイミドフィルムの両面に,導電性支持体1と同じ組
成の銀ペーストをスラリー含浸法によりコーティング
し,乾燥,硬化して,厚さ100μmの第5の比較試料
を得た。
【0103】これらの第12の試料及び第5の比較試料
に対して,上記したように,能動素子及び受動素子等の
実装部品の周囲を覆った電磁環境を想定した電磁干渉抑
制体100の特性評価系(図15及び図16に示す試験
装置)を用いて試料が存在しない状態での電磁界強度を
基準として測定をおこなった。
【0104】図26及び図27にそれぞれ,透過レベル
測定,及び結合レベル測定の結果(周波数特性)を示
す。図26,図27から明かなように,第5の比較試料
では,透過レベルについて,大幅な低下が見られるもの
の,結合レベルについては増大する。これに対し,第1
2の試料では透過レベルが大幅に低下し,しかも結合レ
ベルの増大も見られない。このことから,本実施の形態
の混成集積回路素子は従来の銀ペースとをコーティング
した素子と同様に,十分に電磁波に対する遮蔽効果を有
するとともに,従来の素子に見られたような電磁波の反
射が見られないことがわかる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
電磁干渉抑制効果に更に抗菌性を備えた電磁干渉抑制体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電磁干渉抑制
体を示す一部断面図である。
【図2】本発明の第2及び第3の実施の形態による電磁
干渉抑制体における導電性支持体の共通の構成を示す一
部断面図である。
【図3】本発明の第4の実施の形態による電磁干渉抑制
体における導電性支持体を示す一部断面図である。
【図4】本発明の第5の実施の形態による電磁干渉抑制
体における導電性支持体を示す一部断面図である。
【図5】本発明の第6の実施の形態による電磁干渉抑制
体を示す一部断面図である。
【図6】本発明の第7の実施の形態による電磁干渉抑制
体を示す一部断面図である。
【図7】図7は本発明の第8の実施の形態による電磁干
渉抑制体を示す一部断面図である。
【図8】本発明の第9の実施の形態による電磁干渉抑制
体を示す一部断面図である。
【図9】本発明の第10及び第11の実施の形態による
電磁干渉抑制体における導電性支持体の共通の構成を示
す一部断面図である。
【図10】本発明の第12の実施の形態による電磁干渉
抑制体における導電性支持体を示す一部断面図である。
【図11】本発明の第13の実施の形態による電磁干渉
抑制体における導電性支持体を示す一部断面図である。
【図12】本発明の第14の実施の形態による電磁干渉
抑制体を示す一部断面図である。
【図13】本発明の第15の実施の形態による電磁干渉
抑制体を示す一部断面図である。
【図14】図7は本発明の第16の実施の形態による電
磁干渉抑制体を示す一部断面図である。
【図15】本発明の実施の形態による電磁干渉抑制体の
効果を検証するための電磁干渉抑制体の特性評価系であ
る。
【図16】本発明の実施の形態による電磁干渉抑制体の
効果を検証するための電磁干渉抑制体の特性評価系であ
る。
【図17】第1及び第2の比較試料の電磁干渉抑制効果
の周波数特性の内の透過レベル[dB]の周波数f[G
Hz]特性である。
【図18】第1及び第2の比較試料の電磁干渉抑制効果
の周波数特性の内の透過レベル[dB]の周波数f[G
Hz]特性の内の結合レベル[dB]の周波数f[GH
z]特性を示す図である。
【図19】第1乃至第8の試料の電磁干渉抑制効果の周
波数特性の内で透過レベル[dB]の周波数f[GH
z]特性を示す図である。
【図20】第1乃至第8の試料の電磁干渉抑制効果の周
波数特性の内で結合レベル[dB]の周波数f[GH
z]特性を示す図である。
【図21】第1乃至第8の試料,第1及び第2の比較試
料の周波数800MHzにおける透過レベル及び結合レ
ベルを夫々示す図である。
【図22】第1及び第2の比較試料の電磁干渉抑制効果
の周波数特性の内で透過レベル[dB]の周波数f[G
Hz]特性を示す図である。
【図23】第1及び第2の比較試料の電磁干渉抑制効果
の周波数特性の内で結合レベル[dB]の周波数f[G
Hz]特性を示す図である。
【図24】第9乃至第11の試料の電磁干渉抑制効果の
周波数特性の内の透過レベル[dB]の周波数f[GH
z]特性を示す図である。
【図25】第9乃至第11の試料の電磁干渉抑制効果の
周波数特性の内で結合レベル[dB]の周波数f[GH
z]特性を示す図である。
【図26】第12の試料及び第5の比較試料の電磁干渉
抑制効果の周波数特性の内の透過レベル[dB]の周波
数f[GHz]特性である。
【図27】第12の試料及び第5の比較試料の電磁干渉
抑制効果の周波数特性の内で結合レベル[dB]の周波
数f[GHz]特性を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 絶縁性軟磁性体層 3 軟磁性体粉末 4 有機結合剤 5 絶縁基材 6 導電性薄膜 7 軟磁性金属薄膜 8 導電性粉末 9 導電体層 10 誘電体層 11 誘電体粉末 20 抗菌層 21 マイクロカプセル 22 合成樹脂 28 電磁界波源用発振器 29 電磁界強度測定器(受信用素子) 30 抗菌剤 31 電磁界送信用微小ループアンテナ 32 電磁界受信用微小ループアンテナ 100 電磁干渉抑制体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E041 AA04 AA07 BB03 CA01 5E058 AA40 5E321 BB21 BB23 BB32 BB41 BB51 BB53 BB60 GG05 GG11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性粉末と有機結合剤とを含む複合磁
    性体を用い,電磁波ノイズを抑止する電磁干渉抑制体に
    おいて,前記複合磁性体に抗菌性を付与したことを特徴
    とする電磁干渉抑制体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁干渉抑制体におい
    て,前記抗菌性は,前記複合磁性体の表面に形成された
    抗菌層によって呈され,前記抗菌層は抗菌剤を含むマイ
    クロカプセルを合成樹脂にて固定したものから実質的に
    なることを特徴とする電磁干渉抑制体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電磁干渉抑制体におい
    て,前記抗菌性は,前記複合磁性体の内部に含有された
    抗菌剤によって呈されることを特徴とする電磁干渉抑制
    体。
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